JPH0698899B2 - 全方向移動装置 - Google Patents

全方向移動装置

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JPH0698899B2
JPH0698899B2 JP25049285A JP25049285A JPH0698899B2 JP H0698899 B2 JPH0698899 B2 JP H0698899B2 JP 25049285 A JP25049285 A JP 25049285A JP 25049285 A JP25049285 A JP 25049285A JP H0698899 B2 JPH0698899 B2 JP H0698899B2
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雅治 塩谷
義昭 本條
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Casio Computer Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、4つの車輪を備え、この各車輪の向きを走
行方向に転換させて前、横、斜めの全ての方向に走行す
るとともに、前記各車輪の向きを装置本体の中央部を中
心とする円の接線方向に向けて同一位置でピボット回転
する全方向移動装置に関するものである。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
車輪によって床面を走行移動する移動装置には、一般
に、前輪を操舵して装置本体の向きを変えながら移動す
る車両型の移動装置と、全ての車輪の向きを走行方向に
転換させて装置本体の向きを変えずに前、横、斜めの全
ての方向に移動する全方向移動車とがあるが、車両型の
移動装置は走行方向を転換する際の旋回半径が大きいた
めに、オフィスロボットのような肌の間の狭いスペース
等も方向を変えながら移動する移動装置や、指定された
複雑な移動パターンに従って移動する移動装置のよう
な、急角度の方向転換等を要求される移動装置として
は、全ての車輪の向きを走行方向に転換させて前、横、
斜めの全ての方向に走行する全方向移動装置が利用され
ている。
この全方向移動装置としては、従来、各車輪をそれぞれ
専用のステアリング用モータを駆動源とする独立したス
テアリング機構により方向転換させるようにするととも
に、各車輪をそれぞれ専用の走行用モータにより駆動し
て走行する形式のものがあり、この全方向移動装置は、
各車輪をそれぞれ同方向に向けて走行する全方向走行機
能だけでなく、各車輪の向きを装置本体の中央部を中心
とする円の接線方向に向けて同一位置でピボット回転す
る機能ももっている。
しかしながら、この形式の全方向移動装置は、各車輪毎
に専用のステアリング用モータを備えたものであるため
に、価格が非常に高いし、また、全ての車輪を一斉に同
方向に方向転換させるためには各ステアリング用モータ
を同調させて駆動しなければならないから、その制御も
面倒であるという問題をもっていた。
このため従来から、4つの車輪のうち片側の2つの車輪
と、他側の2つの車輪とをそれぞれ連動させて方向転換
させるようにし、片側の一方の車輪と他側の一方の車輪
とをそれぞれモータを駆動源とするステアリング機構に
より方向転換させることによって全ての車輪を方向転換
させるようにすることが考えられているが、この全方向
移動装置においても、ステアリング用の2台のモータを
必要とするとともに両側にそれぞれ2つの車輪を連動さ
せて方向転換させるための機構を設けなければならない
から、あまり価格の低減ははかれないし、また2台のス
テアリング用モータを同調させて駆動しなければならな
いためにステアリング制御も面倒であり、また、この全
方向移動装置のように両側の2つずつの車輪をそれぞれ
連動させて方向転換させるようにしたのでは、各車輪の
向きを装置本体の中央部を中心とする円の接線方向に向
けて同一位置でピボット回転させることができなくなる
という問題もあった。
〔発明の目的〕
この発明は上記のような実情にかんがみてなされたもの
であって、その目的とするところは、4つの車輪を備
え、この各車輪の向きを走行方向に転換させて前、横、
斜めの全ての方向に走行するとともに、前記各車輪の向
きを装置本体の中央部を中心とする円の接線方向に向け
て同一位置でピボット回転するものでありながら、走行
時にもピボット回転時にも全ての車輪の方向転換を1台
のステアリング用モータを駆動源として行なえるように
した、価格の低減をはかるとともに、ステアリング制御
も容易に行なうことができる全方向移動装置を提供する
ことにある。
〔発明の概要〕
すなわち、この発明は、装置本体の中央部に、上下一対
のステアリング用大径歯車を水平に設けるとともに、こ
のステアリング用大径歯車の周囲に、その周方向に沿わ
せて等間隔に第1〜第4の4本のステアリング軸を垂直
に配置し、前記ステアリング用大径歯車の回転中心をは
さんで対向する第1と第3のステアリング軸および第2
と第4のステアリング軸のうち、前記第1と第3のステ
アリング軸には前記一対のステアリング用大径歯車の一
方と噛合するステアリング用小径歯車を、前記第2と第
4のステアリング軸には他方のステアリング用大径歯車
と噛合するステアリング用小径歯車をそれぞれ設けると
ともに、前記4本のステアリング軸の下端にそれぞれ前
記ステアリング用大径歯車の回転により前記ステアリン
グ用小径歯車を介して回転されるステアリング軸と一体
回転する車軸受けを設けて、この各車軸受けに前記4つ
の車輪の車軸をそれぞれ支持させ、かつ前記一対のステ
アリング用大径歯車は、その外周の両側のみにそれぞれ
前記ステアリング用小径歯車を1回転させるのに必要な
歯数のギヤ部を形成し、この両ギヤ部間の外周部分はそ
れぞれ前記ステアリング用小径歯車と噛合しない欠歯部
とした欠歯歯車として、この一対のステアリング用大径
