JPH0980454A - 強誘電性液晶表示装置 - Google Patents

強誘電性液晶表示装置

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JPH0980454A
JPH0980454A JP23515695A JP23515695A JPH0980454A JP H0980454 A JPH0980454 A JP H0980454A JP 23515695 A JP23515695 A JP 23515695A JP 23515695 A JP23515695 A JP 23515695A JP H0980454 A JPH0980454 A JP H0980454A
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ferroelectric liquid
parallel strip
substrates
crystal display
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JP23515695A
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Kazuyuki Kishimoto
和之 岸本
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 階調表示が可能な強誘電性液晶表示装置を提
供する。 【解決手段】 対向する2つの基板のそれぞれの対向面
に複数の平行帯状電極及び配向制御膜がこの順で形成さ
れ、該配向制御膜間に強誘電性液晶層が挟持されてな
り、前記平行帯状電極を互いに直交するように対向さ
せ、対向する平行帯状電極の対向部に存在する画素部か
らなり、画素部に存在する前記平行帯状電極のうちの少
なくとも一方が所望の形状にパターニングされ、画素部
内の両側基板共に平行帯状電極がある部分では、強誘電
性液晶層に含まれる強誘電性液晶分子が双安定状態のど
ちらか一方の配向状態を印加信号に応じてとり、片側基
板又は両側基板共に平行帯状電極がない部分では、反転
したドメインの存在比率が制御されることによって階調
表示を得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電性液晶表示
装置に関する。更に詳しくは、本発明は、階調表示が可
能な強誘電性液晶表示装置に関する。本発明の強誘電性
液晶表示装置は、例えば、パソコン、ワープロ、テレ
ビ、時計、ビデオカメラ等の表示装置として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶は、従来のネマチック液晶
と比較して応答速度が非常に早く、メモリ性を有してい
るので、TFT等を用いたアクティブマトリクス駆動を
必要としない等の大きな利点を有している。しかしなが
ら、強誘電性液晶は一般に双安定な2つの配向方向しか
取ることができないため、中間調を得るための階調表示
技術が困難であるという欠点を有している。
【0003】そこで、強誘電性液晶を使用して階調表示
を得る手段の1つとして、画素電極をパターニングし
て、画素電極内に電界強度分布をつくり、強誘電性液晶
の2つの安定状態に対応する2つのドメインの存在比率
を制御してアナログ的に階調を作る方法が提案されてい
る。例えば、特開平第2−204721号公報には、画
素電極内に少なくとも1つ以上の間隙を形成することに
より電界強度分布を作り、2つのドメインの存在比率を
制御することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平第2−2047
21号公報において、画素部内での電界強度分布を詳細
に考慮すると、電極をパターニングによって取り除いた
部分の近傍では大きな電界強度差が得られ、アナログ階
調に利用することができる。しかし、上下電極共にパタ
ーニングされていない領域では電界強度の差が小さく、
アナログ階調には適さず、十分なアナログ階調特性が得
られるかどうかの疑問が残っていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は鋭意検討の結果、階調表示を行うために
必要な特性差のある複数の領域を有し、良好な配向状態
を示し、かつ困難な製造工程の必要のない新規な強誘電
性液晶表示装置を見出し本発明に至った。かくして本発
明によれば、対向する2つの基板のそれぞれの対向面に
