JPH0699239A - 異形断面帯板の製造方法 - Google Patents

異形断面帯板の製造方法

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JPH0699239A
JPH0699239A JP27514592A JP27514592A JPH0699239A JP H0699239 A JPH0699239 A JP H0699239A JP 27514592 A JP27514592 A JP 27514592A JP 27514592 A JP27514592 A JP 27514592A JP H0699239 A JPH0699239 A JP H0699239A
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strip
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rolling
metal strip
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Atsushi Kurobe
淳 黒部
Kenji Hara
健治 原
Kazunari Nakamoto
一成 中本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 幅方向に肉厚を異にさせる段差部を有する異
形断面帯板を、冷間圧延によって幅方向の硬度分布のバ
ラツキが少なく、且つ板幅/板厚の大きな被圧延金属帯
板からでも波打ち減少の発生を抑えて製造する。 【構成】 上下に対向して配置された一対のフラットワ
ークロール4間に、少なくとも一方に溝部2aが形成さ
れておりそれぞれフラットワークロール4の回転に伴っ
て移動する上下2枚の金型2間に被圧延金属帯板3を挿
入した状態で通板し圧延し、必要に応じて更にこの粗成
形した異形断面帯板の1枚を胴部の円周方向に溝部4a
が形成されている溝付きワークロール4とフラットなワ
ークロール4との間に通板して圧延を行って仕上げ成形
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、幅方向に肉厚を異にさ
せる段差部を有する異形断面帯板を、冷間圧延によって
幅方向の硬度分布のバラツキが少なく、そして板厚に対
する板幅の割合が大きな金属帯板からでも波打ち現象の
発生を抑えて製造することの出来る異形断面帯板の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば図1に示した如く、金属板の片面
に幅方向に薄肉部1bと肉厚を異にさせる段差部を介し
て厚肉部1aとが連続している形状に形成されている異
形断面帯板(以下、単に異形断面帯板と言う)1は、コ
ネクタの接触子やリレー用の接触子やラッピング接続用
端子などの用途に広く使用されている。従来このような
異形断面帯板は、長方形断面の金属帯板を切削する切削
加工方法や、金型とこれに向かって押圧された状態で往
復移動するフラットロールとの間に被圧延金属帯板を通
板して断続的に圧延する方法(特公昭53−27234
号公報参照)等によって製造されていた。しかしなが
ら、前者の方法には切削屑の発生による作業環境の悪
化,歩留りの低下,切削端部のバリや反りの発生等の、
また後者の方法には極端な低生産効率等の欠点があっ
た。
【0003】そこで上記各方法に代わる方法として、上
下に対向する一対のワークロールの少なくとも一方に胴
部の円周方向に溝部が形成されているワークロール(以
下、溝付きワークロールと言う)を使用して、これらの
ワークロール間に被圧延金属帯板を通板してこの帯板を
異形断面に冷間圧延する方法が知られている。しかしな
がらこの方法は、対向するワークロールの直径を等しく
且つワークロールの周速度を等しくして圧延するため、
被圧延金属帯板は溝部以外では圧延されて圧延方向に大
きく伸び、溝部では圧延されないので、これら圧延部分
と不圧延部分とに大きな長さの差を生じる。そのため、
圧延部分に波打ち現象が生じ、特に圧下率を高くすると
