JPH07100277A

JPH07100277A - 刺繍データ作成装置

Info

Publication number: JPH07100277A
Application number: JP28022293A
Authority: JP
Inventors: Fumiaki Asano; 史明浅野
Original assignee: Brother Industries Ltd
Current assignee: Brother Industries Ltd
Priority date: 1993-10-12
Filing date: 1993-10-12
Publication date: 1995-04-18

Abstract

(57)【要約】【目的】先に刺繍縫いされた下側の刺繍糸が後から
刺繍縫いされた上側の刺繍糸を通して透けて見えること
がないようにし、品質の良い刺繍模様を縫製し得るよう
にするための刺繍データ作成装置を提供することであ
る。【構成】刺繍条件記憶手段に記憶された複数の刺繍
領域のデータに基づいて、その複数の刺繍領域が少なく
とも部分的に重なるか否かを重なり判別手段で判別し、
そして、補正要否判別手段が、前記刺繍条件記憶手段か
らのデータと前記重なり判別手段からの判別結果とを受
け、複数の刺繍領域が重なる場合に、縫い順序が遅い上
側の刺繍領域の糸色の濃度を縫い順序が早い下側の刺繍
領域の糸色の濃度に対して判別する。その判別結果を受
けて、データ補正手段がデータを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、刺繍データ作成装置に
関し、特に部分的にでも重なる複数の刺繍領域に夫々刺
繍縫いされる刺繍糸の濃度が所定の関係のときに、下側
刺繍領域の刺繍糸が透けて見えないような刺繍縫目を作
成するようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、本願出願人は、刺繍模様の為の刺
繍データを極力少ない記憶容量で記憶できるようにする
為に、例えば特公昭６０─４２７４０号公報に記載のよ
うに、文字や図形などの刺繍模様の領域をスキャナなど
で読込む一方、この刺繍領域を複数の矩形状のブロック
に分割し、これらブロックの輪郭を画定する為の複数の
輪郭線素を示すブロックデータと、刺繍糸によりブロッ
ク内に形成する縫目の数を規定する糸密度データとを含
む刺繍領域データとを自動的に求めて記憶するように
し、これらブロックデータと糸密度データとに基いて、
各ブロック毎の針落ち点の位置データを求め、この針落
ち位置データを用いて刺繍模様を刺繍縫いするようにし
た刺繍模様記憶再生装置を提案した。

【０００３】ところで、この刺繍模様記憶再生装置にお
いては、スキャナで読込んだ刺繍模様として、例えば、
「リボンを付けた少女の頭部」のように、髪の毛、リボ
ン、顔、目、鼻、耳、眉毛などの複数の刺繍領域からな
り、しかも刺繍領域「髪の毛」に「リボン」の刺繍領域
が重なるとともに、刺繍領域「顔」に、「目」や「鼻」
などの幾つかの刺繍領域が重なっている場合には、その
刺繍模様に関する複数の刺繍領域データをＣＲＴディス
プレイに表示する一方、各刺繍領域を、座標入力装置
（マウス）を用いてマウスポインタで指示しながら、刺
繍縫いの為の縫い順序や刺繍糸の糸色などの刺繍条件デ
ータを入力するようにしている。

【０００４】ここで、刺繍領域「顔」に、「目」や
「鼻」などの小さい刺繍領域が含まれる場合には、刺繍
縫目を見栄え良くする上から、この刺繍領域「顔」から
「目」や「鼻」などの小さな刺繍領域を取り除くことは
なく、刺繍領域「顔」全体に刺繍縫いを行なった後、後
から「目」や「鼻」などの刺繍領域について、糸色を変
更して刺繍縫いするようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、本願
出願人が提案した刺繍模様記憶再生装置においては、ス
キャナで読込んだ「リボンを付けた少女の頭部」のよう
に、刺繍模様が複数の刺繍領域からなり、しかも刺繍領
域「顔」に、「目」や「鼻」などの幾つかの刺繍領域が
重なっている場合には、先ず「顔」の刺繍領域につい
て、濃度の濃い糸色の刺繍糸で先に刺繍縫いし、その後
「リボン」や「目」や「鼻」について、例えば、濃度の
薄い糸色の刺繍糸で刺繍縫いする場合、各刺繍領域の糸
密度は自動的に求められることから、「顔」の濃度の濃
い刺繍糸が濃度の薄い「目」や「鼻」などの刺繍糸を通
して透けて見えることがあり、刺繍模様の品質が低下す
るという問題がある。

