JPH0675228A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH0675228A
JPH0675228A JP24720192A JP24720192A JPH0675228A JP H0675228 A JPH0675228 A JP H0675228A JP 24720192 A JP24720192 A JP 24720192A JP 24720192 A JP24720192 A JP 24720192A JP H0675228 A JPH0675228 A JP H0675228A
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JP24720192A
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Takeshi Eguchi
健 江口
Hiroshi Matsuda
宏 松田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶分子の配向特性及び階調特性を改善した
液晶素子を提供する。 【構成】 透明電極12a,12bを有する基板11
a,11b間に強誘電性スメクチック液晶15を挟持し
てなる液晶素子であって、前記基板上には、導電率が1
-10 S/cm以上の保護膜13a,13b及び、ポリ
イミド化合物からなる配向材料とシランカップリング剤
からなる表面処理剤を含む配向膜14a,14bが形成
されていることを特徴とする液晶素子。 【効果】 大きなチルト角を生じコントラストが高く、
残像現像も生じない。更には、ゆるやかに変化する透過
特性が得られ、中間調を調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置や液晶−
光シャッター等に用いる液晶素子に関し、特に液晶分子
の配向特性及び階調特性を改善した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】TV画像は、精細で中間調を持つ動画像
である。このTV画像を表示する場合には、高解像度、
高速応答、多段階調表示、高コントラスト、高信頼性、
カラー化など最も高度な技術が要求される。この点で、
CRTに表示されるTV画像の品質は非常に優れてい
る。しかし、表示画像の大面積化の流れの中で軽量化が
可能な液晶表示装置が注目されるようになり、最近で
は、各画素毎にスイッチング素子を設けてネマティック
液晶を直接駆動するアクティブマトリックス型液晶素子
によるTV画像表示方法を中心に盛んに研究されてい
る。しかし、組み込むスイッチング素子としてはTFT
方式が最も優れていると考えられるが、素子作製プロセ
スの複雑さ、工程数等が大面積化への大きな障害となっ
ている。
【0003】一方、強誘電性液晶分子の屈折率異方性を
利用して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御
する形の表示素子がクラーク(Clark)及びラガー
ウォル(Lagerwall)により提案されている
(特開昭56−107216号公報、米国特許第436
7924号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特
定の温度領域において、非らせん構造のカイラルスメク
チックC相(SmC* )又はH相(SmH* )を有し、
この状態において、加えられた電界に応答して第1の光
学的安定状態と第2の光学的安定状態のいずれかを取
り、且つ電界の印加のないときにはその状態を維持する
性質、すなわち双安定性を有し、また電界の変化に対応
する応答も速やかであり、高速並びに記憶型の表示素子
として広い利用が期待され、特にその機能から単純マト
リックス駆動方式による大画面で高精細な表示素子への
応用が期待されている。
【0004】強誘電性液晶素子は該液晶の双安定性な2
状態の制御に基づいた本質的に2値表示法である為、中
間調の表示には不向きであろうと考えられている。しか
し、強誘電性液晶の階調表示技術の開発により、該液晶
の優れた特性を生かしたより広範囲の応用が可能になる
と期待される。単純マトリックス駆動方式での階調表示
方法として、画素内で該液晶の2つの双安定な配向状態
間の遷移をミクロな領域で制御して微小ドメイン形成に
基づく面積階調法が提案されている(特開昭59−19
3427号公報)。しかし従来の配向制御技術では上記
微小ドメイン安定性、制御性が十分ではなく、実用可能
な階調性が実現出来ているとは言い難い。さらには、双
安定性の2値状態間のコントラスト比の向上、スイッチ
ング過程における残像現像やヒステリシスの解消も十分
実現出来ているとは言い難い。
【0005】この双安定性を有する液晶を用いた光学変
調素子が所定の駆動特性を発揮する為には、一対の平行
基板間に配置される液晶が電界の印加状態とは無関係
に、上記2つの安定状態の間での変換が効果的に起こる
ような分子配列状態にあることが必要である。
【0006】また、液晶の複屈折を利用した液晶素子の
場合、直交ニコル下での透過率は、 I/IO =sin2 4θsin2 (Δndπ/λ) (式中:IO は入射光強度、Iは透過光強度、θはチル
ト角、Δnは屈折率異方性、dは液晶層の膜厚、λは入
射光の波長である。)で表される。前述の非らせん構造
におけるチルト角θは第1と第2の配向状態でのねじれ
配列した液晶分子の平均分子軸方向の角度として現れる
ことになる。上式によれば、高コントラストを得るに