歯車を、一方のステアリング用大径歯車と他方のステア
リング用大径歯車とのギヤ部の位置を前記ステアリング
用小径歯車を1/4回転させるのに必要な歯数分だけ周方
向にずらしてステアリング用モータにより回転駆動され
る同一のステアリング駆動軸に固定するとともに、前記
車軸受けに車軸を支持されて前記ステアリング軸の回転
により方向転換される前記各車輪を、前記ステアリング
用小径歯車が前記ステアリング用大径歯車のギヤ部から
外れるまでステアリング軸を回転させたときにこの車輪
が前記装置本体の中央部を中心とする円の接線方向を向
くように設けたものである。
つまり、この発明は、前記一対のステアリング用大径歯
車を同方向に回転させることによって、一方のステアリ
ング用大径歯車によりステアリング用小径歯車を介して
回転される2本のステアリング軸と、他方のステアリン
グ用大径歯車によりステアリング用小径歯車を介して回
転される2本のステアリング軸とを全て同方向に回転さ
せて4つの車輪の方向を転換させるようにしたものであ
り、従って前記一対のステアリング用大径歯車を同方向
に回転させるだけで4つの車輪を一斉に同方向に方向転
換させることができる。また、この発明では、ステアリ
ング用大径歯車の回転中心をはさんで対向する2本ずつ
のステアリング軸をそれぞれ別のステアリング用大径歯
車によって回転させるようにするとともに、前記一対の
ステアリング用大径歯車を上記のような欠歯歯車として
そのギヤ部の位置をステアリング用小径歯車を1/4回転
させるのに必要な歯数分だけ周方向にずらし、さらに前
記各車輪をステアリング用小径歯車が前記ステアリング
用大径歯車のギヤ部から外れるまでステアリング軸を回
転させたときにこの車輪が前記装置本体の中央部を中心
とする円の接線方向を向くように設けているから、ピボ
ット回転させる場合にも、一対のステアリング用大径歯
車を同方向に回転させて行けば、まず同方向に一斉に方
向転換される4つの車輪のうちのステアリング用大径歯
車の回転中心をはさで対向する2つの車輪が前記円の接
線方向に向いたときにそのステアリング軸のステアリン
グ用小径歯車がステアリング用大径歯車のギヤ部から外
れてこのステアリング軸の回転が停止され、この時点で
は前記2つの車輪と同じ向きにあって前記円の接線方向
に対して90度ずれた方向を向いている他の2つの車輪は
さらに1/4回転されて前記円の接線方向に向いたときに
そのステアリング軸のステアリング用小径歯車がステア
リング用大径歯車のギヤ部からの外れてこのステアリン
グ軸の回転が停止されるから、前記一対のステアリング
用大径歯車を同方向に回転させるだけで最終的4つの車
輪を全て前記円の接線方向に向けてやることができる。
従って、この発明によれば、走行時にもピボット回転時
にも全ての車輪の方向転換を前記一対のステアリング用
大径歯車を同方向に回転させるだけで行なわせることが
でき、この一対のステアリング用大径歯車は同一のステ
アリング駆動軸によって回転されるものであるために、
ステアリング用モータとしては、前記ステアリング駆動
軸を回転駆動する1台のモータだけを備えればよいか
ら、使用モータ数を少なくして価格の低減をはかること
ができるし、また、ステアリング用モータが1台だけで
あるために、複数台のステアリング用モータを同調駆動
している従来の全方向移動装置に比べて、ステアリング
制御も容易に行なうことができる。
〔発明の実施例〕
以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。
第1図および第2図において、図中1は全方向移動装置
の本体、2a〜2dは4つの車輪であり、この車輪2a〜2dは
例えばゴムタイヤとされている。3a,3bは装置本体1の
中央部に水平に設けられた同一径の上下一対のステアリ
ング用大径歯車であり、このステアリング用大径歯車3
a,3bは、装置本体1に搭載したステアリング用モータに
より減速機(いずれも図示せず)を介して回転駆動され
る同一のステアリング駆動軸4に固定されて一体回転す
るように設けられている。また、5a〜5dは前記ステアリ
ング用大径歯車3に周囲にその周方向に沿わせて等間隔
に配置された第1〜第4の4本のステアリング軸であ
り、この各ステアリング軸5a〜5bはいずれも中空軸とさ
れ、それぞれ図示しない軸受に垂直に支承されている。
また、この各ステアリング軸5a〜5dの下端にはそれぞれ
各ステアリング軸と一体回転する車軸受6が設けられて
おり、前記各車輪2a〜2dは、各ステアリング軸5a〜5dの
車軸受6にベアリング8,8を介して支持させた車軸7に
ステアリング軸5a〜5dの中心から一側に偏らせて固定さ
れて、ステアリング軸5a〜5dの回転により各ステアリン
グ軸を中心として旋回して方向転換するように設けられ
ている。
また、各ステアリング軸5a〜5dにはそれぞれ同一径のス
テアリング用小径歯車9,9が各ステアリング軸と一体回
転するように設けられており、ステアリング用大径歯車
3a,3bの回転中心をはさんで対向する第1と第3のステ
アリング軸5a,5cおよび第2と第4のステアリング軸5b,
5dのうち、前記第1と第3のステアリング軸5a,5cに設
けられたステアリング用小径歯車9はそれぞれ上側の第
1のステアリング用大径歯車3aに噛合され、第2と第4
のステアリング軸5b,5dに設けられたテアリング用小径
歯車9はそれぞれ下側の第2のステアリング用大径歯車
3bに噛合されている。この各ステアリング用小径歯車9,
9は、ステアリング用大径歯車3a,3bの回転によりステア
リング軸5a〜5dとともに回転されるもので、ステアリン
グ用大径歯車3a,3bを回転させると、ステアリング用小
径歯車9,9を介して全てのステアリング軸5a〜5dが同方
向に同角度ずつ回転し、これにより各ステアリング軸5a
〜5dの車軸受6,6に車軸7を支持されている車輪2a〜2d
が同方向に旋回して同角度ずつ方向転換される。
