JPH10267049A - ドグクラッチ - Google Patents

ドグクラッチ

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Publication number
JPH10267049A
JPH10267049A JP8723197A JP8723197A JPH10267049A JP H10267049 A JPH10267049 A JP H10267049A JP 8723197 A JP8723197 A JP 8723197A JP 8723197 A JP8723197 A JP 8723197A JP H10267049 A JPH10267049 A JP H10267049A
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JP
Japan
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input
output
disk
dog clutch
toroidal
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JP8723197A
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Inventor
Atsushi Yamazaki
淳 山崎
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドグクラッチの噛み合う爪部の接触面に転が
り作用をもたせることにより、入力部材と出力部材とが
互いに傾いても、入力部材と出力部材との軸方向の変位
が拘束されるのを防止する。 【解決手段】 入力部材51のフランジ部52と出力部
材71のフランジ部72とが対向して設けられており、
フランジ部52,72の周方向に隔置して形成された複
数の爪部53,73が、互いに噛み合っている。爪部5
3の爪部73に対向する接触面は凸曲面55に形成され
ているので、入力部材51と出力部材71との軸線が傾
いても、爪部53の凸曲面55は、爪部73の接触面で
ある平面75上を転がることによって、傾きを吸収する
ことができる。したがって、入力部材51と出力部材7
1との相対的な軸方向変位をスムースにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、対向する端部の
周方向に隔置して設けられた突起の噛み合いによって入
力部材から出力部材へ動力の伝達を行うドグクラッチに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、周方向に隔置して設けられた突起
の噛合いによって入力部材の回転を出力部材に伝達する
クラッチとしてドグクラッチが知られている。かかるド
グクラッチは、種々の機械の動力伝達機構に用いられて
いるが、その一例として、トロイダル型無段変速機を挙
げることができる。トロイダル型無段変速機の入力部に
は、軸方向変位を吸収する機構を必要としており、ドグ
クラッチは、この軸方向変位を吸収するクラッチとして
適合している。
【0003】トロイダル型無段変速機の概略を模式図で
ある図4に基づいて説明する。図4に示されたトロイダ
ル型無段変速機は、二組のトロイダル変速部1,2を同
一軸上に並列して配置したダブルキャビティ式トロイダ
ル型無段変速機である。トロイダル型無段変速機のトロ
イダル変速部1は、トルクコンバータ40等を介してエ
ンジンの出力軸に出力されるトルクが入力される入力軸
13、入力軸13によって駆動される入力ディスク4、
入力ディスク4に対向して配置され且つトロイダル変速
部1,2の出力軸22に連結された出力ディスク5、及
び入力ディスク4と出力ディスク5との間に配置され且
つ両ディスク4,5のトロイド曲面に摩擦係合する一対
のパワーローラ6を備えている。トロイダル変速部2
は、トロイダル変速部1と同様に、入力軸13により駆
動される入力ディスク7、入力ディスク7に対向して配
置され且つ出力軸22に連結された出力ディスク8、及
び両ディスクに摩擦接触する一対のパワーローラ9を備
えている。
【0004】出力軸22の回転は、例えば出力軸22に
固定されたスプロケット23からチェーン伝動装置43
を介してカウンタ軸45上のスプロケット44に伝達さ
れ、前進クラッチ46及び減速歯車48を介して、更に
先に配置される駆動機構(図示せず)への変速機出力軸
49に出力される。また、入力軸13の回転は、後進ク
