JPH0942402A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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JPH0942402A
JPH0942402A JP19630095A JP19630095A JPH0942402A JP H0942402 A JPH0942402 A JP H0942402A JP 19630095 A JP19630095 A JP 19630095A JP 19630095 A JP19630095 A JP 19630095A JP H0942402 A JPH0942402 A JP H0942402A
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寛 加藤
Takashi Imanishi
尚 今西
Nobuo Goto
伸夫 後藤
Takashi Machida
尚 町田
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    • F16H15/00Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members
    • F16H15/02Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members without members having orbital motion
    • F16H15/04Gearings providing a continuous range of gear ratios
    • F16H15/06Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B
    • F16H15/32Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line
    • F16H15/36Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface
    • F16H15/38Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces
    • F16H2015/383Gearings providing a continuous range of gear ratios in which a member A of uniform effective diameter mounted on a shaft may co-operate with different parts of a member B in which the member B has a curved friction surface formed as a surface of a body of revolution generated by a curve which is neither a circular arc centered on its axis of revolution nor a straight line with concave friction surface, e.g. a hollow toroid surface with two members B having hollow toroid surfaces opposite to each other, the member or members A being adjustably mounted between the surfaces with two or more sets of toroid gearings arranged in parallel

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安定した運転が可能で、製作費が安く、しか
も小形軽量な構造を実現する。 【構成】 押圧装置8aが、1対の入力側ディスク2、
2の間隔を縮めてパワーローラ7、7を強く押圧する。
この押圧装置8aを構成するカム板36は、軸方向両面
に第一、第二の出力側カム面41、42を有する。一方
の入力側ディスク2は、回転軸37に対して回転方向及
び軸方向の変位自在に支持している。カム板36と一方
の入力側ディスク2の位相がずれると同時に、他方の入
力側ディスク2の位相も、同方向に同じだけずれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係るトロイダル型無段