また、前記一対のステアリング用大径歯車3a,3bは、第
3図および第4図に示すように、その外周の両側のみに
それぞれ前記ステアリング用小径歯車9を1回転させる
のに必要な歯数のギヤ部A,Aを形成し、この両ギヤ部A,A
間の外周部分はそれぞれ前記ステアリング用小径歯車9
と噛合しない欠歯部B,Bとした欠歯歯車とされており、
この一対のステアリング用大径歯車3a,3bは、第1のス
テアリング用大径歯車3aと第2のステアリング用大径歯
車3bのギヤ部A,Aの位置を前記ステアリング用小径歯車
9を1/4回転させるのに必要な歯数分だけ周方向にずら
して前記ステアリング駆動軸4に固定されている。な
お、この実施例では、前記第2と第4のステアリング軸
5b,5dを回転させる第2のステアリング用大径歯車3bを
回転方向にずらして、第2のステアリング用大径歯車3b
が第1のステアリング用大径歯車3aよりも上記歯数分だ
け先行して回転するようにしている。
従って、両方のステアリング用大径歯車3a,3bのギヤ部
A,Aに全てのステアリング軸5a〜5dのステアリング用小
径歯車9,9が噛合しているときは、全てのステアリング
軸5a〜5dがステアリング用大径歯車3a,3bの回転にとも
なって同角度ずつ同方向に回転して全ての車輪2a〜2dが
互いに平行な状態で一斉に同方向に方向転換して行く
が、ステアリング用大径歯車3a,3bが第3図および第4
図の状態まで回転し、さらにこの状態からステアリング
用小径歯車を1/4回転させるまで矢印方向に回転する
と、まず第2と第4のステアリング軸5b,5dのステアリ
ング用小径歯車9,9が第2のステアリング用大径歯車3b
のギヤ部A,Aから外れて第2と第4のステアリング軸5b,
5dが回転を停止し、この状態からさらにステアリング用
大径歯車3a,3bがステアリング用小径歯車を1/4回転させ
るまで回転すると、第1と第3のステアリング軸5a,5c
のステアリング用小径歯車9,9が第1のステアリング用
大径歯車3aのギヤ部A,Aから外れて第1と第3のステア
リング軸5a,5cが回転を停止する。
また、前記各ステアリング軸5a〜5dの車軸受6,6に車軸
7を支持されてステアリング軸の回転により方向転換さ
れる各車輪2a〜2dは、ステアリング用小径歯車9,9がス
テアリング用大径歯車3a,3bのギヤ部A,Aから外れるまで
ステアリング軸5a〜5dを回転させたときにこの車輪が装
置本体1の中央部を中心とする円の接線方向を向くよう
にして設けられており、従って、ステアリング用大径歯
車3a,3bを全てのステアリング用小径歯車9,9がギヤ部A,
Aから外れるまで回転させてやれば、全ての車輪2a〜2d
の向きを装置本体1の中央部を中心とする円の接線方向
を向けてピボット回転モードとすることができる。な
お、先に車輪2b,2dを前記円の接線方向に向けた状態で
回転を停止した第2と第4のステアリング軸5b,5dのス
テアリング用小径歯車9,9が、第1と第3のステアリン
グ軸5a,5cが車輪2a,2cを前記円の接線方向に向ける状態
まで回転する前に再びステアリング用大径歯車3bのギヤ
部A,Aと噛合すると、第2と第4のステアリング軸5b,5d
が再び回転されて先に前記円の接線方向に向けられた車
輪2b,2dの向きが変わってしまうが、前記ステアリング
用大径歯車3a,3bの欠歯部B,Bの長さを少なくともギヤ部
A,Aの長さの1/4以上にとっておけば、第1と第3のステ
アリング軸5a,5cが車輪2a,2cを前記円の接線方向に向け
る状態まで回転するまでは先に回転を停止した第2と第
4のステアリング軸5b,5dは車輪2b,2dを前記円の接線方
向に向けた状態で停止しているから、全ての車輪2a〜2d
の向きを装置本体1の中央部を中心とする円の接線方向
を向けてやることができる。
また、第1図において、10a,10bは前記ステアリング駆
動軸4に、ステアリング用大径歯車3a,3bと一体回転す
るように固定された第1と第2の2つの車輪方向ロック
用回転輪であり、第1の車輪方向ロック用回転輪10aは
第1のステアリング用大径歯車3aの下に設けられ、第2
の車輪方向ロック用回転輪10bは第2のステアリング用
大径歯車3bの下に設けられている。この車輪方向ロック
用回転輪10a,10bは、ステアリング用大径歯車3a,3bの欠
歯部B,Bにおける直径とほぼ等しい直径を有し、かつそ
の両側に外周側に突出する突出部11,11を形成したもの
で、第1の車輪方向ロック用回転輪10aの突出部11,11は
第5図に示すように第1のステアリング用大径歯車3aの
欠歯部B,Bと対応する部分に設けられ、第2の車輪方向
ロック用回転輪10bの突出部は第2のステアリング用大
径歯車3aの欠歯部B,Bと対応する部分に設けられてい
る。なお、この各突出部11,11の外周は、車輪方向ロッ
ク用回転輪10a,10bの回転中心を中心とする円弧状に形
成されている。
また、12,12は前記各ステアリング軸5a〜5dに設けられ
て下記ステアリング軸と一体回転する車輪方向ロック輪
であり、第1と第3のステアリング軸5a,5cに設けられ
た車輪方向ロック輪12,12は、第1の車輪方向ロック用
回転輪10aの外周面に対向され、第2と第4のステアリ
ング軸5b,5dに設けられた車輪方向ロック輪12,12は、第
2の車輪方向ロック用回転輪10bの外周面に対向されて
いる。この各車輪方向ロック輪12,12は、その外周の一
側に周方向に間隔をおいて一対の突起13,13を突設した
もので、この各車輪方向ロック輪12,12は、ステアリン
グ用小径歯車9,9がステアリング用大径歯車3a,3bのギヤ
部A,Aから外れてステアリング軸5a〜5dが回転を停止し
たときに突起13,13を突設した側が車輪方向ロック用回
転輪10a,10bと対向する状態になるように設けられてい
る。この各車輪方向ロック輪12,12は、その一対の突起1
3,13が共に車輪方向ロック用回転輪10a,10bの突出部11,
11の外周面に摺接したときにこの突出部11,11によって