【０００６】本発明の目的は、先に刺繍縫いされた下側
の刺繍糸が後から刺繍縫いされた上側の刺繍糸を通して
透けて見えることがなく、品質の良い刺繍模様を刺繍縫
いし得るような刺繍データ作成装置を提供することであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の刺繍データ作
成装置は、図１の機能ブロック図に示すように、刺繍縫
い可能なミシンにおいて上下動する針に同期してその針
と布移動手段とを一定面内にて相対的に位置制御する為
に、刺繍縫いすべき複数の刺繍領域の各々について、ブ
ロックデータを演算するか、刺繍縫いの針落ち点を示す
ステッチデータを演算する刺繍データ作成装置におい
て、複数の刺繍領域について、刺繍糸の糸色や縫い順序
を含む刺繍条件を記憶する刺繍条件記憶手段と、複数の
刺繍領域のデータに基いて、複数の刺繍領域が、少なく
とも部分的に重なるか否かを判別する重なり判別手段
と、刺繍条件記憶手段からのデータと、重なり判別手段
からの判別結果とを受け、複数の刺繍領域が重なる場合
に、縫い順序が遅い上側の刺繍領域の糸色の濃度を、縫
い順序が早い下側の刺繍領域の糸色の濃度に対して判別
する補正要否判別手段と、補正要否判別手段からの判別
結果を受けてデータを補正するデータ補正手段と、を備
えたものである。

【０００８】

【作用】請求項１の刺繍データ作成装置においては、刺
繍条件記憶手段は、複数の刺繍領域について、刺繍糸の
糸色や縫い順序を含む刺繍条件を記憶している。重なり
判別手段は、複数の刺繍領域のデータに基いて、複数の
刺繍領域が、少なくとも部分的に重なるか否かを判別す
る。更に、補正要否判別手段は、刺繍条件記憶手段から
のデータと、重なり判別手段からの判別結果とを受け、
複数の刺繍領域が重なる場合に、縫い順序が遅い上側の
刺繍領域の糸色の濃度を、縫い順序が早い下側の刺繍領
域の糸色の濃度に対して判別する。その結果、データ補
正手段は、補正要否判別手段からの判別結果を受けてデ
ータを補正する。そして、刺繍縫いすべき複数の刺繍領
域の各々について、刺繍領域を１又は複数のブロックに
分割するなどして、刺繍縫いの針落ち点を示すステッチ
データが作成される。

【０００９】このように、複数の刺繍領域が部分的にで
も重なる場合に、上側の刺繍領域の糸色の濃度につい
て、下側の刺繍領域の糸色の濃度に対して判別され、そ
の判別結果に応じてデータが補正されるので、この補正
如何により、例えば、上側刺繍領域の糸密度を大きく補
正するとか、上側刺繍領域の刺繍糸の糸色濃度を下側刺
繍領域の刺繍糸の糸色濃度より濃くするように補正する
場合には、下側の刺繍糸が上側の刺繍糸を通して透けて
見えることがなく、品質の良い刺繍模様を刺繍縫いでき
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、スキャナーなどで読込んだ刺繍
領域データ（アウトラインデータ）を複数のブロックに
分割する一方、これらブロックの各々に刺繍縫目を施す
為のステッチデータ（針落ち点データ）を作成する刺繍
データ作成装置に本発明を適用した場合のものである。
刺繍データ作成装置１は、図２に示すように、基本的に
は、文字や画像を表示するＣＲＴディスプレイ１０と、
キーボード１１と、ハードディスクドライブ装置などか
らなる外部記憶装置１２と、ＣＲＴディスプレイ１０に
表示された刺繍領域の各々について、糸色や刺繍縫い順
序などの刺繍条件を入力設定する為の座標入力装置（マ
ウス）１３及びこれらが接続された制御ボックス１４と
から構成されている。この制御ボックス１４には、後述
する制御装置Ｃやフロッピーディスクドライブ装置１６
（図３参照）が内蔵されている。

