JP3288499B2 - 異形断面帯板の製造方法 - Google Patents

異形断面帯板の製造方法

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JP3288499B2
JP3288499B2 JP24859393A JP24859393A JP3288499B2 JP 3288499 B2 JP3288499 B2 JP 3288499B2 JP 24859393 A JP24859393 A JP 24859393A JP 24859393 A JP24859393 A JP 24859393A JP 3288499 B2 JP3288499 B2 JP 3288499B2
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健治 原
淳 黒部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、胴部の円周方向に凸部
が複数形成されているワークロールが少なくとも一方に
設置されている圧延機を使用して長方形断面の被圧延金
属帯を冷間圧延して、幅方向に肉厚の異なる段差部を複
数有する異形断面帯板を座屈やねじれを生じさせること
なく効率良く製造することのできる異形断面帯板の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】幅方向に肉厚の厚い厚肉部とこの厚肉部
の肉厚より薄い薄肉部とが連続した形状に形成された異
形断面帯板は、例えば軸受け用リテーナやリードフレー
ム等に広く利用されており、従来より長方形断面の金属
帯を長手方向に通板させながらバイトやフライスにより
金属帯の幅方向の所定個所を連続的に切削することによ
って段差部を形成する切削加工方法や、特公昭53−2
7234号公報に開示されているように往復移動する平
ロールに対向する面側に先端から順次幅が広がる凸部又
は凹部を形成された金型と前記平ロールとの間に被圧延
金属帯を通板し、往復移動する前記平ロールを押圧しこ
の金型の表面形状に合わせた段差部を形成する断続的に
圧延する方法等によって製造されていた。
【0003】しかしながら、前者の切削加工方法は、金
属帯の切削により切削屑が生じて作業環境が悪化するば
かりでなく歩留りが低く、更には切削された端部にバリ
や反り等が生じて品質が悪いという欠点があった。ま
た、後者の断続的に圧延する方法は、金型が高価である
から種々の形状の異形断面帯板に対応し難く、更に異形
断面帯板を連続的に製造することが困難であり生産効率
が極めて低いという欠点があった。
【0004】そこで、上記したような欠点を解消すべく
例えば特公平1−59041号公報や特開平1−299
701号公報に開示されている如き異形断面帯板の製造
方法が提案されている。前者の特公平1−59041号
公報に開示されている異形断面帯板の製造方法は、先ず
図5(イ)に示す如く円周方向に溝をその軸方向に複数形
成された溝付きワークロール6aとフラットなワークロー
ル6bとの間で長方形断面を有する金属帯の板厚を薄くす
べき部分を圧延して板厚を厚くする部分を溝付きワーク
ロール6aの溝内で座屈変形させて後、同図(ロ)のように
フラットなワークロール6b間に通板して前記座屈変形さ
せた部分の上下面が平行になるまで圧延し、更に同図
(ハ)のように異形断面帯板2の断面形状に対応する形状
の溝が円周方向に形成されている仕上用溝付きワークロ
ール6cとフラットなワークロール6bとの間に通板して製
品形状に圧延する方法である。
【0005】また後者の特開平1−299701号公報
に開示されている異形断面帯板の製造方法は、先ず図6
(イ)に示す如く円周方向に所定の曲率の溝をその軸方向
に複数形成された溝付きワークロール7aとこの溝付きワ
ークロール7aの溝に対応する位置に所定の曲率の凸部が
形成された凸部付きワークロール7bとの間で長方形断面