回転を阻止されてステアリング軸2a〜2dを回転停止状態
にロックするもので、ステアリング用小径歯車9,9がギ
ヤ部A,Aから外れてステアリング軸5a〜5dが回転を停止
するまでステアリング用大径歯車3a,3bが回転すると、
各車輪方向ロック輪12,12の突起13,13を突設した側が車
輪方向ロック用回転輪10a,10bと対向する側にくるとと
もに、ステアリング用大径歯車3a,3bと一体回転してい
る車輪方向ロック用回転輪10a,10bの突出部11,11が車輪
方向ロック用回転輪10a,10bと対向する位置にきて、こ
の突出部11,11の外周面に車輪方向ロック輪12,12の突起
13,13が摺接するから、これによりステアリング軸2a〜2
dが回転停止状態にロックされて、装置本体1の中央部
を中心とする円の接線方向に向けられた各車輪2a〜2dが
みだりに向きを変えないようにロックされる。
また、第1図および第2図において、14a,14bは、第1
ステアリング用大径歯車3aの上方に位置させて装置本体
1の中央部に設けられた、全周にギヤ歯を有する同一径
の上下一対の走行駆動用大径歯車であり、この走行駆動
用大径歯車14a,14bは、その回転中心をステアリング用
大径歯車3a,3bの回転中心と一致させて水平に設けられ
ている。なお、この走行駆動用大径歯車14a,14bはそれ
ぞれ図示しない軸受に支持されている。そして、この一
対の走行駆動用大径歯車14a,14bのうち上側の第1の走
行駆動用大径歯車14aは、ステアリング用モータとは別
の走行駆動用モータ(図示しないが装置本体1に搭載さ
れている)により変速機を介して回転駆動される走行駆
動軸15に固定されて走行駆動用モータにより回転される
ようになっており、下側の第2の走行駆動用大径歯車14
aは、第1の走行駆動用大径歯車14aの回転により、両走
行駆動用大径歯車14a,14b間に設けた後述する構成の動
力伝達機構20を介して、第1の走行駆動用大径歯車14a
と等速で回転駆動回転されるようになっている。
また、16a〜16dは、前記各ステアリング軸5a〜5d内にそ
れぞれ垂直に挿通された車輪駆動軸であり、この車輪駆
動軸16a〜16dは、その上下端がステアリング軸5a〜5dの
上下に突出する状態で、ステアリング軸5a〜5dに図示し
ないベアリングによって回転自在に支承されている。そ
して、この各車輪駆動軸16a〜16dの下端には、各車輪2a
〜2dの車軸7,7にそれぞれ固定した傘歯車18と噛合する
傘歯車17が固定されている。また、この各車輪駆動軸16
a〜16dの上端には、前記一対の走行駆動用大径歯車14a,
14bに噛合する同一径の走行駆動用小径歯車19,19がそれ
ぞれ固定されており、この各走行駆動用小径歯車19,19
のうち、第1と第4のステアリング軸5a,5dに挿通した
第1と第4の車輪駆動軸16a,16dに設けられている走行
駆動用小径歯車19,19は、第1の走行駆動用大径歯車14a
に噛合され、第2と第3のステアリング軸5b,5cに挿通
した第2と第3の車輪駆動軸16b,16cに設けられている
走行駆動用小径歯車19,19は、第2の走行駆動用大径歯
車14bに噛合されている。この各走行駆動用小径歯車19,
19は、走行駆動用大径歯車14a,14bの回転により等速で
回転されて車輪駆動軸16a〜16dを回転させるもので、各
車輪2a〜2dは、各車輪駆動軸16a〜16dの等速回転により
傘歯車17,18を介して等速で回転駆動されるようになっ
ている。
ここで各車輪2a〜2dの回転方向について説明すると、全
方向移動装置の走行時には、前、横、斜めのいずれの方
向に走行する場合にも各車輪2a〜2dを全て移動装置の走
行方向に回転駆動しなければならないが、この場合、全
ての車輪駆動軸16a〜16dを同方向に回転させたのでは、
装置本体1の中央部をはさんで対向する第1と第3の車
輪2a,2cおよび第2と第4の車輪2b,2dのうち、一方の車
輪例えば右側の2つの車輪(第1と第4の車輪)2a,2d
は走行方向に回転するが、左側の2つの車輪(第2と第
3の車輪)2b,2cはいずれも走行方向と逆方向に回転す
ることになる。
すなわち、例えば移動装置を第6図(a)に示すように
その前面F方向に走行させようとする場合は、各車輪2a
〜2dのうち右側の2つの車輪2a,2dをステアリング軸側
から見て反時計方向に回転させ、左側の2つの車輪2b,2
cをステアリング軸側から見て時計方向に回転させなけ
ればならないが、右側の2つの車輪2a,2dの車軸7,7に設
けられている傘歯車18,18の向きと、左側の2つの車輪2
b,2cの車軸7,7に設けられている傘歯車18,18の向きとは
第1図および第2図に示したように逆になっているか
ら、全ての車輪駆動軸16a〜16dを同方向に回転させたの
では、左側の2つの車輪2b,2cか、あるいは右側の2つ
の車輪2a,2dが、走行方向と逆方向に回転されてしまう
ことになる。これは、全方向移動装置が第6図(c),
(i)に示すように横方向に走行しようとするときも、
第6図(b),(d),(h),(j)に示すように斜
め方向に走行しようとするときも同じである。
従って全ての車輪2a〜2dを全て走行方向に回転駆動させ
るには、前、横、斜めのいずれの方向に走行しようとす
る場合にも、右側の第1と第4の車輪駆動軸16a,16d
と、左側の第2と第3の車輪駆動軸16b,16cとを、互い
に逆方向に回転駆動しなければならず、そのためには、
前記一対の走行駆動用大径歯車14a,14bのうち、第2と
第3の車輪駆動軸16b,16cの走行駆動用小径歯車19,19を
噛合させてある第2の走行駆動用大径歯車14bを、第1
の走行駆動用大径歯車14aの回転方向と逆方向に回転さ
せることが必要となる。
一方、移動装置を第6図(f)に示すように各車輪2a〜
2dを装置本体1の中央部を中心とする円の接線方向に向
けた状態で例えば時計方向にピボット回転させようとす
る場合は、全ての車輪2a〜2dをステアリング軸側から見