は、かかるチルト角θが22.5゜に出来る限り近いこ
とが必要である。
【0007】ところで強誘電性液晶の配向方法として
は、大きな面積に亘ってスメクチック液晶を形成する複
数の分子で組織された液晶分子層を、その法線に沿って
一軸に配向させることが必要であることから、通常ラビ
ング処理を行なったポリイミド膜が広く用いられてき
た。特に、非らせん構造のカイラルスメクチック液晶の
ための配向方法としては、例えば米国特許第45617
26号明細書等が知られている。従来のラビング処理し
たポリイミド膜によって配向させて得られた非らせん構
造の強誘電性液晶でのチルト角θ(後述の図3に示す角
度)が、らせん構造をもつ強誘電性液晶でのチルト角Θ
(後述の図2に示す三角錐の頂角の1/2の角度)と較
べて小さくなっていることが一般的である。特に、ラビ
ング処理したポリイミド膜によって配向させて得られた
非らせん構造の強誘電性液晶でのチルト角θは、一般に
З゜〜8゜程度で、その時の透過率はせいぜい3〜5%
程度であった。
【0008】この様に、クラークとラガウォールによれ
ば双安定性を実現する非らせん構造の強誘電性液晶での
チルト角が、らせん構造をもつ強誘電性液晶でのチルト
角と同一の角度をもつはずであるが、実際には非らせん
構造でのチルト角θの方が、らせん構造でのチルト角Θ
より小さくなっている。しかも、この非らせん構造での
チルト角θが、らせん構造でのチルト角Θより小さくな
る原因が、非らせん構造での液晶分子のねじれ配列に起
因していることが明らかにされている。つまり、非らせ
ん構造をもつ強誘電性液晶では、液晶分子が図4に示す
様に、上下基板に隣接する液晶分子の軸42,43が、
ねじれ配列の方向44へ連続的に基板の法線に対してね
じれ角δでねじれて配列しており、このことが非らせん
構造でのチルト角θが、らせん構造でのチルト角Θより
小さくなる原因となっている。
【0009】尚、図中41は上下基板に形成したラビン
グ処理や斜方蒸着処理によって得られた一軸性配向軸を
表している。
【0010】また、従来のラビング処理したポリイミド
配向層によって生じたカイラルスメクチック液晶の配向
状態では、電極と液晶層の間に絶縁体層としてのポリイ
ミド配向層の存在によって、第一の光学的安定状態(例
えば、白の表示状態)から第二の光学的安定状態(例え
ば、黒の表示状態)にスイッチングするための一方極性
電圧を印加した場合、この一方極性電圧の印加解除後、
強誘電性液晶層には他方極性の逆電界Vrevが生じ、
係る逆電界Vrevがディスプレイ時における残像現象
を引き起こすという問題や(吉田明雄著、昭和62年1
0月「液晶討論会予行集」142〜143頁の「SSF
LCのスイッチング特性」)、イオン種などによる電荷
染め付等によるスイッチングにおけるヒステリシス等の
問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主目的は、前
述した強誘電性液晶の配向技術における問題点を解決
し、双安定性の2値状態間のコントラスト比を向上し、
スイッチング過程における残像現象やヒステリシスを解
消して、さらには実用可能な階調性を実現するために、
各画素内に発生する微小ドメイン安定性、制御性に対し
て十分の制御を有する液晶素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】即ち、本発明は
電極を有する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶素
子において、少なくとも一方の基板上或いは該基板上に
形成された導電性を付与された保護膜上に、液晶分子の
配向状態を制御するための配向材料と表面エネルギーを
制御するための少なくとも1種類の表面処理剤を含む配
向膜が形成されていることを特徴とする液晶素子であ
る。
【0013】以下、図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。
【0014】図1は、本発明の液晶素子の一例を模式的
に示す断面図である。同図において、11a,11bは
各々In23 やITO等の透明電極12a,12bで
被覆されたガラス基板であり、その上に200〜100
0Åの滞電防止のために僅かに導電性を付与した保護膜
13a,13bと配向膜14a,14bが各々積層され
ている。滞電防止性を有する該保護膜としては10-10
S/cm以上の導電率、より好ましくは10-8〜10-4
S/cmの範囲の導電率を持ち、可視領域の光に対して
透過性の優れた媒体が好ましい。本発明においては、前
記条件を満たす材料であれば導電性を付与した保護膜と
して用いることができ、例えば、WO3、TiO2 、Z
nO、ZnS、CdO、CdS等多くの金属酸化物や硫
化物を用いることができる。これらの酸化物や硫化物は
僅かなドーパントの添加により導電率を広範囲にわたり
制御することが可能である長所も有しており、また、こ
れらの混合物も保護膜のアモルファス化により、より平
坦性の高い膜が得られるため有効である。また、上記保
護膜の製法は特に限定されるものではなく、例えば、E
Bスパッタ法や蒸着法等を用いることができる。
【0015】前記配向層14aと14bとの間には強誘
電性スメクチック液晶15が配置され、その間隔の距離
は強誘電性スメクチック液晶15のらせん配列構造の形
成を抑制するのに十分に小さい距離(例えば、0.1〜
3μm)に設定され、強誘電性スメクチック液晶15は
双安定性配向状態を生じている。上述の強誘電性スメク
チック液晶15が配置されている十分に小さい液晶間距
