JP3086682B2 - 液晶電気光学装置 - Google Patents
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Description
強誘電性の液晶材料を用いた複屈折モードの液晶電気光
学装置に関する。
強誘電性の液晶材料と、硬化した樹脂材料とを有する液
晶電気光学装置に関する。
強誘電性の液晶材料と、該液晶材料を挟持する基板また
は該基板上の電極や配向膜の上に設けた硬化した樹脂材
料とを有する液晶電気光学装置に関する。
晶材料中に、反応開始剤を含む樹脂を添加し樹脂を硬化
させる液晶電気光学装置に関する。
晶材料を用いて、基板間隔により該液晶材料がバルク状
態において呈するらせん構造が抑制された液晶電気光学
装置であって、ドメインの発生を伴わずにスイッチング
を行う液晶電気光学装置に関する。
晶材料を用いて、基板間隔により該液晶材料がバルク状
態において呈するらせん構造が抑制された液晶電気光学
装置において中間調を得るための構成に関する。
晶材料を用いて、階調が連続的に変化する液晶電気光学
装置に関する。
晶材料を用いたアクティブマトリクス型液晶電気光学装
置に関する。
が注目されている。中でも特に、ネマチック液晶を使用
したツイステッドネマチック(以下TNという)型やス
ーパーツイステッドネマチック(以下STNという)型
のものが広く知られ、実用化されている。またネマチッ
ク液晶材料を用い、各画素に薄膜トランジスタ(TF
T)等のスイッチング素子を設けたアクティブマトリク
ス型のものが、高速、高コントラスト、多階調表示でき
るものとして盛んに開発されている。
本的な構成を次に示す。電極を有する基板上に配向膜を
塗布、焼成し、配向処理としてラビングを施して第1の
基板とする。同様に電極を有する基板上に配向膜を塗
布、焼成し、ラビングを施して第2の基板とする。この
第1の基板と第2の基板を電極が対向するように設け、
この基板間に液晶を挟持している。
ングによる規制力に従って、ラビングした方向に並んで
いる。上下基板では、このラビング方向をTN型では9
0゜またSTN型では200゜〜290゜に位置するよ
うにずらしている。液晶層の中間付近の液晶分子は、9
0゜〜290゜に位置する液晶分子の間をエネルギーが
一番小さくなるように螺旋状に並んでいる。
間に電圧を印加することにより、液晶分子の誘電異方性
により電界方向に平行または垂直に並ぶことで螺旋構造
を解く。装置としてはこのように液晶分子が基板面に対
して垂直な場合には明状態を、平行な場合には暗状態を
示すように透過光量が変化する。また、このような液晶
分子の状態は基板間に印加する電圧により連続的に変化
し、それに応じて透過光量が変化するため、印加電圧を
適当に制御することにより、明(透過)状態と暗(非透
過)状態の間の階調、すなわち中間階が得られる。
は、特にカラー化に非常に有効であり液晶の応答速度さ
え充分であればフルカラー化にも対応できる。
00m秒と遅く、高速応答が要求される動画等の表示に
対しては十分な特性を有していない。またネマチック液
晶は流動性があるため装置を立てかけて使用すると、液
晶が装置の下部に溜りセルの下部が膨れたような形にな
る。こうなると、装置内でセル厚が大きく変化するの
で、着色や色ムラが生じたり、同じ電圧を印加しても液
晶の応答が一様でなかったりする。
れているため、上記のようなネマチック液晶の問題は、
ますます深刻になっている。
れている。強誘電性液晶は液晶分子が自発分極を有し、
数十μ秒で高速スイッチングできる。この強誘電性液晶
を用いてアクティブマトリクス型のLCDとし、より高
速な表示ができるものも開発されている。
発分極を有しており、応答速度が数〜数100μ秒と高
速動作が可能であり、ネマチック液晶に比べて、約3桁
以上も高速で応答する。
晶を用いた液晶電気光学装置においては、液晶分子は少
なくとも一方の基板面において、配向処理がなされてい
ればその規制力に従って並ぶ。これら液晶分子は一方の
基板面から他方の基板面に対して、規則正しく積み重な
った層構造を有している。また基板の平行方向に対して
も層構造を有している。
電性液晶または、反強誘電性液晶は流動性に乏しく、装
置を立てかけた場合など、ネマチック液晶のように液晶
が装置の下部に溜ることがなく、セル厚が一定に保たれ
均一な表示が可能という利点がある。
においては、液晶材料が有する層の法線(基板にほぼ平
行)に対して液晶分子長軸がある傾き角だけ傾いた配向
になっており、これがバルク状態では液晶分子が層から
層に渡って配向ベクトルの向きが捩じれた螺旋構造とな
っており、液晶分子が有する自発分極が全体としては相
殺されるため強誘電性が発現できなかった。
する所謂表面安定化型の液晶電気光学装置が提案され
た。その基本的構成は電極を有する一対の基板間に強誘
電性スメクチック液晶材料を挟持し、前記液晶分子を基
板に平行かつ一軸配向せしめ、液晶材料の有する層を基
板に対して垂直あるいは傾斜して形成させるものであ
る。この時、前記一対の基板間隔を1μm程度として前
記液晶材料がバルク状態で取る螺旋構造を解いている。
さらに螺旋構造を解いた結果、液晶分子の取る配向ベク
トルの向きが2つの安定な配向状態、即ち双安定な配向
状態が得られる。
加する電界の極性を反転させることで、液晶材料の有す
る自発分極と前記電極により印加された電界との積によ
るトルクにより上記2つの状態の間で高速応答が可能と
なる。
とにより、液晶分子自身が持つ自発分極の向きを180
゜変化(以下反転という)させる。液晶分子は一軸配向
方向からある角度だけ変化した向きを有し、電圧の印加
により液晶分子の向きが反転し、明(透過)状態から暗
(非透過)状態もしくは暗状態から明状態へのスイッチ
ングを行う。
強誘電性の液晶を用いた液晶電気光学装置は、液晶分子
の光学異方性を利用するものであるので、両基板の外側
に偏光板を有し、電気光学特性を得ている。
する場合は、2つの安定な状態のどちらかに一方の配向
状態を示す方向に片方の偏光板の光軸を合わせ、他方の
偏光板はこれと光軸が垂直となるようにする。
て、液晶材料を挟持する基板の液晶材料と接する面に、
液晶材料を一軸配向させる配向規制力を有せしめる手段
(以下一軸配向手段という)を形成する方法が知られて
いる。代表的にはラビング法が知られている。ラビング
法は通常有機高分子等からなる100〜500Åの膜厚
の配向膜を、基板の電極を有する表面上に形成し、更に
前記配向膜表面を布などにより一方向に擦る処理(ラビ
ング処理)を施し、配向膜に液晶分子を一方向に配列さ
せる一軸配向規制力を有せしめる方法である。基板面や
電極面に直接ラビング処理を施すこともある。ラビング
法はネマチック液晶を用いたTN型、STN型液晶電気
光学装置では広く用いられており、強誘電性液晶でも簡
便かつ大面積化も容易な優れた配向方法として多く用い
られている。
有しているため、一度配向させたら層構造が崩れない限
り配向が乱れることはない。従って、ラビング法による
配向に限られることはなく、ずり応力法、磁場配向法、
温度勾配法等、配向膜を用いない、すなわち初期配向の
みを行う配向方法においても、十分に液晶分子を配向さ
せスイッチングを行うことができる。しかしこれらは実
験的には利用されることはあるが、液晶材料を配向させ
るために多大な時間を要し、また大面積の装置の作製す
るのには向かず実用的でないため、工業的にはあまり用
いられていない。
面に対して斜めに蒸着させて配向させる斜方蒸着法もあ
るが、量産性に問題があり、また、大面積の基板に対し
て行う場合、基板上の各点での蒸着角や蒸着方位等の違
いが無視できなくなる等の問題が生じる。従って、現在
強誘電性液晶電気光学装置においても工業的に広く利用
されている配向方法はラビング法である。
はネマチック液晶と比較して約3桁高速にスイッチング
できるため、ONとOFFを表示フレームごとに制御し
て表示時間により階調表示を行う、いわゆるフレーム階
調表示を可能とする。このON・OFF時間をTFTを
用いてデジタル値で制御することで多階調のデジタル階
調表示を行うことができる。詳細は本出願人の発明にな
る特願平4−275413号に記載されている。
TFTを用いてもよいが、強誘電性液晶の高速なスイッ
チングに対応し、またこのデジタル階調表示において、
より高速、多階調、高コントラスト比とするためには、
画素への電荷注入がより速やかに行われる必要がある。
そのためアモルファスシリコンTFTより約4桁高速で
動作しかつ自発分極を十分に反転させるだけの大電流を
流し得る結晶性シリコンTFTが使用される。
材料を挟持する基板の液晶材料と接する面に一軸配向手
段を形成してセルを作製した場合、液晶分子のスイッチ
ングに問題があった。
に注入後徐冷していく過程で、SmA相ではラビング方
向と配向ベクトルが平行であったものが、SmC* 相に
転移すると、液晶分子が層法線から傾きチルト角を有す
るようになるため、SmC*相では液晶分子の配向ベク
トルがラビング方向に対して平行でなくなる。これで双
安定状態が得られるのであるが、上記ラビング方向は液
晶分子の一方の安定状態と他方の安定状態との間にある
ので、スイッチングの途中で液晶分子がラビングによる
一軸配向規制力の影響を受けることになり、液晶分子の
スイッチングを阻害していた。
温度勾配法等の物理的手段による配向法は、実用性には
乏しいが、液晶材料の配向後には一軸配向規制力を発す
るものが存在しないため、スイッチングを阻害するもの
は無く、良好なスイッチング特性が得られる。
手段を形成して液晶分子を配向させた強誘電性液晶電気
光学装置においては、ずり応力法、磁場配向法、温度勾
配法などにより配向させた液晶電気光学装置に比較し
て、スイッチング速度が低下したり、スイッチングが十
分に行われない等の問題があった。
規制力は、液晶を基板間に注入し、その後液晶材料を徐
冷していく過程で初期配向させるときだけに働き、液晶
材料が一軸配向した後は一軸配向規制力を発するものが
存在しない構成となることが望まれていた。
一軸配向手段の配向規制力を実質的に低減または無くし
てしまうことが、スイッチング特性が良く、工業的にも
生産性が優れた強誘電性液晶電気光学装置を実現するた
めに必要とされていた。
を用いた液晶電気光学装置において、特に基板間隔を数
μmとし、液晶分子の螺旋構造を抑制した構造を有す
る、いわゆる表面安定化型強誘電性液晶(SSFLC)
においては、双安定性を有するがために、得られる光透
過の状態は、明か暗の2状態のみで、ネマチック液晶を
用いたような中間調は得られなかった。すなわち、液晶
分子の状態変化により、透過光量を連続的に変化させる
ことはできなかった。
の極性を反転させて第一の状態と第二の状態の間をスイ
ッチングさせる場合、飽和電圧以上の電界強度で駆動さ
せる場合は上記2状態間のスイッチングとなる。しか
し、電界強度を徐々に変化させると、電界が印加された
領域の液晶材料全体の透過光量が一様に変化してスイッ
チングするのではなく、通常次のようなスイッチングと
なる。例えば第一の状態から第二の状態へスイッチング
する場合、第一の状態を示している領域の中に第二の配
向状態に反転した領域(以下これをドメインとする)が
発生し、さらに電界強度を強くしていくとドメインの面
積が大きくなって第二の状態へ移っていく。
または反強誘電性液晶を用いた液晶電気光学装置で中間
調を得る方法の一つが、面積階調法である。
分子が反転する過程を偏光顕微鏡下で観察すると、電圧
を印加することで、電圧が印加されている特定領域にお
いて、明状態領域の中に暗状態領域が、または暗状態領
域の中に明状態領域(以下ドメインという)が発生し、
さらに電圧を印加していくと各ドメインの面積が広がっ
ていき、特定領域全体として明状態が暗状態に、または
暗状態が明状態になっていく。
きさが印加電圧によって微妙に大きさが変わることを利
用して、印加電圧を制御することで1画素内における明
または暗のドメインの面積を制御し、中間調を得るもの
である。
を用いた表面安定型の液晶電気光学装置において、中間
調を得るための他の方法として画素分割法がある。これ
は、複数の小さい画素により1画素を構成し、小さい各
画素による明暗の2状態の組み合わせにより、中間調を
得るものである。
り構成した場合、最も暗もしくは最も明な状態は、小さ
い4画素すべてを暗または明状態にする。また、中間調
を得たい場合には、例えば小さい画素の1つを暗状態と
し、残りの3つを明状態とすることにより、1つの画素
としては、最も明な状態と比較して75%の透過光量と
なる中間調が得られる。
性液晶を用いた液晶電気光学装置で中間調を得ようとす
ると、前述したようなドメインの大きさを制御した面積
階調法や複画素で疑似的に表現する画素分割法等によら
ねばならない。
強誘電性液晶の反転は急峻であり、特に、印加電圧値が
僅かに変化してもドメインが大きく広がってしまうた
め、面積階調を実現できる電圧の幅が極めて狭いこと、
ヒステリシスがあることから、数mV単位の印加電圧で
ドメイン面積を制御することは難しい。また、印加電圧
を低くすると応答速度が極端に遅くなり、均一な表示が
できなくなる。また表示の分解能を高くすることが困難
であり、実用的ではなかった。
用する効率の悪さがあり、1画素を小さくして画素数を
増やすにも技術的に限界がある。また、高解像度化にも
不向きである。
を用いた従来の表面安定型の液晶電気光学装置は、高い
しきい値電圧を有するため低電圧駆動は望めなかった。
置において、一対の基板に施す配向処理を、両基板で違
えることにより液晶材料の配向安定性を単安定とし、電
界強度を変化させることで階調表示が行えるとする装置
はあった。しかし、この方法でも結局スイッチング時に
はドメインを伴った反転となり、前述の双安定型と同様
の困難がつきまとうため、階調表示として充分なもので
はなかった。
材料を用いた液晶電気光学装置において、良好な中間階
調表示を行える構成が望まれていた。
晶電気光学装置で、フレーム階調方式を行う場合、高速
かつ高コントラストな表示を行うためには、信号印可時
の強誘電性液晶の液晶分子の反転が極めて短時間で行わ
れ、かつ十分に反転しきること、また反転してからの液
晶分子の状態が変化せず一定であること、が必要であ
る。この液晶分子の状態を決定するのは主に、両基板の
電極に印加される電圧の大きさである。
らの電荷を持った不純物が存在したり、電圧印加時にそ
の電圧とは逆方向の電圧を発生させる余分な電荷が生じ
ることはよく知られている。これら電荷は、電圧印加に
伴い両基板間に挟持された液晶材料内を自由に移動す
る。これら電荷の多くは移動して配向膜表面に到達する
が、本来配向膜は絶縁性であるために電荷はそれ以上は
