JP3258143B2 - 異形断面条の製造方法 - Google Patents

異形断面条の製造方法

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JP3258143B2
JP3258143B2 JP19299793A JP19299793A JP3258143B2 JP 3258143 B2 JP3258143 B2 JP 3258143B2 JP 19299793 A JP19299793 A JP 19299793A JP 19299793 A JP19299793 A JP 19299793A JP 3258143 B2 JP3258143 B2 JP 3258143B2
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淳 黒部
健治 原
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Nisshin Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1個又は同一断面形状
を有する複数個の中央側厚肉部分及び両端に位置する端
部側厚肉部分と薄肉部分とがそれぞれ幅方向に交互に連
続せしめられた異形断面条を、中央側厚肉部分と端部側
厚肉部分とが均一な板厚となるように形成することがで
きる異形断面条の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1個又は同一断面形状を有する複数個の
中央側厚肉部分及び両端に位置する端部側厚肉部分と薄
肉部分とがぞれぞれ幅方向に交互に連続した形状に形成
されている異形断面条は、例えば軸受用リテーナーやリ
ードフレーム等に広く利用されており、従来より長方形
断面の被圧延金属帯を長手方向に通板させながらバイト
やフライス等により幅方向の所定個所を連続的に切削す
ることによって段差部を形成する切削加工方法や、特公
昭53−27234号公報に開示されているように往復
移動する平ロールに対向する面側に先端から順次幅が広
がる凸条部又は凹部を形成された金型と前記平ロールと
の間に被圧延金属帯を通板して往復移動する前記平ロー
ルを押圧しながら金型の表面形状に合わせた形状に形成
する断続的に圧延する方法等によって製造されていた。
【0003】しかしながら、前者の切削加工方法は、被
圧延金属帯を切削するので切削屑が生じて作業環境が悪
化するだけでなく歩留が低く、更には切削された端部に
バリや反り等が生じて品質が悪いという欠点があった。
また、後者の断続的に圧延する方法は、金型が高価であ
ることから種々の形状の異形断面条の製造に対応し難
く、更に異形断面条を連続的に製造することが困難で生
産効率が極めて低いという欠点があった。そこで、上記
したような欠点を解消すべく、例えば特公平1−590
41号公報や特開平1−299701号公報に開示され
ている如き異形断面条の製造方法が提案されている。
【0004】前記した前者の特公平1−59041号公
報に開示されている異形断面条の製造方法は、先ず図5
(イ)に示す如く円周方向の全周に亘って形成された溝が
その軸方向に複数形成された溝付きワークロール8aと
フラットワークロール8bとの間で長方形断面を有する
被圧延金属帯の板厚を薄くすべき部分を圧延すると共に
板厚を厚くする部分を前記溝付きワークロール8aの溝
内に座屈変形させて後、同図(ロ)のようにフラットワー
クロール8bと8bとの間に通板して座屈変形させた部
分の上下面が平行になるまで圧延し、しかる後に同図
(ハ)のように異形断面条の断面形状に対応する形状の溝
が円周方向に形成されている仕上げ用溝付きワークロー
ル8cとフラットワークロール8bとの間に通板して製
品形状に圧延する方法である。
【0005】また後者の特開平1−299701号公報
に開示されている異形断面条の製造方法は、先ず図6
(イ)に示す如く円周方向の全周に亘って所定の曲率で形
成された溝がその軸方向に複数形成された溝付きワーク
ロール9aとこの溝付きワークロール9aの溝に対応す
る位置に円周方向の所定の曲率の凸条部が形成された凸
条部付きワークロール9bとの間に、長方形断面を有す
