JP2788070B2 - 2―ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子 - Google Patents

2―ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、2−ハロ酸デハロゲナーゼの遺伝情報をコ
ードしている2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子に
関するものである。
(従来の技術) 2−ハロ酸デハロゲナーゼ(EC3.8.1.2)は,2−ハロ
酸の脱ハロゲン反応を触媒する酵素であり,本酵素が特
定の微生物に存在すること及び本酵素の理化学的諸性質
については,既に報告されている〔アグリカルチユラル
アンド バイオロジカル ケミストリー(Agric.Bio
l.Chem.,)第46巻,第837〜838頁,1982年〕。
2−ハロ酸デハロゲナーゼは,2−ハロ酸のL体に作用
してハロゲン原子を遊離させるとともに,D体の2−ヒド
ロキシ酸を生成させるという性質を有している。そのた
め,本酵素を用いて,農薬等として使用される2−ハロ
酸をD体とL体に分別定量する方法(特開昭58−201998
号公報)や医薬中間体等として有用な光学活性2−ヒド
ロキシ酸を製造する方法(特開昭63−173598号公報)等
が開発され提案されている。
このような2−ハロ酸デハロゲナーゼを取得するため
の手段としては,2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産菌株を培
養し,得られた培養物から本酵素を単離・精製する方法
が知られている。
(発明が解決しようとする課題) 2−ハロ酸デハロゲナーゼは,誘導物質の存在により
生合成される誘導酵素であるため,本酵素を生産するた
めには,誘導物質である2−ハロ酸等を炭素源として含
む培地を用いて,2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産菌体を培
養しなければならなかった。このことは,2−ハロ酸デハ
ロゲナーゼ生産菌株の生育にとって好ましい栄養源を含
む培地を用いることができないことを意味し,従って,
菌の生育が悪く,また培養に長時間を要した。さらに,2
−ハロ酸を資化するに伴い,培地は酸性に傾くため,培
養管理上も問題があった。
また,得られた培養物中の2−ハロ酸デハロゲナーゼ
含有量も満足できるものではなかった。
上記のように,従来の2−ハロ酸デハロゲナーゼの生
産方法は,本酵素の実用的な生産上大きな問題があっ
た。
本発明は,2−ハロ酸デハロゲナーゼの生産性を実用レ
ベルにまで向上させるために,遺伝子工学の手法が応用
できうる2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子を提供
することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,上記の目的を達成するため鋭意検討し
た結果,2−ハロ酸デハロゲナーゼ遺伝子の採取並びにそ
の塩基配列の解明に成功し,本発明に到達した。
すなわち,本発明は,下記塩基配列 を有することを特徴とする2−ハロ酸デハロゲナーゼ生
産性遺伝子を要旨とするものである。
以下,本発明を詳細に説明する。
本発明の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子は,
上記の塩基配列で特定されるものであるが,その発現産
物である2−ハロ酸デハロゲナーゼは,アグリカルチユ
ラル アンド バイオロジカル ケミストリー(Agric.
