JPH0696709B2 - 炭化水素類の選択的水素化方法 - Google Patents

炭化水素類の選択的水素化方法

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JPH0696709B2
JPH0696709B2 JP62266634A JP26663487A JPH0696709B2 JP H0696709 B2 JPH0696709 B2 JP H0696709B2 JP 62266634 A JP62266634 A JP 62266634A JP 26663487 A JP26663487 A JP 26663487A JP H0696709 B2 JPH0696709 B2 JP H0696709B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は2個以上の二重結合および/または1個以上の
三重結合を有する不飽和炭化水素を含有する炭素数4個
以上の炭化水素留分(原料炭化水素留分という)中の該
不飽和炭化水素を選択的に水素化する方法に関するもの
である。
従来技術およびその問題点 石油留分のスチームクラツキングによつて生成されたC4
炭化水素留分は、ブテン−1、ブテン−2およびイソブ
テンからなる混合物で、この中にブタジエン、アセチレ
ン類等が含有されており、このうちブタジエンが大きな
割合で含まれている。そのブタジエンは、例えば、ジメ
チルホルムアミド又はN−メチルピロリドンのような極
性溶媒による抽出または蒸留などの既知の方法によつて
分離される。
しかしながら上記のような方法でブタジエンを分離除去
した残りのC4炭化水素留分、いわゆる混合ブチレン中に
は数百〜数千mol ppmのブタジエンが残存しているのが
一般的である。
該混合ブチレンはポリブテンの原料に使用され、また混
合ブチレン中に含まれるブテン−1は最近ポリマーの変
成材として急激にその用途が重視され、需要も大きなも
のとなりつつある。
該混合ブチレンをポリブテン原料として使用したり、混
合ブチレンの中からブテン−1を回収するためには可能
な限り、混合ブチレン中のブタジエンを水素添加などの
方法により、除去することが望ましい。
しかしながら公知の一般的な水素添加方法では、容易に
ブテン類の水素化によりブタン類が生成し、またブテン
−1の異性化によりブテン−2が生成するため、ブタジ
エンの水素添加前に比べブテン類およびブテン−1の収
率が低下してしまう。
これらを改良する方法(いわゆる選択性の改良)として
種々の方法が提案されている。
例えば水素ガス中に一酸化炭素を存在させてブタジエン
の水素添加を行う方法(特公昭46−30808号公報)、あ
るいは原料C4留分中に一酸化炭素を添加して、ブタジエ
ンの水素添加を行う方法(特開昭58−85824号公報)な
どが提案されている。
また原料C4留分中に低級アルコールを添加する方法(特
開昭58−96683号公報)や反応系内にH2Oおよびアンモニ
アを存在させる方法(特開昭58−96684号公報)などが
提案されている。
一方パラジウム触媒に銀を担持させて選択性改良を図る
方法特開昭57−18785号公報)も提案されている。
しかしながらこれら公知の選択的水素化方法においても
工業的に有用なブテン−1の収率の面からは十分満足で
きるものではなく、選択性の改良が強く望まれていた。
本発明の目的は、原料炭化水素留分中のブテン−1から
ブテン−2への異性化を伴わずに、該留分中のジオレフ
イン類およびアセチレン類を選択的に水素化する方法を
提供することにある。
問題を解決するための手段 本発明者らは、このようなオレフイン類の異性化ならび
に過剰の水素化を伴わないジオレフイン類やアセチレン
類の不飽和炭化水素の選択的水素化方法について鋭意研
究を行い本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、2個以上の二重結合および/また
は1個以上の三重結合を有する不飽和炭化水素を含有す
る炭素数4個以上の炭化水素留分中の該不飽和炭化水素
を多孔性無機酸化物にパラジウムを担持した触媒の存在
下で一酸化炭素を共存させて選択的に水素化する方法に
おいて、電子供与体を存在させることを特徴とする炭化
水素類の選択的水素化方法を提供する。
本発明でいう炭素数4個以上の炭化水素留分(原料炭化
水素留分)とはナフサ等のスチームクラツキング等によ
つて得られるC4、C5炭化水素を主成分とする留分で、ブ
テン−1、ブテン−2、イソブテン等のモノオレフイン
系炭化水素、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、イソプレン等のジオレフイン系炭化水