変速機は、自動車用変速機として利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車用変速機として、図4〜5に略示
する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究さ
れている。このトロイダル型無段変速機は、図示しない
ハウジングの内側に回転自在に支承された入力軸1と同
心に入力側ディスク2を支持し、同じくハウジングに対
し回転自在に支承された出力軸3の端部に、出力側ディ
スク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納め
た上記ハウジングの内面、或はこのハウジング内に設け
られた支持ブラケットには、上記入力軸1並びに出力軸
3に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動する、ト
ラニオン5、5が設けられている。
【0003】各トラニオン5、5は、十分な剛性を有す
る金属材により形成されたもので、両端部外側面に上記
枢軸を設けている。又、各トラニオン5、5の中心部に
設けた変位軸6、6の周囲には、それぞれパワーローラ
7、7を回転自在に支持している。そして、各パワーロ
ーラ7、7を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の
間に挟持している。
【0004】入力側、出力側両ディスク2、4の軸方向
片面で互いに対向する面には、それぞれ断面が上記枢軸
の中心線上の点を中心とする円弧形のトロイダル曲面と
された、入力側凹面2a、出力側凹面4aを形成してい
る。そして、回転円弧面状の凸面に形成された各パワー
ローラ7、7の周面7a、7aを、上記入力側凹面2a
及び出力側凹面4aに当接させている。
【0005】上記入力軸1と入力側ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置8を設け、この押圧
装置8により、上記入力側ディスク2を出力側ディスク
4に向け押圧している。この押圧装置8は、入力軸1と
共に回転するカム板9と、保持器10により保持された
複数個(例えば4個)のローラ11、11とから構成さ
れる。上記カム板9の片側面(図4〜5の右側面)に
は、円周方向に亙る凹凸面である第一のカム面12を形
成すると共に、上記入力側ディスク2の外側面(図4〜
5の左側面)にも、同様の形状を有する第二のカム面1
3を形成している。そして、上記複数個のローラ11、
11を、上記入力軸1の中心に対し放射方向の軸を中心
に、回転自在としている。尚、上記入力側ディスク2
は、入力軸1に対し軸方向(図4〜5の左右方向)に亙
る若干の摺動可能、且つ回転方向への回転自在に支持さ
れている。
【0006】入力軸1の回転に伴ってカム板9が回転
し、入力側ディスク2に対し回転位相差を生ずると、複
数個のローラ11、11が上記第一のカム面12及び上
記第二のカム面13に乗り上げて、カム板9と入力側デ
ィスク2とを互いに遠ざける。カム板9は、ハウジング
に対して軸受により支承された入力軸1に、軸方向への
移動不能に支持されている為、入力側ディスク2はパワ
ーローラ7、7に向けて押され、パワーローラ7、7は
出力側ディスク4に向けて押される。一方、出力側ディ
スク4は、変速機ケースに対して出力軸3と共に回転の
み自在に支承されて軸方向に移動しない。この為、パワ
ーローラ7、7は入力側ディスク2と出力側ディスク4
との間で押圧される。この押圧により、パワーローラ
7、7の周面7a、7aと入力側、出力側両凹面2a、
4aとの間に押付力が生じ、入力側ディスク2の回転が
滑らずに上記パワーローラ7、7を介して出力側ディス
ク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出
力軸3が回転する。
【0007】入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速
比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で
減速を行なう場合には、図4に示す様に前記枢軸を中心
として各トラニオン5、5を揺動させ、各パワーローラ
7、7の周面7a、7aが、入力側凹面2aの中心寄り
部分と出力側凹面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接
する様に、各変位軸6、6を傾斜させる。反対に、増速
を行なう場合には、図5に示す様に前記トラニオン5、
5を揺動させ、各パワーローラ7、7の周面7a、7a