る被圧延金属帯の板厚を薄くすべき部分を所定の圧下率
で且つ圧下率に応じた曲率で湾曲圧延して後、同図(ロ)
のようにフラットワークロール9cと9cと間に通板し
て湾曲圧延された部分の上下面が平行になるまでに圧延
し、しかる後に同図(ハ)のように異形断面条の断面形状
に対応する形状の凸条部が円周方向に形成されている仕
上げ用凸条部付きワークロール9bとフラットワークロ
ール9cとの間に通板して製品形状に圧延する方法であ
る。
【0006】しかしながらこれらの従来方法は、薄肉部
分のみを圧延して厚肉部分を座屈変形せしめるか又は薄
肉部分を湾曲圧延せしめる工程と、座屈変形せしめた厚
肉部分又は湾曲圧延せしめた薄肉部分を上下面が平行に
なるまで圧延する工程と、製品形状に仕上げ圧延する工
程との少なくとも3つの工程が必要であるため、工程数
が多いので生産性が悪く、また1種類の異形断面条を製
造するのに多くのワークロール8a,8b,8c又は9
a,9b,9c,9dを準備しなければならないので不
経済であるという欠点があった。
【0007】更に、これらの方法によって製造された1
個又は同一断面形状を有する複数個の中央側厚肉部分及
び両端に位置する端部側厚肉部分と薄肉部分とがそれぞ
れ幅方向に交互に連続した形状の異形断面条は、中央側
厚肉部分及び両端に位置する端部側厚肉部分の板厚が不
均一で、中央側厚肉部分の板厚より端部側厚肉部分の板
厚が薄く形成されるという欠点があった。このような欠
点は、製品の持つ特性にバラツキを生じさせて製品価値
を低下させるものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消して、1個又は同一断面形状を有する複
数個の中央側厚肉部分及び両端に位置する端部側厚肉部
分と薄肉部分とがそれぞれ幅方向に交互に連続せしめら
れた異形断面条を、中央側厚肉部分と端部側厚肉部分と
が均一な高さになるように簡単に製造することのできる
異形断面条の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく種々検討した結果、図3に示す如く均一
な直径を有する胴部7aの円周方向に薄肉部分4'を形
成するための複数の同形状の凸条部7bが製造すべき異
形断面条1'の薄肉部分4'の間隔で設けられた凸条部付
きワークロール7とフラットワークロール7cとの間に
長方形の断面を有する被圧延金属帯を通板して、幅方向
に1個又は同一断面形状を有する複数個の中央側厚肉部
分2'(図3に示した例は1個の中央側厚肉部分2')及
び両端に位置する端部側厚肉部分3'と薄肉部分4'とが
それぞれ幅方向に交互に連続せしめられた異形断面条
1'を一挙に且つ連続して製造すれば、生産性及び経済
的に優れていることに着目したが、この方法では製造さ
れた異形断面条1'の中央側厚肉部分2'の板厚と端部側
厚肉部分3'の板厚とが不均一で中央側厚肉部分2'の板
厚T1より端部側厚肉部分3'の板厚T2が薄く形成され
てしまうという欠点は解消されなかった。
【0010】そこでこの欠点を解決するために更に検討
を重ね、上記した凸条部付きワークロール7とフラット
ワークロール7cとの間に種々の寸法の被圧延金属帯を
通板した結果、図4に示す如く中央側厚肉部分2'の板
厚T1と端部側厚肉部分3'の板厚T2との板厚差ΔT
(=T1−T2)は、凸条部付きワークロール7とフラッ
トワークロール7cとの間に通板する被圧延金属帯10
の端部側厚肉部分3'となる部分の板幅W2と板厚T0
の比W2/T0が小さいほど大きくなり、製造された異形
断面条の厚肉部分の板厚の不均一性が顕著に現われるの
であるが、板厚差ΔT(=T1−T2)と被圧延金属帯1
0の端部側厚肉部分3'となる部分の板幅W2と板厚T0
との比W2/T0とは1次方程式で表されることを究明し
た。
【0011】そこで、1個又は同一断面形状を有する複
数個の中央側厚肉部分及び両端に位置する端部側厚肉部
分と薄肉部分とがそれぞれ幅方向に交互に連続せしめら
れた異形断面条を、薄肉部分を形成すべき複数の凸条部
間に形成される中央側厚肉部分形成用の溝の深さよりも
端部側厚肉部分に連続する薄肉部分を形成すべき凸条部
