JPH0699114B2 - 手押し式の小型クレーン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、手押し式の小型クレーン、詳細には主に室内
フロアー上に仮置きの壁パネル，配管等の資材を所定部
に吊り上げ建込みするのに好適な小型クレーンに関す
る。

「従来の技術」 壁パネル，配管等の建築資材は、所定階フロアーに搬入
のうえ仮置きされ、必要に応じて手押し車に搭載して建
込み近傍に運ばれ、簡易揚重機を介して建込まれる。例
えば、第２図，第３図に示される如く、予じめ所定階フ
ロアー1,2に搬入されている縦長，横長の外壁パネル3,4
を建込むには、台車5,6上に搭載して外壁部にまで運こ
び、外部足場７に取付けた電動ウインチ若しくはチェー
ンブロック８で、吊具9,10を介して吊り上げて建込んで
いる。

又、第４図に示される如く内壁（間仕切り）パネル11を
建込むには、二輪台車12上に搭載して内壁部にまで運こ
び、室内に設置した内部足場13に取付けた電動ウインチ
若しくはチェーンブロック８で吊具14を介して吊り上げ
て建込んでいる。

「発明が解決しようとする課題」 叙上従来の手段では、逐次変更する建込位置に合わせて
とり行わねばならない簡易揚重機の盛替えは極めて煩わ
しく、かつ、仮置き場→台車→簡易揚重機への２度にわ
たる盛替えも煩わしいものである。

本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、仮置
き場から資材を吊り保持したままの状態で全方向につい
て走行自在であり、かつ、所定のレベルに揚重すること
の出来る手押し式の小型クレーンを提供することを目的
としている。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本発明の手押し式の小型ク
レーンにおいては、ブーム外筒に挿着の内装ブームを所
定の伸長位置で互いの嵌合穴にロックピンを嵌入して固
定する伸縮ブームの基端を基台上中央部に前方にのみ傾
倒するように枢止し、当該基台後部にカウンターウエイ
ト，上端を該ブーム外筒上端に枢止し下端を基台側に固
設の取付具に枢止し中間にターンバックル等の調整部材
を有する起伏ワイヤー，該内装ブーム先端のシーブに架
けられたフックブロックを吊るワイヤロープの荷重巻取
用ウインチを配設し、該基台後半は２等辺三角形フレー
ムの底辺両端に自在車を配し、その頂点部を基台中央部
に枢軸止した台車に受止させると共に基台前部には自在
車を一体設するとしたものである。

「作用」 上記のように構成された手押し式の小型クレーンは、自
在車を介して全方向に走行自在であり、また、側方に振
れることのない伸縮ブームの前方に吊荷が後方にカウン
ターウエイトがあって走行時，停止時を問わず安定し倒
れる恐れがない。また、基台後半は二等辺三角形フレー
ムの底辺両端に自在車を配し、その項点部を基台中央部
に枢止関係の別体の台車に受止されているので、当該台
車の自在車のブレーキをかけておいて吊荷の盛替えをす
ると吊荷の重心移動に従って基台は前輪の自在車を介し
て前記枢止部を中心に回動し、側方への応力を吸収して
しまうので転倒することがない。かかる動きのもと、台
車はその二等辺三角形フレームの先細側面のみを露出す
るにすぎないため、危険な突き出しが無く安全である。

「実施例」 実施例について図面を参照して説明すると、第１図a,b
において、ブーム外筒15に挿着の内装ブーム16を互いの
嵌合穴17にロックピンを嵌入させることで所定の伸長位
置に固定される伸縮ブーム18は、その基端を基台19上の
中央部に前方にのみ傾倒するように枢止されている。

該基台19の前部は一体設の自在車20で支持されている
が、後半部は別体としての台車29で支持されている。

すなわち、当該台車29は２等辺三角形フレーム30の底辺
両端に自在車31を配してその頂点部を基台19の中央部に
枢軸止32させてなる。

しかして、自在車20、31を介して手押しにより自在に全
方向に走行可能である。

基台19の後部にはカウンターウエイト21,上端を該ブー
ム外筒15の上端に枢止し下端を基台19に固設の取付具22
に枢止し、中間にターンバックル28を介在させた起伏ワ
イヤー23,該内装ブーム16先端のシーブ24に架けられた
フックブロック25を吊るワイヤーロープ26の荷重巻取用
ウインチ27等が配設される。