素、メチルアセチレン、エチルアセチレン、ビニルアセ
チレン等のアセチレン系炭化水素、ブタン、イソブタン
等の飽和炭化水素を含有するものである。前記原料炭化
水素留分中に含まれる2個以上の二重結合および/また
は1個以上の三重結合を有する不飽和炭化水素として
は、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタ
ジエン、メチルアセチレン、エチルアセチレン、ビニル
アセチレン等が挙げられる。
前記原料炭化水素留分中のアセチレン系炭化水素の含有
量は、通常1,000〜10,000ppm、ジオレフイン系炭化水素
の含有量は500〜10,000ppmの範囲にある。
本発明の選択的水素化は温度0〜200℃、好ましくは0
〜55℃の範囲で行うことができる。圧力は1〜100kgf/c
m2、好ましくは5〜30kgf/cm2の範囲で行うことができ
る。
原料炭化水素留分の供給量(WHSV)は1〜100h-1、好ま
しくは5〜40h-1の範囲である。水素化の操作は下降流
又は上昇流で行うことができる。また気相又は液相で操
作してもよい。触媒としては多孔性無機酸化物担体にパ
ラジウムを担持したものを用いる。該担体としてはアル
ミナ、シリカ、シリカ−アルミナ等の多孔性無機酸化物
を用いることができる。前記パラジウムの担持量は0.05
〜1.0wt%が好ましい。水素の供給量は水素/ジオレフ
インのモル比で1/1〜5/1、好ましくは1/1〜2/1から選ば
れる。水素ガスは純粋な水素でもよいし、また窒素等の
不活性ガスで希釈して用いることもできる。反応系内に
添加する一酸化炭素の添加量は10〜8,000mol ppmが好ま
しい。一酸化炭素は原料炭化水素留分中あるいは水素ガ
ス中のいずれに添加してもよい。
本発明でいう電子供与体とは電子を相手に与えやすい物
質である。例えば、アルコール類、エーテル類、窒素化
合物類、芳香族炭化水素等が挙げられる。
アルコール類としては炭素数1個以上、好ましくは炭素
数1〜4個のアルコールが挙げられ、特にメタノールが
好ましい。エーテル類としては脂肪族、芳香族、環式エ
ーテルを挙げることができ、特にメチルターシヤリーブ
チルエーテルが好ましい。窒素化合物類としてはアンモ
ニア、アミン化合物等の窒素の水素化合物が挙げられ、
特にアンモニアが好ましい。アンモニアはアンモニアガ
スまたはアンモニア水のいずれの形でも用いることがで
きる。アミン化合物はアミンまたはポリアミンである。
芳香族炭化水素としてはベンゼン、トルエン、エチルベ
ンゼン、ナフタリン等が挙げられる。
また本発明で使用することができる電子供与体として、
例えばナトリウム、カリウム、銀、銅、ガリウム、イン
ジウム、クロム、モリブデン、ランタン等の金属が挙げ
られる。特に銀が好ましく用いられる。これらの金属は
金属のまま又は金属化合物で用いることができる。
前記の電子供与体は1種又は2種以上を混合して用いる
ことができる。
前記のアルコール類、エーテル類、窒素化合物類、芳香
族炭化水素等の電子供与体は原料炭化水素留分に添加す
ることできるが、ガス状で用いられるものは、水素ガス
中に添加してもよい。金属の電子供与体は触媒担体に担
持して用いる。担持方法は、通常の方法でよい。電子供
与体の添加量はアルコール類、エーテル類及び芳香族炭
化水素では、0.001〜0.1wt%(対原料炭化水素留分)が
好ましい。窒素化合物類は0.0001〜0.01wt%(対原料炭
化水素留分)が好ましい。ガス状の窒素化合物類は0.00
01〜0.01vol%(対水素ガス)が好ましい。金属は0.01
〜1.0wt%、好ましくは0.05〜0.5wt%(対触媒)であ
る。
電子供与体の添加量が少ない場合水素選択性が向上しな
い。また多い場合パラジウム触媒の水素化活性を大巾に
抑制する。
発明の効果 本発明の選択的水素化方法を採用することにより、ブテ
ン類の水素化ならびにブテン−1の異性化を起こすこと
なく、ジオレフイン類、アセチレン類等の不飽和炭化水
素のみを選択的に水素化することができる。これによ
り、工業的に有用なブテン−1の回収率を高めることが
できるだけではなく、さらに、混合ブチレンから製造さ
れるポリブテンの品質を大きく向上させることができ
る。
実施例 以下に実施例を用いて本発明の方法につき、さらに詳し
く説明を行うが、本発明の範囲はこれらによつて制限を
受けるものではない。
実施例1 アルミナ担体に0.3wt%のパラジウムを含有している市
販触媒を、ステンレス製反応管に充填後、40℃で3時
間、水素を通過させて還元後、選択的水素化反応に使用
