JPH0675227A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH0675227A
JPH0675227A JP24719992A JP24719992A JPH0675227A JP H0675227 A JPH0675227 A JP H0675227A JP 24719992 A JP24719992 A JP 24719992A JP 24719992 A JP24719992 A JP 24719992A JP H0675227 A JPH0675227 A JP H0675227A
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Takeshi Eguchi
健 江口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶分子の配向特性及び階調特性を改善した
液晶素子を提供する。 【構成】 透明電極12a,12bを有する基板11
a,11b間に強誘電性スメクチック液晶15を挟持し
てなる液晶素子であって、前記基板上には、導電率が1
-10 S/cm以上の保護膜13a,13b及び、剛直
π共役導電性高分子からなる結晶性構造を有する配向膜
14a,14bが形成されており、上記剛直π共役導電
性高分子の高分子鎖軸の基板面に対する配向角が1°〜
45°であることを特徴とする液晶素子。 【効果】 大きなチルト角を生じコントラストが高く、
残像現像も生じない。更には、ゆるやかに変化する透過
特性が得られ、中間調を調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置や液晶−
光シャッター等に用いる液晶素子に関し、特に液晶分子
の配向特性及び階調特性を改善した液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】TV画像は、精細で中間調を持つ動画像
である。このTV画像を表示する場合には、高解像度、
高速応答、多段階調表示、高コントラスト、高信頼性、
カラー化など最も高度な技術が要求される。この点で、
CRTに表示されるTV画像の品質は非常に優れてい
る。しかし、表示画像の大面積化の流れの中で軽量化が
可能な液晶表示装置が注目されるようになり、最近で
は、各画素毎にスイッチング素子を設けてネマティック
液晶を直接駆動するアクティブマトリックス型液晶素子
によるTV画像表示方法を中心に盛んに研究されてい
る。しかし、組み込むスイッチング素子としてはTFT
方式が最も優れていると考えられるが、素子作製プロセ
スの複雑さ、工程数等が大面積化への大きな障害となっ
ている。
【0003】一方、強誘電性液晶分子の屈折率異方性を
利用して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御
する形の表示素子がクラーク(Clark)及びラガー
ウォル(Lagerwall)により提案されている
(特開昭56−107216号公報、米国特許第436
7924号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特
定の温度領域において、非らせん構造のカイラルスメク
チックC相(SmC* )又はH相(SmH* )を有し、
この状態において、加えられた電界に応答して第1の光
学的安定状態と第2の光学的安定状態のいずれかを取
り、且つ電界の印加のないときにはその状態を維持する
性質、すなわち双安定性を有し、また電界の変化に対応
する応答も速やかであり、高速並びに記憶型の表示素子
として広い利用が期待され、特にその機能から単純マト
リックス駆動方式による大画面で高精細な表示素子への
応用が期待されている。
【0004】強誘電性液晶素子は該液晶の双安定性な2
状態の制御に基づいた本質的に2値表示法である為、中
間調の表示には不向きであろうと考えられている。しか
し、強誘電性液晶の階調表示技術の開発により、該液晶
の優れた特性を生かしたより広範囲の応用が可能になる
と期待される。単純マトリックス駆動方式での階調表示
方法として、画素内で該液晶の2つの双安定な配向状態
間の遷移をミクロな領域で制御して微小ドメイン形成に
基づく面積階調法が提案されている(特開昭59−19
3427号公報)。しかし従来の配向制御技術では上記
微小ドメイン安定性、制御性が十分ではなく、実用可能
な階調性が実現出来ているとは言い難い。さらには、双
安定性の2値状態間のコントラスト比の向上、スイッチ
ング過程における残像現像やヒステリシスの解消も十分
実現出来ているとは言い難い。
【0005】この双安定性を有する液晶を用いた光学変
調素子が所定の駆動特性を発揮する為には、一対の平行
基板間に配置される液晶が電界の印加状態とは無関係
に、上記2つの安定状態の間での変換が効果的に起こる
ような分子配列状態にあることが必要である。