の軸端側部分の深さが所定の値以上に深く形成されてい
る凸条部付きワークロールとフラットワークロールと
を、凸条部とフラットワークロールとの間隙が製造され
る異形断面条の薄肉部分の厚さとなる軸間距離を有する
状態に設置し、これらワークロール間に製造される異形
断面条の中央側厚肉部分の板厚及び端部側厚肉部分の板
厚より厚い板厚の被圧延金属帯を通板して製造すれば、
中央側厚肉部分の板厚と端部側厚肉部分の板厚とがほぼ
同一の板厚を有する寸法精度の高い異形断面条を製造す
ることができることを究明して本発明を完成したのであ
る。
【0012】以下、図面により本発明方法に係る異形断
面条の製造方法について詳細に説明する。図1は本発明
方法を実施している状態を示すワークロールの位置にお
ける断面説明図、図2は本発明方法に使用する凸条部付
きワークロールの1例を示す正面説明図である。
【0013】本発明方法を実施するには、先ず1個又は
同一断面形状を有する複数個の中央側厚肉部分2及び両
端に位置する端部側厚肉部分3と薄肉部分4とがそれぞ
れ幅方向に交互に連続する形状の製造すべき異形断面条
1の薄肉部分4を形成せしめる凸条部5aが形成されて
いる凸条部付きワークロール5と、フラットワークロー
ル6とを準備する。
【0014】前記凸条部付きワークロール5の凸条部5
aは、製造すべき異形断面条1の薄肉部分4に対応する
位置にこの薄肉部分4を挟んで隣合う中央側厚肉部分
2,2間又は中央側厚肉部分2と端部側厚肉部分3間の
形状(例えば図示した実施例の如くフラットな頂部から
胴部に行くに従って広幅となる台形や、頂部がフラット
な正方形や、頂部がフラットな長方形等の断面形状)に
合致した形状に形成されている。
【0015】そして凸条部付きワークロール5は、製造
すべき異形断面条1の端部側厚肉部分3に対応する部分
であって端部側厚肉部分3に連続する薄肉部分4を形成
すべき凸条部5aの軸端側部分5cの深さHeが、製造
すべき異形断面条1の薄肉部分4を形成すべき隣合う凸
条部5a,5a間に形成される中央側厚肉部分2形成用
の溝5bの深さHcより所定の値以上に深く形成されて
いる。
【0016】この凸条部5aの軸端側部分5cの端部側
厚肉部分3形成用の深さHeは、被圧延金属帯10の寸
法・形状、すなわち、被圧延金属帯10の板厚T0及び
前記軸端側部分5cに対応する部分の板幅W2によって
決定される。すなわち、この端部側の凸条部5aの軸端
側部分5cの深さHeは、前記した如く薄肉部分4を形
成せしめる隣合う凸条部5a,5a間に形成される中央
側厚肉部分2形成用の溝5bの深さHcよりも所定の値
以上に深く形成されているのであって、この所定の値と
は前記した従来技術における一定の直径を有する胴部7
aの円周方向に凸条部7bが形成されている凸条部付き
ワークロール7で被圧延金属帯10を圧延したときに生
じるであろう中央側厚肉部分2'と端部側厚肉部分3'と
の板厚差ΔT(=T1−T2)である。
【0017】すなわち、従来技術においては凸条部付き
ワークロール7とフラットワークロール7cとの間に通
板される被圧延金属帯10には均一な張力が付与されて
いるので、中央側厚肉部分2'となる部分及び端部側厚
肉部分3'となる部分が通板方向に同様の伸びを生じて
各部分の板厚を減少させるように作用する一方、凸条部
付きワークロール7の凸条部7bよりのメタルフローに
よって隣合う凸条部7b,7b間の中央側厚肉部分2'
が形成される部分では板厚が増加し、また端部側厚肉部
分3'が形成される部分では被圧延金属帯10の端縁が
何にも拘束されていない自由端であるから中央側厚肉部
分2'に比べて板厚の増加が少ないから、中央側厚肉部
分2'と端部側厚肉部分3'との板厚差ΔT(=T1
2)が生じるのであり、更に本発明者らが実験を重ね
た結果、前記中央側厚肉部分2'と端部側厚肉部分3'と
の板厚差ΔTは、実験より求めた被圧延金属帯10の材
質など(例えば変形抵抗等の特性)の相違によって異な
る特定の定数Bから、被圧延金属帯10の端部側厚肉部
分3となる部分の板幅W2とこの部分の板厚T0との比
(W2/T0)に実験より求めた被圧延金属帯10の材質
など(例えば変形抵抗等の特性)の相違によって異なる
