JPH0698003B2 - β―チロシナーゼ活性を有するDNA断片および形質転換された原核生物細胞 - Google Patents
β―チロシナーゼ活性を有するDNA断片および形質転換された原核生物細胞Info
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- JPH0698003B2 JPH0698003B2 JP10112086A JP10112086A JPH0698003B2 JP H0698003 B2 JPH0698003 B2 JP H0698003B2 JP 10112086 A JP10112086 A JP 10112086A JP 10112086 A JP10112086 A JP 10112086A JP H0698003 B2 JPH0698003 B2 JP H0698003B2
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- tyrosinase activity
- tyrosinase
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- restriction enzyme
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/88—Lyases (4.)
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- Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
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- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はβ−チロシナーゼ活性を有するDNA断片およ形
質転換された原核生物細胞に関する。
質転換された原核生物細胞に関する。
β−チロシナーゼはカテコール(またはフェノール)と
ピルビン酸およびアンモニアまたはアンモニウム塩から
L−ドーパ(L−ジヒドロキシフェニルアラニン)(ま
たはL−チロシン)を生成する反応を行なう酸素として
知られている。
ピルビン酸およびアンモニアまたはアンモニウム塩から
L−ドーパ(L−ジヒドロキシフェニルアラニン)(ま
たはL−チロシン)を生成する反応を行なう酸素として
知られている。
β−チロシナーゼ活性を有する微生物は種々知られてお
り、該微生物もしくはその処理物を用いてL−ドーパや
L−チロシンを製造する方法も提案されている。
り、該微生物もしくはその処理物を用いてL−ドーパや
L−チロシンを製造する方法も提案されている。
しかしながら、β−チロシナーゼ活性を有する微生物の
取扱いが不都合であったり、目的とするL−ドーパやL
−チロシンの収率が十分でないという問題があった。
取扱いが不都合であったり、目的とするL−ドーパやL
−チロシンの収率が十分でないという問題があった。
また、従来はβ−チロシナーゼ遺伝子を単離した例もな
く、β−チロシナーゼ活性を有しない微生物への該活性
の付与という試みも全くなされていない。
く、β−チロシナーゼ活性を有しない微生物への該活性
の付与という試みも全くなされていない。
本発明者は、β−チロシナーゼ活性を有する微生物から
β−チロシナーゼ遺伝子を分離することに成功し、単離
した遺伝子の性質について検討し、該遺伝子をβ−チロ
シナーゼ活性を持たない微生物に導入することにも成功
した。また、該遺伝子で形質転換された微生物を用いる
ことによってL−ドーパやL−チロシンの製造を効率よ
く行なうことができることを見出した。本発明はかかる
知見により完成されたものである。
β−チロシナーゼ遺伝子を分離することに成功し、単離
した遺伝子の性質について検討し、該遺伝子をβ−チロ
シナーゼ活性を持たない微生物に導入することにも成功
した。また、該遺伝子で形質転換された微生物を用いる
ことによってL−ドーパやL−チロシンの製造を効率よ
く行なうことができることを見出した。本発明はかかる
知見により完成されたものである。
本発明は第1に、制限酵素BamH Iで切断された断片に含
まれ、塩基対数が1.7Kbであり、そのDNA鎖中に制限酵素
EcoRIで0.4Kbと1.3Kbの2つの断片に切断される個所を
含むエルヴイニア・ハービコラ由来のβ−チロシナーゼ
活性を有するDNA断片を提供するものである。