【0006】また、液晶の複屈折を利用した液晶素子の
場合、直交ニコル下での透過率は、 I/IO =sin2 4θsin2 (Δndπ/λ) (式中:IO は入射光強度、Iは透過光強度、θはチル
ト角、Δnは屈折率異方性、dは液晶層の膜厚、λは入
射光の波長である。)で表される。前述の非らせん構造
におけるチルト角θは第1と第2の配向状態でのねじれ
配列した液晶分子の平均分子軸方向の角度として現れる
ことになる。上式によれば、高コントラストを得るに
は、かかるチルト角θが22.5゜に出来る限り近いこ
とが必要である。
【0007】ところで強誘電性液晶の配向方法として
は、大きな面積に亘ってスメクチック液晶を形成する複
数の分子で組織された液晶分子層を、その法線に沿って
一軸に配向させることが必要であることから、通常ラビ
ング処理を行なったポリイミド膜が広く用いられてき
た。特に非らせん構造のカイラルスメクチック液晶のた
めの配向方法としては、例えば米国特許第456172
6号明細書等が知られている。従来のラビング処理した
ポリイミド膜によって配向させて得られた非らせん構造
の強誘電性液晶でのチルト角θ(後述の図3に示す角
度)が、らせん構造をもつ強誘電性液晶でのチルト角Θ
(後述の図2に示す三角錐の頂角の1/2の角度)と較
べて小さくなっていることが一般的である。特に、ラビ
ング処理したポリイミド膜によって配向させて得られた
非らせん構造の強誘電性液晶でのチルト角θは、一般に
3゜〜8゜程度で、その時の透過率はせいぜい3〜5%
程度であった。
【0008】この様に、クラークとラガウォールによれ
ば双安定性を実現する非らせん構造の強誘電性液晶での
チルト角が、らせん構造をもつ強誘電性液晶でのチルト
角と同一の角度をもつはずであるが、実際には非らせん
構造でのチルト角θの方が、らせん構造でのチルト角Θ
より小さくなっている。しかも、この非らせん構造での
チルト角θが、らせん構造でのチルト角Θより小さくな
る原因が、非らせん構造での液晶分子のねじれ配列に起
因していることが明らかにされている。つまり、非らせ
ん構造をもつ強誘電性液晶では、液晶分子が図4に示す
様に、上下基板に隣接する液晶分子の軸42,43が、
ねじれ配列の方向44へ連続的に基板の法線に対してね
じれ角δでねじれて配列しており、このことが非らせん
構造でのチルト角θが、らせん構造でのチルト角Θより
小さくなる原因となっている。
【0009】尚、図中41は上下基板に形成したラビン
グ処理や斜方蒸着処理によって得られた一軸性配向軸を
表している。
【0010】また、従来のラビング処理したポリイミド
配向層によって生じたカイラルスメクチック液晶の配向
状態では、電極と液晶層の間に絶縁体層としてのポリイ
ミド配向層の存在によって、第一の光学的安定状態(例
えば、白の表示状態)から第二の光学的安定状態(例え
ば、黒の表示状態)にスイッチングするための一方極性
電圧を印加した場合、この一方極性電圧の印加解除後、
強誘電性液晶層には他方極性の逆電界Vrevが生じ、
係る逆電界Vrevがディスプレイ時における残像現象
を引き起こすという問題や(吉田明雄著、昭和62年1
0月「液晶討論会予行集」142〜143頁の「SSF
LCのスイッチング特性」)、イオン種などによる電荷
染め付等によるスイッチングにおけるヒステリシス等の
問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主目的は、前
述した強誘電性液晶の配向技術における問題点を解決
し、双安定性の2値状態間のコントラスト比を向上し、
スイッチング過程における残像現象やヒステリシスを解
消して、さらには実用可能な階調性を実現するために、
各画素内に発生する微小ドメイン安定性、制御性に対し
て十分の制御を有する液晶素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】即ち、本発明は
電極を有する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶素
子において、少なくとも一方の基板上或いは該基板に形
成された導電性を付与された保護膜上に、少なくとも一
種類の剛直π共役導電性高分子からなる結晶性構造を有
する配向膜が形成されており、上記剛直π共役導電性高
分子の高分子鎖軸の基板面に対する配向角が1°〜45
°であることを特徴とする液晶素子である。
【0013】以下、図面を用いて本発明を詳細に説明す
る。
【0014】図1は、本発明の液晶素子の一例を模式的
に示す断面図である。同図において、11a,11bは
各々In23 やITO等の透明電極12a,12bで
被覆されたガラス基板であり、その上に200〜100
0Åの滞電防止のために僅かに導電性を付与した保護膜
13a,13bと配向膜14a,14bが各々積層され
ている。滞電防止性を有する該保護膜としては10-10
S/cm以上の導電率、より好ましくは10-8〜10-4