この現象が顕著に現れるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き従来技術の欠点を解消して、切削屑を出さずに歩留り
が良好でバリや波打ち現象を生じない優れた異形断面帯
板を効率良く生産することが出来る異形断面帯板の製造
方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく種々検討した結果、歩留りを良好にすると
共に生産効率を高くするには対向するワークロール間に
金属帯板を通板して冷間圧延する圧延方法が良好であ
り、更に圧延された部分と圧延されない部分とに金属帯
板の圧延方向に関して大きな長さの差を生じるのは金属
帯板の圧延方向に対して直角方向への変形が少ないこと
に起因していることに着目し、対向する上下のワークロ
ールとしてフラットワークロールを使用してこのフラッ
トワークロール間に少なくとも一方に溝部が形成されて
おりそれぞれフラットワークロールの回転に伴って移動
する上下2枚の金型間に被圧延金属帯板を挿入した状態
で通板して被圧延金属帯板を圧延すれば、被圧延金属帯
板はロール直径が無限大なロールで圧延される状態と同
様な状態となるので圧延方向への伸びが抑制されて幅方
向へも変形が生じるため波打ち現象を抑えることが出来
ることを究明した。更に前記金型間に被圧延金属帯板を
2枚以上重ね合わせて対向する上下のフラットワークロ
ール間への1回の通板での被圧延金属帯板の圧下率を3
0%以下で冷間圧延すれば、被圧延金属板の板幅と板厚
の比(以下、板幅/板厚で示す)を小さくして幅方向へ
の変形をより大きくすることが出来るため薄板において
も波打ち現象を生ずることがないと共に、対向する上下
のフラットワークロール間に通板される金属帯板同士が
クラッドすることなく異形断面帯板を製造することが出
来ることも究明した。そして更に前記金型間に被圧延金
属帯板を1枚だけ又は2枚以上重ね合わせて対向する上
下のフラットワークロール間に通板し圧延した後に、こ
の圧延した異形断面帯板を胴部の円周方向に溝部が形成
されている溝付きワークロールとフラットなワークロー
ルとの間に通板して圧延を行って仕上げ成形すればより
良好な形状の異形断面帯板を製造することが出来ること
も究明して本発明を完成したのである。
【0006】以下、図面により本発明に係る異形断面帯
板の製造方法について詳細に説明する。図1は仕上げ成
形された異形断面帯板の1例の断面説明図、図2は本発
明で使用する金型の1例の主要部を示す部分拡大断面説
明図、図3は金型を用いて被圧延金属帯板を圧延してい
る状態の1例を示す拡大断面説明図、図4は被圧延金属
帯板を仕上げ成形中の1例を示す拡大断面説明図、図5
は被圧延金属帯板に純銅帯板を使用して本発明方法を実
施した場合の(イ)粗成形の段階と(ロ)仕上げ成形の段階
との肉厚部分が幅広な場合の各断面形状の拡大説明図、
図6は本発明方法の1実施例の概略図、図7は本発明方
法の他の実施例の概略説明図、図8は被圧延金属帯板と
して使用した純銅帯板を金型間に挿入した状態で通板し
圧延した場合と溝付きワークロールによって成形した場
合との幅拡がり率の比較を示す図、図9は被圧延金属帯
板に純銅帯板を使用して本発明方法により製造された異
形断面帯板の断面硬度分布を測定位置の説明図と共に示
す図である。
【0007】本発明方法を実施するには、先ず被圧延金
属帯板3の通路を挾んで上下両側の対向する位置に2枚
の金型2が設置され、更にこの2枚の金型2の被圧延金
属帯板3の通路と反対側に上下のフラットワークロール
4が配設されている圧延スタンド5を準備する。この圧
延スタンド5に設置されている上下に対向する一対の金
型2は各々の金型2に接触しているフラットワークワー
クロール4の回転に伴って移動出来るようにエンドレス
に構成されている。そしてこの金型2の少なくとも一方
には図2に示すような溝部2aが形成されている。他方
の金型2としては、上記金型2と同様にその溝部2aと
同一大きさの溝部2aが形成されている金型2であって
且つ上記金型2と一対を成すように対向させたときは溝
部2a同士が同じ位置で対向するように溝部2aが位置
する金型2を使用するか、又は幅方向の中央部に溝部2
aが形成されていないフラットな金型を使用する。