移動せず配向膜と液晶層(液晶材料の層)の間(配向膜
液晶界面)に蓄積される形となる。
ては好ましくない問題が発生する。例えば電極間に印加
した電圧を打ち消す作用が生じてしまい、コントラスト
の減衰をまねいていた。たとえばTFT駆動してパルス
電圧を印加した際、パルス印加に対し透過、非透過のス
イッチングが急峻でなく一度スイッチングしてから少し
遅れてさらにスイッチングが起こる2段階応答や、スイ
ッチング後すぐに減衰が発生したりした。これを解決す
るためには印加する電圧を自発分極を反転させるのに必
要な電圧より大きくする必要があったが十分な対策では
なかった。
層内の電荷量が経時変化するために液晶分子の状態が安
定しない。さらに配向膜−液晶界面に蓄積した電荷によ
り電気的に吸着された液晶分子は、液晶層内部の吸着さ
れていない液晶分子よりも状態変化に必要とする電圧が
大きいために液晶層内の液晶分子が一斉に状態変化を起
こさず、液晶電気光学装置の特性として一番重要な光の
透過特性が安定しないという問題が生じるのである。
不安定となり、また液晶材料の応答速度を十分に生かし
きれずに表示速度の低下を余儀無くされ、またコントラ
ストの低下を招いていた。特にフレーム階調表示を行っ
た場合、階調数が限定されてしまった。
和する配向膜材料の選定をしたり、絶縁膜である配向膜
の代わりに、電極上にSiOなどを斜方蒸着して液晶分
子を配向させる方法があるが、多くの予備実験を必要と
するため時間がかかりコスト高になること、また材料的
な組合せによりその効果が変化するなど一般的な手法と
は言えない。また、液晶を精製して不純物を取り除く方
法もあるが、この方法では精製して使える液晶は極僅か
であり量産性を考えると大変不向きである。また、電荷
移動錯体などを用いて、液晶層内に存在する電荷を吸着
させたり、結合させたりしてプラスまたはマイナスの電
荷をプラスマイナス0の状態にする(以下キャンセル、
または中和するという)方法もあるが、電荷を完全にキ
ャンセルするだけの電荷移動錯体を装置内に測り入れる
ことは困難であり、過剰な電荷移動錯体は前述の電荷と
同様に液晶層内を移動することになる。
化を引き起こす要因、つまり液晶分子の経時的な状態変
化を引き起こし装置の光学特性を不安定にする要因であ
る、液晶層内に存在する電荷をキャンセルするには様々
な方法が提案されてはいるが、容易にそして完全にキャ
ンセルすることは困難である。
晶材料を挟持する基板の表面に一軸配向手段を形成する
配向方法、特に実用性に優れたラビング法を強誘電性液
晶に用いた場合問題となっていた、SmC* 相におけ
る、一軸配向規制力の方向と液晶分子が示す2つの安定
状態の方向が異なる事による、液晶分子のスイッチング
の阻害を解消し、配向規制力が液晶分子のスイッチング
を妨げない液晶電気光学装置およびその作製方法を提供
することを目的とする。
性の液晶材料を用いて、基板間隔により該液晶材料がバ
ルク状態において呈するらせん構造が抑制された液晶電
気光学装置であって、ドメインの発生を伴わずに光学的
なスイッチングを行う装置およびその作製方法を提供す
ることを他の目的とする。
容易な強誘電性液晶または反強誘電性液晶を用いて、ネ
マチック液晶のような、印加電圧の変化による連続的な
階調変化、中間調が容易に実現できる液晶電気光学装置
とその作製方法を提供することを他の目的とする。
有するアクティブマトリクス型の強誘電性液晶を用いた
液晶電気光学装置において、液晶層内の不所望な電荷に
よる影響を排除して装置の高速化と光学特性の安定化を
実現し、高速多階調表示が可能かつ高コントラスト比を
有する高性能な液晶電気光学装置を提供することを他の
目的とする。
題を解決するものである。本発明の主要な構成は、相対
向する一対の基板間に挟持された、一軸配向した強誘電
性または反強誘電性の液晶材料と、前記一対の基板の少
なくとも一方の基板の内側表面に設けられた、樹脂材料
よりなる膜または複数の凸部とを有することを特徴とす
る液晶電気光学装置である。
する一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された、
螺旋構造が抑制されかつ一軸配向している強誘電性また
は反強誘電性の液晶材料と、前記一対の基板に設けられ
た、前記強誘電性または反強誘電性の液晶材料に対して
電圧を印加する電極と、前記一対の基板の一方または双
方に設けられた、前記液晶材料を一軸配向させる一軸配
向手段と、を有する液晶電気光学装置であって、前記強
誘電性または反強誘電性の液晶材料に接する、樹脂材料
よりなる膜または複数の凸部を、前記基板または前記電
極または前記一軸配向手段の表面上に有することを特徴
とする液晶電気光学装置である。
する一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された、
螺旋構造が抑制されかつ一軸配向している強誘電性また
は反強誘電性の液晶材料と、前記一対の基板に設けられ
た、前記強誘電性または反強誘電性の液晶材料に対して
電圧を印加する電極と、前記一対の基板の一方または双
方に設けられた、前記液晶材料を一軸配向させる一軸配
向手段と、を有する液晶電気光学装置であって、該液晶
材料に接する面の一部または全部が、樹脂材料よりなる
膜または複数の凸部よりなることを特徴とする液晶電気
光学装置である。
または反強誘電性の液晶材料と、該液晶材料を挟持する
面、すなわち該液晶材料を挟持する基板または該基板上
の電極や配向膜等の表面との間に、樹脂材料により膜ま
たは複数の凸部を設けることを特徴とするものである。
言い換えれば、一軸配向した液晶材料が接する、該液晶
材料を挟持する面すなわち基板や基板上の電極や配向膜
等の表面の一部または全部に、硬化した樹脂材料よりな
る膜や凸部を有することを特徴とするものである。
き、さらには配向欠陥を減少させ、また不所望な電荷を
除去できる。さらに、基板間隔により液晶材料がバルク
状態において呈するらせん構造が抑制された液晶電気光
学装置において、ドメインの発生を伴わないスイッチン
グ(ドメインレススイッチング)が可能となり、ネマチ
ック液晶を用いた液晶電気光学装置のような、電界強度
により透過光強度が一様かつ連続的に変化する中間調を
得ることができ、さらに駆動電圧の低電圧化を図れるな
ど、様々な効果が得られる。以下、本発明の構成につい
て詳述する。
対の基板間に強誘電性または反強誘電性の液晶材料を挟
持し、前記一対の基板の内側表面の少なくとも一方に
は、前記強誘電性または反強誘電性の液晶材料を一軸配
向させる配向規制力が付与され、かつ前記配向規制力が
付与された表面上に、前記配向規制力を抑制する手段が
設けられていることを特徴とする液晶電気光学装置であ
る。
電極を有する一対の基板間に強誘電性または反強誘電性
の液晶材料を挟持した液晶電気光学装置であって、前記
基板のいずれか一方もしくは両方の内側表面に一軸配向
手段を有し、該一軸配向手段上には該一軸配向手段の配
向規制力を抑制する手段を有することを特徴とする液晶
電気光学装置である。
電極を有する一対の基板間に強誘電性または反強誘電性
の液晶材料を挟持した液晶電気光学装置であって、前記
基板のいずれか一方もしくは両方の内側表面に一軸配向
手段を有し、少なくとも該一軸配向手段上には樹脂膜を
有することを特徴とする液晶電気光学装置である。
電極を有する一対の基板間に強誘電性または反強誘電性
の液晶材料を挟持した液晶電気光学装置であって、前記
基板のいずれか一方もしくは両方の内側表面に一軸配向
手段を有し、前記液晶材料と前記一軸配向手段とが離隔
していることを特徴とする液晶電気光学装置である。
電極を有する一対の基板間に強誘電性または反強誘電性
の液晶材料を挟持した液晶電気光学装置であって、前記
基板のいずれか一方もしくは両方の内側表面に一軸配向
手段を有し、少なくとも該一軸配向手段上には絶縁膜を
有することを特徴とする液晶電気光学装置である。
光学装置において、一軸配向手段はラビング処理が施さ
れた配向膜であることを特徴とする液晶電気光学装置で
ある。
光学装置において、一対の基板の一方に画素電極に接続
されたスイッチング素子を有し、アクティブマトリクス
駆動をすることを特徴とする液晶電気光学装置である。
面の両方に電極と、一方または両方に一軸配向手段を有
する一対の基板間に、強誘電性または反強誘電性の液晶
材料と、未硬化樹脂とを混合した混合物を挟持させ、前
記液晶材料を前記配向手段の配向規制力にしたがって一
軸配向させた後、前記未硬化樹脂を硬化させて、前記未
硬化樹脂を前記基板表面上に膜状に硬化させることを特
徴とする液晶電気光学装置の作製方法である。
光学装置の作製方法において、未硬化樹脂は紫外線硬化
型樹脂であることを特徴とする液晶電気光学装置の作製
方法である。
面の両方に電極と、一方または両方に一軸配向手段を有
する一対の基板間に強誘電性または反強誘電性の液晶材
料を挟持し、前記一軸配向手段上には該一軸配向手段の
配向規制力を抑制する手段を有し、かつ前記液晶材料が
前記一軸配向手段の配向規制力に従って配向している液
晶電気光学装置において、前記液晶材料の温度を、室温
から前記液晶材料がSmA相またはN* 相を示す温度ま
で上昇させ、その温度を一定時間維持してから室温まで
冷却することを特徴とする液晶電気光学装置の作製方法
である。
る。図1に示されているのは、上記発明を用いた、単純
マトリックス型の液晶電気光学装置の概念図である。図
1において、101、102は透光性基板、103、1
04は画素電極、105は液晶材料等を注入後一定の方
向に配列するための一軸配向手段であるラビング処理が
施された配向膜、107は強誘電性の液晶材料である。
液晶材料107は配向膜105に従って一軸配向してい
る。配向膜105と液晶材料107の間には配向膜の配
向規制力を抑制する手段である樹脂膜106が形成され
ている。また透光性基板101、102の外側面に偏光
板109、110が設けられている。
ペーサー108によって基板間隔が決められた、電極1
03、104、一軸配向手段である配向膜105を有す
る一組の透光性基板101、102間に挟持された液晶
材料が、配向膜105に従って配向した後に、前記配向
膜上にその配向規制力を抑制する樹脂膜が形成されれば
よい。
組の透光性基板間に液晶材料と反応開始剤を添加した未
硬化の樹脂との混合物を等方相になるまで加熱して注入
し、徐冷して液晶材料を配向膜により一軸配向させる。
しかる後に、液晶材料中に混入させた未硬化樹脂を硬化
するための手段を施すことにより、前記未硬化樹脂が配
向手段上に被膜となって硬化する。
した後に樹脂を硬化させるため、硬化前の良好な配向状
態を保ったまま、配向膜上に樹脂を薄膜状に硬化させる
ことができる。硬化後の樹脂が液晶材料の配向に悪影響
を及ぼすことはない。
でき、また配向欠陥を防ぎ、さらに不所望な電荷を除去
することができる。
と同様にポリイミド系等の有機高分子樹脂等からなる膜
を基板および電極上に形成しラビング処理する。またラ
ビング条件も従来のものと同様でよい。
より液晶材料を一軸配向させる配向手段であれば本発明
を適用することができる。基板や電極表面に直接ラビン
グ等を施して一軸配向規制力を付与した場合についても
同様である。斜方蒸着膜に対しても実施できる。
06としては高分子樹脂などが使用できる。
しての樹脂膜106の材料は、高温状態で液晶材料との
混合状態を呈し、温度が低下した状態では液晶材料と分
離するものであることが望ましい。また、2枚の基板間
に挟持された状態で樹脂を硬化するために未硬化の樹脂
には溶媒が含まれていないことが極めて望ましい。さら
に、液晶材料と樹脂の分離や液晶材料の配向状態の形成
は温度に依存するところが大きいため、樹脂は温度とは
別の因子で硬化する方が望ましい。そうした事柄を考慮
すると、例えば未硬化樹脂として紫外線硬化型樹脂、硬
化手段として紫外線を用いることが好ましい。
樹脂材料の濃度は任意であるが、20%以下程度が適当
である。
において、液晶材料107は、配向膜の表面にある樹脂
膜106によって配向膜105には触れておらず離隔し
ている。したがって液晶材料に対して配向膜の配向規制
力が抑制される。あるいは樹脂膜106が薄くて液晶材
料107と配向膜105が部分的に触れていても樹脂膜
106の存在によって実質的に配向規制力は抑制されて
しまう。上記本発明はこのようにして、一軸配向手段で
ある配向膜により液晶材料を配向させつつ、その後の配
向膜の配向規制力を実質的に低減または無効としてしま
う。したがって配向膜の配向規制力が液晶分子のスイッ
チングを妨げてしまうことを防ぐことができる。
材料中に添加する樹脂材料の濃度を高くする、あるいは
配向膜の種類、硬化方法などを制御することにより、2
枚の基板間で前記樹脂がカラム状(柱状)に形成される
場合もある。ただしこのカラム状の樹脂も液晶材料が配
向した後に形成されるため、液晶材料の配向に対する影
響はほとんどない。このカラム状樹脂は、表示装置を大
面積化する場合等、基板間隔の拡大を防いで一定に保つ
ことができ、層構造の崩れを防ぐことができる。
従来の、樹脂膜を有していない液晶電気光学装置に比較
して配向欠陥の発生が少ない。その結果装置としてのコ
ントラスト比を向上させることができる。
高い絶縁性を有している場合は絶縁膜となるため、上下
電極間の短絡を防止するショート防止膜の機能を有せし
めることができる。
気光学装置においては、配向不良が発生した場合、液晶
材料をIso(等方)相となる温度まで加熱した後、そ
の後液晶相まで冷却する方法により修復していたが、上
記本発明においては、一度完成した装置は一軸配向手段
の配向規制力が樹脂膜により低減されているため、この
方法を用いても配向状態は十分に修復されない。
材料をIsoではなくSmA* 相またはN* 相となるま
で加熱し、さらに一定の時間その温度を保つことによ
り、配向状態が修復されることがわかった。よって本発
明の装置において配向状態の不良が発生してもそれを修
復することができる。
料の種類により下記に示す温度まで上昇させ、その温度
で一定時間保持し、その後徐冷する。まず温度として、 (1)Iso-N* -SmA-SmC* -Cryの相系列を有する液晶材
料の場合、N* 相もしくはSmA相を示す温度。 (2)Iso-SmA-SmC * -Cryの相系列を有する液晶材料の
場合、SmA相を示す温度。とする。
0〜60分間上記に示す温度に保持することが望まし
い。
脂材料の混合物を注入、徐冷後、樹脂を硬化させた状態
の本発明の装置の配向性を向上させることができ、配向
不良が発生していた装置においても良好な配向性を得、
コントラスト比を向上させることができる。
ると、反応開始剤の開裂や樹脂材料の硬化により液晶材
