JPH069887Y2 - 子供用拘束装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両に乗車した子供乗員を拘束して保護するた
めの子供用拘束装置に関する。

［従来の技術］ 車両にはシートへ着座した乗員へ装着される拘束用ウエ
ビングが備えられている。

この拘束用ウエビングは、シートへ大人乗員が着座した
場合に適切な装着状態を得られるように配慮されている
ので、子供乗員に対しては必ずしも適切な配置とはなっ
ていない。

このため従来、シートへ子供用拘束装置本体を搭載して
子供乗員をこの子供用拘束装置本体へ着座させて子供乗
員の着座姿勢を調節して拘束用ウエビングが適正な状態
に位置する子供用拘束装置が提案されている。

ところがこの子供用拘束装置に子供が着座していない場
合は悪路走行時の振動や車両急制動時の慣性力により子
供用拘束装置がシートクツシヨンから落下してしまうた
め、子供用拘束装置本体にベルトを取り付けてこのベル
トをシートバツクに巻き付けることにより子供用拘束装
置本体をシートに取り付けていた。

しかし、車種や前席、後席等の相違によりシートの形状
等は異なるので全てのシートにベルトを巻き付けて子供
用拘束装置本体をシートに拘束することは困難であっ
た。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は上記事実に鑑み、どのような形状のシートにも
容易に取り付けることができる子供用拘束装置を提供す
ることが目的である。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、車両用シートのシートクツシヨンに載置れた
状態で、シートベルト装置のウエビングの中間部が係止
されることにより子供を拘束する子供用拘束装置であっ
て、シートクツシヨンに載置されると共に、子供着座用
の座板部及びウエビングの中間部が係止されるウエビン
グ係止部を備えた拘束装置本体と、この拘束装置本体の
座板部に各々の一端部が係止され、かつ、各々の中間部
がシートバツクに巻き掛けられて各々の他端部同士が連
結されることにより拘束装置本体をシートクツシヨン上
に固定する長尺状の第１の支持体及び第２の支持体と、
第１の支持体の長手方向中間部に設けられ、シートクツ
シヨンの後端部とシートバツクの下端部との間に押し込
められることにより当該後端部と下端部との間に係止さ
れる係止体と、を有することを特徴としている。

［作用］ 上記構成によれば、子供用拘束装置の不使用時であっ
て、例えば、フロントシート（助手席）に拘束装置本体
を固定する場合には、第１の支持体及び第２の支持体の
中間部をフロントシートのシートバツクに巻き掛けて双
方の他端部同士を連結すればよい。これにより、拘束装
置本体がフロントシートのシートクツシヨン上に固定さ
れ、シートクツシヨンから拘束装置本体が落下するのが
防止される。

また、例えば、リヤシートに拘束装置本体を固定する場
合には、第１の支持体及び第２の支持体をリヤシートの
シートバツクに巻き掛けることはできないので、係止体
を用いる。すなわち、係止体をリヤシートのシートクツ
シヨンの後端部とシートバツクの下端部との間に押し込
めばよい。これにより、係止体がシートクツシヨンの後
端部とシートバツクの下端部との間に係止されるので、
拘束装置本体がリヤシートのシートクツシヨンから落下
するのが防止される。

なお、フロントシートのシートクツシヨンに拘束装置本
体を固定する場合において、フロントシートのシートク
ツシヨンとシートバツクとが一体成形されている場合に
は、シートクツシヨンの後端部とシートバツクの下端部
との間に隙間が無いので第１の支持体及び第２の支持体
を用いて拘束装置本体を固定することになるが、シート
クツシヨンとシートバツクとが別体である場合には、係
止体をシートクツシヨンの後端部とシートバツクの下端
部との間に押し込むことにより、拘束装置本体をシート
クツシヨン上に固定してもよいし、第１の支持体、第２
の支持体、及び係止体を併用して固定してもよい。

このように本考案では、車両用シートの形状等が如何様
であっても、不使用時における拘束装置本体をシートク
ツシヨン上に固定することができる。

［実施例］ 第１図乃至第７図には、本考案が適用された子供用拘束
装置１０の実施例が示されている。

第１図及び第２図に示す如く子供用拘束装置１０を構成
する部材の一つである子供用拘束装置本体１２には座板
部１４と一対の側壁１６、１８が一体形成されている。
座板部１４は車両のシート２０のシートクツシヨン２２
へ搭載されるものであり、座板部１４の下端面１４Ａに
は帯状の織物で形成された２本のベルト４０、４２の一
端部が図示しないビス等により固着されている。そし
て、ベルト４０、４２は座板部１４の後部１４Ｂから後
方に延出されている。

ベルト４０の中間部には第５図（Ａ）で示すようにベル
ト４０自体で一重の輪を形成して縫製することにより環
状部４１が形成され、環状部４１には発泡部材で形成さ
れた円柱状の係止体２６が挿入して取り付けられてい
る。ベルト４０の他端部にはタングプレート４４が取り
付けられている。

また、ベルト４０に設けられる環状部４１の形成手段と
しては第５図（Ａ）の他に第５図（Ｂ）、（Ｃ）、
（Ｄ）に示すものがある。第５図（Ｂ）、（Ｃ）、
（Ｄ）に示すものは別途に用意した短いベルト４３をベ
ルト４０に縫製することにより環状部４１を形成するも
のである。

第１図に示す如く一方のベルト４２の他端部には前記タ
ングプレート４４が嵌入することによりタングプレート
４４と嵌合するバツクル本体４６が取り付けられてい
る。第３図に示す如く前記子供用拘束装置１０の側壁１
６、１８は子供乗員３０の車両幅方向への移動を拘束す
ると共に、側壁１６、１８に形成された凹部１６Ａ、１
８Ａで車両に配設されたウエビング３２の中間部を係止
することにより、子供乗員３０に最適な状態でウエビン
グ３２を装着して子供乗員３０をシート２０に拘束して
いる。

