JPH0695889B2 - 燐脂質組成物 - Google Patents

燐脂質組成物

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JPH0695889B2
JPH0695889B2 JP60099656A JP9965685A JPH0695889B2 JP H0695889 B2 JPH0695889 B2 JP H0695889B2 JP 60099656 A JP60099656 A JP 60099656A JP 9965685 A JP9965685 A JP 9965685A JP H0695889 B2 JPH0695889 B2 JP H0695889B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、そのまま菓子に仕上げたり、或いはパンの塗
り物として用いても、燐脂質特有の臭みがなく、しかも
美味しく供食することができる燐脂質組成物に関する。
〔従来技術〕
燐脂質は、卵黄や大豆に2〜6%程度含まれており、動
物の生体内では生命の維持に関与する組織脂肪として広
く知られている。
かかる燐脂質の生体内での作用は、明らかにされていな
い点が多いが、最近、燐脂質は、血中のコレストロール
を低下させたり、脂肪肝を予防するという生理作用があ
るばかりでなく、幼児の知能の発育を促進したり、老人
の痴呆症を予防するという頭脳細胞の生理にも関与して
いることが明らかにされつつある。
ところで、燐脂質は卵や大豆には比較的多量に含まれて
いるものの、これらの食品以外には微量にしか含まれて
おらず、したがって、現在の日本人の食事では燐脂質が
不足しがちとなり、健康面では好ましくない状態であ
る。
そこで、燐脂質を一度に多量に摂取できる食品の提供が
望まれるが、燐脂質(粗製のものばかりでなく、精製し
て純度100%にしたものであっても)は、人の臭覚には
なじまない独特の臭みを有するため、食品中への燐脂質
の添加量を多くすればする程、食品は燐脂質臭の強いも
のとなり、食用に不適となる傾向にある。
このような問題を解決するために、従来より、特開昭60
-49747号公報にみられるように、燐脂質と中鎖脂肪酸ト
リグリセライドからなる燐脂質組成物が提案されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記提案の燐脂質組成物は、中鎖脂肪酸トリグ
リセライドを主成分とするため、液状であって、この組
成物をそのまま供食することができないばかりでなく、
組成物中の燐脂質の含量を高くすると、組成物の燐脂質
臭が強くなり、その組成物は食用に不適となってしま
う。
本発明は、燐脂質の含量を高くしても、燐脂質特有の臭
いを感ずることなく美味しく供食できる燐脂質組成物を
提供することを目的としてなされたものである。
〔問題を解決するための手段〕
本発明の燐脂質組成物は、全原料中、燐脂質を10〜50
%、固形脂を15〜90%含んでなることを特徴とする(水
分が、燐脂質の30〜70%含まれるものは除く)。
本発明において燐脂質とは、卵黄や魚肉等の動物組織、
大豆やナタネ等の植物組織から抽出・精製して得られる
グリセリン・脂肪酸及びリン酸を構成成分とする純度10
0%の複合脂質及び粗製の燐脂質(上記複合脂質が含ま
れている動・植油脂)をいう。上記純度100%の複合脂
質のみからなる燐脂質は、人の臭覚になじまない臭気を
有するものであるが、粗製の燐脂質であっても、例えば
卵の生臭み、大豆の生臭み等の同種の臭気を有し、これ
らの臭気を感じさせない組成物を提供するのが本発明の
目的だからである。
また、固形脂とは、バター、カカオ脂等の常温でペース
ト状又は固形状の動植物性油脂、および、大豆油・ナタ
ネ油・魚油等の動植物性油脂を常法により水素添加して
得られるショートニング・硬化油等の常温でペースト状
又は固形状の油脂をいう。
尚、本発明の燐脂質組成物を製造するには、原料として
用いる燐脂質や固形脂は勿論、ペースト状又は固形状の
ものをそのまま使用できるが、粉末状に加工したものを
使用することもできる。
以下、本発明の燐脂質組成物及びその菓子の製法を示す
と、まず、主原料の燐脂質・固形脂・さらには好みに応