料中の不純物等による不所望な電荷が実質的に消滅す
る。したがって電極間に電圧を印加すると液晶材料の自
発分極の反転時にのみ電流が流れそれ以外の時には余分
な電流は流れなくなる。これにより、より安定かつ高速
なスイッチングを実現できる。
液晶電気光学装置においても有効であるのは勿論、各画
素にスイッチング素子を接続したアクティブマトリクス
型の装置においても有効である。
晶材料に対する一軸配向規制力がなくなる、あるいは低
下し、液晶分子のスイッチングの阻害を防止できた。そ
の結果スイッチングを高速化させることができた。また
配向欠陥を減少させることができた。また電極間の短絡
の発生を防止できた。
も液晶材料の配向性の向上、配向乱れの修復を行うこと
が可能となった。
グ〕また、本発明の他の主要な構成は、内側に電極を有
する一対の基板間に、電界無印加時において螺旋構造が
解かれ、かつ一軸配向した強誘電性または反強誘電性の
液晶材料を挟持し、前記基板表面には前記液晶材料が接
する樹脂膜を有し、前記電極に印加される電界による前
記液晶材料のスイッチングが、ドメインの発生を伴わず
に行われることを特徴とする液晶電気光学装置である。
電極を有する一対の基板間に、電界無印加時において螺
旋構造が解かれ、かつ一軸配向した強誘電性または反強
誘電性の液晶材料を挟持し、前記基板表面には前記液晶
材料が接する樹脂膜を有し、前記電極に印加される電界
により液晶分子の配向ベクトルの向きが連続的に変化す
ることを特徴とする液晶電気光学装置である。
電極を有する一対の基板間に、電界無印加時において螺
旋構造が解かれ、かつ一軸配向した強誘電性または反強
誘電性の液晶材料を挟持し、前記一対の基板の少なくと
も一方には前記液晶材料を一軸配向させる配向膜を有
し、前記基板表面および配向膜表面には前記液晶材料が
接する樹脂膜を有し、前記電極に印加される電界により
液晶分子の配向ベクトルの向きが連続的に変化すること
を特徴とする液晶電気光学装置である。
電極を有する一対の基板間に、電界無印加時において螺
旋構造が解かれ、かつ一軸配向した強誘電性または反強
誘電性の液晶材料を挟持し、前記基板の一方には画素電
極に接続されたスイッチング素子を有し、前記一対の基
板の少なくとも一方には前記液晶材料を一軸配向させる
配向膜を有し、前記基板表面および配向膜表面には前記
液晶材料が接する樹脂膜を有し、前記電極に印加される
電界により液晶分子の配向ベクトルの向きが連続的に変
化することを特徴とする液晶電気光学装置である。
面の両方に電極と、一方または両方に一軸配向手段を有
する一対の基板間に、モノマー量が重量比で60%以上
である未硬化樹脂を強誘電性または反強誘電性の液晶材
料に混合させた混合物を挟持させ、前記液晶材料を前記
配向手段の配向規制力にしたがって一軸配向させた後、
前記未硬化樹脂を硬化させて、前記未硬化樹脂を前記基
板表面上に膜状に硬化させることを特徴とする液晶電気
光学装置の作製方法である。
光学装置の作製方法において、未硬化樹脂は紫外線硬化
型樹脂であることを特徴とする液晶電気光学装置の作製
方法である。
の液晶材料を用いた液晶電気光学装置において、ドメイ
ンの発生を伴わないスイッチング(ドメインレススイッ
チング)を行うものである。上記本発明について、図9
を用いて説明する。図9に示されているのは、本発明に
よるアクティブマトリクス駆動型の液晶電気光学装置で
ある。図9において、1101、1102は透光性基
板、1103は対向電極、1104は画素電極、110
5はスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TF
T)、1106は配向膜等の液晶材料を一定の方向に配
列するための一軸配向手段、1107は樹脂膜、110
8は強誘電性の液晶材料である。液晶材料1108はこ
こでは配向手段1106に従って一軸配向している。透
光性基板1101、1102の外側面には、偏光板11
09、1110を設けている。
は、従来のものと同様に有機高分子等からなる配向膜を
ラビング処理したものを用いることが可能である。ま
た、ラビング条件も従来のものと同様に布などを巻いた
ローラーにより前記配向膜上を一方向に擦る。また配向
膜は両側の基板ともに形成しても、一方の基板のみに形
成してもよい。その他の一軸配向方法として、磁場配向
法、ずり応力法、温度勾配法、斜方蒸着法など、様々な
配向方法が使用できる。
ペーサー(図示せず)によって基板間隔が決められた、
電極1103、1104を有する一組の透光性基板11
01、1102で液晶材料と反応開始剤を添加した未硬
化の樹脂との混合物を挟持させ、前記液晶材料を一軸配
向させる。しかる後に、液晶材料中に混入させた未硬化
樹脂を硬化するための手段を施すことにより、前記未硬
化樹脂が液晶材料に接する配向手段や電極の表面に被膜
となって硬化し、樹脂膜1107となる。また樹脂は基
板間にカラム状に硬化するものもある(図示せず)。
した後に樹脂を硬化させるため、硬化前の良好な配向状
態を保ったまま、配向膜上に樹脂を薄膜状に硬化させる
ことができる。その結果、硬化後の樹脂が液晶材料の配
向に悪影響を及ぼすことはなく、配向欠陥の発生を防ぐ
ことができ、コントラストの低下を防止する。
温状態で液晶材料との混合状態を呈し、温度が低下した
状態では液晶材料と分離するものであることが望まし
い。また、2枚の基板間に挟持された状態で樹脂を硬化
するために未硬化の樹脂には溶媒が含まれていないこと
が極めて望ましい。さらに、液晶材料と樹脂の分離や液
晶材料の配向状態の形成は温度に依存するところが大き
いため、樹脂は温度とは別の因子で硬化する方が望まし
い。そうした事柄を考慮すると、例えば未硬化樹脂とし
て紫外線硬化型樹脂、硬化手段として紫外線を用いるこ
とが好ましい。さらに、樹脂は注入のときに分離しにく
いように液晶材料との相溶性が高い方が望ましく、樹脂
中のモノマー量が重量比で60%以上、望ましくは80
%以上であることが望ましい。
や電極の上に、強誘電性または反強誘電性の液晶材料が
接する樹脂膜を設けることで、ネマチック液晶材料を用
いた装置のような、ドメインが発生せず、電界強度によ
り一様に階調が変化するスイッチング状態(ドメインレ
ススイッチング)が得られることを発見した。
C* 相において液晶分子が層の法線に対して傾き角一定
のまま、層の法線を軸とした円錐の側面上のどの位置に
も同じ確率で存在する性質を示し、液晶分子の配向ベク
トルの向きは自由である。この状態はゴールドストーン
モードと呼ばれている。前述した表面安定化型の装置
は、ゴールドストーンモードで分子の取りうる配向ベク
トルの向きが特定の2つの向きに限定したスイッチング
となっていると考えられる。
れば、液晶材料に対して電界を連続的に変化させて印加
した場合、電界が印加されている領域の液晶材料の全て
がドメインの発生を伴わずに、一様に電界の強度に応じ
て透過光量が連続的に変化するスイッチングが可能とな
ると考えられてきた。
N、STN型液晶電気光学装置では既に行われている方
法なので、この技術をそのまま応用できる利点がある。
一部の範囲ではあるが、電界強度を変化させることで任
意の領域の透過光量をドメイン発生を伴わずに一様に変
化した例の報告がなされていたが、このような装置を生
産性良く作製することは困難であった。
領域全体の液晶材料がドメインの発生を伴わずに、一様
に電界の強度に応じて透過光量が連続的に変化するスイ
ッチングが得られた。作製においても、従来の表面安定
型の装置とほとんど同様の工程で作製でき、高い生産性
を有する。
安定型の装置とは異なり液晶分子が配向ベクトルの向き
を自由に取りうる状態にあると考えられる。これによ
り、強誘電性または反強誘電性の液晶材料を用いた、基
板間隔によって、液晶材料がバルク状態において呈する
らせん構造を抑制する構成の液晶電気光学装置のスイッ
チングを、ドメイン発生を伴わずに、電界が印加される
領域全体において一様に変化させることができ、電界変
化による高速な中間階調表示を容易に行うことができる
ようになった。したがって、電界強度による階調表示を
極めて高速に行うことが可能となった。
極の液晶材料に対するアンカリングを緩和する作用を有
しているものと考えられる。
材料を駆動した場合従来双安定型ではドメインを伴った
スイッチングのため明暗間の反転状態が2段階となって
いたものが1段階で済み、応答の急峻性が大幅に向上し
た。
双安定性を有しない。従って、本発明の構成は各画素に
スイッチング素子を有するアクティブマトリクス駆動型
の装置に特に適している。
のしきい値が従来の双安定型の装置に比較して低下し
た。このため、従来の双安定型の装置に比較して低電圧
駆動を行うことが可能となった。
に渡って透過光量が一様に変化する場合の他に、使用す
る液晶あるいは樹脂材料や樹脂硬化条件等、作製条件に
よっては透過光量の一様な変化とともに微小な領域にお
けるドメイン発生(反転)が混在した状態が生じる場合
もある。
度等により2枚の基板間で前記樹脂がカラム状(柱状)
に形成される場合もある。これは、表示装置を大面積化
する場合等、基板間隔を一定に保つ必要がある時に有用
な方法となる。
はSmA相に示す温度まで上昇させ、その温度で10m
in以上望ましくは10〜30minの間一定に保持
し、その後再び室温まで徐冷する。この方法により液晶
材料の配向状態をより向上させることが出来る。
調〕また、本発明の他の主要な構成は、内側に電極を有
する一対の基板間に、電界無印加時において螺旋構造が
解かれ、かつ一軸配向した強誘電性または反強誘電性の
液晶材料を挟持し、前記基板の一方には画素電極に接続
されたスイッチング素子を有し、前記一対の基板の少な
くとも一方には前記液晶材料を一軸配向させる配向膜を
有し、前記基板表面および配向膜表面には前記液晶材料
が接する樹脂膜を有し、前記電極に印加される電界によ
り液晶分子の配向ベクトルの向きが連続的に変化し、各
画素の透過、非透過を複数のフレームで制御してフレー
ム階調表示を行うことを特徴とする液晶電気光学装置で
ある。
電極を有する一対の基板間に、電界無印加時において螺
旋構造が解かれ、かつ一軸配向した強誘電性または反強
誘電性の液晶材料を挟持し、前記基板の一方には画素電
極に接続されたスイッチング素子を有し、前記基板の少
なくとも一方には前記液晶材料を一軸配向させる配向膜
を有し、前記液晶材料が接する前記基板表面および配向
膜表面には樹脂膜を有し、前記電極に印加される電界に
より液晶分子の配向ベクトルの向きが連続的に変化する
ことにより透過光量を制御し、かつ各画素の透過、非透
過を複数のフレームで制御してフレーム階調表示を行う
ことを特徴とする液晶電気光学装置である。
光学装置において、1つのフレームをN(2以上の自然
数)個の互いに持続時間の異なるサブフレームに分割
し、持続時間が最短のサブフレームの持続時間をT0 と
したとき、これらサブフレームの持続時間は、T0 、2
T0 、22 T0 、・・・2N T0 のいずれかである表示
方法により駆動されることを特徴とする液晶電気光学装
置である。
の液晶材料を用いて各画素にスイッチング素子を設けた
アクティブマトリクス駆動型の液晶電気光学装置におい
て、ドメインの発生を伴わないスイッチング(ドメイン
レススイッチング)を行い、かつフレーム階調表示を行
うものである。
る。図17に示されているのは、本発明によるアクティ
ブマトリクス駆動型の液晶電気光学装置である。図17
において、2101、2102は透光性基板、2103
は対向電極、2104は画素電極、2105はスイッチ
ング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)、210
6は配向膜等の液晶材料を一定の方向に配列するための
一軸配向手段、2107は樹脂膜、2108は強誘電性
の液晶材料である。液晶材料2108はここでは配向手
段2106に従って一軸配向している。透光性基板21
01、2102の外側面には偏光板2109、2110
を設けている。
は、従来のものと同様に有機高分子等からなる配向膜を
ラビング処理したものを用いることが可能である。ま
た、ラビング条件も従来のものと同様に布などを巻いた
ローラーにより前記配向膜上を一方向に擦る。また配向
膜は両側の基板ともに形成しても、一方の基板のみに形
成してもよい。その他の一軸配向方法として、磁場配向
法、ずり応力法、温度勾配法、斜方蒸着法など、様々な
配向方法が使用できる。
ペーサー(図示せず)によって基板間隔が決められた、
電極2103、2104を有する一組の透光性基板21
01、2102で液晶材料と反応開始剤を添加した未硬
化の樹脂との混合物を挟持させ、前記液晶材料を一軸配
向させる。しかる後に、液晶材料中に混入させた未硬化
樹脂を硬化するための手段を施すことにより、前記未硬
化樹脂が液晶材料に接する配向手段や電極の表面に被膜
となって硬化し、樹脂膜2107となる。また樹脂は基
板間にカラム状に硬化するものもある(図示せず)。
した後に樹脂を硬化させるため、硬化前の良好な配向状
態を保ったまま、配向膜上に樹脂を薄膜状に硬化させる
ことができる。その結果硬化後の樹脂が液晶材料の配向
に悪影響を及ぼすことはなく、配向欠陥の発生を防ぐこ
とができ、コントラストの低下を防止する。
温状態で液晶材料との混合状態を呈し、温度が低下した
状態では液晶材料と分離するものであることが望まし
い。また、2枚の基板間に挟持された状態で樹脂を硬化
するために未硬化の樹脂には溶媒が含まれていないこと
が極めて望ましい。さらに、液晶材料と樹脂の分離や液
晶材料の配向状態の形成は温度に依存するところが大き
いため、樹脂は温度とは別の因子で硬化する方が望まし
い。そうした事柄を考慮すると、例えば未硬化樹脂とし
て紫外線硬化型樹脂、硬化手段として紫外線を用いるこ
とが好ましい。さらに、樹脂は注入のときに分離しにく
いように液晶材料との相溶性が高い方が望ましく、樹脂
中のモノマー量が重量比で60%以上、望ましくは80
%以上であることが望ましい。
基板上の配向膜や電極の上に、強誘電性または反強誘電
性の液晶材料が接する樹脂膜を設けることで、ネマチッ
ク液晶材料を用いた装置のような、ドメインが発生せ
ず、電界強度により一様に階調が変化するスイッチング
状態(ドメインレススイッチング)が得られることを発
見した。
いる領域全体の液晶材料がドメインの発生を伴わずに、
一様に電界の強度に応じて透過光量が連続的に変化する
スイッチングが得られた。作製においても、従来の表面
安定型の装置とほとんど同様の工程で作製でき、高い生
産性を有する。
材料を駆動した場合従来双安定型ではドメインを伴った
スイッチングのため明暗間の反転状態が2段階となって
