JPH06102526A - 光学変調素子 - Google Patents
光学変調素子Info
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- JPH06102526A JPH06102526A JP2333592A JP2333592A JPH06102526A JP H06102526 A JPH06102526 A JP H06102526A JP 2333592 A JP2333592 A JP 2333592A JP 2333592 A JP2333592 A JP 2333592A JP H06102526 A JPH06102526 A JP H06102526A
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- Japan
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- liquid crystal
- flc
- films
- hysteresis
- film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 強誘電性液晶を用いた光学変調素子における
中間調表示を行なう際の表示の不安定性やヒステリシス
を排除する。 【構成】 強誘電液晶16と、該液晶を挟持する一対の
電極基板11と、少なくとも一方の該電極と前記液晶と
の間に該液晶を配向させるための配向膜14とを有する
光学変調素子において、前記配向膜の表面を、少なくと
も一点は該電極と接する金属被膜15で覆う。
中間調表示を行なう際の表示の不安定性やヒステリシス
を排除する。 【構成】 強誘電液晶16と、該液晶を挟持する一対の
電極基板11と、少なくとも一方の該電極と前記液晶と
の間に該液晶を配向させるための配向膜14とを有する
光学変調素子において、前記配向膜の表面を、少なくと
も一点は該電極と接する金属被膜15で覆う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子の素子構成
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶(FLC)は、自発分極を
有する液晶として、その応答性、メモリ性等の利点が注
目され、表示素子、ライトバルブ等の用途のために積極
的に開発されている。上記利点を生かしたターゲットと
しては、光シャッタアレイ、単純マトリクス駆動による
高精細表示装置、光導電体と組み合わせた高密度記録の
ライトバルブ等が挙げられる。
有する液晶として、その応答性、メモリ性等の利点が注
目され、表示素子、ライトバルブ等の用途のために積極
的に開発されている。上記利点を生かしたターゲットと
しては、光シャッタアレイ、単純マトリクス駆動による
高精細表示装置、光導電体と組み合わせた高密度記録の
ライトバルブ等が挙げられる。
【0003】またさらに薄膜トランジスタ(TFT)等
を用いたアクティブマトリクス駆動による動画表示にも
期待されている。液晶アクティブマトリクス駆動とは、
画素毎にマトリクス配置したTFTにゲートオンパルス
を印加してソースとドレイン間を導通状態としたとき、
映像画像信号をソースから印加することにより信号はキ
ャパシタに蓄積され、この蓄積された画像信号に対応し
て液晶(例えばツイストネマチック(TN)液晶)を駆
動するものである。この特性を用いて映像信号の電圧を
変調することによって階調表示を行なっている。
を用いたアクティブマトリクス駆動による動画表示にも
期待されている。液晶アクティブマトリクス駆動とは、
画素毎にマトリクス配置したTFTにゲートオンパルス
を印加してソースとドレイン間を導通状態としたとき、
映像画像信号をソースから印加することにより信号はキ
ャパシタに蓄積され、この蓄積された画像信号に対応し
て液晶(例えばツイストネマチック(TN)液晶)を駆
動するものである。この特性を用いて映像信号の電圧を
変調することによって階調表示を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TN液
晶あるいはSTN(スーパーツイステッド・ネマチッ
ク)液晶を用いたアクティブマトリクス駆動方式のテレ
ビジョンパネルでは応答速度が数百ミリ秒と遅く、今後
期待されるEDさらにはHD対応のテレビ駆動に用いた
場合、残像が残る等の欠点が生じるという問題点があ
る。
晶あるいはSTN(スーパーツイステッド・ネマチッ
ク)液晶を用いたアクティブマトリクス駆動方式のテレ
ビジョンパネルでは応答速度が数百ミリ秒と遅く、今後
