JPH0696203B2 - 旋削機械用バイトホルダ装置 - Google Patents

旋削機械用バイトホルダ装置

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JPH0696203B2
JPH0696203B2 JP61052740A JP5274086A JPH0696203B2 JP H0696203 B2 JPH0696203 B2 JP H0696203B2 JP 61052740 A JP61052740 A JP 61052740A JP 5274086 A JP5274086 A JP 5274086A JP H0696203 B2 JPH0696203 B2 JP H0696203B2
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フリードリツヒ リンク ヘルムート
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インデツクス‐フエルバルツングス‐ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はバイトを交換自在に保持することのできる駆動
可能なバイト主軸を含む、施削機械特にタレットや旋盤
のバイト支持機構、特にバイトレボルバ用のバイトホル
ダ装置に係わる。
〔従来技術〕
旋盤による工作の自動化に伴ない、摩耗または破損した
バイトを交換する自動バイト交換システムを採用するこ
とが多くなっている。新しい旋盤においては固定バイト
のほかに回転バイトも使用されるから、バイト支持機構
の駆動可能なバイト主軸に保持されているバイトもバイ
ト交換システムによって交換できねばならないが、旋盤
の場合、ほとんど例外なく割出し可能なバイト支持機
構、特に回動可能なバイトレボルバが使用されるため、
従来から深刻な問題が不可避であった。この場合、バイ
ト支持機構またはバイトレボルバの単数または複数のバ
イト主軸を選択的に駆動するか、またはバイト交換のた
め抑止することができるように旋盤を構成し、バイト交
換システムの把持手段が交換すべきバイトを把持し易い
ように交換すべきバイトのバイト主軸を所定の角度位置
で静止させ、固定させねばならない。
このような条件を満たす公知の構成では、バイト支持機
構の各バイト主軸ごとにバイト主軸自体を駆動するため
の駆動系を、また、バイト固定装置を操作するための第
2駆動系をそれぞれ設け、第2駆動系はバイトを締付け
たりゆるめたりするため、螺条軸及びこれと協働するナ
ットを含む。該当のバイト主軸を含むバイトレボルバ部
が工作またはバイト交換位置を占める状態で、工作の場
合なら第1駆動系を工作用モータと連動させ、バイト交
換の場合なら第2駆動系を第2モータと連携させ、この
第2駆動系によってバイト固定装置をゆるめるか、また
はバイト交換後、新しいバイトを固定する。このような
公知構成においては、第2駆動系を第2モータと連動さ
せる動作がバイト主軸を固定する機能をも果す。このよ
うな公知技術は構造コストが極めて高くつき、その分だ
け製造コストが高くなるだけでなく、両駆動系のそれぞ
れに回転方向の転換が必要であるから、駆動ジャフトと
同軸ではなく角度を形成するようなバイト主軸の場合、
著しい困難を生ずる。また、以上に述べた公知の原理は
両モータが個々のバイト主軸の両駆動系の端部と個別に
連動するいわゆるディスクレボルバにおいてのみ実施可
能である。これに対して、バイトレボルバの割出し軸心
から放射状に突出するバイト主軸が共通の中心かさ歯車
によって駆動されるいわゆる星形レボルバに関しては市
販されるほどの構成は提案されていない。
〔当該発明が解決しようとする問題点〕
そこで本発明の目的は上記公知構成よりも簡単な構造を
具え、そのバイト主軸駆動系及びバイト固定装置操作シ
ステムがあらゆる種類のバイトレボルバに適応できるよ
うな願書のバイトホルダ装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段および効果〕
この目的を達成するために、本発明によるバイトホルダ
装置は、筺体と、前記筺体内に取り付けられ、その軸線
回りに回転する中空軸形状のバイト主軸と、バイト主軸