離は、配向層14a,14bとの間に配置されたビーズ
スペーサー16(例えば、シリカビーズ、アルミナビー
ズ等)によって保持される。また、17a,17bは偏
光板を示す。
【0016】本発明の配向膜は電荷蓄積による逆電界の
発生を抑えるため可能な限り薄く成膜することが好まし
く、例えば、従来公知技術のLB法、塗布法または蒸着
法によって形成することができる。LB法によって配向
膜を形成する場合には、膜厚を4〜100Å、好ましく
は16〜50Å、より好ましくは16〜40Åとするこ
とが望ましい。また、配向膜を成膜する際の基板の引き
上げ方向に関しては、セル組みした時に上下の基板間で
その引き上げ方向が同一方向になるように(例えば、図
1のAの方向)成膜しても、逆方向になるように配置し
ても大きな差はない。
【0017】また、塗布法および蒸着法によって配向膜
を形成する場合には、膜厚を30〜200Å、好ましく
は30〜100Å、より好ましくは30〜50Åとする
ことが望ましい。
【0018】また、本発明の配向膜に含まれ、液晶分子
の初期配向を制御するための配向材料としては特に限定
されないが、LB法、ラビング法等により超薄膜でも良
好な配向規制力を持つ化合物を用いることが好ましい。
このような化合物としてポリイミド化合物、ポリアミド
化合物またはポリアミドイミド化合物を用いることがで
き、特に電気的なキャリアー輸送性となる有機化合物の
ジアミン単量体を縮合して合成されるポリイミド化合
物、ポリアミド化合物またはポリアミドイミド化合物を
好適に用いることができる。上記の電気的なキャリアー
輸送性となる有機化合物としては、例えば、カルバゾー
ル、テトラフェニルポリフィリン、或いはトリフェニル
アミン等のN含有化合物や下記一般式(1)又は(2)
のイオウ含有化合物等が用いられる。
【0019】
【化2】 また、本発明の配向膜は配向膜表面の表面エネルギーを
制御するために少なくとも1種類以上の表面処理剤を含
んでおり、該表面処理剤としてはカップリング剤を含む
のが好ましい。該カップリング剤としては、例えば、下
記一般式(3)〜(7)に示すシランカップリング剤を
好適に用いることができる。
【0020】 CF3 (CF2)n (CH2)2 SiXm3-m (3) CH3 (CH2)I SiXm3-m (4) NH2 (CH2)3 SiXm3-m (5) NH2 (CH2)3 NH(CH2)2 SiXm3-m (6) Ph(CH2)r SiXm3-m (7) (但し、X=ハロゲン、Y=OCH3 、n≦10、m=0〜3 I=5〜23、r=0〜3) このように成膜された配向膜により効果的な配向性を付
与するため、該配向膜の表面をラビングすることが好ま
しい。この際、ラビングは一方のみに行ってもよいが、
上下基板に配向膜を用いた場合、上下基板のラビング軸
は平行、反平行、或は僅かな角度を持たせて交差する方
向でもよく、用いる強誘電性液晶材料の配向特性に従っ
て種々の方法で行なうことができる。また、ラビングは
常法にしたがって行なえばよい。
【0021】本発明において、その機構は明確ではない
が、上記配向材料と表面処理剤を適宜選択することによ
り、素子の透過特性或いは微小ドメインの発生を制御す
ることが可能であり、更には画素全体に亘ってしきい値
電圧の異なる領域を分布させることにより、広い透過域
(ゆるやかに変化する透過特性)を有する透過率/電圧
特性を得ることができ、中間調を調整することができ
る。
【0022】本発明の液晶素子に使用される液晶物質は
特に限定されない。しかし、液晶注入時の初期均一配向
の容易性から評価すると、降温過程で、等方相、コレス
テリック相、スメクチックA相を通してカイラルスメク
チックC相を生じる液晶が好ましい。特にコレステリッ
ク相の時のピッチが0.8μm以上のものが好ましい
(但し、コレステリック相の温度範囲における中央点で
測定したもの)。その具体的な液晶物質としては、例え
ば下記のビフェニルエステル系の液晶物質「LC−
1」、「80B」及び「80SI* 」を下記の比率で混
合させた液晶組成物を用いることができる。
【0023】
【化3】 更に、本発明に用いられる液晶は上記液晶に限定される
ものではなく、前記の特徴を有する配向膜さらには前記
導電性保護膜からなる配向層を有することによって、特
にスイッチング過程の安定性・再現性からは、強誘電性
液晶分子が有する自発分極の空間的発散、即ち空間電荷
のつくる分極場が液晶分子の分子配向に影響を及ぼし得
るような大きな自発分極を有する強誘電性液晶、例え
ば、自発分極Psが10nC/cm2 以上である強誘電
性液晶に対しても好適に用いられる。更にはまた降温過
程でコレステリック相をもたず、SmC* 相でのらせん
ピッチが0.5μm以下の強誘電性液晶でも、液晶注入
時の初期均一配向の達成は難しくはなるが十分に用いる
ことができる。
【0024】図2は、強誘電性液晶の動作説明のため
に、セルの例を模式的に描いたものである。図中、21
aと21bは、In23 、SnO2 あるいはITO等
の薄膜からなる透明電極で被覆された基板(ガラス板)
であり、その間に液晶分子層22がガラス基板面に垂直
になるよう配向したSmC* (カイラルスメクチック
C)相又はSmH* (カイラルスメクチックH)相の液
晶が封入されている。太線で示した線23は液晶分子を
表しており、この液晶分子23はその分子に直交した方
向に双極子モーメント(P⊥)24を有している。この
時の三角錐の頂角をなす角度の1/2が、かかるらせん
構造のカイラルスメクチック相でのチルト角Θを表して