【００１１】次に、刺繍データ作成装置１の制御系は、
図３のブロック図に示すように構成されている。制御装
置Ｃの入出力インターフェース２０には、キーボード１
１と、外部記憶装置１２と、座標入力装置１３と、ＣＲ
Ｔディスプレイ１０の為の表示駆動回路１５と、フロッ
ピーディスクドライブ装置（ＦＤＤ）１６の為のフロッ
ピーディスクコントローラ（ＦＤＣ）１７とが夫々接続
されている。

【００１２】前記キーボード１１には、アルファベット
文字、数字、記号などの刺繍模様を指示する為のキーや
データの入力や修正に必要な種々のキーが設けられてい
る。また、外部記憶装置１２には、文字や図形などの複
数種類の刺繍模様に関する刺繍領域データを刺繍番号と
対応づけて格納する為の刺繍データメモリ１８が設けら
れている。

【００１３】ここで、この刺繍データメモリ１８には、
図示外のスキャナーで読込んだ刺繍模様の領域（アウト
ライン）を規定する複数の規定点座標データなどが格納
されている。例えば、図４、図８に示すように、「リボ
ンを付けた少女の頭部」の刺繍模様に関する７つの刺繍
領域５１〜５７の各々について、刺繍領域を規定する複
数の規定点の座標データからなる刺繍領域データが刺繍
領域番号に対応させて予め格納されている。ここで、こ
の刺繍データメモリ１８には、図４に示すように、各刺
繍領域データに対応させて、糸色番号データ（Ｋ）、縫
い順序データ（Ｏ）、糸密度補正係数データ（ＳＭ）な
どが格納可能なデータ領域が設けられている。

【００１４】制御装置Ｃは、ＣＰＵ２１と、このＣＰＵ
２１にデータバスなどのバス２４を介して接続された入
出力インターフェース２０とＲＯＭ２２及びＲＡＭ３０
とから構成されている。このＲＯＭ２２には、後述の本
願特有のステッチデータ展開制御の制御プログラムなど
が格納されている。尚、このステッチデータ展開制御プ
ログラムには、刺繍領域データに基いて、複数のブロッ
クに分割する既存のブロック分割処理制御のサブルーチ
ン、ブロックデータと糸密度データとに基いてステッチ
データに展開するステッチデータ展開処理制御のサブル
ーチンなどが含まれている。

【００１５】前記ＲＯＭ２２には、図５に示すように、
「白」、「黄」、「水色」・・・「黒」などの糸色名デ
ータと、糸色番号データと、糸色の濃度値データとを夫
々対応させた糸色濃度テーブルＴＢが格納されている。
ＲＡＭ３０には、外部記憶装置１２の刺繍データメモリ
１８から読出された刺繍領域データを含む縫製データを
格納する縫製データメモリ３１、複数のブロックに分割
されたブロックに関するデータを格納する刺繍ブロック
データメモリ３２、針落ち点データに展開されたステッ
チデータを格納するステッチデータメモリ３３、糸色メ
モリ３４、糸密度メモリ３５、ワークメモリや、ＣＰＵ
２１で演算した演算結果を一時的に格納する各種メモリ
やカウンタやポインタなどのメモリが設けられている。

【００１６】次に、刺繍データ作成装置の制御装置Ｃで
行なわれるステッチデータ展開制御のルーチンについ
て、図６・図７のフローチャートに基いて説明する。
尚、図中符号Ｓｉ（ｉ＝１０、１１、１２・・・・）は
各ステップである。キーボード１１において、刺繍縫い
する刺繍領域番号が選択されるとともに、ステッチデー
タ展開開始が指令されるとこの制御が開始され、先ず領
域ポインタ値Ｐと領域数カウント値Ｎとが夫々クリアさ
れ（Ｓ10）、選択された刺繍模様の縫製データが外部記
憶装置１２の刺繍データメモリ１８から読出されて、Ｒ
ＡＭ３０の縫製データメモリ３１に格納され（Ｓ11）、
この縫製データのうち刺繍領域データに基いて刺繍領域
がＣＲＴディスプレイ１０に表示される（Ｓ12）。例え
ば、図８に示すように、刺繍データメモリ１８から読出
された７つの刺繍領域５１〜５７がＣＲＴディスプレイ
１０に夫々表示される。