に担持され、バイトを固定してバイト主軸の軸線回りに
バイトを回転させるためのバイト駆動手段と、前記バイ
ト駆動手段の座部に対してバイトを軸線方向に固定する
ための第2ねじ要素と協働し、前記バイト主軸に関して
その軸線回りに回転するように前記バイト主軸と同心に
配置された第1ねじ要素と、前記バイト主軸を駆動する
ためにそれと同心に配置された主軸駆動要素と、前記主
軸駆動要素によって前記第1ねじ要素を回転させるため
の駆動的連結手段と、前記主軸駆動要素を前記バイト主
軸に連結するための開放可能なクラッチ手段であって、
前記主軸駆動要素がバイト主軸に連結される第1軸線方
向位置と前記主軸駆動要素がバイト主軸を回転させるこ
となく回転可能である第2軸線方向位置との間を主軸の
軸線に沿って移動可能であるクラッチ要素を具備するク
ラッチ手段と、前記クラッチ要素が第2軸線方向位置に
ある時、バイト主軸を筺体に連結するための開放可能な
固定手段、とを具備する旋削機械のバイトレボルバ用の
バイトホルダ装置において、前記第2ねじ要素はバイト
主軸に関しては回転せず、前記駆動的連結手段は前記第
1ねじ要素と前記主軸駆動要素との間の恒久的な駆動的
連結を提供するように構成されており、前記軸線方向に
移動可能なクラッチ要素には、第2固定部材と係合する
少なくとも一つの第1固定部材が設けられ、前記クラッ
チ要素がその第2軸線方向位置にある時、前記第2固定
部材が前記筺体に関して固定されることを特徴とする。
このように構成すれば上記公知構成の第2駆動系が不要
となるから、工作作業中バイト主軸を駆動するモータに
よって、バイト交換のためのバイト固定装置をゆるめ、
再び締付けることができる。好ましい実施例では、駆動
素子とバイト主軸の間に直接、解除自在な継手を介在さ
せる。
本発明のバイトホルダ装置はバイト主軸の軸方向にねじ
素子と連結した公知のチャックを含むことができ、前記
ねじ素子は駆動素子によって回転駆動される別のねじ素
子と協働してチャックの開放及び/または閉鎖を行う
(反対方向へのチャック操作は例えばばねによって行わ
れる)。ただし、本発明は全く異なるバイトホルダ装
置、例えば、バイトシャフト後部にねじ孔を形成し、本
発明における上記第1ねじ素子として作用し、駆動素子
によって回転を与えられるバイトホルダ装置の螺条軸が
前記ねじ孔に螺入するように構成したバイトホルダ装置
にも応用できる。その場合唯一の必要条件として、前記
螺条軸をバイト主軸の例えば環状フランジ、ヘッドなど
で軸方向にバイトにむかって支持し、バイト主軸内で螺
条軸を回動させることにより、バイトシャフトが軸方向
に、バイト主軸によって形成された座部、例えば細歯に
圧接固定され、その結果、バイトシャフトがバイト主軸
との相対回転を阻止されると共にバイトがバイトホルダ
装置に対して正確に位置ぎめされるようにすればよい。
ただし、第1ねじ素子を両軸方向に移動できないように
バイト主軸と結合する。なお、第2ねじ素子がバイト主
軸自体であってもよい。この場合には、固定すべきバイ
トと軸方向に結合できるように第1ねじ素子を構成し、
バイト主軸内で第1ねじ素子を回動させることにより、
バイト主軸をバイトに対して軸方向に移動させてバイト
を固定できるようにする。
バイト交換のためにバイト主軸を極めて簡単に固定でき
るようにするため、本発明によるバイトホルダ装置は、
継手が、駆動素子がバイト主軸と連動する第1状態を有
し、継手の第2状態においてバイト主軸が筺体と結合し
て固定される。バイト主軸をその駆動手段との連動から
解放するための継手操作はそのまま、バイト主軸を筺体
と結合して固定する目的にも利用されるから、バイト主
軸を固定させるための第2動作は不要である。
このバイト交換に際して、バイト主軸は軸線方向に移動
することはないために、バイトを所定位置に位置決めす
ることができ、品物の良好な加工精度が保証される。
継手は原則としていかなる種類の継手であってもよい。
継手がバイト主軸と同軸のスリーブを含み、バイト主軸
及び駆動素子の駆動部に沿って前記スリーブが摺動し、
前記駆動部と回転方向に係合すことによって駆動素子を
バイト主軸と連動させることができるようにすれば、本
発明のバイトホルダは極めて簡単な構成となる。前記ス