まれ、塩基対数が1.7Kbであり、そのDNA鎖中に制限酵素
EcoRIで0.4Kbと1.3Kbの2つの断片に切断される個所を
含むエルヴイニア・ハービコラ由来のβ−チロシナーゼ
活性を有するDNA断片を提供するものである。
第2に、該DNA断片とベクターよりなる組換え体DNAによ
り形質転換された原核生物細胞に関する。
り形質転換された原核生物細胞に関する。
β−チロシナーゼ遺伝子は、β−チロシナーゼ活性を保
持する微生物から次のようにして調製することができ
る。なお、β−チロシナーゼ活性を保持する微生物は種
々のものが知られており、たとえばAgr.Biol.Chem.,36,
No.11,1861〜1868頁(1972)、特公昭47-22275号公報、
同51-5475号公報などに記載されている。以下に、代表
的な菌株を例示するが、本発明ではエルヴイニア・ハビ
コーラ由来のβ−チロシナーゼ遺伝子を用いる。。
持する微生物から次のようにして調製することができ
る。なお、β−チロシナーゼ活性を保持する微生物は種
々のものが知られており、たとえばAgr.Biol.Chem.,36,
No.11,1861〜1868頁(1972)、特公昭47-22275号公報、
同51-5475号公報などに記載されている。以下に、代表
的な菌株を例示するが、本発明ではエルヴイニア・ハビ
コーラ由来のβ−チロシナーゼ遺伝子を用いる。。
エルヴイニア・ハービコラ(Erwinia herbicola)ATCC
21433,同ATCC 21434,アエロバクター・アエロゲネス(A
erobacter aerogenes)ATCC 21214,シュードモナス・オ
バリス(Pseudomonas ovalis)ATCC 15175,キサントモ
ナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)AT
CC 6420,アクロモバクター・キャンディカンス(Achrom
obacter candicans)OUT 8005,バチルス・セレウス(Ba
cillus cereus)IAM 1029,エシェリヒア・インターメデ
ィア(Escherichia intermedia)ATCC 21073,エシェリ
ヒア・コリ(E. coli)ATCC 15289,プロテウス・ミラビ
リス(Proteus mirabilis)ATCC 15290 まずはじめに、β−チロシナーゼ活性保持菌株から通常
のDNA抽出法(J.Mol.Biol.,3,208(1961))によって染
色体DNA断を抽出し、制限酵素で切断して染色体DNA断片
を得る。一方、適当なベクタープラスミドを同じ制限酵
素で切断したのち、これを上記染色体DNAと連結させ
る。次いで、この組換え体DNAをβ−チロシナーゼ活性
を持たない微生物、たとえば大腸菌HB 101株に対し通常
の方法(たとえばJ.Mol.Biol.,53,159(1970)により形
質転換する。常法によりクローニングを行なったのち単
離した遺伝子がβ−チロシナーゼ遺伝子であることを確
認し、この遺伝子領域の小型化を行なう。すなわち、形
質転換株からプラスミドDNAを抽出し、制限酵素で部分
分解して得たDNA断片のそれぞれを前述の如くベクター
と連結し、大腸菌HB 101株に対し形質転換を行ない、目
的とする遺伝子領域を有する株を選抜する。次いで、選
抜した菌株からプラスミドDNAを抽出し、制限酵素によ
る切断を行い、β−チロシナーゼ遺伝子を得る。このも
のについて制限酵素による切断解析を行なって制限酵素
地図(第2図)を作成する。
21433,同ATCC 21434,アエロバクター・アエロゲネス(A
erobacter aerogenes)ATCC 21214,シュードモナス・オ
バリス(Pseudomonas ovalis)ATCC 15175,キサントモ
ナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)AT
CC 6420,アクロモバクター・キャンディカンス(Achrom
obacter candicans)OUT 8005,バチルス・セレウス(Ba
cillus cereus)IAM 1029,エシェリヒア・インターメデ
ィア(Escherichia intermedia)ATCC 21073,エシェリ
ヒア・コリ(E. coli)ATCC 15289,プロテウス・ミラビ
リス(Proteus mirabilis)ATCC 15290 まずはじめに、β−チロシナーゼ活性保持菌株から通常
