JPH0695122A - 液晶光学素子 - Google Patents

液晶光学素子

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JPH0695122A
JPH0695122A JP5205614A JP20561493A JPH0695122A JP H0695122 A JPH0695122 A JP H0695122A JP 5205614 A JP5205614 A JP 5205614A JP 20561493 A JP20561493 A JP 20561493A JP H0695122 A JPH0695122 A JP H0695122A
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修三 金子
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健夫 塚本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な諧調表示特性を有する強誘電性液晶光
学素子を提供する。 【構成】 一対の上下電極基体10a,10b間に強誘
電性液晶層5を少なくとも挟持してなる画素を形成し、
上記電極2a,2b間に信号に応じた外部電圧を付与す
ることによって上記画素を駆動せしめる液晶光学素子で
あって、上記画素の少なくとも片側の電極と強誘電性液
晶との間に、平均粒径が30Å〜300Åの導電性を有
する超微粒子を含む微粒子を分散させた層3a,3b
と、該層上に多数ピンホールを有し、膜性を有する部分
の平均膜厚が上記超微粒子の平均粒径よりも小さい配向
制御層4a,4bを設けた液晶光学素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶を用いた光学素子に
関し、特に、自発分極を有する強誘電性液晶を用いて良
好な諧調表示特性を付与するための素子構成に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶(FLC)はその高速性、
メモリ性などの利点に注目され、表示素子、ライトバル
ブなどのために積極的に利用されている。
【0003】上記利点を生かしたターゲットとして、光
シャッタアレイ、単純マトリクス駆動による高精細表示
装置、光導電体と組み合わせた高密度記録のライトバル
ブなどが挙げられる。さらに薄膜トランジスタ(TF
T)などを用いたアクティブマトリクス駆動による動画
像表示にも期待がよせられている。
【0004】特に、FLCを用いた表示装置の表示能力
を高めるために良好な中間調を得るための多大な努力が
これまでになされている。
【0005】例えば、ひとつの画素内に、白黒のドメイ
ンの混在状態を作り出すものとして、特開昭59−19
3427明細書中に記載のように電極基板の自然発生的
なムラあるいは意図的に微小モザイクパターンを付与す
ることによる方法、または特開昭61−166590記
載の絶縁層厚みに階段状分布をつけることにより諧調を
得る方法などが挙げられる。さらには特開昭62−13
1225に示されるように電極上に強誘電体を散在させ
る方法、また、特開昭64−77023に欠陥の多い配
向状態を得ることによる方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような方法によ
り、中間調状態を作り出すことは確認されているが、さ
らに画素内で均一化された中間調あるいは制御された諧
調特性が望まれている。
【0007】さらに、コントラストを良好に保つには、
なるべく欠陥の観察されない配向状態が望ましい。
【0008】上記の中間調表示を行う上で困難な問題と
なるのは、FLC自身が有する自発分極により誘起され
る反電場効果である。即ち、自発分極に対応して偏在す
る内部イオンが電界を形成すると考えられる原因により
所望の中間調を不安定にし、また、外部から与える印加
電圧に対して光学応答においてヒステリシスを生ずる場
合があった。これは、「黒状態」または「白状態」の自
発分極の向きに対してそれぞれ、各々の状態を安定化さ
せる向きにイオンの偏在が起き、この偏在の極性の違い
により、短い間のリセット(「黒消去」)後に与える電
圧Vwを等しく印加した場合に於ても、前状態(「白」
か「黒」)で液晶部分に印加される電圧が異なるために
起こると考えられる。
【0009】上記のような反電場効果に対応するものと
して、例えば特開昭63−121020等において、配