リーブに例えばピンを設け、バイト主軸が連動状態にあ
る時、前記ピンが駆動素子及びバイト主軸のフランジに
形成した孔を貫通して両者を回転方向に互いに係合させ
るように構成することも可能である。ただし、スリーブ
及び両駆動部に互いに摺動咬合する歯を設ける方がもっ
と簡単である。
バイト交換に際してバイト主軸を所定の回転角度位置に
固定されるようにするため、前記スリーブ及び筺体のそ
れぞれに、前記スリーブを軸方向に移動させることによ
り、これを少なくとも1つの所定の回転位置において筺
体と相対回転不能に結合させることのできる少なくとも
1つの係止素子を設ける。この係止素子としては、例え
ば歯、及びスリーブの移動に伴なってこの歯が咬合する
対応の切欠きを利用することができる。
バイト交換のため第1ねじ素子を確実にゆるめることが
できるようにするため、本発明の好ましい実施態様によ
るバイトホルダ装置では、回転方向に遊びを有する継手
を介して第1ねじ素子を駆動素子と連動させることによ
り、インパクトレンチの原理に従って第1ねじ素子をゆ
るめる。即ち、工作作業中、駆動素子を第1方向に駆動
すると、バイト主軸が連動を解かれて固定され、駆動素
子の回転方向が反転し、駆動素子は上記遊びを克服した
のち初めて第1ねじ素子を駆動し、この第1ねじ素子に
大きい衝撃モーメントを作用させる。この構成及び上記
操作方式の利点として、常時遊びが存在するから、工作
作業中にバイトの衝撃応力が発生しても第1ねじ素子が
意図に反してゆるむおそれはない。
固定すべきバイトと軸方向に結合可能な螺条軸の周りに
回動自在なナットを第1ねじ素子としてバイト主軸内に
配置することによって極めて簡単な、スペースが小さく
てすむ構成が得られる。また、第1ねじ素子を、両方向
回転方向に作用する制止手段を介して常時駆動素子と連
動させ、この連動が好ましくは両回転方向に常時に遊び
を伴なうように構成すれば、駆動素子と第1ねじ素子の
間に所要の、場合によっては遊びを伴なう恒久的な連動
関係が極めて簡単に得られる。
本発明のその他の特徴、長所及び詳細は添付図面及びこ
れに基づく5通りの好ましいバイト・ホルダ実施例に関
する以下の説明から明らかになるであろう。
〔実施例〕
第1図は割り出し軸心12を中心に回動可能なバイト・レ
ボルバ10を示し、このレボルバには公知の態様で中心駆
動シャフト14が回転自在に支持されており、前記中心駆
動シャフト14にかさ歯車16を形成してある。駆動シャフ
ト14は先端に操作カム20を有し、図示しない駆動手段に
よって双頭矢印Aの方向に往復運動を与えられる制御ロ
ッド18を貫通させることができるように中空シャフトと
して構成するのが好ましい。
バイト・レボルバ10はその周りに複数の作用部を有し、
それぞれの作用部に第1図に示すようなバイト主軸ユニ
ット22が装着されている。このバイト主軸ユニットは部
分24a,24b及び24cから成る筺体24を含み、筺体24内には
軸受26及び28を介してバイト主軸30及び主軸駆動要素と
しての駆動シャフト32が回転自在に支持されている。駆
動シャフト32の第1図右端に、かさ歯車16と咬合するか
さ歯車34を取付け、ウェッジ36によってこのかさ歯車34
を駆動シャフト32に固定する。駆動シャフト32はその左
端付近に、バイト主軸30の右端に設けた駆動フランジ44
の周縁歯42と対応する周縁歯40を含む駆動フランジ38を
具備する。駆動シャフト32は中空シャフトであり、第1
図位置から制御ロッド18によって矢印Bの方向に移動さ
せられる操作ピン48を内蔵している。この操作ピンの横
断孔50に係止ピン52が挿着されており、該係止ピン52が
駆動シャフト32に形成した細長い溝を貫通して操作スリ
ーブ56の横断孔に打込まれ、従って操作スリーブ56は駆
動シャフト32と一体化され、これと一緒に回転する。
本発明では、駆動シャフト32周りに回転自在にクラッチ
要素としてのスリーブ継手60を設け:操作スリーブ56と
スリーブ継手60の間に軸受ディスク62を介在させる。ス
リーブ継手60は鐘形を呈して駆動フランジ38,44にかぶ
さってこれと咬合し、駆動シャフト32及びバイト主軸30
の周縁歯40及び42へ軸方向に進入できる内歯64を具備す
る。これらスリーブ継手60と、その内歯64と、駆動シャ