を有する金属帯の板厚を薄くすべき部分を所定の圧下率
で所定の曲率で湾曲圧延して後、同図(ロ)のようにフラ
ットなワークロール7c間に通板して所定の曲率に変形さ
せた部分の上下面が平行になるまで圧延し、更に同図
(ハ)のように異形断面帯板2の断面形状に対応する形状
の凸部が円周方向に形成されている仕上用凸部付きワー
クロール7dとフラットなワークロール7cとの間に通板し
て製品形状に圧延する方法である。
【0006】しかしながら、上記したいずれの方法も長
方形断面を有する金属帯を、その幅方向において板厚を
薄くする部分のみを圧延するので、その圧延された板厚
を薄くする部分では圧延方向に伸びが生じるのに対し、
板厚を厚くする部分では図5に示す方法においてはワー
クロールの溝内で座屈変形せしめられた部分が板厚を薄
くする部分よりのメタルフローにより幅方向に座屈変形
するだけで圧延方向に関しては金属帯に伸びが生じない
のであり、また図6に示す方法においても板厚を薄くす
る部分にのみ圧下力を作用させるのでワークロールのフ
ラットな部分で規制される板厚を厚くする部分には圧延
方向に関して伸びが生じないのであり、このように圧延
方向に関して伸びる部分と伸びない部分とが幅方向に交
互に存在する不均一な変形状態で圧延されるために座屈
やねじれ等の形状不良が発生するという欠点があったの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消して、幅方向に肉厚の異なる段差部を複
数有する異形断面帯板を座屈やねじれを生じさせること
なく圧延によって長方形断面形状から一挙に効率良く製
造することのできる異形断面帯板の製造方法を提供する
ことを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく種々検討した結果、長方形断面形状の被圧
延金属帯を圧延して幅方向に肉厚の異なる段差部を複数
有する異形断面帯板を製造したときに生じる座屈やねじ
れは、被圧延金属帯の圧延方向に関して厚肉部分の金属
帯の伸びより薄肉部分の金属帯の伸びが大きいために被
圧延金属帯の幅方向において主として薄肉部分に通板方
向の圧縮応力が働くことになり、厚肉部分の板厚と薄肉
部分の板厚との比が大きくなると薄肉部分の材料強度が
この圧縮応力に対応しきれない程大きくなって発生する
ことに着目し、胴部の円周方向に凸部が複数形成されて
いるワークロールが少なくとも一方に設置されている圧
延機のワークロール間に長方形断面形状の被圧延金属帯
を通板して圧延する際に、所定範囲内の高張力を付与し
ながら圧延すれば、厚肉部分の板厚と薄肉部分の板厚と
の板厚差が大きい異形断面帯板を座屈やねじれが生じる
ことなく製造することができることを究明して本発明を
完成したのである。
【0009】以下、図面により本発明に係る異形断面帯
板の製造方法について詳細に説明する。図1は本発明方
法を実施している状態を簡略に示す正面説明図、図2は
本発明方法によって製造された異形断面帯板の形状の1
例を示す斜視図、図3は図1におけるA−A線端面図、
図4は図1におけるB−B線断面図である。
【0010】本発明方法を実施するためには、先ず図4
に示す如く胴部4aの円周方向に製造すべき異形断面帯板
2の厚肉部分2aと薄肉部分2bとの高低差に対応する高さ
を有する凸部4bを複数形成されているワークロール4が
少なくとも一方に設置されている圧延機3を準備する。
このワークロール4の胴部4aの円周方向に形成されてい
る凸部4bの形状は、通常その頂部がフラットに形成され
ており、断面が矩形状や図4に示す如く胴部4aに行くに
従って広幅を成す台形状を成している。
【0011】そして、この圧延機3のワークロール4間
に図3に示す如く長方形断面を有する被圧延金属帯1を
通板し、このワークロール4間を通過して圧延された異
形断面帯板2に張力付与装置5により所定の張力を付与