ラッチ付き遊星歯車機構47を介して減速歯車48から
変速機出力軸49に逆転伝達することもできる。変速機
出力軸49への出力は、カウンタ軸45を通じての前進
回転と遊星歯車機構47を通じての後進回転とが選択可
能である。
【0005】図5は、図4に示したトロイダル型無段変
速機の詳細断面図である。このトロイダル型無段変速機
においては、パワーローラ6,9は、それぞれ自己の回
転軸線10の周りに回転自在であり、且つ回転軸線10
に直交する傾転軸11の周りに傾転運動をする。パワー
ローラ6,9の傾転角度を一斉に同じように変えること
によって、入力ディスク4,7の回転を無段階に変速し
て出力ディスク5,8に伝達することができる。
【0006】トロイダル変速部1において、入力ディス
ク4は、ボールスプライン12を介して主軸3の一端に
取り付けられており、主軸3の軸方向に移動可能で且つ
主軸3と一体回転可能である。エンジンからのトルク
は、主軸3と同一軸線上に配置されている入力軸13に
入力される。入力軸13の先端部14は、主軸3の一端
に形成された中心孔15に対して、例えば軸受により相
対回転可能に嵌合し支持されている。また、入力軸13
の先端に形成された入力フランジ部16には爪部17が
設けられ、入力フランジ部16と対向して配置されたロ
ーディングカム18には爪部19が設けられており、互
いに噛み合った両爪部17,19を介して入力軸13か
らローディングカム18へトルクが伝達される。
【0007】トロイダル変速部2の入力ディスク7は、
ボールスプライン28を介して主軸3の他端側に取り付
けられている。入力ディスク4,7は、ボールスプライ
ン12,28を介して主軸3にそれぞれ連結されている
ので、主軸3のスラスト方向に摺動自在で且つ主軸3と
一体回転することができる。入力軸13からの動力は、
一部がローディングカム18を経て入力ディスク4へ伝
達され、残りが入力ディスク4と一体回転する主軸3を
介して入力ディスク7へ伝達される。このとき、ローデ
ィングカム18から入力ディスク4へ動力が伝達される
際にカムローラ36の作用により伝達トルクに見合った
スラストが発生する。スラストは、トロイダル変速部1
の入力ディスク4、パワーローラ6及び出力ディスク5
に伝わり、これら回転要素間に摩擦係合力を作用させ
る。また、カムローラ36の反作用として、主軸3を介
してトロイダル変速部2の入力ディスク7、パワーロー
ラ9及び出力ディスク8に伝わり、これら回転要素間に
摩擦係合力を作用させる。
【0008】出力ディスク5,8は、一体回転できるよ
うに背面同士を出力軸22の両側に設けた筒状部22A
にスプライン嵌合等で連結されている。出力軸22は主
軸3に嵌合された中空軸であって、該中空軸の中間部に
スプロケット23が一体的に形成されている。出力ディ
スク5,8は、出力軸22を介してスラスト方向及びラ
ジアル方向の荷重を支持するボールベアリング24でケ
ーシング25の壁26に支持されている。従って、出力
ディスク5,8は、両出力ディスクの背面がケーシング
25によって軸方向に規制されている。
【0009】主軸3の他端はケーシング25に軸受27
を介して回転自在に支持されている。入力ディスク7の
背面側には皿ばね29が設けられており、皿ばね29は
スペーサ30を介在させてナット31を締め込むことに
よって圧縮状態で取付けられている。皿ばね29の反発
力は、一方では、トロイダル変速部2において、入力デ
ィスク7をパワーローラ9を介して出力ディスク8に押
し付けており、また、他方では、主軸3を図5上で右方
へ付勢して、フランジ部20と軸受21とを介してロー
ディングカム18に作用し、トロイダル変速部1におい
て、入力ディスク4をパワーローラ6を介して出力ディ
スク5に押し付けている。
【0010】主軸3は軸方向に延びる油路32を有し、
油路32は潤滑油の通路を構成している。油路32は、
分岐して各トロイダル変速部1,2のトロイド曲面、ボ
ールスプライン12、ボールベアリング24等に潤滑油
を供給している。
【0011】各トロイダル変速部1,2において、パワ
ーローラ6,9は傾転軸11の周りに傾転可能であり、
入力ディスク4,7の回転はそれぞれパワーローラ6,
9の傾転角の大きさに応じて出力ディスク5,8に無段
階に変速されて伝達される。パワーローラ6,9は、そ
れぞれ回転支軸34,38によってトラニオン33,3
7に回転自在に支持されている。トラニオン33,37
は傾転軸11を有し、ケーシング25に対して、傾転軸
11の軸方向に移動し且つ傾転軸11を中心として回動