フト32及びバイト主軸30の係合部としての両駆動フラン
ジ38及び44に設けられた周縁歯40及び42とは、駆動シャ
フト32をバイト主軸30に連結するための開放可能なクラ
ッチ手段を形成する。第1図で操作ピン48が、復旧ばね
70によって常時右方にむかって操作スリーブ56に圧接さ
せられるスリーブ継手60の右限位置をも限定する右限位
置を占めている。
スリーブ継手60の周面に歯72を取付けてあるが、スリー
ブ継手60には回転角度180゜の間隔で同様の歯を2個装
着してもよい。スリーブ継手60が筺体部分24c内で回転
できるようにするため、筺体部分24cはその内周に、第
1図左側をフランジ76によって限定される切欠き74を具
備し、前記フランジ76には、歯72が1個だけの場合には
固定溝78を1つだけ、歯72が2個の場合には互いに対向
する2つの溝78を形成する。スリーブ継手60を第1図左
方へ移動させることにより、第1固定手段としての歯72
が第2固定手段としての固定溝78に嵌合してスリーブ軸
60を筺体24に対して固定する固定手段が形成され、スリ
ーブ継手60を1つの所定回転角度位置、または回転方向
に互いに180゜だけずれた2つの所定位置に制止するこ
とができる。
中空に形成されたバイト主軸30は第1図左端即ち、前端
に座部としての細歯80を有し、公知のタレット式バイト
・チャック82、ねじスピンドル84及びナット86を収容
し、第1ねじ要素としての前記ナット86はねじスピンド
ル84の第2ねじ要素としての螺条軸部88に螺合し、軸方
向に第1図左方にむかって軸方向ニードル軸受90及びバ
ックアップリング92を介してバイト主軸30で支持され
る。ねじのピッチ方向は例えば、ナット86を(第1図右
側から見て)時計方向に回動させることによりねじスピ
ンドル84が矢印Cの方向に、即ち、右方へ引かれるよう
に選択し、その場合、ナット86が上述のように軸方向ニ
ードル軸受90を介してバイト主軸30で支持されるように
する。
ねじスピンドル84の溝に埋込んだOリング96は該Oリン
グの第1図右側領域でバイト主軸30の内部に塵埃、冷却
媒、切削油剤などが侵入するのを効果的に防止する。互
いに咬合するテーパ歯98を介してバイト主軸30とねじス
ピンドル84とが相対回転できないように互いに結合され
る。ねじスピンドル84はその第1図左端にきのこ形ヘッ
ド100を有し、ナット86を回してねじスピンドル84を右
方へ引くと、前記ヘッド100がチャック82と咬合してこ
れを右方へ引く。第1図はチャック82を閉鎖状態、即
ち、バイト102を締付けている状態で示しているが、チ
ャック82を閉じるため、チャック82の外周面及びバイト
主軸30の内周面に、第1図に示す位置まで右方へ引かれ
るとチャック82を閉じるように作用する2対の円錐面10
4,106を設ける。チャックを閉じる過程でバイト102のシ
ャフト108がクランプされるだけでなく、バイトシャフ
ト及びチャック82が図示のような形状を有するから、バ
イト102が心立てされ、背面の細歯がバイト主軸30の細
歯80と咬合する。
このように、細歯80、チャック82、ねじスピンドル84、
テーパ歯98、きのこ形ヘッド100は、バイト駆動手段を
構成する。
同じく第1図に、バイト102を位置112において把持する
ことのできるバイト交換システムの把持手段110を示し
た。
第1及び第1a図から明らかなように、駆動シャフト32の
第1図左端はバイト主軸30に嵌入し、その左端面に2つ
の円弧状爪116を具備し、該爪116はナット86に形成した
2つの爪118と遊びを伴なって咬合することにより、駆
動的連結手段としての咬合継手を構成するが、第1a図か
ら明らかなように、回転方向に遊びを残す。ナット86と
駆動シャフト32の間に回転方向にある程度の遊びを残す
ことができるなら、図示のものと異なる態様の咬合継手
を採用してもよいことはいうまでもない。
なお、スリーブ継手60の内歯64の長さは、スリーブ継手
60が第1図図示位置から歯72が固定溝78と咬合するまで
左方へ移動すると駆動シャフト32の周縁歯40との咬合を
解かれるように設定する。
次に第1及び第1a図に示す実施例の作用を詳細に説明す
る。
バイト102による工作が行われる時、スリーブ継手60は