いる。基板21aと21b上の電極間に一定のしきい値
以上の電圧を印加すると、液晶分子23のらせん構造が
ほどけ、双極子モーメント(P⊥)24がすべて電界方
向に向くよう、液晶分子23は配向方向を変えることが
できる。液晶分子23は、細長い形状を有しており、そ
の長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を示し、従って例
えばガラス基板面の上下に互いにクロスニコルの偏光子
を置けば、電圧印加極性によって光学特性が変わる液晶
光学変調素子となることは、容易に理解される。
【0025】本発明の前記配向層を有する液晶素子で用
いる双安定性配向状態の表面安定型強誘電性液晶セル
は、その厚さを充分に薄く(例えば、0.1〜3μm)
することができる。このように液晶層が薄くなるにした
がい、図3に示すように電界を印加していない状態でも
液晶分子のらせん構造がほどけ、非らせん構造となり、
その双極子モーメントPaまたはPbは上向き(34
a)又は下向き(34b)のどちらかの状態をとる。こ
のようなセルに、同図に示す如く一定のしきい値以上の
極性の異なる電界Ea又はEbを電圧印加手段31aと
31bにより付与すると、双極子モーメントは、電界E
a又はEbの電界ベクトルに対応して上向き34a又は
下向き34bと向きを変え、それに応じて液晶分子は第
1の安定状態33a或は第2の安定状態33bの何れか
一方に配向する。この時の第1と第2安定状態のなす角
度の1/2がチルト角θに相当する。
【0026】この強誘電性液晶セルによって得られる効
果は、その第1に応答速度が極めて速いことであり、そ
の第2に液晶分子の配向が双安定性を有することであ
る。第2の点を、例えば図3によって更に説明すると、
電界Eaを印加すると液晶分子は第1の安定状態33a
に配向するが、この状態は電界を切っても安定である。
又、逆向きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の
安定状態33bに配向してその分子の向きを変えるが、
やはり電界を切ってもこの状態に留まっている。また、
与える電界Eaが一定のしきい値を越えない限り、それ
ぞれの配向状態にやはり維持されている。
【0027】次に、図5(a)は本発明の前記配向層を
用いた配向方法により配向した液晶分子の配向状態を模
式的に示す断面図、図5(b)はそのC−ダイレクタを
示す図である。図5(a)に示す51a及び51bは、
それぞれ上基板及び下基板を表している。50は液晶分
子52で組織された液晶分子層で、液晶分子52が円錐
53の底面54(円形)に沿った位置を変化させて配列
している。図5(b)において、U1 は一方の安定配向
状態でのC−ダイレクタ81で、U2 は他方の安定配向
状態でのC−ダイレクタ81である。C−ダイレクタ8
1は、図5(a)に示す液晶分子層50の法線に対して
垂直な仮想面への分子長軸の射影である。
【0028】一方、従来のラビング処理したポリイミド
膜によって生じた配向状態は図5(c)のC−ダイレク
タ図によって示される。図5(c)に示す配向状態は、
上基板51aから下基板51bに向けて分子軸の捩れが
大きいため、チルト角θは小さくなっている。
【0029】次に、図6(a)は、C−ダイレクタ81
が図5(b)の状態(ユニホーム配向状態という)での
チルト角θを示す説明図、および図6(b)はC−ダイ
レクタ81が図5(c)の状態(スプレイ配向状態とい
う)でのチルト角θを示す説明図である。図中、60は
配向層をラングミュアーブロジェット法によって形成し
たときの基板の引き上げ方向、或いは配向層を塗布法ま
たは蒸着法によって形成したときのラビング処理軸を示
し、61aは配向状態U1 での平均分子軸、61bは配
向状態U2 での平均分子軸、62aは配向状態S1 での
平均分子軸、62bは配向状態S2 での平均分子軸を示
す。平均分子軸61aと61bとは、互いにしきい値電
圧を越えた逆極性電圧の印加によって変換することがで
きる。同様のことは平均分子軸62aと62bとの間で
も生じる。
【0030】次に、逆電界Vrevによる光学応答の遅
れ(残像)に対するユニフォーム配向状態の有用性につ
いて説明する。液晶セルの配向層の容量Ci、液晶層の
容量をCLC及び液晶の自発分極をPsとすると、残像の
原因となるVrevは下式で表される。
【0031】Vrev=2・Ps/(Ci+CLC) 図7は液晶セル内の電荷分布、自発分極Psの方向及び
逆電界Vrevの方向を模式的に示した断面図である。
図7(a)はパルス電界印加前のメモリ状態下における
+及び−電荷の分布状態を示し、この時の自発分極Ps
の向きは+電荷から−電荷の方向である。図7(b)は
パルス電界解除直後の自発分極Psの向きを示し、自発
分極Psは図7(a)の時の向きに対して逆向き(従っ
て液晶分子は一方の安定配向状態から他方の安定配向状
態に反転を生じている)であるが、+及び−電荷の分布
状態は図7(a)の時と同様であるため、液晶内に逆電
界Vrevが矢印B方向に生じている。この逆電界Vr
evはしばらくした後、図7(c)に示すように消滅
し、+及び−電荷の分布状態が変化する。
【0032】図8は従来のポリイミド配向膜によって生
じたスプレイ配向状態の光学応答の変化をチルト角θの
変化に換えて示した説明図である。図8に示すように、
パルス電界印加時においては矢印X1 の方向に沿ってス
プレイ配向状態下の平均分子軸S(A)から最大チルト
角Θ付近のユニフォーム配向状態下の平均分子軸U2
チルト角θが若干増大した平均分子軸に配向し、その