いたものが1段階で済み、応答の急峻性が大幅に向上し
た。
のしきい値が従来の双安定型の装置に比較して低下し
た。このため、従来の双安定型の装置に比較して低電圧
駆動を行うことが可能となった。
の樹脂を混入して基板間に注入した後、硬化させること
で液晶層(材料)内に存在する液晶の状態を不安定にす
る不所望な電荷の作用を除去できることを発見した。
樹脂材料が硬化する際に樹脂中に取り込む、あるいは未
硬化樹脂中に一般的に混入されている反応開始剤が液晶
材料中に拡散し、樹脂硬化時に開裂して電荷を発生し前
記の不所望な電荷がそれに吸着したり、結合したりす
る、等が考えられる。
荷の移動や配向膜液晶界面での電荷の蓄積がなくなる。
よって、電極間に対し電圧を印加した時には、急峻に自
発分極が反転し、かつ十分に反転しきる。また反転後の
表示状態の経時変化も除去できた。また、基板上に吸着
される液晶分子がなくなるために電極間の液晶層全体が
電圧印加より同時に状態変化を起こすこととなり、より
安定な光学特性が得られる。したがって高速かつ高コン
トラスト比を有する表示が実現できる。
性を有してないが、アクティブマトリクス駆動を行なう
ため、液晶材料自体の双安定性は必要ない。またこれに
よって電界強度により階調表示が可能となっている。し
たがって、本発明によって、高速かつ高コントラストな
階調表示を、フレーム階調による中間調とドメインレス
スイッチングによる電界による中間調を共に実現するこ
とができ、それぞれ独立して用いても良いし、また両者
を組み合わせることで非常に高速かつ多階調表示で高画
質な液晶電気光学装置とすることもできる。
って透過光量が一様に変化する場合の他に、使用する液
晶あるいは樹脂材料や樹脂硬化条件等、作製条件によっ
ては透過光量の一様な変化とともに微小な領域における
ドメイン発生(反転)が混在した状態が生じる場合もあ
る。
はSmA相に示す温度まで上昇させ、その温度で10m
in以上望ましくは10〜30minの間一定に保持
し、その後再び室温まで徐冷する。この方法により液晶
材料の配向状態をより向上させることが出来る。
度等により、2枚の基板間で前記樹脂がカラム状(柱
状)に析出し、装置内に点在して形成される場合もあ
る。これは、表示装置を大面積化する場合等、基板間隔
を一定に保つ必要がある時に有用な方法となる。
大、減少を防ぎ、また基板の強度を向上させて歪みの発
生を防ぐことができ、液晶の層構造の崩れや表示ムラ等
の発生を抑え、装置を立てて使用することも可能となっ
た。また配向の乱れも発生させない。よって大面積の強
誘電性液晶を用いた液晶電気光学装置を実現できる。
面から見た場合、カラム状に硬化した樹脂の占める面積
の割合は0.1から20%であれば、液晶電気光学装置
として十分な性能が得られる。
望な電荷を取り除いて高速、高コントラストな強誘電性
液晶を用いた液晶電気光学装置を実現し、高品質なフレ
ーム階調を利用したデジタル階調が可能となる。
なうことができ、フレーム階調と合わせて非常に高い階
調数で、優れた階調表示を行なうことも可能となる。
電性液晶材料が高速にスイッチングする電圧を従来の双
安定型の装置と比較して大幅に低電圧化でき、低消費電
力化できる。
大面積化しても液晶材料の層構造の破壊がない液晶電気
光学装置を実現するものである。
は、市販の樹脂においては通常添加されている反応開始
剤のみを液晶材料中に混入した後、紫外線等で開裂させ
ても得られた。また樹脂中に添加する反応開始剤量を変
化させても、樹脂を樹脂材料(モノマーやオリゴマー)
と反応開始剤に分割しておいて、別々に混合しても構わ
ない。
ング〕また、本発明の他の主要な構成は、相対向する一
対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された、螺旋構
造が抑制されかつ一軸配向している強誘電性または反強
誘電性の液晶材料と、前記一対の基板に設けられた、前
記強誘電性または反強誘電性の液晶材料に対して電圧を
印加する電極と、前記強誘電性または反強誘電性の液晶
材料が接する表面に設けられた、複数の凸部と、を有す
ることを特徴とする液晶電気光学装置である。
する一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された、
螺旋構造が抑制されかつ一軸配向している強誘電性また
は反強誘電性の液晶材料と、前記一対の基板に設けられ
た、前記強誘電性または反強誘電性の液晶材料に対して
電圧を印加する電極と、前記強誘電性液晶または反強誘
電性液晶が接する表面に設けられた、樹脂材料より構成
された複数の凸部と、を有することを特徴とする液晶電
気光学装置である。
する一対の基板と、前記一対の基板の間に挟持された、
螺旋構造が抑制されかつ一軸配向している強誘電性また
は反強誘電性の液晶材料と、前記一対の基板に設けられ
た、前記強誘電性または反強誘電性の液晶材料に対して
電圧を印加する電極と、前記強誘電性または反強誘電性
の液晶材料が接する表面に設けられた、樹脂材料より構
成された、直径約500nm以下の複数の凸部と、を有
することを特徴とする液晶電気光学装置である。
する一対の透光性基板と、前記一対の透光性基板の一方
の透光性基板の内側表面に設けられたストライプ状の複
数の電極と、前記一対の透光性基板の他方の透光性基板
の内側表面に設けられた、前記ストライプ状の複数の電
極と直交するストライプ状の複数の電極と、前記一対の
透光性基板の外側表面に設けられた偏光板と、前記一対
の透光性基板の間に挟持された、螺旋構造が抑制されか
つ一軸配向している強誘電性または反強誘電性の液晶材
料と、前記強誘電性または反強誘電性の液晶材料が接す
る表面に設けられた、樹脂材料より構成された複数の凸
部と、を有することを特徴とする液晶電気光学装置であ
る。
する一対の透光性基板と、前記一対の透光性基板の一方
の透光性基板の内側表面に設けられた、複数のスイッチ
ング素子および該スイッチング素子に接続された画素電
極と、前記一対の透光性基板の他方の透光性基板の内側
表面に設けられた対向電極と、前記一対の透光性基板の
外側表面に設けられた偏光板と、前記一対の透光性基板
の間に挟持された、螺旋構造が抑制されかつ一軸配向し
ている強誘電性または反強誘電性の液晶材料と、前記強
誘電性または反強誘電性の液晶材料が接する表面に設け
られた、樹脂材料より構成された複数の凸部と、を有す
ることを特徴とする液晶電気光学装置である。
光学装置において、樹脂材料は、紫外線硬化型であるこ
とを特徴とする液晶電気光学装置である。
面に電極を有する一対の透光性基板間に、強誘電性また
は反強誘電性の液晶材料と、含有するモノマーの量が4
0重量%以上である未硬化の樹脂材料との混合物を満た
す工程と、前記未硬化の樹脂材料を前記混合物から析出
させる工程と、前記液晶材料を配向させる工程と、前記
未硬化の樹脂材料を硬化させる工程と、を有することを
特徴とする液晶電気光学装置の作製方法である。
面に電極を有する一対の透光性基板間に、強誘電性また
は反強誘電性の液晶材料と、含有するモノマーの量が6
0〜90重量%である未硬化の樹脂材料との混合物を満
たす工程と、前記未硬化の樹脂材料を前記混合物から析
出させる工程と、前記液晶材料を配向させる工程と、前
記未硬化の樹脂材料を硬化させる工程と、を有すること
を特徴とする液晶電気光学装置の作製方法である。
面に電極を有する一対の透光性基板間に、強誘電性また
は反強誘電性の液晶材料と未硬化の樹脂材料との混合物
であって、前記未硬化の樹脂材料に含有されるモノマー
量が、前記混合物の2.0重量%以上であるものを満た
す工程と、前記未硬化の樹脂材料を前記混合物から析出
させる工程と、前記液晶材料を配向させる工程と、前記
未硬化の樹脂材料を硬化させる工程と、を有することを
特徴とする液晶電気光学装置の作製方法である。
光学装置の作製方法において、未硬化の樹脂材料は紫外
線硬化型であり、未硬化の樹脂材料を硬化させる工程は
紫外線照射であることを特徴とする液晶電気光学装置の
作製方法である。
て説明する。ここでは単純マトリクス型の液晶電気光学
装置の例を示す。電極3112、3113を有する透光
性基板3111、3110上に、ここでは液晶分子を一
軸配向させるための配向手段3114、3115が、少
なくとも一方の基板面上に形成されている。この基板間
隔はスペーサー3118で均一に制御されている。基板
間隔は、液晶分子の螺旋構造を抑制するに十分な狭さと
なっている。また両基板をシール剤3119で固定して
いる。この基板間に液晶材料3116を挟持させる。液
晶材料3116は配向手段3114、3115に従って
一軸配向している。
な凸部3117が、ここでは主に配向手段3114、3
115上に形成されている。凸部3117は樹脂により
構成されている。また、透光性基板の外側表面には偏光
板3120、3121を設けている。配向手段がどちら
か一方の基板側のみに形成されている場合、凸部311
7は、例えば配向手段3114と透光性基板3111あ
るいはこの基板上の電極3113上に形成される。また
液晶材料に接して一方または双方の基板上に絶縁膜また
は強誘電体薄膜等を設けた場合、それらの上に凸部31
17が形成される。
ビング法の他に磁場配向法、ずり応力法、温度勾配法、
斜方蒸着方等、様々な方法が使用できる。
誘電性液晶または反強誘電性液晶に未硬化の樹脂を混合
し、等方相まで加熱してよく混合し、この混合物を、基
板間に注入し、再度液晶がSmC* 相(通常は室温)を
示すまで冷却する。この過程で液晶は一軸配向手段の配
向規制力に従って配向し、偏光顕微鏡下で良好な消光位
を確認できる。樹脂は混合物中から液晶分子間または層
と層の間に排斥される形で分離析出してくる。ほぼ完全
に樹脂が液晶から分離したら硬化させて、液晶に不溶と
する。これら樹脂は液晶の配向に伴って排斥され、分離
析出した形なので当然液晶の配向を乱すことはない。
せた後にSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察すると、
高さ数10nm程度、直径数10〜数100nm、約5
00nm以下の、樹脂により構成された複数の微細な凸
部が多数確認できる。凸部は全体的に均一に表面上に分
散して存在し、部分的に複数の凸部が連なっているとこ
ろもある。
なわち、基板、透光性基板、配向膜、絶縁膜等の表面上
に、複数の微細な凸部を有せしめることができる。
光学装置に対し、印加電圧を制御して、ドメインが発生
せず、透過光量を連続的に変化するスイッチングが可能
になり、中間調を得ることができる。また同一の電圧が
印加される領域内、例えば1画素内においては、ほぼ一
様な階調が得られる。偏光顕微鏡によりスイッチング状
態を観察しても、少なくとも視覚的にはドメインの存在
は確認されない。
利用できる。液晶が熱により層変形を起こすこと、液晶
と樹脂を分離しなくてはならないことなどを考えると、
熱以外の因子で硬化する樹脂を用いることが望ましい。
例えば紫外線照射により硬化する、紫外線硬化型樹脂は
極めて好ましい。
製するためには、使用する樹脂は低粘度で液晶の配向に
沿いやすいものがよく、分子量にもよるが低分子樹脂
(以下モノマーという)を多く含んでいるほうが望まし
い。
子樹脂)および反応開始剤により構成される。この樹脂
を液晶材料に0.1〜20%程度好ましくは1〜10%
程度混入する。
混合物に対し2重量%以上有するように樹脂材料の組成
を構成し、液晶材料に混入することが望ましい。またモ
ノマーの量は、樹脂材料の40重量%以上、好ましくは
60〜90重量%となるように、樹脂材料の組成を構成
し、液晶材料に混入することが望ましい。
数が少なくなり、ドメインの発生を伴わなずに透過光量
が連続的に変化するスイッチングと、ドメインが発生す
る明暗2状態のスイッチングとが混在、または後者のス
イッチングのみとなりやすく、逆にモノマー量が多い
と、スイッチングはドメインの発生を伴わない透過光量
が連続的に変化するものとなるが、コントラスト比等の
光学特性が低下する傾向がある。また、モノマーはアク
リル系のものが好ましい。
された液晶電気光学装置は、基板上または基板上の電
極、配向膜等の表面上に、高さ数10nm、直径数10
〜数100nm、約500nm以下の凸部が形成され
る。
形成される場合もある。これは、両基板を接着して基板
間隔定の拡大を防ぐ機能を有し、基板間隔を一定に保つ
必要がある時に有用で、基板の大面積化を容易にする。
はSmA層を示す温度まで上昇させ、その温度で10分
以上望ましくは10〜30分の間一定に保持し、その後
再び室温まで冷却すると、液晶材料の配向状態が向上す
ることがある。
て、各画素に薄膜トランジスタや薄膜ダイオード等のス
イッチング素子を有するアクティブマトリクス駆動型の
構成を有せしめることは極めて有効である。
は反強誘電性液晶を用いた液晶電気光学装置において透
過光量の連続的な変化をさせ、中間調を得られるが、そ
の理由としては、前述した配向膜のアンカリング力の低
下の他に、以下のように考えることもできる。
を用いた液晶電気光学装置におけるスイッチングの様子
を偏光顕微鏡下で観察すると、次第に高い電圧を印加す
ることで、明状態の中に暗状態のドメインが、または暗
状態の中に明状態のドメインが多数箇所で出現し、次第
に各々の面積が大きくなっていく(以下成長するとい
う)ことが分かる。すなわち、強誘電性液晶または反強
誘電性液晶のスイッチングは、まず1部分の液晶分子が
反転するとそれがきっかけとなり、その液晶分子の周囲
に存在する液晶分子が次々に反転してゆく連鎖反応的な
スイッチングとなる。
凸部を設けると、これらは、層と層または隣接する液晶
分子間に液晶分子の配向を乱さない程度の大きさ、形状
で存在している。このような本発明のような凸部がある
と、一部分の液晶分子が反転して、連鎖反応的に隣合っ
た液晶分子が反転するが、その反転の連鎖は凸部により
断じられ、周辺の液晶分子のさらなる反転を誘引しなく
なるのではないかと考える。
た液晶分子が連鎖反応的に反転することを防ぎ、その結
果液晶分子または極めて微細なドメインが、その周囲の
液晶分子の反転を誘引せずに、各々独立して反転してい
ると考えられる。
おいて、特定の印加電圧に対し、明状態、暗状態を呈し
た極微細な領域が特定の割合で現れ、ドメインを発生さ
せずに印加電圧により透過光量が連続的に変化し、中間
調が得られると思われる。
を偏光顕微鏡下で観察すると、印加電圧値を変化させる
ことによって、電圧を印加した領域全面が明状態から暗
状態へ、または暗状態から明状態へとドメインが発生せ
ず、一様かつ連続的に透過光量が変化するようになった
ことが確認できた。
うに電圧印加領域内たとえば1画素内において、印加電