のDNA抽出法(J.Mol.Biol.,3,208(1961))によって染
色体DNA断を抽出し、制限酵素で切断して染色体DNA断片
を得る。一方、適当なベクタープラスミドを同じ制限酵
素で切断したのち、これを上記染色体DNAと連結させ
る。次いで、この組換え体DNAをβ−チロシナーゼ活性
を持たない微生物、たとえば大腸菌HB 101株に対し通常
の方法(たとえばJ.Mol.Biol.,53,159(1970)により形
質転換する。常法によりクローニングを行なったのち単
離した遺伝子がβ−チロシナーゼ遺伝子であることを確
認し、この遺伝子領域の小型化を行なう。すなわち、形
質転換株からプラスミドDNAを抽出し、制限酵素で部分
分解して得たDNA断片のそれぞれを前述の如くベクター
と連結し、大腸菌HB 101株に対し形質転換を行ない、目
的とする遺伝子領域を有する株を選抜する。次いで、選
抜した菌株からプラスミドDNAを抽出し、制限酵素によ
る切断を行い、β−チロシナーゼ遺伝子を得る。このも
のについて制限酵素による切断解析を行なって制限酵素
地図(第2図)を作成する。
このβ−チロシナーゼ遺伝子は、上記手法によってβ−
チロシナーゼ活性を持たない生物、特に原核生物細胞に
導入することができる。ここでβ−チロシナーゼ活性を
持たない原核生物細胞としては様々なものがあるが、に
大腸菌が好適である。形質転換された原核生物細胞を用
い、該細胞の存在下にカテコールまたはフェノールをピ
ルビン酸およびアンモニウムもしくはアンモニウム塩と
反応させることによってL−ドーパまたはL−チロシン
を効率よく製造することができる。
チロシナーゼ活性を持たない生物、特に原核生物細胞に
導入することができる。ここでβ−チロシナーゼ活性を
持たない原核生物細胞としては様々なものがあるが、に
大腸菌が好適である。形質転換された原核生物細胞を用
い、該細胞の存在下にカテコールまたはフェノールをピ
ルビン酸およびアンモニウムもしくはアンモニウム塩と
反応させることによってL−ドーパまたはL−チロシン
を効率よく製造することができる。
本発明によりβ−チロシナーゼ遺伝子がはじめて提供さ
れ、該遺伝子を大腸菌などのβ−チロシナーゼ活性を持
たない微生物に導入し、β−チロシナーゼ活性を付与さ
せることが可能となった。しかも、遺伝子増幅効果によ
るβ−チロシナーゼ活性の活性を高めることができる。
したがって、L−ドーパやL−チロシンを非常に効率よ
く生産することができる。L−ドーパはパーキンソン氏
病の効薬として知られ、L−チロシンはタンパク質を構
成する芳香族アミミノ酸の1つとして知られ、様々の用
途に供されている。
れ、該遺伝子を大腸菌などのβ−チロシナーゼ活性を持
たない微生物に導入し、β−チロシナーゼ活性を付与さ
せることが可能となった。しかも、遺伝子増幅効果によ
るβ−チロシナーゼ活性の活性を高めることができる。
したがって、L−ドーパやL−チロシンを非常に効率よ
く生産することができる。L−ドーパはパーキンソン氏
病の効薬として知られ、L−チロシンはタンパク質を構
成する芳香族アミミノ酸の1つとして知られ、様々の用
途に供されている。
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1 (1) 染色体DNAおよびその断片の調製 β−チロシナーゼ活性保持菌株として知られるエルヴイ
ニア・ハービコラATCC 21434株を200mlのLB培地中で30
℃にて24時間振とう培養を行なった。菌体を集菌したの
ち通常のDNA抽出法(J.Mol.Biol.,3,208(1961))に
より染色体を抽出、精製して最終3.0mgを得た。この染
色体DNA 100μgを制限酵素BamH Iで切断(37℃、15分
間)し、染色体DNA断片を得た。
ニア・ハービコラATCC 21434株を200mlのLB培地中で30
℃にて24時間振とう培養を行なった。菌体を集菌したの
ち通常のDNA抽出法(J.Mol.Biol.,3,208(1961))に
より染色体を抽出、精製して最終3.0mgを得た。この染
色体DNA 100μgを制限酵素BamH Iで切断(37℃、15分
間)し、染色体DNA断片を得た。
(2) β−チロシナーゼ遺伝子のクローン化 大腸菌において一般的に使用されるベクタープラスミド
(pBR322)5μgを制限酵素BamH Iで切断(37℃、2時
間)した後、ベクターの自己閉環を防止するため、アル