て反時計方向に回転させなければならず、従ってこのピ
ボット回転時には全ての車輪駆動軸16a〜16dを同方向に
回転させなければならないから、このときは前記一対の
走行駆動用大径歯車14a,14bをともに同方向に回転させ
る必要がある。
そこで、この全方向移動装置では、前記動力伝達機構20
を回転方向の切換えが可能な構成として、第2の走行駆
動用大径歯車14aを、第1の走行駆動用大径歯車14aの回
転方向と逆方向にも同方向にも回転させられるようにし
ている。
この動力伝達機構20の構成を説明すると、第1図および
第2図において、21は第1の走行駆動用大径歯車14aの
下面に固定されてこの走行駆動用大径歯車14aと体回転
する駆動側傘歯車、22は第2の走行駆動用大径歯車14b
の上面に固定されてこの走行駆動用大径歯車14bと一体
回転する受動側傘歯車であり、この両傘歯車21,22は同
一径のものとされている。また、23は前記両傘歯車21,2
2の回転中心を中心として回転するリング状の回転体で
あり、この回転体23には、前記両傘歯車21,22の両方に
噛合された複数(この実施例では2個)の遊星傘歯車2
4,24が回転自在に軸支されている。この遊星傘歯車24,2
4は、前記回転体23が回転不能にロックされているとき
は公転を阻止されてその位置で駆動側傘歯車21の回転に
ともなって自転し、回転体23のロックが解除されたとき
は駆動側傘歯車21の回転にともなって受動側傘歯車22と
の噛合いにより自転しながら公転するもので、この遊星
傘歯車24,24は、回転体23が回転不能にロックされてい
るときに駆動側傘歯車21のトルクを受動傘歯車22に伝達
して受動側傘歯車22を駆動側傘歯車21の回転方向と逆方
向に回転させ、回転体23のロックが解除されたときは駆
動側傘歯車21の回転にともなって公転して駆動側傘歯車
21から駆動側傘歯車22に伝達されるトルクを吸収するよ
うになっている。また、25は前記駆動側傘歯車21の下に
設けられて第1の走行駆動用大径歯車14aと一体回転す
る駆動側クラッチ板、26は受動側クラッチ板であり、こ
の受動側クラッチ板26は、前記第2の走行駆動用大径歯
車14bの中心に垂直に挿通されたスライド軸27の上端に
固定されている。このスライド軸27は、第2の走行駆動
用大径歯車14bと一体回転するとともに、上下にスライ
ド移動されて受動側クラッチ板26を駆動側クラッチ板25
に接離させるもので、第2の走行駆動用大径歯車14b
は、受動側クラッチ板26を駆動側クラッチ板25に接触さ
せることによって第1の走行駆動用大径歯車14aと同方
向に回転されるようになっている。
すなわち、上記動力伝達機構20は、回転体23が回転不能
にロックされているときは第2の走行駆動用大径歯車14
bを第1の走行駆動用大径歯車14aと逆方向に回転させ、
回転体23のロックが解除されるとともに受動側クラッチ
板26が駆動側クラッチ板25に接触されたときは第2の走
行駆動用大径歯車14bを第1の走行駆動用大径歯車14aと
同方向に回転させるもので、回転体23が回転不能にロッ
クされているときは受動側クラッチ板26は駆動側クラッ
チ板25から離されている。
一方、28は、移動装置の走行時に前記回転体23を回転不
能にロックし、ピボット回転時には回転体23のロックを
解除するブレーキ機構である。このブレーキ機構28は、
回転体23の外周面に接離するブレーキ部材29と、このブ
レーキ部材29を回転体23から離すブレーキ解除ばね30と
からなっており、前記ブレーキ部材29は、第1の走行駆
動用大径歯車14aによって駆動される車輪駆動軸16a,16d
を挿通した右側の2本のステアリング軸5a,5dの一方例
えば第1のステアリング軸5aに形成したブレーキ用カム
31により後端を押されて回転体23の外周面に押付けられ
るようになっている。このブレーキ用カム31は、車輪2a
と対応する側を切欠した円板状のもので、ブレーキ部材
29は、移動装置の走行時には常時ブレーキ用カム31で押
されて回転体23に押付けられており、車輪2aがピボット
回転時の向きになるまでステアリング軸5aを回転させた
ときにブレーキ用カム31による押圧を解除されてブレー
キ解除ばね30のばね力で後退されるようになっている。
また、32は、移動装置の走行時は前記受動側クラッチ板
26を駆動側クラッチ板25から離し、ピボット回転時には
受動側クラッチ板26を駆動側クラッチ板25に接触させる
クラッチ接離機構であり、このクラッチ接離機構32は、
上面が傾斜するスライド軸押上げ部材33と、このスライ
ド軸押上げ部材33を後退させるクラッチ解除バネ34とか
らなっている。このクラッチ接離機構32は、スライド軸
押上げ部材33をその先端方向に押出すことによりその傾
斜面でスライド軸27を押上げて受動側クラッチ板26を駆
動側クラッチ板25に接触させるもので、前記スライド軸
押上げ部材33も、前記第1のステアリング軸5aに形成し
たクラッチ用カム35で後端を押されて先端方向に押出さ
れるようになっている。このクラッチ用カム35は、前記
ブレーキ用カム31と逆に車輪2aと対応する側を外周側に
突出させた形状のもので、スライド軸押上げ部材33は、
移動装置の走行時には常時クラッチ解除バネ34のばね力
で後退状態に保持されており、車輪2aがピボット回転時
の向きになるまでステアリング軸5aを回転させたとき
に、クラッチ用カム35で押されて受動側クラチ板26を駆
動側クラッチ板25に接触させるようになっている。
この全方向移動装置は、全ての車輪2a〜2dを等速で回転
駆動して走行するもので、この移動装置は、各車輪2a〜
2dの向きを変えることで走行方向を転換しながら前、
横、斜めの全ての方向に走行する。
この移動装置の走行方向の転換について説明すると、第
6図はこの移動装置の走行パターンを示したもので、第
6図(a)は移動車が前方に走行しているときの状態を
示しており、このときは、各車輪2a〜2dは第1図および
第2図に示した状態にある。
