JP3899761B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、例えば自動車用の変速機の変速ユニットとして、或は各種産業機械用の変速機として、それぞれ利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、図2〜3に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例えば実開昭62−71465号公報に開示されている様に、入力軸1と同心に入力側ディスク2を支持し、この入力軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するトラニオン6、6を設けている。
【0003】
これら各トラニオン6、6は、両端部外側面に上記枢軸5、5を設けている。又、上記各トラニオン6、6の中心部には変位軸7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させる事により、上記各変位軸7、7の傾斜角度の調節を自在としている。上記各トラニオン6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれパワーローラ8、8を回転自在に支持している。そして、これら各パワーローラ8、8を、上記入力側、出力側両ディスク2、4の間に挟持している。これら入力側、出力側両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4aはそれぞれ、上記枢軸5を中心とする円弧を上記入力軸1及び出力軸3の軸心を中心に回転させた場合に得られる凹面をなしている。そして、球状凸面に形成された各パワーローラ8、8の周面8a、8aを、上記内側面2a、4aに当接させている。
【0004】
上記入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム等の押圧装置9を設け、この押圧装置9によって、上記入力側ディスク2を出力側ディスク4に向け、弾性的に押圧している。この押圧装置9は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、12とから構成している。上記カム板10の片側面(図2〜3の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカム面13を形成し、上記入力側ディスク2の外側面(図2〜3の右側面)にも、同様のカム面14を形成している。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自在に支持している。
【0005】
上述の様に構成されるトロイダル型無段変速機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転すると、カム面13によって複数個のローラ12、12が、入力側ディスク2の外側面に設けたカム面14に押圧される。この結果、上記入力側ディスク2が、上記複数のパワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対のカム面13、14と複数個のローラ12、12との押し付け合いに基づいて、上記入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、上記複数のパワーローラ8、8を介して上記出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】
入力軸1と出力軸3との回転速度比(変速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心として各トラニオン6、6を揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図2に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合には、上記枢軸5、5を中心として上記各トラニオン6、6を揺動させ、上記各パワーローラ8、8の周面8a、8aが図3に示す様に、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角度を図2と図3との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比を得られる。
【0007】
