JPH08106099A - 液晶素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶素子及びその製造方法

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JPH08106099A
JPH08106099A JP27027294A JP27027294A JPH08106099A JP H08106099 A JPH08106099 A JP H08106099A JP 27027294 A JP27027294 A JP 27027294A JP 27027294 A JP27027294 A JP 27027294A JP H08106099 A JPH08106099 A JP H08106099A
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liquid crystal
pair
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substrates
mold
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JP27027294A
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English (en)
Inventor
Takashi Iwamura
貴 岩村
Akio Yasuda
章夫 安田
Keiichi Nito
敬一 仁藤
Akiyasu You
映保 楊
Eriko Matsui
恵理子 松居
Takayuki Fujioka
隆之 藤岡
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明電極23a、23b及び配向膜24a、24bを
この順に設けた一対の基板22a、22bが所定の間隙dを
置いて対向配置され、液晶26が液晶配向膜24a上に塗布
されて間隙d内に配されている液晶表示素子11。 【効果】 容易かつ短い所要時間で安価に製造できる特
性の良好な液晶素子(特に、良好なコントラストとアナ
ログ階調表示特性を有する強誘電性液晶表示素子)及び
その製造方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極及び液晶配向制御
層をこの順に設けた一対の基体間の間隙内に液晶が配さ
れている液晶素子に関し、特に、透明電極及び配向膜を
この順に設けた一対の基板が所定の間隙を置いて対向配
置され、前記間隙内に強誘電性液晶が配されている液晶
素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】双安定性を示す強誘電性液晶(FLC:
ferroelectric liquid crystal) を表示素子に応用しよ
うとする研究開発は、近時活発に進められてきている。
FLCディスプレイは、主として次の(1)〜(3)の
特徴を有する優れたものである。 (1)高速応答性(従来のネマチック液晶表示に比較し
て1000倍も高速応答)。 (2)視野角依存性が少ない。 (3)画像にメモリ性がある。
【0003】双安定モードの強誘電性液晶表示は、メモ
リ性をもつためにCRT(陰極線管)などで問題となっ
ているフリッカーをなくせること、そして、単純X−Y
マトリックス駆動でも1000本以上の走査線で駆動できる
こと(TFT:薄膜トランジスタでの駆動をなくせるこ
と)、また、現在主流のネマチック液晶での視野角が狭
いという問題に対しても、分子配向が一様であること、
およびパネルのギャップがネマチック液晶パネルの半分
以下であることから、広い視野角を有することなどを特
徴としている。
【0004】このような強誘電性液晶を用いたFLCデ
ィスプレイ(強誘電性液晶表示素子)は、例えば図24及
び図25に概略的に示すようなセル構造1からなってい
る。即ち、ガラスなどの透明な基板2aの内面上に、I
TO(indium tin oxide:インジウムにスズをドープし
た導電性酸化物)などの透明電極層3a、及び液晶配向
膜として高コントラスト良好なドメインを実現する例え
ばSiO斜方蒸着層4aを順次積層した積層体1Aと;
これと同様に、基板2bの内面上に、透明電極層3b、
例えばSiO斜方蒸着層4bを順次積層した積層体1B
と;を、液晶配向膜である例えばSiO斜方蒸着層4
a、4bが互いに対向するように配し、所定のセルギャ
ップdを実現するための粒状のスペーサ5を挟むことに
より液晶セルを構成し、そのセルギャップに強誘電性液
晶6を注入し、周囲を接着剤7で封じた構造を有してい
る。
【0005】しかしながら、こうしたFLCディスプレ
イは上記の優れた特長を有してはいるが、双安定性とい
う特性のために階調表示が難しいことが課題として挙げ
られていた。即ち、従来の双安定モードを用いた強誘電
性液晶表示は2状態のみ安定であることから、ビデオ等
の階調表示には不適当であるとされてきた。
【0006】即ち、従来の強誘電性液晶素子(例えば界
面安定型強誘電性液晶素子)は、外部印加電界Eに対し
て分子Mの配向方向が図26に示すように状態1と状態2
の二つの状態間をスイッチングする。
【0007】この分子配向の変化は、液晶素子を直交す
る偏光板間に設置することによって透過率の変化として
現れ、図27のように印加電界に対して透過率がしきい値
電圧Vthで0%から 100%に急峻に変化する。この透過
率が変化する電圧幅は一般的に1V以下である。さら
に、Vthがセルギャップの微小な変動によって変化す
る。従って、従来の液晶素子では、透過率−印加電圧の
カーブに安定な電圧幅を持たせることが困難であり、電
圧制御による階調表示は困難若しくは不可能である。
【0008】このため、サブピクセルを設けて画素面積
を調節することにより階調を行う方法(面積階調法)
や、強誘電性液晶の高速スイッチング性を利用して1フ
ィールドの間にスイッチングを繰り返すことにより階調
を行う方法(タイムインテグレーション階調法)などの
方法が提案されている。しかし、これらの方法でも未だ
階調表示が不十分であるという問題があった。
【0009】即ち、面積階調法の場合、階調数を増やせ
ば増やすほど、必要なサブピクセルの数が増え、デバイ
ス作製という面から、また、駆動法という観点から考え
ても、コストパフォーマンスが悪いことは明らかであ
る。また、タイムインテグレーション階調法では、タイ
ムインテグレーション階調法単独ではもちろんのこと、
面積階調法との組み合わせを考えても、実用性は低いと
いう問題があった。
【0010】そこで、画素毎にアナログ階調表示を行う
方法として、一つの画素内で対向電極間の距離を変化さ
せたり、対向電極間に形成した誘電性層の厚みを変化さ
せることにより局所的に電界強度勾配をつける方法や、
対向電極の材質を変えることにより電圧勾配をつけるこ
とが提案されている。
【0011】しかしながら、実用レベルのアナログ階調
表示特性を有する液晶表示素子を製造することは、工程
的にも繁雑となり、また、製造条件のコントロールも非
常に困難となり、更に製造コストが高いという問題があ
った。
【0012】
【発明に至る経過】そこで、本願出願人は、対向する電
極間に存在する液晶に印加される実効電界強度が分布を
持つように、対向する電極間(特に液晶)に微粒子を存
在させることにより、強誘電性液晶表示素子について高
コントラストを保持しつつアナログ階調表示を実現する
ことに成功した。そして、この先願発明に係る新規な液