が、入力側凹面2aの外周寄り部分と、出力側凹面4a
の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸
6、6を傾斜させる。各変位軸6、6の傾斜角度を、図
4と図5との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間
で、中間の変速比を得られる。
【0008】トロイダル型無段変速機の基本的な構造及
び作用は、上述の通りであるが、この様なトロイダル型
無段変速機を、出力の大きなエンジンを持った自動車用
変速機として利用する場合には、伝達可能な動力を確保
すべく、上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4を
2個ずつ設ける。そして、これら2個ずつの入力側ディ
スク2及び出力側ディスク4を、動力の伝達方向に対し
互いに並列に配置する。この様な構造は、例えば特開平
4−69439号公報等に記載されている様に、従来か
ら知られている。図6は、この公報に記載された構造を
示している。
【0009】この従来構造に於いては、ハウジング14
の内側に入力側回転軸15を、回転のみ自在に支持して
いる。この入力側回転軸15は、クラッチの出力側回転
軸等に結合される前半部15aと、この前半部15aに
対し若干の回転を自在とされた後半部15bとから成
る。このうちの後半部15bが、請求項に記載した回転
軸に相当する。この後半部15bの軸方向(図6の左右
方向)両端部近傍には1対の入力側ディスク2、2を、
それぞれの入力側凹面2a、2a同士を互いに対向させ
た状態で、ボールスプライン16、16を介して支持し
ている。又、上記各入力側ディスク2、2の背面(前記
入力側凹面2a、2aと軸方向反対側の面)中央部に
は、それぞれ凹部20、20を形成している。
【0010】そして、これら各凹部20、20のうち、
後端側(図6の右側)の凹部20の奥面とローディング
ナット28との間には、座板29と皿ばね30、30と
を、互いに直列に設けている。又、前端側(図6の左
側)の凹部20の奥面と、後述するカム板9の片面(図
6の右側面)内周寄り部分との間には、スラストニード
ル軸受31と皿ばね30、30とを、互いに直列に設け
ている。このスラストニードル軸受31は、カム板9と
前端側の入力側ディスク2との相対回転を補償する。
又、上記各皿ばね30、30によって上記各入力側ディ
スク2、2に、次述する出力側ディスク4、4に向かう
予圧を付与している。
【0011】上記後半部15bの中間部周囲には1対の
出力側ディスク4、4を、それぞれの出力側凹面4a、
4aと上記各入力側凹面2a、2aとを対向させた状態
で、この入力側回転軸15に対する回転を自在に支持し
ている。又、複数のトラニオン5、5に変位軸6(図4
〜5)を介して回転自在に支持された複数のパワーロー
ラ7、7が、上記各入力側、出力側両凹面2a、4a同
士の間に挟持されている。各パワーローラ7、7は、各
入力側ディスク2、2と出力側ディスク4、4との間の
変速比を一致させるべく、同期して傾斜する。
【0012】又、上記ハウジング14の内側で上記前半
部15aと反対側部分には出力側回転軸17を、上記入
力側回転軸15の後半部15bと同心に、且つこの後半
部15bとは独立して回転自在に支持している。そし
て、この出力側回転軸17と上記1対の出力側ディスク
4、4との間に、次述する様な回転伝達手段を設け、両
出力側ディスク4、4の回転を上記出力側回転軸17に
伝達自在としている。
【0013】上記ハウジング14の内側で、上記1対の
出力側ディスク4、4の間部分には、隔壁18を設けて
いる。そして、この隔壁18に設けた通孔19の内側部
分に円管状のスリーブ21を、1対の転がり軸受27、
27により、回転のみ自在に支持している。上記1対の
出力側ディスク4、4は、このスリーブ21の両端部に
スプライン係合している。即ち、上記スリーブ21の両
端部外周面に形成した雄スプライン溝と、上記各出力側
ディスク4、4の内周面に形成した雌スプライン溝とを
互いに噛合させている。又、このスリーブ21の中間部
で上記隔壁18の内側部分には、第一の歯車22を固設
している。更に、上記各出力側ディスク4、4の一部で
上記スリーブ21から突出した部分の内周面と上記入力
側回転軸15の外周面との間には、それぞれころ軸受3
2、32を設けている。これら各ころ軸受32、32
は、これら各出力側ディスク4、4と入力側回転軸15
との相対回転並びに軸方向に亙る相対変位を許容する。
【0014】一方、上記ハウジング14の内側には、上
記入力側回転軸15及び出力側回転軸17と平行に伝達