S/cmの範囲の導電率を持ち、可視領域の光に対して
透過性の優れた媒体が好ましい。本発明においては、前
記条件を満たす材料であれば、導電性を付与した保護膜
として用いることができ、例えば、WO3 、TiO2
ZnO、ZnS、CdO、CdS等多くの金属酸化物や
硫化物を用いることができる。これらの酸化物や硫化物
は僅かなドーパントの添加により導電率を広範囲にわた
り制御することが可能である長所も有しており、また、
これらの混合物も保護膜のアモルファス化により、より
平坦性の高い膜が得られるため有効である。また、上記
保護膜の製法は特に限定されるものではなく、例えば、
EBスパッタ法や蒸着法等を用いることができる。
【0015】前記配向膜14aと14bとの間には強誘
電性スメクチック液晶15が配置され、その間隔の距離
は強誘電性スメクチック液晶15のらせん配列構造の形
成を抑制するのに十分に小さい距離(例えば、0.1〜
3μm)に設定され、強誘電性スメクチック液晶15は
双安定性配向状態を生じている。上述の強誘電性スメク
チック液晶15が配置されている十分に小さい液晶間距
離は、配向膜14a,14bとの間に配置されたビーズ
スペーサー16(例えば、シリカビーズ、アルミナビー
ズ等)によって保持される。また、17a,17bは偏
光板を示す。
【0016】本発明の配向膜は、少なくとも一種類の剛
直π共役導電性高分子からなる結晶性構造を有するもの
であり、上記剛直π共役導電性高分子としては、例え
ば、ポリ(p−フェニレン)[PPP]、ポリ(チオフ
ェン−2,5−ジイル)[PTh]、ポリ(ピリジン−
2,5−ジイル)[PPy]、ポリ(2,2’−ビピリ
ジン−5,5−ジイル)[PBPy]、ポリ(ピリジン
−5,2−ジイル−チオフェン−2,5−ジイル)[P
TPy]、ポリ(ピロール−2,5−ジイル)[PP
r]等が挙げられる。
【0017】更に、本発明の配向膜は、上記剛直π共役
導電性高分子の高分子鎖軸の基板面に対する配向角が1
°〜45°であることを特徴としている。
【0018】前記した剛直π共役導電性高分子は、10
-6Torr以下の高真空下で加熱を行なうことにより、
比較的容易に熱分解することなく蒸発する。図13に真
空蒸着法により炭素基板上に作製したPPP蒸着膜の電
子線回折写真を示す。この写真から中心対称性の単結晶
回折図型の回折スポットが確認でき、この蒸着膜は良好
な配向性・結晶性をもっていることがわかる。また、こ
の解析結果から、該PPP蒸着膜においては、PPP結
晶のc軸、即ち高分子鎖軸が炭素基板面に対してほぼ垂
直に配向していることが分かる。
【0019】本発明の配向膜は従来公知技術により成膜
できるが、加熱蒸着法等によるのが好適である。例え
ば、加熱蒸着法を用いた場合には、液晶分子の配向状態
を制御するために前記剛直π共役導電性高分子の高分子
鎖軸の基板面に対する配向角の制御を蒸着源と基板を結
ぶ方向と基板面のなす角度(蒸着角度)を制御すること
によって行なうことができる。蒸着角度と該高分子鎖軸
の基板面に対する配向角は基板表面の特性にも大きく依
存し、必ずしも一致しないが、強い正の相関を示す。
【0020】上記高分子鎖軸の基板面に対する配向角が
前記範囲(1°〜45°)外であると液晶分子のチルト
角がランダムになり、均一な配向性が得られない。
【0021】また、本発明の配向膜は前記剛直π共役導
電性高分子の導電特性を利用して、双安定性の2値状態
間のコントラスト比を向上し、スイッチング過程におけ
る残像現像やヒステリシスを解消することができる。
【0022】前記剛直π共役導電性高分子に高い導電性
を付与するにはドーパントを必要とする。しかし、ドー
パントは反応活性なものが多く、配向性に関してはでき
るだけ使用を制限することが好ましく、10-10 S/c
m以上の導電率、より好ましくは10-8〜10-4S/c
mの範囲の導電率を付与すれば十分である。また、この
ドーパントは可視領域の光に対して透過性の優れたもの
が好ましい。
【0023】本発明において、その機構は明確ではない
が、前記配向膜を構成する剛直π共役導電性高分子の選
択使用により、前述した微小ドメインの発生による透過
特性を安定して制御することが可能であり、更には画素
全体に亘ってしきい値電圧の異なる領域が分布し、広い
透過域(ゆるやかに変化する透過特性)を有する透過率
/電圧特性を得ることができるため、中間調を調整する
ことができる。
【0024】また、本発明の配向膜は、電荷蓄積による
逆電界の発生をより効率的に抑えるために薄く成膜する
ことが好ましく、その膜厚は、例えば蒸着法により成膜
する場合には通常1000Å以下、より好ましくは50
0Å以下、更により好ましくは200Åである。
【0025】このように成膜された配向膜により効果的
な配向性を付与するため、該配向膜の表面を更にラビン
グすることも可能である。この際、ラビングの方向は、
前記高分子鎖の配向方向に沿って平行或は反平行にラビ
ングすることが好ましい。また、上下基板に配向膜を用
