JPH07325304A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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Publication number
JPH07325304A
JPH07325304A JP13966694A JP13966694A JPH07325304A JP H07325304 A JPH07325304 A JP H07325304A JP 13966694 A JP13966694 A JP 13966694A JP 13966694 A JP13966694 A JP 13966694A JP H07325304 A JPH07325304 A JP H07325304A
Authority
JP
Japan
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film
liquid crystal
alignment
substrate
crystal display
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP13966694A
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English (en)
Inventor
Hirokatsu Miyata
浩克 宮田
Toshihiko Takeda
俊彦 武田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユニフォーム配向状態の液晶セルにおいて駆
動に伴う液晶分子の移動、及び液晶層の厚みの変動を防
止して、良好なスイッチング特性の得られる液晶表示素
子を提供する。 【構成】 透明電極22,22’を有する一対の基板2
1,21’間に2つの光学的安定状態を示す強誘電性液
晶25を挟持した液晶表示素子において、これらの基板
上にLB膜配向膜23,23’が形成されており、且つ
該LB膜配向膜に対して、LB膜の全ての層、もしくは
最後の1層を成膜する際の基板の移動方向と逆向きの配
向処理がなされていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータの端末デ
ィスプレイ、ワードプロセッサ、タイプライター、テレ
ビ受像機、ビデオカメラのビューファインダー、プロジ
ェクターの光バルブ、液晶プリンターの光バルブ等に用
いられる強誘電性液晶を注入した液晶表示素子に係り、
詳しくは、液晶分子の移動を抑制する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して、偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御す
る型の液晶表示素子がクラーク(Clark)及びラガ
ーウオル(Lagerwall)により提案されている
(特開昭56−107216号公報、米国特許第4,3
67,924号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般
に特定の温度域において、カイラルスメクチックC相
(SmC* 相)又はH相(SmH* 相)を有し、この状
態において、加えられる電界に応答して第一の光学的安
定状態と第二の光学的安定状態のいずれかを取り、且つ
電界の印加のない時は、その状態を維持する性質、即ち
双安定性を有し、また電界の変化に対する応答も速やか
であり、高速並びに記憶型の表示素子としての広い利用
が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図1は、上述した液晶
素子を示す模式図であり、(A)はその平面を、(B)
は液晶分子を示している。
【0004】この様な素子を長時間駆動し、表示動作を
行わしめると、表示部の端部領域13が黄色に着色して
いく現象が生じる。この様な現象は、画像の見栄えを悪
くするだけでなく、液晶画素のスイッチング特性をも変
化させてしまうものである。この現象は、特にコントラ
ストの高いユニフォーム配向状態のセルにおいて顕著で
ある。
【0005】この様な現象は、液晶が領域13の方向へ
移動し、領域13の液晶層の厚み(基板間隔もしくはセ
ル厚ともいう)が増加するためであることが判明してい
る。
【0006】本発明者らは、上述の様に液晶分子が移動
する原因を、駆動パルスによる交流的な電界で、液晶分
子の双極子モーメントが揺らぐことにより発生する電気
力学的効果によるものと推察している。さらに、図1
(B)に示す移動方向12は、配向処理方向10と液晶
分子の平均分子軸方向11,11’等により決まるよう
である。液晶分子の移動方向が配向処理方向に依存して
いることから、この現象は、基板界面でのプレチルトの
状態、もしくはそのプレチルトにより決まる弾性エネル
ギー的に安定なスメクチック層の折れ曲がり方向等に依
存しているものと推察される。
【0007】さらに、上記配向処理等により規制される
と考えられる界面規制力の強弱によっても、液晶の移動
方向や移動量が変化する傾向もある。しかし、例えば界
面規制力を単に弱めるということのみでは、液晶の配向
を良好に保ったままで移動量を完全に抑制することはで
きないと考えられる。
【0008】このために、本発明者らは基板表面に液晶
の移動を妨げる凹凸を設ける方法を試みてみたが、その
凹凸の設計や作製工程が簡単ではなかった。