軸23を、回転自在に支持している。そして、この伝達
軸23の一端(図6の左端)に固定した第二の歯車24
と上記第一の歯車22とを直接噛合させ、この伝達軸2
3の他端(図6の右端)に固定した第三の歯車25と、
上記出力側回転軸17の端部に固定した第四の歯車26
とを、図示しないアイドル歯車を介して噛合させてい
る。この様な回転伝達手段により、上記出力側回転軸1
7が、上記1対の出力側ディスク4、4の回転に伴っ
て、これら出力側ディスク4、4と逆方向に回転する。
【0015】更に、前記前半部15aと一方(図6の左
方)の入力側ディスク2との間には、ローディングカム
式の押圧装置8を設けている。そして、この押圧装置8
により、請求項に記載した回転軸以外の部材である前半
部15aの回転に伴って上記一方の入力側ディスク2
を、回転させつつこの一方の入力側ディスク2が対向す
る出力側ディスク4に向け軸方向に押圧自在としてい
る。この為に、上記前半部15aの後端部外周面に形成
した係合部33aと上記押圧装置8を構成するカム板9
の背面に形成した係合部33bとを凹凸係合させてい
る。又、このカム板9と、前記後半部15bの前端部外
周面に形成した鍔部35との間には、スラスト玉軸受3
4を設けている。このスラスト玉軸受34は、上記押圧
装置8の作動時に、上記カム板9に作用するスラスト荷
重を支承しつつ、このカム板9と上記後半部15bとの
回転方向に亙る相対変位を許容する。
【0016】上述の様に構成される、図6に示したトロ
イダル型無段変速機の運転時には、入力側回転軸15の
回転に伴って1対の入力側ディスク2、2が同時に回転
し、この回転が1対の出力側ディスク4、4に同時に、
且つ、同一の変速比で伝達され、上述した回転伝達手段
により上記出力側回転軸17に伝達されて取り出され
る。この際、回転力の伝達が、互いに並列な2系統に分
けて行なわれるので、大きな動力(トルク)を伝達自在
となる。又、運転時には上記押圧装置8の働きにより、
上記1対の入力側ディスク2、2同士の間隔が狭められ
る傾向となる。この結果、これら各入力側ディスク2、
2の入力側凹面2a、2a及び上記各出力側ディスク
4、4の出力側凹面4a、4aと、前記各パワーローラ
7、7の周面7a、7aとが強く当接し、動力の伝達が
効率的に行なわれる。
【0017】尚、入力側ディスクと出力側ディスクとを
2組ずつ設け、回転力の伝達を、互いに並列な2系統に
分けて行なうトロイダル型無段変速機としては、この他
にも、例えば特開平1−229157号公報、同2−1
63549号公報、実公平6−37222号公報に記載
されたものが知られている。このうちの特開平2−16
3549号公報に記載された構造は、基本的には図5に
記載したものと同様である。又、特開平1ー22915
7号公報に記載された構造の場合には、各入力側ディス
ク毎に押圧装置を設けている。更に、実公平6−372
22号公報の場合には、押圧装置を付設された一方の入
力側ディスクを、回転軸に対して軸方向並びに回転方向
に亙る変位自在に支持し、他方の入力側ディスクは、上
記回転軸に対して軸方向に亙る変位のみ自在に支持して
いる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する従来のトロイダル型無段変速機は、それぞれ次に
述べる様な解決すべき問題点がある。先ず、図6に示し
た構造及び特開平2−163549号公報に記載された
構造の場合には、高度の加工精度を要求される為、製作
費が嵩む。即ち、安定した動力伝達を行なわせる為に
は、所謂トロイダル曲面に形成された各入力側ディスク
2、2の入力側凹面2a、2aの仮想中心と、入力側回
転軸15の中心とを厳密に一致させる必要がある。とこ
ろが、これら入力側ディスク2、2と入力側回転軸15
とは、それぞれボールスプライン16、16を介して組
み合わされる為、上記両中心同士を厳密に一致させる事
は難しく、相当に高度の加工を施す必要があり、製作費
が嵩む。具体的には、ボールスプライン16、16の存
在により上記両中心がずれない様に、両ボールスプライ
ン16、16を構成する溝部の寸法及び形状を極めて正
確に仕上げる必要がある。
【0019】次に、特開平1ー229157号公報に記
載された構造の様に、各入力側ディスク毎に押圧装置を
設けた構造の場合には、押圧装置を2組設ける分、部品
管理並びに組立作業の煩雑さ増大、重量増大、トロイダ
ル型無段変速機全体の軸方向寸法の増大の原因となる。
更に、実公平6−37222号公報の場合には、押圧装
置の作動時に一方の入力側ディスクと回転軸との回転方
向に亙る位相がずれる。他方の入力側ディスクと回転軸