トロイダル型無段変速機の基本的な構造及び作用は、上述の通りであるが、この様なトロイダル型無段変速機を、出力の大きなエンジンを持った自動車用変速機として利用する場合には、伝達可能な動力を確保すべく、上記入力側ディスク2及び出力側ディスク4を2個ずつ設け、これらの入力側ディスク2及び出力側ディスク4を、動力の伝達方向に対し互いに並列に配置する事が、例えば特開平1−229158号公報、同4−69439号公報等に記載されている様に、従来から知られている。図4は、このうちの特開平4−69439号公報に記載された構造を示している。
【0008】
この従来構造に於いては、ケーシング15の内側に入力軸16を、回転のみ自在に支持している。この入力軸16は、クラッチの出力軸等に結合される前半部16aと、この前半部16aに対し若干の回転を自在とされた後半部16bとから成る。そして、このうちの後半部16bの軸方向(図4の左右方向)両端部に1対の入力側ディスク2、2を、それぞれの入力側凹面2b、2b同士を互いに対向させた状態で、ボールスプライン17、17を介して支持している。又、上記各入力側ディスク2、2の背面(上記入力側凹面2b、2bと軸方向反対側の面)中央部には凹部18、18を形成している。そして、これら各凹部18、18の奥面と、ローディングナット19(図4の右側の凹部18の場合)或はローディングプレート20(図4の左側の凹部18の場合)との間に皿板ばね21、21を設けている。これら各皿板ばね21、21によって上記各入力側ディスク2、2に、次述する出力側ディスク4、4に向かう予圧を付与している。
【0009】
上記後半部16bの中間部周囲には1対の出力側ディスク4、4を、それぞれの出力側凹面4b、4bと上記各入力側凹面2b、2bとを対向させた状態で、上記入力軸16に対する回転を自在に支持している。又、複数のトラニオン6、6に変位軸7(図2〜3)を介して回転自在に支持した複数のパワーローラ8、8を、上記各入力側、出力側両凹面2b、4b同士の間に挟持している。これら各パワーローラ8、8は、それぞれ入力側ディスク2、2と出力側ディスク4、4との変速比を一致させるべく、同期して傾斜する。
【0010】
又、前記ケーシング15の内側で上記前半部16aと反対側部分には出力軸22を、上記入力軸16の後半部16bと同心に、且つこの後半部16bとは独立した回転を自在に支持している。そして、この出力軸22と上記1対の出力側ディスク4、4との間に回転伝達手段を設け、これら両出力側ディスク4、4の回転を上記出力軸22に伝達自在としている。この回転伝達手段を構成する為、上記ケーシング15の内側で上記1対の出力側ディスク4、4の間部分に、隔壁23を設けている。そして、この隔壁23に設けた通孔24の内側部分に円筒状のスリーブ25を、1対の玉軸受26、26により、回転自在に支持している。これら1対の玉軸受26、26は、それぞれがアンギュラ型玉軸受であり、接触角の方向を互いに逆にした状態で組み合わせて(背面、或は正面組み合わせにして)、上記スリーブ25に加わるラジアル荷重の他、何れの方向のスラスト荷重も支承する様にしている。
【0011】
上記1対の出力側ディスク4、4は、上述の様なスリーブ25の両端部にスプライン係合している。即ち、上記スリーブ25の両端部外周面に形成した雄スプライン溝と、上記各出力側ディスク4、4の内周面に形成した雌スプライン溝とを互いに噛合させている。又、このスリーブ25の中間部で上記隔壁23の内側部分には、出力歯車である第一の歯車27を固設している。更に、上記各出力側ディスク4、4の一部で上記スリーブ25から突出した部分の内周面と前記入力軸16の外周面との間には、それぞれラジアル軸受であるころ軸受28、28を設けている。これら各ころ軸受28、28は、上記各出力側ディスク4、4と入力軸16との相対回転並びに軸方向に亙る相対変位を許容する。
【0012】
一方、前記ケーシング15の内側には、上記入力軸16及び出力軸22と平行に伝達軸29を、回転自在に支持している。そして、この伝達軸29の一端(図4の左端)に固定した第二の歯車30と上記第一の歯車27とを直接噛合させ、この伝達軸29の他端に固定した第三の歯車31と、上記出力軸22の端部に固定した第四の歯車32とを、図示しないアイドル歯車を介して噛合させている。この様な回転伝達手段により、上記出力軸22が、上記1対の出力側ディスク4、4の回転に伴って、これら出力側ディスク4、4と逆方向に回転する。
【0013】
更に、前記前半部16aと一方(図4の左方)の入力側ディスク2との間には、前記図2〜3で説明したものと同様の、ローディングカム式の押圧装置9を設け、上記入力軸16の回転に伴ってこの一方の入力側ディスク2を、この一方の入力側ディスク2が対向する出力側ディスク4に向け軸方向に押圧しつつ回転駆動する様に構成している。