いた場合、上下基板の配向軸は平行、反平行、或は僅か
な角度を持たせて交差する方向でもよく、用いる液晶材
料の配向特性に従って種々の方法で行なうことができ
る。
【0026】本発明の液晶素子に使用される液晶物質は
特に限定されない。しかし、液晶注入時の初期均一配向
の容易性から評価すると、降温過程で、等方相、コレス
テリック相、スメクチックA相を通してカイラルスメク
チックC相を生じる液晶が好ましい。特にコレステリッ
ク相の時のピッチが0.8μm以上のものが好ましい
(但し、コレステリック相の温度範囲における中央点で
測定したもの)。その具体的な液晶物質としては、例え
ば下記のビフェニルエステル系の液晶物質「LC−
1」、「80B」及び「80SI* 」を下記の比率で混
合させた液晶組成物を用いることができる。
【0027】
【化1】 更に、本発明に用いられる液晶は上記液晶に限定される
ものではなく、前記特徴を有する配向膜、さらには導電
性を付与した保護膜からなる導電性配向層を有すること
により、特にスイッチング過程の安定性・再現性から
は、強誘電性液晶分子が有する自発分極の空間的発散、
即ち空間電荷のつくる分極場が液晶分子の分子配向に影
響を及ぼし得るような大きな自発分極を有する強誘電性
液晶に対しても好適に用いられる。例えば、自発分極P
sが10nC/cm2 以上である強誘電性液晶、更には
また降温過程でコレステリック相をもたず、SmC*
でのらせんピッチが0.5μm以下の強誘電性液晶で
も、液晶注入時の初期均一配向の達成は難しくはなるが
十分に用いることができる。
【0028】図2は、強誘電性液晶の動作説明のため
に、セルの例を模式的に描いたものである。図中、21
aと21bは、In23 、SnO2 あるいはITO等
の薄膜からなる透明電極で被覆された基板(ガラス板)
であり、その間に液晶分子層22がガラス基板面に垂直
になるよう配向したSmC* (カイラルスメクチック
C)相又はSmH* (カイラルスメクチックH)相の液
晶が封入されている。太線で示した線23は液晶分子を
表しており、この液晶分子23はその分子に直交した方
向に双極子モーメント(P⊥)24を有している。この
時の三角錐の頂角をなす角度の1/2がかかるらせん構
造のカイラルスメクチック相でのチルト角Θを表してい
る。基板21aと21b上の電極間に一定のしきい値以
上の電圧を印加すると、液晶分子23のらせん構造がほ
どけ、双極子モーメント(P⊥)24がすべて電界方向
に向くよう、液晶分子23は配向方向を変えることがで
きる。液晶分子23は、細長い形状を有しており、その
長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を示し、従って例え
ばガラス基板面の上下に互いにクロスニコルの偏光子を
置けば、電圧印加極性によって光学特性が変わる液晶光
学変調素子となることは、容易に理解される。
【0029】本発明の前記導電性配向層を有する液晶素
子で用いる双安定性配向状態の表面安定型強誘電性液晶
セルは、その厚さを充分に薄く(例えば、0.1〜3μ
m)することができる。このように液晶層が薄くなるに
したがい、図3に示すように電界を印加していない状態
でも液晶分子のらせん構造がほどけ、非らせん構造とな
り、その双極子モーメントPaまたはPbは上向き(3
4a)又は下向き(34b)のどちらかの状態をとる。
このようなセルに、同図に示す如く一定のしきい値以上
の極性の異なる電界Ea又はEbを電圧印加手段31a
と31bにより付与すると、双極子モーメントは、電界
Ea又はEbの電界ベクトルに対応して上向き34a又
は下向き34bと向きを変え、それに応じて液晶分子は
第1の安定状態33a或は第2の安定状態33bの何れ
か一方に配向する。この時の第1と第2安定状態のなす
角度の1/2がチルト角θに相当する。
【0030】この強誘電性液晶セルによって得られる効
果は、その第1に応答速度が極めて速いことであり、そ
の第2に液晶分子の配向が双安定性を有することであ
る。第2の点を、例えば図3によって更に説明すると、
電界Eaを印加すると液晶分子は第1の安定状態33a
に配向するが、この状態は電界を切っても安定である。
又、逆向きの電界Ebを印加すると、液晶分子は第2の
安定状態33bに配向してその分子の向きを変えるが、
やはり電界を切ってもこの状態に留まっている。また、
与える電界Eaが一定のしきい値を越えない限り、それ
ぞれの配向状態にやはり維持されている。
【0031】次に、図5(a)は本発明の導電性配向層
を用いた配向方法により配向した液晶分子の配向状態を
模式的に示す断面図、図5(b)はそのC−ダイレクタ
を示す図である。図5(a)に示す51a及び51b
は、それぞれ上基板及び下基板を表している。50は液
晶分子52で組織された液晶分子層で、液晶分子52が
円錐53の底面54(円形)に沿った位置を変化させて
配列している。図5(b)において、U1 は一方の安定