【００１７】次に、各刺繍領域毎に、刺繍糸の糸色と縫
い順序とを設定する設定処理が実行される（Ｓ13）。即
ち、この設定処理においては、座標入力装置１３を用い
て、マウスポインタで所望の刺繍領域を指示する一方、
キーボード１１から糸色番号と縫い順序とを入力操作す
ることで、これら糸色番号のデータと縫い順序のデータ
とが、指示されている刺繍領域番号に対応付けて縫製デ
ータメモリ３１の夫々のデータ領域に格納される。例え
ば、図４に示すように、刺繍領域番号「５１」の刺繍領
域データには、糸色番号データとして「１５（青）」、
縫い順序データとして「１」が夫々のデータ領域に格納
される。同様にして、刺繍領域番号「５２」、「５３」
・・・「５７」に関して、糸色番号のデータと縫い順序
のデータとが対応する刺繍領域データに対応付けて夫々
のデータ領域に格納される。

【００１８】次に、２つの刺繍領域の重なりを判定し且
つ糸密度補正係数を設定する重なりによる糸密度補正係
数設定処理制御（図７参照）が実行される（Ｓ14）。こ
の制御が開始されると、先ず縫製データメモリ３１に格
納されている縫製データに基いて、刺繍領域の総数が検
索され、この総刺繍領域数が領域数カウント値Ｎとして
格納される（Ｓ20）。次に、全ての刺繍領域の糸密度補
正係数データ（ＳＭ）として、標準である「1.0 」が夫
々のデータ領域に格納され（Ｓ21）、領域ポインタ値Ｐ
に初期値「１」がセットされる（Ｓ22）。次に、領域ポ
インタ値Ｐで指示する刺繍領域と、それ以外の複数の刺
繍領域との重なりを検索する重なり検索処理が実行され
る（Ｓ23）。

【００１９】即ち、この重なり検索処理においては、例
えば、領域ポインタ値Ｐで指示する検索刺繍領域につい
て、細かい複数の検索メッシュに分割する一方、検索対
象の刺繍領域についても同様に細かい複数の検索対象メ
ッシュに分割し、複数の検索メッシュのうちの１つでも
検索対象メッシュの何れかと同一座標であるか否かによ
り重なりを検索してもよい。また、検索刺繍領域のアウ
トラインと検索対象刺繍領域のアウトラインとの交差に
より重なりを検索してもよい。

【００２０】次に、重なり検索処理の結果、検索刺繍領
域と検索対象刺繍領域とが重ならないときには（Ｓ24：
No）、領域ポインタ値Ｐが１つインクリメントされ（Ｓ
30）、この領域ポインタ値Ｐが領域数カウント値Ｎ以下
のときには（Ｓ31：No）、Ｓ23に戻り、Ｓ23〜Ｓ31が繰
り返して実行される。一方、重なり検索処理の結果、検
索刺繍領域と検索対象刺繍領域とが部分的にでも重なる
ときには（Ｓ24：Yes ）、検索刺繍領域データに付随す
る縫い順序データＯ_Nと検索対象刺繍領域データに付随
する縫い順序データＯ_Mとが縫製データメモリ３１から
読出され、縫い順序データＯ_Nが縫い順序データＯ_Mよ
りも小さいとき、つまり検索刺繍領域の方が検索対象刺
繍領域よりも先に（下側に）刺繍縫いされるときには
（Ｓ25：No）、糸密度補正の必要がないことから、Ｓ30
〜Ｓ31を経てＳ23に戻る。

【００２１】ところで、重なり検索処理の結果、検索刺
繍領域と検索対象刺繍領域とが重なり、しかも縫い順序
データＯ_Nが縫い順序データＯ_Mよりも大きいとき、つ
まり検索刺繍領域の方が検索対象刺繍領域よりも後に
（上側に）刺繍縫いされるときには（Ｓ25：Yes ）、更
に検索刺繍領域データに付随する糸色番号データＫ₀と
検索対象刺繍領域データに付随する糸色番号データＫ₁
とが縫製データメモリ３１から読出され、これら糸色番
号データと糸色濃度テーブルＴＢとに基いて、糸色番号
データＫ₀の濃度値データＬ₀から糸色番号データＫ₁
の濃度値データＬ₁を差し引いた濃度差データＬが求め
られる（Ｓ26）。