との回転方向に亙る位相がずれる事はない。この結果、
押圧装置の作動時に1対の入力側ディスクの回転方向に
亙る位相がずれ、各パワーローラの周面と入力側、出力
側両凹面とが滑る等、安定した運転を行なえなくなる。
本発明のトロイダル型無段変速機は、これらの問題を何
れも解消すべく発明したものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のトロイダル型無
段変速機は、前述した従来のトロイダル型無段変速機と
同様に、回転軸と、それぞれの軸方向片面を断面が円弧
形の入力側凹面とし、この入力側凹面同士を互いに対向
させた状態で上記回転軸の軸方向両端部に支持された、
1対の入力側ディスクと、上記回転軸の中間部周囲に、
この回転軸に対する回転並びに軸方向に亙る変位を自在
として支持された円筒状のスリーブと、それぞれの軸方
向片面を断面が円弧形の出力側凹面とし、各出力側凹面
と上記各入力側凹面とを対向させた状態で上記スリーブ
の軸方向両端部に、このスリーブと共に回転自在に支持
された1対の出力側ディスクと、上記回転軸に対し捩れ
の位置にある枢軸を中心として揺動する複数のトラニオ
ンと、周面を回転円弧面状の凸面とし、各トラニオンに
支持された変位軸に回転自在に支持されて、上記各入力
側、出力側両凹面同士の間に挟持された複数のパワーロ
ーラと、上記回転軸以外の部材の回転に伴って上記1対
の入力側ディスクを、これら各入力側ディスクが対向す
る出力側ディスクに向け軸方向に押圧するローディング
カム式の押圧装置とを備える。
【0021】特に、本発明のトロイダル型無段変速機に
於いては、上記押圧装置は、軸方向両側面にそれぞれが
円周方向に亙る凹凸であり互いに等ピッチ(中心角ピッ
チ)の第一、第二の出力側カム面を形成されて上記回転
軸以外の部材により回転駆動されるカム板と、上記1対
の入力側ディスクのうちの一方の入力側ディスクの、上
記入力側凹面に対して軸方向他面に形成された、円周方
向に亙る凹凸であり上記第一、第二の出力側カム面と等
ピッチである第一の入力側カム面と、上記回転軸と同期
して回転する部分の軸方向片面で上記第二の出力側カム
面と対向する部分に形成された、円周方向に亙る凹凸で
あり上記第一、第二の出力側カム面と等ピッチである第
二の入力側カム面と、上記第一の出力側カム面と第一の
入力側カム面との間に転動自在に挟持された複数個の第
一の転動体と、上記第二の出力側カム面と第二の入力側
カム面との間に転動自在に挟持された複数個の第二の転
動体とから構成される。そして、上記一方の入力側ディ
スクは上記回転軸に対して、軸方向並びに回転方向に亙
る変位を自在に支持されており、他方の入力側ディスク
は上記回転軸に、この回転軸により回転方向に駆動され
るべく結合されている。
【0022】
【作用】上述の様に構成される本発明のトロイダル型無
段変速機が、回転軸と共に回転する1対の入力側ディス
クと、それぞれがスリーブの両端部に支持された1対の
出力側ディスクとの間で動力の伝達を行なう際の作用
は、次の通りである。回転軸以外の部材がカム板を回転
させると、第一、第二の転動体が第一、第二の出力側カ
ム面及び第一、第二の入力側カム面に乗り上げる。そし
て、この乗り上げに基づいて、一方の入力側ディスクと
回転軸とを軸方向に亙って互いに逆方向に押圧すると同
時に、上記カム板の回転を上記一方の入力側ディスクと
回転軸とに伝達する。この結果、この回転軸に支持され
た他方の入力側ディスクが、上記一方の入力側ディスク
と同速で同方向に回転する。
【0023】第一、第二の転動体が第一、第二の出力側
カム面及び第一、第二の入力側カム面に乗り上げる際、
上記カム板と上記一方の入力側ディスク及び回転軸との
回転方向に亙る位相が、同方向に同じ角度だけずれる。
従って、1対の入力側ディスクの回転方向に亙る位相は
ずれる事なく互いに一致した状態のままとなる。従っ
て、パワーローラの周面と入力側、出力側両凹面とが滑
る等、トロイダル型無段変速機の運転状態が不安定にな
る事はない。
【0024】又、本発明のトロイダル型無段変速機の場
合には、上記一方の入力側ディスクを回転軸に支持する
部分に、ボールスプラインの様な加工が面倒な形状部分
が存在しない。従って、製作費の低廉化に寄与できる。
尚、入力側ディスクと出力側ディスクとの間で回転速度
比を変える際の作用は、前述した従来のトロイダル型無
段変速機の場合とほぼ同様である。
【0025】
【実施例】図1は本発明の第一実施例を示している。
尚、本発明の特徴は、1対の入力側ディスク2、2同士
の間に回転方向に亙る位相差を発生させる事なく、これ
ら両入力側ディスク2、2を対向する出力側ディスク
4、4に向け押圧しつつ、これら両入力側ディスク2、