【0009】以上のような状況に鑑み、本発明はより簡
易な構成で、ユニフォーム配向状態のセルにおいて駆動
に伴う液晶分子の移動、及び液晶層の厚みの変動を防止
して、良好なスイッチング特性の得られる液晶表示素子
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的は以下
の構成により達成される。
【0011】すなわち本発明の第一は、電極を有する一
対の基板間に少なくとも2つの光学的安定状態を示す強
誘電性液晶を挟持してなる液晶表示素子において、少な
くとも一方の基板上に、LB膜もしくは該LB膜材料か
らの誘導体からなるLB膜配向膜が形成されており、該
LB膜配向膜に対して、さらに配向処理を行うことによ
り基板面内でのプレチルトの方向性を打ち消し、平均的
なプレチルト角の大きさをほぼ0°としたことを特徴と
する液晶表示素子にあり、本発明の第二は、電極を有す
る一対の基板間に少なくとも2つの光学的安定状態を示
す強誘電性液晶を挟持してなる液晶表示素子において、
少なくとも一方の基板上に、LB膜もしくは該LB膜材
料からの誘導体からなるLB膜配向膜が形成されてお
り、該LB膜配向膜に対して、LB膜の全ての層、もし
くは最後の1層を成膜する際の基板の移動方向と逆向き
の配向処理がなされていることを特徴とする液晶表示素
子にあり、本発明の第三は、電極を有する一対の基板間
に少なくとも2つの光学的安定状態を示す強誘電性液晶
を挟持してなる液晶表示素子において、少なくとも一方
の基板上に、配向処理がなされた配向膜が形成されてお
り、さらに該配向膜上に、該配向膜による基板面内での
プレチルトの方向性を打ち消し平均的なプレチルト角が
ほぼ0°になるように成膜方向を制御された、LB膜も
しくは該LB膜材料からの誘導体からなるLB膜配向膜
が形成されていることを特徴とする液晶表示素子にあ
り、本発明の第四は、電極を有する一対の基板間に少な
くとも2つの光学的安定状態を示す強誘電性液晶を挟持
してなる液晶表示素子において、少なくとも一方の基板
上に、配向処理がなされた配向膜が形成されており、さ
らに該配向膜上に、全ての層もしくは最後の一層を成膜
する際の基板の移動方向が前記配向処理の方向と逆向き
になるようにして、LB膜もしくは該LB膜材料からの
誘導体からなるLB膜配向膜が形成されていることを特
徴とする液晶表示素子にある。
【0012】本発明者らの研究によると、前述の強誘電
性液晶のセル内移動現象は、その移動方向、及び移動量
などが、外的因子、例えば温度、液晶素子に印加する電
界の強度、周波数などに密接に結びついていることがわ
かった。また、内的、即ちセル側の因子としては、特に
界面プレチルト角α、並びに配向状態に、また自発分極
Psの大きさ、コーン角Θの大きさ、スメクチック相の
層の傾斜角δなどの強誘電性液晶分子の物性に依存して
いることがわかった。
【0013】このうち、温度、電界強度、周波数は応答
速度に影響を与えるPsなどと互いにトレードオフの関
係にあり、フレーム周波数、デューティー比などの液晶
表示装置としての設計上の制約を受けるために、この面
からの画期的な改善は難しかった。
【0014】そこで本発明者らは、さらに液晶材料の物
性とプレチルト角αなどの素子構成の組み合わせをそれ
ぞれ独立に操作して多くの検討を行ったところ、プレチ
ルト角αの方向性を制御することによってセル内での液
晶の移動現象を防ぐことができることを見出し、これに
よって本発明を完成させたのである。
【0015】即ち、上述の検証事項に基づいて考察,実
証した本発明の要旨は、液晶の正味の移動方向成分をな
くし、且つ良好なユニフォーム配向を実現したものであ
り、具体的には、本発明の第一,第二においては、LB
膜配向膜の有しているプレチルト角の方向性を、LB膜
配向膜に対して強度を制御した配向処理を施すことによ
って打ち消すことにより、また本発明の第三,第四にお
いては、配向処理によって生じた配向膜の有するプレチ
ルト角の方向性を、さらにこの上に成膜したLB膜配向
膜の有しているプレチルト角の方向性によって打ち消す
ことによって、液晶の移動を完全に抑制し得たものであ
る。
【0016】以下に本発明を詳細に説明する。
【0017】図2は、本発明第一,第二の代表的な素子
の断面図を示したものであり、図中、21,21’はガ
ラス基板、22,22’は酸化スズ、酸化インジウム、
酸化インジウムスズ等からなる透明電極、23,23’
は配向処理が施されたLB膜配向膜、24はシリカ等の
ビーズからなるスペーサ、25は強誘電性液晶、26,
26’は偏光板である。この図には記載していないが、
必要に応じて、透明電極とLB膜配向膜の間に上下基板
のショート防止層として、Ta25 ,TiSiOx
の絶縁膜を設けても良い。
【0018】次に、LB膜配向膜23,23’について
詳述する。
【0019】図4は、LB膜の成膜装置の概略図であ
る。例えば、ポリイミドの場合には、ポリアミック酸の
アルキルアンモニウム塩溶液を水槽31に滴下し、水面
上に単分子膜を展開する。これに対して、バリア32で
所望の圧力をかけながら基板33を水面に対して上下す
ることによって、水面上の単分子膜が基板上に移され
る。他の材料の場合にもこれと同様にして基板上にLB
膜を成膜することができる。
【0020】このようにして成膜されるLB膜配向膜
は、分子軸方向が成膜時の基板の移動方向に揃ってお
り、ラビング等の処理をしなくても液晶分子を一軸配向
させることができる。例えば、ポリイミドの様な場合に
は、ポリアミック酸LB膜を成膜した後に焼成すること