【0008】上記したような圧延スタンド5の上下の対
向する金型2間に被圧延金属帯板3を挿入し金型2の各
々に接触しているフラットワークロール4間に金型2と
被圧延金属帯板3とを一緒に通板して異形断面帯板を成
形するのである。所定の寸法の異形断面帯板を得るまで
のトータル圧下率(最終圧下率と言うこともある。また
圧下率は溝付きの金型であってもそのフラットな部分に
おけるものを言う)が1回の通板で得ることが出来ない
場合には、複数回の通板を行ってトータル圧下率を所定
のものとするようにする。また被圧延金属帯板3を2枚
以上重ね合わせて成形する場合は、圧延スタンド5の金
型2間に被圧延金属帯板3を2枚以上重ね合わせて挿入
し、金型2の各々に接触しているフラットワークロール
4間に金型2と被圧延金属帯板3とを一緒に通板して成
形する。更に所定の寸法の異形断面帯板を得るまでのト
ータル圧下率が30%以下であれば、対向する上下のフ
ラットワークロール4間に被圧延金属帯板3と金型2と
を1回通板すれば良い。しかし、トータル圧下率が30
%を超える場合には、1回の通板による圧下率を30%
以下として複数回の通板を行ってトータル圧下率を所定
のものとするようにする。このように複数回の通板を行
ってトータル圧下率を所定のものとする場合には、1基
の圧延スタンドのみを利用するリバース圧延による場合
と、直列に配置された圧延スタンド群を利用するタンデ
ム圧延による場合とのいずれの方法によっても良い。
【0009】以下に、複数回の通板を行う場合及び仕上
げ成形の具体的な例について説明する。粗成形をリバー
ス圧延で行う場合には、図6に示した如く上下2枚の金
型2間に挿入する被圧延金属帯板3の枚数に対応した数
の巻出リール兼巻取リール7を1基の粗成形用の圧延ス
タンド5を挾んでその両側に設け、一方の側の各巻出リ
ール兼巻取リール7に巻かれている被圧延金属帯板3を
それぞれ巻き出し、それぞれデフレクターロール6を経
て圧延スタンド5の上下2枚の金型2間に挿入し被圧延
金属帯板3と金型2とを一緒にフラットワークロール4
間に通板し、他方の側のそれぞれのデフレクターロール
6を経て被圧延金属帯板3を各巻出リール兼巻取リール
7に巻き取って先ず第一回の通板を終える。次いで、粗
成形用の圧延スタンド5のフラットワークロール4間の
間隔4bを狭くした後、前回とは逆方向に被圧延金属帯
板3を通板するという通板作業を繰り返すのである。ま
た、被圧延金属帯板3を2枚以上重ね合わせて成形する
場合は、圧延スタンド5の入側でデフレクターロール6
を経た被圧延金属帯板3を重ね合わせて上下2枚の金型
2間に挿入し、圧延スタンド5出側では各巻出リール兼
巻取リール7の前で金属帯板を1枚づつ剥離して巻き取
るのである。
【0010】粗成形をタンデム圧延で行う場合には、図
7に示すように上下2枚の金型2間に挿入する被圧延金
属帯板3の枚数に対応した数の巻出しリール7'と巻取
リール9とを複数基の粗成形用の圧延スタンド5が直列
に配置された粗形成用の圧延スタンド群5'を挾んでそ
の両側にそれぞれ設け、各圧延スタンド5のフラットワ
ークロール4間の間隔4bを被圧延金属帯板3の通板方
向に行くに従って狭くし且つ各圧延スタンド5における
圧下率が30%以下となるように調節しておく。そして
巻出しリール7'に巻かれている被圧延金属帯板3を巻
き出し、それぞれのデフレクターロール6を経て粗成形
用の圧延スタンド群5'に一方向に通板するのである。
また、被圧延金属帯板3を2枚以上重ね合わせて成形す
る場合は、直列に配置された最も巻出しリール7'側に
位置する圧延スタンド5の入側でデフレクターロール6
を経た被圧延金属帯板3を重ね合わせて金型2間に挿入
するのである。
【0011】このようにリバース圧延又はタンデム圧延
によって被圧延金属帯板3を粗成形用の圧延スタンド5
又は圧延スタンド群5'のフラットワークロール4間の
間隔4bに金型2と一緒に通板して所定寸法に至るまで
圧延して異形断面に粗成形を行い、粗成形が終われば、
次に1枚の粗成形された異形断面の金属帯板を取り出
し、後述する仕上げ成形用の圧延スタンド10に通板し
て仕上げ成形を行う。粗成形をリバース圧延で行う場合
は、粗成形終了時点で金属帯板は1枚づつ巻出リール兼