晶表示素子を特願平4−309238号等において既に提示し
た。
【0013】即ち、この先願発明によれば、対向する電
極間に微粒子を存在させるので、各画素について、電極
間の液晶に印加される実効電界強度が分布を持つように
なり、従って、液晶(特に、強誘電性液晶)の双安定状
態間をスイッチングするためのしきい値電圧の幅を広げ
ることができ、各画素内でのアナログ階調表現が可能と
なるのである。この先願発明が示す内容については、後
で詳しく説明する。
【0014】しかしながら、上記先願発明に係る液晶表
示素子の製造において、一対の基板間に液晶を注入する
工程によって、階調表示及びコントラストといった電気
光学特性が影響を受け易いことが判明した。しかも、液
晶の注入工程は比較的長い時間を要する。
【0015】この液晶の注入工程は、図28に示すように
して行われる。即ち、液晶6を満たした液晶ボート8と
セル1を真空装置9の中に入れ、液晶6が等方相の相転
移温度より低い雰囲気温度下で装置内温度を一定時間保
った後、排気口10から脱気して装置内を真空状態にす
る。この脱気過程で、セル1内の空気及び容器8の液晶
6に溶解していた空気も同時に脱気する。
【0016】脱気が終了すると、強誘電性液晶の場合は
液晶の等方相の相転移温度以上の雰囲気温度下で、セル
1の液晶注入口7aを液晶6に浸漬してから真空装置9
内を大気圧に戻し、セル1の内部と外部との圧力差によ
って液晶6をセル1の間隙dに自然に吸引し、速やかに
注入する。
【0017】このように、液晶の注入を行えるのは、上
記の真空状態ではセル1の対向基板2a−2b間の間隙
dに空気が存在しないため、等方相の相転移温度以上で
液体状態になったときに、毛細管現象及び基板間の間隙
dと基板間の外部との間に生じた圧力差により、液晶材
料が注入孔7aから基板間の間隙dに入り込むことによ
るものである。従って、液晶の注入には、表示素子のサ
イズが大きくなるほど時間がかかってしまう。
【0018】しかも、この液晶の注入工程において、液
晶を等方相の相転移温度以上の温度下で行うが、液晶材
料は多種の成分を含んでいて各成分のそれぞれが異なる
蒸気圧を有するために、液晶注入の間に液晶材料の組成
が変化してしまう。こうした液晶材料の組成変化は、上
記した微粒子を含む強誘電性液晶を用いた表示素子のコ
ントラストとアナログ階調性に特に影響を与え易く、こ
れらの特性を劣化させる原因となる。
【0019】従って、液晶の注入工程を経て液晶表示素
子を製造することは、製造条件のコントロールを厳密に
行う必要があると共に、コスト高の問題を免れない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した問題点を解消し、容易にかつ短い所要時間で安価に
製造できる特性の良好な液晶素子(特に、良好なコント
ラストとアナログ階調表示特性を有する強誘電性液晶表
示素子)及びその製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した問
題に対し、液晶の注入工程が、微粒子を含む強誘電性液
晶表示素子のコントラストとアナログ階調性に影響を与
える原因であることを突き止め、液晶の注入に代わる効
果的な対策を見出し、本発明に到達した。
【0022】即ち、本発明は、電極及び液晶配向制御層
をこの順に設けた一対の基体が所定の間隙を置いて対向
配置され、液晶が前記液晶配向制御層上に塗布されて前
記間隙内に配されている液晶素子に係るものである。
【0023】本発明による液晶素子は、一対の基体間の
間隙内の液晶が液晶配向制御層上への塗布によって配さ
れるため、従来の技術の如き液晶の注入は不要となり、
注入時に液晶を加熱するといった工程は必要でなく、従
って液晶材料の組成の変化が生じない。
【0024】従って、印加される実効電界強度が分布を
持つように、一対の基体間に微粒子を存在させるとき、
特にこの微粒子を強誘電性液晶に添加するとき、高コン
トラストとアナログ階調を確実に実現することができ
る。
【0025】即ち、微粒子の存在によって実効電界強度
が液晶中で分布を持つ(換言すれば、液晶をスイッチン
グするためのしきい値電圧の異なる領域が微細に分布し
ている)ので、印加電圧によって液晶の光透過率が急峻
に変化せずに比較的緩やかに変化し、高コントラストを
保持しつつ、特にアナログ階調表示を実現することがで
きる。これについては、後で詳しく説明する。
【0026】上記の微粒子として、例えば、誘電率の異
なる複数の材料からなる微粒子を混合して使用すること
ができる。このように誘電率の異なる微粒子を存在させ
ることにより、各画素内に誘電率の分布が生じ、画素内
の液晶に印加される実効電界強度に分布が生じる。
【0027】また、例えば、誘電率の同じ微粒子を使用
する場合には、大きさに分布を持たせることによって
も、画素内の液晶に印加される実効電界強度に分布を生
じさせることができる。
【0028】使用可能な微粒子の具体例としては、酸化
チタンやカーボンブラックを挙げることができる。
【0029】微粒子の大きさは、凝集していない一次微
粒子の状態で液晶のセルギャップの半分以下であること
が望ましい。
【0030】微粒子の存在する場所は、液晶中及び/又
は配向膜内が挙げられ、いずれでもかまわない。
【0031】本発明による液晶素子の構成として、一対
の基体の少なくとも一方が電極及び液晶配向制御層を含
めて光学的に透明であり、前記一対の基体の少なくとも
一方の液晶配向制御層上の少なくとも一部の領域に液晶
が塗布され、前記液晶配向制御層が内側となるように前
記一対の基体が圧着されているのが望ましい。これは、
液晶表示装置にとって好適な構成である。
【0032】この場合、基体の重ね合わせ及び圧着を行
う際に液晶が基体に対して動き、これによって液晶の配
向制御構造が変化するのを防止するために、液晶の粘性
は低い方が望ましい。即ち、基体の重ね合わせ及び圧着
時には液晶を加熱してネマチック相もしくは等方相に保
つことが望ましい。
【0033】そして、基板の重ね合わせを速やかにかつ
電気光学特性に劣化がないように行えるように、一対の
基体の少なくとも一方において電極を設けた面に複数の
凸部が形成されており、これらの凸部によって前記一対
の基体間の間隙が保持されていることが望ましい。
【0034】このように、基体に凸部を形成することに
より、従来用いられた粒状のスペーサ(図25)は不要と
なる。液晶を塗布した後に基体は貼り合わせる際、液晶
が基体に対して多かれ少なかれ移動する。その移動量
は、液晶を基体の一部に塗布した後に圧着して押し広げ
る場合には特に大きい。従来のように粒状のスペーサを
用いると、液晶が動くことに伴ってスペーサも動く。こ
のとき、スペーサは基体間の間隙を保持するために十分
な硬度を有するので、スペーサの移動により基体表面に
形成された液晶配向制御構造が破壊されるおそれがあ
る。
【0035】しかし、基体に形成された上記の凸部は基
体の圧着時に移動することはないため、液晶配向制御構
造を破壊しない。従って、良好な液晶配向性を得ること
ができる。
【0036】上記の複数の凸部が断面台形状であって基
体の端部に至るまでストライプ状に形成され、これらの
ストライプ状の凸部間に電極がほぼ平行に設けられてい
るのがよい。
【0037】また、複数の凸部は光硬化性樹脂、熱硬化
性樹脂又は熱可塑性樹脂によって形成されてよい。
【0038】本発明は、上述した本発明による液晶素子
を製造する方法として、一対の基体に電極及び液晶配向
制御層をこの順に設けた後に、前記一対の基体の少なく
とも一方の液晶配向制御層上の少なくとも一部の領域に