【0014】
上述の様に構成される、図4に示したトロイダル型無段変速機の運転時には、入力軸16の回転に伴って1対の入力側ディスク2、2が同時に回転し、この回転が1対の出力側ディスク4、4に同時に、且つ、同一の変速比で伝達され、上述した回転伝達手段により上記出力軸22に伝達されて取り出される。この際、回転力の伝達が、互いに並列な2系統に分けて行なわれるので、大きな動力(トルク)を伝達自在となる。又、運転時には上記押圧装置9の働きにより、上記1対の入力側ディスク2、2同士の間隔が狭められる傾向となる。この結果、これら各入力側ディスク2、2の入力側凹面2b、2b及び上記各出力側ディスク4、4の出力側凹面4b、4bと、前記各パワーローラ8、8の周面8a、8aとが強く当接し、動力の伝達が効率的に行われる。
【0015】
尚、図4に示したトロイダル型無段変速機の運転時に、前記第一の歯車27を固設したスリーブ25には、ラジアル荷重の他、スラスト荷重が加わる。この様なラジアル荷重及びスラスト荷重は、上記第一の歯車27と前記第二の歯車30との噛合に基づき発生する。即ち、周知の様に、互いに噛合した1対の歯車同士の間で回転力伝達を行なう際には、これら1対の歯車同士を互いに離隔させる方向の力が発生する。上記ラジアル荷重は、この力に基づいて発生する。一方、上記スラスト荷重は、上記第一、第二の歯車27、30をはすば歯車とする事に基づいて発生する。周知の様にはすば歯車は、平歯車に比べて運転時に発生する騒音並びに振動が少ない為、自動車用変速機の様に高速回転する部分に使用する。反面、噛合部でスラスト荷重が発生する為、このスラスト荷重を支承する為の構造が必要になる。
【0016】
この為、図4に示した構造では、上記第一の歯車27を固設したスリーブ25を、それぞれがアンギュラ型である1対の玉軸受26、26により支持し、上記スリーブ25に加わるラジアル荷重の他、両方向のスラスト荷重を支承自在としている。この様に両方向のスラスト荷重を支承自在とした理由は、エンジンから車輪に駆動力を伝達する場合と、エンジンブレーキの作動時に車輪からエンジンにトルクが伝わる場合とで、上記スリーブ25に加わるスラスト荷重の作用方向が逆になる為である。尚、トロイダル型無段変速機の運転時には、前記押圧装置9の作用に基づき、前記各入力側ディスク2、2及び出力側ディスク4、4に大きなスラスト荷重が加わる。但し、これら各ディスク2、4には、1対の入力側ディスク2、2同士、1対の出力側ディスク4、4同士の間で、互いに逆方向に同じ大きさのスラスト荷重が加わり、互いに相殺し合う。従って、上記各玉軸受26、26により支承するスラスト荷重は、(不可避的なバランスのずれ等、僅かなスラスト荷重を除けば)基本的には、上記第一、第二の歯車27、30の噛合に基づくものだけである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図4に示した従来のトロイダル型無段変速機の場合には、第一、第二の歯車27、30の噛合部で発生するスラスト荷重に基づく、スリーブ25を傾斜させる方向に作用するモーメントを、このスリーブ25を支持する1対の玉軸受26、26が支承している。この為、これら各玉軸受26、26の寸法及びこれら各玉軸受26、26を支持する隔壁23の厚さ寸法が嵩む事が避けられない。この為、トロイダル型無段変速機が大型化すると共に、上記各玉軸受26、26の許容回転数が小さくなり、これら各玉軸受26、26の耐久性の低下も避けられない。
【0018】
尚、背面組み合わせとしてこれら1対の玉軸受26、26の各作用点同士の間隔を大きくする事により、これら1対の玉軸受26、26の上記モーメントに対する剛性を高くして、これら1対の玉軸受26、26の小型化を図る事が考えられる。一方、入力軸16の軸方向に亙るトロイダル型無段変速機の長さ寸法を小さくする為には、上記1対の玉軸受26、26を構成する内輪33、33の端面と1対の出力側ディスク4、4の背面(上記出力側凹面4b、4bと軸方向反対側の面)とを当接させる必要がある。この様な構造の場合、上記1対の玉軸受26、26を背面組み合わせにすると、第一、第二の歯車27、30同士の噛合部で発生して上記スリーブ25に加わるスラスト荷重そのものが、このスラスト荷重の作用方向に存在する一方の玉軸受26の内輪33を介して、一方の出力側ディスク4にのみ加わる。
【0019】
