JP2659112B2

JP2659112B2 - 建築工事用多機能クレーン

Info

Publication number: JP2659112B2
Application number: JP4242853A
Authority: JP
Inventors: 光輝岸; 亮水谷; 敏和颯田
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1992-09-11
Filing date: 1992-09-11
Publication date: 1997-09-30
Anticipated expiration: 2012-09-30
Also published as: JPH0693732A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井の架構の下面に一
対の走行レールを設け、それらの走行レールには走行装
置を備えた横行レールが走行自在に設けられている建築
工事用多機能クレーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】周知の通り、全天候工法は上部が覆われ
ているので、躯体材等の搬入に際して揚重方法が制限さ
れる。そのため工事の１節が１フロアもしくは２フロア
づつしか進められないケースが多く、従来工法に比べコ
スト的にペイしないものになっている。

【０００３】また次のような欠点があった。

【０００４】（１）サイクルタイムを確保するため
に、垂直揚重と水平移動、取付けを分割する必要がある
が、重量物の吊荷を中継することができない。（２）水平移動、取付け用クレーンがモノレール状の
ものの場合、作業エリアが限られることがあり、同一フ
ロアで別作業の分割がやりにくい。（３）長尺物のハンドリングがスペースの制約により
やりにくい。

【０００５】また特開平４−１３１４４７号公報には横
行して乗入れ可能な天井クレーン走行機体が開示されて
いる。しかしながら、かかる公知技術ではクレーン自体
で吊荷の姿勢を変えることはできないので、外部から吊
り込む場合に、大きな張出部を設けねばならず作業上無
駄が多い。また吊荷を水平に旋回させることができない
ので例えば梁材をほぼ垂直に吊上げることができず、ま
た狭隘部を通過する場合にも人為的な操作を必要とす
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、吊荷の垂直
揚重、水平移動及び旋回を自動的にクレーン自体を行う
ことができ、サイクルタイムを短縮し作業エリアを確保
することのできる多機能クレーンを提供することを目的
としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、天井の
架構（１）の下面に一対の走行レール（２ａ、２ｂ）を
設け、それらの走行レール（２ａ、２ｂ）には走行装置
（３）を備えた横行レール（４）が走行自在に設けられ
ている建築工事用多機能クレーンにおいて、前記横行レ
ール（４）に横行装置で横行自在に設けた横行台（５）
には旋回台（６）を介して旋回ブーム（８）が設けら
れ、該旋回ブーム（８）の両端にはそれぞれ第５および
第７シーブ（１５ａ、１５ｂ、１７ａ、１７ｂ）が水平
軸により移動自在に設けられ、横行レール（４）の外部
には相対回転自在な一対のウインチドラム（１０ａ、１
０ｂ）が設けられ、前記ウインチドラム（１０ａ、１０
ｂ）に巻回されたワイヤ（Ｗａ、Ｗｂ）はそれぞれ走行
レール（２ａ、２ｂ）の外側を通って前記第５シーブ
（１５ａ、１５ｂ）を通り、そして旋回台（６）に設け
たドラム（７）を介して垂下してフックシーブ（１６
ａ、１６ｂ）に反転され前記第７シーブ（１７ａ、１７
ｂ）を通り、再び走行レール（２ａ、２ｂ）の外側を通
って前記架構（１）に止着されている。

【０００８】

【０００９】

【００１０】

【００１１】

【００１２】

【００１３】

【００１４】

【作用効果の説明】したがって長尺の躯体材の場合は旋
回ブームは同じ高さの２個のフックシーブを用いて地上
から垂直に吊り上げて所定位置まで移動し組立てればよ
い。

【００１５】また長尺の梁材の場合は、旋回ブームの２
つのフックシーブを地上の梁材に玉掛けして梁材を水平
に吊り下げる。そして一方のドラムの回転速度を他方の
ドラムの回転速度より早くすると、梁材を垂直に吊り上
げることができる。このようにして長尺物を垂直にして
移動し、そして所定の位置で再び前記と逆にドラムを回
転させて水平にすることができる。