できる。パワーローラ6,9が傾転すると、パワーロー
ラ6,9の傾転角変位量はそのままトラニオン33,3
7の傾転軸11を中心とした回動変位となる。即ち、図
示しないアクチュエータによってトラニオン33,37
を傾転軸11の軸方向に沿って変位させると、その変位
方向と変位量に応じてパワーローラは両ディスクから傾
転力を受けて傾転する。
【0012】トロイダル変速部1,2においては、入出
力軸間の回転力伝達に伴ってローディングカム18が発
生させるスラスト(主軸3の軸方向力)によって、入力
ディスク4,7と出力ディスク5,8とはパワーローラ
6,9に対して強く押し付けられ、両ディスク4,5,
7,8とパワーローラ6,9との間に挟まれたオイルの
剪断力に基づいて、動力伝達が行われる。
【0013】入力ディスク4,7及び出力ディスク5,
8は、スラストにより、主軸3の軸方向に弾性変形を生
じる。トロイダル変速部1,2の軸方向の位置の基準
は、出力ディスク5,8がボールベアリング24によっ
て支持されるケーシング25によって定まるので、この
変形に基づいて、パワーローラ6,9は主軸3の軸方向
に変位する。しかしながら、パワーローラ6,9を回転
自在に支持する回転支軸34,38は、トラニオン3
3,37に回動自在に支持された揺動支軸35,39
(回転支軸34,38とは、図5の紙面垂直方向での位
置が異なる)に対して偏心した偏心軸としたので、上記
パワーローラ6,9の主軸3の軸方向への変位は、パワ
ーローラ6,9がトラニオン33,37に対する揺動支
軸35,39周りにする首振り運動によって吸収され
る。出力ディスク5,8のスラスト方向位置がケーシン
グ25に対して決定されると、パワーローラ6,9の位
置が決まり、更に両入力ディスク4,7のスラスト方向
位置が決まる。
【0014】トロイダル型無段変速機では、変速機に入
力されるトルクに応じた所定の押し付け力をトロイダル
変速部に生じさせるため、上記のように、ローディング
カム18を用いている。ローディングカム18において
は、その機構上、入力されるトルクに応じた所定の押し
付け力を生じさせている状態では、軸方向変位が生じて
いる。即ち、入力トルクが大きくなると、ローディング
カム18は、入力ディスク4に対して周方向の相対的な
位相がずれて、入力ディスク4をパワーローラ6に向か
って強く押し付け、その反作用力によって入力ディスク
4から離れるように軸方向に変位し、ローディングカム
18は入力軸13の入力フランジ部16に接近するよう
に変位する。この変位によって、主軸3は、軸受21を
介して図5上で左側に変位し、トロイダル変速部2の入
力ディスク7をパワーローラ9に向かって強く押し付け
る。両ディスク4,7はパワーローラ6,9に押し付け
られ、トロイダル変速部1,2間での入力トルクの分配
が図られる。
【0015】ローディングカム18の入力軸13に対す
るこの軸方向変位を吸収するため、ローディングカム1
8の爪部19は、入力フランジ部16の爪部17と噛み
合いつつ、軸方向への相対変位を吸収できるように構成
されている。このように、トロイダル型無段変速機にお
いて、ローディングカム18と入力軸13の入力フラン
ジ部16との間に爪部17,19を備えたドグクラッチ
が適用されている。
【0016】ドグクラッチは、一般的には、図6に示さ
れているような構造を有している。図6に示されたドグ
クラッチ60は、入力部材61と出力部材71とが同軸
上に配設されており、入力部材61の端部であるフラン
ジ部62と出力部材71の端部であるフランジ部72と
が互いに対向して配置されている。フランジ部62の端
面の最も外側部には、複数の爪部63が周方向に隔置し
てリング状に形成されている。同様に、フランジ部72
の端面にも、複数の爪部73が周方向に隔置してリング
状に形成されている。爪部63,63間、及び爪部7
3,73間には、それぞれ溝部64,溝部74が形成さ
れている。爪部63及び爪部73は、軸方向から見て角
形又は略扇形を有し、互いに噛み合っている。爪部6
3,73の周方向の幅は同じ幅に形成するのが、応力及
び製作上の観点から好ましい。その場合には、爪部6
3,73と溝部64,74とは同じ周方向幅を有する。
【0017】図6に示したドグクラッチ60において、
入力部材61の爪部63,溝部64と、出力部材71の
爪部73,溝部74との噛合いの様子が、部分的に図7
に示されている。ドグクラッチ60が噛み合った状態で
は、爪部63と爪部73は、互いに相手側の溝部64,
74にほぼ隙間無く嵌合している。爪部63が爪部73