後、矢印X2 ,X3 の方向に沿って平均分子軸S
(B),S(C)を生じ安定配向状態が得られる。図9
はこの時の光学応答の状態を示すグラフである。
【0033】本発明によれば、前述した配向層を用いる
ことで、液晶配向状態として、図8に示したスプレイ状
態下の平均分子軸S(A)、S(B)及びS(C)を生
じることが無く従って最大チルト角Θに近いチルト角θ
を生じる平均分子軸U1 ,U2 に配列させる事ができ
る。
【0034】図10は本発明の前記配向層を用いた時の
光学応答の状態を示すグラフである。図10によれば、
残像に原因する光学応答の遅れを生じないこととメモリ
状態下での高いコントラストを引き起こしていることが
認められる。
【0035】本発明は、下述の実施例で明らかにするよ
うに、前記特徴を有する配向膜さらには前記導電性保護
膜からなる配向層を用いることによって、明状態と暗状
態での大きな光学的コントラストを示し、特に米国特許
第4655561号明細書等に開示されているマルチプ
レクシング駆動時の非選択画素に対して大きなコントラ
ストを生じ、さらにディスプレイ時の残像の原因となる
スイッチング時(マルチプレクシング駆動時)の光学応
答の遅れを生じない配向状態を達成することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明する。
【0037】実施例1 基板として、1500Å厚のITO膜が設けられてい
る、1.1mm厚のガラス基板を2枚用意し、スパッタ
法を用いてWO3 を該基板上にそれぞれ600Åの膜厚
に成膜し保護膜とした。この膜のシ−ト抵抗値は0.9
×10-8S/cmであり、その時の成膜条件を下記に示
す。
【0038】WO3 の成膜条件 方法 :WO3
ーゲットのEBスパッタ法 BGP :1×10-6Torr 成膜速度:1Å/sec 次に、WO3 を蒸着した該基板を15分間の間、室温、
60%の湿度を有するクリーンな大気中に曝した後、C
613(CH22 SiCl3 の蒸気中に室温で1時間
保持して表面処理し、吸着層を形成した。その後、クロ
ロホルムで該基板を洗浄して化学吸着膜を形成した。続
いて、該基板上にLB法を用いてポリイミドLB膜を成
膜した。
【0039】このようにして作製した配向膜の表面張力
を液滴法により測定した。その結果、該配向膜の臨界表
面張力は通常方法により形成されたポリイミド膜(LB
法、塗布法によらない)の値(35mN/m)から大き
く低下していることがわかり(2層ポリイミドLB膜で
は7mN/mであった)、配向膜表面へのCF3 基の効
果が十分に及んでいることが明らかとなった。また、該
配向膜の臨界表面張力はポリイミドLB膜の累積総数と
ともに増加し、配向膜表面に及ぼすフッ素基の効果がL
B膜の累積総数(膜厚)と共に減少していくことが分か
った。以下、ポリイミドLB膜の形成方法および形成さ
れた配向膜の配向特性について述べる。
【0040】(8)式に示すポリアミド酸をN,N’−
ジメチルアセトアミド(DMAC)に溶解させた(単量
体換算濃度1×10-3M)後、別途調整したN,N’−
ジメチルオクタデシルアミンの同溶媒による1×10-3
M溶液と1:2(V/V)に混合して(9)式に示すポ
リアミド酸オクタデシルアミン塩溶液を調整した。
【0041】
【化4】 係る溶液を水温20℃の純水からなる水相上に展開し、
水面上に単分子膜を形成した。溶媒蒸発除去後、表面圧
を25mN/mに迄高めた。表面圧を一定に保ちながら
上述基板電極を水面を横切る方向に速度5mm/min
で静かに浸漬した後、続いて5mm/minで静かに引
き上げて2層のY型単分子累積膜を作製した。係る操作
を繰り返して4、6、8、12層のポリアミド酸オクタ
デシルアミン塩の単分子累積膜を形成した。次に、この
基板を減圧(〜1mmHg)下、200℃で30分間加
熱焼成してポリアミド酸オクタデシルアミン塩をイミド
化し(式10)、2〜12層のポリイミド単分子累積膜
を形成して配向材料とした。
【0042】
【化5】 次に、この膜に押し込みの毛先の侵入長0.4mm、お
よび回転数1000rpm、そして基板の送り速度12
mm/secの条件でラビング処理を行ない配向膜とし
た。この時ラビング軸とLB膜成膜時の基板軸(基板上
下方向)とはほぼ平行になるようにした。
【0043】その後、平均粒径約1.5μmのアルミナ
ビーズを一方の基板上に散布した後、各々の基板ラビン
グ軸が互いに平行かつ同一方向になるように2枚の基板
を重ね合わせて液晶セルを作製した。このセル内にチッ
ソ(株)社製の強誘電性液晶である「CS−1014」
(商品名)を等方相下で真空注入してから、等方相から
0.5℃/hで30℃まで徐冷することによって配向さ
せることができた。この強誘電性液晶「CS−101
4」を用いた本実施例のセルでの相変化は、下記のとお
りであった。
【0044】
【数1】 上述の累積総数の異なる配向膜を有する5種類の液晶セ
ルを、各々一対の90゜クロスニコル偏光子の間に挟み
込んで、50μsecの30Vパルスを印加してから9
0゜クロスニコルを消光位(最暗状態)にセットし、こ
の時の透過率をホトマルチプライヤーにより測定し、続
いて50μsecの−30Vパルスを印加し、明状態の
透過率を同様の方法で測定し、チルト角θと明状態と最
暗状態との透過率の比、即ちコントラスト比及び残像の
原因となる光学応答遅れを求めた。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】 表1に示したように、配向膜の膜厚が16Å以上のセル