圧値にともない透過光量が連続的かつ一様に変化する。
したがって、従来の面積階調法や画素分割法に比較し
て、階調を得るために必要な面積は極めて小さくでき、
高分解能、かつ多階調な液晶電気光学装置とすることが
できる。
のスイッチング特性が特徴的である。図22に従来の表
面安定化型の液晶電気光学装置を±1.5Vの矩形波に
より駆動した際の光学特性を示す。
(Bright)へ、または明から暗へスイッチングす
る際の印加電圧に対する光学特性が、2段階の応答特性
を示している。すなわち、スイッチングの開始時点にお
いて、まず極めて急峻に光学特性が変化し、その後緩や
かに変化してスイッチングを終了する。
を±1.5Vの矩形波により駆動した際の光学特性を示
す。図23においては、スイッチングの開始から終了ま
で、光学特性が急峻に変化し、図22の如く2段階とは
ならない。
従来の液晶電気光学装置における2段階の応答は、始め
の急峻な光学特性の変化は、幾つかの箇所において液晶
分子または微小なドメインがスイッチングしている状態
を示しており、2段階目の緩やかな光学特性の変化は、
液晶分子または微小なドメインのスイッチングに従い、
連鎖的にその周囲の液晶分子がスイッチングしてドメイ
ンが大きくなっていく状態を示しているのではないかと
思われる。
における急峻な応答は、全ての領域において液晶分子ま
たは微小なドメインがスイッチングしているため、スイ
ッチングの開始から終了まで急峻に光学特性が変化して
いると思われる。
の液晶電気光学装置は、従来のものと比較して、低電圧
においても高速かつ十分なスイッチングが行われるた
め、駆動電圧の低電圧化が図れる。
または反強誘電性液晶を用いた液晶電気光学装置におい
て、ネマチック液晶のような、印加電圧の変化による連
続的な階調変化、中間調が容易に得られるようになっ
た。よって透過光あるいは反射光が高速にスイッチング
され、かつ多階調、高分解能を有する液晶電気光学装置
を実現できる。また、大型化も容易である。さらに駆動
電圧の低電圧化も図れる。
誘電性の液晶材料を用いた液晶電気光学装置において、
基板、電極、配向膜等の表面上に、液晶材料が接する膜
や凸部を樹脂材料等により設けることで、従来問題とさ
れていた、スイッチングや中間調表示等の問題を解決す
るものである。
の発生を伴うものか、一様に連続的に変化するものとな
るかは、液晶材料に混入する、未硬化の樹脂材料に含ま
れるモノマーの量による。未硬化の樹脂材料は、低分子
(分子量約1000以下)のモノマーと、高分子(分子
量約1000以上)のオリゴマー、および反応開始剤で
構成されるが、このうちモノマーの量が少ないときは、
ドメインの発生が伴うスイッチングとなるが、モノマー
量を増加させていくと、各ドメインが広がる領域が小さ
くなっていき、一方ドメインが発生する領域の数が増え
ていく。すなわち、この状態においては双安定性(メモ
リー性)を有している。
メインの発生が伴わない、一様かつ連続的なスイッチン
グとなっていく。この状態では双安定性(メモリー性)
はみられない。特に樹脂材料中のモノマー量が重量比で
40%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは
80%以上であれば、ドメインの発生が伴わない、一様
かつ連続的なスイッチングを得ることができる。
を増加させると、カラム状に硬化した樹脂が増加し、逆
にオリゴマー量を減らし、モノマー量が増えると、カラ
ム状に硬化する樹脂の数は少なくなる。
マトリクス型の液晶電気光学装置を作製し各特性の評価
を行った。液晶セルの基板101及び102は300×
400mm、厚さ1.1mmの青板ガラスであり、該基
板上には画素電極103及び104をスパッタ法により
ITO(酸化インジュームスズ)により形成し、フォト
レジストによりパターニングして作製した。
LQ−5200(日立化成製)、LP−64(東レ
製)、RN−305(日産化学製)等であり、ここでは
LP−64を使用した。配向膜はn−メチル−2−ピロ
リドン等の溶媒により希釈しスピンコート法により両基
板に塗布した。塗布した基板は250〜300℃、ここ
では280℃で2. 5時間加熱し溶媒を乾燥させ、塗膜
をイミド化し硬化させた。硬化後の膜厚は300Åであ
った。
常の方法で良く、レーヨン、綿等の布が巻いてある直径
130mmのローラーで450〜900rpm、ここで
は450rpmの回転数で一方向に擦った。ロール押し
込み高さは0.1mm、ステージ速度は20mm/se
cで行った。このようにして配向膜105を形成した。
サー108として、一方の基板に直径1. 5μmの真絲
球(触媒化成製)を散布した。また他方の基板上には、
該2枚の基板を固定するために、シール剤として基板の
周辺に2液製のエポキシ系接着剤をスクリーン印刷によ
り印刷塗布し、その後2枚の基板を接着固定した。
高分子樹脂の混合物を注入する。液晶材料としてはフェ
ニルピリミジン系の強誘電性液晶を使用した。この液晶
は相系列がIso-SmA-SmC*-Cryを取る。相転移温度はIs
o−SmAが85℃、SmA−SmC* が79℃であっ
た。他にビフェニル系、フェニルナフタレン系など様々
な種類の強誘電性液晶材料が使用できる。高分子樹脂と
しては市販の紫外線硬化型の樹脂を使用した。液晶材料
と未硬化高分子樹脂は、重量比で95:5の割合で混合
する。該混合物は均一に混ざるようにIso(等方)相
になる温度で攪拌した。該混合物の相転移温度は、液晶
材料のみの場合より5〜20℃低下した。
を100℃とし真空下で行った。注入後、液晶セルは2
〜20℃/hr、ここでは3℃/hrの割合で徐冷し
た。
直交ニコル下で観察したところある回転角で消光位、即
ち片方の偏光板に入射した光が、他方の偏光板を透過せ
ず、あたかも光が遮断された状態が得られた。このこと
は液晶材料が、ユニフォーム配向となっていることを示
している。
テージを回して見ると、顕微鏡の視野中に複屈折による
光漏れを生じないで、黒状態のままの部分が点在してい
た。未硬化樹脂は複屈折性を示さないので、この黒状態
部分は未硬化樹脂が液晶材料から分離析出しカラム状と
なったものである。
子樹脂を硬化させるため紫外線を照射した。紫外線はセ
ルの両側から基板面に対して垂直な方向で、ほぼ同程度
の強度で照射した。このようにすることで、紫外線を一
方のみから照射する場合に比較して両基板に形成される
樹脂膜の厚さをそろえることができる。配向膜の配向規
制力を十分に抑制できないことがあるためである。照射
強度は3〜30mW/cm2 、ここでは10mW/cm
2 とし、照射時間は0. 5〜5min、ここでは1mi
nとした。
と同様に偏光顕微鏡下で観察したが配向状態はほとんど
変化しなかった。紫外線照射の配向状態に対する影響は
見られなかった。
測定方法は、ハロゲンランプを光源とする偏光顕微鏡に
おいて、直交ニコル下で電極間に±30V、5Hzの三
角波を液晶セルに印加し、セルの透過光強度をフォトマ
ルチプライヤーで検出するものである。その時測定した
コントラスト比は100であり、液晶電気光学装置とし
て十分な特性を有していた。ここではコントラスト比は
30V印加時の透過光強度と−30V印加時の透過光強
度の比である。一方、樹脂を混入せず液晶材料単体で構
成された液晶電気光学装置は、同条件の測定においてコ
ントラスト比80であった。
て、電流電圧特性を測定した。図2は±30V、5Hz
の三角波を本発明構成の液晶セルの一対の電極に印加し
て印加電圧と電極間の電流をオシロスコープで測定して
得られた波形を示す。電流の値は一方の電極に直列に接
続した100kΩの抵抗の両端の電圧を測定することに
よって得ている。図2の波形を模式的に示した図3に示
すように、強誘電性液晶材料の有する自発分極が電界の
極性変化に伴い反転する際に流れる電流202が急峻に
変化しており、応答速度が極めて早いことを示してい
る。またこの電流成分202および画素電極間の容量成
分201以外は電流成分はなかった。
していない以外は同条件)において同様に電流電圧特性
をオシロスコープにて測定した結果を示す。図4の波形
を模式的に示した図5に示すように自発分極の反転する
際の電流成分204は、図2の本発明の液晶セルと比較
して幅が大きくなっており、このことから応答速度が遅
いことがわかる。これは配向膜の配向規制力が自発分極
の反転を妨げていることを示唆していると考えられる。
また自発分極のスイッチングにやや遅れて現れる電流成
分203が表れている。このような余分な電流が流れる
ため、応答速度やコトンラスト比の低下をまねいてしま
った。これは液晶材料中の不純物等による余分な電荷の
存在によるものと考えられる。
全く分からない。
ために上記方法により作製した基板をアルコール洗浄し
た後に原子間力顕微鏡(AFM)により観察した。結果
を図6に示す。比較のため樹脂材料と液晶材料の混合物
を注入する前のラビング後の配向膜の観察像を図7に示
す。これによれば、厚さ10〜30nmの樹脂膜106
が配向膜105の表面のほぼ全体を覆って形成され、ラ
ビング処理による傷も樹脂が被覆していることが分か
る。従って、配向膜の配向規制力は著しく抑制されてい
ると考えられる。またこの樹脂膜は透明かつ極めて薄い
ため、透過光の減衰はほとんどなかった。
場合と比較して数℃下がる程度であった。ここで、上記
セルを液晶材料がSmA相を示す80℃まで上昇させ、
10〜60分ここでは20分間前記温度に保持し、その
後3℃/hrの割合で徐冷した。すると配向欠陥がさら
に改善され、光学特性を測定するとコントラスト比12
0を得た。
を示す86℃に一度加熱し、上記と同様にセルを徐冷す
ると、液晶材料は部分的に配向が乱れた。このことから
も配向膜上の樹脂膜により液晶材料に一軸配向性を付与
する配向規制力が抑制されている事がわかる。
ず、配向膜上の樹脂膜がショート防止膜として機能して
いることがわかった。混入する樹脂材料の量を増やして
形成される樹脂膜を厚くすることでショートの防止をよ
り確実にできる。
9、110を設けた。
紫外線硬化型樹脂をそのまま使用したが、樹脂材料全体
に対するオリゴマー量を増やして液晶材料と樹脂の相溶
性を変化させたり、あるいは配向膜材料の種類やラビン
グ条件を変化させることで、樹脂膜の配向膜上への付着
量を制御することが可能である。
ラビング密度を異ならせたり、紫外線を一方の側からの
み照射したりして、樹脂の付着量を双方の基板で意図的
に異ならせることもできる。
ッチング素子として結晶性シリコンTFT(薄膜トラン
ジスタ)を各画素に設けたアクティブマトリクス型の液
晶電気光学装置に対して実施した例を示す。
(300×300mm、厚さ1.1mm)上の酸化珪素
膜上に、水素還元雰囲気下で600℃48時間の加熱ア
ニールによりアモルファスシリコン膜を結晶化して形成
した移動度100(cm2 /Vs)を有するNチャネル
型の結晶性シリコンTFT、ITOで画素電極、クロム
/アルミニウムの多層膜で信号電極、走査電極を、64
0×480画素のマトリクスを構成して設けた。
TOを対向電極として形成した後、この基板のみに配向
膜を形成していわゆる片側配向膜とした。配向膜材料は
LP−64(東レ製)を使用した。作製方法、作製条
件、膜厚、ラビング条件は実施例1と同じである。
ーとして直径1. 5μmの真絲球(触媒化成製)を散布
した。また他方の基板上に、両基板を固定するために、
シール剤として基板の周辺に2液製のエポキシ系接着剤
をスクリーン印刷により印刷塗布し、その後2枚の基板
を接着固定した。
合物を注入する。液晶材料は相系列がIso-N*-SmA-SmC*-
Cry を取る。相転移温度はIso−N* が81℃、N*
−SmAが69℃、SmA−SmC* が54℃であっ
た。使用した樹脂および樹脂と液晶材料との混合比は実
施例1と同じである。該混合物は均一に混ざるようにI
so(等方)相になる温度で攪拌した。該混合物は相転
移温度が液晶材料のみの場合より5〜20℃低下した。
を100℃とし真空下で行った。注入後、液晶セルは2
〜20℃/hr、ここでは3℃/hrの割合で徐冷し
た。
直交ニコル下で観察したところある回転角で消光位、即
ち片方の偏光板に入射した光が、他方の偏光板を透過せ
ず、あたかも光が遮断された状態となりユニフォーム配
向となっていた。
テージを回して見ると、顕微鏡の視野中に複屈折による
光漏れを生じないで、黒状態のままの部分が点在してい
た。未硬化樹脂は複屈折性を示さないので、この黒状態
部分は未硬化樹脂が液晶材料から分離析出しカラム状と
なったものである。
合した高分子樹脂を硬化させるため対向基板側から紫外
線を照射した。照射強度は3〜30mW/cm2 、ここ
では10mW/cm2 とし、照射時間は0. 5〜5mi
n、ここでは1minとした。
と同様に偏光顕微鏡下で観察したが配向状態はほとんど
変化しなかった。紫外線照射の配向状態に対する影響は
見られなかった。
微鏡(AFM)で双方の基板表面を観察すると、両方の
基板表面上に10〜30nmの厚さを有する樹脂膜が形
成されていた。
測定した際の電極間電圧及び光学応答を図8に示す。駆
動電圧VLCの波形は、電圧14V、パルス幅1μs、フ
レーム幅16msである。光学応答性は図に示す光透過
率TLCのように良好なとなっており、この時のコントラ
スト比はフレーム終了時で100であった。一方、樹脂
を混入せず液晶材料単体で構成された液晶セルは、同条
件の測定においてコントラスト比80であった。
場合と比較して数℃下がる程度であった。ここで、上記
本発明構成のセルを液晶材料がN* 相を示す70℃まで
上昇させ、10〜60分ここでは20分間前記温度に保
持し、その後3℃/hrの割合で室温まで徐冷した。す
ると配向欠陥がさらに改善され、光学特性を測定すると
コントラスト比120を得た。
構成のセルを液晶材料がSmA相を示す55℃まで上昇
させ、20分間前記温度に保持し、その後3℃/hrの
割合で室温まで徐冷しても前記したN* 相を示す温度で
保持した場合とほぼ同じ程度配向欠陥が改善され、コン
トラスト比が向上した。
となる83℃に一度加熱し、上記と同様にセルを徐冷す
ると、液晶材料は部分的に配向が乱れた。このことから
樹脂硬化後は配向膜上に樹脂膜が形成され、液晶材料に
一軸配向性が付与されていない事が分かる。
させた。
に示す実験用の1画素のセルを作製し、各特性の評価を
行った。液晶セルの基板1111および1112は厚さ
1.1mmの青板ガラスであり、該基板上には画素電極
1113および1114を作製した。画素電極の大きさ
は5mm□とした。両方の基板の電極が形成されている
面上には配向膜1115を形成した。
こではLP−64(東レ製)を用いた。配向膜はn−メ
チル−2−ピロリドン等の溶媒により希釈し、スピンコ