に対向する側面と、爪部73が爪部63に対向する側面
とは、共に平面に形成されていて、互いに接触する接触
面65,75を構成している。ドグクラッチ60は、入
力部材61と出力部材71との相対的な軸方向変位を吸
収するため、爪部63,爪部73との噛み合い深さWが
変更可能であることが求められる。
【0018】第1無段変速機構と第2無段変速機構とを
同軸上に配置した摩擦車式無段変速機において、入力用
歯車を軸方向及び径方向に玉軸受を介してケーシングに
支持すると共に、入力用歯車に隣接してローディングカ
ムのカムフランジを配置し、入力用歯車とカムフランジ
とを径方向に山部と谷部とが交互に形成された噛み合い
歯により互いに噛み合わせて回転伝達機構を構成し、ロ
ーディングカムに回転力のみを伝達して無段変速機構の
軸方向の移動を防止したもの(特開平5−26322号
公報参照)がある。
【0019】また、ドグクラッチにおいて、クラッチ片
を異なる傾斜角で各々斜設形成した第1テーパ部と第2
テーパ部により構成したもの(実開平4−87575号
公報参照)が知られている。このドグクラッチによれ
ば、クラッチ片を嵌入するサイドクラッチギアのクラッ
チ歯合面に、第1テーパ部に合致する嵌入壁と、傾斜角
βで面取りされた調整壁とからなる嵌入凹部を刻設し
て、サイドクラッチギアに嵌合するクラッチ片の噛合嵌
合状態を調整可能としたものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来のドグクラッチで
は、爪部63,73が、互いに平行な接触面65,75
で接触して噛み合っているため、図8に示すように、入
力部材61と出力部材71間に僅かな傾きδが生じる
と、爪部63,73が競い合って、爪部63,73のエ
ッジ69,79が接触面65,75に対してこじりを生
じる。このようなこじり現象が生じると、ドグクラッチ
60の入力部材61と出力部材71とは、両者間の相対
的な軸方向移動に対して大きな抵抗力が発生し、スムー
スな軸方向変位ができない。また、上記特開平5−26
322号公報に記載のものは、軸受との組み合わせで軸
方向力の作用を無くしたものであり、実開平4−875
75号公報記載のものと同様、基本的に噛合い部分に軸
方向力が発生するものである。
【0021】トロイダル型無段変速機において入力軸1
3とローディングカム18との間に設けられるドグクラ
ッチの場合、上記のようなこじり現象が生じると、各ト
ロイダル変速部1,2における入力ディスク4,7、出
力ディスク5,8、及びパワーローラ6,9の各回転す
る摩擦要素の間に働く押し付け力を入力トルクの大きさ
に応じて変えることができなくなり、特に、図5に示す
ようなダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機で
は、各トロイダル変速部1,2における押し付け力に不
均等が生じ、トロイド曲面に損傷や滑り等が発生するお
それがある。
【0022】従来のドグクラッチには、以上のような不
都合が存在しており、それゆえ、ドグクラッチにおいて
は、入力部材と出力部材との間に僅かな傾きが生じて
も、互いに噛み合う爪部のスムースな軸方向移動を妨げ
られないようにすることについて解決すべき課題があ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
問題を解決し、入力部材と出力部材の互いに噛み合う爪
部の接触面の形状を工夫することにより、入力部材と出
力部材のスムースな軸方向移動を確保することを可能に
するドグクラッチを提供することである。
【0024】この発明は、周方向に隔置してリング状に
形成された複数の爪部を備えた端部を有する入力部材、
及び前記端部と対向する端部に周方向に隔置してリング
状に形成され且つ前記爪部と噛み合う複数の爪部を備え
た出力部材を具備し、前記入力部材の前記爪部と前記出
力部材の前記爪部とが対向する接触面の少なくとも一方
は凸曲面に形成されていることから成るドグクラッチに
関する。
【0025】この発明によるドグクラッチは、上記のよ
うに構成されているので、次のように作動する。即ち、
この発明によるドグクラッチは、入力部材と出力部材と
の間に傾きが生じても、互いの爪部の噛み合い状態で対
向する接触面の少なくとも一方は凸曲面であり、この凸
曲面は、他方の爪部の接触面に対して転動して上記傾き
を吸収する。したがって、両接触面には過大な摩擦力は
発生しない。
【0026】また、このドグクラッチは、エンジンの出