が必要であるが、この様な処理を行っても高分子の軸性
は保持され、液晶分子を一軸配向させることが可能であ
る。
【0021】また、このようなLB膜配向膜を用いた場
合も、ラビング等の配向処理を行った場合と同様に、界
面において液晶分子は図5の様にプレチルト角を有する
ことが知られており、その方向性は、成膜時に基板を動
かした方向、例えばY型(基板を引き上げる際と押し込
む際の両方で基板上にLB膜が成膜されるもの)のマル
チレイヤーの場合には最後の一層を成膜する際に基板を
動かした方向で決定されることが本発明者らの研究で明
らかになっている。
【0022】次に、この様にしてLB膜配向膜を堆積さ
せた基板に対して、LB膜の全ての層、もしくは最後の
1層を成膜する際の基板の移動方向と逆の方向に、ラビ
ング処理等の配向処理を行う。LB膜の配向規制力は、
一般に通常のラビングにより付与される配向規制力より
も弱く、従って、LB膜によるプレチルト角の方向性を
その後の配向処理によって打ち消すという本発明第一,
第二の目的のためには、LB膜に対して施す配向処理の
強度は、通常のスピンコート膜等に対して施す配向処理
よりも弱いことが望ましい。
【0023】図2に示した本発明第一,第二の液晶表示
素子は、以上述べた様にしてLB膜を成膜した後に配向
処理を行った基板を用いて作製されている。
【0024】図3は、本発明第三,第四の代表的な素子
の断面図を示したものであり、図中、図2と同一符号で
示したものは同等部材であり、27,27’は配向処理
の施された配向膜である。
【0025】本発明第三,第四の素子では、透明電極を
形成したガラス基板にポリイミド等の配向膜をスピンコ
ート等によって形成し、この配向膜に対して配向処理を
行う。この配向処理は、一軸配向性を付与する目的の他
に、後に成膜するLB膜配向膜によるプレチルト角の方
向性を打ち消すという目的をも有しており、先述したよ
うにLB膜の配向規制力は、一般に通常のラビングによ
り付与される配向規制力よりも弱いために、通常の液晶
セルを作製する場合に配向膜に対して行う配向処理より
も弱くすることが望ましい。この様に配向処理を行った
配向膜上にさらにLB膜配向膜を成膜する。
【0026】本発明第三,第四においても、先述した本
発明第一,第二と同様にしてLB膜配向膜を成膜する。
但し、本発明第三,第四ではLB膜配向膜にさらに配向
処理を施すことはしない。
【0027】先述したLB膜配向膜の配向特性を考慮し
て、本発明の第三,第四においては、配向膜の上にLB
膜配向膜を成膜する際に、LB膜の全ての層、もしくは
最後の1層を成膜する際の基板の方向を、配向膜への配
向処理方向と逆向きにし、且つLB膜の成膜条件と配向
処理の強度とを最適化することによりプレチルト角の方
向性を打ち消すことができる。
【0028】図3に示した本発明第三,第四の液晶表示
素子は、以上述べた様にして配向処理を行った配向膜上
にLB膜を成膜した基板を用いて作製されている。
【0029】尚、本発明においては、前述したLB膜の
層数は1層〜50層程度であることが望ましい。
【0030】本発明の素子に注入される強誘電性液晶と
しては、カイラルスメクチック相状態のものを用いるこ
とができ、具体的には、カイラルスメクチックC相(S
mC* 相)、H相(SmH* 相)、I相(SmI*
相)、K相(SmK* 相)、G相(SmG* 相)の液晶
を用いることができ、例えば特開平2−142753号
公報記載のフッ素含有液晶化合物ほかの材料を用い得
る。例として挙げれば、主鎖としてビフェニル系、フェ
ニルピリミジン系等、また側鎖にハロゲン、ハイドロカ
ーボン、フルオロカーボン等を有するものなど数々存在
するが、本発明においては具体的材料種の選択の自由度
は大きい。
【0031】本発明第一,第二の液晶表示素子において
は、液晶の移動挙動は、LB膜の層数、成膜速度(=基
板の移動速度)、及びLB膜に対して行う配向処理の強
度に依存し、本発明第三,第四においては、配向膜に対
して行う配向処理の強度、その上に成膜するLB膜の層
数、成膜速度(=基板の移動速度)に依存する。
【0032】図6は、本発明第一,第二の液晶表示素子
において、LB膜の層数及び成膜速度を変化させずに配
向処理強度のみを変化させた場合の液晶移動速度の変化
を示した図である。また、図7は、本発明第三,第四の
液晶表示素子において、配向膜に対して行う配向処理強
度を変化させ、その上に同じ条件でLB膜を成膜した場
合の液晶移動速度の変化を示した図である。
【0033】液晶の移動速度の測定は、図8に示す様
に、配向処理を施した基板を、下駄状に印刷されたシー
ル材63と配向処理方向60が直交するように貼り合わ
せ、液晶を注入したサンプルを用いて行う。この素子の
両側の解放端に液晶移動方向を見るためのマーカーとし
てシリコンオイル64を垂らし、液晶分子軸が配向処理
方向60に対して方向61または61’となるように書
き込み波形を入力する。この駆動によって液晶が移動す
ると、マーカーはセル内に引き込まれ、液晶の移動を確
認することができる。
【0034】この場合、図1において、LB膜成膜時
に、LB膜の全ての層、もしくは最後の1層を成膜した
際の基板の移動方向を10の方向とし、液晶分子が11
の状態にある時に12の方向に移動する場合を正の方向
とした。
【0035】図6,図7に示されるように、液晶の移動
方向は、ある配向処理条件のポイントを境にして逆転し
ている。この点が液晶の移動速度が0となる点であり、
この点は、本発明第一,第二においては、LB膜の堆積