Biol.Chem.,)第46巻,第837〜838頁,1982年に記載され
た理化学的性質を備えている。すなわち,2−ハロ酸デハ
ロゲナーゼの理化学的性質は,以下の通りである。
(1) 作用 水の存在下に,2−ハロ酸に作用してハロゲン原子を遊
離し,2−ヒドロキシ酸を生成する。
(2) 基質特異性 L−2−クロルプロピオン酸を100とした場合の基質
に対する相対活性と生成物を次の表に示す。
モノフルオロ酢酸,トリクロル酢酸,クロルアセトア
ミド,クロルアセトアルデヒド,D−2−クロルプロピオ
ン酸,3−クロルプロピオン酸,DL−2−ブロモイソ酢酸,
DL−2−ブロモ−n−吉草酸等には作用しない。
(3) 至適pH: 約10.5 (4) 最適温度: 約45℃ (5) 安定pH pH6〜11において,37℃で10分間安定である。
(6) 熱安定性 50mMリン酸緩衝液(pH7.5)中,各温度で15分間処理
した後の残存活性は, 40℃;100%,45℃;90%, 50℃; 80%,55℃;50%, 60℃; 25%である。
(7) 分子量 SDS電気泳動法により求めた分子量は,約25,000であ
る。
次に本発明の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子
の取得方法を説明する。
2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産能を有する微生物から
周知の方法によりDNAを分離精製し,適当な制限酵素あ
るいは超音波等を用いて切断する。一方,適当な発現ベ
クターを,同様な方法で切断して1本鎖にした後,これ
と先のDNA断片とを,それぞれのDNA鎖の平滑又は接着末
端部においてDNAリガーゼ等により接合閉環させ,組換
えDNAベクターを作製する。このようにして得られた組
換えDNAベクターを複製可能な宿主微生物に移入した
後,ベクターのマーカーと2−ハロ酸デハロゲナーゼ活
性とを指標として,組換えDNAベクターを保持する微生
物を選択する。選択された形質転換株を培養し,その培
養菌体から組換えDNAベクターを分離精製し,次いで,
該ベクターから2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子
であるDNAを採取することができる。
本発明の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子の供
与体としては,2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産能を有する
微生物であればいかなるものでもよいが,好ましい例と
しては,シユードモナス プチダ(Pseudomonas putid
a)109株があげられ,本菌株は通産省工業技術院微生物
工業技術研究所に微工研条寄第2631号(FERM BD−263
1)として寄託されている。
本発明の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子を含
むDNAは,供与体である微生物から周知の方法〔例え
ば,モレキユラー クローニング(Molecular Clonin
g)A Laboratory Manual第90〜91頁,1982年に記載の方
法〕に従い採取することができる。すなわち,供与微生
物を,例えば,液体培地で約1〜2日間好気的に培養
し,得られた微生物菌体を溶菌させることによって,2−
ハロ酸デハロゲナーゼ遺伝子を含有する溶菌物を得る。
溶菌方法としては,例えば,リゾチームやβ−グルカナ
ーゼ等を用いた酵素処理,ラウリル硫酸ナトリウムやト
リトン等を用いた界面活性剤処理,EDTAと酵素,界面活
性剤との併用,凍結融解,フレンチプレス又は機械的磨
砕等の物理的処理があげられる。このようにして得られ
た溶菌物から,例えば,フエノール抽出による除タンパ
ク処理,プロテアーゼ処理,リボヌクレアーゼ処理,ア
ルコール沈澱,遠心分離等の方法を組合わせることによ
りDNAを分離精製することができる。
分離精製された微生物DNAを切断する方法としては,
例えば,超音波処理,制限酵素処理等により行うことが