2を回転駆動する、押圧装置8a部分にある。その他の
部分の構造及び作用に就いては、例えば図6に示した様
な、従来から知られたトロイダル型無段変速機の場合と
同様である。従って、同様部分に関しては重複する図示
並びに説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特
徴部分を中心に説明する。
【0026】押圧装置8aを構成するカム板36は回転
軸37の一端部(図1の左端部)周囲に、ニードル軸受
38により、回転並びに軸方向(図1の左右方向)に亙
る変位自在に支持されている。このカム板36は、上記
回転軸37と同心に配置された駆動軸39の回転に伴っ
て回転駆動される。この為に、例えば上記カム板36の
外周縁部に形成した歯車状の凹凸と上記駆動軸39に固
設した腕部40の先端部とを凹凸係合させている。
【0027】上記カム板36の軸方向両側面(図1の左
右両面)外周側半部には、第一、第二の出力側カム面4
1、42を形成している。これら両出力側カム面41、
42は、それぞれが円周方向に亙る凹凸として、互いに
等ピッチで形成されている。又、凹凸を構成する傾斜面
の傾斜角度も互いに等しい。尚、図示の実施例では、上
記両出力側カム面41、42を、互いに同位相で形成し
ている。但し、これら両出力側カム面41、42の凹凸
のピッチ及び傾斜角度が等しければ、位相に就いては、
(後述する理由により一致させる事が好ましいが)必ず
しも一致させる必要はない。
【0028】一方、上記回転軸37の両端部に支持され
た1対の入力側ディスク2、2のうち、上記カム板36
と対向する一方(図1の左方)の入力側ディスク2は、
ニードル軸受43により上記回転軸37に対して、回転
方向及び軸方向に亙る変位自在に支持している。これに
対して、他方(図1の右方)の入力側ディスク2は、前
述の図6に示した従来構造と同様に、ボールスプライン
16により上記回転軸37に、軸方向に亙る変位のみ自
在に支持している。
【0029】上記一方の入力側ディスク2の背面(軸方
向他面)外周側半部には、第一の入力側カム面44を形
成し、この第一の入力側カム面44と上記第一の出力側
カム面41とを互いに対向させている。この第一の入力
側カム面44は、円周方向に亙る凹凸であり、この凹凸
のピッチは、上記第一、第二の出力側カム面41、42
と等しい。又、上記回転軸37の一端で上記カム板36
の片面(図1の左側面)から突出した部分には、外向フ
ランジ状の鍔部45を、この回転軸37と一体に形成し
ている。そして、この鍔部45の片面(図1の右側面)
外周寄り部分に、第二の入力側カム面46を形成し、こ
の第二の入力側カム面46と上記第二の出力側カム面4
2とを互いに対向させている。この第二の入力側カム面
46も、上述した各カム面41、42、44と同様に円
周方向に亙る凹凸であり、凹凸のピッチをこれら各カム
面41、42、44と等しくしている。又、第一、第二
の入力側カム面44、46を構成する凹凸の傾斜角度は
互いに等しい。尚、各出力側カム面41、42を構成す
る凹凸の傾斜角度と各入力側カム面44、46を構成す
る凹凸の傾斜角度とは互いに等しい。
【0030】上述の様に形成された各カム面41、4
2、44、46のうち、第一の出力側カム面41と第一
の入力側カム面44との間には、第一の転動体である複
数のローラ11、11を、転動自在に挟持している。こ
れら各ローラ11、11は、保持器10に、放射方向の
中心軸を中心とする転動自在に保持されている。又、第
二の出力側カム面42と第二の入力側カム面46との間
には、第二の転動体である複数のローラ11、11を挟
持し、やはり保持器10により転動自在に保持してい
る。
【0031】上述の様に構成される本発明のトロイダル
型無段変速機の使用時には、駆動軸39の回転を第一の
歯車22に伝達する。即ち、回転軸以外の部材である、
上記駆動軸39に固定した腕部40がカム板36を回転
させると、第一、第二の転動体である、それぞれ複数個
ずつのローラ11、11が、第一、第二の出力側カム面
41、42及び第一、第二の入力側カム面44、46に
乗り上げる。そして、この乗り上げに基づいて、一方の
入力側ディスク2と回転軸37の端部に固設した鍔部4
5との距離を開く。そして、上記一方の入力側ディスク
2を図1の右方に押圧すると共に、上記回転軸37を図
1の左方に押圧する。同時に、上記各ローラ11、11
と各カム面41、42、44、46との押し付け合いに
基づいて、上記カム板36の回転を上記一方の入力側デ
ィスク2と回転軸37とに伝達する。この結果、この回
転軸37に支持された他方の入力側ディスク2が、上記