複数の平行帯状電極及び配向制御膜がこの順で形成さ
れ、該配向制御膜間に強誘電性液晶層が挟持されてな
り、前記平行帯状電極を互いに直交するように対向さ
せ、対向する平行帯状電極の対向部に存在する画素部か
らなり、画素部に存在する前記平行帯状電極のうちの少
なくとも一方が所望の形状にパターニングされ、画素部
内の両側基板共に平行帯状電極がある部分では、強誘電
性液晶層に含まれる強誘電性液晶分子が双安定状態のど
ちらか一方の配向状態を印加信号に応じてとり、片側基
板又は両側基板共に平行帯状電極がない部分では、反転
したドメインの存在比率が制御されることによって階調
表示を得ることを特徴とする強誘電性液晶表示装置が提
供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に使用できる基板は、当該
分野で公知の基板をいずれも使用することができる。例
えば、ガラス、石英、セラミック、樹脂等が挙げられ
る。また、基板は少なくとも一方が透明であることが必
要とされる。対向する2つの基板上には、例えば厚さ2
0〜200nm、間隔0.5〜3μm及び幅100〜数
100μmの平行帯状電極が互いに直交するように配置
される。ここで用語「直交」は、厳密な意味ではなく、
ほぼ90°で交わることを意味する。
【0007】本発明では、基板上に存在する平行帯状電
極の内、少なくとも一方(両方でもよい)が所望の形状
にパターニングされる。パターニングは、平行帯状電極
の交点にあたる画素部の全面に渡って施される。パター
ニング形状は、特に限定されないが、例えば、図2
(a)〜(c)に示すような形状が挙げられる。これら
の形状の内、図2(a)のストライプ状が好ましい。
【0008】ストライプ状にパターニングする場合、ピ
ッチは2〜20μmであることが好ましい。ピッチがこ
の範囲であれば、場所による電界強度差が適当に得ら
れ、アナログ階調に適し、最も電界強度が弱くなる部分
でも駆動ができるので好ましい。また、ストライプ状パ
ターンの開口部の幅は、1〜10μmが好ましい。平行
帯状電極に使用できる材料は、基板が透明な場合は、透
明な材料が用いられ、そのような材料として例えばイン
ジウム酸化錫(ITO)、酸化錫、酸化インジウム等が
挙げられる。不透明な基板の場合は、特に限定されず、
インジウム酸化錫、酸化錫、酸化インジウム等の他、ア
ルミニウム、タンタル、モリブデン、ニッケル、金、
銅、クロム等からなる不透明な材料を使用することがで
きる。平行帯状電極の形成方法及び平行帯状電極にパタ
ーンを形成する方法は、例えばMOCVD法、蒸着法、
スパッタリング法等で形成された金属層を、レジスト等
をマスクとして所望の形状にエッチングする方法が挙げ
られる。
【0009】次に、上記平行帯状電極が形成された基板
上には、例えば厚さ0.02〜0.1μmの配向制御膜
が形成される。本発明に使用できる配向制御膜は、公知
のものをいずれも使用することができ、例えば、Si
O、SiNx等の無機系配向制御膜、ナイロン、ポリビ
ニルアルコール、ポリイミド、高分子液晶等の有機系配
向制御膜が挙げられる。配向制御膜の形成方法として
は、無機系配向制御膜の場合、例えば蒸着法、スパッタ
リング法等が挙げられ、有機系配向制御膜の場合、ポリ
マーを溶かした溶液をスピンナー塗布法、浸漬塗布法、
スクリーン印刷法、ロール印刷法等で塗布し、所定の硬
化条件(加熱、光照射等)で硬化させて形成する方法が
挙げられる。また、ラングミュア−ブロジェット法で形
成することもできる。
【0010】前記配向制御膜の少なくとも一方には、配
向処理が施されていてもよい。配向処理法としては、ラ
ビング法、イオンビーム照射法等の公知の方法をいずれ
も使用することができる。ここで、大画面の液晶表示装
置を量産する場合は、ラビング法を使用することが好ま
しい。ラビング法としては、パラレルラビング法(一対
の基板の両方にラビング処理を施し、ラビング方向が同
一になるように貼り合わせる方法)、アンチパラレルラ
ビング法(一対の基板の両方にラビング処理を施し、ラ
ビング方向が逆になるように貼り合わせる方法)、片ラ
ビング法(一対の基板の片方にのみラビング処理を施す
方法)が挙げられる。
【0011】また、配向制御膜のラビング処理の方向
は、ストライプ状のパターンの場合はそのパターンの長
手方向と平行になるように行うことが特に好ましい。前
記のように平行帯状電極及び配向制御膜がそれぞれ形成
された一対の基板を貼り合わせ、強誘電性液晶層を挟持
させる。挟持方法としては、例えば、強誘電性液晶層の