できるが,得られるDNA断片とベクターとの結合を容易
にするため,制限酵素,とりわけ特定ヌクレオチド配列
に作用する,例えば,Sal I,EcoR I,Hind III,BamH I等
のII型制限酵素が適している。
ベクターとしては,宿主微生物体内で自律的に増殖し
得るフアージ又はプラスミドから遺伝子組換え用として
構築されたものが適しており,大腸菌(E.coli)を宿主
とする場合には,フアージとしては,例えば,λgt・λ
C,λgt・λB等が,また,プラスミドとしては,例え
ば,pBR322,pBR325,pACYC184,pUC12,pUC13,pUC18,pUC19
等が使用できる。このようなベクターを,先に述べた2
−ハロ酸デハロゲナーゼ遺伝子を含む微生物DNAの切断
に使用した制限酵素と同じ制限酵素で切断して,ベクタ
ー断片を得ることが好ましい。
微生物DNA断片とベクター断片とを結合させる方法と
しては,公知のDNAリガーゼを用いる方法であればいか
なる方法でもよく,例えば,微生物DNAの接着末端とベ
クター断片の接着末端とのアニーリングの後,適当なDN
Aリガーゼの作用により,微生物DNA断片とベクター断片
との組換えDNAベクターが作製できる。
宿主微生物としては,組換えDNAベクターが安定かつ
自律的に増殖可能で,さらに外来遺伝子の形質が発現で
きるものであればいかなるものでもよく,宿主微生物と
して大腸菌を用いる場合には,例えば,E.coli DH1,E.co
li HB101,E.coli W3110,E.coli C600等が利用できる。
宿主微生物に組換えDNAベクターを移入する方法とし
ては,例えば,宿主微生物が大腸菌の場合には,カルシ
ウムイオンの存在下で組換えDNAベクターを移入するこ
とができ,宿主微生物への目的組換えDNAベクター移入
の有無については,用いたベクターの薬剤耐性マーカー
と2−ハロ酸デハロゲナーゼ活性とを同時に発現する微
生物を検索すればよい。このようにして得られた形質転
換株である微生物から,組換えDNAベクターを採取し,
制限酵素により分解後,電気泳動にて分離して,本発明
の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子を得ることが
できる。
上述の方法により得られた2−ハロ酸デハロゲナーゼ
遺伝子の塩基配列は,塩基配列の決定方法として現在広
く用いられているジデオキシ法〔サイエンス(Scienc
e)第214巻,第1205〜1210頁,1981年〕で解読すること
ができる。
本発明の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子は,
周知の遺伝子工学の手法により,適当な宿主微生物に組
込むことができ,得られた組換え微生物を培養すること
によって,2−ハロ酸デハロゲナーゼの実用的な生産を可
能にするものである。
形質転換株である宿主微生物を培養するには,宿主微
生物の生理的性質を考慮して条件を設定すればよく,通
常液体培養が採用され,工業的には深部通気撹拌培養が
有利である。用いる培地の栄養源としては,微生物培養
に通常用いられるものが広く利用できる。炭素源として
は,宿主微生物が利用可能な炭素化合物であればいかな
るものでもよく,例えば,グルコース,シユークロー
ス,ラクトース,マルトース,フラクトース,糖蜜等が
使用できる。窒素源としては,同じく利用可能なもので
あればいかなるものでもよく,例えば,ペプトン,肉エ
キス,酵母エキス,コーンステイープリカー及び硫安,
硝安等の無機窒素化合物が使用できる。その他,リン酸
塩,炭素塩,硫酸塩,マグネシウム,カリウム,カルシ
ウム,鉄,マンガン,亜鉛等の塩類,特定のアミノ酸,
特定のビタミン等を必要に応じて添加してもよい。
培養温度としては,菌が生育する範囲であればいかな
る温度でもよく,宿主が大腸菌の場合,好ましくは25〜
40℃程度である。培地のpHとしては,宿主が生育可能な
範囲であればいかなるpHでもよく,好ましくはpH6〜8
の範囲に調整すればよい。培養時間としては,培養条件
によって異なるが,菌体中の2−ハロ酸デハロゲナーゼ
活性が最高に達する時期に培養を終了すればよく,通常