力軸とエンジンからのトルクが入力されるトロイダル型
無段変速機の入力部との間に適用することができる。ド
グクラッチをこのように適用した場合には、エンジンの
出力軸とトロイダル型無段変速機の入力部との間に傾斜
が生じても、凸曲面が他の接触面に対して転動するため
に、接触面間に過大な摩擦力は発生せず、爪部はスムー
スに軸方向に変位して、トロイダル型無段変速機のトロ
イダル面での損傷や滑り等が発生せず、摩擦接触状態が
正常に維持される。
【0027】前記トロイダル型無段変速機は、入力軸に
より駆動される入力ディスク、入力ディスクに対向して
配置され且つ出力部材に連結された出力ディスク、入力
ディスクと出力ディスクとの間にそれぞれ配置され且つ
両ディスクに対する傾転角度に応じて入力ディスクの回
転を無段階に変速して出力ディスクに伝達する一対のパ
ワーローラ、各パワーローラを回転自在に支持し且つ傾
転軸方向に変位可能な一対のトラニオン、及び入力トル
クに応じて入力ディスクをパワーローラに対して押し付
けるため入力軸と入力ディスクとの間に設けられている
ローディングカムを具備し、ローディングカムが前記入
力部を構成していることから成っている。したがって、
この発明によるドグクラッチは、エンジンの出力部材と
ローディングカムとの間に適用されることになる。トロ
イダル型無段変速機においては、既に説明したように、
伝達トルクに応じてローディングカムのカム作用によっ
て入力軸とローディングカムとが相対的に軸方向に変位
しようとするが、この発明によるドグクラッチが、かか
る軸方向の相対変位を吸収すると共に、入力軸とローデ
ィングカムとの間で軸線の傾斜が生じても、その相対変
位を妨げることはない。したがって、入力ディスク、出
力ディスク及びパワーローラの各摩擦接触面の損傷等の
不具合を未然に回避することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明によるドグクラッ
チの一実施例を、図1〜図3の記載を参照して説明す
る。図1はこの発明によるドグクラッチの分解斜視図、
図2は図1のドグクラッチの入力部材と出力部材とのそ
れぞれの爪部の噛み合い状態を示す部分図、図3は入力
部材と出力部材とが傾斜した状態での爪部の噛み合い状
態を示す部分図である。
【0029】ドグクラッチ50は、入力部材51と出力
部材71とを備えている。入力部材51のフランジ部5
2の端面には、複数の爪部53が周方向に隔置してリン
グ状に突出して形成されており、爪部53の間は溝部5
4となっている。入力部材51に対向する出力部材71
は、図6で示した出力部材と同じ構造を有している。接
触面75,75は、互いに且つドグクラッチ50の回転
軸線に平行である。ドグクラッチ50においては、爪部
53が爪部73と対向することとなる接触面が凸曲面5
5に形成されている。図2には、入力部材51と出力部
材71とが正しく噛み合っている状態が示されている。
なお、凸曲面55は、凸球面とするのが好ましいが、任
意の方向に転動できるようなものであれば、球面に限ら
ない。
【0030】このドグクラッチ50は、上記のように構
成されているので、入力部材51と出力部材71との間
に傾きが生じても、爪部53の凸曲面55が、爪部73
の接触面である平面状の接触面75上を殆ど抵抗無く転
動するので、上記傾きを吸収し、軸方向変位に対する摩
擦抵抗を過大にすることがない。上記例では、入力部材
51の爪部53の接触面が凸曲面55であるとし、出力
部材71の爪部73の接触面75を平面として説明した
が、凸曲面は少なくとも一方に形成されれば充分である
ので、出力部材71の爪部73の接触面75を凸曲面と
してもよい。また、入力部材51の爪部53の凸曲面5
5に加えて、出力部材71の爪部73の接触面75も凸
曲面としてよい。
【0031】また、このドグクラッチは、エンジンの出
力軸とエンジンからのトルクが入力されるトロイダル型
無段変速機の入力部との間に適用することができる。ト
ロイダル型無段変速機は、図4及び図5に基づいて説明
した変速機とすることができる。このように適用した場
合には、ドグクラッチの入力部材は、エンジンの出力
軸、即ち、トロイダル型無段変速機の入力軸13とな
り、出力部材は、トロイダル型無段変速機の入力部、即
ち、ローディングカム18となる。エンジンの出力軸と
トロイダル型無段変速機のローディングカム18との間
の爪部17,19を含むドグクラッチに傾きが生じて
も、凸曲面55が爪部73の平面状の接触面75上を転
動し、図8に示す従来のドグクラッチで生じていたよう