向制御膜を低インピーダンス化することによりいわゆる
反電場によるスイッチング不良に対処する出願がある。
また、あるいは特開平2−153321において配向膜
の低インピーダンス化をするための多種類の有機導電性
膜が開示されている。さらに特開昭64−49023に
おいては、低インピーダンス化したショート防止のパッ
シベーションに薄層の配向層を形成する開示がされてい
る。
【0010】しかしながら、上記例示した開示によれ
ば、特に精密な諧調性を有しないパネルとしては相当の
効果をもたらすものの、十分良好な諧調性を表現し得る
ものではなかった。
【0011】従って、本発明の目的は、良好な配向性と
均一で安定した中間調が得られ、かつ諧調設計を容易に
した強誘電性液晶光学素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明者らは詳細な検証を行ない以下の本
発明に至った。
【0013】すなわち、本発明は第一に、一対の上下電
極基体間に強誘電性液晶層を少なくとも挟持してなる画
素を形成し、上記電極間に信号に応じた外部電圧を付与
することによって上記画素を駆動せしめる液晶光学素子
であって、上記画素の少なくとも片側の電極と強誘電性
液晶との間に、平均粒径が30Å〜300Åの導電性を
有する超微粒子を含む微粒子を分散させた層と、該層上
に多数ピンホールを有するように配向制御層を設けたこ
とを特徴とする液晶光学素子であり、第二には、一対の
上下電極基体間に強誘電性液晶層を少なくとも挟持して
なる画素を形成し、上記電極間に信号に応じた外部電圧
を付与することによって上記画素を駆動せしめる液晶光
学素子であって、上記画素の少なくとも片側の電極と強
誘電性液晶との間に、平均段差が30Å〜300Åの微
細凹凸を分散させた層と、上記微細凹凸の平均段差より
大きな段差と平均的なセルの厚み以上のピッチを有する
凹凸手段を設けたことを特徴とする液晶光学素子であ
る。
【0014】以下、図面を用いて本発明を説明する。
【0015】図1は本発明の液晶光学素子の一例を模式
的に示した断面図であり、図2はその部分拡大図であ
る。
【0016】図中、1a,1bはガラス、石英などの透
明基板であり、2a,2bはITO,SnO2 ,In2
3 等からなる透明電極、またはAl,Au等の電極で
ある。本発明ではこれらにより形成された電極基体10
a,10b上に平均粒径が30Å〜300Åである導電
性の超微粒子を分散させた膜3a,3bを設け、さら
に、ポリイミド,ポリアミド,ポリビニルアルコール等
の薄膜をスピン法あるいはLB法により塗工し、配向処
理を施した配向制御層4a,4bを設けている。
【0017】さらに5は強誘電性液晶(FLC)層であ
り、適度な大きさの自発分極PS (例として1nC/c
2 〜100nC/cm2 )を有するものが充填され
る。
【0018】本発明において、上記微粒子分散膜3a,
3bは、例えばポリイミドやポリビニルアルコールなど
の通常の絶縁性膜に対し、その抵抗を十分に小さくする
ことによりセル全体の時定数を下げ、かつ同程度の膜厚
であれば、上記絶縁性膜に対し、膜容量CA を大きく保
つことができるため、従来問題視されてきた絶縁性層の
存在による導通疎外の影響を十分小さくしてやることが
できる。
【0019】即ち、従来よりの前述の透過率変動やヒス
テリシスなどの現象課題は、FLC特有の様々な中間調
状態における自発分極PS の向きの違いにより変動する
△QPSにより引き起こされると考えられるから、本発明
では前記微粒子分散膜の抵抗を小さくしてやることで、
図3に示される擬似等価回路により導出される合成時定
数{RALC(CA +CLC)}/(RA +RLC)〜RA
(CA +CLC)(近似〜はRA ≪RLCの場合)を小さく
し、上記△QPSの変動影響をより早く緩和すると共に、
見かけの膜容量CA を大きく保ったことで△QPSの液晶
分圧への影響の係数として表される△QPS/(CA +C
LC)の値を十分小さくできるものである。
【0020】特に所望の値として、通常の動画レートで
駆動するための1フレーム区間、すなわち約30mse
c以下の時定数が近似的に上記微粒子分散膜に与えら
れ、かつセルとして駆動中に上下電極がゴミの混入など
によりショートし、電圧が降下したりさらには素子破壊
しないためには、望ましくは微粒子分散膜の抵抗値は1
4 Ω・cm〜109 Ω・cmであるが、さらに、与え
るパルスに対応して完全な形で効果が与えられるのは1
7 Ω・cm程度の抵抗値である。また微粒子分散膜の
膜厚に対する見かけの容量は、導電性の微粒子が膜中に