ート法により塗布した。塗布した基板は250〜300
℃、ここでは280℃で2.5時間加熱し溶媒を乾燥さ
せ、塗膜をイミド化し硬化させた。硬化後の膜厚は30
0Åであった。
層を基板に垂直あるいは傾斜して配列させるため、配向
膜にラビング法により一軸配向規制力を付与した。ラビ
ングは通常の方法と同様に、レーヨン、綿等の布が巻い
てある直径130mmのローラーで450〜900rp
m、ここでは450rpmの回転数で一方向に擦った。
ロール押し込み高さは0.1mm、ステージ速度は20
mm/secで行った。
ペーサー1118として、一方の基板には直径1. 5μ
mの真絲球(触媒化成製)を散布した。また、他方の基
板上には、該2枚の基板を固定するために、シール剤と
して基板の周辺に2液製のエポキシ系接着剤をスクリー
ン印刷により印刷塗布し、その後2枚の基板を接着固定
した。
の高分子樹脂の混合物を注入した。液晶材料としてフェ
ニルピリミジン系の強誘電性液晶を使用した。相系列は
Iso-SmA-SmC*-Cryを取った。また、高分子樹脂としては
市販の紫外線硬化型の樹脂を使用した。高分子樹脂は、
混合体を注入する時の液晶材料との分離を防ぐことを目
的として、液晶材料との相溶性が高くなるように、モノ
マー量が重量比で90%を占めるものを使用した。液晶
材料中の未硬化高分子樹脂の濃度としては、樹脂が多量
に含まれると上下の基板間に樹脂柱が形成され開口率が
低下するため、少量の方が良く、重量比で95:5の割
合で混合した。該混合物は均一に混ざるようにIso相
になる温度で攪拌した。該混合物はIso相からSmA
相への転移点が液晶材料のみの場合より、5℃低下し
た。
を、混合物がIso相を示す100℃とし真空下で行っ
た。注入後、液晶セルをSmC* 相まで冷却するが、セ
ルを急速にSmC* 相まで転移させると配向欠陥が多量
に発生するので、降温レートとして2〜20℃/hr、
ここでは3℃/hrの割合で徐冷した。
配向状態を、偏光顕微鏡で直交ニコル下で観察した。ス
テージを回転させたところある回転角で消光位、即ち片
方の偏光板に入射した光が、他方の偏光板を透過せず、
あたかも光が遮断された状態が得られた。このことは液
晶材料が、層内及び層から層にわたって液晶分子の配向
ベクトルが同じ方向に配向したユニフォーム配向となっ
ていることを示している。
回してみると、顕微鏡の視野中に複屈折による光漏れを
生じないで、黒状態のままの部分が点在していた。この
部分は樹脂がカラム状に分離析出していることを示して
いる。
を硬化させるため紫外線を照射した。光源は定格150
WのHg−Xeランプを使用したもので、照射強度が3
〜30mW/cm2 、ここでは10mW/cm2 となる
ような位置にセルを設置し照射した。照射時間は0. 5
〜5min、ここでは1minとした。
と同様に偏光顕微鏡下で観察したが配向状態はほとんど
変化しなかった。紫外線照射の配向状態に対する影響は
見られなかった。
た。測定方法はハロゲンランプを宇光源とする偏光顕微
鏡において、直交ニコル下で±30V、5Hzの三角波
をセルの電極間に印加し、セルの透過光強度をフォトマ
ルチプライヤーで検出するものである。コントラスト比
は120であった。
と同じ光学系にて観察した。セルには周波数の低い三角
波を印加した。明暗のスイッチングは、従来の強誘電性
液晶電気光学装置に見られたドメイン生成を伴うスイッ
チングとは異なり電界強度に依存して全体の透過光量が
一様に変化するスイッチングであった。
た。測定方法はまず直流20V印加時にセルを消光位に
合わせ、次に一端電圧を0Vとして電圧を20Vまで増
加させていったときの透過光強度の変化を示したもので
ある。その結果を図11に示す。本発明のセルの特性値
は□プロットで示したが、しきい値が約0.8Vとなっ
た。
を測定した。駆動波形及びコントラストの変化の様子を
図12に示す。このとき駆動波形は±3V、5Hzの矩
形波であった。本実施例の装置の応答波形1401は矩
形波の極性反転後急峻な立ち上がりを示す一段応答にな
った。
べた。駆動波形は矩形波5Hzであった。その結果を図
13中の□プロットで示す。本発明のセルでは低電圧領
域においても約1msecと速い応答速度を示す。また
対数座標において電圧及び応答速度が線型の関係を有し
ている。すなわち、電界強度と応答速度が常に一定の関
係にある。これは本実施例のセルがゴールドストーンモ
ードで動作していることを示唆している。
±30V、5Hzの三角波を液晶セルに印加しそのとき
の電極間に流れる電流の値を測定したものである。図に
示すように、電極間の容量成分1601及び強誘電性液
晶材料の有する自発分極が電界の極性変化に伴い、反転
する際に流れる電流1602以外は電流成分はなかっ
た。
た。駆動波形はパルス幅が200μm、フレーム幅が2
0msであった。パルスメモリー性はほとんど無かっ
た。
る駆動回路を接続し、アクティブ駆動を行った場合の電
極間電圧および光学応答を図15に示す。駆動波形は、
電圧14V、パルス幅1μs、フレーム幅16msであ
る。図15に示すように良好な光学応答性となってお
り、この時のコントラスト比はフレーム終了時に120
であった。
脂の存在は全く分からなかった。
除去した後、基板上に残存する樹脂を走査型電子顕微鏡
で観察すると、両基板を固定していたカラム状の樹脂を
観察する事が出来た。硬化した樹脂は、樹脂や液晶材料
の種類や硬化条件にもよるが、ここでは殆どの場合、側
面から見た形が台形または長方形を有し、上面の断面
(基板に垂直方向から見た面)が丸みをおびた正方形ま
たは長方形あるいは円形、楕円形を有し、全体として台
地状をしている。これらの樹脂は、上面の断面の大きさ
(円形状の場合は直径)が数μm〜数十μ程度であり、
その高さは基板間隔と等しい。高さが太さの1/10程
度のものから上面断面の大きさと高さが殆ど等しいサイ
コロ状のものもある。
や徐冷速度等によっても変化する。不定形のものや一軸
配向方向に樹脂の長軸ができるものもある。またこのカ
ラム状に硬化した樹脂の存在する間隔は10〜100μ
m程度であった。
るため、上記方法により作製した基板をアルコール洗浄
した後、原子間力顕微鏡(AFM)により観察した。こ
れによれば、配向膜表面に高分子樹脂の被膜が形成され
ていた。被膜の厚さは作製条件にもよるが、約10〜3
0nm程度であり、微少な凹凸を有していた。ほとんど
樹脂膜がないと思われる部分や50nm程度の厚さを有
する部分もあった。
外は、セル構成及び液晶材料が同じセルについても上記
と同様の測定を行った。まず、三角波によるスイッチン
グ過程の観察ではドメインの発生を伴ったスイッチング
となった。また、透過光強度の電圧依存性は図11中○
プロットに示すようにしきい値が約2Vであった。ま
た、電界極性反転時の応答は図12の1402に示すよ
うに初めの立ち上がりは急峻であったものが途中から緩
慢な変化となる、2段階応答を示した。また、応答速度
の電圧依存性を調べると、図13中○プロットに示すよ
うに3V以下の電圧としたとき応答速度が急に遅くなり
電界強度と応答速度の関係は線型ではなかった。
示すように、電極間の容量成分1801、自発分極が電
界極性の変化に伴って反転する時に発生する電流成分1
802の他に、余分な電流成分を示すピーク1803が
見られた。また電流成分1802は本発明構成の装置と
比較してピーク値は下がりかつ幅が広くなり、応答速度
が低下していることがわかる。一方、パルスメモリー性
は比較的良好であった。
して結晶性シリコンTFTを各画素に設けたアクティブ
マトリクス駆動型の装置の例を、図9と対応させて示
す。
ラス板(300×300mm、厚さ1.1mm)上の酸
化珪素膜(図示せず)上に、水素還元雰囲気下で600
℃48時間の加熱アニールによりアモルファスシリコン
膜を結晶化して形成した移動度100(cm2 /Vs)
を有するNチャネル型の結晶性シリコンTFT110
5、ITO(酸化インジューム・スズ)で画素電極11
04、クロム/アルミニウムの多層膜で信号電極、走査
電極を、640×480画素のマトリクスを構成して設
けた。
ス基板上にITOを1200Åスパッタ法により成膜し
て対向電極を形成した。電極材料としては他にSnO2
(酸化スズ)などが使用できる。また基板材料としては
ガラス、石英等の無機性材料やアクリル樹脂、ポリエチ
レン樹脂等の有機性材料が使用できる。
1106を形成していわゆる片側配向とした。配向膜材
料としてポリイミド系もしくはポリアミド系の樹脂、ま
たは、ポリビニルアルコール等の樹脂を使用できる。ポ
リイミド系の樹脂としては例えばLQ−5200(日立
化成製)、LP−64(東レ製)、RN−305(日産
化学製)等であり、ここではLP−64を使用した。配
向膜はn−メチル−2−ピロリドン等の溶媒により希釈
しスピンコート法により塗布した。塗布した基板は25
0〜300℃、ここでは280℃で2. 5時間加熱し溶
媒を乾燥させ、塗膜をイミド化し硬化させた。硬化後の
膜厚は300Åであった。
板に垂直あるいは傾斜して配列させるため、配向膜にラ
ビング法により一軸配向規制力を付与した。ラビングは
通常の方法と同様に、レーヨン、綿等の布が巻いてある
直径130mmのローラーで450〜900rpm、こ
こでは450rpmの回転数で一方向に擦った。ロール
押し込み高さは0.1mm、ステージ速度は20mm/
secで行った。
材料としてはシリカまたはアルミナ等が適当である。こ
こでは該セルの間隔を一定にするためスペーサーとし
て、配向膜が塗布されている側の基板には直径1. 5μ
mの真絲球(触媒化成製)(図示せず)を散布した。ま
た、他方の基板上には、該2枚の基板を固定するため
に、シール剤として基板の周辺に2液製のエポキシ系接
着剤をスクリーン印刷により印刷塗布し、その後2枚の
基板を接着固定した。
の高分子樹脂の混合物を注入した。液晶材料としてフェ
ニルピリミジン系の強誘電性液晶を使用した。相系列は
Iso-SmA-SmC*-Cryを取った。また、高分子樹脂としては
市販の紫外線硬化型の樹脂を使用した。高分子樹脂は、
混合体を注入する時の液晶材料との分離を防ぐことを目
的として、液晶材料との相溶性が高くなるように、モノ
マー量が重量比で90%を占めるものを使用した。液晶
材料中の未硬化高分子樹脂の濃度としては、樹脂が多量
に含まれると上下の基板間に樹脂柱が形成され開口率が
低下するため、少量の方が良く、重量比で95:5の割
合で混合した。該混合物は均一に混ざるようにIso相
になる温度で攪拌した。該混合物はIso相からSmA
相への転移点が液晶材料のみの場合より、5℃低下し
た。
を、混合物がIso相を示す100℃とし真空下で行っ
た。注入後、液晶セルをSmC* 相まで冷却するが、セ
ルを急速にSmC* 相まで転移させると配向欠陥が多量
に発生するので、降温レートとして2〜20℃/hr、
ここでは3℃/hrの割合で徐冷した。
配向状態を、偏光顕微鏡で直交ニコル下で観察した。ス
テージを回転させたところある回転角で消光位、即ち片
方の偏光板に入射した光が、他方の偏光板を透過せず、
あたかも光が遮断された状態が得られた。このことは液
晶材料が、層内及び層から層にわたって液晶分子の配向
ベクトルが同じ方向に配向したユニフォーム配向となっ
ていることを示している。
回してみると、顕微鏡の視野中に複屈折による光漏れを
生じないで、黒状態のままの部分が点在していた。この
部分は樹脂がカラム状に分離析出していることを示して
いる。
を硬化させるため紫外線を照射した。光源は定格150
WのHg−Xeランプを使用したもので、照射強度が3
〜30mW/cm2 、ここでは10mW/cm2 となる
ような位置にセルを設置し照射した。照射時間は0. 5
〜5min、ここでは1minとした。
と同様に偏光顕微鏡下で観察したが配向状態はほとんど
変化しなかった。紫外線照射の配向状態に対する影響は
見られなかった。このときカラム状の樹脂は上下の基板
を接着し基板間の距離の拡大を防いでおり、大面積化し
ても液晶材料の層構造の崩れを防ぐことができる。
ト比が約120を有していた。低周波の三角波を電極間
に印加して偏光顕微鏡でスイッチング状態を観察したと
ころ、ドメイン生成を伴わずに電極印加領域が一様に透
過光量が変化した。
り、駆動回路を接続して液晶電気光学装置を完成させ
た。1画面の書換えを1/60秒で行ない、印加電圧の
大きさを制御することにより256階調表示を実現でき
た。
洗浄した後、原子間力顕微鏡(AFM)により観察した
ところ配向膜表面、画素電極表面ともに高分子樹脂の被
膜が約10〜30nmの厚さに形成されていた。
るスイッチング素子としてNチャネル型の薄膜トランジ
スタを用いたが、Pチャネル型であっても、あるいはP
チャネル型薄膜トランジスタとNチャネル型薄膜トラン
ジスタとを用いて相補型に構成してもよい。またMIM
ダイオード等の非線型素子を用いた構成としてもよい。
素子として結晶性シリコンTFTを各画素に設けたアク
ティブマトリクス駆動型の装置を作製し、かつフレーム
階調表示を行った例を示す。構成は図17と対応させて
いる。
ラス板(300×300mm、厚さ1.1mm)上の酸
化珪素膜(図示せず)上に、水素還元雰囲気下で600
℃48時間の加熱アニールによりアモルファスシリコン
膜を結晶化して形成した移動度100(cm2 /Vs)
を有するNチャネル型の結晶性シリコンTFT210
5、ITO(酸化インジューム・スズ)で画素電極21
04、クロム/アルミニウムの多層膜で信号電極、走査
電極を、640×480画素のマトリクスを構成して設
けた。
ス基板上にITOを1200Åスパッタ法により成膜し
て対向電極を形成した。電極材料としては他に他にSn
O2(酸化スズ)などが使用できる。また基板材料とし
てはガラス、石英等の無機性材料やアクリル樹脂、ポリ
エチレン樹脂等の有機性材料が使用できる。
2106を形成していわゆる片側配向とした。配向膜材
料としてポリイミド系もしくはポリアミド系の樹脂、ま
たは、ポリビニルアルコール等の樹脂を使用できる。ポ
リイミド系の樹脂としては例えばLQ−5200(日立
化成製)、LP−64(東レ製)、RN−305(日産
化学製)等であり、ここではLP−64を使用した。配
向膜はn−メチル−2−ピロリドン等の溶媒により希釈
しスピンコート法により塗布した。塗布した基板は25
0〜300℃、ここでは280℃で2. 5時間加熱し溶
媒を乾燥させ、塗膜をイミド化し硬化させた。硬化後の
膜厚は300Åであった。
板に垂直あるいは傾斜して配列させるため、配向膜にラ
ビング法により一軸配向規制力を付与した。ラビングは
通常の方法と同様に、レーヨン、綿等の布が巻いてある
直径130mmのローラーで450〜900rpm、こ