速度、層数、及びLB膜に対して行う配向処理の強度の
相対的関係で決定し、本発明第三,第四においては、配
向膜に対して行う配向処理の強度と、その上に成膜する
LB膜の堆積速度、層数の相対的関係で決定する。そし
て、素子の配向材の全面にわたって移動速度0の点の条
件が満たされていれば、液晶分子の移動は起こらず、安
定したスイッチング特性を有する素子を得られることに
なる。
【0036】この時の界面における液晶分子の配向状態
を調べるために、プレチルト角の測定を行った。プレチ
ルト角は、Jpn.J.Appl.Phys.Vo.1
19(1980)No.10.Short Notes
2013 に記載されている方法(クリスタルローテ
ーション法)に従って求めた。なお、上下界面での液晶
の傾きが平行、且つ同一方向になるように、本発明第
一,第二に係る測定用のセルでは、LB膜に対して施す
配向処理の方向が上下基板で互いに反平行になるよう
に、また、本発明第三,第四に係る測定用にセルでは、
LB膜の全ての層もしくは最後の一層を成膜する際に基
板を動かした方向が上下基板で互いに反平行になるよう
に、2枚の基板を貼り合わせて作製した。プレチルト角
測定用の液晶としては、チッソ社製強誘電性液晶CS−
1014に以下の構造式で示される化合物を重量比で2
0%混合したものを標準液晶として封入し、測定を行っ
た。なお、この混合液晶は、10℃〜55℃でSmA*
相を示す。
【0037】
【化1】
【0038】測定法は、液晶セルを上下基板に垂直かつ
配向処理軸を含む面内で回転させながら、回転軸と45
°の角度をもつヘリウム−ネオンレーザー光を回転軸に
垂直な方向から照射して、その反対側で入射偏光面と平
行な透過軸をもつ偏光板を通してフォトダイオードで透
過光強度を測定した。干渉によってできた透過光強度の
双曲線群の中心となる角と液晶セルに垂直な線との成す
角をφX とし、次式に代入してプレチルト角αを求め
た。
【0039】
【数1】
【0040】その結果、本発明において液晶の移動が観
測されなかった素子の条件では、クリスタルローテーシ
ョン法で観測される平均的なプレチルト角が0°になっ
ていることが判明した。このことから、本発明の構成で
基板面内のプレチルトの方向性を打ち消すことにより、
液晶移動を0にすることが可能であることが示された。
【0041】本発明は、特に、基板面内でのプレチルト
角が小さい場合に有効であり、プレチルト角が5°程度
以下、さらに好ましくは3°以下の場合に特に配向が良
好でコントラストの高い素子が得られる。
【0042】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0043】[実施例1]図2に示したような本発明の
液晶表示素子を以下のようにして作製した。
【0044】先ず、900Åの膜厚のITO透明電極を
1.1mmの厚さのガラス基板にスパッタにより形成し
た。
【0045】次に、図3に示したようなLB膜成膜装置
に純水を満たし、その上にポリアミック酸アルキルアン
モニウム塩AのNMP溶液を滴下し、水面上に単分子膜
を形成する。そして、バリア32で30mN/mの表面
圧をかけながら基板を水中より引き上げてLB膜を成膜
した。成膜速度、すなわち基板を上下させる速度は、8
mm/minで行った。本実施例では、基板を水中より
引き上げる場合にのみLB膜が累積されるようにして、
層数を5層、10層、20層の3通りに変化させた。こ
れらのLB膜を200℃で焼成してLB膜配向膜とし
た。
【0046】このそれぞれに対して、以下に示す条件で
ラビングを行った。ラビング布としてはナイロンを用
い、ラビングローラーの径は85mmのものを用いた。
また、ラビングを施さない試料も作製し、比較に用い
た。なお、ラビング方向は、LB膜を成膜する際に基板
を動かした方向と逆向きとした。
【0047】(ラビング条件) 押し込み量[mm] :0.3 ローラー回転数[rpm]:40,60,80,10
0,120 ステージ速度[mm/s]:50 繰り返し回数[回] :1
【0048】以上の条件で作製した基板を用いて試料セ
ルを作製した。
【0049】作製したセルは、上下基板でラビング方向
が互いに略平行になるようにした平行セル、略反平行に
なるようにした反平行セル、及び片側の基板のみにLB
膜配向膜を形成しラビングを施しもう一方の基板には配
向材を形成せずに垂直配向処理を施した非対称セルの3
種類に大別され、それぞれに対して3通りのLB膜層数
と6通りのラビング条件(ラビングなしを含む)のもの
がある。セルギャップは全ての試料とも2μmとした。
【0050】各セルは、駆動に伴う液晶の移動方向を見
るために、図8に示したように下駄状に印刷されたシー
ル材63とラビング方向60が直交するように貼り合わ
されており、これに液晶を注入してサンプルとした。
【0051】注入した液晶は、 Crystal → SmC* → SmA → Is
o. という相転移系列を有する混合液晶Aで、この混合液晶
Aは、30℃の温度条件下でSmC* 相を示し、チルト
角Θが25°以上、自発分極が20μC/cm2という
特性を有するものである。
【0052】注入後、温度を室温まで戻し、SmC*
での配向状態を観察した結果、作製した全ての素子とも
に欠陥の少ない良好なユニフォーム配向状態を示し、見
かけのチルト角θaは平均で21°と大きかった。
【0053】図8に示す様に、この素子の両側の解放端
に液晶移動方向を見るためのマーカーとしてシリコンオ
イル64を垂らし、液晶分子軸が配向処理方向60に対