配向状態でのC−ダイレクタ81で、U2 は他方の安定
配向状態でのC−ダイレクタ81である。C−ダイレク
タ81は、図5(a)に示す液晶分子層50の法線に対
して垂直な仮想面への分子長軸の射影である。
【0032】一方、従来のラビング処理したポリイミド
膜によって生じた配向状態は図5(c)のC−ダイレク
タ図によって示される。図5(c)に示す配向状態は、
上基板51aから下基板51bに向けて分子軸の捩れが
大きいため、チルト角θは小さくなっている。
【0033】次に、図6(a)は、C−ダイレクタ81
が図5(b)の状態(ユニホーム配向状態という)での
チルト角θを示す説明図、および図6(b)はC−ダイ
レクタ81が図5(c)の状態(スプレイ配向状態とい
う)でのチルト角θを示す説明図である。図中、60は
配向層をラングミュアーブロジェット法によって形成し
たときの基板の引き上げ方向、或いは配向層を塗布法ま
たは蒸着法によって形成したときのラビング処理軸を示
し、61aは配向状態U1 での平均分子軸、61bは配
向状態U2 での平均分子軸、62aは配向状態S1 での
平均分子軸、62bは配向状態S2 での平均分子軸を示
す。平均分子軸61aと61bとは、互いにしきい値電
圧を越えた逆極性電圧の印加によって変換することがで
きる。同様のことは平均分子軸62aと62bとの間で
も生じる。
【0034】次に、逆電界Vrevによる光学応答の遅
れ(残像)に対するユニフォーム配向状態の有用性につ
いて説明する。液晶セルの配向制御層の容量Ci、液晶
層の容量をCLC及び液晶の自発分極をPsとすると、残
像の原因となるVrevは下式で表される。
【0035】Vrev=2・Ps/(Ci+CLC) 図7は液晶セル内の電荷分布、自発分極Psの方向及び
逆電界Vrevの方向を模式的に示した断面図である。
図7(a)はパルス電界印加前のメモリ状態下における
+及び−電荷の分布状態を示し、この時の自発分極Ps
の向きは+電荷から−電荷の方向である。図7(b)は
パルス電界解除直後の自発分極Psの向きを示し、自発
分極Psは図7(a)の時の向きに対して逆向き(従っ
て液晶分子は一方の安定配向状態から他方の安定配向状
態に反転を生じている)であるが、+及び−電荷の分布
状態は図7(a)の時と同様であるため、液晶内に逆電
界Vrevが矢印B方向に生じている。この逆電界Vr
evはしばらくした後、図7(c)に示すように消滅
し、+及び−電荷の分布状態が変化する。
【0036】図8は従来のポリイミド配向膜によって生
じたスプレイ配向状態の光学応答の変化をチルト角θの
変化に換えて示した説明図である。図8に示すように、
パルス電界印加時においては矢印X1 の方向に沿ってス
プレイ配向状態下の平均分子軸S(A)から最大チルト
角Θ付近のユニフォーム配向状態下の平均分子軸U2
チルト角θが若干増大した平均分子軸に配向し、その
後、矢印X2 ,X3 の方向に沿って平均分子軸S
(B),S(C)を生じ、安定配向状態が得られる。図
9はこの時の光学応答の状態を示すグラフである。
【0037】本発明によれば、前述した導電性配向層を
用いることで、液晶配向状態として、図8に示したスプ
レイ状態下の平均分子軸S(A)、S(B)及びS
(C)を生じることが無く、従って最大チルト角Θに近
いチルト角θを生じる平均分子軸U1 ,U2 に配列させ
る事ができる。
【0038】図10は本発明の導電性配向層を用いた時
の光学応答の状態を示すグラフである。図10によれ
ば、残像に原因する光学応答の遅れを生じないこととメ
モリ状態下での高いコントラストを引き起こしているこ
とが認められる。
【0039】本発明は、下述の実施例で明らかにするよ
うに、導電性配向層を用いることによって、明状態と暗
状態での大きな光学的コントラストを示し、特に米国特
許第4655561号明細書等に開示されているマルチ
プレクシング駆動時の非選択画素に対して大きなコント
ラストを生じ、さらにディスプレイ時の残像の原因とな
るスイッチング時(マルチプレクシング駆動時)の光学
応答の遅れを生じない配向状態を達成することができ
る。
【0040】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明する。
【0041】実施例1 基板として、1500Å厚のITO膜が設けられている
1.1mm厚のガラス基板を2枚用意し、スパッタ法を
用いてWO3 を該基板上にそれぞれ600Åの膜厚に成
膜し保護膜とした。この膜のシ−ト抵抗値は0.1×1
-8S/cmであり、その時の成膜条件を下記に示す。
【0042】WO3 の成膜条件 方法 :WO3
ーゲットのスパッタ法 BGP :1×10-6Torr 成膜速度:1Å/sec 次に、上記基板を蒸着角度を20°、30°、45°、
60°、90°と変えてポリ(p−フェニレン)[PP
P]を抵抗加熱により真空蒸着して配向膜を形成した。