期待されるEDさらにはHD対応のテレビ駆動に用いた
場合、残像が残る等の欠点が生じるという問題点があ
る。
【0005】一方、双安定性を有する強誘電性液晶(F
LC)は、数百μ秒と応答が速いので、このようなFL
Cをテレビの階調駆動に用いる試みが最近なされはじめ
ている。
LC)は、数百μ秒と応答が速いので、このようなFL
Cをテレビの階調駆動に用いる試みが最近なされはじめ
ている。
【0006】その方式の一例としてFLCの電荷制御駆
動がある。これはFLCのドメイン反転面積(a)と注
入電荷量(Q)との間に
動がある。これはFLCのドメイン反転面積(a)と注
入電荷量(Q)との間に
【0007】
【数1】 なる相関があることを利用したもので、FLCの各画素
ごとに反転面積に相当する電荷量を注入することで階調
表示を行なうというものである。
ごとに反転面積に相当する電荷量を注入することで階調
表示を行なうというものである。
【0008】上記電荷制御駆動は、双安定性を持つFL
Cを用いた階調表示には非常に有効な手段であるが、同
時にいくつかの欠点を有する。
Cを用いた階調表示には非常に有効な手段であるが、同
時にいくつかの欠点を有する。
【0009】その一つに、電圧−透過率特性におけるヒ
ステリシス現象がある。以下その現象を図を用いて説明
する。
ステリシス現象がある。以下その現象を図を用いて説明
する。
【0010】図7は、一般に用いられるFLC素子の構
成図である。図7において、11は基板、12は透明導
電層、13は絶縁層、14は配向層、16はFLC層で
ある。
成図である。図7において、11は基板、12は透明導
電層、13は絶縁層、14は配向層、16はFLC層で
ある。
【0011】図8は、FLCを用いてアクティブマトリ
クス電荷制御駆動で階調表示を行なう時の等価回路であ
る。図中、T11,T12,T21,T22はアクティブマトリ
クス駆動のスイッチング素子に用いる薄膜トランジスタ
(TFT)を示している。LC11,LC12,LC21,L
C22はそれぞれ薄膜トランジスタT11,T12,T21,T
22のドレイン電極D11,D12,D21,D22と対向電極8
とによって挟持されたFLCからなる画素である。
C11,C12,C21,C22はゲート線1a,1a’とドレ
イン電極D11,D12,D21,D22とによって形成される
駆動信号電荷蓄積用のコンデンサを示している。3は情
報信号線である。
クス電荷制御駆動で階調表示を行なう時の等価回路であ
る。図中、T11,T12,T21,T22はアクティブマトリ
クス駆動のスイッチング素子に用いる薄膜トランジスタ
(TFT)を示している。LC11,LC12,LC21,L
C22はそれぞれ薄膜トランジスタT11,T12,T21,T
22のドレイン電極D11,D12,D21,D22と対向電極8
とによって挟持されたFLCからなる画素である。
C11,C12,C21,C22はゲート線1a,1a’とドレ
イン電極D11,D12,D21,D22とによって形成される
駆動信号電荷蓄積用のコンデンサを示している。3は情
報信号線である。
【0012】上記回路を用いて各画素に図9(a)のよ
うな駆動波形で1周期16.7mS(60Hz)のリセ
ットパルス91と各階調に応じた書き込みパルス92を
印加すると、図9(b)に示すような透過率(T)を生
ずる。このときの93で示す透過率がほぼ92の書き込
みパルスに対応する透過率である。
うな駆動波形で1周期16.7mS(60Hz)のリセ
ットパルス91と各階調に応じた書き込みパルス92を
印加すると、図9(b)に示すような透過率(T)を生
ずる。このときの93で示す透過率がほぼ92の書き込
みパルスに対応する透過率である。
【0013】このような駆動波形で書き込みパルス92
に対する透過率93をプロットしたものが上述した電圧
−透過率特性である。その一例を図10に示す。図から
明らかなように、電圧昇圧時104と降圧時105との
間で透過率の異なるいわゆるヒステリシス現象が認めら
れる。
に対する透過率93をプロットしたものが上述した電圧
−透過率特性である。その一例を図10に示す。図から
明らかなように、電圧昇圧時104と降圧時105との
間で透過率の異なるいわゆるヒステリシス現象が認めら
れる。
【0014】上記ヒステリシス現象を定性的に説明した
のが図11である。図11(a)は図10の104に相
当している。すなわち、黒ドメインを減少させる方向に
駆動する場合であり、“黒”のくせのついている部分を
“白”に反転させなければならない。同様に、図11
(b)は図10の105に相当し、黒ドメインを増加さ