した。
選択的水素化反応の条件は以下に示す通りである。
反応温度 :40℃ 反応圧力 :21kgf/cm2 空間速度 :30h-1 (WHSV) 水素/ジエン :2.0モル/モル 水素中の一酸化炭素:3000mol ppm 以上の操作条件で、電子供与体としてメタノール220wt
ppm(対原料炭化水素留分)を添加した原料炭化水素留
分の処理を行った。
原料組成と生成物組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエン5800molを40mol ppmま
で低減した場合、ブテン−1は原料炭化水素留分中27.9
mol%に対し、生成物中で27.6mol%である。従つて、ブ
テン−1の損失は1.1%であつた。
後述の比較例1および比較例5よりも、明らかに一酸化
炭素とメタノールの共存の方が、ブテン−1の損失が少
なくなり、選択性の向上が認められる。
実施例−2 電子供与体としてアンモニア水25wt ppm(対原料炭化水
素留分)を添加した原料炭化水素留分を使用した以外は
実施例−1と同様の操作条件で行った。
生成物の組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中27.9mol%
に対し、生成物中で27.7mol%である。従つてブテン−
1の損失は0.7%であつた。
後述の比較例2および比較例5よりも明らかに一酸化炭
素とアンモニア水の共存の方がブテン−1の損失が少な
くなり水素化選択性の向上が認められる。
実施例−3 電子供与体としてメチルターシヤリーブチルエーテル10
0wt ppm(対原料炭化水素留分)を添加した原料炭化水
素留分を使用した以外は実施例−1と同様の操作条件で
行った。生成物の組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中27.9mol%
に対し、生成物中で27.6mol%である。従つてブテン−
1損失は1.1%であつた。
後述の比較例−3および比較例5より、明らかに一酸化
炭素とメチルターシヤリーブチルエーテルの共存の方
が、ブテン−1の損失が少なくなり水素化選択性の向上
が認められる。
実施例−4 電子供与体としてベンゼン100wt ppm(対原料炭化水素
留分)を添加した原料炭化水素留分を使用した以外は実
施例−1と同様の操作条件で行った。
生成物の組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中27.9mol%
に対し、生成物中で27.5mol%である。従つてブテン−
1損失は1.4%であつた。
後述の比較例−4および比較例5より、明らかに一酸化
炭素とベンゼンの共存の方がブテン−1の損失が少なく
なり水素化選択性の向上が認められる。
比較例1 メタノール存在下で一酸化炭素の効果を明らかにするた
め、一酸化炭素を含まない純水素を用い、選択的水素化
反応を行った。操作条件は一酸化炭素を含む水素の替わ
りに純水素を使用した以外は実施例1と同様である。
生成物の組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中27.9mol%
に対し、生成物中で25.9mol%である。従つて、ブテン
−1損失は7.2%であつた。
比較例2 アンモニア水存在下で一酸化炭素の効果を明らかにする
ため、一酸化炭素を含まない純水素を用い、選択的水素
化を行った。操作条件は一酸化炭素を含む水素の替わり
に純水素を使用した以外は実施例2と同様である。
生成物の組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中27.9mol%
に対し、生成物中で26.1mol%である。従つてブテン−
1損失は6.5%であつた。
比較例−3 メチルターシヤリーブチルエーテル存在下で一酸化炭素
の効果を明らかにするため、一酸化炭素を含まない純水
素を用い、選択的水素化反応を行つた。
操作条件は一酸化炭素を含む水素の替わりに純水素を使
用した以外は実施例−3と同様である。
生成物の組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中27.9mol%
に対し、生成物中で25.9mol%である。従つてブテン−
1の損失は7.2%であつた。
比較例−4 ベンゼン存在下で一酸化炭素の効果を明らかにするた
め、一酸化炭素を含まない純水素を用い、選択的水素化
反応を行った。
操作条件は一酸化炭素を含む水素の替わりに純水素を使
用した以外は実施例−4と同様である。