12〜48時間程度である。
以上のようにして培養した後,培養物から本発明の遺
伝子産物である2−ハロ酸デハロゲナーゼを採取するに
は,以下の方法を採用すればよい。
すなわち,得られた培養物から遠心分離等により菌体
を分離し,次いで,この菌体を機械的方法又はリゾチー
ム等の酵素法,また,必要に応じてEDTA等のキレート剤
及び界面活性剤等を添加して細胞破砕し,2−ハロ酸デハ
ロゲナーゼを可溶化して細胞破片等を除き,粗抽出液を
得る。さらに精製を行うにあたっては,酵素の一般的な
精製法,すなわち,除核酸,硫安塩析,有機溶媒による
分別沈澱及びイオン交換クロマト,吸着クロマト,疎水
クロマト等の各種カラムクロマトグラフイー,さらにゲ
ル濾過,電気泳動等の処理を施せばよい。
(実施例) 次に,実施例によって,本発明をさらに具体的に説明
する。
なお,実施例中の2−ハロ酸デハロゲナーゼの活性値
は,30℃で1分間に1μmolのハロゲンイオンを遊離する
酵素量を1ユニツトとしたものであり,基質は,DL−2
−クロルプロピオン酸を用いた。ハロゲンイオンは,チ
オシアン酸水銀と硫酸鉄アンモニウムを用いる比色定量
法〔ブリテン ケミカル ソサイエテイー オブ ジヤ
パン(Bull.Chem.Soc.Jpn.,)第29巻,第860〜864頁,19
56年〕にて求めた。
また,実施例中の%は,すべてW/V%を表す。
実施例1 シユードモナス プチダ 109株(微工研菌寄第10262
号)を培養し,2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子を
含むDNAを,モレキユラー クローニング(Molecular C
loning)A Laboratory Manual第90〜91頁,1982年に記載
の方法に従い,以下のようにして得た。
0.3%DL−2−クロルプロピオン酸,0.5%硫安,0.1%
リン酸1カリウム,0.1%リン酸2ナトリウム,0.01%硫
酸マグネシウム,pH7の培地が100ml入った500ml容三角フ
ラスコ5本にシユードモナス プチダ 109株を植菌し,
30℃で24時間回転振盪培養後,遠心分離により集菌し
た。この菌体を,50mMグルコース,25mMトリス塩酸緩衝液
(pH8.0),10mMEDTA,5mg/mlリゾチームの混合液10mlに
懸濁し,室温で5分間処理した後,20mlの1%SDSを含ん
だ0.2NNaOHを添加し,ゆるやかに撹拌後,氷水中に10分
間放置した。次いで,15mlの氷冷した5M酢酸カリウム(p
H4.8)溶液を添加して,すばやく撹拌し,氷水中に10分
間放置後,遠心分離し,上澄みを集め,この上澄液に,
上澄液の0.6容量のイソプロパノールを添加して,撹拌
し,15分間放置した。遠心分離により沈澱物を集め,70%
エタノールで洗浄後,0.1mMEDTAを含む10mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.0)に溶解した。
次に,2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子を含むDN
Aを切断し,ベクタープラスミドに挿入し,組換えプラ
スミドを作製した。すなわち,上記で得られたDNA約1
μgにEcoR Iを8ユニツト添加し,37℃で1晩反応後,65
℃で5分間熱処理した。これに2倍量のエタノールを添
加し,−70℃に冷却して生じた沈澱を遠心分離により集
め,分解DNAを得た。この分解DNAを,25mMEDTA,89mMほう
酸,89mMトリス緩衝液(pH8.3),0.5mg/エチジウムブ
ロマイド,8mg/mlアガロースからなるゲルを用いて,7ボ
ルト/cmの定電圧で電気泳動により分離し,それぞれのD
NA断片をゲルから抽出した。一方,約1μgのpBR322に
8ユニツトのEcoR Iを添加し,37℃で一晩反応後,65℃で
5分間熱処理した。これに2倍量のエタノールを添加
し,−70℃に冷却して生じた沈澱を遠心分離により集め
た。このようにして得られたEcoR Iにより切断されたpB
R322と,同じくEcoR Iにより切断され,電気泳動により
分離されたDNA断片とを,66mMトリス緩衝液(pH7.6),6.