なエッジ69,79でのこじりの発生が防止される。伝
達トルクに応じてローディングカム18のカム作用によ
って入力軸13とローディングカム18とが相対的に軸
方向に変位しようとするときに、過大な摩擦抵抗が生じ
ることがなく、ドグクラッチ50が、かかる軸方向の相
対変位を吸収すると共に、トロイド曲面での摩擦の異常
を防止することができ、エンジンの出力トルクがスムー
スにトロイダル型無段変速機に伝達される。なお、この
ドグクラッチ50は、入力部材51と出力部材71とを
互いに接離して、動力の伝達のオン・オフを行う本来の
クラッチとして用いることもできる。
【0032】
【発明の効果】この発明によるドグクラッチは、上記の
ように構成されているので、入力部材と出力部材との間
に傾きが生じても、互いの爪部が対向する接触面の少な
くとも一方の凸曲面の転がり作用によって上記傾きを吸
収することができる。したがって、従来のドグクラッチ
のように、互いに噛み合う爪部の接触面間で競合してこ
じりを生じ、こじりに基づく過大な摩擦抵抗力のために
入力部材と出力部材とが軸方向に変位することができな
くなるという事態を回避することができる。また、トロ
イダル型無段変速機に適用した場合には、入力ディス
ク、出力ディスク及びパワーローラの各摩擦部材の摩擦
係合力を入力トルクに応じて与えることが可能となり、
トロイド曲面の損傷やすべりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるドグクラッチの一実施例の分解
斜視図である。
【図2】図1に示すドグクラッチの噛合い状態を示す部
分図である。
【図3】図1に示すドグクラッチの入力部材と出力部材
とが互いに傾斜した状態を示す部分図である。
【図4】従来のトロイダル型無段変速機の一例を示す断
面図である。
【図5】図4に示した従来のトロイダル型無段変速機の
一例の詳細断面図である。
【図6】従来のドグクラッチの一例の分解斜視図であ
る。
【図7】図6に示したドグクラッチの噛合い状態を示す
部分図である。
【図8】図6に示したドグクラッチの入力部材と出力部
材とが互いに傾斜した状態を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
1,2 トロイダル変速部 4,7 入力ディスク 5,8 出力ディスク 6,9 パワーローラ 11 傾転軸 13 入力軸 18 ローディングカム 22 出力軸 25 ケーシング 33,37 トラニオン 50 ドグクラッチ 51 入力部材 71 出力部材 52,72 フランジ部(端部) 53,73 爪部 54,74 溝部 55 接触面(凸曲面) 69,79 エッジ 75 接触面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に隔置してリング状に形成された
    複数の爪部を備えた端部を有する入力部材、及び前記端
    部と対向する端部に周方向に隔置してリング状に形成さ
    れ且つ前記爪部と噛み合う複数の爪部を備えた出力部材
    を具備し、前記入力部材の前記爪部と前記出力部材の前
    記爪部とが対向する接触面の少なくとも一方は凸曲面に
    形成されていることから成るドグクラッチ。
  2. 【請求項2】 エンジンの出力軸と前記エンジンからの
    トルクが入力されるトロイダル型無段変速機の入力部と
    の間に適用することができる請求項1に記載のドグクラ
    ッチ。
  3. 【請求項3】 前記トロイダル型無段変速機は、入力軸
    により駆動される入力ディスク、前記入力ディスクに対
    向して配置され且つ出力軸に連結された出力ディスク、
    前記入力ディスクと前記出力ディスクとの間にそれぞれ
    配置され且つ前記両ディスクに対する傾転角度に応じて
    前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力デ
    ィスクに伝達する一対のパワーローラ、前記各パワーロ
    ーラを回転自在に支持し且つ傾転軸方向に変位可能な一
    対のトラニオン、及び入力トルクに応じて前記入力ディ
    スクを前記パワーローラに対して押し付けるため前記入
    力軸と前記入力ディスクとの間に設けられているローデ
    ィングカムを具備し、前記ローディングカムが前記入力
    部を構成していることから成る請求項2に記載のドグク
    ラッチ。
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