こでは450rpmの回転数で一方向に擦った。ロール
押し込み高さは0.1mm、ステージ速度は20mm/
secで行った。
材料としてはシリカまたはアルミナ等が適当である。こ
こでは該セルの間隔を一定にするためスペーサーとし
て、配向膜が塗布されている側の基板には直径1. 5μ
mの真絲球(触媒化成製)(図示せず)を散布した。ま
た、他方の基板上には、該2枚の基板を固定するため
に、シール剤として基板の周辺に2液製のエポキシ系接
着剤をスクリーン印刷により印刷塗布し、その後2枚の
基板を接着固定した。
の高分子樹脂の混合物を注入した。液晶材料としてフェ
ニルピリミジン系の強誘電性液晶を使用した。相系列は
Iso-SmA-SmC*-Cryを取った。また、高分子樹脂としては
市販の紫外線硬化型の樹脂を使用した。高分子樹脂は、
混合体を注入する時の液晶材料との分離を防ぐことを目
的として、液晶材料との相溶性が高くなるように、モノ
マー量が重量比で90%を占めるものを使用した。液晶
材料中の未硬化高分子樹脂の濃度としては、樹脂が多量
に含まれると上下の基板間に樹脂柱が形成され開口率が
低下するため、少量の方が良く、重量比で95:5の割
合で混合した。該混合物は均一に混ざるようにIso相
になる温度で攪拌した。該混合物はIso相からSmA
相への転移点が液晶材料のみの場合より、5℃低下し
た。
を、混合物がIso相を示す100℃とし真空下で行っ
た。注入後、液晶セルをSmC* 相まで冷却するが、セ
ルを急速にSmC* 相まで転移させると配向欠陥が多量
に発生するので、降温レートとして2〜20℃/hr、
ここでは3℃/hrの割合で徐冷した。
配向状態を、偏光顕微鏡で直交ニコル下で観察した。ス
テージを回転させたところある回転角で消光位、即ち片
方の偏光板に入射した光が、他方の偏光板を透過せず、
あたかも光が遮断された状態が得られた。このことは液
晶材料が、層内及び層から層にわたって液晶分子の配向
ベクトルが同じ方向に配向したユニフォーム配向となっ
ていることを示している。
回してみると、顕微鏡の視野中に複屈折による光漏れを
生じないで、黒状態のままの部分が点在していた。この
部分は樹脂がカラム状に分離析出していることを示して
いる。
を硬化させるため紫外線を照射した。光源は定格150
WのHg−Xeランプを使用したもので、照射強度が3
〜30mW/cm2 、ここでは10mW/cm2 となる
ような位置にセルを設置し照射した。照射時間は0. 5
〜5min、ここでは1minとした。
と同様に偏光顕微鏡下で観察したが配向状態はほとんど
変化しなかった。紫外線照射の配向状態に対する影響は
見られなかった。このときカラム状の樹脂は上下の基板
を接着し基板間の距離の拡大を防いでおり、大面積化し
ても液晶材料の層構造の崩れを防ぐことができる。
ト比が約120を有していた。低周波の三角波を電極間
に印加して偏光顕微鏡でスイッチング状態を観察したと
ころ、ドメイン生成を伴わずに電極印加領域が一様に透
過光量が変化した。
は樹脂の存在は全くわからない。これらの結果から、表
示部の面積を樹脂材料が占める割合は0.1〜20%程
度であれば従来の装置と比較して遜色のないものとする
ことができる。
るセルを作製することができた。完成したセルを垂直に
しても表示ムラ等は全く認識できなかった。基板の変形
等が生じることもなく、使用した強誘電性液晶の層構造
が壊れることもなかった。
力顕微鏡(AFM)により観察したところ配向膜表面、
画素電極表面ともに高分子樹脂の被膜が約10〜30n
mの厚さに形成されていた。
偏光板2109、2110を貼り、デジタル階調駆動で
32階調の表示を行った。図18に、ここで用いた表示
方法における、1つの画素について注目した、ゲート電
圧VG 、ドレイン電圧VD 、画素電圧VLC、画素の透過
率TLCの変化を示す。まず、図18に示したように1フ
レームを5つのサブフレームによって構成する。各サブ
フレームの持続時間を第1フレームは0.5msec、
第2サブフレームは8msec、第3サブフレームは1
msec、第4サブフレームは4msec、第5サブフ
レームは2msecとし(図18では各サブフレーム間
を等間隔で表している)、1フレームは15.5mse
cとした。すなわち第1フレームの持続時間を最短持続
時間T0とすると、第2サブフレームは16T0 、以下
2T0 、8T0 、4T0 となり、これら5つのサブフレ
ームの持続時間の組み合わせで32階調が表示できる。
ゲート電圧VG として矩形パルス信号を印加して1ライ
ン(横640個)の画素のTFTのゲート電極をONに
する。一方各TFTのドレイン電極に接続された信号線
には、正または負のいずれかの状態を示すパルス列がド
レイン電圧VD として印加される。このパルス列にはサ
ブフレーム間隔中の総走査数ここでは480個の情報が
含まれており、各情報は各ラインの走査に同期してい
る。480ライン全ての走査を行って全画素のONまた
はOFFの状態を決定し、1サブフレームを終了する。
前述のごとく各サブフレームの間隔は異なり、その間各
画素は、画素電位VLCが自然放電によって除々に0に近
づいていっているのにかかわらず、透過率TLCは一定に
保たれONまたはOFFの状態を維持する。本実施例に
おいては、この間の透過率TLCは極めて安定し、経時変
化等はなかった。
了したときに、1フレーム内での階調表示がデジタルで
実現できる。各TFTのゲート電極に印加する走査信号
のパルス幅は2μsecとし、パルスの波高は−15
V、ドレイン電極に印加するデータ信号は±10Vとし
た。この装置では表示のムラ、チラツキ等は全く現れ
ず、32階調でコントラスト比120を得た。
を±5Vとしても全く問題なく動作した。
ず、1画面の書換えを1/60秒で行ない、電界強度を
変化させる、すなわち印加電圧の大きさを制御すること
によって32階調表示を行なったところ極めて明確な階
調表示を得た。
電圧によって16階調の表示を行い、256階調の表示
を行なうこともできた。
るスイッチング素子としてNチャネル型の薄膜トランジ
スタを用いたが、Pチャネル型であっても、あるいはP
チャネル型薄膜トランジスタとNチャネル型薄膜トラン
ジスタとを用いて相補型に構成してもよい。またMIM
ダイオード等の非線型素子を用いた構成としてもよい。
1つの薄膜トランジスタ(TFT)を1つの画素に用い
て、各TFTのゲート電極が接続された走査電極に信号
を印加して1ラインのTFTをオンにし、ソースまたは
ドレイン電極が接続された信号電極により透過、非透過
の信号または階調信号を印加して表示を行なう一般的な
駆動方式を用いた。
示すような、TFTを2つ用いて各画素毎に書換えを行
なう駆動方式に対しても有効である。
材料であるインジウム・チン・オキサイド(ITOと省
略する)をスパッタ法や蒸着法にて500〜2000
Å、本実施例では1000Åの膜厚に成膜し、通常のフ
ォトリソ工程で電極をストライプ状にパターニングし
た。この基板上にスピンコート法でポリイミドを塗布
し、280℃で焼成した。ポリイミドとしては日産化学
製RN−305、東レ製LP−64を用いた。ポリイミ
ド膜厚は100〜800Å、本実施例では150Åであ
った。この基板にラビング処理を施して一軸配向処理を
行った。この基板を2枚作製し、一方の基板上には、シ
リカ粒子である触媒化成製真し球をスペーサーとして散
布し、一方の基板上には、エポキシ樹脂製のシール材を
スクリーン印刷にて形成した。両基板は電極間距離を約
1.5μmとして、ストライプ状の電極が互いに直交す
るように貼り合わせて、画素数が640×480の単純
マトリクス型のセルを形成した。
ッソ社製の強誘電性液晶、CS1014である。この液
晶のPsは5.4nC/cm2 であり、相系列はI(等
方相)−N(ネマチック相)−A(スメクチックA相)
−C* (スメクチックC* 相)である。
約150から200程度のアクリル系モノマーと分子量
約1500から3000程度のウレタン系オリゴマーを
重量比で90:10で混合し、市販の反応開始剤を約3
重量%程度混合した(以下未硬化樹脂材料という)。
量比で95:5で混合し、混合した樹脂が液晶材料中に
よりよく混合するように、90℃で液晶が等方相を示す
まで加熱、攪はんして樹脂を液晶材料中に均一に混合し
た(以下液晶混合物という)。
のセルに注入後2〜20℃/hr、本実施例では2℃/
hrで室温まで徐冷した。徐冷後の室温での配向状態を
偏光顕微鏡下で観察すると、セル中に点在し柱状となっ
ている樹脂材料は確認できるが基板上の樹脂形状は確認
できなかった。しかし液晶材料の配向は樹脂を添加しな
い液晶材料と同様に、液晶は配向膜のラビング方向に沿
って一軸配向となり、良好な消光位が得られていた。
cm2 、照射時間0.5〜5min、本実施例では強度
20mW/cm2 で1min、照射して樹脂を硬化させ
た。紫外線照射後も液晶は配向膜のラビング方向に沿っ
て一軸配向となり、良好な消光位が得られた。
変化を観察したところ、暗から明また明から暗へ連続的
に階調が変化し、明暗の中間調表示が可能できた。ドメ
インの発生は視覚的には確認できなかった。
ーブン中で5hr放置し、液晶を揮発させた。その後基
板を偏光顕微鏡下で観察し、偏光していないことを確認
し、基板上の樹脂形状をSEMで観察した。
基板上に形成された微細なパターンを表したSEM写真
を示す。図24(B)は図24(A)を拡大したもので
ある。図24に示すように、高さ数10nm、直径数1
0〜数100nm程度、約500nm以下程度の、樹脂
により構成された微細な凸部が多数観察された。凸部は
全体的に均一に表面上に分散しており、また部分的に複
数の凸部が連なっているところもあった。
0×480とし、赤、青、緑の3色のカラーフィルター
を設けて、640×480のフルカラー表示をさせても
よい。256階調であれば、約1670万色の表示が可
能である。
および樹脂材料、作製方法、液晶材料と未硬化樹脂材料
との混合比は、実施例6と同様とした。ただし本実施例
における液晶材料はビフェニル系でPsが20.7nC
/cm2 の相系列がI−A−C* を示す強誘電性液晶を
用いた。形成されたセルの液晶材料の配向状態を偏光顕
微鏡下で観察すると、樹脂を混合していない場合と同様
に、配向膜のラビング方向に沿って一軸配向となり、良
好な消光位が得られた。
変化を観察したところ、暗から明また明から暗へ連続的
に階調が変化し、明暗の中間調表示が可能となった。ド
メインの発生は視覚的には確認できなかった。
ーブン中で5hr放置し、液晶を揮発させた。その後基
板を偏光顕微鏡下で観察し、偏光していないことを確認
し、基板上の樹脂形状をSEMで観察した。すると、平
均的には高さ約30nm程度、直径約90nm程度の大
きさの樹脂により構成された微細な凸部が多数観察され
た。
および液晶材料、作製方法、液晶材料と未硬化樹脂材料
との混合比は実施例6と同様とした。ただし本実施例に
おいては、市販の分子量約100から150程度のアク
リル系モノマーと分子量約1000から2000程度の
ウレタン系オリゴマーを重量比で65:35で混合し、
市販の反応開始剤を約3重量%程度混合したものを未硬
化樹脂材料として使用した。
偏光顕微鏡下で観察すると、樹脂を混合していない場合
と同様に、配向膜のラビング方向に沿って一軸配向とな
り、良好な消光位が得られた。
変化を観察したところ、暗から明また明から暗へ連続的
に階調が変化し、明暗の中間調表示が可能となった。ド
メインの発生は視覚的には確認できなかった。
ーブン中で5hr放置し、液晶を揮発させた。その後基
板を偏光顕微鏡下で観察し、偏光していないことを確認
し、基板上の樹脂形状をSEMで観察した。すると平均
的には高さ約30nm程度、直径約90nm程度の大き
さの樹脂により構成された凸部が多数観察された。
ング素子として結晶性シリコンTFT(薄膜トランジス
タ)を各画素に設けたアクティブマトリクス駆動型の液
晶電気光学装置の例を示す。
(300×300mm、厚さ1.1mm)上の酸化珪素
膜上に、水素還元雰囲気下で600℃48時間の加熱ア
ニールによりアモルファスシリコン膜を結晶化して形成
した移動度100(cm2 /Vs)を有するNチャネル
型の結晶性シリコンTFT、ITO(酸化インジューム
・スズ)で画素電極、クロム/アルミニウムの多層膜ま
たは表面が陽極酸化されたアルミニウムにより配線を形
成し、640×480画素のマトリクスを構成して設け
た。
にITOを1200Åスパッタ法により成膜して対向電
極を形成した。電極材料としては他に他にSnO2 (酸
化スズ)などが使用できる。また基板材料としてはガラ
ス、石英等の無機性材料やアクリル樹脂、ポリエチレン
樹脂等の有機性材料が使用できる。
を形成していわゆる片側配向とした。配向膜材料として
ポリイミド系もしくはポリアミド系の樹脂、または、ポ
リビニルアルコール等の樹脂を使用できる。ポリイミド
系の樹脂としては例えばLQ−5200(日立化成
製)、LP−64(東レ製)、RN−305(日産化学
製)等であり、ここではLP−64を使用した。配向膜
はn−メチル−2−ピロリドン等の溶媒により希釈しス
ピンコート法により塗布した。塗布した基板は250〜
300℃、ここでは280℃で2. 5時間加熱し溶媒を
乾燥させ、塗膜をイミド化し硬化させた。硬化後の膜厚
は300Åであった。
板に垂直あるいは傾斜して配列させるため、配向膜にラ
ビング法により一軸配向規制力を付与した。ラビングは
通常の方法と同様に、レーヨン、綿等の布が巻いてある
直径130mmのローラーで450〜900rpm、こ
こでは450rpmの回転数で一方向に擦った。ロール
押し込み高さは0.1mm、ステージ速度は20mm/
secで行った。
材料としてはシリカまたはアルミナ等が適当である。こ
こでは該セルの間隔を一定にするためスペーサーとし
て、配向膜が塗布されている側の基板には直径1. 5μ
mの真絲球(触媒化成製)を散布した。また、他方の基
板上には、該2枚の基板を固定するために、シール剤と
して基板の周辺に2液製のエポキシ系接着剤をスクリー
ン印刷により印刷塗布し、その後2枚の基板を接着固定
した。
の混合物を注入した。本実施例で使用した液晶材料とし
ては、チッソ社製の強誘電性液晶、CS1014であ
る。この液晶のPsは5.4nC/cm2 であり、相系
列はI(等方相)−N(ネマチック相)−A(スメクチ
ックA相)−C* (スメクチックC* 相)である。
約150から200程度のアクリル系モノマーと分子量
約1500から3000程度のウレタン系オリゴマーを
重量比で90:10で混合し、市販の反応開始剤を約3
重量%程度混合した。
95:5で混合し、混合した樹脂が液晶材料中によりよ