液晶を塗布し、更に、前記液晶配向制御層が内側となる
ように前記一対の基体を互いに圧着することを特徴とす
る、液晶素子の製造方法も提供するものである。
【0039】この製造方法において、一対の基体の少な
くとも一方において電極を設けた面側に、前記一対の基
体間の間隙を保持するための複数の凸部を形成するに際
し、これらの凸部の反転形状を有する型の型面に硬化前
の光硬化性樹脂(フォトポリマー(2P))を塗布した
後、望ましくは予め電極を形成した基体を前記型面上に
重ね合わせ、光照射によって前記光硬化性樹脂を硬化し
た後、前記型を剥離することができる。
【0040】或いは、上記の複数の凸部を形成するに際
し、これらの凸部の反転形状を有する型の型面に硬化前
の熱硬化性樹脂を塗布した後、望ましくは予め電極を形
成した基体を前記型面上に重ね合わせ、加熱によって前
記熱硬化性樹脂を硬化した後、前記型を剥離することが
できる。
【0041】これらの方法のいずれにおいても、粘性の
低い凸部形成材料を型の上に塗布するため、気泡の混入
がなく、任意の形状を精度良く製造することが可能であ
る。
【0042】こうした凸部形成材料としては、ポリケイ
皮酸ビニル、ポリビニルアジドベンザル、アクリルアミ
ド等の光硬化性樹脂(2P)や、ポリイミド樹脂、尿素
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂
等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0043】この凸部が形成される基体に用いられる材
料は、凸部形成用の塗布材料に侵されないことが必要で
あり、塗布材料によって異なるが、ガラスをはじめ、ポ
リカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ
エチレンテレフタレート等の高分子材料が挙げられる。
【0044】また、これらの方法では、基体に凸部形成
材料を塗布する前に、基体上に予め電極を形成すること
により、電極部と非電極部との間に生じる段差を凸部形
成材料で吸収して平坦化することが可能となり、段差に
より生じる液晶の配向の乱れを無くすことができる。
【0045】また、基体に凸部を形成する方法として
は、いわゆるレーザーディスク、コンパクトディスクと
いった光記録媒体のピット形成と同様に、一対の基体の
少なくとも一方を熱可塑性樹脂で形成し、この基体にお
いて電極を設けた面側に、前記一対の基体間の間隙を保
持するための複数の凸部を形成するに際し、これらの凸
部の反転形状を有する型の型面を熱可塑性樹脂からなる
前記基体に熱転写した後、前記型を剥離することができ
る。
【0046】この方法では、凸部形成材料の硬化工程が
ないため、前記した方法よりも更に迅速に液晶素子の製
造が可能となる。また、上記のように光記録媒体の製造
において広く使用されている方法を応用するために、コ
スト的に有利である。
【0047】但し、この方法に用いる場合、基体表面の
凸部の形状が規制される。即ち、基体表面の凸部が断面
台形状の棒状であって基体の端部に至るまで延び、更
に、複数の棒状凸部(ストライプ状の凸部)が平行に並
んで設けられることが必要である。
【0048】上記の型には、所望の凸部の反転形状であ
る凹部が形成されている。基体表面上の凸部が基体の端
部に至っていない場合、この凹部に熱可塑性基体を圧着
転写する際、凹部内に残った気体の逃げ場がなく、基体
の熱分布及び基体に対する加圧の強さの分布により、凸
部の形状が1つの基体内でそれぞれ異なってしまうとい
った問題が生じ易い。これに対して、基体表面上の凸部
が基体の端部に至るまで延びている場合は、型の凹部に
存在する気体が基体の端部から逃げることができ、凸部
を一様な形状に作製することができる。
【0049】また、凸部の断面を台形状とすることによ
り、型から基体を剥離する際に型抜きが容易かつ円滑と
なり、得られる凸部の破損を防止することができる。
【0050】この場合、電極は凸部を有する基体の上に
作製することになるが、凸部の上に電極を作製すると、
対向する基体側の電極との接触により、これらが電気的
に短絡するおそれがあるので、これを防ぐようにする必
要がある。また、基体間の間隔を正確に保つため、凸部
は基体の表面上の必要な箇所に、例えば到るところに形
成されている必要がある。
【0051】これらの条件は、平行に配置した棒状の凸
部と凸部との間に電極を配置することによって満たすこ
とができる。勿論、電極が対向する基体側の電極に接し
ない範囲で、棒状凸部に連設した凸部を基体上に形成す
ることも可能である。
【0052】こうした基体に用いられる樹脂材料は、熱
可塑性を有していれば何れでもよく、ポリカーボネー
ト、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリメチルメ
タクリレート等が挙げられる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例について更に詳細に説
明する。
【0054】液晶表示素子の構成とその特性 図1は、本発明による強誘電性液晶表示素子(FLCデ
ィスプレイ)の一例11を示すものである。
【0055】このFLCディスプレイ11によれば、ガラ
スなどの透明な一方の基板22aの内面上には、図24に示
した透明電極層2aと同様に、ITO(indium tin oxi
de:インジウムにスズをドープした導電性酸化物)など
の多数本の透明電極層23aがストライプ状に形成され、
これらの透明電極層を被覆した状態で光硬化性樹脂(2
P)からなる被覆樹脂層20が被着されている。
【0056】そして、この被覆樹脂層20には、既述した
スペーサ(図24参照)と同等の機能をなす断面台形状の
複数の突条部(凸部)20Aが、図3に示すように、基板
22aの一端から他端に至るまで平行なストライプパター
ンに設けられていて、これらの突条部20A間に上記の電
極22aがほぼ平行に設けられている。但し、突条部20A
は電極22aの所定本数(例えば10本)毎に1本設けられ
るが、図1では理解容易のために簡略に図示している。
【0057】また、被覆樹脂層20上には、液晶配向膜と
して高コントラスト良好なドメインを実現する例えばS
iO斜方蒸着層24aが被着されている。
【0058】他方の基板22bもガラスなどの透明基板で
あって、その内面上には基板22aと同様に、透明電極層
23b、液晶配向膜であるSiO斜方蒸着層24bが順次積
層されている。そして、液晶配向膜24aと24bとが互い
に対向するように配している。
【0059】両基板22aと22bとは、その間に強誘電性
液晶26を挟んだ状態で圧着され、周囲が接着剤27で封止
されてセル11の組み立てが終了する。なお、図3中の30
は、基板22aと22bとの圧着時の位置合わせマークであ
って、各基板に設けられているが、これと同様の位置合
わせマークは後述するスタンパにも設けられてよい。
【0060】ここで、注目すべき構成は、本発明に従っ
て、液晶配向膜24a上に、微粒子31を一様に添加、分散
した強誘電性液晶26が塗布によって被着され、対向する
基板22a−22b間のセルギャップdに亘って配されてい
ることである。このセルギャップdは例えば 1.5μmと
してよい。
【0061】液晶26が微粒子31を含有していることによ
って、上述したように、高コントラストでアナログ階調
表示に優れたディスプレイを実現できるが、これは、液
晶26を塗布で設けることによって確実に実現できると共
に、液晶26を短時間にして容易かつ低コストに配するこ
とができる。