その時の成膜条件は BGP :2×10-7Torr 膜厚 :500Å、成膜速度:1Å/sec 基板温度:150℃ であった。その後、平均粒径約1.5μmのアルミナビ
ーズを一方の基板上に散布した後、各々の基板ラビング
軸が互いに平行かつ同一方向になるように2枚の基板を
重ね合わせて液晶セルを作製した。このセル内にチッソ
(株)社製の強誘電性液晶である「CS−1014」
(商品名)を等方相下で真空注入してから、等方相から
0.5℃/hで30℃まで徐冷することによって配向さ
せることができた。この強誘電性液晶「CS−101
4」を用いた本実施例のセルでの相変化は、下記のとお
りであった。
【0043】
【数1】 上述のように異なる蒸着角度で成膜した配向膜を有する
5種類の液晶セルを、各々一対の90゜クロスニコル偏
光子の間に挟み込んで、50μsecの30Vパルスを
印加してから90゜クロスニコルを消光位(最暗状態)
にセットし、この時の透過率をホトマルチプライヤーに
より測定し、続いて50μsecの−30Vパルスを印
加し、明状態の透過率を同様の方法で測定し、チルト角
θと明状態と最暗状態との透過率の比、即ちコントラス
ト比及び残像の原因となる光学応答遅れを求めた。結果
を表1に示す。
【0044】
【表1】 表1に示したように、蒸着角度が20°,30°,45
°の素子ではコントラストが高く、残像の原因となる光
学応答の遅れも0.1秒以下となり、良好な結果が得ら
れた。
【0045】この液晶セルを図11に示す駆動波形を用
いたマルチプレクシング駆動による表示を行なったとこ
ろ、高コントラストな高品位表示が得られ、また、所定
の文字入力による画像表示の後に全画面を白の状態に消
去したところ、残像の発生は判読できなかった。尚、図
11のSN 、SN+1 、SN+2 は走査線に印加した電圧波
形を表しており、Iは代表的な情報線に印加した電圧波
形を表している。(I−SN )は、情報線Iと走査線S
N との交差部に印加された合成波形である。また、本実
施例ではVO =5〜8V、ΔT=20〜70μsecで
行なった。
【0046】実施例2 WO3 の替わりにZnOを600Å蒸着して保護膜とし
た基板上に実施例1と同様な手順にて蒸着角度30°で
PPPを蒸着し配向膜を形成した後、実施例1と同様に
して液晶セルを作製し、評価を行なったところ、実施例
1と同様の良好な結果が得られた。また、実施例1と同
様のマルチプレクシング駆動による表示を行なったとこ
ろ、コントラストおよび残像については実施例1と同様
の良好な結果が得られた。又、実施例1の条件に加え配
向膜にラビングを蒸着時の法線方向とほぼ平行に通常の
条件で施した液晶セルも評価したが、配向状態に大きな
差は認められなかった。尚、上記保護膜の成膜条件を下
記に示す。
【0047】ZnOの成膜条件 方法 :ZnOタ
ーゲットのアルゴンスパッタ法 全圧 :10mTorr,O2 分圧:50% 成膜速度:2.0Å/sec実施例3 実施例1で用いたPPPの替わりに、ポリ(チオフェン
−2,5−ジイル)[PTh]を500Åの膜厚に抵抗
加熱により真空蒸着して配向膜を形成した以外は実施例
1と同様にして液晶セルを作製して、実施例1と同様な
評価を行なった。その結果、表2に示されるように実施
例1と同様の良好な結果が得られた。
【0048】
【表2】 また、実施例1と同様のマルチプレクシング駆動による
表示を行なったところ、コントラストおよび残像につい
ては実施例1と同様の良好な結果が得られた。
【0049】実施例4 実施例1に用いたPPPに替えて、ポリ(ピリジン−
2,5−ジイル)[PPy]を500Åの膜厚に抵抗加
熱により真空蒸着して配向膜を形成した以外は実施例1
と同様にして液晶セルを作製(但し、蒸着角度30°の
み)し評価したところ実施例1と同様の良好な結果が得
られた。また、実施例1と同様のマルチプレクシング駆
動による表示を行なったところ、コントラストおよび残
像については実施例1と同様の良好な結果が得られた。
【0050】実施例5 以上の実施例で用いた強誘電性液晶「CS−1014」
に替えて、同じくビフェニルエステル系化合物で下記に
示す相転移状態を示す他の強誘電性液晶を用いて以下の
実験を行なった。
【0051】
【数2】 液晶層が十分に厚い場合(〜100μ)、SmC* では
らせん構造をとり、そのピッチは約4μmであった。三
角波法による自発分極の状態から自発分極は約10nC
/cm2 であり、セル厚1.5μmでのチルト角Θは2
3.5゜でほぼ最適値に近い値を持つ。
【0052】該液晶を実施例1で作製した液晶セル(但
し、蒸着角度は30°)に注入した。その時の見かけの
チルト角θは16゜で最適値に及ばなかった。
【0053】この液晶セルに電圧±45V〜55Vで周
波数40Hzの交流電圧を15分間印加したところチル
ト角θが20.2゜のドメインが出現し始め、更に55
〜70Vの電圧では、このドメインが全体に広がり非常
に良いコントラストが得られた。70V以上では反対に