巻取リール7に巻き取られているから、巻き取られた粗
成形が終了した金属帯板コイルを図6に示すようにその
巻出リール兼巻取リール7の次の仕上げ成形用の圧延ス
タンド10を備えた圧延設備の巻出しリール8へ移送し
て仕上げ成形用の圧延スタンド10に仕掛けて仕上げ成
形を行う。
【0012】粗成形をタンデム圧延で行う場合は、被圧
延金属帯板3が最終の粗成形用圧延スタンド5を通過し
た直後に、金属帯板をそのまま続けて次の仕上げ成形用
の圧延スタンド10に通板して仕上げ成形を行う。被圧
延金属帯板3が2枚以上の場合は図7に示すように被圧
延金属帯板3が最終の粗成形用圧延スタンド5を通過し
た直後に、粗成形が終了した金属帯板を1枚づつに剥離
し、そのまま続けて次の仕上げ成形用の圧延スタンド1
0に通板して仕上げ成形を行う。粗成形された後に1枚
づつに剥離された金属帯板のうち、異形断面でないもの
は当然ながら仕上げ成形は行わない。図6及び図7は、
図3に示すように上下の金型2が共に溝付きの場合であ
って且つ2枚の被圧延金属帯板3を重ね合わせた状態で
粗成形した後に仕上げ成形する場合を示す。
【0013】仕上げ成形用の圧延スタンド10は、図4
に示すように胴部の円周方向に溝部4a'が形成されて
いる溝付きのワークロール4'とフラットなワークロー
ル4'とで一対を成しており、通板される粗成形された
被圧延金属帯板3に形成されている肉厚の厚い部分に上
記の溝部4a'が接するように両ワークロール4'が配置
されている。このような仕上げ成形用の圧延スタンド1
0に通板した後の金属帯板は、リバース圧延,タンデム
圧延のいずれによる粗成形後の仕上げ成形であっても、
巻取リール9に巻き取る。このようにして異形断面帯板
を製造するのである。
【0014】
【作用】粗成形されただけの異形断面の帯板は、溝付き
の金型2を用いて幅方向に肉厚を異にさせる段差部を有
する異形断面の帯板を強制的に成形したものであるた
め、被圧延金属帯板3の断面での前記説明した変形挙動
によって金属帯板の下面に図5(イ)に示すような凹凸が
生じ、それによって断面硬度分布にもバラツキが生じて
いるのが通常である。本発明方法によれば、この金属帯
板の下面に生じる凹凸や断面硬度分布のバラツキは、従
来の溝付きワークロールを使用して異形断面の帯板を製
造する場合に比べてかなり低減出来ているが、更にこの
粗成形した異形断面の帯板の1枚を溝付きワークロール
4'とフラットなワークロール4'間に通板する圧延を行
って仕上げ成形することにより、図5(イ)に示す状態か
ら図5(ロ)に示すように上記凹凸面がフラット面に整え
られ、それによって断面硬度分布も一定値に近付くよう
に整えられる。
【0015】すなわち、粗成形を胴部の円周方向に溝部
4a'を形成したワークロール4'を使用して行う従来の
方法では、板幅/板厚が大きい場合には複数枚の被圧延
金属帯板3を重ね合わせて圧延しても波打ち現象の発生
を防止し難い。そこで本発明方法によれば、被圧延金属
帯板3を溝部2aを形成した金型2と一緒にワークロー
ル4間に通板して圧延することにより、板幅方向の変形
が容易になり、板幅/板厚が大きい場合でも波打ち現象
を効果的に防止することが出来るのである。
【0016】次に、被圧延金属帯板3が波打つ現象の発
生防止作用に金型2がどのように影響するかを実証的に
説明する。外径が70mm,胴長が120mmのワークロールの
胴部の胴長方向中央に幅13mm,深さ0.45mmの溝部を設け
た一対のワークロールを1基の圧延スタンド5に装着
し、圧延油を使わずにワークロールの周速度を0.075m
/sにして成形した場合と、外径が50mm,胴長が180mm
の一対のフラットワークロール4間に板幅が90mmで板幅
の中央に幅が13mm,深さが0.45mmの溝部2aを形成した
一対の金型2と一緒に被圧延金属帯板3を通板し、圧延
油を使わずにフラットワークロール4の周速度を0.015
m/sにして成形した場合とについて幅拡がり率(圧延
によって拡がった幅を圧延前の幅で除した値)を比較し
た。使用した被圧延金属帯板3は板厚が0.7mm、板幅が2
0mmの純銅帯板であり、同種類同士を2枚重ね合わせて
通板した。また、1回の通板での圧下率を10%に設定