カリフォスファターゼ処理を行なった。この切断したベ
クターDNA 1μgに上記(1)で得た染色体DNA断片10μ
gを混合し、ATPおよびジチオスレイトール,MgCl2存在
下にT4−DNAリガーゼにて4℃で24時間DNA鎖の連結反応
をを行なった。
(pBR322)5μgを制限酵素BamH Iで切断(37℃、2時
間)した後、ベクターの自己閉環を防止するため、アル
カリフォスファターゼ処理を行なった。この切断したベ
クターDNA 1μgに上記(1)で得た染色体DNA断片10μ
gを混合し、ATPおよびジチオスレイトール,MgCl2存在
下にT4−DNAリガーゼにて4℃で24時間DNA鎖の連結反応
をを行なった。
この反応液を用いてコンピテントな大腸菌HB 101株に対
して通常の方法(J.Mol.Biol.,53,159(1970))により
形質転換を行ない、アンピシリン50μg/ml,L−チロシン
2mg/ml含有LBプレート上にコロニーを得た。このコロニ
ーの中からL−チロシンを分解してコロニーの周辺に透
明な領域(クリアーゾーン)を形成する1株を分離し
た。この菌株よりプラスミドDNAを抽出(Nucleic Acid
Research,7,1513(1973))し、上記コンピテントな大
腸菌HB 101株に対して再度形質転換したところ、アンピ
シリン5μg/ml,L−チロシン2mg/ml含有LBプレート上に
生育したコロニーはすべてクリアーゾーン形成株であっ
た。
して通常の方法(J.Mol.Biol.,53,159(1970))により
形質転換を行ない、アンピシリン50μg/ml,L−チロシン
2mg/ml含有LBプレート上にコロニーを得た。このコロニ
ーの中からL−チロシンを分解してコロニーの周辺に透
明な領域(クリアーゾーン)を形成する1株を分離し
た。この菌株よりプラスミドDNAを抽出(Nucleic Acid
Research,7,1513(1973))し、上記コンピテントな大
腸菌HB 101株に対して再度形質転換したところ、アンピ
シリン5μg/ml,L−チロシン2mg/ml含有LBプレート上に
生育したコロニーはすべてクリアーゾーン形成株であっ
た。
(3) クローン化遺伝子がβ−チロシナーゼ遺伝子で
あることの確認 上記(2)により得られたクリアーゾーン形成株をアン
ピシリン50μg/mlを含むLB培地(10ml)中で30℃にて18
時間培養した。
あることの確認 上記(2)により得られたクリアーゾーン形成株をアン
ピシリン50μg/mlを含むLB培地(10ml)中で30℃にて18
時間培養した。
集菌後、カテコール0g/,ピルビン酸10g/,酢酸ア
ンモニウム5g/を含む反応液10ml(pH8.0)に菌体を懸
濁し、30℃で5時間反応させた。反応終了液の一部をシ
リカゲル薄層クロマトプレート上にスポットし、ブタノ
ール:酢酸:水=4:2:1の溶媒で展開させ、ニンヒドリ
ン溶液噴霧により発色させたところ、標準L−ドーパと
同一のRf値(0.37)を示した。
ンモニウム5g/を含む反応液10ml(pH8.0)に菌体を懸
濁し、30℃で5時間反応させた。反応終了液の一部をシ
リカゲル薄層クロマトプレート上にスポットし、ブタノ
ール:酢酸:水=4:2:1の溶媒で展開させ、ニンヒドリ
ン溶液噴霧により発色させたところ、標準L−ドーパと
同一のRf値(0.37)を示した。
このことは、少なくともエルヴィニア・ハービコラATCC
2143株のβ−チロシナーゼ遺伝子を含む遺伝子領域が
ベクターpBR 322に挿入され、大腸菌中で発現したこと
を意味している。
2143株のβ−チロシナーゼ遺伝子を含む遺伝子領域が
ベクターpBR 322に挿入され、大腸菌中で発現したこと
を意味している。
(4) β−チロシナーゼ遺伝子領域の小型化 前記(2)により得られたクリアーゾーン形成株が保持
するプラスミドDNA (pSi 2000と称する。)を抽出し、
制限酵素Sau 3AIで部分分解(37℃、5分間)した。生
じたDNA断片を予めBamH Iで切断したベクターpBR 322と
混合し、T4-DNAリガーゼにより連結したのち、大腸菌HB
101株に対して形質転換を行なった。アンピシリン50μ
g/ml,L−チロシン2mg/mlを含むLBプレート上に生育し、
大きなクリアーゾーンを形成する5株を選抜した。これ
らの株よりプラスミドDNAを抽出し、各種制限酵素によ
る切断を行なった。その結果、比較的小さなDNA断片の
連結された2種のプラスミドpSI 2073およびpSI2074に