特定の定数Aを乗じた値を引いた値、すなわち ΔT=B−A(W2/T0) で近似できることを確認した。
【0018】従って、前記値ΔTが圧延時に板幅方向に
生じたメタルフローに起因して板厚が増加するか否かの
差であるから、凸条部付きワークロール5として軸端側
部分5cを中央側厚肉部分2形成用の溝5bの深さより
この値ΔT以上深く形成されたものを使用するのであ
る。
【0019】上記凸条部付きワークロール5とフラット
ワークロール6とを対向して設置し、これらワークロー
ル5,6間にその端縁から凸条部付きワークロール5の
端部側の凸条部5aまでを前記所定の幅W2とするよう
に、製造される異形断面条1の中央側厚肉部分2の板厚
1及び端部側厚肉部分3の板厚T2より厚い板厚T0
長方形断面の被圧延金属帯10を通板する。被圧延金属
帯10の材料としては、銅,銅合金,アルミニウム,ア
ルミニウム合金,鋼,鉄合金等から成る単体材料やこれ
らを組み合わせた複合材料を使用することができる。
【0020】このようにして被圧延金属帯10をワーク
ロール5,6間に通板させて1個又は同一断面形状を有
する複数個の中央側厚肉部分2及び両端に位置する端部
側厚肉部分3と薄肉部分4とがそれぞれ幅方向に交互に
連続せしめられた異形断面条1を成形し、必要に応じて
端部側厚肉部分3の端縁近傍位置で切断して、所定の幅
を有し1個又は同一断面形状を有する複数個の中央側厚
肉部分2及び両端に位置する端部側厚肉部分3と薄肉部
分4とがそれぞれ幅方向に交互に連続せしめられて成る
製品を製造するのである。
【0021】
【作用】このような本発明方法を実施すると、凸条部付
きワークロール5とフラットワークロール6との間に通
板された長方形断面を有する被圧延金属帯10は、凸条
部付きワークロール5の凸条部5aにより圧延されて薄
肉部分4が形成されると共に幅方向にこの圧延された部
分よりのメタルフローが生じ、薄肉部分4を形成すべき
凸条部5a,5a間に位置する中央側厚肉部分2を形成
される部分では当初この凸条部5a,5a間の空間に材
料が充填するように作用する。次いで、隣合う凸条部5
a,5a間に形成される中央側厚肉部分2形成用の溝5
bに材料が充填されて後に更に圧延が進むと、被圧延金
属帯10の板厚T0が製造すべき異形断面条1の中央側
厚肉部分2の板厚及び端部側厚肉部分3の板厚より厚い
から、中央側厚肉部分2では通板方向にメタルフローが
生じると共に被圧延金属帯10を通板させるために付与
されている張力によって製造すべき異形断面条1の中央
側厚肉部分2の板厚に圧延される。
【0022】一方、端部側厚肉部分3を形成される部分
では、当初端部側の凸条部5aで圧延された部分よりの
メタルフローが中央側厚肉部分2へも生じるため中央側
厚肉部分2よりも板厚増加は少ないが、更に圧延が進む
と凸条部付きワークロール5の端部側の凸条部5aより
軸端側部分5cの深さHeが凸条部5a,5a間に形成
される溝5bの深さHcより所定の値以上に深く形成さ
れているので、凸条部5a,5a間の中央側厚肉部分2
形成用の溝5bに材料が充填され更に通板方向に伸びを
生じながら圧延されているときに端部側の凸条部5aよ
りのメタルフローが軸端側部分5cに多く生じるように
なり、軸端側部分5cでの板厚減少が中央側厚肉部分2
が充填されていない時に比べて少なくなる。
【0023】すなわち、隣合う凸条部5a,5a間の中
央側厚肉部分2形成用の溝5bに材料が充填された当初
の状態は、中央側厚肉部分2を形成される部分の板厚が
端部側厚肉部分3を形成される部分の板厚より厚いので
あるが、更に圧延が進むと中央側厚肉部分2を形成され
る部分の板厚はワークロール5の凸条部5a,5a間の
溝5bでの圧延と付与されている張力とにより減少せし
められるのに対し、端部側厚肉部分3を形成される部分
の板厚はほとんどが付与されている張力で減少せしめら
れるので、中央側厚肉部分2を形成される部分の板厚減
少が端部側厚肉部分3を形成される部分の板厚減少より
早く進み、製造された異形断面条1の中央側厚肉部分2
と端部側厚肉部分3との板厚差を零又は零に近付けるこ
とができ、中央側厚肉部分2と端部側厚肉部分3との板
厚が均一である異形断面条1が製造することができるの
である。