充填されることで通常の絶縁物に比し1桁程度の上昇、
即ちみかけの誘電率として10ないし50程度またはそ
れ以上が得られる方向で、このことは前述のように望ま
しいことである。
【0021】さらに本発明で設けた薄層の配向制御層
は、上記微粒子分散膜中の導電性微粒子の平均粒径を下
回る厚さで設けることにより、前記した低インピーダン
スの効果を疎外しない。すなわち望ましくは10Åない
し100Åの膜厚、さらに好ましくは50Å以下の膜厚
であることで、いたるところピンホールの認められる皮
膜効果が得られ、実質、液晶部分と上記微粒子分散膜と
が電気的に導通のとれる形になる。
【0022】また配向制御層は20Å以上の膜厚とする
ことにより、さらに良好な配向性を与えることができ
る。なお、特に配向が良好であるようにするためには、
微粒子分散膜は高分子重合体を母体とすることが好まし
い。
【0023】さらに、本発明素子の配向制御層の薄膜効
果は、大きな第2の作用として、前記超微粒子分散膜の
粒径による配向性及び諧調コントロールと相乗作用効果
をもたらす。これについて以下に説明する。
【0024】通常、ITOなどの透明電極の形成された
電極基体は一般に数十〜数百Åの自然発生的な凹凸のバ
ラツキをもつ。このような電極基体上に上記薄膜の配向
制御層を例えば30Åの厚みで設け、これを配向処理
し、この配向処理方向がほぼ両基板平行(図4(a)参
照)になるようにセルを構成した場合は、場所により配
向ムラが生じたり、場合によっては配向欠陥が生じる場
合があった。またこのような素子をマトリクスとして諧
調駆動した場合、図5に示されるように画素間のバラツ
キがあるなど良好な諧調特性(γ特性)が得られなかっ
た。
【0025】これに対し、本発明における前記微粒子分
散層を設けると、電極基体表面のバラツキに伴って比較
的長周期の凹凸は見られるが、各微小部分においては、
微粒子径に応じた短周期の微小凹凸により埋めつくさ
れ、配向も良好であり図6に示されるように画素間のバ
ラツキも少なく、諧調特性(γ特性)も良好となる。
【0026】本発明では、前記微粒子として、一般的な
FLCの分子長(10〜30Å程度)より長く、せいぜ
いこの10倍程度の平均粒径を有する超微粒子を用いる
ことにより、配向欠陥を出さずにかつ、円滑なスイッチ
ング特性および良好な表示特性を与えるものと考えられ
る。
【0027】本発明で好ましく用いる前記配向制御層の
膜厚はせいぜい上記短周期程度であり、配向均一性や諧
調性を良好に生かすものである。
【0028】次に本発明素子において、上下の基体上の
配向制御層(LQ1802)のラビング方向を両基板で
ほぼ反平行(図4(b)参照)になるようにセルを構成
し、FLCを注入したところ、注入直後においてはセル
全面がスプレイ状態となる場合があったが、この場合
は、使用したFLCのSmA層からSm* C層への温度
徐冷過程において一例として30V10Hzの方形波A
Cを印加したところ均一性の高いユニフォーム配向が得
られ、FLC分子の見かけのメモリ状態間のスイッチン
グチルト角が大きくなった。
【0029】このセルを諧調駆動したところ良好な諧調
特性が得られた。
【0030】比較として、前記電極基体上に直接ポリイ
ミド膜を30Å厚で形成し、ラビング方向を同様に反平
行としたセルは前記AC処理を印加したものにおいても
均一配向性また諧調特性も明らかに劣っていた。
【0031】なお、このように配向処理方向を液晶層の
両側で反平行方向とすることにより、本発明素子は前記
平行方向で得られた諧調特性より、よりガンマ値の特性
の良いものが得られた(図10参照)。
【0032】さらに、本発明においては上記の超微粒子
またはさまざまの金属微粒子が分散し得る膜処方の許容
し得る範囲で、その分散母体として、例えばポリイミ
ド、ポリアミド、ポリビニルアルコールなど従来より配
向膜として用いられてきた樹脂材料または下記実施例で
示すポリシロキサンなどのその他の材料を用いることも
でき、あるいはポリピロール、ポリアセチレン、ポリチ
オフェンなどに場合によってはPVK(ポリビニルカル
バゾール)にTCNQなどをドーパントし電荷移動錯体
を形成した導電性高分子膜などが用いられても良い。
【0033】さらにまた、特に上記諧調特性を安定させ
るために、上記薄層の配向制御層上にその処理が過剰に
ならない範囲で例えばシランカップリング材等のベーパ
ーによる表面エネルギーを低下させる方向での表面処理
を施すことが有効であることが確認されている。このこ
とは上記短周期凹凸が、基板−分子界面の動きを円滑に