ついて第1図に示す制限酵素地図を得た。
するプラスミドDNA (pSi 2000と称する。)を抽出し、
制限酵素Sau 3AIで部分分解(37℃、5分間)した。生
じたDNA断片を予めBamH Iで切断したベクターpBR 322と
混合し、T4-DNAリガーゼにより連結したのち、大腸菌HB
101株に対して形質転換を行なった。アンピシリン50μ
g/ml,L−チロシン2mg/mlを含むLBプレート上に生育し、
大きなクリアーゾーンを形成する5株を選抜した。これ
らの株よりプラスミドDNAを抽出し、各種制限酵素によ
る切断を行なった。その結果、比較的小さなDNA断片の
連結された2種のプラスミドpSI 2073およびpSI2074に
ついて第1図に示す制限酵素地図を得た。
(5) β−チロシナーゼ遺伝子領域の限定 上記(4)で得られたプラスミドpSI 2073より、さらに
必須部分を限定するため、該プラスミドpSI2073を制限
酵素Pst Iで切断(37℃、2時間)した。生成したDNA断
片を予めPst Iで切断したpUC18プラスミドと混合し、T4
-DNAリガーゼで連結し、大腸菌HB 101株に対し形質転換
を行なった。上記(4)と同じLBプレート上に生育した
株の中からクリアーゾーンを形成する株を選択し、該菌
株が保持するプラスミドの制限酵素解析を行なった。そ
の結果、最小のDNA断片を連結したプラスミドとしてpSI
2283とpSI 2284を得た。これらプラスミドの作製法を
第3図に示す。
必須部分を限定するため、該プラスミドpSI2073を制限
酵素Pst Iで切断(37℃、2時間)した。生成したDNA断
片を予めPst Iで切断したpUC18プラスミドと混合し、T4
-DNAリガーゼで連結し、大腸菌HB 101株に対し形質転換
を行なった。上記(4)と同じLBプレート上に生育した
株の中からクリアーゾーンを形成する株を選択し、該菌
株が保持するプラスミドの制限酵素解析を行なった。そ
の結果、最小のDNA断片を連結したプラスミドとしてpSI
2283とpSI 2284を得た。これらプラスミドの作製法を
第3図に示す。
プラスミドpSI 2283とpSI 2284を保持する菌株のクリア
ーゾーンの大きさはプラスミドpSI 2073を保持する菌株
と比較すると小さいものであった。
ーゾーンの大きさはプラスミドpSI 2073を保持する菌株
と比較すると小さいものであった。
これらの結果より、プラスミドpSI 2283,pSI 2284に含
まれるエルヴイニア・ハービコラATCC 21434株の染色体
DNA由来の断片(1.7Kb)が、β−チロシナーゼ活性を発
現させるためには少なくとも必要であると云える。プラ
スミドpSI 2283とpSI 2284の制限酵素地図を第2図に示
す。
まれるエルヴイニア・ハービコラATCC 21434株の染色体
DNA由来の断片(1.7Kb)が、β−チロシナーゼ活性を発
現させるためには少なくとも必要であると云える。プラ
スミドpSI 2283とpSI 2284の制限酵素地図を第2図に示
す。
実施例2 第1表に示した菌株のそれぞれをL−チロシン2mg/ml,L
−フェニルアラニンン2mg/mlを含むLB培地(10ml)に接
種し、30℃で20時間培養した。
−フェニルアラニンン2mg/mlを含むLB培地(10ml)に接
種し、30℃で20時間培養した。
培養終了液より集菌し、生理的食塩水にて洗浄後、10ml
の下記反応液に懸濁し、30℃にて反応を開始した。
の下記反応液に懸濁し、30℃にて反応を開始した。
反応液組成 カテコール100g/,ピルビン酸10g/,酢酸アンモニ
ウム5g/,EDTA1g/,亜硫酸ソーダ2g/(pH8.0) 2時間後の反応液中のL−ドーパ生産量を高速液体クロ
マトグラフィー(日本分光製,カラム:カテコールパッ
ク)を用いて定量した。結果を第1表に示す。
ウム5g/,EDTA1g/,亜硫酸ソーダ2g/(pH8.0) 2時間後の反応液中のL−ドーパ生産量を高速液体クロ
マトグラフィー(日本分光製,カラム:カテコールパッ
ク)を用いて定量した。結果を第1表に示す。
実施例3 実施例2と同様に処理した菌株を用いてL−チロシンの
製造を行なった。なお、反応液組成中のカテコールをフ
ェノールに変えたこと以外は実施例2と同様に行なっ
た。結果を第2表に示す。
製造を行なった。なお、反応液組成中のカテコールをフ
ェノールに変えたこと以外は実施例2と同様に行なっ
た。結果を第2表に示す。
第1図はβ−チロシナーゼ活性を有する遺伝子pSI2073