【００１６】したがって本発明を実施することにより、（１）低層階では、重量物吊荷を低速巻上げし、高層
階では、軽重量吊荷を高速巻上げしてサイクルタイムの
短縮が可能である。（２）吊荷を旋回し、また、吊荷の姿勢を水平→垂直
→水平に自由に制御し、例えば梁の取付け方向と揚重時
方向とが直交している場合でも、容易に垂直揚重→水平
移動→取付けが可能である。（３）長尺の旋回台の移行自在な１対の吊具により、
走行・横行レールの外まで作業エリアを確保し、デッド
スペースが少ない。（４）架構を支えるポスト間に複数台の多機能クレー
ンを設置すれば、各エリアで別作業が可能である。（５）巻上げウインチを分離設置すれば、高揚程重量
物の運搬を確保でき、クレーンが小型軽量で実現でき
る。

【００１７】

【００１８】

【００１９】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

【００２０】図１ないし図３には、本発明を実施する多
機能クレーンの一例が示されている。

【００２１】図１及び図２において、天井の架構１の下
面には、一対の走行レール２ａ，２ｂが吊設されてお
り、それら走行レール２ａ，２ｂには、走行装置３を備
えた横行レール４が走行自在に設けられ、この横行レー
ル４の両端には、第４シーブ１４ａ及び第８シーブ１８
ｂと第４シーブ１４ｂ及び第８シーブ１８ａとが垂直軸
により軸支されている。

【００２２】その横行レール４には、図示しない横行装
置を備えた横行台５が横行自在に設けられ、この横行台
５には、旋回台６を介して旋回ブーム８が設けられてい
る。その旋回ブーム８の両端には、それぞれ第５，第７
シーブ１５ａ及び１７ａと第５，第７シーブ１５ｂ及び
１７ｂとが水平軸により図示しない移動装置を介し移動
自在に設けられている。そして、横行レール４の外部
（図示の例では架構１の上面）には、ウインチ１０が配
設されており、相対回転自在な一対のウインチドラム１
０ａ，１０ｂが設けられている。

【００２３】図３をも参照してドラム１０ａ側を例に説
明すると、架構１の上面の走行レール２ａの一端の上側
方には、第１シーブ１１ａが垂直軸により軸支され、そ
の一端の上方には、第２シーブ１２ａが水平軸により軸
支されており、その下方には、第３シーブ１３ａが第２
シーブ１２ａの水平軸に直交する水平軸により軸支され
ている。また、他方のレール２ｂの第３シーブ１３ａに
対向する側には、第９シーブ１９ａが水平軸により軸支
され、その上方には第１０シーブ２０ａが第９シーブ１
９ａの水平軸に直交する水平軸により軸支されている。
そして、ウインチドラム１０ａに巻回されたワイヤＷａ
は、第１〜第５シーブ１１ａ〜１５ａ、旋回台６の外周
に相対回転自在に設けられたドラム７を介して垂下さ
れ、図示しないフックを設けたフックシーブ１６ａで反
転され、第７〜第１０シーブ１７ａ〜２０ａを介して端
部は、架構１の上面に図示しない手段で止着されるワイ
ヤリングが形成されている。他方、ドラム１０ｂに巻回
されたワイヤＷｂのワイヤリングも、上記と左右対称に
形成されており、重複説明を省略する。

【００２４】したがって、図３の状態で横行レール４を
走行し、横行台５を横行しても、第４〜第８シーブ１４
ａ〜１８ｂ及び１４ｂ〜１８ｂが回転するだけで、走行
横行は自由であり、また、フックシーブ１６ａ，１６ｂ
の高さは変らない。また、ドラム１０ａを矢印ａ方向に
回転すると、第５シーブ１５ａとフックシーブ１６ａと
の間のワイヤＷａが、矢印ｃ方向に巻き上げられる。ま
た、ドラム１０ａを矢印ｂ方向に回転すると、前記ワイ
ヤＷａが矢印ｄ方向に繰り出され、フックシーブ１６ａ
は自重及び又は吊荷の重量で吊り下げられる。他方、ド
ラム１０ｂについても、前述と実質的に同様に構成され
ている。したがって、共吊りされた長尺な梁材ａは、昇
降、走行、横行され運搬される。

【００２５】また、例えばドラム１０ａの矢印ａ方向へ
の回転速度を、ドラム１０ｂの同方向への回転速度より
大きくすると、フックシーブ１６ａの巻き上げ量がフッ
クシーブ１６ｂより大きくなり、梁材Ｂは、フックシー
ブ１６ａ側に最大は略鉛直まで上傾される。更に、旋回
ブーム８を旋回し、吊荷ａを旋回させることができる。
このように、吊荷ａを昇降し、走行、横行、旋回し、傾
けるなど、多くの自由度で安定して運搬することができ
るようになっている。