【００２２】そして、この濃度差データＬが負数のとき
には（Ｓ27：No）、縫い順序が遅い上側の刺繍領域の糸
色濃度が、縫い順序が速い下側の刺繍領域の糸色濃度よ
りも薄いときであり、これら糸色濃度に関する警告メッ
セージがＣＲＴディスプレイ１０に表示される（Ｓ2
8）。次に、先に刺繍縫いされた下側の刺繍糸が後から
刺繍縫いされた上側の刺繍糸を通して透けて見えること
がないように、上側の刺繍領域の糸密度を大きく補正す
る為に、領域ポインタ値Ｐで指示する検索刺繍領域デー
タの糸密度補正係数ＳＭとして、標準値より大きい「1.
4 」が縫製データメモリ３１に補正して格納され（Ｓ2
9）、Ｓ30〜Ｓ31を経てＳ23に戻る。

【００２３】しかし、前記濃度差データＬが０以上の正
数のときには（Ｓ27：Yes ）、縫い順序が遅い上側の刺
繍領域の糸色濃度が、縫い順序が速い下側の刺繍領域の
糸色濃度よりも濃いときであり、先に刺繍縫いされた下
側の刺繍糸が後から刺繍縫いされた上側の刺繍糸を通し
て透けて見えることがないので、Ｓ30〜Ｓ31を経てＳ23
に戻る。そして、領域ポインタ値Ｐが領域数カウント値
Ｎよりも大きいときには（Ｓ31：Yes ）、全ての刺繍領
域について重なり検索処理が終了したことになり、この
制御を終了して、ステッチデータ展開制御のＳ15にリタ
ーンする。

【００２４】その結果、例えば図４に示すように、縫製
データメモリ３１において、縫い順序が早い下側の刺繍
領域番号「５１」と「５３」の各々には、標準の糸密度
補正係数データ「1.0 」が格納される一方、刺繍領域番
号「５１」よりも縫い順序が遅く且つ糸色濃度が薄い上
側の刺繍領域番号「５２」、「５４」、「５７」の各々
と、刺繍領域番号「５３」よりも縫い順序が遅く且つ糸
色濃度が薄い上側の刺繍領域番号「５６」には、標準よ
り大きい糸密度補正係数データ「1.4 」が夫々格納され
る。

【００２５】そして、ステッチデータ展開制御におい
て、縫製データメモリ３１に格納された刺繍領域の全て
について、１又は複数の矩形状のブロックに分割するブ
ロック分割処理が実行されて、各ブロックに関するデー
タが、ＣＲＴディスプレイ１０に表示されるとともに、
ＲＡＭ３０の刺繍ブロックデータメモリ３２にに格納さ
れる（Ｓ15）。例えば、図９に示すように、各刺繍領域
について分割された複数のブロックが２点鎖線によりＣ
ＲＴディスプレイ１０に表示される。

【００２６】次に、これら刺繍領域毎に分割された複数
のブロックについて、糸密度データが演算処理され（Ｓ
16）、刺繍ブロックデータメモリ３２のデータと、縫製
データメモリ３１の糸密度補正係数データと、各ブロッ
ク毎の糸密度データとに基いて、各ブロック毎に、第１
及び第２の両主辺上の針落ち点の座標を順次演算するス
テッチ展開処理が実行されるとともに、求められたステ
ッチデータを順次結んだ刺繍縫目がＣＲＴディスプレイ
１０に表示され（Ｓ17）、この制御を終了して、メイン
ルーチンにリターンする。

【００２７】例えば、図９に示すように、７つの刺繍領
域「５１」〜「５７」の各ブロック毎に求められた刺繍
縫目がＣＲＴディスプレイ１０に表示される。このと
き、刺繍領域「５１」よりも、糸色濃度が薄く且つ縫い
順序が遅い上側の刺繍領域「５２」、「５４」、「５
７」の各々の刺繍縫目が詰まった状態で刺繍縫いされ、
下側の「青色（顔）」の刺繍糸が、上側の「赤色
（鼻）」や「黄色（目）」の糸色濃度の薄い刺繍糸を通
して透けて見えることがなく、また刺繍領域「５３」よ
りも、糸色濃度が薄く且つ縫い順序が遅い上側の刺繍領
域「５６」の刺繍縫目が詰まった状態で刺繍縫いされ、
下側の「黒色（髪の毛）」の刺繍糸が、上側の「白色
（リボン）」の糸色濃度の薄い刺繍糸を通して透けて見
えることがなく、品質の良い刺繍模様を刺繍縫いでき
る。