この移動装置の走行方向に転換は、ステアリング用モー
タを駆動してステアリング用大径歯車3a,3bを回転させ
ることによって行なわれるもので、全てのステアリング
用小径歯車9,9がステアリング用大径歯車3a,3bのギヤ部
A,Aに噛合している間は、ステアリング用大径歯車3a,3b
の回転にともなって全てのステアリング軸5a〜5dが同方
向に同角度ずつ一斉に回転するから、全ての車輪2a〜2d
を一斉に同方向に方向転換させることができる。
第6図(b)〜(j)は、第6図(a)の状態から反時
計方向にステアリング用大径歯車3a,3bを回転させて各
車輪2a〜2dの向きを45度ずつ時計方向に転換させて行っ
た状態を示したもので、第6図(b)は各車輪2a〜2dの
向きを第6図(a)の状態から45度右方向に変えて斜め
右前方に走行するときの状態を示している。なお、この
走行方向に変換は、緩やかなカーブで方向変換するとき
は車輪2a〜2dを駆動したまま走行を停止せずに行なわ
れ、急角度に方向変換するときは、走行駆動用モータを
停止させて車輪2a〜2dの駆動を停止した走行停止状態で
行なわれる。これは、以下の走行方向の変換においても
同様である。
第6図(c)は右横方向に走行するときの状態を示して
おり、このときステアリング用大径歯車3a,3bは第3図
および第4図の状態まで回転した状態にある。
また、第6図(d)は斜め右後方に走行するときの状態
を示しており、この状態まで各車輪2a〜2dを方向転換さ
せると、第2と第4の車輪2b,2dが装置本体1の中央部
を中心とする円の接線方向を向く状態となり、この時点
で第2と第4のステアリング軸5b,5dのステアリング用
小径歯車9,9が第2のステアリング用大径歯車3bのギヤ
部A,Aから外れて、この第2と第4のステアリング軸5b,
5dの回転駆動が停止されるとともに、ステアリング軸5
b,5dが第2の車輪方向ロック用回転輪14bによってみだ
りに回転しないようにロックされる。
また、第6図(e)〜(f)は移動装置がピボット回転
モードに移行するときの状態を示したもので、第6図
(d)の状態からさらにステアリング用大径歯車3a,3b
を反時計方向に回転させて行くと、ステアリング用小径
歯車9,9が第2のステアリング用大径歯車3bのギヤ部A,A
から外れている第2と第4のステアリング軸5b,5dは回
転されないから、第2と第4の車輪2b,2dは向きを変え
ずに装置本体1の中央部を中心とする円の接線方向を向
いたままの状態を保つが、ステアリング用小径歯車9,9
が第1のステアリング用大径歯車3aのギヤ部A,Aに噛合
している第1と第3のステアリング軸5a,5cはさらに回
転されるために、第1と第3の車輪2a,2cは第6図
(d)の状態から第6図(e)〜(f)に示すように向
きを変えて行く。そして、第6図(d)の状態からステ
アリング用大径歯車3,3bがステアリング用小径歯車を1/
4回転させるまで回転して第1と第3の車輪2a,2cが第6
図(f)に示すように装置本体1の中央部を中心とする
円の接線方向を向く状態となると、この時点で第1と第
3のステアリング軸5a,5cのステアリング用小径歯車9,9
が第1のステアリング用大径歯車3aのギヤ部A,Aから外
れて、この第1と第3のステアリング軸5a,5cの回転駆
動が停止されるとともに、ステアリング軸5a,5dが第1
の車輪方向ロック用回転輪10bによってみだりに回転し
ないようにロックされる。なお、上記ピボット回転モー
ドへの移行は、走行駆動用モータを停止させて車輪2a〜
2dの駆動を停止した状態で行なわれる。また、第1と第
3の車輪2a,2cが装置本体1の中央部を中心とする円の
接線方向を向く状態となると、第1のステアリング軸5a
に形成されているブレーキ用カム31が前記動力伝達機構
20のブレーキ部材29の押圧を開放して回転体23のロック
を解除させるとともに、クラッチ用カム35がスライド軸
押上げ部材33を押出して受動側クラッチ板26を駆動側ク
ラッチ板25に接触させ、これにより第2の走行駆動用大
径歯車14bが第1の走行駆動用大径歯車14aと同方向に回
転されるようになる。
しかして、このように全ての車輪2a〜2dを装置本体1の
中央部を中心とする円の接線方向を向く状態とした後
は、走行駆動用モータを再び駆動して車輪2a〜2dを回転
駆動すればよく、このときは、第1の走行駆動用大径歯
車14aと第2の走行駆動用大径歯車14bとが同方向に回転
するために全ての車輪2a〜2dがピボット回転方向に回転
駆動されるから、移動装置は同一位置でピボット回転す
る。なお、このピボット回転時はステアリング用モータ
は停止されている。また、このピボット回転は、例えば
移動装置のUターン時など、移動装置の向きを変えてや
る場合に行なわれる。
また、このピボット回転後に移動装置を再び走行させる
ときは、再びステアリング用モータを駆動してステアリ
ング用大径歯車3a,3bを回転させればよく、このように
ステアリング用大径歯車3a,3bを回転させると、まず第
2のステアリング用大径歯車3bのギヤ部A,Aが第2と第
4のステアリング軸5b,5dのステアリング用小径歯車9,9
と噛合して第2と第4のステアリング軸5b,5dが回転さ
れるから、第2と第4の車輪2b,2dが第6図(f)の状
態から第6図(g)に示すように向きを変えて行く。そ
して、第6図(f)の状態からステアリング用大径歯車
3a,3bがステアリング用小径歯車を1/4回転させるまで回
転して第2と第4の車輪2b,2dが第6図(h)に示すよ
うに第1と第3の車輪2a,2cの向きと平行になるまで方
向転換すると、この時点で第1のステアリング用大径歯
車3aのギヤ部A,Aが第1と第3のステアリング軸5a,5cの
ステアリング用小径歯車9,9と噛合して第1と第3のス
テアリング軸5a,5cが回転されるから、第1と第3の車
輪2a,2cも第2と第4の車輪2b,2dと一緒に向きを変えて
行くようになって移動装置が走行モードとなる。なお、