厚さを制御するためのスペーサーを予め一方の基板に散
布し、他方の基板の表示領域外にシール樹脂を塗布し、
次いで基板を貼り合わせることにより生じた間隙に強誘
電性液晶を注入する方法が挙げられる。スペーサーは、
特に限定されず、直径1〜30μm、好ましくは1〜1
5μmのガラスビーズ、シリカビーズ、プラスチックビ
ーズ等を使用することができる。更に、表面を樹脂で被
覆したもの、薬品処理したものも使用でき、用途に応じ
て、有色のスペーサーを使用することができる。
【0012】本発明に使用できる強誘電性液晶は、特に
限定されず、例えば、側鎖にシアノ基、フッ素基等の極
性の強い官能基を有する液晶、フェニルピリミジン系液
晶等が挙げられる。また、強誘電性液晶層に含まれる強
誘電性液晶分子は、両方の基板の界面におけるプレティ
ルトの方向が同一であり、かつ強誘電性液晶層がシェブ
ロン層構造を有し、シェブロン層構造の折れ曲がり方向
と同一のプレティルトの方向を有することが好ましい。
強誘電性液晶層は、通常層構造が“く”の字形に折れ曲
がるシェブロン層構造をとり、C1配向とC2配向の2
種類の配向状態が存在する。ここで、C2配向とは、一
対の基板の界面において強誘電性液晶分子のプレティル
トの方向と、シェブロン層構造の折れ曲がり方向とが同
一である配向状態をいう。また、C1配向とは、シェブ
ロン層構造の折れ曲がり方向とプレティルトの方向とが
逆である配向状態をいう。更に、C1配向とC2配向
は、それぞれユニフォーム(U)配向とツイスト(T)
配向に分けられるが、実用上は図4(a)及び(b)に
示すようなC1U配向とC2U配向が使用される。な
お、C2U配向は、C1U配向に比べて温度変化に対し
て安定であり、応答速度が速く、良好なメモリ性を有す
るので、C2U配向を示す強誘電性液晶を使用すること
が好ましい。
【0013】また、上記平行帯状電極と配向制御膜の間
には、平行帯状電極の段差を緩和するために絶縁膜を形
成してもよい。絶縁膜としては、SiO2 、SiNx、
Al 2 3 、Ta2 5 等の無機系絶縁膜、ポリイミド
樹脂、フォトレジスト樹脂、高分子液晶などの有機系絶
縁膜が挙げられる。絶縁膜の厚さは、使用する材料によ
り相違するが、0.1〜0.2μm程度である。無機系
絶縁膜は、蒸着法、スパッタ法、CVD法、溶液塗布法
等により形成することができる。一方、有機系絶縁膜
は、スピンナー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷
法、ロール印刷法等で塗布し、乾燥させて形成する方
法、ポリマーの前駆体溶液を上記と同様の方法により塗
布し、所定の硬化条件(加熱、光照射等)で硬化させて
形成する方法、ラングミュア−ブロジェット法により形
成する方法が挙げられる。
【0014】更に、本発明の強誘電性液晶表示装置に
は、基板の外側に一対の偏光子を設置することも可能で
ある。以下に、本発明の好ましい例を説明する。図1
は、本発明の強誘電性液晶表示装置の一例の概略平面図
である。図1中、1は平行帯状電極、2はストライプ状
のパターン、Xは画素部を示している。なお、図1で
は、上側の平行帯状電極1にストライプ状のパターン2
が形成されており、配向制御膜(図示せず)は紙面の下
から上に向かって配向処理が施されている。次に、図1
のa−a断面を図3に示す。図中、3及び4は基板、5
はストライプ状パターンを有する平行帯状電極(以下、
ストライプ状電極と称する)、6はパターニングしてい
ない平行帯状電極、7は絶縁膜、8は配向制御膜、9は
強誘電性液晶層、10はシール材である。
【0015】更に図3を拡大した概略断面図が図5であ
る。図5では分かりやすくするために絶縁膜7、配向制
御膜8を省略している。図5で対向する基板共に電極が
ある部分を領域A、片側基板に電極がない部分を領域B
と区分する。領域Aは両側基板共に電極が存在するた
め、領域A内での電界強度差は小さく、本来アナログ階
調には不適であるが、駆動させるのに十分な電界強度を
与えるためには必要な領域である。これに対して領域B
は、領域内の電界強度差が大きく、アナログ階調に適し
ている。本発明はこれら2つの領域の特性の違いを併用
して、より表示特性のよいアナログ階調を提供するもの
である。
【0016】すなわち、領域Aでは、強誘電性液晶が双
安定状態のどちらか一方の配向状態を印加信号に応じて
とり、領域Bでは反転したドメインの存在比率が制御さ
れることによって階調表示が得られる。ここで、図5の