して方向61または61’となるように書き込み波形を
入力する。書き込み波形は、パルス幅30μsec、1
/3バイアス、1/1000デューティーの波形62,
62’で、書き込みパルス電圧を20Vとし、閾値の
1.2倍のパルス幅で検討した。また、液晶の移動速度
は、5時間後のマーカーの侵入距離から算出した。
【0054】その結果を図9に示す。この図は、反平行
セルに関する結果である。この図からわかるように、ラ
ビングを施さない場合(ローラー回転数=0)には液晶
の移動速度は比較的大きいが、適当な強度(ローラー回
転数)でLB膜成膜時の基板の移動方向と逆向きにラビ
ングすることによって、液晶の移動速度をほぼ0にする
ことができた。なお、平行セル、非対称セルともこれと
ほぼ同じ特性を示した。
【0055】また、前述の3通りのLB膜層数と6通り
のラビング条件(ラビングなしを含む)で反平行セルを
プレチルト角の測定用として別途作製し、前述した液晶
を注入してクリスタルローテーション法によって各試料
の平均的なプレチルト角の変化を測定した。その結果を
図10に示す。
【0056】図9及び図10より、液晶の移動速度がほ
ぼ0となっている試料の場合には、クリスタルローテー
ション法で観測される平均的プレチルト角はほぼ0°と
なっていることがわかる。
【0057】本実施例において液晶移動が確認されなか
った試料は、駆動電圧、温度を変化させた場合にも液晶
の移動は起こらず、安定したスイッチング挙動を示し
た。
【0058】また、本実施例において、完全に液晶の移
動を0にすることができなかったLB膜層数の異なる試
料に関しても、ラビング強度(ローラー回転数)を最適
化することによって液晶の移動を完全に止めることがで
きた。
【0059】[実施例2]本実施例では実施例1で用い
たものと同じ電極基板を用いた。そして、実施例1と同
様に、LB膜成膜装置に純水を満たし、その上にポリア
ミック酸アルキルアンモニウム塩BのNMP溶液を滴下
し、水面上に単分子膜を形成する。そして、バリア32
で30mN/mの表面圧をかけながら基板を上下させて
LB膜を成膜した。成膜速度、すなわち基板を上下させ
る速度は、8mm/minで行った。本実施例では、基
板を水中より引き上げる場合と水中に基板を押し入れる
場合の両方でLB膜が累積されるようにして、層数を6
層、10層、20層の3通りに変化させた。これらのL
B膜を220℃で焼成してLB膜配向膜とした。
【0060】このそれぞれに対して、以下に示す条件で
ラビングを行った。ラビング布、ローラーとも実施例1
と同じものを用いた。また、ラビングを施さない試料も
作製し、比較に用いた。なお、ラビング方向は、LB膜
の最後の一層を成膜する際に基板を動かした方向と逆向
きとした。
【0061】(ラビング条件) 押し込み量[mm] :0.2 ローラー回転数[rpm]:20,40,60,80,
100 ステージ速度[mm/s]:50 繰り返し回数[回] :1
【0062】以上の条件で作製した基板を用いて試料セ
ルを作製した。
【0063】作製したセルは、実施例1と同様、平行セ
ル、反平行セル、非対称セルの3種類に大別され、それ
ぞれに対して3通りのLB膜層数と6通りのラビング条
件(ラビングなしを含む)のものがある。セルギャップ
は全ての試料とも2μmとした。
【0064】各セルは、駆動に伴う液晶の移動方向を見
るために、図8に示したように下駄状に印刷されたシー
ル材63とラビング方向60が直交するように貼り合わ
されており、これらのセルに実施例1と同じ強誘電性液
晶を注入し、SmC* 相での配向状態を観察した結果、
作製した全ての素子ともに欠陥の少ない良好なユニフォ
ーム配向状態を示し、見かけのチルト角θaは平均で2
1°と大きかった。
【0065】これらの試料に対して、実施例1と同様に
して駆動に伴う液晶の移動速度を観測した。駆動条件は
実施例1と同じである。
【0066】その結果を図11に示す。この図は、両基
板に10層のLB膜配向膜が存在する反平行セルに関す
る結果である。この図からわかるように、ラビングを施
さない場合(ローラー回転数=0)には液晶の移動速度
は比較的大きいが、適当な強度(ローラー回転数)でL
B膜成膜時の最後の一層を成膜する際の基板の移動方向
と逆向きにラビングすることによって、液晶の移動速度
をほぼ0にすることができた。なお、平行セル、非対称
セルともこれとほぼ同じ特性を示した。また、LB膜の
層数が異なってもほぼ同じ結果が得られた。
【0067】また、前述の3通りのLB膜層数と6通り
のラビング条件(ラビングなしを含む)で反平行セルを
プレチルト角の測定用として別途作製し、前述した液晶
を注入してクリスタルローテーション法によって各試料
の平均的なプレチルト角の変化を測定した。LB膜が1
0層の試料に関する結果を図12に示す。
【0068】図11及び図12より、液晶の移動速度が
ほぼ0となっている試料の場合には、クリスタルローテ
ーション法で観測される平均的プレチルト角はほぼ0°
となっていることがわかる。
【0069】本実施例においても、液晶移動が確認され
なかった試料は、駆動電圧、温度を変化させた場合にも
液晶の移動は起こらず、安定したスイッチング挙動を示
した。
【0070】[実施例3]本実施例では実施例1で用い
たものと同じ電極基板を用いた。この基板にポリアミッ
ク酸AのNMP溶液をスピンコートにより塗布し、焼成
してポリイミド配向膜Aとした。このようにして形成し
た配向膜に対して、以下に示す条件でラビングを行っ