じて、砂糖・粉糖等の甘味料、カカオマス・各種フレー
バー等の香料、カラギーナン等の固化剤等を用意する。
次に、上記原料をミキサー等に入れて撹拌混合して練り
上げる。主原料となる燐脂質や固形脂は常温ではペース
ト状又は固形状であるから、原料を70℃以上に加熱して
燐脂質や固形脂を液状に溶解させて撹拌すると作業を能
率的に行うことができる。
目的の燐脂質組成物を菓子用等の常温で固形状のものに
仕上げたいときは、使用する原料のうち、固形脂として
はナタネ硬化油等のいわゆるハードタイプのものを用
い、また粉糖等の粉状原料の配合割合を多くするとよ
い。また、スプレッド等の常温でペースト状のものに仕
上げたいときは、固形脂としてバター・カカオ脂・ショ
ートニング等のいわゆるソフトタイプのものを用いると
よい。
燐脂質の配合割合は、全原料中10〜50%(重量%のこと
をいう、以下同じ)である。その配合割合が低すぎる
と、燐脂質組成物としての意味がなくなってしまい、ま
た、高すぎると燐脂質特有の臭みがついた製品になって
しまい好ましくないからである。
また、固形脂の配合割合は、全原料中15〜90%である。
その配合割合が低すぎると燐脂質特有の臭みを消すこと
ができず、また、高すぎるとろうを噛むような不味な製
品になってしまうからである。
最後に、上記の配合の全原料を加熱混合して練り上げて
得られるペーストを菓子等の固形状の製品にするとき
は、固形脂としてハードタイプの原料を用いたものを適
宜形状の鋳型等に分注し、冷却して固化させればよい。
また固形脂としてソフトタイプの原料を用いたものは、
そのままスプッレッド等のペースト状の製品にする。ペ
ースト状製品は適当な容器に分注して密封すればよい。
〔作用〕
本発明の燐脂質組成物は、主成分の一つが固形脂である
ので、燐脂質特有の臭みがないものに仕上げることがで
きる。その機構については定かでないが、固形脂は、そ
の脂肪酸に二重結合が極めて少なく、したがって流動性
が低いため臭い成分を閉じ込める作用があり、同時に分
散性が低いため舌の味細胞膜に臭い成分を吸着させるの
を妨害する作用があることから、本発明の燐脂質組成物
を供食する際、固形脂が臭い成分のマスキング作用をす
るものと推察される。
また、本発明の燐脂質組成物は、燐脂質と固形脂が主成
分であるので、固形脂単独の場合のようなろうを噛むよ
うな食味ではなくなり、美味しく供食できる。
以下、本発明の効果を示す試験例を説明する。
試験例1. テスト区として、卵黄燐脂質(燐脂質含量60%)とナタ
ネ硬化油を表−1に示す配合割合(重量%、以下同様)
で混合し、得られたサンプルについて外観・臭い及び食
味を観察したところ、表−1の結果が得られた。
尚、表中の記号のうち、外観において、固は固体状、臭
いについて−は燐脂質特有の臭いを感じないこと、+,
++,+++は燐脂質特有の臭いを感じることを示し、
+++になる程その臭いが著じるしくなることを意味す
る、また、食味において×は不味で食べにくいことを、
△は若干食べやすくなり、○は美味しく食べられること
を示す。
(臭いと食味についてのテスト結果は、よく訓練したパ
ネル10名による平均値を記号化したものである) 対照区として、卵黄燐脂質(燐脂質含量60%)と中鎖脂
肪酸トリグリセライドを表−2に示す配合割合で混合
し、得られたサンプルについて、テスト区と同様のテス
トをしたところ、表−2の結果が得られた。
尚、表中の記号のうち、外観において、液は液状のこと
を、ペはペースト状のことを示す。その他の記号につい
ては、表−1の場合と同じである。
表より、中鎖脂肪酸トリグリセライドは、燐脂質特有の
臭いを抑制しがたことが理解できる。
試験例2. テスト区として、卵黄燐脂質(燐脂質含量60%)、ナタ
ネ硬化油及び粉糖を表−3に示す配合割合で混合し、得
られたサンプルについて試験例1と同様のテストをした
ところ、表−3の結果が得られた。
尚、表中の記号については、表−1の場合と同じであ
る。
対照区として、卵黄燐脂質(燐脂質含量60%)中鎖脂肪
酸トリグリセライド及び粉糖を表−4に示す配合割合で
混合し、得られたサンプルについて試験例1と同様のテ
ストをしたところ、表−4の結果が得られた。