しながら巻取リールに巻き取るのであり、図示した実施
例では巻取リールに張力を付与することのできるテンシ
ョンリールを使用して張力付与装置5としている。
【0012】この被圧延金属帯1の材料としては、銅,
銅合金,アルミニウム,アルミニウム合金,鉄,鋼等か
ら成る単体材料やこれらを組み合わせた複合材料を使用
することができる。
【0013】前記張力付与装置5によってワークロール
4の下流側で異形断面帯板2に付与する所定の張力は、
ワークロール4間を通過して圧延される被圧延金属帯1
及び圧延された後の異形断面帯板2の断面形状,圧延条
件,材質等によって異なるが、圧延によって製造された
異形断面帯板2に破断が生じないことは勿論のこと、座
屈やねじれが生じないことも必要である。そこで、本発
明においては、被圧延金属帯1の抗張力の90%とワー
クロール4の下流側における異形断面帯板2の厚肉部分
2aの断面積S1,S2,S3,S4の総和の積に相当する上
限張力と、ワークロール4の上流側での被圧延金属帯1
の断面積A1と下流側での異形断面帯板2の断面積A2
からワークロール4の下流側における異形断面帯板2の
伸び率δ=〔(A1−A2)/A2〕(以下、単に伸び率δ
と言う)を求め、この伸び率δに対応する被圧延金属帯
1の変形抵抗の50%とワークロール4の下流側におけ
る異形断面帯板2の厚肉部分2aの断面積S1,S2
3,S4の総和の積に相当する下限張力との間の張力を
ワークロール4の下流側で異形断面帯板2に付与する張
力とするのである。
【0014】ここで、異形断面帯板2の厚肉部分2aの断
面積とは、ワークロール4の凸部4bが図2にハッチング
で示す如く頂部がフラットに形成されている場合には、
隣合う凸部4b,4bのフラットな頂部の端縁間で圧延され
る部分の面積である。このようにワークロール4の下流
側で所定範囲の高張力を付与しながら圧延することによ
って破断が生じること無く且つ座屈やねじれのない良好
な形状の幅方向に肉厚の異なる段差部を複数有する異形
断面帯板2が製造できるのである。
【0015】
【作用】上記した如き本発明方法を実施して幅方向に肉
厚の異なる段差部を複数有する異形断面帯板2を製造す
ると、ワークロール4の凸部4bで圧延される肉厚の薄い
薄肉部分2bの圧下率が厚肉部分2aの圧下率より高いので
この薄肉部分2bには厚肉部分2aより大きな圧縮応力σb
が働くのであるが、ワークロール4の下流側で異形断面
帯板2に付与している張力が前記薄肉部分2bに働く圧縮
応力σbを小さくすると共に、厚肉部分2aに引張応力σa
を作用させて伸びを生じさせるように異形断面帯板2に
作用するのである。
【0016】すなわち、ワークロール4の上流側の被圧
延金属帯1の断面積A1に対してワークロール4の下流
側の異形断面帯板2はその断面積A2が減少しておりこ
の断面積の減少分(A1−A2)は被圧延金属帯1が圧延
方向へ伸びた分に相当するから、被圧延金属帯1を圧延
したときにワークロール4の上流側での被圧延金属帯1
の断面積A1と下流側での異形断面帯板2の断面積A2
から求められたワークロール4の下流側における異形断
面帯板2の伸び率δを求めてこの伸び率δに対応する被
圧延金属帯1の変形抵抗の50%とワークロール4の下
流側における異形断面帯板2の厚肉部分2aの断面積
1,S2,S3,S4の総和との積である下限張力以上の
張力をワークロール4の下流側で異形断面帯板2に付与
すると、ワークロール4の下流側の圧延された異形断面
帯板2の厚肉部分2aでは圧延により薄肉部分2bで生じた
圧延方向への伸びに近似した伸びがその張力により作用
する引張応力σaによって生じ且つ薄肉部分2bでは圧延
により生じた圧縮応力σbを軽減するように作用するの
で、異形断面帯板2の厚肉部分2aの板厚t1と薄肉部分2
bの板厚t2との板厚差が大きくても座屈やねじれを生じ
ることが無いのである。
【0017】しかしながら、ワークロール4の下流側で