【００２６】次に、運搬、組立ての態様について説明す
る。

【００２７】図４において、天井の架構１には、例えば
５個の旋回ブーム８Ａ〜８Ｅすなわち８台の多機能クレ
ーンが設置されている。

【００２８】長尺の駆体材ｂは、例えば旋回ブーム８Ｅ
の同じ高さのフックシーブ１６ａ，１６ｂにより地上か
ら垂直に吊り上げ、Ｙ方向及びＸ方向に移動し、駆体材
ｂ１のように、既設の駆体材ｂ２の頂部に組立てる。

【００２９】他方、長尺の梁材Ｂを運搬、組立てる際
は、例えば旋回ブーム８Ａのフックシーブ１６ａ，１６
ｂを地上に吊り下ろして梁材ａに玉掛けし、梁材Ｂを水
平に吊り下げる。そこで、前述のようにドラム１０ａの
矢印方向ａ方向への回転速度を、ドラム１０ｂの同方向
ｂへの回転速度より大きくし、フックシーブ１６ａの巻
き上げ量をフックシーブ１６ｂより大きくして梁材ａを
略垂直に上傾し、その状態で吊り上げる。そして、略最
上部まで吊り上げたら、旋回台ＡをＹ方向に移動し、９
０°旋回したのち、両ドラム１０ａ，１０ｂを、逆に矢
印ｂ方向に回転し、かつ、ドラム１０ｂの回転速度を大
きくして梁材Ｂを水平にする。そこで、水平状態の梁材
ａを吊り下ろし、駆体材ｂ３，ｂ４の間に組立て、両駆
体材ｂ３，ｂ４を連結する。また、カーテンウォール
ｃ、設備ユニットｄ、床ｅも同様に揚重、取付けを行
う。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、吊
荷の姿勢を水平→垂直→水平と自由に制御し、かつ、旋
回させ、サイクルタイムを短縮し、作業エリアを確保
し、工期を短縮し工費を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施する多機能クレーンの一例を示す
正面図。

【図２】図１の上面図。

【図３】図１のワイヤリングを示す斜視図。

【図４】本発明の運搬、組立て態様の一例を説明する斜
視図。

【符号の説明】

Ｗａ，Ｗｂワイヤａ梁材ｂ，ｂ１〜ｂ４駆体材ｃカーテンウォールｄ設備ユニットｅ床１天井の架構２ａ，２ｂ走行レール３走行装置４横行レール５横行台６旋回台７ドラム８，８Ａ〜８Ｅ旋回ブーム１０ウインチ１０ａ，１０ｂウインチドラム１１ａ，１１ｂ第１シーブ１２ａ，１２ｂ第２シーブ１３ａ，１３ｂ第３シーブ１４ａ，１４ｂ第４シーブ１５ａ，１５ｂ第５シーブ１６ａ，１６ｂフックシーブ１７ａ，１７ｂ第７シーブ１８ａ，１８ｂ第８シーブ１９ａ，１９ｂ第９シーブ２０ａ，２０ｂ第１０シーブ

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】天井の架構（１）の下面に一対の走行レ
ール（２ａ、２ｂ）を設け、それらの走行レール（２
ａ、２ｂ）には走行装置（３）を備えた横行レール
（４）が走行自在に設けられている建築工事用多機能ク
レーンにおいて、前記横行レール（４）に横行装置で横
行自在に設けた横行台（５）には旋回台（６）を介して
旋回ブーム（８）が設けられ、該旋回ブーム（８）の両
端にはそれぞれ第５および第７シーブ（１５ａ、１５
ｂ、１７ａ、１７ｂ）が水平軸により移動自在に設けら
れ、横行レール（４）の外部には相対回転自在な一対の
ウインチドラム（１０ａ、１０ｂ）が設けられ、前記ウ
インチドラム（１０ａ、１０ｂ）に巻回されたワイヤ
（Ｗａ、Ｗｂ）はそれぞれ走行レール（２ａ、２ｂ）の
外側を通って前記第５シーブ（１５ａ、１５ｂ）を通
り、そして旋回台（６）に設けたドラム（７）を介して
垂下してフックシーブ（１６ａ、１６ｂ）に反転され前
記第７シーブ（１７ａ、１７ｂ）を通り、再び走行レー
ル（２ａ、２ｂ）の外側を通って前記架構（１）に止着
されていることを特徴とする建築工事用多機能クレー
ン。