し、不要な弾性的な歪みによる部分的なセル厚変動など
の弊害を除去する効果を有し、この効果を上記表面処理
がさらに増大させるものと考えられる。さらに、この処
理は特に上記の様に配向処理方向を液晶層の両側で反平
行方向とし、又、液晶注入直後においてAC印加処理を
行うことで、ユニフォーム配向を得る場合には特に有効
であり、このことはAC処理により形成される層構造
を、経時的に安定させる作用を持つものと思われる。
【0034】本発明ではさらに前記短周期の微少凹凸の
平均段差より大きな段差と、平均的なセルの厚み(FL
C層の膜厚)以上のピッチを有する比較的長周期の凹凸
を意図的に与えてやることで諧調の均一性を高めること
ができる。
【0035】図7は画素中にパターニング、あるいはマ
スクデポにより意図的に長周期凹凸を施した素子の概略
的な部分断面図であり、図8はこの凹凸パターンの一例
として200μm□の画素内に5μm□の凸部エリアを
縦横とも20μmピッチで付与した例を示す。該凸部の
高さは、微粒子分散層を塗布する際に大きな塗布ムラを
生じない程度の薄層であり、かつ前記した微粒子径より
も大きい範囲で与えるのが望ましく、最適には300Å
〜5000Å程度である。このピッチとしてはFLC層
の膜厚程度、またはそれより大きく好ましくはその数倍
程度以上であり、0.5μm以上、より好ましくは1μ
m〜50μm程度で前記の短周期構造と良好な相乗効果
をもたらす。なお、上記凹凸パターンはSiO2 その他
の無機絶縁物、または、Al,Ti,Auなどの金属、
または、SnO2 ,In23 ,ITOなどの透明導電
酸化物、さらにはポリイミド、ポリアミド、その他の樹
脂を用いて公知のパターニング技術、あるいはデポ技術
により形成される。これらはパターンとして均一一様な
ピッチであっても良いし、または画素内においても部分
的に異なる高さを有するようにしても良い。
【0036】または、1画素の中でピッチが異なる領域
をもつようにしても良いし、さらに上記凸部はライン状
のものであっても良い。
【0037】この場合は上記微粒子分散膜上に設ける前
記薄層の配向制御層は、前記超薄膜のほか、SiO,T
iO2 などの無機物質を公知の斜方蒸着層をカラムとし
て望ましくは400Å以下のカラム長を有するように形
成することでも下地の微粒子分散膜の凹凸の効果は見ら
れ、また、カラム間のすきまを通して電気的導通路は形
成され、長周期凹凸、短周期凹凸の作用効果は実現さ
れ、諧調特性も良好である。特に例としてSiOを斜方
蒸着によりFLCを挟持する上下基板で反平行方向から
蒸着したカラム方向に配置することで、特に前記したよ
うなAC電圧を印加せずとも良好なユニフォーム配向が
得られかつ、均一性の高い諧調性を実現できた。
【0038】さらに、本発明において前記凹凸を粒子を
分散させることにより形成し、各画素間の均一性を上げ
ることもできる。
【0039】この場合、使用することのできる材料とし
て、例えば[Polymer Preprints,J
apan Vol.40,No.11(1991)40
90〜4092。ハイドロゲル層を持つコアシェル粒子
の作成と、その界面特性]に示されるように、ハイドロ
ゲルシェル層を有するコアシェル構造粒子の分散液を基
板上に展開し、その際、自己配列して沈着する性質をも
ちいて、適度な周期構造を作り出すことができる。この
ようなコアシェル構造粒子を得るための詳しい条件につ
いては、上記文献に記載されているので簡単に述べる
と、例えば、ラテックス粒子を、シード粒子として、N
−イソプロピルアクリルアミドを用いて、感温性ハイド
ロゲルをシェル層として作製したコアシェル構造粒子を
前記凹凸として用いる。上記材料を本発明に適用する場
合、上記粒子の分散液を調整することにより、約0.4
μm径の上記粒子を平均粒子間隔として約1μm〜数μ
m程度に透明電極基板上に展開沈着乾燥することがで
き、この後、例えば熱処理などにより、基板上に固化さ
せる。この上に前記した様な導電性微粒子分散層を塗工
しさらに上記超薄膜配向層をスピン塗工またはLB膜法
によって設けこれをラビングすることができる。
【0040】なお、本発明では、上記、コアシェル構造
粒子を上記導電性微粒子分散層、及び薄膜配向層を設
け、これに配向処理を施した後に設ける様にしてもよ
い。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を述べる。
【0042】実施例1 本実施例では図1,図2に示したような本発明の液晶光
学素子を作製した。
【0043】まず、1.1mm厚のガラス基板1a,1