【００２８】ここで、特許請求の範囲に記載した各手段
と、上記実施例中の構成との対応関係について説明する
と、刺繍条件記憶手段に相当するものは、ＲＡＭ３０の
縫製データメモリ３１であり、重なり判別手段に相当す
るものは、重なりによる糸密度補正係数設定処理制御の
特にＳ23とＳ24であり、補正要否判別手段に相当するも
のは、重なりによる糸密度補正係数設定処理制御の特に
Ｓ25〜Ｓ27であり、データ補正手段に相当するものは、
重なりによる糸密度補正係数設定処理制御の特にＳ29で
ある。

【００２９】尚、前記重なりによる糸密度補正係数設定
処理制御に関して、濃度差データＬが負数のときには
（Ｓ27：No）、Ｓ29において、次のようにデータ補正す
ることが可能である。１）糸密度補正係数ＳＭを、この負数の大きさに応じて
補正するようにしてもよい。２）或いは、下側刺繍領域を、重なり部分に対応する重
なり領域を取り除いて補正してもよい。３）また、上側刺繍領域の糸色濃度を下側刺繍領域の糸
色濃度よりも濃くなるように補正するようにしてもよ
い。４）更に、標準より大きい糸密度補正係数ＳＭを、重な
りが発生した上側刺繍領域の該当するブロックだけに補
正して設定してもよい。５）また、後の補正はオペレータにまかせることとし
て、単に警告表示するようにしてもよい。尚、本発明の技術的思想の範囲内において、前記実施例
の制御に関し、既存の技術や当業者に自明の技術に基い
て種々の変更を加えることもあり得る。尚、刺繍縫い可
能なミシンに設けられた布移動装置を駆動する為の刺繍
データを作成する種々の刺繍データ作成装置に本発明を
適用し得ることは勿論である。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の刺繍デ
ータ作成装置によれば、刺繍条件記憶手段と、重なり判
別手段と、補正要否判別手段と、データ補正手段とを設
け、複数の刺繍領域が部分的にでも重なる場合に、上側
の刺繍領域の糸色の濃度について、下側の刺繍領域の糸
色の濃度に対して判別され、その判別結果に応じてデー
タが補正されるので、下側の刺繍糸が上側の刺繍糸を通
して透けて見えることがなく、品質の良い刺繍模様を刺
繍縫いできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の構成を示す機能ブロック図である。

【図２】刺繍データ作成装置の概略斜視図である。

【図３】刺繍データ作成装置の制御系のブロック図であ
る。

【図４】縫製データメモリに格納されたデータ構成を説
明する説明図である。

【図５】糸色濃度テーブルの設定内容を示す図表である

【図６】ステッチデータ展開制御のルーチンの概略フロ
ーチャートである。

【図７】重なりによる糸密度補正係数設定処理制御のル
ーチンの概略フローチャートである。

【図８】刺繍模様に関する７つの刺繍領域の例示図であ
る。

【図９】刺繍領域毎に求められた刺繍縫目の例示図であ
る。

【符号の説明】

１刺繍データ作成装置２１ＣＰＵ２２ＲＯＭ３０ＲＡＭ３１縫製データメモリＣ制御装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】刺繍縫い可能なミシンにおいて上下動す
る針に同期してその針と布移動手段とを一定面内にて相
対的に位置制御する為に、刺繍縫いすべき複数の刺繍領
域の各々について、ブロックデータを演算するか、刺繍
縫いの針落ち点を示すステッチデータを演算する刺繍デ
ータ作成装置において、前記複数の刺繍領域について、刺繍糸の糸色や縫い順序
を含む刺繍条件を記憶する刺繍条件記憶手段と、前記複数の刺繍領域のデータに基いて、複数の刺繍領域
が、少なくとも部分的に重なるか否かを判別する重なり
判別手段と、前記刺繍条件記憶手段からのデータと、重なり判別手段
からの判別結果とを受け、複数の刺繍領域が重なる場合
に、縫い順序が遅い上側の刺繍領域の糸色の濃度を、縫
い順序が早い下側の刺繍領域の糸色の濃度に対して判別
する補正要否判別手段と、前記補正要否判別手段からの判別結果を受けてデータを
補正するデータ補正手段と、を備えたことを特徴とする刺繍データ作成装置。