筺体24内で回転でき、かつ駆動シャフト32をバイト主軸
30と連動させる第1図図示位置を占める。
バイト102の交換に際しては、駆動シャフト14の、従っ
て駆動シャフト32の回転速度が低い場合、制御ロッド18
を下方へ移動させることにより、操作ピン48を、従っ
て、スリーブ継手60を復旧ばね70の力に抗して左方へ、
内歯64が駆動シャフト32の周縁歯40との咬合を解かれ
て、駆動シャフト32との連動を解かれたバイト主軸30を
固定するまで押圧する。この状態でバイト交換システム
の把持手段110はバイト102を把持することができる。
スリーブ継手60が第1図左方へ移動するのに伴なって駆
動シャフト32は(第1図右側から見て)時計方向に回転
したが、ここで駆動シャフト14の回転方向を反転させる
と、駆動シャフトは左回転となるが、この逆もまた可能
である。その結果、インパクトレンチ作用でナット86が
ゆるめられる。なぜなら、駆動シャフト32が右回転な
ら、爪116が爪118の端部と当接するから、回転方向反転
後、爪116が継手116,118の遊びだけ回動し、衝撃によっ
てナット86を回転させるからである。ナット86は駆動シ
ャフト32を介して軸方向に第1図右方へも(軸受28を介
して)筺体24cで支持されているから、ナット86の左回
転によりねじスピンドル84が、従って、チャック82が第
1図左方へ移動し、チャックはバイト主軸30に形成した
円錐円の作用下に公知の態様で開放してバイト102のシ
ャフト108を解放し、これと同時にバイトを把持手段110
によって取外し、他のバイトと交換することができる。
次いで駆動シャフト14の回転方向を再び反転させ、ナッ
ト86を右回動させることによってチャック82を閉じ、こ
れと同時に新しいバイト102の細歯をバイト主軸30の細
歯と咬合させる。
操作ピン48を解放することにより、即ち、制御ロッド18
を上動させることによってバイト交換サイクルが終了
し、復旧ばね70がスリーブ継手60を右方へ押圧する。こ
の動作は中心駆動シャフト14のモータを停止した状態で
行われる。復旧ばね70がスリーブ継手の内歯64を駆動シ
ャフト32の周縁歯40と咬合させることができなければ、
僅かだけ左方へ(ナット86及び螺条軸部88のピッチ方向
が逆なら右方へ)移動させることにより、駆動シャフト
32とバイト主軸30をスリーブ継手60を介して再び相対回
転できないように結合し、新しいバイトの使用を可能に
する。
スリーブ継手60を駆動シャフト32の周縁歯40に対して咬
合及び離脱させる際に駆動シャフト32の回転方向を反転
させるから、バイトの動作中、爪118は常に両回転方向
に遊びを残しており、従って動作中のバイト102の衝撃
応力がナットをゆるめたり、過度に締付けたりする原因
とはならない。本発明では歯40,42及び64のピッチを、
爪116,118の回転方向遊びの範囲内に、駆動シャフト32
に対するスリーブ60の回転角度位置が数多く存在し得る
ように細かく設定し、上記回転方向反転と相埃って爪11
8の回転方向遊びが必らず確保されるようにする。
スリーブ継手60と駆動シャフト32の周縁歯40との咬合が
駆動シャフト32の所定回転方向にだけ行われる場合、周
縁歯40への内歯64の導入を容易にするため、スリーブ継
手の歯に斜角を付けることが好ましい。このことは歯72
及び固定溝78についても同様である。第2図に示す実施
例が第1図の実施例と異なるのはスリーブ継手の操作態
様だけであり、従って、第2図実施例の説明はスリーブ
継手の操作だけに限定する。
この実施例では筺体部分24b′に操作ピン48′が移動自
在に案内され、筺体部分24b′に押入されると該操作ピ
ン48′がダブルアーム操作レバー56′を反時計方向に旋
回させる。このように構成したから、バイト交換システ
ムの適当に形成した把持手段110′でスリーブ継手60′
をその復旧ばねの作用に抗して第2図左方へ移動させる
ことができ、第1図の実施例における制御ロッド18のよ
うな特別な操作部材を必要としない。
第3図に示す実施例の機能は基本的に第1図の実施例と
同じであるから、第3図に示す実施例の最も重要な部分
だけを以下に説明する。
筺体部分24c″内に駆動シャフト32″が回転自在に支持
されており、この駆動シャフト32″は駆動素子124のか