では、残像の原因となる光学応答の遅れは0.1秒以下
となり、いずれも好結果であった。
【0046】この液晶セルを図11に示す駆動波形を用
いたマルチプレクシング駆動による表示を行なったとこ
ろ、高コントラストな高品位表示が得られ、また、所定
の文字入力による画像表示の後に全画面を白の状態に消
去したところ、残像の発生は判読できなかった。尚、図
11のSN 、SN+1 、SN+2 は走査線に印加した電圧波
形を表しており、Iは代表的な情報線に印加した電圧波
形を表している。(I−SN )は、情報線Iと走査線S
N との交差部に印加された合成波形である。また、本実
施例ではVO =5〜8V、ΔT=20〜70μsecで
行なった。
【0047】実施例2 WO3 の替わりにZnOを600Å蒸着して保護膜とし
た基板上に実施例1と同様な手順にて実施例1に用いた
ポリイミドLB膜を8層配向膜形成した後、実施例1と
同様にして液晶セルを作製し、評価を行なったところ、
実施例1と同様の良好な結果が得られた。また、実施例
1と同様のマルチプレクシング駆動による表示を行なっ
たところ、コントラストおよび残像については実施例1
と同様の良好な結果が得られた。尚、上記保護膜の成膜
条件を下記に示す。
【0048】ZnOの成膜条件 方法 :ZnOタ
ーゲットのアルゴンスパッタ法 全圧 :10mTorr,O2 分圧:50% 成膜速度:2.0Å/sec実施例3 シランカップリング剤としてC1837SiCl3 の30
mM/リットルの溶液を用い、該溶液中で2時間反応さ
せて表面処理し、吸着層を形成した以外は実施例1と同
様にして液晶セルを作製して、実施例1と同様な評価を
行った。その結果、表2に示されるように実施例1と同
様の良好な結果が得られた。
【0049】
【表2】 また、実施例1と同様のマルチプレクシング駆動による
表示を行なったところ、コントラストおよび残像につい
ては実施例1と同様の良好な結果が得られた。
【0050】実施例4 実施例1で用いたポリアミド酸の替わりに、下記一般式
(11)に示すポリイミド前駆体を用いた以外は実施例
1と同様にして液晶セルを作製した。
【0051】
【化6】 本実施例においても、実施例1と同様な評価を行った。
但し、評価したLB膜累積総数は8層である。その結
果、表3に示されるように実施例1と同様の良好な結果
が得られた。
【0052】
【表3】 実施例5 実施例1と同様に基板として、1500Å厚のITO膜
上に600ÅのWO3が設けられている、1.1mm厚
のガラス基板を2枚用意した。次に、該基板を15分間
の間、室温、60%の湿度を有するクリーンな大気中に
曝した後、C715SiCl3 、NH2(CH2)3 NH
(CH2)2 SiCl3 およびPhCH2 SiCl3 のそ
れぞれ10mM/リットルの濃度で含む溶液中で2時間
反応させて表面処理し、吸着層を形成した。その後、ク
ロロホルムで該基板を洗浄して化学吸着膜を形成した。
続いて、実施例4で用いたカルバゾール系ポリイミドの
LB膜4層を該基板上に成膜した。そして、実施例1と
同様にして液晶セルを作製したところ、画素全体に均一
な配向状態を示す良好な液晶セルが得られた。該液晶セ
ルによりコントラスト比、光学応答の遅れを評価したと
ころ、実施例1と同様の良好な結果が得られた。また、
実施例1と同様のマルチプレクシング駆動による表示を
行なったところ、コントラストおよび残像については実
施例1と同様の良好な結果が得られた。次に、該液晶セ
ルの透過率と50μsecの印加パルスの波高値を測定
したところ、図12の実線で示した特性が得られた。図
12から明らかなように、画素全体に亘ってしきい値電
圧の異なる領域が分布することによって、広い透過域
(ゆるやかに変化する透過特性)を有する透過率/電圧
特性となり、中間調を調整することができる。比較のた
め、本実施例の中で用いた表面処理剤を用いなかった場
合(点線)と実施例1で作製した液晶セル(一点鎖線)
での特性も、同じく図12に示している。点線で示した
特性は他の2つの液晶セルと比べコントラスト比も小さ
く、急峻な透過率/電圧特性となり中間調の表示特性が
低いことがわかる。
【0053】実施例6 以上の実施例で用いた強誘電性液晶「CS−1014」
に替えて、同じくビフェニルエステル系化合物で下記に
示す相転移状態を示す他の強誘電性液晶を用いて以下の
実験を行なった。
【0054】
【数2】 液晶層が十分に厚い場合(〜100μ)、SmC* では
らせん構造をとり、そのピッチは約4μmであった。三
角波法による自発分極の状態から自発分極は約10nC
/cm2 であり、セル厚1.5μmでのチルト角Θは2
3.5゜でほぼ最適値に近い値を持つ。
【0055】該液晶を実施例1で作製した液晶セル(L
B膜累積総数8層)に注入した。その時の見かけのチル
ト角θは16゜で最適値に及ばなかった。
【0056】この液晶セルに電圧±45V〜55Vで周
波数40Hzの交流電圧を15分間印加したところチル
ト角θが20.2゜のドメインが出現し始め、更に55
〜70Vの電圧では、このドメインが全体に広がり非常
に良いコントラストが得られた。70V以上では反対に
多くの欠陥が発生し、モノドメインがくずれた。安定な
モノドメインが出現した後の、双安定状態間の反転は以
下のパルスで行なわれた。
【0057】
【表4】 交流電圧印加後の配向状態の変化は図5(a)に示した
層の捻じれが解ける効果であると考えている。また、反
転電圧は交流電圧印加前の反転電圧に比べ電圧が高くな
った。この原因は明らかでないが、チルト角θがΘに近
づくためには配向膜の界面近傍の液晶分子をも反転させ