異形断面帯板2に付与する張力は、前記下限張力以上で
あれば無限大に大きな張力を付与して良いわけではな
く、本発明者等が種々実験検討の結果、被圧延金属帯1
の抗張力の90%とワークロール4の下流側における異
形断面帯板2の厚肉部分2aの断面積S1,S2,S3,S4
の総和の積に相当する張力を上限張力とすれば、被圧延
金属帯1を破断させることなく良好に圧延を実施できる
ことを確認しているのである。
【0018】
【実施例】それぞれ胴部4aの直径が400mmで、一方はフ
ラットロールで他方は胴部4aの円周方向にその頂部がフ
ラットな縦断面台形状の2個の凸部4bが形成されて成る
一対のワークロール4が設置されている2段圧延機3を
使用して、板厚2.1mm,板幅100mmの長方形断面を有する
普通鋼(抗張力:330N/mm2)の被圧延金属帯1を前記
ワークロール4間に1回通板して3山の厚肉部分2aと2
溝の薄肉部分2bから成る異形断面帯板2を製造した。こ
のとき胴部4aに形成された凸部4bの高さ及びフラットな
頂部の幅が異なる種々のワークロール4を準備してお
き、圧延後の厚肉部分2aの板厚t1に対する薄肉部分2b
の板厚t2の比t2/t1及び薄肉部分2bの板厚t2とその
幅W2の比t2/W2をワークロール4を取り替えて種々
変更し、且つワークロール4間の間隔と凸部4bの形状・
寸法とから決定される製造すべき異形断面帯板2の断面
積A2とワークロール4の上流側の被圧延金属帯1の断
面積A1とにより求められる伸び率δに対応する変形抵
抗を異形断面帯板2の厚肉部分2aの断面積の総和に乗じ
て算出した張力を基準にしてテンションリールから成る
張力付与装置5によりワークロール4の下流側で付与し
ながら異形断面帯板2を製造した。その結果を表1に示
す。また、ワークロール4の下流側で異形断面帯板2に
付与する張力を、被圧延金属帯1の変形抵抗の50%未
満の大きさの応力とワークロール4の下流側における異
形断面帯板2の厚肉部分2aの断面積S1,S2,S3,S4
の総和の積に相当する張力を付与しながら異形断面帯板
2を製造した。その結果を表2に示す。更に、ワークロ
ール4の下流側で異形断面帯板2に付与する張力を、被
圧延金属帯1の抗張力の90%を超える大きさの応力と
ワークロール4の下流側における異形断面帯板2の厚肉
部分2aの断面積S1,S2,S3,S4の総和の積に相当す
る張力を付与しながら異形断面帯板2を製造した。その
結果を表3に示す。なお、これらの表に示した評価は、
製造した異形断面帯板2の薄肉部分2bの座屈及びねじれ
などの形状不良の有無を目視により行い、○は形状が良
好であり、△は形状不良であり、×は異形断面帯板2の
厚肉部分2aや薄肉部分2bに破断が生じた場合を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】本発明方法によれば、表1に示す如く圧延
後の厚肉部分2aの板厚t1に対する薄肉部分2bの板厚t2
の比t2/t1が非常に小さい場合、換言すれば圧延後の
厚肉部分2aの板厚t1と薄肉部分2bの板厚t2との板厚差
が非常に大きい異形断面帯板2や、薄肉部分2bの板厚t
2に対する薄肉部分2bの幅W2の比t2/W2が非常に小さ
い異形断面帯板2を座屈やねじれが生じることなく良好
な形状に製造することができるのである。これに対し、
表2に示す如くワークロール4の下流側で異形断面帯板
2に付与する張力値を、被圧延金属帯1の変形抵抗の5
0%未満の大きさの応力とワークロール4の下流側にお
ける異形断面帯板2の厚肉部分2aの断面積S1,S2,S
3,S4の総和の積に相当する張力を付与しながら異形断
面帯板2を製造すると、薄肉部分2bに発生する圧縮応力
σbに張力が対応しきれなくて形状不良又はねじれが発
生する。また、表3に示す如くワークロール4の下流側
で異形断面帯板2に付与する張力値を、被圧延金属帯1
の抗張力の90%を超える大きさの応力とワークロール