く混合するように、90℃で液晶が等方相を示すまで加
熱、攪はんして樹脂を液晶材料中に均一に混合し、液晶
混合物とした。
のセルに注入後2〜20℃/hr、本実施例では2℃/
hrで室温まで徐冷した。徐冷後の室温での配向状態を
偏光顕微鏡下で観察すると、セル中に点在し柱状となっ
ている樹脂材料は確認できるが基板上の樹脂形状は確認
できなかった。しかし液晶材料の配向は樹脂を添加しな
い液晶材料と同様に、液晶は配向膜のラビング方向に沿
って一軸配向となり、良好な消光位が得られていた。
回してみると、顕微鏡の視野中に複屈折による光漏れを
生じないで、黒状態のままの部分が点在していた。この
部分は樹脂がカラム状に分離析出していることを示して
いる。
cm2 、照射時間0.5〜5min、本実施例では強度
20mW/cm2 で1min、照射して樹脂を硬化させ
た。紫外線照射後も液晶は配向膜のラビング方向に沿っ
て一軸配向となり、良好な消光位が得られた。このとき
カラム状の樹脂は上下の基板を接着し基板間の距離の拡
大を防いでおり、大面積化しても液晶材料の層構造の崩
れを防ぐことができる。
顕微鏡でスイッチング状態を観察したところ、各画素に
おいてドメイン発生を伴わずに透過光量が連続的に変化
した。また各画素領域内において階調は一様であった。
て液晶電気光学装置を完成させた。1画面の書換えを1
/60秒で行ない、印加電圧の大きさを制御することに
より256階調表示を実現できた。
り観察したところ配向膜表面、画素電極表面ともに、高
さが数10nm、直径が数10〜数100nmの微細な
凸部が多数確認された。
るスイッチング素子としてNチャネル型の薄膜トランジ
スタを用いたが、Pチャネル型であっても、あるいはP
チャネル型薄膜トランジスタとNチャネル型薄膜トラン
ジスタとを用いて相補型に構成してもよい。またMIM
ダイオード等の薄膜ダイオード、非線型素子を用いた構
成としてもよい。
0×480とし、赤、青、緑の3色のカラーフィルター
を設けて、640×480のフルカラー表示をさせても
よい。256階調であれば、約1670万色の表示が可
能である。
たセルにおいて、未硬化樹脂材料を混入させなかった例
を示す。
偏光顕微鏡下で観察すると、配向膜のラビング方向に沿
って一軸配向となり、良好な消光位が得られた。
変化を観察したところ、ドメインが発生する明暗2状態
のみのスイッチングが行われ、透過光量が連続的に変化
することはなかった。
cm2 で1minの紫外線を照射後、印加電圧を変化し
て透過光量の変化を観察したところ、やはりドメインを
伴う明暗2状態のみのスイッチングとなった。
たセルにおいて、樹脂を硬化させなかった例を示す。実
施例6と同様にセルを作製、液晶材料と未硬化樹脂との
混合物をセル内に注入した。作製されたセルの液晶材料
の配向状態を、偏光顕微鏡下で観察すると、樹脂を混合
していない場合と同様に、配向膜のラビング方向に沿っ
て一軸配向となり、良好な消光位が得られた。
化させない状態で印加電圧を変化させて透過光量の変化
を観察したところ、ドメインが発生する明暗2状態のみ
のスイッチングが行われ、透過光量が連続的に変化する
ことはなかった。
EMで観察したが、実施例6のような樹脂により構成さ
れる凸部は観察されなかった。
6に示したセルにおいて、樹脂材料のモノマーとオリゴ
マーの混合比を異ならせた例を示す。本比較例で用いた
樹脂材料は市販の分子量約150から200程度のアク
リル系モノマーと分子量約1500から3000程度の
ウレタン系オリゴマーを重量比で10:90で混合し、
市販の反応開始剤を約3重量%程度混合して未硬化樹脂
材料とした。作製されたセルの液晶材料の配向状態を、
偏光顕微鏡下で観察すると、樹脂を混合していない場合
と同様に、配向膜のラビング方向に沿って一軸配向とな
り、良好な消光位が得られた。
cm2 、照射時間0.5〜5min、本比較例では強度
20mW/cm2 で1min、照射して樹脂を硬化させ
た。紫外線照射後も液晶は配向膜のラビング方向に沿っ
て一軸配向となり、良好な消光位が得られた。
変化を観察したところ、ドメインが発生する明暗2状態
のみのスイッチングが行われ、透過光量が連続的に変化
することはなかった。
EMで観察したが、実施例6のような凸状はほとんど観
察されず、非常にフラットな表面状態であった。
れてきた、一軸配向手段の配向規制力による液晶分子の
スイッチングの阻害を防ぐことができた。その結果スイ
ッチングを高速化できた。さらに配向欠陥を改善でき、
また電極間の絶縁性を向上させてショート防止を図るこ
ともできた。よって液晶電気光学装置としては高速でま
た高いコントラスト比を有し、信頼性も高いものとする
ことができた。単純マトリクス型の装置においてはデュ
ーティー比の高い高精細なものとすることができ、アク
ティブマトリクス型の装置においても高速化、表示の安
定化が得られる。
作製できるため、高い生産性も有する。また配向不良が
発生した場合においてもそれを修復できる。
により透過光量を制御できた。したがって強誘電性液晶
材料が有する高速応答性を維持したまま、電圧による階
調表示制御が容易に実現できた。またしきい値が低下し
たため、低電圧駆動が可能となった。また、特に低電圧
領域における応答速度が極めて高速となった。本発明の
液晶電気光学装置は特に各画素にスイッチング素子を設
けたアクティブマトリクス駆動を行うことにより、高速
かつ多階調の表示を実現できる。
での電荷の蓄積がなくなり、強誘電性液晶の液晶分子の
急峻な反転や反転後の分子状態の安定性が得られ、より
高速かつ安定な光学特性が得られる。したがって強誘電
性液晶を用いた液晶電気光学装置を高速かつ高コントラ
スト比を有する表示が実現できた。
いたアクティブマトリクス型の液晶電気光学装置におい
て、強誘電性液晶材料と結晶性シリコン薄膜トランジス
タの高速応答性を生かしきって、高速、高コントラスト
を有する装置とすることができ、フレーム階調を用いた
階調表示の階調数とコントラスト比を向上させることが
できた。
なうことができ、フレーム階調と合わせて非常に高い階
調数で、優れた品質の階調表示を行なうことができた。
来の双安定型の装置と比較して大幅に低電圧化でき、低
消費電力化できた。
を発生させずに基板間隔の拡大、減少を防ぎ、また基板
の強度を向上させて液晶セル全体の歪みの発生を防ぐこ
とができ、液晶の層構造の崩れの発生を抑えることがで
きた。よって大面積の強誘電性液晶を用いた液晶電気光
学装置実現でき、この装置を立てて使用することも可能
となった。
または反強誘電性液晶を用いた液晶電気光学装置におい
て、多階調表示、さらにはフルカラー化を、高い分解能
を持たせつつ容易に実現することができるようになっ
た。また、ネマチック液晶を用いた液晶電気光学装置と
比較しても、極めて高速であり、かつ大型化が容易な、
多階調表示、フルカラー表示の可能な液晶電気光学装置
とすることがでた。
は、高速、多階調、高分解能、低電圧駆動かつ大面積な
ものとすることができ、また作製も容易であり、ハイビ
ジョン等の高画質な映像を表示するディスプレイ装置に
適した、極めてすぐれた液晶電気光学装置を実現でき
る。
電性液晶を用いた液晶電気光学装置に関するものであ
る。また、本発明によれば、配向膜と強誘電性または反
強誘電性の液晶材料の間に樹脂(膜)を設け、当該樹脂
(膜)と強誘電性または反強誘電性の液晶材料とが接す
るようにすることで、ドメインが発生せず、電界強度に
より一様に階調が変化するスイッチング状態(ドメイン
レススイッチング)が得られる。
す。
置の電流電圧特性のオシロスコープ波形を示す写真。
置の電流電圧特性の模式図を示す。
シロスコープ波形を示す写真。
式図を示す。
例による液晶電気光学装置の基板表面の薄膜を示す写
真。
例による液晶電気光学装置の液晶材料等注入前の基板表
面の薄膜を示す写真。
電気光学装置の画素電極間電圧及び光学応答を示す。
概略図を示す。
おける透過光強度−電圧特性を示す。
電界方向反転時の応答性を示す。
応答速度−電圧特性を示す。
電流電圧特性を示す。
おいてアクティブ駆動を行った場合の画素電極電圧及び
光学応答を示す。
特性を示す。
す。
際の印加信号ならびに画素電位と画素の透過率を示す。
を示す。
±1.5Vの矩形波により駆動した際の光学特性を示
す。
矩形波により駆動した際の光学特性を示す。
たSEM写真を示す。
分 202 液晶材料の有する自発分極による
反転電流 203 余分な電流成分 204 液晶材料の有する自発分極による
反転電流 1101、1102 基板 1103 対向電極 1104 画素電極 1105 スイッチング素子 1106 配向膜 1107 樹脂膜 1108 液晶材料 1109、1110 偏光板 1111、1112 基板 1113、1114 電極 1115 配向膜 1116 樹脂膜 1117 液晶材料 1118 スペーサ 1401 実施例における本発明の装置の光
学応答波形 1402 実施例における従来の装置の光学
応答波形 1601 画素電極間に流れる電流の容量成
分 1602 液晶材料の有する自発分極による
反転電流 1801 画素電極間に流れる電流の容量成
分 1802 液晶材料の有する自発分極による
反転電流 1803 余分な電流成分 2101、2102 基板 2103 対向電極 2104 画素電極 2105 スイッチング素子 2106 配向膜 2107 樹脂膜 2108 液晶材料 2109、2110 偏光板 3110、3111 透光性基板 3112、3113 電極 3114、3115 配向手段 3116 液晶材料 3117 凸部 3118 スペーサー 3119 シール剤 3120、3121 偏光板
Claims (14)
- 【請求項1】一対の基板間に強誘電性の液晶材料を有す
る液晶電気光学装置であって、前記一対の基板のそれぞれは、電極、配向膜および前記
配向膜上の樹脂を有し、 前記液晶材料は、前記一対の基板間においてらせん構造
を有しておらず、前記液晶材料は、ドメインを発生せず、 前記液晶材料の透過光量は、前記液晶材料に印加される
電圧に応じて連続的に変化すること を特徴とする液晶電
気光学装置。 - 【請求項2】一対の基板間に強誘電性の液晶材料を有
し、複数の画素を有する液晶電気光学装置であって、前記一対の基板のそれぞれは、電極、配向膜および前記
配向膜上の樹脂を有し、 前記液晶材料は、前記一対の基板間においてらせん構造
を有しておらず、前記液晶材料は、ドメインを発生せず、 前記液晶材料の透過光量は、前記液晶材料に印加される
電圧に応じて連続的に変化すること を特徴とする液晶電
気光学装置。 - 【請求項3】一対の基板間に反強誘電性の液晶材料を有
する液晶電気光学装置であって、 前記一対の基板のそれぞれは、電極、配向膜および前記
配向膜上の樹脂を有し、 前記液晶材料は、前記一対の基板間においてらせん構造
を有しておらず、前記液晶材料は、ドメインを発生せず、 前記液晶材料の透過光量は、前記液晶材料に印加される
電圧に応じて連続的に変化すること を特徴とする液晶電
気光学装置。 - 【請求項4】一対の基板間に反強誘電性の液晶材料を有
し、複数の画素を有する液晶電気光学装置であって、前記一対の基板のそれぞれは、電極、配向膜および前記
配向膜上の樹脂を有し、 前記液晶材料は、前記一対の基板間においてらせん構造
を有しておらず、前記液晶材料は、ドメインを発生せず、 前記液晶材料の透過光量は、前記液晶材料に印加される
電圧に応じて連続的に変化すること を特徴とする液晶電
気光学装置。 - 【請求項5】請求項1乃至4の何れか一において、前記
樹脂は、紫外線硬化樹脂であることを特徴とする液晶電
気光学装置。 - 【請求項6】請求項1乃至4の何れか一において、前記
樹脂は、膜状であることを特徴とする液晶電気光学装
置。 - 【請求項7】請求項1乃至4の何れか一において、前記
樹脂は、複数の凸部を有することを特徴とする液晶電気
光学装置。 - 【請求項8】請求項1乃至4の何れか一において、前記
樹脂は、アクリル系樹脂を含むことを特徴とする液晶電
気光学装置。 - 【請求項9】一対の基板間に強誘電性の液晶材料を有す
るアクティブマトリクス型液晶電気光学装置であって、 前記一対の基板の一方は、複数のTFT、前記複数のT
FTのそれぞれに接続された画素電極を有し、 前記一対の基板の他方は、電極を有し、 前記一対の基板のそれぞれは、配向膜および前記配向膜
上の樹脂を有し、 前記液晶材料は、前記一対の基板間においてらせん構造
を有しておらず、 前記液晶材料は、ドメインを発生せず、 前記液晶材料の透過光量は、印加される電圧に応じて連
続的に変化することを特徴とするアクティブマトリクス
型液晶電気光学装置。 - 【請求項10】一対の基板間に反強誘電性の液晶材料を
有するアクティブマトリクス型液晶電気光学装置であっ
て、 前記一対の基板の一方は、複数のTFT、前記複数のT
FTのそれぞれに接続された画素電極を有し、 前記一対の基板の他方は、電極を有し、 前記一対の基板のそれぞれは、配向膜および前記配向膜
上の樹脂を有し、 前記液晶材料は、前記一対の基板間においてらせん構造
を有しておらず、 前記液晶材料は、ドメインを発生せず、 前記液晶材料の透過光量は、印加される電圧に応じて連
続的に変化することを特徴とするアクティブマトリクス
型液晶電気光学装置。 - 【請求項11】請求項9または10において、前記樹脂
は、紫外線硬化樹脂であることを特徴とするアクティブ
マトリクス型液晶電気光学装置。 - 【請求項12】 請求項9または10において、前記樹脂
は、膜状であることを特徴とするアクティブマトリクス
型液晶電気光学装置。 - 【請求項13】 請求項9または10において、前記樹脂
は、複数の凸部を有することを特徴とするアクティブマ
トリクス型液晶電気光学装置。 - 【請求項14】 請求項9または10において、前記樹脂
は、アクリル系樹脂を含むことを特徴とするアクティブ
マトリクス型液晶電気光学装置。
Priority Applications (1)
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JP8497499A JP3086682B2 (ja) | 1993-07-22 | 1999-03-26 | 液晶電気光学装置 |
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JP20588793 | 1993-07-27 | ||
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JP8093994 | 1994-03-27 | ||
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