た。ラビング布、ローラーとも実施例1と同じものを用
いた。また、ラビングを施さない試料も作製し、比較に
用いた。
【0071】(ラビング条件) 押し込み量[mm] :0.3 ローラー回転数[rpm]:40,60,80,10
0,120 ステージ速度[mm/s]:50 繰り返し回数[回] :1
【0072】次に、このようにして配向処理を行った配
向膜上にLB膜を成膜した。
【0073】即ち、実施例1と同様に、LB膜成膜装置
に純水を満たし、その上にポリアミック酸アルキルアン
モニウム塩AのNMP溶液を滴下し、水面上に単分子膜
を形成する。そして、バリア32で30mN/mの表面
圧をかけながら、ラビング方向が下向きになるように固
定された配向膜の形成された基板を水中より引き上げて
LB膜を成膜した。成膜速度、すなわち基板を上下させ
る速度は、8mm/minで行った。本実施例では、基
板を水中より引き上げる場合のみLB膜が累積されるよ
うにして、層数を5層、10層、20層の3通りに変化
させた。これらのLB膜を200℃で焼成してLB膜配
向膜とした。
【0074】以上の条件で作製した基板を用いて試料セ
ルを作製した。
【0075】作製したセルは、上下基板でLB膜成膜時
の基板の移動方向が互いに略平行になるようにした平行
セル、略反平行になるようにした反平行セル、及び片側
の基板のみに配向膜を形成しラビングした後にLB膜を
成膜しもう一方の基板には配向材を形成せずに垂直配向
処理を施した非対称セルの3種類に大別され、それぞれ
に対して3通りのLB膜層数と6通りのラビング条件
(ラビングなしを含む)のものがある。セルギャップは
全ての試料とも2μmとした。
【0076】各セルは、駆動に伴う液晶の移動方向を見
るために、図8に示したように下駄状に印刷されたシー
ル材63とラビング方向60が直交するように貼り合わ
されており、これらのセルに実施例1と同じ強誘電性液
晶を注入し、SmC* 相での配向状態を観察した結果、
作製した全ての素子ともに欠陥の少ない良好なユニフォ
ーム配向状態を示し、見かけのチルト角θaは平均で2
1°と大きかった。
【0077】これらの試料に対して、実施例1と同様に
して駆動に伴う液晶の移動速度を観測した。駆動条件は
実施例1と同じである。
【0078】その結果を図13に示す。この図は、反平
行セルに関する結果である。この図からわかるように、
下地のポリイミド配向膜にラビングを施さない場合(ロ
ーラー回転数=0)には液晶の移動速度は比較的大きい
が、LB膜を成膜する前に、適当な強度(ローラー回転
数)でLB膜成膜時の基板の移動方向と逆向きにラビン
グしておくことによって、液晶の移動速度を変化させる
ことができ、ラビング強度を最適化することによって移
動速度をほぼ0にすることができることがわかる。な
お、平行セル、非対称セルともこれとほぼ同じ特性を示
した。
【0079】また、前述の3通りのLB膜層数と6通り
のラビング条件(ラビングなしを含む)で反平行セルを
プレチルト角の測定用として別途作製し、前述した液晶
を注入してクリスタルローテーション法によって各試料
の平均的なプレチルト角の変化を測定した。その結果を
図14に示す。
【0080】図13及び図14より、液晶の移動速度が
ほぼ0となっている試料の場合には、クリスタルローテ
ーション法で観測される平均的プレチルト角はほぼ0°
となっていることがわかる。
【0081】本実施例においても、液晶移動が確認され
なかった試料は、駆動電圧、温度を変化させた場合にも
液晶の移動は起こらず、安定したスイッチング挙動を示
した。
【0082】また、本実施例において、完全に液晶の移
動を0にすることができなかったLB膜層数の異なる試
料に関しても、ラビング強度(ローラー回転数)を最適
化することによって液晶の移動を完全に止めることがで
きた。
【0083】[実施例4]本実施例では実施例1で用い
たものと同じ電極基板を用いた。そして、実施例3と同
様に、ポリアミック酸AのNMP溶液スピンコートによ
り塗布し、焼成してポリイミド配向膜Aとした。このよ
うにして形成した配向膜に対して、以下に示す条件でラ
ビングを行った。ラビング布、ローラーとも実施例1と
同じものを用いた。また、ラビングを施さない試料も作
製し、比較に用いた。
【0084】(ラビング条件) 押し込み量[mm] :0.25 ローラー回転数[rpm]:20,40,60,80,
100 ステージ速度[mm/s]:50 繰り返し回数[回] :1
【0085】次に、このようにして配向処理を行った配
向膜上にLB膜を成膜した。
【0086】即ち、実施例3と同様に、LB膜成膜装置
に純水を満たし、その上にポリアミック酸アルキルアン
モニウム塩BのNMP溶液を滴下し、水面上に単分子膜
を形成する。そして、バリア32で30mN/mの表面
圧をかけながら、ラビング方向が下向きになるように固
定された配向膜の形成された基板を上下させてLB膜を
成膜した。成膜速度、すなわち基板を上下させる速度
は、8mm/minで行った。本実施例では、基板を水
中より引き上げる場合と水中に基板を押し入れる場合の
両方でLB膜が累積されるようにして、層数を6層、1
0層、20層の3通りに変化させた。ラビング方向が下
向きになるように基板を固定したので、基板を水中に押
し入れる方向から成膜を開始した場合、偶数層のLB膜
を成膜することによって最後の一層の成膜時の基板の移
動方向と下地のポリイミド配向膜のラビング方向とを逆
向きにすることができる。このようにして成膜したLB
膜を220℃で焼成してLB膜配向膜とした。