一方の入力側ディスク2と同速で同方向に回転する。
【0032】前述した様に、上記各カム面41、42、
44、46を構成する凹凸のピッチは総て同じであり、
各凹凸の傾斜角度も前述の様に規制している。従って、
上記複数個のローラ11、11が第一、第二の出力側カ
ム面41、42及び第一、第二の入力側カム面44、4
6に乗り上げる際、上記カム板36と上記一方の入力側
ディスク2及び回転軸37との回転方向に亙る位相が、
同方向に同じ角度だけずれる。この為、1対の入力側デ
ィスク2、2の回転方向に亙る位相はずれる事なく互い
に一致した状態のままとなる。この結果、各パワーロー
ラ7、7の周面7a、7aと入力側、出力側両凹面2
a、4aとが滑る等、トロイダル型無段変速機の運転状
態が不安定になる事はない。
【0033】又、本発明のトロイダル型無段変速機の場
合には、上記一方の入力側ディスク2は回転軸37に、
ニードル軸受43を介して、回転方向及び軸方向に亙る
変位自在に支持されている。従って、この一方の入力側
ディスク2を回転軸37に支持する部分に、ボールスプ
ライン16の様な加工が面倒な形状部分が存在しない。
この結果、製作費の低廉化に寄与できる。更に、図示の
実施例の場合には、トロイダル型無段変速機の運転時に
上記複数のローラ11、11が、カム板36を軸方向両
側面から押圧する様にしている。従って、このカム板3
6の板厚を特に大きくしなくても、このカム板36の剛
性を十分に確保できる。この結果、カム板36の厚さ寸
法を小さくする分、トロイダル型無段変速機全体の小型
軽量化に寄与できる。尚、カム板36の薄肉化をより図
る為には、第一、第二の出力側カム面41、42の円周
方向に亙る位相を一致させる事が好ましい。これは、上
記複数のローラ11、11が、上記カム板36を押圧す
る位置を、軸方向両側面で互いに一致させる為である。
【0034】次に、図2は本発明の第二実施例を示して
いる。本実施例の場合には、カム板36aの直径方向中
間部に折れ曲がり部47を形成する事により、この折れ
曲がり部47の断面形状をクランク形にしている。そし
て、第一の出力側カム面41をこの折れ曲がり部47よ
りも外周側に形成し、第二の出力側カム面42をこの折
れ曲がり部47よりも内周側に形成している。従って本
実施例の場合には、カム板36aを極度に薄肉化する事
は難しい反面、複数のローラ11、11をカム板36a
の直径方向に亙って重畳した状態で配置できる。この結
果、押圧装置8a全体としての軸方向寸法を小さくし
て、トロイダル型無段変速機全体としての小型軽量化に
寄与できる。その他の構成及び作用は、上述した第一実
施例と同様である。
【0035】次に、図3は本発明の第三実施例を示して
いる。本実施例の場合には、他方(図3の右方)の入力
側ディスク2を回転軸37に対して、回転及び軸方向に
亙る変位を不能にした状態で支持している。従って、こ
れら入力側ディスク2と回転軸37との間に、加工が面
倒なボールスプライン用の溝を形成する必要がなくな
る。即ち、上記他方の入力側ディスク2の内周面と回転
軸37の他端部(図3の右端部)外周面とはスプライン
係合しているが、単なるスプライン係合用の溝は、ボー
ルスプライン用の溝に比べて製作が容易で、厳密な加工
精度を要求されるにしても、加工費が安くて済む。
【0036】これに合わせて、予圧付与の為の皿ばね3
0、30を、押圧装置8aの側に設けている。即ち、上
記回転軸37の一端部(図3の左端部)外周面にはスリ
ーブ48を、ボールスプライン16を介して、軸方向に
亙る変位のみ自在に支持している。第二の入力側カム面
46は、このスリーブ48の片面に形成している。又、
上記皿ばね30は、このスリーブ48の他面と回転軸3
7の一端に形成した鍔部45との間に設けている。上記
スリーブ48の中心と回転軸37の中心とは、入力側デ
ィスク2の中心と回転軸37の中心とを一致させる程厳
密に一致させる必要はない。従って、上記スリーブ48
と回転軸37との間にボールスプライン16を設ける為
に要する加工費は、入力側ディスク2と回転軸37との
間にボールスプライン16を設ける場合に要する加工費
に比べれば安く済む。その他の構成及び作用は、上述し
た第二実施例と同様である。
【0037】
【発明の効果】本発明のトロイダル型無段変速機は以上
に述べた通り構成され作用する為、安定した運転を行な
え、しかも小形軽量な構造を安価に得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す部分断面図。
【図2】同第二実施例を示す部分断面図。
【図3】同第三実施例を示す部分断面図。
【図4】トロイダル型無段変速機の基本構造を、最大減
速時の状態で示す側面図。