【0024】
【実施例】直径が400mmでフラットな頂部の幅が6
mmの断面が長方形を有する凸条部5aが16mmの間
隔で2箇所形成されており、この凸条部5a,5a間に
深さHcが製造すべき異形断面条1の中央側厚肉部分2
の板厚T1と同一寸法である1.2mmの溝5bが形成さ
れていると共に、端部側の凸条部5aの軸端側部分5c
の深さHeが1.4mmに形成されている凸条部付きワ
ークロール5と、直径が400mmのフラットワークロ
ール6とを、軸間距離が401.0mmの状態に設置し
て、被圧延金属帯10として板厚2.4mm、板幅50
mmの普通鋼帯材を前記ワークロール5,6間に81M
Paの張力を付与しながら通板して異形断面条1を製造
した。ここで、上記した端部側の凸条部5aの軸端側部
分5cの深さHeは、ワークロール5,6間に通板せし
める被圧延金属帯10を従来技術における一定の直径を
有する胴部7aの円周方向に凸条部7bが形成されてい
る凸条部付きワークロール7を使用して圧延するときに
生じるであろう中央側厚肉部分2'と端部側厚肉部分3'
との板厚差ΔT〔=B−A(W2/T0)〕だけ凸条部5
a,5a間の溝5bの深さHcより深い寸法に形成され
ているのであって、当該実施例において使用する被圧延
金属帯10の場合には、前記定数Bが0.298で前記
定数Aが0.017であることが実験により求められて
おり、前記圧延条件の場合にはW2が14mmでT0
2.4mmであり前記板厚差ΔTがおよそ0.2mmと求
められるので、端部側の凸条部5aの軸端側部分5cの
深さHeが凸条部5a,5a間の溝5bの深さHcであ
る1.2mmより0.2mmだけ深い1.4mmに形成さ
れている。その結果、厚肉部分に板厚差が生じること無
く中央側厚肉部分2の板厚T1及び端部側厚肉部分3の
板厚T2がそれぞれ2.2mm,薄肉部分4の板厚が1.
0mmの異形断面条1を製造することができた。
【0025】
【比較例】また比較例として、前記実施例に使用した凸
条部付きワークロール5とフラットワークロール6と
を、前記実施例と同一の軸間距離を有する状態に設置し
て、板厚2.4mm、板幅40mmの普通鋼帯材を被圧
延金属帯10として前記凸条部付きワークロール5とフ
ラットワークロール6と間に通板して異形断面条を製造
した。その結果、製造された異形断面条は、中央側厚肉
部分の板厚が2.20mm、端部側厚肉部分の板厚が2.
18mm、薄肉部分4の板厚が1.00mmで、中央側
厚肉部分の板厚と端部側厚肉部分の板厚との間に0.0
2mmの板厚差が生じていた。
【0026】
【発明の効果】以上に詳述した如く本発明に係る異形断
面条の製造方法は、凸条部付きワークロールとフラット
ワークロールとの間に被圧延金属帯を通板したときに、
凸条部付きワークロールの凸条部間の溝の深さより端部
側の凸条部より軸端側部分の深さを所定の深さだけ深く
形成されているので、凸条部間の溝の部分に材料が充填
されるまでに生じる凸条部よりのメタルフローによって
板厚が増加した中央側厚肉部分とこのメタルフローによ
っては板厚増加が少ない端部側厚肉部分との板厚差が、
凸条部間の溝の部分に材料が充填されて中央側厚肉部分
が圧延されているときに端部側の凸条部より軸端側部分
の端部側厚肉部分では圧延されずに張力のみによって板
厚を減少せしめられることにより吸収されて中央側厚肉
部分と端部側厚肉部分とが均一な板厚を有する寸法精度
の高い異形断面条を製造することができ、1種類の異形
断面条を製造するのに種々のワークロールを準備する必
要がないので経済的であり、その工業的価値は、非常に
大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施している状態を示すワークロ
ールの位置における断面説明図である。
【図2】本発明方法に使用する凸条部付きワークロール
の1例を示す正面説明図である。
【図3】同一直径を有する胴部の円周方向に薄肉部分を
圧延すべき複数の凸条部が設けられた凸条部付きワーク
ロールとフラットワークロールとの間に被圧延金属帯を
通板して圧延している状態を示す断面説明図である。
【図4】図3に示すワークロール間に被圧延金属帯を通