即ち、上記スラスト荷重が一方の玉軸受26の内輪33を介して、この内輪33と当接している一方の出力側ディスク4に作用し、一方のキャビティに設けたパワーローラ8、8から一方の入力側ディスク2に伝わり、更に入力軸16を介して他方の入力側ディスク2に伝わり、この他方の入力側ディスクから他方のキャビティに設けたパワーローラ8、8を通じて、他方の出力側ディスク4に伝わる。そして、上記スラスト荷重は、この他方の出力側ディスク4の側に設けた玉軸受26を介してケーシング15の隔壁23に伝わる。この様に上記スラスト荷重が伝わる場合に問題となるのは、上記一方のキャビティ部分では、上記スラスト荷重が出力側ディスク4の側から伝わり、他方のキャビティ部分では入力側ディスク2の側から伝わる点である。この様にスラスト荷重が伝わる方向がキャビティ毎に異なると、上記一方の入力側、出力側両ディスク2、4と各パワーローラ8、8との当接部の当接圧(押し付け力)と、他方の入力側、出力側両ディスク2、4と各パワーローラ8、8との当接部の当接圧とに差が生じる。この結果、当接圧が低い入力側、出力側両ディスク2、4の入力側、出力側両凹面2b、4bと各パワーローラ8、8の周面8a、8aとの転がり接触部で滑りが発生し、トロイダル型無段変速機の伝達効率が低下するだけでなく、著しい場合には焼き付き等の損傷が発生する可能性がある。この様な不都合を防止する為には、上記スラスト荷重を支承する為の止め輪を設ける等により、上記スラスト荷重が上記一方の出力側ディスク4に伝わらない様にする必要がある。但し、この様に止め輪を設けると、組立作業が面倒になるだけでなく、トロイダル型無段変速機の小型・軽量化を図りにくくなる。
従って、上記1対の玉軸受26、26を背面組み合わせにする事は難しい。
本発明のトロイダル型無段変速機は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0020】
【課題を解決する為の手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述の図4に示した、従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、ケーシングと、このケーシングの内側に回転自在に支持された入力軸と、1対の入力側ディスクと、1対の出力側ディスクと、複数のトラニオンと、複数のパワーローラと、押圧装置とを備える。
上記1対の入力側ディスクは、それぞれの軸方向片面を断面が円弧形の入力側凹面とし、この入力側凹面同士を互いに対向させた状態で上記入力軸の軸方向両端部に、この入力軸と共に回転自在な状態で支持している。
又、上記1対の出力側ディスクは、それぞれの軸方向片面を断面が円弧形の出力側凹面とし、これら各出力側凹面と上記各入力側凹面とを対向させた状態で、ラジアル軸受により上記入力軸の中間部周囲に、この入力軸に対する回転を自在として支持している。
又、上記複数のトラニオンは、上記入力軸の軸方向に関し上記両出力側ディスクと上記両入力側ディスクとの間部分で、上記入力軸に対し捩れの位置に配置され、当該部分で揺動する。
又、上記複数のパワーローラは、周面を回転円弧面状の凸面とし、上記各トラニオンに回転自在に支持された状態で、上記各入力側、出力側両凹面同士の間に挟持している。
又、上記押圧装置は、上記入力軸の回転に伴って上記1対の入力側ディスクのうちの一方の入力側ディスクを、この一方の入力側ディスクが対向する出力側ディスクに向け軸方向に押圧する。
更に、上記1対の出力側ディスクは、中間部外周面に、はすば歯車である出力歯車を固設した円筒状のスリーブの両端部外周面に、このスリーブと同期した回転自在に支持されている。又、このスリーブは、上記出力歯車を両側から挟む位置に、接触角の方向を互いに逆にした状態で設けた1対の玉軸受により、上記ケーシングの内側に固定された部分に回転自在に支持されている。
【0021】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記1対の玉軸受を、接触角の方向を互いに向かい合わせた正面組み合わせにすると共に、これら1対の玉軸受の各作用点を、上記スリーブの中心軸上で軸方向に関し一致させている。
又、好ましくは、上記ラジアル軸受はころ軸受であり、このころ軸受を構成する複数本のころは、軸方向両端部にクラウニングが施されている。
尚、上記各作用点が上記スリーブの中心軸上で軸方向に関し完全に一致する事が好ましいが、構成各部品の誤差等を考慮すると、上記各作用点を上記中心軸上で軸方向に関し完全に一致させる事は難しい。但し、例えば乗用車用のトロイダル型無段変速機の場合で、上記各作用点同士の間隔が2 mm 以内になる様に、一致させれば、次述する作用を十分発揮できる。