基板の外側に、一対の偏光子をクロスニコルになるよう
に配置し、どちらか一方の偏光子の偏光方向が強誘電性
液晶分子の双安定な配向状態のうちのどちらか一方と一
致させると、偏光子の偏光方向と一致する配向状態の時
は暗状態、もう一方の配向状態で明状態となる。
【0017】ここで、暗状態の時の透過率を0%、明状
態の時の透過率を100%とすると、領域Aは全体で明
状態か暗状態をとるので、領域Aでの透過率は0%か1
00%のどちらかになる。一方領域Bでは、この領域内
での電界強度差が大きく、信号波形を印加することによ
りスイッチする部分とスイッチしない部分ができ、明暗
2つのドメインの存在比率を制御することができる。こ
のため、領域Bでの透過率は0%から100%まで連続
的に変化させることができる。
【0018】いま、仮に領域Aと領域Bの面積比を1:
1とすると、画素部全体でみた透過率に対して領域Aと
領域Bでの透過率の寄与分はそれぞれ半分ずつになるた
め、領域Aは0%か50%のどちらかの透過率を与え、
領域Bは0%から50%の透過率を連続的に与える。従
って表1の組合せで、画素部全体でみて0%から100
%の透過率をアナログ的に与えることができる。
【0019】
【表1】
【0020】なお、領域Aと領域Bの面積比は1:1に
限られることはなく、任意に変えることが可能である。
ただし、領域A内ではアナログ階調がほとんどとれない
ため、領域Bよりも小さくすることが好ましい。例えば
領域Aと領域Bの面積比が4:6であるとすると、表2
の透過率の組合せとなる。この場合画素部全体で40〜
60%の透過率を得るためには2つの組合せのどちらを
用いてもよく、その時の駆動条件に応じて都合のよい方
を選択することができる。
【0021】
【表2】
【0022】本発明で使用する強誘電性液晶は負の誘電
異方性をもち、図6に示すように電圧−メモリパルス幅
曲線(τ−V特性)において極小値を示すものが好まし
い。電圧−メモリパルス幅曲線が極小を持つ強誘電性液
晶を駆動する場合、極小値よりも左側の駆動条件を使う
場合と右側の駆動条件を使う場合で、電界強度に対する
スイッチングの傾向が異なる。
【0023】例えば、領域Aに図6のa1 の位置にある
条件(極小値よりも左側の条件)の信号を印加した時、
領域Bは一般に領域Aよりも電界強度が小さくなり、更
に、領域B内では電界強度の分布ができる。従って、領
域Bにはb1 の範囲に当たる条件の信号が場所に応じて
印加されることになる。この時、領域Aはスイッチング
するが、領域Bは一部がスイッチングし、残りはスイッ
チングしない。
【0024】逆に、極小値よりも右側の条件で、領域A
にa2 の条件の信号を印加した時、領域B内にはb2
範囲の条件の信号が印加される。この時、領域Aはスイ
ッチングせず、領域Bはやはり一部がスイッチングし、
残りはスイッチングしない。領域Bのスイッチングする
領域とスイッチングしない領域の比率(反転ドメインの
存在比率)は、信号パルス幅または信号電圧値を変調す
ることにより、任意に制御できる。
【0025】従って電圧−メモリパルス幅曲線の極小値
の左右どちらの駆動条件を使うかによって領域Aをスイ
ッチングさせるかさせないか(すなわち透過率0%にす
るか100%にするか)が制御でき、極小値の左右どち
らの駆動条件を用いた場合でも領域Bの反転ドメインの
存在比率を制御できるため、上記表1及び表2のような
透過率の制御ができる。
【0026】また、本発明の強誘電性液晶表示装置は、
他の階調法も組合わせることができ、例えば、画素分割
法や時間分割法等と組合わせて更に多階調表示を行うこ
とができる。
【0027】
【実施例】
実施例 図1及び3に示す電極構造を有するセルを作製した。そ
の作製方法は以下の通りである。一方のガラス基板4上
に厚さ100nmのITOを蒸着し、これをフォトリソ
グラフィーによって平行帯状電極1と画素部Xに6μm
ピッチ(電極幅3μm、抜きの幅(電極の間隔)3μ
m)のストライプ状電極5を形成した。他方のガラス基
板3上にも厚さ100nmのITOからなる平行帯状電
極6を形成したが、パターニングを行わなかった。
【0028】これらの電極(1、5及び6)を蒸着した
ガラス基板3、4上に厚さ100nmのSiO2 からな
る絶縁膜7を形成し、更に絶縁膜7上に2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンと
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物を