るエネルギーを与えなければならないために、反転に必
要な駆動電圧が高いことが必要であると考えられる。交
流電圧印加後のチルト角θにより透過光量が電圧印加前
に比較してコントラスト比は大幅に増加した。また反電
場効果による光学応答の遅れも0.1sec以下で安定
なスイッチングが可能であった。
【0058】また、双安定状態を有する強誘電液晶相
は、通常高温状態から降温によって得られるが、本実施
例ではこの際50Hz、140Vの交流電界を印加しつ
つ降温したところ広い範囲にわたって均一なモノドメイ
ンの配向状態が実現できた。
【0059】実施例7 実施例4で作製したカルバゾール系ポリイミド配向膜を
有する液晶セル(但し、本実施例では上下基板のラビン
グ軸は反平行になるようにセル組している)に実施例6
と同じ強誘電性液晶を注入し、交流電圧(40Hz、6
0V)を15分間印加したところ、チルト角θが21.
6゜の均一なモノドメイン配向状態が出現した。該液晶
セルに実施例1と同様な評価を行なったところ、実施例
4と比較し特にコントラスト比の大幅に改善された良好
な液晶セルが得られることがわかった。また、実施例1
と同様のマルチプレクシング駆動による表示を行なった
ところ、コントラストおよび残像についても同様の良好
な結果が得られた。
【0060】実施例8 実施例5で作製したカルバゾール系ポリイミド配向膜を
有する液晶セル(但し、本実施例では上下基板のラビン
グ軸は反平行になるようにセル組している)に実施例6
と同じ強誘電性液晶を注入し、交流電圧(40Hz、6
0V)を15分間印加したところ、チルト角θが21.
3゜の均一なモノドメイン配向状態が出現した。該液晶
セルに実施例5と同様な透過率/電圧特性の評価を行な
ったところ、図13の実線で示した特性が得られた。図
13から明らかなように、画素全体に亘ってしきい値電
圧の異なる領域が分布することによって、広い透過域
(ゆるやかに変化する透過特性)を有する透過率/電圧
特性となり、中間調を調整することができる。比較のた
め、実施例7で作製した液晶セル(一点鎖線)での特性
も、同じく図13に示している。実施例7の透過率/電
圧特性は本実施例のそれに比べ幾分立ち上がりが急にな
ってはいるが、十分に中間調の調整が可能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
配向状態を制御するための配向材料と表面エネルギーを
制御するための表面処理剤を含む配向膜、さらには導電
性保護膜からなる配向層を用いることにより、 特にカイラルスメクチック液晶の非らせん構造での大
きなチルト角を生じ、明状態と暗状態でのコントラスト
が高く、特にマルチプレクシング駆動時の表示コントラ
ストが非常に大きく高品位の表示が得られ、しかも目ざ
わりな残像現象の生じることがない。
【0062】従来、自発分極Psが大きい強誘電性液
晶を用いた液晶素子では、逆電界効果により駆動特性が
悪化することが指摘されていたが、本発明の液晶素子で
は、上記のような強誘電性液晶を用いても逆電界効果の
ない良好な駆動特性が得られる。
【0063】画素全体に亘ってしきい値電圧の異なる
領域が分布し、広い透過域(ゆるやかに変化する透過特
性)を有する透過率/電圧特性となるため、中間調を調
整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電性液晶素子の一例を模式的に示
す断面図である。
【図2】らせん構造をもつカイラルスメクチック液晶の
配向状態を示す斜視図である。
【図3】非らせん構造の分子配列をもつカイラルスメク
チック液晶の配向状態を示す斜視図である。
【図4】基板の一軸性配向軸と非らせん構造の強誘電性
液晶分子の軸との関係を表す説明図である。
【図5】(a)は本発明の配向膜による配向方法で配向
したカイラルスメクチック液晶の配向状態を示す断面図
で、(b)はそのユニフォーム配向状態におけるC−ダ
イレクタ図、(c)はスプレイ配向状態におけるC−ダ
イレクタ図である。
【図6】(a)はユニフォーム配向状態におけるチルト
角θを示す説明図で、(b)はスプレイ配向状態におけ
るチルト角θを示す説明図である。
【図7】強誘電性液晶内の電荷分布、自発分極Psの向
き及び逆電界Vrevの向きを示す説明図である。
【図8】電界印加時及び印加後のチルト角θの変化を示
す説明図である。
【図9】従来例の液晶素子における光学応答特性を示す
グラフである。
【図10】本発明の液晶素子における光学応答特性を示
すグラフである。
【図11】実施例で用いた駆動電圧の波形図である。
【図12】本発明の液晶素子及び比較のために作製した
液晶素子における透過率/電圧特性を示すグラフであ
る。
【図13】本発明の液晶素子における透過率/電圧特性
を示すグラフである。
【符号の説明】
11a,11b ガラス基板 12a,12b 透明電極 13a,13b 導電性付与保護膜 14a,14b 配向膜 15 強誘電性スメクチック液晶 16 ビーズスペーサー 17a,17b 偏光板 21a,21b 基板 22 液晶分子層 23 液晶分子 24 (P⊥)双極子モーメント 31a,31b 電圧印加手段 33a 第1の安定状態 33b 第2の安定状態 34a (Pa)上向き双極子モーメント 34b (Pb)下向き双極子モーメント 41 上下基板に形成した一軸性配向軸 42 上基板に隣接する液晶分子の軸 43 下基板に隣接する液晶分子の軸 44 ねじれ配列の方向 50 液晶分子層 51a 上基板 51b 下基板 52 液晶分子 53 円錐 54 底面 55 C−ダイレクタ 60 基板引き上げ方向又はラビング軸 61a 配向状態U1 での平均分子軸 61b 配向状態U2 での平均分子軸 62a 配向状態S1 での平均分子軸 62b 配向状態S2 での平均分子軸