生成物の組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中27.9mol%
に対し、生成物中で25.7mol%である。従つてブテン−
1損失は7.9%であつた。
比較例−5 一酸化炭素存在下でメタノール、アンモニア水、メチル
ターシヤリーブチルエーテルおよびベンゼンの効果を明
らかにするためメタノール、アンモニア水、メチルター
シヤリーブチルエーテルおよびベンゼン等の電子供与体
を含まない原料炭化水素留分を使用したこと以外は実施
例−1と同様である。
生成物の組成を第1表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中27.9mol%
に対し、生成物中で25.2mol%である。従つてブテン−
1損失は9.7%であつた。
実施例5 電子供与体を触媒に担持した例を示す。電子供与体とし
ては銀を用いた。
アルミナ担体に0.3wt%のパラジウムと0.3wt%の銀を含
有している触媒を用いて選択的水素化反応を行った。水
素還元処理は実施例1と同様である。
選択的水素化反応の条件は以下に示す通りである。
反応温度 :40℃ 反応圧力 :21kgf/cm2 空間速度 :5h-1 (WHSV) 水素/ジエン :1.5モル/モル 水素中の一酸化炭素:3000mol ppm 以上の操作条件で原料炭化水素留分の処理を行った。
原料炭化水素留分組成と生成物組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエン5700mol ppmを40mol p
pmまで低減した場合、ブテン−1は原料炭化水素留分中
25.0mol%に対し、生成物中で24.4mol%である。
従つてブテン−1の損失は2.4%であつた。
後述の比較例6より、明らかに一酸化炭素と触媒中に加
えた銀を共存させることにより、ブテン−1の損失が少
なくなり、選択性の向上が認められる。
実施例−6 電子供与体としてナトリウムを触媒に担持した例を示
す。アルミナ担体に0.3wt%のパラジウムと0.3wt%のナ
トリウムを含有している触媒を使用した以外は実施例−
5と同様の操作条件で行った。
生成物の組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中25.0mol%
に対し生成物中で24.3mol%である。従つてブテン−1
の損失は2.8%であつた。
後述の比較例7より、明らかに一酸化炭素と触媒中にナ
トリウムを共存させることにより、ブテン−1の損失が
少なくなり、選択性の向上が認められる。
実施例−7 電子供与体としてガリウムを触媒に担持した例を示す。
アルミナ担体に0.3wt%のパラジウムと0.3wt%のガリウ
ムを含有している触媒を使用した以外は実施例−5と同
様の操作条件で行った。
生成物の組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中25.0mol%
に対し生成物中で24.2mol%である。従つてブテン−1
の損失は3.2%であつた。
後述の比較例8より、明らかに一酸化炭素と触媒中にナ
トリウムを共存させることにより、ブテン−1の損失が
少なくなり、選択性の向上が認められる。
実施例−8 電子供与体としてクロムを触媒に担持した例を示す。ア
ルミナ担体に0.3wt%のパラジウムと0.3wt%のクロムを
含有している触媒を使用した以外は実施例−5と同様の
操作条件で行った。
生成物の組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol% ppmまで低
減した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中25.0mol
%に対し生成物中で24.3mol%である。従つてブテン−
1の損失は2.8%であつた。
後述の比較例9より、明らかに一酸化炭素と触媒中にナ
トリウムを共存させることにより、ブテン−1の損失が
少なくなり、選択性の向上が認められる。
実施例9 電子供与体触媒中に添加した銀(0.3wt%)と、原料炭
化水素留分中に添加したメタノールおよびメチルターシ
ヤリーブチルエーテル(各々100wt ppm)を用いて選択
的水素化反応を行った。
水素還元処理は実施例1と同様である。触媒および操作
条件は実施例5と同様である。
生成物組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中25.0mol%
に対し、生成物中でも25.0mol%である。従つてブテン
−1損失は0%であつた。
後述の比較例6よりも、明らかに一酸化炭素と触媒に添