主原料とし、少量の4−トリメトキシシリルアニリンを
添加して縮合させたポリイミド配向制御膜8を厚さ10
0nmになるようにスピンコート法で塗布した。
【0029】その後、ストライプ状電極5の長手方向と
平行にラビング処理を行い、更に直径1.4μmのスペ
ーサービーズを散布し、シール材10を印刷して貼り合
わせた。次いで基板の間隙に強誘電性液晶(負の誘電異
方性をもつSCE8(メルク社製))を注入し、強誘電
性液晶層9とした。このようにして作製したセルを、以
下に述べる方法によって評価した。
【0030】まず、セルを30℃に設定したホットステ
ージ(メトラー社製)にセットし、一旦画素部全体をス
イッチさせるのに十分なパルスを印加して、クロスニコ
ル下の偏光顕微鏡で全面暗状態となるようにステージの
回転角を調節した。その後、ステージを固定して図7
(a)及び(b)で示される駆動波形(Malvern 3駆動
法)の電圧を印加し、受光系とデジタルオシロスコープ
を用いてオン状態(画素部内の液晶分子が波形に対応し
た割合でスイッチングした明状態)での透過光量を測定
した。また、同時にドメインの分布の様子も観察した。
【0031】図8及び9にそれぞれ図7(a)及び
(b)の駆動波形の電圧を印加した時のメモリパルス幅
τと透過光量との関係を示す。また、図10(1)〜
(3)に図8中(1)〜(3)の条件で観察されたドメ
イン分布の様子を、図10(4)〜(6)に図9中
(4)〜(6)の条件で観察されたドメイン分布の様子
をそれぞれ示す。
【0032】図7(a)の波形を印加した場合には、図
8のメモリパルス幅−透過光量曲線が得られた。ここ
で、図8中、条件(1)の波形を印加した時には図10
(1)のようにスイッチングは全く起こらず、画素部全
体が暗状態のままであった。メモリパルス幅を少し長く
すると領域Bの中央部からスイッチングし始め、条件
(2)で図10(2)のように領域Bの中央部半分くら
いがスイッチングした。更にメモリパルス幅を長くして
いくと、領域B内でスイッチングする部分が増えてい
き、条件(3)のメモリパルス幅で図10(3)のよう
に領域B全体がスイッチングした。この間領域Aでは全
くスイッチングが見られなかった。
【0033】更にメモリパルス幅を長くしていくと、今
度は領域Aがバイアス電圧に応答してスイッチングをす
るようになるのでオン状態での透過光量は更に増える
が、全面暗状態であるべきオフ状態もバイアス応答のた
め暗くなくなり、実際には利用できない。次に図7
(b)の波形を印加した場合には、図9のメモリパルス
幅−透過光量曲線が得られた。ここで、図9中、条件
(4)の波形を印加した時には図10(4)のように領
域Aは全てスイッチングしていたが、領域Bは全くスイ
ッチングしていなかった。メモリパルス幅を徐々に長く
していくと、領域Bの両端の部分からスイッチングし始
め、条件(5)で図10(5)のようになり、更に条件
(6)で図10(6)のように画素部全面がスイッチン
グするようになった。
【0034】従って、図7(a)の波形を印加し、メモ
リパルス幅を変調することによって0〜50%の透過率
が得られ、図7(b)の波形を印加し、同様にメモリパ
ルス幅を変調することによって50〜100%の透過率
が得られることがわかった。
【0035】
【発明の効果】本発明の強誘電性液晶表示装置によれ
ば、対向する2つの基板のそれぞれの対向面に複数の平
行帯状電極及び配向制御膜がこの順で形成され、該配向
制御膜間に強誘電性液晶層が挟持されてなり、前記平行
帯状電極を互いに直交するように対向させ、対向する平
行帯状電極の対向部に存在する画素部からなり、画素部
に存在する前記平行帯状電極のうちの少なくとも一方が
所望の形状にパターニングされ、画素部内の両側基板共
に平行帯状電極がある部分(領域A)では、強誘電性液
晶層に含まれる強誘電性液晶分子が双安定状態のどちら
か一方の配向状態を印加信号に応じてとり、片側基板又
は両側基板共に平行帯状電極がない部分(領域B)で
は、反転したドメインの存在比率が制御されるので、階
調表示を簡便に得ることができる。
【0036】また、前記領域Aの面積が、領域Bの面積
以下であるので、画素全体の透過率を駆動条件に応じて
選択することができる。パターニングされた領域が、ス
トライプ状に形成されてなり、該ストライプのピッチ
が、2〜20μmであるので、アナログ階調に適し、か
つ弱い電界強度での駆動が可能な強誘電性液晶表示装置
を得ることができる。
【0037】更に、強誘電性液晶層に含まれる強誘電性