多くの欠陥が発生し、モノドメインがくずれた。安定な
モノドメインが出現した後の、双安定状態間の反転は以
下のパルスで行なわれた。
【0054】
【表3】 交流電圧印加後の配向状態の変化は図5(a)に示した
層の捻じれが解ける効果であると考えている。また、反
転電圧は交流電圧印加前の反転電圧に比べ電圧が高くな
った。この原因は明らかでないが、チルト角θがΘに近
づくためには配向膜の界面近傍の液晶分子をも反転させ
るエネルギーを与えなければならないために、反転に必
要な駆動電圧が高いことが必要であると考えられる。交
流電圧印加後のチルト角θにより透過光量が電圧印加前
に比較してコントラスト比は大幅に増加した。また反電
場効果による光学応答の遅れも0.1sec以下で安定
なスイッチングが可能であった。
【0055】また、双安定状態を有する強誘電液晶相
は、通常高温状態から降温によって得られるが、本実施
例では、この際50Hz、140Vの交流電界を印加し
つつ降温したところ、広い範囲にわたって均一なモノド
メインの配向状態が実現できた。
【0056】実施例6 実施例1で作製した蒸着角度が30°で成膜したPPP
配向膜の液晶セル(但し、本実施例では上下基板の配向
軸は反平行になるようにセル組している)に実施例5と
同じ強誘電性液晶を注入し、交流電圧(40Hz、60
V)を15分間印加したところ、チルト角θが21.8
°の均一なモノドメイン配向状態が出現した。該液晶セ
ルに実施例1と同様な評価を行なったところ、実施例1
と比較し特にコントラスト比の大幅に改善された良好な
液晶セルが得られることがわかった。また、実施例1と
同様のマルチプレクシング駆動による表示を行なったと
ころ、コントラストおよび残像についても同様の良好な
結果が得られた。
【0057】次に、該液晶セルの透過率と50μsec
の印加パルスの波高値との関係を測定したところ、図1
2の実線で示した特性が得られた。図12から明らかな
ように、画素全体に亘ってしきい値電圧の異なる領域が
分布することによって、広い透過域(ゆるやかに変化す
る透過特性)を有する透過率/電圧特性となり、中間調
を調整することができることがわかった。
【0058】実施例7 実施例6で用いた配向4膜に変えて、PPPとPPyの
2元蒸着により配向膜を作製した。その時の蒸着角度は
30°に設定し、2成分とも蒸着速度が0.5Å/se
cになるように温度条件を設定した以外は実施例6と同
様にして実験を行なった。その結果、チルト角θが2
1.7°の均一なモノドメイン配向状態が出現した。該
液晶セルに実施例6と同様な評価を行なったところ、実
施例1と比較し特にコントラスト比の大幅に改善された
良好な液晶セルが得られることがわかった。また、実施
例1と同様のマルチプレクシング駆動による表示を行な
ったところ、コントラストおよび残像についても同様の
良好な結果が得られた。
【0059】次に、該液晶セルの透過率と50μsec
の印加パルスの波高値との関係を測定したところ、図1
2の一点鎖線で示した特性が得られた。図12から明ら
かなように、画素全体に亘ってしきい値電圧の異なる領
域が分布することによって、広い透過域(ゆるやかに変
化する透過特性)を有する透過率/電圧特性となり、中
間調を調整することができることがわかった。本実施例
の中で用いた配向膜においては配向材料の混合により透
過特性の変化に若干の差は見出されたが、その機構につ
いては明確ではない。しかし、従来のLQ1802ポリ
イミド配向膜を用いた場合(図12の点線)と比較し
て、実施例6及び本実施例の2つの液晶セルはコントラ
スト比も大きく、また画素全体に亘ってしきい値電圧の
異なる領域が分布することによって、広い透過域(ゆる
やかに変化する透過特性)を有する透過率/電圧特性と
なり、配向膜を構成する剛直π共役高分子を適宜選択或
いは混合することにより中間調の表示特性も改善される
ことがわかった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
剛直π共役高分子からなる配向膜、さらには導電性を付
与された保護膜からなる導電性配向層を有することによ
り、 特にカイラルスメクチック液晶の非らせん構造での大
きなチルト角を生じ、明状態と暗状態でのコントラスト
が高く、特にマルチプレクシング駆動時の表示コントラ
ストが非常に大きく高品位の表示が得られ、しかも目ざ
わりな残像現象の生じることがない。
【0061】従来、自発分極Psが大きい強誘電性液
晶を用いた液晶素子では、逆電界効果により駆動特性が
悪化することが指摘されていたが、本発明の液晶素子で
は、上記のような強誘電性液晶を用いても逆電界効果の
ない良好な駆動特性が得られる。
【0062】画素全体に亘ってしきい値電圧の異なる
領域が分布し、広い透過域(ゆるやかに変化する透過特
性)を有する透過率/電圧特性となるため、中間調を調
整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電性液晶素子の一例を模式的に示