して3パスの圧延を行った。その結果、図8に示すよう
に幅拡がり率は、金型2と被圧延金属帯板3とを一緒に
通板した方が高くなり、溝付きワークロール4で成形し
た場合に比べ約3%上昇し、2倍の値を示している。
【0017】
【実施例】粗成形用の圧延スタンド5として、外径が50
mm,胴長が180mmのフラットワークロール4間に板幅が9
0mmで板幅の中央に幅が13mmで深さ1mmの金型2を設置
し、板厚が0.7mm、板幅が20mmの純銅帯板を2枚重ね合
わせて前記金型2間に挿入した状態で前記フラットワー
クロール4間に通板して成形を行った。一回の通板での
圧下率を10%に設定し、圧延油を使わずにフラットワ
ークロール4の周速度を0.015m/sで3パスの圧延を
行って粗成形された異形断面の帯板を得た。次いで、仕
上げ成形用圧延スタンド10に外径が70mm,胴長が120m
mのロールの胴長の胴長方向中央に幅13mm、深さ1mmの
溝部4a'を設けたワークロール4'と、外径が70mm,胴
長が120mmのフラットなワークロール4'とを上下に配設
し、このワークロール4'間に前記粗成形した異形断面
の帯板のうちの1枚を圧下率2%に設定して圧延油を使
わずにワークロール4'の周速度を0.075m/sで1パス
の圧延を行う仕上げ成形を行った。
【0018】その結果、粗成形の段階では図5(イ)に示
すような金属帯板の下面の形状が、図5(ロ)に示すよう
なフラットな形状になった。また粗成形後と仕上げ成形
後とに金属帯板のビッカース硬度を図9の上部に示す測
定位置で測定して断面硬度分布を調べたところ、仕上げ
成形後の異形断面帯板の断面硬度分布は粗成形時よりも
一定値に近付いており、品質の良好な異形断面帯板を製
造することが出来た。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように本発明に係る異形
断面帯板の製造方法は、上下に対向して配置された一対
のフラットワークロール間に、少なくとも一方に溝部が
形成されておりそれぞれフラットワークロールの回転に
伴って移動する上下2枚の金型間に被圧延金属帯板を挿
入した状態で通板し圧延することを特徴とする方法であ
り、更に粗成形後に仕上げ成形を行うことによって断面
形状と断面硬度分布が整った異形断面帯板を製造する方
法も含むものである。このような本発明方法は以下に列
挙する利点を有しており、その工業的価値の非常に大き
いものである。
【0020】溝付きワークロールで成形した場合より
も幅拡がり率を高くすることが出来、それによって成形
出来る寸法範囲を拡大することが出来る。 被圧延金属帯板を複数枚重ね合わせた状態で成形する
場合には、被圧延金属帯板が1枚の場合よりも板幅/板
厚が小さくなることにより、幅拡がり率は高くなって成
形出来る寸法範囲を拡大することが出来る。 粗成形後に仕上げ成形を行うことによって、製造され
た異形断面帯板の下面の凹凸面をフラット面にすること
が出来、且つ製造された異形断面帯板の断面硬度分布を
粗成形時のようなバラツキのある状態からより一定値に
近付けること出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上げ成形された異形断面帯板の1例の断面説
明図である。
【図2】本発明で使用する金型の1例の主要部を示す部
分拡大断面説明図である。
【図3】金型を用いて被圧延金属帯板を圧延している状
態の1例を示す拡大断面説明図である。
【図4】被圧延金属帯板を仕上げ成形中の1例を示す拡
大断面説明図である。
【図5】被圧延金属帯板に純銅帯板を使用して本発明方
法を実施した場合の(イ)粗成形の段階と(ロ)仕上げ成形
の段階との肉厚部分が幅広な場合の各断面形状の拡大説
明図である。
【図6】本発明方法の1実施例の概略図である。
【図7】本発明方法の他の実施例の概略説明図である。
【図8】被圧延金属帯板として使用した純銅帯板を金型
間に挿入した状態で通板し圧延した場合と溝付きワーク
ロールによって成形した場合との幅拡がり率の比較を示
す図である。
【図9】被圧延金属帯板に純銅帯板を使用して本発明方
法により製造された異形断面帯板の断面硬度分布を測定
位置の説明図と共に示す図である。