尚、表中の記号については、表−1の場合と同じであ
る。
〔実施例〕
実施例1 次の原料を用意した。
卵黄燐脂質(燐脂質含量60%、キユーピー株式会社製・
商品名「PL−60」) 500g 粉末状硬化ナタネ油 250g カカオ脂 200g粉 糖 50g 計 1Kg 上記原料を加熱式ミキサー内に入れ、各原料を80℃に加
熱した後、30分間撹拌混合してペースト状に練り上げ
た。
得られたペーストを5cc容梅花様の鋳型に分注した後常
温に放置し、ペーストを固化させ、而る後、この固化し
たものを鋳型より取り出したところ、梅花型の菓子185
個が得られた。
実施例2 次の原料を用意した。
大豆燐脂質(燐脂質含量60%、ライスランド社製・商品
名「レシ・リキッド」) 500g 粉末状硬化ナタネ油 200g マーガリン 100g 粉 糖 100gカカオマス 100g 計 1Kg 上記原料を実施例1と同じ方法で練り上げた後、梅花型
に仕上げたところ、チョコレート風味の菓子180個が得
られた。
実施例3 次の原料を用意した。
卵黄燐脂質(燐脂質含量70%、キユーピー株式会社製・
商品名「PL−70」) 480g ショートニング 400g粉 糖 120g 計 1Kg 上記原料を加熱式ミキサー内に入れ、40分間撹拌してペ
ースト状に練り上げた。
得られたペーストを225cc容の容器に分注し、蓋をし
て、容器詰めレシチンスブレッド4個を得た。
得られたレシチンスブレッドは、常温(20℃)でペース
ト状であり、スプーンですくってパンに容易に塗布する
ことができた。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明の燐脂質組成物は、一定割合
の燐脂質と固形脂を含んでいるので、常温で固形状又は
ペースト状であり、しかも人の臭覚になじまない燐脂質
特有の臭気がなく、また、食味がよいため菓子にした
り、パンに塗布して美味しく供食することができる。
したがって、本発明の燐脂質組成物は、燐脂質を摂取す
るための健康食品として最適であるばかりでなく、幼児
の知能発育用或いは老人の痴呆症防止用の食品ともする
ことができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全原料中、燐脂質を10〜50%、固形脂を15
    〜90%含んでなることを特徴とする燐脂質組成物(水分
    が燐脂質の30〜70%含有されるものは除く)。
  2. 【請求項2】燐脂質を卵黄燐脂質とした特許請求の範囲
    第1項記載の燐脂質組成物。
  3. 【請求項3】固形脂を硬化油とした特許請求の範囲第1
    項記載の燐脂質組成物。
  4. 【請求項4】固形状に成型してなる特許請求の範囲第1
    項乃至第3項のいずれかに記載の燐脂質組成物。
JP60099656A 1985-05-13 1985-05-13 燐脂質組成物 Expired - Lifetime JPH0695889B2 (ja)

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JPS61260840A JPS61260840A (ja) 1986-11-19
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59210867A (ja) * 1983-05-13 1984-11-29 Taiyo Kagaku Kk 栄養食品組成物
JPS6049747A (ja) * 1983-08-29 1985-03-19 Sanyuu Shoji Kk リン脂質組成物
JPS60232057A (ja) * 1984-04-27 1985-11-18 Kanebo Shokuhin Kk チヨコレ−ト菓子

Patent Citations (3)

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JPS60232057A (ja) * 1984-04-27 1985-11-18 Kanebo Shokuhin Kk チヨコレ−ト菓子

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