このピボット回転モードから走行モードへの移行も、走
行駆動用モータを停止させておいて行なわれる。
また、ピポット回転モードから走行モードに切換えた後
の移動装置の走行は、第1のステアリング用大径歯車3a
のギヤ部A,Aが第1と第3のステアリング軸5a,5cのステ
アリング用小径歯車9,9と噛合して第1と第3のステア
リング軸5a,5cが回転されるようになってから開始させ
ればよく、この状態になると、第1のステアリング軸5a
に形成されているブレーキ用カム31が動力伝達機構20の
ブレーキ部材29を押圧して回転体23を回転不能にロック
するとともに、クラッチ用カム35がスライド軸押上げ部
材33の押圧を開放して受動側クラッチ板26を駆動側クラ
ッチ板25から離すから、第2の走行駆動用大径歯車14b
が第1の走行駆動用大径歯車14aと逆方向に回転される
ようになる。従って、この後に走行駆動用モータを駆動
して走行駆動用大径歯車14a,14bを回転させれば、第1
の走行駆動用大径歯車14aの回転によって回転駆動され
る右側の車輪2a,2dと、第2の走行駆動用大径歯車14bの
回転によって回転駆動される左側の車輪2b,2cとがいず
れも走行方向に回転することになる。
このように移動装置を走行モードに戻した後は、ステア
リング用モータを駆動して車輪2a〜2dの向きを変えなが
ら移動装置を任意の方向に走行させればよく、例えば第
6図(h)の状態では移動装置は斜め左後方に走行し、
この状態から車輪2a〜2dを第6図(i)に示す方向に向
けてやれば移動装置は左横方向に走行し、さらに車輪2a
〜2dを第6図(i)に示す方向に向けてやれば、移動装
置は斜め左前方に走行する。また、この第6図(i)の
状態からさらに車輪2a〜2dを45度方向転換させれば、移
動装置は第6図(a)の状態に戻って前方に走行する状
態になる。
なお、第6図では反時計方向にステアリング用大径歯車
3a,3bを回転させて各車輪2a〜2dの向きを45度ずつ時計
方向に転換させて行った場合の走行パターンの変化を示
したが、ステアリング等モータを逆回転させれば、どの
走行パターンからでも前の走行パターンに戻してやるこ
とができるし、また、走行駆動用モータの回転方向を切
換えれば、各走行パターンにおいて移動装置を前後いず
れにも走行させることができる。
すなわち、この全方向移動装置は、前記一対のステアリ
ング用大径歯車3a,3bを同方向に回転させることによっ
て、第1のステアリング用大径歯車3aによりステアリン
グ用小径歯車9,9を介して回転される第1と第3の2本
のステアリング軸5a,5cと、第2のステアリング用大径
歯車3bによりステアリング用小径歯車9,9を介して回転
される第2と第4の2本のステアリング軸5b,5dとを全
て同方向に回転させて4つの車輪2a〜2dの方向を転換さ
せるようにしたものであり、従って前記一対のステアリ
ング用大径歯車3a,3bを同方向に回転させるだけで4つ
の車輪2a〜2dを一斉に同方向に方向転換させることがで
きる。
また、この全方向移動装置では、ステアリング用大径歯
車3a,3bの回転中心をはさんで対向する2本ずつのステ
アリング軸5a,5cおよび5b,5dをそれぞれ別のステアリン
グ用大径歯車3a,3bによって回転させるようにするとと
もに、前記一対のステアリング用大径歯車3a,3bを上記
のような欠歯歯車としてそのギヤ部A,Aの位置をステア
リング用小径歯車9を1/4回転させるのに必要な歯数分
だけ周方向にずらし、さらに前記各車輪2a〜2dをステア
リング用小径歯車9が前記ステアリング用大径歯車3a,3
bのギヤ部A,Aから外れるまでステアリング軸5a〜5dを回
転させたときにこの車輪2a〜2dが装置本体1の中央部を
中心とする円の接線方向を向くように設けているから、
ピボット回転させる場合にも、一対のステアリング用大
径歯車3a,3bを同方向に回転させて行けば、まず同方向
に一斉に方向転換される4つの車輪2a〜2dのうちのステ
アリング用大径歯車3a,3bの回転中心をはさんで対向す
る2つの車輪2b,2dが前記円の接線方向に向いたときに
そのステアリング軸5b,5dのステアリング用小径歯車9,9
がステアリング用大径歯車3bのギヤ部から外れてこのス
テアリング軸5b,5dの回転が停止され、この時点では前
記2つの車輪2b,2dと同じ向きにあって前記円の接線方
向に対して90度ずれた方向を向いている他の2つの車輪
2a,2cはさらに1/4回転されて前記円の接線方向に向いた
ときにそのステアリング軸5a,5cのステアリング用小径
歯車9,9がステアリング用大径歯車5bのギヤ部A,Aから外
れてこのステアリング軸5a,5cの回転が停止されるか
ら、前記一対のステアリング用大径歯車3a,3bを同方向
に回転させるだけで最終的4つの車輪2a〜2dを全て前記
円の接線方向に向けてやることができる。
従って、この全方向移動装置によれば、走行時にもピボ
ット回転時にも全ての車輪2a〜2dの方向転換を前記一対
のステアリング用大径歯車3a,3bを同方向に回転させる
だけで行なわせることができ、この一対のステアリング
用大径歯車3a,3bは同一のステアリング駆動軸4によっ
て回転されるものであるために、ステアリング用モータ
としては、前記ステアリング駆動軸4を回転駆動する1
台のモータだけを備えればよいから、使用モータ数を少
なくして価格の低減をはかることができるし、また、ス
テアリング用モータが1台だけであるために、複数台の
ステアリング用モータを同調駆動している従来の全方向
移動装置に比べて、ステアリング制御も容易に行なうこ
とができる。
なお、上記実施例では、走行駆動用大径歯車14a,14bに
より全ての車輪2a〜2dの駆動軸16a〜16dを回転させるよ
うにして、1台の走行駆動用モータで移動装置の走行駆
動を行なっているが、この移動装置の走行駆動は、各車
輪2a〜2dをそれぞれ専用の走行駆動用モータで駆動する
ことによって行なうようにしてもよい。
〔発明の効果〕