b上にITOをスパッタ法により約700Åの薄膜2
a,2bに形成し、透明電極基体10a,10bを形成
した。
【0044】次に、シロキサン系のポリマー分散液に対
し、平均粒径約50Åの酸化スズ、アンチモン(SnO
2 :Sb)の超微粒子混合物を分散した溶液を上記透明
電極基体10a,10b上にスピナーにより約1000
r.p.m〜3000r.p.mの回転条件で塗布し
た。その後、150℃60分の熱処理を行ない、約10
00Åの膜厚の上記超微粒子分散のポリシロキサン膜3
a,3bを形成した。なお、この膜厚はポリマー分散濃
度や上記スピン条件により百Å〜数千Åの調整が可能で
ある。また、ここで形成した膜の導電度、またはその他
の電気的性質は上記超微粒子混合物の導電材比あるい
は、ポリマー分散液に対する分散重量比等を変えること
で、種々選択することが出来る。
【0045】次に、上記微粒子分散膜3a,3b上に商
品名LQ−1802で示されるポリイミド膜形成用の溶
液を、その樹脂:溶液比を0.8%程度とし、スピナー
条件2000r.p.m20秒の回転塗工により塗布後
80℃で溶媒乾燥後270℃1時間の雰囲気中で重合化
し、約30Å膜厚に形成し配向制御膜4a,4bとし
た。
【0046】なお、上記膜厚条件は、ガートナー社製の
全自動エリプソメーターにより、クロム基板上に同条件
で塗工した上記ポリイミド膜の測定値において確認した
後、さらに、上記で塗工した素子を電子顕微鏡で観察
し、上記微粒子分散膜3a,3b上のいたるところに存
在するポリイミド膜のピンホールとともに膜残余部分の
膜厚が平均的に約30Åであることを確認した。
【0047】さらに前記で形成したポリイミド膜4a,
4b表面をラビングした後、1.4μm粒径のシリカビ
ーズ分散液をスピナーで塗布乾燥した後、接着剤を印刷
塗布し軽く乾燥し、一対の配向層形成基板をラビング方
向が両基板で平行(図4(a)参照)になるように対向
配置し貼り合わせセルを構成した。
【0048】この後、本実施例では自発分極の大きさが
約7nC/cm2 であるFLC材料を減圧注入した。
【0049】以上の様にして作製された本実施例の素子
は均一な配向状態を示し、また本素子をマトリクスとし
て諧調駆動した場合に図6に示したように、良好な諧調
特性を示すとともに、各画素間のバラツキも少なかっ
た。
【0050】実施例2 本実施例では、実施例1と同様にして一対の配向層形成
基板を作製し、ラビング方向を両基板でほぼ反平行にな
るようにセルを構成し、同様のFLCを注入した。その
結果、注入直後においてはセル全面がスプレイ状態とな
る場合があったが、使用したFLCのSmA層からSm
* C層への温度徐冷過程において、30V10Hzの方
形波ACを印加したところ均一性の高いユニフォーム配
向が得られ、FLC分子の見かけのメモリ状態間のスイ
ッチングチルト角が大きくなった。
【0051】このセルを諧調駆動したところ、図9に示
されるように実施例1よりも更に良好な諧調特性が得ら
れた。
【0052】比較例1 比較例として、実施例2において微粒子分散膜3a,3
bを形成しない以外は、実施例2と同様の素子を作製し
た。
【0053】その結果、実施例2と同様のAC印加処理
を施しても均一配向性,諧調特性において明らかに劣る
ものであった。
【0054】実施例3 本実施例では、図7,図8に示したような本発明の液晶
光学素子を作製した。
【0055】まず、実施例1と同様に、1.1mm厚の
ガラス基板1a,1b上にITOをスパッタ法により約
700Åの薄膜2a,2bに形成し、透明電極基体10
a,10bを形成した。次に、該基体上にSiO2 を成
膜し、200μm□の画素内に5μm□の凸部エリア7
を縦横とも20μmピッチでパターニングした。このと
きの凸部の高さは約1000Åであった。
【0056】続いて、実施例1と同様に微粒子分散膜3
a,3b、ポリイミド配向制御膜4a,4bを形成した
ところ、微粒子分散膜3a,3b上のいたるところに存
在するポリイミド膜のピンホールが確認された。
【0057】さらに、ポリイミド膜4a,4b表面をラ
ビングした後、実施例1と同様にしてセルを構成した
後、FLC材料を減圧注入した。
【0058】以上のようにして作製された本実施例の素
子は、均一な配向状態を示すとともに、さらに均一化さ
れた特性を示し、かつ部分的なセル厚変動などもなく、
経時的に安定したものであった。
【0059】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、広い面積