【0062】但し、液晶26を従来のように注入ではなく
塗布によって配し、生産性、経済性を向上させ得る点で
は、図2に示すように、微粒子を添加しない液晶26につ
いても塗布による効果は得ることができる。
【0063】以下、主として、微粒子31を含有する強誘
電性液晶26を配したディスプレイについて説明する。
【0064】微粒子31を含有する強誘電性液晶26は、印
加される実効電界強度に分布を持つことによって、スイ
ッチング時のしきい値電圧の異なる領域が微細に分布し
た状態となる。
【0065】ここで、上記の「しきい値電圧の異なる領
域が微細に分布していること」とは、反転ドメイン(例
えば白の中に黒のドメイン又はその反対)による透過率
が25%であるときに2μmφ以上の大きさのドメイン
(マイクロドメイン)が1mm2の視野の中に 300個以上
(好ましくは 600個以上)存在し、かつ、そのドメイン
内でのしきい値電圧幅が透過率10〜90%の範囲で2ボル
ト以上である、と定義することができる。
【0066】即ち、図4に例示するように、こうした液
晶を用いた液晶素子では、印加電圧によって透過率が従
来の液晶素子(図28参照)のように急峻に変化するので
はなく、比較的緩やかな変化を示すものである。これ
は、特に、一つの画素内において、しきい値電圧
(Vth)の異なる微細な領域(マイクロドメイン)の発
現により、印加電圧の大きさに応じてマイクロドメイン
の透過率が変化するためである。
【0067】そして、一つのドメイン内では、液晶分子
が双安定であるため、メモリ機能を有し、フリッカーフ
リーな静止画像を実現でき、しきい値電圧の異なるμm
オーダのドメインから一画素が形成されることから、連
続階調表示が可能となる。
【0068】図4では、透過率が変化するしきい値電圧
のうち、透過率10%のときをVth1、透過率90%のとき
をVth2 とした場合、しきい値電圧の変化幅(△Vth
th2 −Vth1)が2ボルト以上であるのがよい。
【0069】マイクロドメインについては、図5(A)
に示すように、透過率25%のときに、2μmφ以上の大
きさのドメインMDが 300個以上/mm2の割合で存在する
ものがよい。
【0070】こうしたマイクロドメインによる微細な光
透過部分によって、全体として中間調の画面(透過率)
を実現できるが、このようなマイクロドメインによる構
造は、いわば星空の如き様相を呈するので、以下に「ス
ターライトテクスチャ」と称することとする。
【0071】このスターライトテクスチャによれば、印
加電圧の大小に応じてマイクロドメインによる光透過部
分MDが図5(A)に一点鎖線で示す如くに拡大したり
(透過率上昇)、或いは縮小させる(透過率減少)こと
ができ、印加電圧によって任意に透過率を変化させるこ
とができる。
【0072】これに反し、従来の液晶素子では、図5
(B)に示すように、しきい値電圧幅が極めて小さいた
めに、印加電圧による光透過部分Dが急激に増加した
り、或いは消失してしまうだけであり、階調表示が極め
て困難である。
【0073】上記のマイクロドメインを形成する手段と
して、液晶中に、微粒子、特に超微粒子を分散させるこ
とができる。図6には、こうした超微粒子31を分散させ
たFLCディスプレイを例示するが、このディスプレイ
構造は図1に示した。
【0074】ここで、超微粒子31によるしきい値電圧の
変化を図6について原理的に説明する。超微粒子31の粒
径をd2 、その誘電率をε2 、超微粒子31を除く液晶26
の厚みをd1 、その誘電率をε1 としたとき、超微粒子
にかかる実効電界Eeff は、次式(1)で表される。 Eeff =(ε2 /(ε12 +ε21 ))×Vgap ・・・・・(1)
【0075】従って、誘電率の値が液晶26よりも小さい
超微粒子31を添加すると(ε2 <ε1 )、液晶層の全厚
dgap(=d1+d2)よりも小さな超微粒子(d2 )を入れ
ることにより、 Eeff <Egap となり、液晶26には、超微粒子31を入れない場合(Ega
p)に比較して小さな実効電界Eeff が作用する。
【0076】その反対に、誘電率の値が液晶26より大き
な超微粒子31を添加することにより(ε2 >ε1 )、 Eeff >Egap となり、液晶26には、超微粒子31を入れない場合(Ega
p)に比較して大きな実効電界Eeff が作用する。
【0077】以上をまとめると、次の通りとなる。 ε1 >ε2 のとき → Eeff <(Vgap/d1 +d2
=Vgap/dgap =Egap ε1 =ε2 のとき → Eeff =Egap ε1 <ε2 のとき → Eeff >Egap
【0078】いずれにしても、超微粒子31の添加によっ
て、液晶26自体に加わる実効電界Eeff は変化すること
になり、超微粒子31が存在する領域とそうでない領域と
で液晶に加わる実効電界が異なることになる。この結
果、同じ電界Egap を作用させても、それらの領域間で
は反転ドメインが生じる領域と生じない領域が存在し、
図2(A)で示した如きスターライトテクスチャ構造を
発現できるのである。
【0079】このことから、このスターライトテクスチ
ャ構造は連続階調を実現するのに好適なものとなり、超
微粒子31の添加下で印加電圧(大きさ、パルス幅等)を
制御する(即ち、2種類以上の電圧を印加すること)に
よって多様な透過率(即ち、2種類以上の階調レベル)
を得ることができる。
【0080】これに反し、微粒子のサイズ等を選択せず
に単に微粒子を存在させるだけでは、図5(B)の如き
ものしか得られず、例えば微小な(2μm程度の)ギャ
ップ中に 0.3〜2μmの微粒子を存在させても、目的と
する表示性能が得られず、また、セルギャップを小さく
しなくても微粒子部分による色ムラが生じてしまう。上
記のスターライトテクスチャ構造では、このような現象
を生じることなく、目的とする性能が得られる。
【0081】本発明に基づく液晶素子11において、液晶
26に添加する微粒子31としては、図1に示した対向する
透明電極層2a、2b間に存在する液晶26に印加される
実効電界強度に分布を持たせることができるような微粒
子であればよく、例えば誘電率の異なる複数の材質の微
粒子を混合して使用することができる。このように誘電
率の異なる微粒子を存在させることにより、各画素内に
誘電率の分布が形成される。
【0082】この結果、上記したように、画素の透明電
極層2a、2b間に均一に外部電界を印加した場合で
も、その画素内の液晶26に印加される実効電界強度には
分布ができ、液晶(特に強誘電性液晶)の双安定状態間
をスイッチングするためのしきい値電圧の幅を広げるこ
とができ、一画素内でアナログ階調表示が可能となる。
【0083】また、使用する微粒子31として、誘電率が
同じものを使用する場合には、大きさに分布をもたせれ
ばよい。このように、誘電率は異ならないが大きさが異
なる微粒子31を存在させることにより液晶層の厚みに分
布ができる。
【0084】この結果、一画素の透明電極層2a、2b
間に均一に外部電界を印加した場合でも、上記と同様
に、その画素内の液晶に印加される実効電界強度には分
布ができ、一画素内でアナログ階調表示が可能となる。
微粒子31の大きさの分布について、その分布の広がりは
ある程度大きい方が、優れたアナログ階調表示ができる
ので好ましい。
【0085】液晶26に添加する微粒子31はpH2.0 以上の
表面を有することが望ましいが、これは、pH2.0 未満で
は酸性が強すぎ、プロトンにより液晶が劣化し易いから
である。
【0086】また、この微粒子31は、50重量%以下、
0.1重量%以上の割合で液晶26に添加されているのが望