次に本考案の実施例の作用について説明する。

第３図に示す如く車両走行中に子供用拘束装置本体１２
に子供乗員３０が着座している場合はウエビング３２に
よって、子供用拘束装置１０は子供乗員３０と共にシー
ト２０に拘束されているので、子供用拘束装置本体１２
に設けられた係止体２６をシートクツシヨン２２とシー
トバツク２８との隙間に挿入しなくても子供用拘束装置
本体１２がシートクツシヨン２２から落下することはな
い。

しかし、子供乗員３０が子供用拘束装置本体１２に着座
していない場合はウエビング３２は使用されていないの
で、子供用拘束装置１０を単にシートクツシヨン２２に
搭載しておくと、悪路走行時の振動や車両急制動時の慣
性力等により子供用拘束装置本体１２がシートクツシヨ
ン２２から落下してしまう。

そこで、子供乗員３０が子供用拘束装置本体１２に着座
していない場合は、第２図に示す如く係止体２６をシー
トクツシヨン２２とシートバツク２８との隙間に押圧挿
入して係止体２６をシート２０の後方へ突出させて係止
する。

そうすると、悪路走行時の振動や車両急制動時の慣性力
等によってシートクツシヨン２２から子供用拘束装置本
体１２が落下しようとしても子供用拘束装置本体１２に
取り付けられた係止体２６がシート２０に係止されてい
るため子供用拘束装置１０がシートクツシヨン２２から
落下することがない。

なお、シートクツシヨン２２とシートバツク２８との隙
間が大きな場合は係止体２６をシートクツシヨン２２と
シートバツク２８との隙間に挿入後に係止体２６を９０
度回転させれば係止体２６がシートクツシヨン２２とシ
ートバツク２８との隙間が大きくても隙間から抜けてし
まうようなことはない。

また、第４図に示す如くシートクツシヨン２２とシート
バツク２８とが一体形成されて隙間がないシート２０の
場合は、ベルト４０及びベルト４２をシートバツク２８
に巻いてシートバツク２８の後方でベルト４０のタング
プレート４４をベルト４２のバツクル本体４６に挿入す
ることによりベルト４０とベルト４２を連結させること
も可能である。

また、第２図に示す如く子供用拘束装置１０をリアシー
ト２１等のシート幅が長いシートへ取り付ける場合はベ
ルト４０、４２（第２図においてはベルト４２は図示せ
ず）を巻き掛けられないので、ベルト４０の中間部に取
り付けられている係止体２６をシートクツシヨン２２と
シートバツク２８との隙間に押圧挿入すれば子供用拘束
装置本体１２は係止体２６によってリアシート２１に取
り付けられる。

本実施例においてはベルト４０とベルト４２を連結する
手段としてタングプレート４４とバツクル本体４６を用
いたが、これに限定されるものでなく第６図及び第７図
に示すようなバツクル５０をベルト４０に取り付けてベ
ルト４２と連結させるようにしてもよい。

なお、実施例においてはベルト４０に取り付けた係止体
２６はベルト４０に形成した環状部４１に挿入すること
によりベルト４０に固定にしたが、ベルト４０に形成し
た環状部４１をベルト４０の長手方向に移動調整可能に
することができれば環状部４１をシートバツク２８の肉
厚に合せて調節することにより子供用拘束装置本体１２
をシート２０にフイツトさせて取り付けることができ
る。

［考案の効果］ 以上説明した如く、本考案に係る子供用拘束装置は、シ
ートクツシヨンの後端部とシートバツクの下端部との間
に係止体を押し込むことにより、或いは、第１の支持体
及び第２の支持体をシートバツクに巻き掛けて両者を連
結することにより、拘束装置本体をシートクツシヨン上
に固定することができ、これにより拘束装置本体がシー
トクツシヨンから落下するのを防止することができると
いう優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第７図には本考案に係る子供用拘束装置の一
実施例を示し、第１図は子供用拘束装置の全体斜視図、
第２図は子供用拘束装置の取り付けを示す作用説明図、
第３図は子供用拘束装置に乗員が着座した状態の正面
図、第４図はシートに取り付けられた子供用拘束装置の
全体斜視図、第５図（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）、（Ｄ）は
ベルトに形成される環状部の側面図、第６図はバツクル
の斜視図、第７図は第６図VII−VII線矢視断面図であ
る。 １０……子供用拘束装置、 １２……子供用拘束装置本体（拘束装置本体）、 １４……座板部、 １６Ａ、１８Ａ……凹部（ウエビング係止部）、 ２０……シート（車両用シート）、 ２２……シートクツシヨン、 ２６……係止体、 ２８……シートバツク、 ３２……ウエビング、 ４０……ベルト（第１の支持体）、 ４２……ベルト（第２の支持体）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両用シートのシートクツシヨンに載置れ
   た状態で、シートベルト装置のウエビングの中間部が係
   止されることにより子供を拘束する子供用拘束装置であ
   って、 シートクツシヨンに載置されると共に、子供着座用の座
   板部及びウエビングの中間部が係止されるウエビング係
   止部を備えた拘束装置本体と、 この拘束装置本体の座板部に各々の一端部が係止され、
   かつ、各々の中間部がシートバツクに巻き掛けられて各
   々の他端部同士が連結されることにより拘束装置本体を
   シートクツシヨン上に固定する長尺状の第１の支持体及
   び第２の支持体と、 第１の支持体の長手方向中間部に設けられ、シートクツ
   シヨンの後端部とシートバツクの下端部との間に押し込
   められることにより当該後端部と下端部との間に係止さ
   れる係止体と、 を有することを特徴とする子供用拘束装置。