【0087】以上のように下地配向膜に対するラビング
強度と、その上に成膜するLB膜の層数とを変化させて
作製した基板を用いて、実施例3と同様な形態の、平行
セル、反平行セル、非対称セルを作製した。セルギャッ
プは全ての試料とも2μmとした。これらのセルに実施
例1と同じ強誘電性液晶を注入し、SmC* 相での配向
状態を観察した結果、作製した全ての素子ともに欠陥の
少ない良好なユニフォーム配向状態を示し、見かけのチ
ルト角θaは平均で21°と大きかった。
【0088】これらの試料に対して、実施例1と同様に
して駆動に伴う液晶の移動速度を観測した。駆動条件は
実施例1と同じである。
【0089】その結果を図15に示す。この図は、両基
板に10層のLB膜配向膜が存在する反平行セルに関す
る結果である。この図からわかるように、下地ポリイミ
ドにラビングを施さない場合(ローラー回転数=0)に
は液晶の移動速度は比較的大きいが、LB膜を成膜する
前に、適当な強度(ローラー回転数)でLB膜成膜時の
最後の一層を成膜する際の基板の移動方向と逆向きに下
地ポリイミドをラビングしておくことによって、液晶の
移動速度をほぼ0にすることができた。なお、平行セ
ル、非対称セルともこれとほぼ同じ特性を示した。ま
た、LB膜の層数が異なってもほぼ同じ結果が得られ
た。
【0090】また、前述の6通りのラビング条件(ラビ
ングなしを含む)と3通りのLB膜層数で反平行セルを
プレチルト角の測定用として別途作製し、前述した液晶
を注入してクリスタルローテーション法によって各試料
の平均的なプレチルト角の変化を測定した。LB膜が1
0層の試料に関する結果を図16に示す。
【0091】図15及び図16より、液晶の移動速度が
ほぼ0となっている試料の場合には、クリスタルローテ
ーション法で観測される平均的プレチルト角はほぼ0°
となっていることがわかる。
【0092】本実施例においても、液晶移動が確認され
なかった試料は、駆動電圧、温度を変化させた場合にも
液晶の移動は起こらず、安定したスイッチング挙動を示
した。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
簡易な構成で、駆動に伴う液晶分子の移動、及び液晶層
の厚みの変動を防止して、良好なスイッチング特性の得
られ、且つ良好なユニフォーム配向を示す液晶表示素子
が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶の移動を説明するための模式図である。
【図2】本発明第一,第二の液晶表示素子の模式的断面
図である。
【図3】本発明第三,第四の液晶表示素子の模式的断面
図である。
【図4】LB膜成膜装置の模式図である。
【図5】LB膜配向膜上での液晶分子のプレチルト角を
説明するための図である。
【図6】本発明第一,第二に係るLB膜配向膜の配向処
理強度を変化させた場合の液晶移動速度の変化を説明す
るための図である。
【図7】本発明第三,第四に係る下地配向膜の配向処理
強度を変化させた場合の液晶移動速度の変化を説明する
ための図である。
【図8】液晶の移動速度の測定法を説明するための模式
図である。
【図9】本発明の実施例1で作製した各素子における液
晶移動速度を示す図である。
【図10】クリスタルローテーション法によって測定さ
れた本発明の実施例1の各素子におけるプレチルト角を
示す図である。
【図11】本発明の実施例2で作製した層数10層のL
B膜配向膜の各素子における液晶移動速度を示す図であ
る。
【図12】クリスタルローテーション法によって測定さ
れた本発明の実施例2で作製した層数10層のLB膜配
向膜の各素子におけるプレチルト角を示す図である。
【図13】本発明の実施例3で作製した各素子における
液晶移動速度を示す図である。
【図14】クリスタルローテーション法によって測定さ
れた本発明の実施例3の各素子におけるプレチルト角を
示す図である。
【図15】本発明の実施例4で作製した層数10層のL
B膜配向膜の各素子における液晶移動速度を示す図であ
る。
【図16】クリスタルローテーション法によって測定さ
れた本発明の実施例4で作製した層数10層のLB膜配
向膜の各素子におけるプレチルト角を示す図である。
【符号の説明】
10 配向処理方向(LB膜成膜時の基板の移動方向) 11,11’ 平均分子軸方向 12 液晶移動方向 13 液晶層の厚みが変化した領域 21,21’ ガラス基板 22,22’ 透明電極 23,23’ LB膜配向膜 24,24’ スペーサ 25 液晶 26,26’ 偏光板 27,27’ 配向膜 31 水槽 32 バリア 33 基板 60 配向処理方向 61,61’ 平均分子軸方向 62,62’ 駆動波形 63 シール材 64 シリコンオイル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を有する一対の基板間に少なくとも
    2つの光学的安定状態を示す強誘電性液晶を挟持してな
    る液晶表示素子において、少なくとも一方の基板上に、
    LB膜もしくは該LB膜材料からの誘導体からなるLB
    膜配向膜が形成されており、該LB膜配向膜に対して、
    さらに配向処理を行うことにより基板面内でのプレチル
    トの方向性を打ち消し、平均的なプレチルト角の大きさ
    をほぼ0°としたことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 電極を有する一対の基板間に少なくとも
    2つの光学的安定状態を示す強誘電性液晶を挟持してな