ましい。添加量があまり多いと、凝集してスターライト
テクスチャ構造が発現し難く、また液晶26の塗布が困難
となり易い。
【0087】使用可能な微粒子31はカーボンブラック及
び/又は酸化チタンからなっていてよく、またカーボン
ブラックがファーネス法により作製されたカーボンブラ
ックであり、酸化チタンがアモルファス酸化チタンであ
るのがよい。ファーネス法により作製されたカーボンブ
ラックは、微粒子の粒度分布が比較的広く、またアモル
ファス酸化チタンは、表面性が良く、耐久性にも優れて
いる。
【0088】使用可能な微粒子31は、凝集していない一
次微粒子の状態で、液晶セルギャップdの半分以下の大
きさ(0.4μm以下、特に 0.1μm以下)が好ましい。
【0089】また、その粒度分布によって階調表示特性
をコントロールできるが、粒度分布の標準偏差が 9.0nm
以上であることが透過率の変化(トランスミタンス)を
緩やかにできる点で望ましい。
【0090】微粒子31の比重は液晶26の 0.1〜10倍であ
ることが、液晶26中に分散させた際の沈降防止の点で望
ましく、また、微粒子31が良分散性を示すようにシラン
カップリング剤等で表面処理されているのがよい。
【0091】微粒子31は対向する電極2a−2b間に存
在させる必要があるが、その場所は液晶26中であるのが
よいが、液晶配向膜24及び/又は24b中、或いはこれら
の液晶配向膜上でもよい。
【0092】液晶素子11においては、液晶26の層傾斜角
が配向膜24a又は24bの近傍領域とこれ以外のバルク領
域とで異なっているのがよく、また、液晶26の層傾斜角
を示すX線回折強度のピークが、X線入射角90°以下又
は90°以上において少なくとも2つ存在するのがよい。
この場合のX線回折強度のピークの半値幅が3°以上で
あるのが、階調性を出し易いので好ましい。
【0093】また、しきい値電圧の異なる複数のドメイ
ンを構成する液晶分子のみかけのチルト角(コーン角)
が、モノドメインの状態よりも±1°以上変化している
ことがよい。そして、液晶分子のコーン角の温度依存性
が、モノドメインの状態よりも小さいことが望ましい。
【0094】上記のスターライトテクスチャ構造は、液
晶26中に微粒子31を添加すること等によって出現する
が、配向膜24a、24bをアニールすることによっても出
現することがある。基本的には、通常、強誘電性液晶は
層構造をもち、その構造はブックシェルフまたはシェブ
ロンであるのに対して、このスターライトテクスチャ構
造はそのどちらでもなく、配向膜24a又は24bの表面近
傍では、バルク部分と異なった層傾斜角をもっている構
造をなす。
【0095】更に、チルト角がモノドメイン状態である
ときに比較して小さくなることは、次のように考えられ
る。即ち、実験的に確認されたことであるが、配向処理
方向に対して、小さくなったチルト角が対称であること
から、配向膜24a又は24bの表面の液晶分子は配向膜方
向に対して平行に配向していることが分かった。また、
これらの配向膜24a又は24bの表面の液晶分子は、電界
によってスイッチングせずに、不動であることが分かっ
た。
【0096】従って、みかけのチルト角は、表面の液晶
分子がスイッチングする場合に比べて、小さく観測され
ることになる。また、チルト角が大きくなることは、通
常の層傾斜角に比べて、増大したか、若しくは、プレチ
ルト角が増大したために、起こった変化であると考えら
れる。
【0097】なお、上記の液晶素子において使用可能な
強誘電性液晶はチッソ(株)製、メルク(株)製、BD
H社製、あるいは他の公知の強誘電性液晶化合物又はこ
れと非カイラル液晶とからなる組成物でも可能である
が、その制限はなく、また、その相系列の制限も必要と
せず、必要なのは使用温度範囲でカイラルスメクチック
液晶相をとることである。また、スイッチングスピード
が高速であれば、例えば、反強誘電性液晶(AFLC)
や電傾効果を示すスメクチックA相でも適用可能であ
る。
【0098】また、使用可能な配向膜材料はSiO等の
SiOxをはじめ、ポリイミド等であってもよい。
【0099】液晶表示素子の製造工程 次に、上記した図1の液晶表示素子11の製造方法を図7
〜図17について概略的に例示する。
【0100】まず、図7に示すように、ガラス等の基板
22aの表面にフォトリソグラフィ法によってITO等の
透明電極層23aを多数本平行に形成する。
【0101】次いで、図8に示すように、スペーサとな
る上記の突条部20Aを形成するための反転形状の凹条部
32(溝部)を型面33Aに有する型33(スタンパ)を作製
する。
【0102】次いで、図9に示すように、スタンパ33の
凹条部32を含む型面33Aに、光硬化性樹脂(2P)であ
る紫外線硬化性樹脂(例えばポリケイ皮酸ビニル)20を
未硬化状態でスピンコートする。そして、この塗布層に
対して図7の基板22aを透明電極層23aが向くようにし
て各透明電極23a間に溝部32が位置した状態に基板22a
を位置合わせする。
【0103】次いで、図10に示すように、基板22aをス
タンパ33の型面33A上の紫外線硬化樹脂層に圧着する。
そして、この状態で、透明の基板22aを通して紫外線34
を全面に照射し、樹脂層20を硬化させる。
【0104】次いで、基板22aを樹脂層20と共にスタン
パ33から剥離し、図11に示すように、突条部20Aを有す
る樹脂層20が上面に形成された基板22aを得る。この剥
離は、突条部20Aが台形状であるために容易となる。樹
脂層20は、透明電極層23aを被覆し、この被覆表面が平
坦となると共に、透明電極層23aのない位置に突状部20
Aを有している。
【0105】次いで、図12に示すように、SiOx24a
を斜方蒸着し、樹脂層20上に液晶配向膜24aを堆積させ
る。
【0106】次いで、図13に示すように、超微粒子(例
えばカーボンブラック)31を添加、分散させた強誘電性
液晶26を塗布する。この液晶26は、上記の樹脂層20上に
十分な厚みに(実際には、基板22aの中央部を透明電極
層23aと直交して)塗布する。
【0107】次いで、図14に示すように、基板22aと同
様に、透明電極層23b及びSiOx液晶配向膜24bを別
途形成しておいた基板22bを液晶配向膜24bの側におい
て図13の基板22aの液晶26上に重ね合わせ、圧着する。
【0108】こうして、液晶26を挟んで突条部20Aによ
りギャップを規定した状態で基板22aと22bとを一体化
した後、周囲を接着剤で封止して図1に示した強誘電性
液晶表示素子(FLCディスプレイ)11を作製する。
【0109】上記した製造方法では、基板22a上の被覆
樹脂層20を紫外線硬化性樹脂で形成したが、これに代え
て熱硬化性樹脂(例えばポリイミド樹脂)を使用するこ
とができる。
【0110】この場合は、図9〜図10の工程において、
熱硬化性樹脂をスタンパ33上に塗布し、基板22aを圧着
した後、加熱によって硬化させればよい。この硬化後
は、基板22aをスタンパ33から剥離し、これ以降は図11
〜図14で述べたと同様に処理する。
【0111】或いは、基板22aを熱可塑性樹脂(例えば
ポリプロピレン)で形成すれば、図15に示すように、熱
可塑性樹脂基板22aにスタンパ33の型面33Aを圧着す
る。この圧着時に生じるガスは突条部20Aが基板22a’
の端部にまで及んでいるため、この端部から上記の凹条
部32を通して効果的に逃がすことができる。こうして凹
条部32を転写して突条部20A’が成形された基板22a’
をスタンパ33から剥離する。
【0112】そして、図16に示すように、基板22a’上