加した銀並びに原料炭化水素留分中に添加したメタノー
ルおよびメチルターシヤリーブチルエーテルの共存によ
り、ブテン−1の損失が少なくなり、選択性が向上する
ことが認められる。
比較例6 パラジウム−銀系触媒において、一酸化炭素存在の効果
を明らかにするため、一酸化炭素を含む水素の替わりに
純水素を用い、選択的水素化反応を行った。水素還元処
理は実施例1と同様である。触媒および操作条件は実施
例5と同様である。
生成物組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中25.0mol%
に対し、生成物中でも21.5mol%である。従つてブテン
−1損失は14.0%であつた。
比較例−7 パラジウム−ナトリウム系触媒において、一酸化炭素存
在の効果を明らかにするため、一酸化炭素を含む水素の
替わりに純水素を用い選択的水素化反応を行った。触媒
および操作条件は実施例−6と同様である。
生成物組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中25.0mol%
に対し、生成物中で21.2mol%である。従つてブテン−
1損失は15.2%であつた。
比較例−8 パラジウム−ガリウム系触媒において、一酸化炭素存在
の効果を明らかにするため、一酸化炭素を含む水素の替
わりに純水素を用い選択的水素化反応を行った。触媒お
よび操作条件は実施例−7と同様である。
生成物組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中25.0mol%
に対し、生成物中で21.0mol%である。従つてブテン−
1損失は16.0%であつた。
比較例−9 パラジウム−クロム系触媒において、一酸化炭素存在の
効果を明らかにするため、一酸化炭素を含む水素の替わ
りに純水素を用い選択的水素化反応を行った。触媒およ
び操作条件は実施例−8と同様である。
生成物組成を第2表に示す。
原料炭化水素留分中のブタジエンを40mol ppmまで低減
した場合のブテン−1は原料炭化水素留分中25.0mol%
に対し、生成物中で21.1mol%である。従つてブテン−
1損失は15.6%であつた。
以上、実施例1〜9に示したように、不飽和炭化水素を
含む炭素数4個以上の炭化水素をパラジウム触媒と一酸
化炭素を含む水素の存在下において、さらに、触媒ある
いは原料炭化水素留分中のどちらか一方または両者に電
子供与体を少なくとも1種以上存在させることにより、
工業的に有用なオレフイン−1の損失を最小限にするこ
とができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−96684(JP,A) 特開 昭58−96683(JP,A) 特開 昭58−96682(JP,A) 特開 昭57−177090(JP,A) 特開 昭57−18785(JP,A) 特開 昭59−182890(JP,A) 特開 昭59−5127(JP,A) 特開 昭58−85824(JP,A) 特開 昭57−200490(JP,A) 特公 昭45−36226(JP,B1)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2個以上の二重結合および/または1個以
    上の三重結合を有する不飽和炭化水素を含有する炭素数
    4個以上の炭化水素留分中の該不飽和炭化水素を多孔性
    無機酸化物にパラジウムを担持した触媒の存在下で一酸
    化炭素を共存させて選択的に水素化する方法において、
    電子供与体を存在させることを特徴とする炭化水素類の
    選択的水素化方法。
  2. 【請求項2】前記の電子供与体がアルコール類、エーテ
    ル類、窒素化合物類および芳香族炭化水素よりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種類の化合物である特許請求の
    範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記の電子供与体がナトリウム、カリウ
    ム、銀、銅、ガリウム、インジウム、クロム、モリブデ
    ンおよびランタンよりなる群から選ばれる少なくとも1
    種類の金属である特許請求の範囲第1項に記載の方法。
JP62266634A 1987-10-23 1987-10-23 炭化水素類の選択的水素化方法 Expired - Lifetime JPH0696709B2 (ja)

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