す断面図である。
【図2】らせん構造をもつカイラルスメクチック液晶の
配向状態を示す斜視図である。
【図3】非らせん構造の分子配列をもつカイラルスメク
チック液晶の配向状態を示す斜視図である。
【図4】基板の一軸性配向軸と非らせん構造の強誘電性
液晶分子の軸との関係を表す説明図である。
【図5】(a)は本発明の配向膜による配向方法で配向
したカイラルスメクチック液晶の配向状態を示す断面図
で、(b)はそのユニフォーム配向状態におけるC−ダ
イレクタ図、(c)はスプレイ配向状態におけるC−ダ
イレクタ図である。
【図6】(a)はユニフォーム配向状態におけるチルト
角θを示す説明図で、(b)はスプレイ配向状態におけ
るチルト角θを示す説明図である。
【図7】強誘電性液晶内の電荷分布、自発分極Psの向
き及び逆電界Vrevの向きを示す説明図である。
【図8】電界印加時及び印加後のチルト角θの変化を示
す説明図である。
【図9】従来例の液晶素子における光学応答特性を示す
グラフである。
【図10】本発明の液晶素子における光学応答特性を示
すグラフである。
【図11】実施例で用いた駆動電圧の波形図である。
【図12】本発明の液晶素子及び比較のために作製した
液晶素子における透過率/電圧特性を示すグラフであ
る。
【図13】炭素基板上のPPP蒸着膜の電子線回折図で
ある。
【符号の説明】
11a,11b ガラス基板 12a,12b 透明電極 13a,13b 導電性付与保護膜 14a,14b 配向膜 15 強誘電性スメクチック液晶 16 ビーズスペーサー 17a,17b 偏光板 21a,21b 基板 22 液晶分子層 23 液晶分子 24 (P⊥)双極子モーメント 31a,31b 電圧印加手段 33a 第1の安定状態 33b 第2の安定状態 34a (Pa)上向き双極子モーメント 34b (Pb)下向き双極子モーメント 41 上下基板に形成した一軸性配向軸 42 上基板に隣接する液晶分子の軸 43 下基板に隣接する液晶分子の軸 44 ねじれ配列の方向 50 液晶分子層 51a 上基板 51b 下基板 52 液晶分子 53 円錐 54 底面 55 C−ダイレクタ 60 基板引き上げ方向又はラビング軸 61a 配向状態U1 での平均分子軸 61b 配向状態U2 での平均分子軸 62a 配向状態S1 での平均分子軸 62b 配向状態S2 での平均分子軸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を有する一対の基板間に液晶を挟持
    してなる液晶素子において、少なくとも一方の基板上に
    少なくとも一種類の剛直π共役導電性高分子からなる結
    晶性構造を有する配向膜が形成されており、上記剛直π
    共役導電性高分子の高分子鎖軸の基板面に対する配向角
    が1°〜45°であることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 電極を有する一対の基板間に液晶を挟持
    してなる液晶素子において、少なくとも一方の基板上に
    導電性を付与された保護膜と、該保護膜上に少なくとも
    一種類の剛直π共役導電性高分子からなる結晶性構造を
    有する配向膜が形成されており、上記剛直π共役導電性
    高分子の高分子鎖軸の基板面に対する配向角が1°〜4
    5°であることを特徴とする液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記配向膜が加熱蒸着法により成膜され
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶素
    子。
  4. 【請求項4】 前記配向膜の導電率が10-10 S/cm
    以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記
    載の液晶素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶が10nC/cm2 以上の自発
    分極を有する強誘電性液晶であることを特徴とする請求
    項1〜4いずれかに記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶が、SmC* 相でのらせんピッ
    チが0.5μm以下の強誘電性液晶であることを特徴と
    する請求項1〜5いずれかに記載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 前記液晶の初期配向状態を得るために、
    交流電界を印加したことを特徴とする請求項1〜6いず
    れかに記載の液晶素子。
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Effective date: 19980929