において、突条部20A’間に透明電極層23aをフォトリ
ソグラフィ法で所定パターンに形成する。
【0113】次いで、図12〜図13と同様にして液晶26を
塗布した後、図17に示すように、基板22bを圧着し、図
1に示したものと同等の液晶表示素子11’を製造する。
【0114】このように、基板22aを熱可塑性樹脂で形
成した場合、その成形時に硬化処理は必要ではないた
め、素子の製造をより迅速に行うことができる。
【0115】液晶表示素子とその製造工程の具体例 次に、本実施例による強誘電性液晶表示素子とその製造
工程の具体例を図7〜図21の参照下に説明する。
【0116】<具体例1>この例による基本的な製造プ
ロセスは、1:ガラス基板の洗浄、2:ITO透明電極
の形成、3:凸部の形成、4:液晶配向膜の形成、5:
液晶の塗布、6:基板の重ね合わせ圧着、7:基板の固
定、からなっている。これらを順次説明する。
【0117】1:ガラス基板の洗浄 6cm×7cmのガラス基板22a、22bをクリーンルーム内
で三槽式超音波洗浄器(サン電子株式会社製)によって
下記のように洗浄及び乾燥処理した。以下、基板の重ね
合わせの終了まで、全てのプロセスはクリーンルーム内
で行った。
【0118】第1槽:アルカリ洗剤(スキャット×2
0)を用い、水温45℃にして基板22a、22bを揺動させ
ながら、超音波洗浄を3分間行った。
【0119】第2槽:純水シャワーを浴びせながら基板
22a、22bを揺動しつつ、3分間の超音波すすぎを3回
行い、アルカリ洗剤を流し落とした。
【0120】第3槽:基板22a、22bを水温80℃の純水
に1分間漬け、エレベータ機構により基板を純水から徐
々に引き上げ、放置乾燥を行った。
【0121】次に、UVドライストリッパークリーナー
(サムコインターナショナル研究所株式会社製)を用い
て、室温で10分間、UVオゾン洗浄を行った。
【0122】2:透明電極の形成 次いで、図7に示したように、ガラス基板22a、22bの
片面にスパッタ法によりIndium Tin Oxide(ITO)か
らなる透明電極材料層を形成し、フォトリソグラフィ法
により所定のパターンの透明電極23a、23bを形成し
た。このパターニングの一般的な手順を以下に示す。
【0123】(A)ITOのスパッタ (B)レジストのスピンコート (C)レジスト膜のプリベーク (D)レジスト膜のポストベーク (E)レジスト膜の露光 (F)レジスト膜のエッチング (G)ITOのエッチング (H)洗浄 (I)レジスト膜の剥離 (J)洗浄
【0124】3:凸部の形成 次に、このITO23aの面の上にフォトポリマー(2
P):SD−17(大日本インキ化学工業(株)製)か
らなるスペーサ兼平坦化層20を形成した。その方法を下
に示す。
【0125】−スタンパの作製− (a)5cm×5.5cm のニッケル基板にレジストをスピン
コートした。 (b)レジスト膜のベーキングの後、スペーサのパター
ンを露光した。このパターンは平行な複数のライン状と
し、ITO電極と平行にしたときにITO電極10本当た
り1本のスペーサが存在するように設定した。 (c)レジスト膜をエッチングし、ニッケル基板のスペ
ーサ部位を露出させた。 (d)更に、ニッケル基板をエッチングした。この際、
ニッケル基板に生じる溝32の深さが 1.5μmになり、そ
の幅は表面側が大きく、底側が小さい逆台形状となるよ
うに、エッチング温度及び時間を設定した。 (e)エッチング液を洗い落とした後、残ったレジスト
膜を剥離し、更に洗浄を施し、図8に示したスタンパ33
を得た。
【0126】−凸部の作製− (a)図9に示したように、スタンパ33に上記の2Pを
スピンコートした。 (b)スタンパ33に形成された溝部32が基板22aのIT
O23aの間に存在するように位置合わせをした。 (c)基板22aをスタンパ33に圧着し、スタンパ33の端
からはみ出した2Pを吸引除去した。 (d)図10に示したように、紫外線34を基板22aから照
射し、2Pを硬化した。 (e)図11に示したように、スタンパ33を基板22aから
剥離し、凸部20Aを有する平坦化層20で被覆された基板
22aを得た。
【0127】4:液晶配向膜の形成 次に、図12に示したように、上記のITO電極23a及び
凸部20Aを形成した基板22aと、ITO電極23bは形成
したが凸部は形成しなかった基板22bとのそれぞれに、
SiOxからなる液晶配向膜24a、24bを真空蒸着法に
より電極側の面に形成した。これは、いわゆる斜法蒸着
法によって次のように行った。
【0128】即ち、図18に示す例えば昭和真空社製の真
空蒸着装置35を用い、真空チャンバ内の真空度8×10-6
Torr、基板温度 170℃、蒸着速度 0.1nm/s、基板22a、
22bを蒸着源27の鉛直上方±θ1 (例えば±5°)以内
に配し、蒸着源37の鉛直線39と基板22a、22bの法線39
とのなす角θ2 を例えば85°とした。蒸着方向はアンチ
パラレル(即ち、液晶セルを作製した際に一対の基板に
おける蒸着方向が反平行)となるように設定した。
【0129】なお、真空チャンバ36には、真空弁40を介
して真空ポンプ41が接続され、このポンプによる排気で
所定の真空度を達成した。パージング時には真空弁40を
通して窒素ガスを真空チャンバ36内に導入した。
【0130】また、蒸着源37は、抵抗加熱電極42間の通
電による通常の抵抗加熱法によるものであって、純度 9
9.99%のSiOx粉末(フルウチ化学株式会社製)24を
タンタル製の蒸着ボート43(Ta−SS−1−10:日本
バックスメタル株式会社製)に入れたものを用いた。蒸
着速度のコントロールは、水晶振動子式膜厚測定器44か
らのフィードバックを用い、厚さ50nmまで蒸着を行っ
た。SiOの蒸着の際、基板22a、22bの端を2mmマス
クし、電極コード取付け用の非蒸着部を設けた。
【0131】液晶配向膜24a、24bの製膜後、室温に戻
し、基板22a、22bを空気中に取り出した。そして、安
定な液晶配向を得るために、 300℃で2時間アニール
し、基板22a、22bに製膜されたSiO24a、24bを酸
化した。
【0132】5:液晶の塗布 液晶26としてはチッソ株式会社製の強誘電性液晶(商品
名CS−1014)を用いた。この液晶の等方相相転移
温度は81.3℃である。そして、図13に示したように、粒
径 0.4μm以下のカーボンブラック(seva MT カー
ボン:コロンビアカーボン社製)31を1重量%の割合で
均一に分散した液晶26の約 0.2gを、x−y制御機構付
きのディスペンサを用いて、凸部20Aを形成した基板22
a上にITO電極23aと直行する方向で基板22aの中央
部を横断するようにして85℃で塗布した。
【0133】ここで、液晶塗布装置45は、図19に示すよ
うに構成されていて、恒温槽46内に配したディスペンサ
47から、塗布針48を通してカーボンブラック分散液晶26
を基板22a上に滴下しながら塗布した。
【0134】6:基板の重ね合わせ及び圧着 図14に示した基板22aと22bとの重ね合わせ及び圧着
は、基板同士を擦り合わせないように図20に示す基板圧
着装置49を用いて行った。
【0135】この基板圧着装置49は、固定された下部基
板ホルダ50と可動上部基板ホルダ51の所定位置に、吸引
口52、53からの真空チャックでそれぞれの基板22a、22
bを固定し、加熱体54、55により任意の温度に各基板を
加熱し、加圧体により2枚の基板22a、22bを圧着する
ものである。基板ホルダ50、51における基板22a、22b
の固定位置は、これらの基板にフレキシブルコードを取