【符号の説明】
1 異形断面帯板 1a 肉厚部 1b 薄肉部 2 金型 2a 溝部 3 被圧延金属帯板 4 フラットワークロール 4b ワークロール間の間隔 4' フラットワークロール 4a' 溝部 5 圧延スタンド 5' 圧延スタンド群 6 デフレクターロール 7 巻出リール兼巻取リール 7' 粗成形用の巻出しリール 8 仕上げ成形用の巻出しリール 9 仕上げ成形用の巻取リール 10 仕上げ成形用の圧延スタンド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅方向に肉厚を異にさせる段差部を有す
    る異形断面帯板を製造するに際し、上下に対向して配置
    された一対のフラットワークロール(4)間に、少なくと
    も一方の加工面に溝部(2a)が形成されておりそれぞれ
    前記フラットワークロール(4)の回転に伴って移動する
    上下2枚の金型(2)間に被圧延金属帯板(3)を挿入した
    状態で通板し圧延することを特徴とする異形断面帯板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法で被圧延金属帯板
    (3)を圧延して異形断面に粗成形した後、この粗成形し
    た異形断面帯板(3)を胴部の円周方向に溝部(4a')が
    形成されている溝付きワークロール(4')とフラットな
    ワークロール(4')との間に通板して圧延を行って仕上
    げ成形する異形断面帯板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上下2枚の金型(2)間に被圧延金属帯板
    (3)を2枚以上重ね合わせた状態で通板し、1回の通板
    での被圧延金属板(3)の圧下率を30%以下で圧延した
    後、該被圧延金属板(3)を剥離する請求項1に記載の異
    形断面帯板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の方法で2枚以上重ね合
    わせて被圧延金属帯板(3)を圧延して粗成形した後、粗
    成形した異形断面帯板(3)の1枚を胴部の円周方向に溝
    部(4a')が形成されている溝付きワークロール(4')と
    フラットなワークロール(4')との間に通板して圧延を
    行って仕上げ成形する異形断面帯板の製造方法。
  5. 【請求項5】 上下2枚の金型(2)間に被圧延金属帯板
    (3)を2枚以上重ね合わせた状態で通板して行う圧延
    を、1組のフラットワークロール(4)間に金型(2)と被
    圧延金属帯板(3)とを往復通板すると共に、金型(2)と
    被圧延金属帯板(3)との通板方向を逆転する毎に前記フ
    ラットワークロール(4)間の間隔(4b)を狭くして行う
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の異形断面帯
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 上下2枚の金型(2)間に被圧延金属帯板
    (3)を2枚以上重ね合わせた状態で通板して行う圧延
    を、金型(2)と被圧延金属帯板(3)との通板方向に行く
    に従ってフラットワークロール(4)間の間隔(4b)を狭
    くした状態に複数組にフラットワークロール(4)を配設
    し、前記金型(2)と被圧延金属帯板(3)とを一方向に通
    板して行う請求項1から4までのいずれか1項に記載の
    異形断面帯板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0671098A (ja) 1992-01-29 1994-03-15 Ejnar Jensen & Soen As アイロンローラなどの洗濯処理ユニットへフラットワーク物品を供給するための装置
CN110802371A (zh) * 2019-10-21 2020-02-18 南京钢铁股份有限公司 一种叠轧薄板隔离剂的喷涂方法

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