    る液晶表示素子において、少なくとも一方の基板上に、
    LB膜もしくは該LB膜材料からの誘導体からなるLB
    膜配向膜が形成されており、該LB膜配向膜に対して、
    LB膜の全ての層、もしくは最後の1層を成膜する際の
    基板の移動方向と逆向きの配向処理がなされていること
    を特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記配向処理がなされたLB膜配向膜が
    前記一対の基板の両方に形成されており、該一対の基板
    は配向処理の方向が互いに略平行になるように配置され
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示
    素子。
  4. 【請求項4】 前記配向処理がなされたLB膜配向膜が
    前記一対の基板の両方に形成されており、該一対の基板
    は配向処理の方向が互いに略反平行になるように配置さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表
    示素子。
  5. 【請求項5】 前記配向処理がなされたLB膜配向膜が
    前記一対の基板の一方にのみ形成されており、もう一方
    の基板には、非一軸性表面となるような配向処理が施さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表
    示素子。
  6. 【請求項6】 電極を有する一対の基板間に少なくとも
    2つの光学的安定状態を示す強誘電性液晶を挟持してな
    る液晶表示素子において、少なくとも一方の基板上に、
    配向処理がなされた配向膜が形成されており、さらに該
    配向膜上に、該配向膜による基板面内でのプレチルトの
    方向性を打ち消し平均的なプレチルト角がほぼ0°にな
    るように成膜方向を制御された、LB膜もしくは該LB
    膜材料からの誘導体からなるLB膜配向膜が形成されて
    いることを特徴とする液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 電極を有する一対の基板間に少なくとも
    2つの光学的安定状態を示す強誘電性液晶を挟持してな
    る液晶表示素子において、少なくとも一方の基板上に、
    配向処理がなされた配向膜が形成されており、さらに該
    配向膜上に、全ての層もしくは最後の一層を成膜する際
    の基板の移動方向が前記配向処理の方向と逆向きになる
    ようにして、LB膜もしくは該LB膜材料からの誘導体
    からなるLB膜配向膜が形成されていることを特徴とす
    る液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 前記配向処理がなされた配向膜と前記L
    B膜配向膜が前記一対の基板の両方に形成されており、
    該一対の基板は、前記LB膜の全ての層もしくは最後の
    一層を成膜する際に基板を動かした方向が互いに略平行
    になるように配置されていることを特徴とする請求項6
    又は7記載の液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 前記配向処理がなされた配向膜と前記L
    B膜配向膜が前記一対の基板の両方に形成されており、
    該一対の基板は、前記LB膜の全ての層もしくは最後の
    一層を成膜する際に基板を動かした方向が互いに略反平
    行になるように配置されていることを特徴とする請求項
    6又は7記載の液晶表示素子。
  10. 【請求項10】 前記配向処理がなされた配向膜と前記
    LB膜配向膜が前記一対の基板の一方にのみ形成されて
    おり、もう一方の基板には、非一軸性表面となるような
    配向処理が施されていることを特徴とする請求項6又は
    7記載の液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 前記配向処理が、ラビングによること
    を特徴とする請求項1〜10いずれかに記載の液晶表示
    素子。
  12. 【請求項12】 前記2つの光学的安定状態間の広がり
    角の1/2を見かけのチルト角θaとしたとき、θaと
    前記強誘電性液晶のチルト角(コーン角)Θとの関係
    が、Θ/2<θa≦Θとなることを特徴とする請求項1
    〜11いずれかに記載の液晶表示素子。
JP13966694A 1994-05-31 1994-05-31 液晶表示素子 Withdrawn JPH07325304A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6151090A (en) * 1995-05-31 2000-11-21 Casio Computer Co., Ltd. LCD using liquid crystal of ferroelectric and/or antiferroelectric phase having pretilt angle of 1 degree or less
JP2008195609A (ja) * 1999-01-07 2008-08-28 Canon Inc メソ構造体及びシリカメソ構造体

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