り付けるための電極部位が覆われないように設定した。
また、基板の加熱温度は、加熱体近傍に設けた熱電対5
9、60によって検知した。
【0136】可動上部基板ホルダ51は、押圧板56と共
に、油圧シリンダ52の固定台53と下部基板ホルダ50との
間に固定されたガイド57に沿って動き、2枚の基板同士
が擦れ合わされることなく、圧着することが可能であ
る。この圧着を円滑に行うために、油圧シリンダ52を押
圧板56との間にクッション層58を設けた。
【0137】基板22aと22bとの圧着に際しては、基板
22a、22bの温度を85℃として、液晶配向膜24a、24b
が基板22a−22b間の内側になるように、液晶26を塗布
した基板22aを下部基板ホルダ50に固定し、凸部20Aを
有さない基板22bを上部基板ホルダ51に固定し、図21に
示すように、ゆっくりと上部基板ホルダ51を降下させて
両基板22aと22bを重ね合わせた後に、徐々に圧力を増
した。基板22a、22bの向きは上述した通り、液晶配向
膜24a、24bの蒸着方向が両基板で互いに反平行となる
向きであった。
【0138】この圧着により、基板22a上の液晶26が基
板全面に広がり、基板22a、22bの端にはみ出した余分
な液晶は吸引除去した。圧着時の最終到達圧力は0.9kgW
/cm2とした。この最終到達圧力を維持したまま、30分、
基板温度を保持した後、1℃/分の速度で基板温度を下
げ、室温に戻した。
【0139】7:基板の固定 上記の圧着装置49に基板22a、22bを固定し、最終到達
圧力を維持したまま、図21に示すように、基板の周囲に
紫外線硬化樹脂(フォトレック:積水化学株式会社製)
27を塗布し、基板の側面から高圧水銀灯61による紫外線
を照射し、2枚の基板22a−22b同士を固定し、液晶表
示素子を得た。
【0140】<具体例2>上記した具体例1と同様にし
て液晶表示素子を作製した。但し、凸部20Aの作製にお
いて、2Pの代わりに熱硬化性ポリイミド樹脂を用い
て、紫外線照射の代わりに焼結を行って、凸部20Aを基
板22a上に形成した。
【0141】<具体例3>上記の具体例1と同様にして
液晶表示素子を作製した。但し、素子の作製は、図15〜
図17に示した工程で行った。基板22aには 4.5cm×5cm
のポリオレフィン(ポリプロピレン)を用いた。凸部20
Aの形成は、図15に示したように、 200℃に加熱したス
タンパ33を直接ポリオレフィン基板22aに圧着すること
により行った。電極23aの形成は、図16に示したよう
に、凸部10Aの形成後に行った。
【0142】<比較例1>図28に示した従来の液晶注入
法を用いて液晶表示素子を作製した。以下にその基本的
なプロセスを示す。
【0143】(a)ガラス基板2a、2bの洗浄−具体
例1と同様 (b)透明電極23a、23bの形成−具体例1と同様 (c)液晶配向膜4a、4bの形成−具体例1と同様 (d)スペーサ5の散布及びセルの組み立て 1.5μmの真し球を基板2a上に散布し、紫外線硬化樹
脂7を基板周囲にディスペンサを用いて塗布した後、2
枚の基板2aと2bを配向膜4a、4bの蒸着方向が反
平行になるように組んだ。 (e)液晶の注入 カーボンブラック(seva MTカーボン:コロンビアカ
ーボン社製)を1重量%の割合で均一に分散した強誘電
性液晶(商品名CS−1014)を注入し、液晶表示素
子を得た。
【0144】<比較例2>比較例1において、カーボン
ブラックを添加しない液晶を使用した以外は同様にし
て、液晶表示素子を作製した。
【0145】液晶表示素子の特性評価 上記の具体例1〜3及び比較例1〜2で得られた各液晶
表示素子について、印加電圧とコントラストの関係を以
下に示すようにして調べた。
【0146】直交ニコル下で図22に示す駆動波形を液晶
表示素子に印加した。まず、1ms幅のリセットパルスを
印加後、1ms幅でリセットパルス以下の電圧のグレイパ
ルスを印加した。リセットパルス印加後の黒レベルにお
ける光透過強度と、グレイパルス印加後のグレイレベル
における光透過強度との比から、コントラストを求め
た。結果を図23に示す。
【0147】この結果から明らかなように、本発明に基
づく具体例1〜3で得られた液晶表示素子は、電圧に応
じて異なるコントラストが得られ、アナログ階調表示が
可能であり、また、比較例1〜2における液晶表示素子
よりも高いコントラストの最大値が得られている。
【0148】しかも、カーボンブラックを添加した液晶
を使用すると、電圧に応じて異なる高いコントラスト比
が得られる上に、強誘電性液晶の双安定状態間のスイッ
チングのためのしきい値電圧(コントラスト比が最大値
の1/10〜1/9又は透過率が10〜90%の範囲内での
しきい値電圧の変化幅)が2V以上と広くなり、アナロ
グ階調表示が可能である。これに反し、カーボンブラッ
クを添加しない液晶を注入して得られた比較例2の液晶
表示素子は、しきい値が急峻なカーブを有しているの
で、アナログ階調性を有していないことが分かる。
【0149】上記の結果から、本発明に基づく液晶表示
素子とその製造方法は、TFT等のアクティブ素子を画
素ごとに設ける必要がなく、また、液晶の注入工程やス
ペーサの散布を行わずに、低コストで簡便に単純マトリ
ックスで優れたアナログ階調表示を高コントラストに実
現することができる。
【0150】以上、本発明を実施例について説明した
が、上述した実施例は本発明の技術的思想に基いて更に
変形が可能である。
【0151】例えば、上述した液晶26の塗布方法やその
手段は種々変更してよい。また、液晶26の塗布は双方の
基板22a、22b又はその一方側に行ってよいし、その塗
布領域も基板の少なくとも一部に(特に、端部の端子接
続部分を除いて)設ければよい。
【0152】また、液晶の種類をはじめ、液晶素子の各
構成部分の材質、構造、形状、組み立て方法、更には微
細なマイクロドメインの形成に用いる超微粒子の物性、
種類等は種々に変更することができる。また、超微粒子
の添加方法も変更してよいし、その分布位置は液晶中の
みならず、配向膜上、或いは配向膜中であってもよい。
【0153】また、基板に設ける上述の凸部20Aのパタ
ーンや断面形状、更にはその材質、形成方法も上述した
例のものに限られることはない。例えば、上述したスタ
ンパ33を使用する代わりに、スクリーン印刷による塗布
で凸部20Aを形成することができる。基板22a、22bは
ディスプレイとして、少なくとも一方が光学的に透明で
あればよい。
【0154】なお、上述した実施例では、表示素子に好
適な液晶素子について説明したが、表示素子では特に階
調性(中間調)を実現できる点で好ましいものである。
しかし、本発明は、表示素子に限らず、液晶素子をフィ
ルタやシャッタ、OA機器のディスプレイ画面、スクリ
ーンやウォブリング用の位相制御素子等にも適用可能で
ある。これらのいずれも、上述したしきい値電圧幅によ
って駆動電圧に応じた透過率又はコントラスト比を示す
ことを利用して、従来にはない性能を得ることができ
る。
【0155】
【発明の作用効果】本発明による液晶素子は、上述した
如く、一対の基板間の間隙内の液晶が液晶配向制御層上
への塗布によって配されるため、従来の技術の如き液晶
の注入は不要となり、注入時に液晶を加熱するといった
工程は必要ではなく、従って、液晶材料の組成の変化が
生じない。
【0156】従って、印加される実効電界強度が分布を
持つように、一対の基体間に微粒子を存在させるとき、
特にこの微粒子を強誘電性液晶に添加するとき、こうし
た液晶を注入して一対の基体間に配する場合には、液晶
の組成変化が生じ易いが、こうした欠点は液晶を塗布で