さ歯車122と咬合するかさ歯車120を左端に具備する。ス
リーブ継手60″はテーパ64a″を介して恒久的にバイト
主軸30″と相対回転不能に結合され、軸方向に移動させ
ることにより、比較的短いテーパ歯64b″を介して駆動
素子124と連動させたり、連動を解いたりすることがで
き、第3図は連動を解かれた状態を示す。スリーブ継手
60″には、該スリーブ継手60″を、従って、バイト主軸
30″を制止するための筺体部分24a″の固定溝78″に嵌
入できる歯72″をも設ける。
スリーブ継手60″を操作するのは第3図に非作用位置で
示す操作ピン48″であり、操作ピン48″が左方に移動す
るとスリーブ継手60″が下方へ移動するように前記操作
ピン48″がスリーブ継手60″に形成した円錐面48a″と
協働する。
第4の実施例と第3図の実施例の相違点もスリーブ継手
60″の操作態様であり、スリーブ継手操作のため、操作
ピン148により復旧ばね150の作用に抗して旋回させるこ
とのできるダブルアーム操作レバー156を筺体部分24b″
内に支持したから、第4図の実施例の場合にも第3図実
施例の場合と同様にバイト交換システムの把持手段によ
ってスリーブ継手を操作することができる。
本発明の以上の説明から明らかなように、例えば両ねじ
素子を相対回動させることによって締付け動作を発生さ
せる一方、締付け解除動作にばねなどを利用するだけで
充分であるから、第2のねじ素子、即ち、第1図実施例
の場合なら螺条部88を両軸方向に、締付けるべきバイト
と間接的または直接的に結合する必要は全くない。従っ
て、すでに述べたように、駆動素子、例えば第1図実施
例の駆動シャフト32によって駆動される第1ねじ素子、
例えば第1図実施例のナット86は一方の軸方向にだけバ
イト主軸に対して支持すれば充分である。
第5図には他の実施例の要部だけを示したが、第1図実
施例と対応する部分には第1図と共通の、ただし末尾に
文字“a"を追加した参照番号を付した。第5図では駆動
軸32aの周りにスリーブ継手60aが回転自在に支持されて
いる。スリーブ継手60aは駆動シャフト32a及びバイト主
軸30aのそれぞれ周縁歯40a及び42aと咬合可能な内歯64a
を具備する。駆動シャフト32aには爪118aを形成してあ
り、第1及び1a図の実施例における爪116,118と同様
に、図示しないがクラッチリング200の爪の間に遊びを
伴なって咬合する。
第1図実施例のナット86に代わるのが第5図実施例のボ
ルト部86aであり、テーパ歯202を介してクラッチリング
200と相対回動不能に結合され、そのフランジ204がつば
軸受90aを介して軸方向にバイト主軸30aで支持される。
シャフトを有するバイト102aは第2ねじ素子として、螺
条軸86aが螺入されるねじ孔88aを具備する。螺条軸86a
を回動させることにより、工具102aの背面及びバイト主
軸30aの前端面に形成した細歯80aを互いに咬合させてバ
イトをバイト主軸に固定することができる。クラッチリ
ング200は螺条軸86aに沿って軸方向に移動できるから、
バイトが把持手段によって細歯80aと咬合するように押
圧され、バイト主軸30aの駆動手段が作動している状態
でばね206は部分32a及び200で構成される爪継手を咬合
状態に維持すると共に螺条軸86aをねじ孔88aに押入する
ように作用する。
即ち、第5図の実施例から明らかなように、本発明のバ
イトホルダー装置の両ねじ素子の一方、即ち、第2ねじ
素子88aは本来のバイトホルダー装置の構成部分でなく
てもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図はいわゆる星形レボルバとして構成したバイト主
軸の、バイトレボルバの割出し軸心に沿った軸方向断面
図;第1a図は第1図1a−1a線における断面図;第2図は
駆動シャフトとバイト主軸の間の継手操作態様だけが第
1図の実施例と異なる星形レボルバ第2実施例の、第1
図と同様の断面図;第3図は回転駆動手段を含み、鎖線
で示すような割出し軸心を有するいわゆるディスクレボ
ルバ用に構成されたバイト主軸ユニットの軸方向断面
図;第4図は第3図の実施例とは継手操作態様だけが異
なるバイト主軸ユニットの、第3図と同様の軸方向断面