【0022】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機が、入力軸から出力歯車に向け、互いに並列な2系統に亙り動力を伝達する事で、大きな動力伝達を可能にする点、並びに複数のトラニオンを同期して傾斜させる事により、上記入力軸と出力歯車との間の変速比を変える点は、前述の図4に示した従来構造の場合と同様である。
【0023】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、1対の玉軸受の各作用点を、スリーブの中心軸上で軸方向に関し一致させる事により、このスリーブを傾斜させる方向のモーメントに対する剛性を極めて低く(ほぼ零に)している。即ち、上記スリーブを傾斜させる方向のモーメントを、上記1対の玉軸受で支承せず、上記スリーブの両端部外周面に支持する1対の出力側ディスクで支承する。言い換えれば、上記モーメントに基づいて、上記スリーブから上記1対の出力側ディスクに加わるラジアル荷重を、これら各出力側ディスクを上記入力軸に支持するラジアル軸受で支承する。従って、上記1対の玉軸受で上記モーメントを支承しない分、これら1対の玉軸受の寸法及びこれら1対の玉軸受を支持するケーシングの内側に固設した部材の寸法を小さくできる。又、上記スリーブに加わるスラスト荷重が何れか一方の出力側ディスクにのみ伝わる事を防止できる。この為、伝達効率の悪化を防止しつつ、上記1対の玉軸受の耐久性の向上並びにトロイダル型無段変速機の小型化を図れる。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、出力歯車である第一の歯車27に、この第一の歯車27と第二の歯車30との噛合に基づいて発生する、ラジアル荷重及びスラスト荷重を支承する為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造とほぼ同様である。従って、同様部分に関しては重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分並びに前述の図4に示した従来構造と異なる部分を中心に説明する。
【0025】
両端部外周面に1対の出力側ディスク4、4をスプライン係合により支持した、スリーブ25の中間部外周面には、上記第一の歯車27を固設している。又、ケーシング15(図4参照)の内側で上記1対の出力側ディスク4、4の間部分に、隔壁23を設けている。そして、この隔壁23に設けた通孔24の内側部分に円筒状のスリーブ25を、1対の玉軸受26a、26aにより、回転自在に支持している。これら1対の玉軸受26a、26aは、それぞれ二点鎖線α、βで示す方向の接触角を有するアンギュラ型であり、接触角の方向を互いに向かい合わせた正面組み合わせで設けている。又、これら1対の玉軸受26a、26aの各作用点、即ち、上記各二点鎖線α、βと各玉軸受26a、26aの中心軸との交点を、軸方向に関して一致させている。尚、上記1対の玉軸受26a、26aの各作用点は、上記第一の歯車27の軸方向に関する中心δと、上記スリーブ25の中心軸γとの交点とも一致している。
【0026】
又、本例の場合、入力軸16に上記1対の出力側ディスク4、4を回転自在に支持する為のころ軸受28a、28aを構成する複数本のころ34、34は、軸方向両端部にクラウニングが施されている。この為、上記スリーブ25から加わるラジアル荷重及びパワーローラ8、8から加わるスラスト荷重による上記各出力側ディスク4、4内周面の弾性変形に拘らず、上記各ころ軸受28a、28aの構成各部に過大面圧が加わる事を防止できる。
【0027】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、上記1対の玉軸受26a、26aの各作用点を、軸方向に関し一致させる事により、このスリーブ25を傾斜させる方向のモーメントに対する剛性を極めて低く(ほぼ零に)している。即ち、上記スリーブ25を傾斜させる方向のモーメントを、上記1対の玉軸受26a、26aで支承せず、上記スリーブ25の両端部外周面に支持する上記1対の出力側ディスク4、4で支承する。言い換えれば、上記モーメントに基づいて、スリーブ25から上記1対の出力側ディスク4、4に加わるラジアル荷重を、これら各出力側ディスク4、4を上記入力軸16に支持する上記ころ軸受28a、28aで支承する。従って、上記1対の玉軸受26a、26aで上記モーメントを支承しない分、これら1対の玉軸受26a、26aの寸法及びこれら1対の玉軸受26a、26aを支持する隔壁23の軸方向寸法を小さくできる。この為、上記1対の玉軸受26a、26aの耐久性の向上及びトロイダル型無段変速器の小型化を図れる。
【0028】