4の下流側における異形断面帯板2の厚肉部分2aの断面
積S1,S2,S3,S4の総和の積に相当する張力を付与
しながら異形断面帯板2を製造した場合は、圧延後の厚
肉部分2aの板厚t1に対する薄肉部分2bの板厚t2の比t
2/t1が大きい異形断面帯板2や、薄肉部分2bの板厚t
2に対する薄肉部分2bの幅W2の比t2/W2が大きい異形
断面帯板2を製造すると、厚肉部分2abに過大な張力が
付加されるため厚肉部分2aにおいて破断が生じる。
【0023】従って、ワークロール4の下流側で異形断
面帯板2に付与する張力値としては、ワークロール4の
上流側での被圧延金属帯1の断面積A1と下流側での異
形断面帯板2の断面積A2とからワークロール4の下流
側における異形断面帯板2の伸び率δを求めてこの伸び
率δに対応する被圧延金属帯1の変形抵抗を異形断面帯
板2の厚肉部分2aの断面積S1,S2,S3,S4の総和に
乗じて算出した張力をテンションリールから成る張力付
与装置5によりワークロール4の下流側で付与しながら
異形断面帯板2を製造するのが最も良いが、張力値をワ
ークロール4の下流側における異形断面帯板2の伸び率
δに対応する被圧延金属帯1の変形抵抗の50%とワー
クロール4の下流側における異形断面帯板2の厚肉部分
2aの断面積S1,S2,S3,S4の総和の積に相当する張
力まで下げて付与しても良好な異形断面帯板2を製造で
きる。また、張力値を被圧延金属帯1の抗張力の90%
とワークロール4の下流側における異形断面帯板2の厚
肉部分2aの断面積S1,S2,S3,S4の総和の積に相当
する張力まで上げてを付与しても良好な異形断面帯板2
を製造できるのである。
【0024】
【比較例】実施例と同様の圧延機3を使用すると共に実
施例と同一寸法の被圧延金属帯1をこの圧延機3のワー
クロール4間に通板したときに、ワークロール4の下流
側で異形断面帯板2に従来より通常付与していた張力
(変形抵抗値の20〜30%程度)を付与して異形断面
帯板2を製造し、実施例と同様に評価した結果を表4に
示す。
【0025】
【表4】
【0026】この表4から判るように、厚肉部分の板厚
に対する薄肉部分の板厚の比が比較的大きくても製造さ
れた異形断面帯板の薄肉部分に座屈やねじれが生じてい
た。
【0027】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明方法は、断
面長方形の被圧延金属帯を圧延して異形断面帯板を製造
するときに被圧延金属帯に破断を生じさせること無く良
好に圧延を行うことができる上限張力とワークロールの
下流側でワークロールの前後で生じる伸び率に近似した
伸び率が異形断面帯板の厚肉部分に生じる下限張力との
間の高い張力を付与することによって、圧延された被圧
延金属帯の薄肉部分に作用する圧縮応力を軽減せしめ且
つ厚肉部分に薄肉部分で生じた伸びに対応する伸びを生
じさせることができるので、厚肉部分と薄肉部分との板
厚差が大きな異形断面帯板を座屈やねじれ等が生じるこ
と無く且つ薄肉部分の板厚精度の高い良好な形状に製造
することができると同時に歩留が向上する。また、圧延
機に設置されているワークロールを製造すべき異形断面
帯板の形状に合致した凸部が形成されているワークロー
ルに交換するだけで、比較的安価に且つ簡単に種々の形
状の異形断面帯板を製造することができる。更に、被圧
延金属帯をワークロール間に連続通板して異形断面帯板
を製造するので、生産効率が高い。このような種々の効
果を有する本発明に係る異形断面帯板の製造方法は、そ
の工業的価値の非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施している状態を簡略に示す正
面説明図である。
【図2】本発明方法によって製造された異形断面帯板の
形状の1例を示す斜視図である。
【図3】図1におけるA−A線端面図である。
【図4】図1におけるB−B線断面図である。