6mM MgCl2,10mMDTT,0.1mMATP,約1000ユニツトのT4DNAリ
ガーゼを含む総容量50μの混合液に溶解し,12〜13℃
で一晩反応させた。
このようにして得られた組換えプラスミドを用いて,
以下のようにしてE.coli C600の形質転換を行った。100
mlのL−ブロス(1%トリプトン,0.5%酵母エキス,1%
NaCl,pH7.5)にE.coli C600株を接種し,37℃で2〜4時
間振盪培養後,冷却して遠心分離により集菌した。50ml
の滅菌カルシウム溶液〔50mMCaCl2,10mMトリス緩衝液
(pH8.0)〕に懸濁し,15分間氷冷後,遠心分離して上澄
液みを捨て,7mlの滅菌カルシウム溶液に懸濁した。この
懸濁液0.2mlに対し組換えプラスミド40ngを加え,氷水
中に30分,42℃の温水に2分間浸漬後,1mlのL−ブロス
を添加し,37℃に1時間放置した。次いで,0.3%DL−2
−クロルプロピオン酸を含むL−寒天培地(1%トリプ
トン,0.5%酵母エキス,1%NaCl,1.5%寒天,pH7.5)上に
塗布し,37℃で一晩培養したところ,2.8kbのDNA断片を組
込んだプラスミド保持株が形質転換され,上記培地上で
生育することがわかった。
このようにして得られた形質転換株が保持する2−ハ
ロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子を,以下のようにして
特定した。形質転換株からプラスミドを分離精製し,電
気泳動で挿入断片を分離した。
すなわち,2.5mMEDTA,89mMほう酸,89mMトリス緩衝液
(pH8.3)に,0.5mg/エチジウムブロマイドを含む,8ml
/mlのアガロースゲルを用い,これにEcoR I処理したプ
ラスミドと分子量マーカーとを同時に7ボルト/cmの定
電圧で3〜4時間泳動後,UVランプを照射し,2.8kbのバ
ンドを確認してその部分のゲルを切り出し,60℃で,5分
間処理してアガロースを溶解させ,フエノール処理,エ
タノール沈澱を行ってDNAを回収した。
次に,T4DNAリガーゼを用いて,回収したDNAをM13フア
ージベクターに結合させ,生物化学実験法18,核酸の塩
基配列決定法(学会出版センター),第61〜114頁に記
載の方法に従って塩基配列を決定した。2−ハロ酸デハ
ロゲナーゼのポリペプチドをコードする領域は,2−ハロ
酸デハロゲナーゼのN末端10個のアミノ酸配列に対応す
るDNA塩基配列と,開始コドン(ATG)と終止コドン(TG
A)により決定した。
以上のような方法により得られたDNAの塩基配列は,
前記した通りの塩基配列を示した。
参考例1 実施例1で得られた本発明の2−ハロ酸デハロゲナー
ゼ生産性遺伝子が挿入された組換えプラスミドを保持す
るE.coli C600株の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性を
調べた。
100mlのL−ブロスに,形質転換されたE.coli C600株
を接種し,37℃で8時間回転振盪培養し,得られた培養
物中の2−ハロ酸デハロゲナーゼ活性を測定したとこ
ろ,約380ユニツトであった。
なお,比較のため,本発明の2−ハロ酸デハロゲナー
ゼ生産性遺伝子の供与微生物であるシユードモナス プ
チダ 109株の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性を調べ
たところ,シユードモナス プチダ 109株をL−ブロ
スで培養して得られた培養物中には,2−ハロ酸デハロゲ
ナーゼ活性は検出できなかった。そこで,0.3%DL−2−
クロルプロピオン酸,0.5%硫安,0.1%リン酸1カリウ
ム,0.1%リン酸2ナトリウム,0.01%硫酸マグネシウム
からなる培地100mlにシユードモナス プチダ 109株を
接種し,30℃で8時間回転振盪培養し,得られた培養物
中の2−ハロ酸デハロゲナーゼ活性を測定したところ,
約25ユニツトであった。
すなわち,本発明の遺伝子を用いて得られる形質転換
株を培養することにより,2−ハロ酸デハロゲナーゼの生
産性が著しく向上したことがわかった。
(発明の効果) 本発明の2−ハロ酸デハロゲナーゼ生産性遺伝子を用
い,遺伝子工学の手法を適用することにより,医薬中間
体の合成や分析用試薬等に用いられる,有用な2−ハロ
酸デハロゲナーゼを多量に生産することが可能となり,
本酵素の工業的実用生産が達成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/55 C12N 9/14 REGISTRY(STN) CA(STN) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記塩基配列 を有することを特徴とする2−ハロ酸デハロゲナーゼ生
    産性遺伝子。
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