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を有する一対の基板間に液晶を挟持
    してなる液晶素子において、少なくとも一方の基板上に
    液晶分子の配向状態を制御するための配向材料と表面エ
    ネルギーを制御するための少なくとも1種類の表面処理
    剤を含む配向膜が形成されていることを特徴とする液晶
    素子。
  2. 【請求項2】 電極を有する一対の基板間に液晶を挟持
    してなる液晶素子において、少なくとも一方の基板上に
    導電性を付与された保護膜と、該保護膜上に液晶分子の
    配向状態を制御するための配向材料と表面エネルギーを
    制御するための少なくとも1種類の表面処理剤を含む配
    向膜が形成されていることを特徴とする液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記保護膜の導電率が10-10 S/cm
    以上であることを特徴とする請求項2記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記保護膜が金属酸化物或は金属硫化物
    であることを特徴とする請求項2又は3記載の液晶素
    子。
  5. 【請求項5】 前記配向膜の膜厚が100Å以下である
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の液晶素
    子。
  6. 【請求項6】 前記配向膜の膜厚が50Å以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の液晶素
    子。
  7. 【請求項7】 前記配向膜の膜厚が40Å以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の液晶素
    子。
  8. 【請求項8】 前記配向膜がラングミュアーブロジェッ
    ト法を用いて形成されたことを特徴とする請求項1〜7
    いずれかに記載の液晶素子。
  9. 【請求項9】 前記配向材料がポリイミド化合物、ポリ
    アミド化合物またはポリアミドイミド化合物のいずれか
    の高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜8い
    ずれかに記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 前記高分子化合物が、電気的なキャリ
    アー輸送性となる有機化合物のジアミン単量体を縮合し
    て合成されたことを特徴とする請求項9記載の液晶素
    子。
  11. 【請求項11】 前記キャリアー輸送性となる有機化合
    物が、カルバゾール、テトラフェニルポルフィリン、ト
    リフェニルアミン或いは下記一般式(1)又は(2)の
    イオウ含有化合物のいずれかであることを特徴とする請
    求項10記載の液晶素子。 【化1】
  12. 【請求項12】 前記表面処理剤がカップリング剤を含
    むことを特徴とする請求項1〜11いずれかに記載の液
    晶素子。
  13. 【請求項13】 前記カップリング剤が下記一般式
    (3)〜(7)いずれかに示すシランカップリング剤で
    あることを特徴とする請求項12記載の液晶素子。 CF3 (CF2)n (CH2)2 SiXm3-m (3) CH3 (CH2)I SiXm3-m (4) NH2 (CH2)3 SiXm3-m (5) NH2 (CH2)3 NH(CH2)2 SiXm3-m (6) Ph(CH2)r SiXm3-m (7) (但し、X=ハロゲン、Y=OCH3 、n≦10、m=0〜3 I=5〜23、r=0〜3)
  14. 【請求項14】 前記配向膜が液晶分子の初期配向を制
    御するためにラビング処理されていることを特徴とする
    請求項1〜13いずれかに記載の液晶素子。
  15. 【請求項15】 前記液晶が10nC/cm2 以上の自
    発分極を有する強誘電性液晶であることを特徴とする請
    求項1〜14いずれかに記載の液晶素子。
  16. 【請求項16】 前記液晶が、SmC* 相でのらせんピ
    ッチが0.5μm以下の強誘電性液晶であることを特徴
    とする請求項1〜15いずれかに記載の液晶素子。
  17. 【請求項17】 前記液晶の初期配向状態を得るため
    に、交流電界を印加したことを特徴とする請求項1〜1
    6いずれかに記載の液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180132926A (ko) * 2016-04-28 2018-12-12 센젠 차이나 스타 옵토일렉트로닉스 테크놀로지 컴퍼니 리미티드 액정 패널 및 액정 장치

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KR20180132926A (ko) * 2016-04-28 2018-12-12 센젠 차이나 스타 옵토일렉트로닉스 테크놀로지 컴퍼니 리미티드 액정 패널 및 액정 장치

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