を有しかつ多くの画素を有する表示素子として全体に均
一な良好な諧調駆動し得る静止画、または動画用表示パ
ネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の素子の一例を模式的に示した断面図で
ある。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】素子の擬似等価回路を示す図である。
【図4】配向制御膜のラビング方向を示す図である。
【図5】従来の素子の諧調駆動時の画素間のバラツキ及
び諧調特性(γ特性)を示す図である。
【図6】本発明の素子の諧調駆動時の画素間のバラツキ
及び諧調特性(γ特性)を示す図である。
【図7】本発明の素子の他の例を模式的に示した部分断
面図である。
【図8】図7の素子の凹凸のパターンを示す図である。
【図9】ラビング方向を反平行とした本発明の素子の諧
調特性(γ特性)を示す図である。
【図10】平行セルと反平行セルの諧調特性(γ特性)
の比較を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b 透明基板 2a,2b 透明電極 3a,3b 微粒子分散膜 4a,4b 配向制御層 5 強誘電性液晶 7 凸部 10a,10b 電極基体

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の上下電極基体間に強誘電性液晶層
    を少なくとも挟持してなる画素を形成し、上記電極間に
    信号に応じた外部電圧を付与することによって上記画素
    を駆動せしめる液晶光学素子であって、上記画素の少な
    くとも片側の電極と強誘電性液晶との間に、平均粒径が
    30Å〜300Åの導電性を有する超微粒子を含む微粒
    子を分散させた層と、該層上に多数ピンホールを有する
    ように配向制御層を設けたことを特徴とする液晶光学素
    子。
  2. 【請求項2】 前記配向制御層の膜性を有する部分の平
    均膜厚が前記超微粒子の平均粒径よりも小さいことを特
    徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. 【請求項3】 前記配向制御層の膜性を有する部分の平
    均膜厚が20Å〜100Åであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の液晶光学素子。
  4. 【請求項4】 前記配向制御層の配向処理方向が、前記
    上下電極基体相互にほぼ反平行であることを特徴とする
    請求項1〜3いずれかに記載の液晶光学素子。
  5. 【請求項5】 前記微粒子を分散させた層の母体が高分
    子重合体であることを特徴とする請求項1〜4いずれか
    に記載の液晶光学素子。
  6. 【請求項6】 前記電極間に前記液晶注入後、AC印加
    処理を施して見かけのチルト角を増大させたことを特徴
    とする請求項1〜5いずれかに記載の液晶光学素子。
  7. 【請求項7】 一対の上下電極基体間に強誘電性液晶層
    を少なくとも挟持してなる画素を形成し、上記電極間に
    信号に応じた外部電圧を付与することによって上記画素
    を駆動せしめる液晶光学素子であって、上記画素の少な
    くとも片側の電極と強誘電性液晶との間に、平均段差が
    30Å〜300Åの微細凹凸を分散させた層と、上記微
    細凹凸の平均段差より大きな段差と平均的なセルの厚み
    以上のピッチを有する凹凸手段を設けたことを特徴とす
    る液晶光学素子。
  8. 【請求項8】 前記微細凹凸が微粒子を含む層により形
    成されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶光
    学素子。
  9. 【請求項9】 前記微粒子が導電性を有することを特徴
    とする請求項8に記載の液晶光学素子。
  10. 【請求項10】 前記凹凸手段がパターニングした凹凸
    であることを特徴とする請求項7に記載の液晶光学素
    子。
  11. 【請求項11】 前記凹凸手段が粒子を分散させた凹凸
    であることを特徴とする請求項7に記載の液晶光学素
    子。
  12. 【請求項12】 前記粒子が、分散塗工時に自己配列性
    を有するものであることを特徴とする請求項11に記載
    の液晶光学素子。
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