図;第5図はバイト主軸ユニットの他の実施例を示す軸
方向断面図である。 10……バイトレボルバ 12……割出し軸心 14……中心駆動シャフト 18……制御ロッド 20……操作カム 22……バイト主軸ユニット 24……筺体 30……バイト主軸 32……駆動シャフト 38,44……駆動フランジ 40,42……周縁歯 48……操作ピン 60……スリーブ(継手) 70……復旧ばね 76……フランジ 80……細歯 82……チャック 84……ねじスピンドル 86……ナット 88……螺条軸 102……バイト 108……バイトシャフト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筺体(24)と、前記筺体(24)内に取り付
    けられ、その軸線回りに回転する中空軸形状のバイト主
    軸(30)と、バイト主軸に担持され、バイト(102,10
    8)を固定してバイト主軸の軸線回りにバイトを回転さ
    せるためのバイト駆動手段(80,82,98,84,100)と、前
    記バイト駆動手段の座部(80)に対してバイトを軸線方
    向に固定するための第2ねじ要素(88)と協働し、前記
    バイト主軸(30)に関してその軸線回りに回転するよう
    に前記バイト主軸(30)と同心に配置された第1ねじ要
    素(86)と、前記バイト主軸(30)を駆動するためにそ
    れと同心に配置された主軸駆動要素(32)と、前記主軸
    駆動要素(32)によって前記第1ねじ要素(86)を回転
    させるための駆動的連結手段(116,118)と、前記主軸
    駆動要素(32)を前記バイト主軸(30)に連結するため
    の開放可能なクラッチ手段であって、前記主軸駆動要素
    (32)がバイト主軸(30)に連結される第1軸線方向位
    置と前記主軸駆動要素がバイト主軸を回転させることな
    く回転可能である第2軸線方向位置との間を主軸の軸線
    に沿って移動可能であるクラッチ要素(60)を具備する
    クラッチ手段(60,40,42,64)と、前記クラッチ要素(6
    0)が第2軸線方向位置にある時、バイト主軸(30)を
    筺体(24)に連結するための開放可能な固定手段(72,7
    8)、とを具備する旋削機械のバイトレボルバ(10)用
    のバイトホルダ装置(22)において、前記第2ねじ要素
    (88)はバイト主軸(30)に関しては回転せず、前記駆
    動的連結手段(116,118)は前記第1ねじ要素(86)と
    前記主軸駆動要素(32)との間の恒久的な駆動的連結を
    提供するように構成されており、前記軸線方向に移動可
    能なクラッチ要素(60)には、第2固定部材(78)と係
    合する少なくとも一つの第1固定部材(72)が設けら
    れ、前記クラッチ要素(60)がその第2軸線方向位置に
    ある時、前記第2固定部材(78)が前記筺体(24)に関
    して固定されることを特徴とするバイトホルダ装置。
  2. 【請求項2】前記クラッチ要素(60)は前記バイト主軸
    (30)と同心のスリーブ形状であり、前記主軸駆動要素
    (32)を前記バイト主軸(30)に連結するために、前記
    クラッチ要素は前記バイト主軸及び前記主軸駆動要素の
    係合部分(38,44)上を軸線方向に移動可能であり、前
    記クラッチ要素(60)及び前記係合部分(38,44)には
    互いに滑り可能に適合する歯(64,40,42)が設けられて
    いる請求項1に記載のバイトホルダ装置。
  3. 【請求項3】前記駆動的連結手段(116,118)には回転
    方向に隙間が設けられている請求項1又は2に記載のバ
    イトホルダ装置。
  4. 【請求項4】前記第1ねじ要素としてのナット(86)
    が、前記第2ねじ要素を形成してバイト(102,108)を
    固定するためにそれと軸線方向に接続可能なねじ軸(8
    8)に回転可能に取り付けられている請求項1から3の
    いずれかに記載のバイトホルダ装置。
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