配することによって防止でき、良好なコントラスト、ア
ナログ階調性を有する液晶素子を低コストで迅速かつ容
易に得ることが可能となる。
【0157】こうして、微粒子を添加した液晶を配した
液晶素子が確実に得られるため、微粒子の存在によって
実効電界強度が液晶中で分布を持ち、印加電圧によって
液晶の光透過率が急峻に変化せずに比較的緩やかに変化
し、高コントラストを保持しつつ、特にアナログ階調表
示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく液晶表示素子の概略断面図であ
る。
【図2】本発明に基づく他の液晶表示素子の概略断面図
である。
【図3】図1又は図2の液晶表示素子における一方の基
板に設けた凸部のパターン図である。
【図4】本発明に基づく液晶表示素子のしきい値電圧特
性を示す透過率−印加電圧特性図である。
【図5】同液晶表示素子のスイッチング時の透過率の変
化を説明するための概略図(A)であり、同図(B)は
階調性のない場合の同様の概略図である。
【図6】同液晶表示素子の液晶中での実効電界を説明す
るための概略図である。
【図7】同液晶表示素子の製造工程の一段階を示す断面
図である。
【図8】同製造工程の他の段階を示す断面図である。
【図9】同製造工程の他の段階を示す断面図である。
【図10】同製造工程の他の段階を示す断面図である。
【図11】同製造工程の他の段階を示す断面図である。
【図12】同製造工程の他の段階を示す断面図である。
【図13】同製造工程の他の段階を示す断面図である。
【図14】同製造工程の更に他の段階を示す断面図であ
る。
【図15】同液晶表示素子の他の製造工程の一段階を示す
断面図である。
【図16】同製造工程の他の段階を示す断面図である。
【図17】同製造工程の更に他の段階を示す断面図であ
る。
【図18】同液晶表示素子の製造に使用する真空蒸着装置
の概略断面図である。
【図19】同製造に使用する液晶塗布装置の概略断面図で
ある。
【図20】同製造に使用する基板圧着装置の圧着前の概略
断面図である。
【図21】同圧着装置の圧着時の概略断面図である。
【図22】液晶表示素子における印加電圧とコントラスト
比との関係を評価するためのパルス波形図である。
【図23】各種液晶表示素子のコントラスト−印加電圧特
性を示すグラフである。
【図24】従来の液晶表示素子の概略図断面図(図25のXX
IV−XXIV線断面図)である。
【図25】同液晶表示素子の概略平面図である。
【図26】強誘電性液晶のモデル図である。
【図27】従来の液晶表示素子のしきい値電圧特性を示す
透過率−印加電圧特性図である。
【図28】同液晶表示素子の製造における液晶注入工程を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
11・・・液晶表示素子 20・・・被覆樹脂層 20A・・・凸部(突条部) 22a、22b・・・基板 23a、23b・・・透明電極層 24a、24b・・・液晶配向膜(液晶配向膜制御層) 26・・・液晶 27・・・接着剤 31・・・微粒子 32・・・溝部(凹条部) 33・・・スタンパ 34・・・紫外線 d・・・セルギャップ Vth・・・しきい値電圧 MD・・・マイクロドメイン D・・・ドメイン Eeff ・・・実効電界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楊 映保 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 松居 恵理子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 藤岡 隆之 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極及び液晶配向制御層をこの順に設け
    た一対の基体が所定の間隙を置いて対向配置され、液晶
    が前記液晶配向制御層上に塗布されて前記間隙内に配さ
    れている液晶素子。
  2. 【請求項2】 一対の基体の少なくとも一方が電極及び
    液晶配向制御層を含めて光学的に透明であり、前記一対
    の基体の少なくとも一方の液晶配向制御層上の少なくと
    も一部の領域に液晶が塗布され、前記液晶配向制御層が
    内側となるように前記一対の基体が圧着されている、請
    求項1に記載した液晶素子。
  3. 【請求項3】 液晶に印加される実効電界強度が分布を
    持つように、一対の基体間に微粒子を存在させる、請求
    項1又は2に記載した液晶素子。
  4. 【請求項4】 一対の基体の少なくとも一方において電
    極を設けた面側に複数の凸部が形成されており、これら
    の凸部によって前記一対の基体間の間隙が保持されてい
    る、請求項1〜3のいずれか1項に記載した液晶素子。
  5. 【請求項5】 複数の凸部が断面台形状であって基体の
    端部に至るまでストライプ状に形成され、これらのスト
    ライプ状の凸部間に電極がほぼ平行に設けられている、
    請求項4に記載した液晶素子。
  6. 【請求項6】 複数の凸部が光硬化性樹脂、熱硬化性樹
    脂又は熱可塑性樹脂によって形成されている、請求項4
    又は5に記載した液晶素子。
  7. 【請求項7】 液晶表示装置として構成された、請求項
    2〜6のいずれか1項に記載した液晶素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載した
    液晶素子の製造方法において、一対の基体に電極及び液
    晶配向制御層をこの順に設けた後に、前記一対の基体の
    少なくとも一方の液晶配向制御層上の少なくとも一部の
    領域に液晶を塗布し、更に、前記液晶配向制御層が内側
    となるように前記一対の基体を互いに圧着することを特
    徴とする、液晶素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 一対の基体の少なくとも一方において電
    極を設けた面側に、前記一対の基体間の間隙を保持する
    ための複数の凸部を形成するに際し、これらの凸部の反
    転形状を有する型の型面に硬化前の光硬化性樹脂を塗布
    した後、前記基体を前記型面上に重ね合わせ、光照射に
    よって前記光硬化性樹脂を硬化した後、前記型を剥離す
    る、請求項8に記載した製造方法。
  10. 【請求項10】 一対の基体の少なくとも一方において電
    極を設けた面側に、前記一対の基体間の間隙を保持する
    ための複数の凸部を形成するに際し、これらの凸部の反
    転形状を有する型の型面に硬化前の熱硬化性樹脂を塗布
    した後、前記基体を前記型面上に重ね合わせ、加熱によ
    って前記熱硬化性樹脂を硬化した後、前記型を剥離す
    る、請求項8に記載した製造方法。
  11. 【請求項11】 予め電極を形成した基体を型面上に重ね
    合わせる、請求項9又は10に記載した製造方法。
  12. 【請求項12】 一対の基体の少なくとも一方を熱可塑性
    樹脂で形成し、この基体において電極を設けた面側に、
    前記一対の基体間の間隙を保持するための複数の凸部を
    形成するに際し、これらの凸部の反転形状を有する型の
    型面を熱可塑性樹脂からなる前記基体に熱転写した後、
    前記型を剥離する、請求項8に記載した製造方法。
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