とpSI2074の制限酵素地図である。 第2図はβ−チロシナーゼ活性を有する遺伝子pSI2283
とpSI2284の制限酵素地図である。 第3図はpSI2283およびpSI2284の作製法を示す説明図で
ある。
とpSI2074の制限酵素地図である。 第2図はβ−チロシナーゼ活性を有する遺伝子pSI2283
とpSI2284の制限酵素地図である。 第3図はpSI2283およびpSI2284の作製法を示す説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/21 C12R 1:19)
Claims (4)
- 【請求項1】制限酵素BamH Iで切断された断片に含ま
れ、塩基対数が1.7Kbであり、そのDNA鎖中に制限酵素Ec
oRIで0.4Kbと1.3Kbの2つの断片に切断される個所を含
むエルヴイニア・ハービコラ由来のβ−チロシナーゼ活
性を有するDNA断片。 - 【請求項2】制限酵素BamH Iで切断された断片に含ま
れ、塩基対数が1.7Kbであり、そのDNA鎖中に制限酵素Ec
oRIで0.4Kbと1.3Kbの2つの断片に切断される個所を含
むエルヴイニア・ハービコラ由来のβ−チロシナーゼ活
性を有するDNA断片とベクターよりなる組換え体DNAによ
り形質転換された原核生物細胞。 - 【請求項3】原核生物が大腸菌である特許請求の範囲第
2項記載の細胞。 - 【請求項4】大腸菌がエシエリヒア・コリSI2074(FERM
P-8747)である特許請求の範囲第3項記載の細胞。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10112086A JPH0698003B2 (ja) | 1986-05-02 | 1986-05-02 | β―チロシナーゼ活性を有するDNA断片および形質転換された原核生物細胞 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10112086A JPH0698003B2 (ja) | 1986-05-02 | 1986-05-02 | β―チロシナーゼ活性を有するDNA断片および形質転換された原核生物細胞 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62259589A JPS62259589A (ja) | 1987-11-11 |
JPH0698003B2 true JPH0698003B2 (ja) | 1994-12-07 |
Family
ID=14292217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10112086A Expired - Lifetime JPH0698003B2 (ja) | 1986-05-02 | 1986-05-02 | β―チロシナーゼ活性を有するDNA断片および形質転換された原核生物細胞 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0698003B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2521945B2 (ja) * | 1987-03-10 | 1996-08-07 | 味の素株式会社 | β−チロシナ−ゼの製造法及びβ−チロシナ−ゼ生産菌 |
US5260198A (en) * | 1990-03-31 | 1993-11-09 | Mitsui Toatsu Chemicals, Inc. | Cloned tyrosine phenol-lyase gene, recombinant plasmid containing the same and escherichia coli transformed with the same |
CN1300834A (zh) * | 1999-12-23 | 2001-06-27 | 复旦大学 | 一种新的多肽-酪氨酸酶10和编码这种多肽的多核苷酸 |
-
1986
- 1986-05-02 JP JP10112086A patent/JPH0698003B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62259589A (ja) | 1987-11-11 |
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