【図5】同じく最大増速時の状態で示す側面図。
【図6】従来から知られているトロイダル型無段変速機
の具体的構造の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力側ディスク 2a 入力側凹面 3 出力軸 4 出力側ディスク 4a 出力側凹面 5 トラニオン 6 変位軸 7 パワーローラ 7a 周面 8、8a 押圧装置 9 カム板 10 保持器 11 ローラ 12 第一のカム面 13 第二のカム面 14 ハウジング 15 入力側回転軸 15a 前半部 15b 後半部 16 ボールスプライン 17 出力側回転軸 18 隔壁 19 通孔 20 凹部 21 スリーブ 22 第一の歯車 23 伝達軸 24 第二の歯車 25 第三の歯車 26 第四の歯車 27 転がり軸受 28 ローディングナット 29 座板 30 皿ばね 31 スラストニードル軸受 32 ころ軸受 33a、33b 係合部 34 スラスト玉軸受 35 鍔部 36、36a カム板 37 回転軸 38 ニードル軸受 39 駆動軸 40 腕部 41 第一の出力側カム面 42 第二の出力側カム面 43 ニードル軸受 44 第一の入力側カム面 45 鍔部 46 第二の入力側カム面 47 折れ曲がり部 48 スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 尚 神奈川県藤沢市桐原町12番地 日本精工株 式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、それぞれの軸方向片面を断面
    が円弧形の入力側凹面とし、この入力側凹面同士を互い
    に対向させた状態で上記回転軸の軸方向両端部に支持さ
    れた、1対の入力側ディスクと、上記回転軸の中間部周
    囲に、この回転軸に対する回転並びに軸方向に亙る変位
    を自在として支持された円筒状のスリーブと、それぞれ
    の軸方向片面を断面が円弧形の出力側凹面とし、各出力
    側凹面と上記各入力側凹面とを対向させた状態で上記ス
    リーブの軸方向両端部に、このスリーブと共に回転自在
    に支持された1対の出力側ディスクと、上記回転軸に対
    し捩れの位置にある枢軸を中心として揺動する複数のト
    ラニオンと、周面を回転円弧面状の凸面とし、各トラニ
    オンに支持された変位軸に回転自在に支持されて、上記
    各入力側、出力側両凹面同士の間に挟持された複数のパ
    ワーローラと、上記回転軸以外の部材の回転に伴って上
    記1対の入力側ディスクを、これら各入力側ディスクが
    対向する出力側ディスクに向け軸方向に押圧するローデ
    ィングカム式の押圧装置とを備えたトロイダル型無段変
    速機に於いて、上記押圧装置は、軸方向両側面にそれぞ
    れが円周方向に亙る凹凸であり互いに等ピッチの第一、
    第二の出力側カム面を形成されて上記回転軸以外の部材
    により回転駆動されるカム板と、上記1対の入力側ディ
    スクのうちの一方の入力側ディスクの、上記入力側凹面
    に対して軸方向他面に形成された、円周方向に亙る凹凸
    であり上記第一、第二の出力側カム面と等ピッチである
    第一の入力側カム面と、上記回転軸と同期して回転する
    部分の軸方向片面で上記第二の出力側カム面と対向する
    部分に形成された、円周方向に亙る凹凸であり上記第
    一、第二の出力側カム面と等ピッチである第二の入力側
    カム面と、上記第一の出力側カム面と第一の入力側カム
    面との間に転動自在に挟持された複数個の第一の転動体
    と、上記第二の出力側カム面と第二の入力側カム面との
    間に転動自在に挟持された複数個の第二の転動体とから
    成り、上記一方の入力側ディスクは上記回転軸に対し
    て、軸方向並びに回転方向に亙る変位を自在に支持され
    ており、他方の入力側ディスクは上記回転軸に、この回
    転軸により回転方向に駆動されるべく結合されている事
    を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006308034A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Nsk Ltd トロイダル型無段変速機
DE102019129916A1 (de) * 2019-11-06 2021-05-06 Nsk Ltd. Traktionsgetriebe

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