又、第一、第二の歯車27、30の噛合部で発生して上記スリーブ25に伝わったスラスト荷重は、何れかの玉軸受26aから隔壁23に加わる。この為に図示の例では、上記各玉軸受26a、26aを構成する外輪35の外周面に鍔部36を形成し、この鍔部36を上記隔壁23に係止している。従って、上記スラスト荷重が、何れか一方の出力側ディスク4に伝わる事はない。この結果、上記1対の出力側ディスク4、4の出力側凹面4b、4b並びに各入力側ディスク2、2の入力側凹面2b、2bと前記各パワーローラ8、8の周面8a、8aとの当接圧が異なるのを防止して、トロイダル型無段変速機の伝達効率が悪化するのを防止できる。
【0029】
尚、上述の説明では、隔壁23にスリーブ25を回転自在に支持する為の1対の転がり軸受として、それぞれがアンギュラ型或は深溝型である玉軸受を使用した場合に就いて示したが、上記各転がり軸受としてそれぞれ円すいころ軸受を使用する場合でも、接触角の方向を互いに向かい合わせた正面組み合わせにすると共に、これら1対の円すいころ軸受の各作用点を、上記スリーブの中心軸上で軸方向に関し一致させる事で、本発明の場合と同様の効果を得る事ができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上に述べた通り構成され作用する為、効率が良く、しかも小型で十分な耐久性を有するトロイダル型無段変速機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す要部断面図。
【図2】トロイダル型無段変速機の基本構造を、最大減速時の状態で示す略側面図。
【図3】同じく最大増速時の状態で示す略側面図。
【図4】従来から知られているトロイダル型無段変速機の具体的構造の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
2b 入力側凹面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
4b 出力側凹面
5 枢軸
6 トラニオン
7 変位軸
8 パワーローラ
8a 周面
9 押圧装置
10 カム板
11 保持器
12 ローラ
13 カム面
14 カム面
15 ケーシング
16 入力軸
16a 前半部
16b 後半部
17 ボールスプライン
18 凹部
19 ローディングナット
20 ローディングプレート
21 皿板ばね
22 出力軸
23 隔壁
24 通孔
25 スリーブ
26、26a 玉軸受
27 第一の歯車
28、28a ころ軸受
29 伝達軸
30 第二の歯車
31 第三の歯車
32 第四の歯車
33 内輪
34 ころ
35 外輪
36 鍔部

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  1. ケーシングと、このケーシングの内側に回転自在に支持された入力軸と、それぞれの軸方向片面を断面が円弧形の入力側凹面とし、この入力側凹面同士を互いに対向させた状態で上記入力軸の軸方向両端部に、この入力軸と共に回転自在な状態で支持された、1対の入力側ディスクと、それぞれの軸方向片面を断面が円弧形の出力側凹面とし、これら各出力側凹面と上記各入力側凹面とを対向させた状態で、ラジアル軸受により上記入力軸の中間部周囲に、この入力軸に対する回転を自在として支持された、1対の出力側ディスクと、この入力軸の軸方向に関しこれら両出力側ディスクと上記両入力側ディスクとの間部分で、上記入力軸に対し捩れの位置に配置され、当該部分で揺動する複数のトラニオンと、周面を回転円弧面状の凸面とし、上記各トラニオンに回転自在に支持された状態で、上記各入力側、出力側両凹面同士の間に挟持された複数のパワーローラと、上記入力軸の回転に伴って上記1対の入力側ディスクのうちの一方の入力側ディスクを、この一方の入力側ディスクが対向する出力側ディスクに向け軸方向に押圧する押圧装置とを備え、上記1対の出力側ディスクは、中間部外周面に、はすば歯車である出力歯車を固設した円筒状のスリーブの両端部外周面に、このスリーブと同期した回転自在に支持されており、このスリーブは、上記出力歯車を両側から挟む位置に、接触角の方向を互いに逆にした状態で設けた1対の玉軸受により、上記ケーシングの内側に固定された部分に回転自在に支持されているトロイダル型無段変速機に於いて、上記1対の玉軸受を、接触角の方向を互いに向かい合わせた正面組み合わせにすると共に、これら1対の玉軸受の各作用点を、上記スリーブの中心軸上で軸方向に関し一致させた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
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