しかして、予じめ資材の吊り込み高さに合わせて伸縮ブ
ーム18の長さと起伏を設定しておいてから、仮置き場で
資材をフックブロック25に吊り込む。この態様は、伸縮
ブーム18基端を間に前方に吊荷，後方にカウンターウエ
イト21が対称配位して安定である。また、盛替えの際に
は吊荷の重心移動は避け難く、これを処理出来ないとブ
ームに無理な応力が加わったり、転倒を生じるが、本発
明では自在車31のみのブレーキをかけておけば、重心の
移動に従って基台のみが枢軸止32を中心に回動して応力
を処理してしまうので、好適である。また、この動きの
間、台車29が側方に露出させるのは先細のフレーム側辺
であるので、作業員のアクセスに危険を生じさせない。
この姿勢のままで基台19を押して自在車20、31で走行さ
すことによって全方向に移動させることが出来る。目的
位置で荷重巻取用ウインチ27で資材を所定のレベルに揚
重し、建込みする。

この際必要ならば、基台19の微移動も可能である。

「発明の効果」 本発明は、以上説明したように構成されているので、以
下に記載されるような効果を奏する。

（１）小型，簡易構造であるのでローコストに仕上が
る。

（２）吊荷時，揚重時の安定バランスが確保されている
ので、小型にかかわらず大荷重の資材をも建込み可能で
ある。

（３）自在車を介して手押しでもって全方向に移動自在
であるので、安定バランスを保持したままの振り向きが
可能であり、挾溢部でも操作が簡易である。

（４）従来の固設簡易揚重機の盛替え，資材の仮置き場
→台車→揚重機への２度にわたる盛替えが解消される。

（５）動きがあるにもかかわらず、危険な突き出しを生
じさせなく安全作業ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図a,bは本発明の小型クレーンの全体図，平面図，
第２図a,b並びに第３図a,bは縦長外壁パネル，横長外壁
パネルの建込み要領説明図、第４図は内壁パネルの建込
み要領説明図である。 1,2……所定階フロアー、3,4……外壁パネル、5,6……
台車、７……外部足場、８……チェーンブロック、9,10
……吊具、11……内壁（間仕切り）パネル、12……二輪
台車、13……内部足場、14……吊具、15……ブーム外
筒、16……内装ブーム、17……嵌合穴、18……伸縮ブー
ム、19……基台、20……自在車、21……カウンターウエ
イト、22……取付具、23……起伏ワイヤー、24……シー
ブ、25……フックブロック、26……ワイヤーロープ、27
……荷重巻取用ウインチ、28……ターンバックル、29…
…台車、30……２等辺三角形フレーム、31……自在車、
32……枢軸止。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 利雄 千葉県松戸市馬橋字東条1923番地５マツダ エンジニヤリング株式会社内 (56)参考文献 実公 昭41−3954（ＪＰ，Ｙ１)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ブーム外筒に挿着の内装ブームを所定の伸
   長位置で互いの嵌合穴にロックピンを嵌入して固定する
   伸縮ブームの基端を基台上中央部に前方にのみ傾倒する
   ように枢止し、当該基台後部にカウンターウエイト，上
   端を該ブーム外筒上端に枢止し下端を基台側に固設の取
   付具に枢止し中間にターンバックル等の調整部材を有す
   る起伏ワイヤー，該内装ブーム先端のシーブに架けられ
   たフックブロックを吊るワイヤロープの荷重巻取用ウイ
   ンチを配設し、該基台後半は、２等辺三角形フレームの
   底辺両端に自在車を配しその頂点部を基台中央部に枢軸
   止した台車に受止させると共に基台前部には自在車を一
   体設するとしたことを特徴とする手押し式の小型クレー
   ン。