液晶分子が、両方の基板の界面におけるプレティルトの
方向が同一であり、強誘電性液晶層がシェブロン層構造
を有し、シェブロン層構造の折れ曲がり方向とプレティ
ルトの方向が同一であることにより、温度変化に対して
安定であり、応答速度が高く、メモリ性が良い強誘電性
液晶表示装置を得ることができる。
【0038】また、強誘電性液晶分子が、負の誘電異方
性を有し、電圧−メモリパルス幅曲線において極小値を
有することにより、負の誘電異方性でない強誘電性液晶
分子に比べて、より多い階調表示が可能な強誘電性液晶
表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電性液晶表示装置の概略平面図で
ある。
【図2】本発明の強誘電性液晶表示装置の画素部の概略
平面図である。
【図3】本発明の強誘電性液晶表示装置の概略断面図で
ある。
【図4】C1U配向とC2U配向の状態を示す概略図で
ある。
【図5】図3を拡大した概略断面図である。
【図6】負の誘電異方性を有する強誘電性液晶が示す電
圧−メモリパルス幅曲線である。
【図7】本実施例で用いた駆動波形を示す図である。
【図8】本実施例で用いた画素部のメモリパルス幅と透
過光量との関係を示すグラフである。
【図9】本実施例で用いた画素部のメモリパルス幅と透
過光量との関係を示すグラフである。
【図10】本実施例で得られたドメイン分布を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 平行帯状電極 2 ストライプ状のパターン 3、4 基板 5 ストライプ状電極 6 パターニングしていない平行帯状電極 7 絶縁膜 8 配向制御膜 9 強誘電性液晶層 10 シール材 A 対向する基板共に電極がある部分 B 片側基板に電極がない部分 X 画素部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する2つの基板のそれぞれの対向面
    に複数の平行帯状電極及び配向制御膜がこの順で形成さ
    れ、該配向制御膜間に強誘電性液晶層が挟持されてな
    り、前記平行帯状電極を互いに直交するように対向さ
    せ、対向する平行帯状電極の対向部に存在する画素部か
    らなり、画素部に存在する前記平行帯状電極のうちの少
    なくとも一方が所望の形状にパターニングされ、画素部
    内の両側基板共に平行帯状電極がある部分では、強誘電
    性液晶層に含まれる強誘電性液晶分子が双安定状態のど
    ちらか一方の配向状態を印加信号に応じてとり、片側基
    板又は両側基板共に平行帯状電極がない部分では、反転
    したドメインの存在比率が制御されることによって階調
    表示を得ることを特徴とする強誘電性液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 画素部において、両側基板共に平行帯状
    電極がある部分の面積が、片側基板又は両側基板共に平
    行帯状電極がない部分の面積以下である請求項1に記載
    の強誘電性液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 パターニングにより形成される所望の形
    状が、ストライプ状である請求項1または2に記載の強
    誘電性液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 ストライプ状の形状が、2〜20μmの
    ピッチを有する請求項1〜3いずれか1つに記載の強誘
    電性液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 強誘電性液晶層に含まれる強誘電性液晶
    分子が、両方の基板の界面におけるプレティルトの方向
    が同一であり、強誘電性液晶層がシェブロン層構造を有
    し、シェブロン層構造の折れ曲がり方向とプレティルト
    の方向が同一である請求項1〜4いずれか1つに記載の
    強誘電性液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 強誘電性液晶分子が、負の誘電異方性を
    有し、電圧−メモリパルス幅曲線において極小値を有す
    る請求項1〜5いずれか1つに記載の強誘電性液晶表示
    装置。
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