板して製造された異形断面の中央側厚肉部分と端部側厚
肉部分との板厚差(T1−T2)と被圧延金属帯の端部側
厚肉部分を形成される部分の幅W2と板厚T0との比(W
2/T0)との関係を示す図である。
【図5】従来方法を説明する図であって、(イ)は薄肉部
分のみを圧延すると共に厚肉部分を座屈変形させる工
程、(ロ)は同図(イ)の工程後に厚肉部分を上下面が平行
になるように圧延する工程、(ハ)は同図(ロ)の工程後に
製品形状に圧延する工程をそれぞれ示す説明図である。
【図6】別の従来方法を説明する図であって、(イ)は薄
肉部分を所定の圧下率で且つ圧下率に応じた曲率で湾曲
圧延する工程、(ロ)は同図(イ)の工程後に薄肉部分を上
下面が平行になるように圧延する工程、(ハ)は同図(ロ)
の工程後に製品形状に圧延する工程をそれぞれ示す説明
図説明図である。
【符号の説明】
1 異形断面条 1' 異形断面条 2 中央側厚肉部分 2' 中央側厚肉部分 3 端部側厚肉部分 3' 端部側厚肉部分 4 薄肉部分 4' 薄肉部分 5 凸条部付きワークロール 5a 凸条部 5b 凸条部間の溝 5c 凸条部の軸端側部分 6 フラットワークロール 7 従来の凸条部付きワークロール 7a 胴部 7b 凸条部 7c フラットワークロール 8a 従来方法で使用される溝付きワークロール 8b 従来方法で使用されるフラットワークロール 8c 従来方法で使用される仕上げ用溝付きワークロー
ル 9a 従来方法で使用される溝付きワークロール 9b 従来方法で使用される凸条部付きワークロール 9c 従来方法で使用されるフラットワークロール 9d 従来方法で使用される仕上げ用凸条部付きワーク
ロール 10 被圧延金属帯 T0 被圧延金属帯の板厚 T1 中央側厚肉部分の板厚 T2 端部側厚肉部分の板厚 W2 被圧延金属帯の端部側厚肉部分に対応する部分の
板幅 Hc 凸条部間の溝の深さ He 端部側の凸条部より軸端側部分の深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−328153(JP,A) 特開 平6−134541(JP,A) 特開 昭58−163501(JP,A) 特開 平3−264106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21H 8/00 B21B 1/08 B21B 27/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個又は同一断面形状を有する複数個の
    中央側厚肉部分(2)及び両端に位置する端部側厚肉部分
    (3)と薄肉部分(4)とがそれぞれ幅方向に交互に連続せ
    しめられた異形断面条(1)を、対向する凸条部付きワー
    クロールとフラットワークロールとの間に長方形断面の
    被圧延金属帯(10)を通板して製造するに際し、薄肉部
    分(4)を形成すべき凸条部(5a,5a)間に形成される
    中央側厚肉部分(2)形成用の溝(5b)の深さ(Hc)より
    も、製造される異形断面条(1)の端部側厚肉部分(3)に
    連続する薄肉部分(4)を形成すべき凸条部(5a)の軸端
    側部分(5c)の深さ(He)が、被圧延金属帯(10)の板
    厚(T0)及び前記軸端側部分(5c)に対応する部分の板
    幅(W2)によって次式より定まる値ΔT ΔT=B−A(W2/T0) 但し、A及びBは被圧延金属帯(10)の材質などによっ
    て異なる定数 以上に深く形成されている凸条部付きワークロール(5)
    とフラットワークロール(6)とを凸条部(5a)とフラッ
    トワークロール(6)との間隙が製造される異形断面条
    (1)の薄肉部分(4)の厚さとなる軸間距離を有する状態
    に設置し、これらワークロール(5,6)間に製造される
    異形断面条(1)の中央側厚肉部分(2)の板厚(T1)及び
    端部側厚肉部分(3)の板厚(T2)よりも厚い板厚(T0)の
    被圧延金属帯(10)を通板することを特徴とする異形断
    面条の製造方法。
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