【図5】従来方法を説明する図であって、(イ)は薄肉部
分のみを圧延すると共に厚肉部分を座屈変形させる工程
を示す説明図、(ロ)は同図(イ)の工程後に厚肉部分を上
下面が平行になるように圧延する工程を示す説明図、
(ハ)は同図(ロ)の工程後に製品形状に圧延する工程を示
す説明図である。
【図6】従来方法を説明する図であって、(イ)は薄肉部
分のみを所定の曲率で圧延する工程を示す説明図、(ロ)
は同図(イ)の工程後に薄肉部分を上下面が平行になるよ
うに圧延する工程を示す説明図、(ハ)は同図(イ)の工程
後に製品形状に圧延する工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被圧延金属帯 2 異形断面帯板 2a 厚肉部分 2b 薄肉部分 3 圧延機 4 ワークロール 4a 胴部 4b 凸部 5 張力付与装置 6a 従来方法に使用される溝付きワークロール 6b 従来方法に使用されるフラットなワークロール 6c 従来方法に使用される仕上用溝付きワークロール 7a 従来方法に使用される溝付きワークロール 7b 従来方法に使用される凸部付きワークロール 7c 従来方法に使用されるフラットなワークロール 7d 従来方法に使用される仕上用凸部付きワークロール A1 被圧延金属帯の断面積 A2 異形断面帯板の断面積 S1,S2,S3,S4 異形断面帯板の厚肉部分の断面積 t1 異形断面帯板の厚肉部分の板厚 t2 異形断面帯板の薄肉部分の板厚 σa 異形断面帯板の厚肉部分に働く引張応力 σb 異形断面帯板の薄肉部分に働く圧縮応力 W2 異形断面帯板の薄肉部分の板幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中本 一成 兵庫県尼崎市鶴町1番地 日新製鋼株式 会社 加工技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−161108(JP,A) 特開 平6−285504(JP,A) 特開 平6−79387(JP,A) 特開 平7−51784(JP,A) 特開 昭61−27103(JP,A) 特開 昭59−73103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 1/46 B21B 37/00 - 37/78

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴部(4a)の円周方向に凸部(4b)が複数形
    成されているワークロール(4)が少なくとも一方に設置
    されている圧延機(3)のワークロール(4)間に長方形断
    面の被圧延金属帯(1)を通板して異形断面帯板(2)を製
    造するに際し、被圧延金属帯(1)の抗張力の90%とワ
    ークロール(4)の下流側における異形断面帯板(2)の厚
    肉部分(2a)の断面積(S1,S2,S3,S4)の総和の積に
    相当する上限張力と、ワークロール(4)の上流側での被
    圧延金属帯(1)の断面積(A1)と下流側での異形断面帯
    板(2)の断面積(A2)とからワークロール(4)の下流側
    における異形断面帯板(2)の伸び率(δ)を求めてこの伸
    び率(δ)に対応する被圧延金属帯(1)の変形抵抗の50
    %とワークロール(4)の下流側における異形断面帯板
    (2)の厚肉部分(2a)の断面積(S1,S2,S3,S4)の総
    和の積に相当する下限張力との間の張力をワークロール
    (4)の下流側で異形断面帯板(2)に付与することを特徴
    とする異形断面帯板の製造方法。
JP24859393A 1993-09-10 1993-09-10 異形断面帯板の製造方法 Expired - Lifetime JP3288499B2 (ja)

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