この発明によれば、4つの車輪を備え、この各車輪の向
きを走行方向に転換させて前、横、斜めの全ての方向に
走行するとともに、前記各車輪の向きを装置本体の中央
部を中心とする円の接線方向に向けて同一位置でピボッ
ト回転するものでありながら、全方向走行時にもピボッ
ト回転時にも全ての車輪の方向転換を1台のステアリン
グ用モータを駆動源として行なうことができ、従って、
ステアリング用モータとしては1台のモータだけを備え
ればよいから、使用モータ数を少なくして価格の低減を
はかることができるし、またステアリング用モータが1
台だけであるために、複数台のステアリング用モータを
同調駆動している従来の全方向移動車に比べて、ステア
リング制御も容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図〜第6図はこの発明の一実施例を示したもので、
第1図および第2図は全方向移動装置の縦断正面図およ
び平面図、第3図および第4図は第1および第2のステ
アリング用大径歯車の平面図、第5図は車輪方向ロック
用回転輪の平面図、第6図は移動装置の走行パターン図
である。 1……装置本体、2a〜2d……車輪、3a,3b……ステアリ
ング用大径歯車、A……ギヤ部、B……欠歯部、4……
ステアリング駆動軸、5a〜5d……ステアリング軸、6…
…車軸受、7……車軸、9……ステアリング用小径歯
車、10a,10b……車輪方向ロック用回転輪、11……突出
部、12……車輪方向ロック輪、14a,14b……走行駆動用
大径歯車、15……走行駆動軸、16a〜16d……車輪駆動
軸、19……走行駆動用小径歯車20……動力伝達機構、21
……駆動側傘歯車、22……受動側傘歯車、23……回転
体、24……遊星傘歯車、25……駆動側クラッチ板、26…
…受動側クラッチ板、28……ブレーキ機構、31……ブレ
ーキ用カム、32……クラッチ接離機構、35……クラッチ
用カム。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4つの車輪を備え、この各車輪の向きを走
    行方向に転換させて前、横、斜めの全ての方向に走行す
    るとともに、前記各車輪の向きを装置本体の中央部を中
    心とする円の接線方向に向けて同一位置でピボット回転
    する全方向移動装置において、 装置本体の中央部に、上下一対のステアリング用大径歯
    車を水平に設けるとともに、このステアリング用大径歯
    車の周囲に、その周方向に沿わせて等間隔に第1〜第4
    の4本のステアリング軸を垂直に配置し、 前記ステアリング用大径歯車の回転中心をはさんで対向
    する第1と第3のステアリング軸および第2と第4のス
    テアリング軸のうち、前記第1と第3のステアリング軸
    には前記一対のステアリング用大径歯車の一方と噛合す
    るステアリング用小径歯車を、前記第2と第4のステア
    リング軸には他方のステアリング用大径歯車と噛合する
    ステアリング用小径歯車をそれぞれ設けるとともに、前
    記4本のステアリング軸の下端にそれぞれ前記ステアリ
    ング用大径歯車の回転により前記ステアリング用小径歯
    車を介して回転されるステアリング軸と一体回転する車
    軸受を設けて、この各車軸受に前記4つの車輪の車軸を
    それぞれ支持させ、 かつ前記一対のステアリング用大径歯車は、その外周の
    両側のみにそれぞれ前記ステアリング用小径歯車を1回
    転させるのに必要な歯数のギヤ部を形成し、この両ギヤ
    部間の外周部分はそれぞれ前記ステアリング用小径歯車
    と噛合しない欠歯部とした欠歯歯車として、この一対の
    ステアリング用大径歯車を、一方のステアリング用大径
    歯車と他方のステアリング用大径歯車とのギヤ部の位置
    を前記ステアリング用小径歯車を1/4回転させるのに必
    要な歯数分だけ周方向にずらしてステアリング用モータ
    により回転駆動される同一のステアリング駆動軸に固定
    するとともに、 前記車軸受に車軸を支持されて前記ステアリング軸の回
    転により方向転換される前記各車輪を、前記ステアリン
    グ用小径歯車が前記ステアリング用大径歯車のギヤ部か
    ら外れるまでステアリング軸を回転させたときにこの車
    輪が装置本体の中央部を中心とする円の接線方向を向く
    ように設けたことを特徴とする全方向移動装置。
  2. 【請求項2】前記ステアリング駆動軸に、前記一方のス
    テアリング用大径歯車の欠歯部と対応する部分を外周側
    に突出させた第1の車輪方向ロック用回転輪と、前記他
    方のステアリング用大径歯車の欠歯部と対応する部分を
    外周側に突出させた第2の車輪方向ロック用回転輪とを
    固定するとともに、 前記第1と第3のステアリング軸には、このステアリン
    グ軸の回転により方向転換された車輪が装置本体の中央
    部を中心とする円の接線方向に向いてステアリング用小
    径歯車が一方のステアリング用大径歯車のギヤ部から外
    れたときに前記第1の車輪方向ロック用回転輪の突出部
    に摺接してステアリング軸の回転を阻止する車輪方向ロ
    ック輪を設け、 前記第2と第4のステアリング軸には、このステアリン
    グ軸の回転により方向転換された車輪が装置本体の中央
    部を中心とする円の接線方向に向いてステアリング用小
    径歯車が一方のステアリング用大径歯車のギヤ部から外
    れたときに前記第2の車輪方向ロック用回転輪の突出部
    に摺接してステアリング軸の回転を阻止する車輪方向ロ
    ック輪を設けたことを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の全方向移動装置。
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