せる方向で、“白”のくせのついている部分を“黒”に
反転させなければならない。
のが図11である。図11(a)は図10の104に相
当している。すなわち、黒ドメインを減少させる方向に
駆動する場合であり、“黒”のくせのついている部分を
“白”に反転させなければならない。同様に、図11
(b)は図10の105に相当し、黒ドメインを増加さ
せる方向で、“白”のくせのついている部分を“黒”に
反転させなければならない。
【0015】以上に述べたように、図9(a)のような
駆動法で電荷制御方式により階調表示を行なう場合、必
然的に電圧−透過率特性にヒステリシス現象が生じる。
駆動法で電荷制御方式により階調表示を行なう場合、必
然的に電圧−透過率特性にヒステリシス現象が生じる。
【0016】さらに加えて、上記のようなアクティブマ
トリクス駆動を行なった場合、駆動時の長時間にわたる
直流電圧成分の連続印加により、液晶の応答が阻害され
るという問題も生じる。この原因としては、上記直流成
分により、またFLC自身の自発分極により、液晶内部
にイオンの偏在が誘起され、これが電界を形成するため
と考えられる。
トリクス駆動を行なった場合、駆動時の長時間にわたる
直流電圧成分の連続印加により、液晶の応答が阻害され
るという問題も生じる。この原因としては、上記直流成
分により、またFLC自身の自発分極により、液晶内部
にイオンの偏在が誘起され、これが電界を形成するため
と考えられる。
【0017】図9(a)に示す駆動波形を印加した場合
に生ずる現象を図12に示す。図12より、くり返しパ
ルス印加により透過率が次第に減少する様子が明確にわ
かる。
に生ずる現象を図12に示す。図12より、くり返しパ
ルス印加により透過率が次第に減少する様子が明確にわ
かる。
【0018】図12を用いてこの現象を説明する。図9
(a)に示す波形では液晶から見て幾何学的にはプラス
の直流成分が過剰に印加される。図13は、この直流成
分がどのように液晶に作用するかを示している。図13
において、プラスの直流成分の印加により、絶縁層部1
3と液晶部分16との間に電荷の蓄積が起こり、この電
荷蓄積成分による液晶分圧がマイナス方向となり、この
結果、次第に“白”書込みがされ難くなる。
(a)に示す波形では液晶から見て幾何学的にはプラス
の直流成分が過剰に印加される。図13は、この直流成
分がどのように液晶に作用するかを示している。図13
において、プラスの直流成分の印加により、絶縁層部1
3と液晶部分16との間に電荷の蓄積が起こり、この電
荷蓄積成分による液晶分圧がマイナス方向となり、この
結果、次第に“白”書込みがされ難くなる。
【0019】以上のようなヒステリシス現象や直流成分
による不安定性はアクティブマトリクス方式で階調表示
を行なう場合、画素表示電圧が一義的に決められないた
め、非常に大きな問題となっている。
による不安定性はアクティブマトリクス方式で階調表示
を行なう場合、画素表示電圧が一義的に決められないた
め、非常に大きな問題となっている。
【0020】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
もので、強誘電性液晶を用いた光学変調素子において、
中間調表示を行なう際の表示の不安定性やヒステリシス
を排除することを目的とする。
もので、強誘電性液晶を用いた光学変調素子において、
中間調表示を行なう際の表示の不安定性やヒステリシス
を排除することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、強誘電液晶と、該液晶を挟持する一対
の電極基板と、少なくとも一方の該電極と前記液晶との
間に該液晶を配向させるための配向膜とを有する光学変
調素子であって、前記配向膜の表面が、少なくとも一点
は該電極と接する金属被膜で覆われていることを特徴と
する。
め、本発明では、強誘電液晶と、該液晶を挟持する一対
の電極基板と、少なくとも一方の該電極と前記液晶との
間に該液晶を配向させるための配向膜とを有する光学変
調素子であって、前記配向膜の表面が、少なくとも一点
は該電極と接する金属被膜で覆われていることを特徴と
する。
【0022】本発明の好ましい実施例において、前記配
向膜は、斜方蒸着で作製される。
向膜は、斜方蒸着で作製される。
【0023】
【作用】本発明者らは、FLCの中間調表示において、
不安定性やヒステリシスが排除され、外部印加電圧に対
し再現性良く決定されるためには、液晶と配向膜界面付
近等に蓄積した電荷をキャンセルする必要があることを
見出した。
不安定性やヒステリシスが排除され、外部印加電圧に対
し再現性良く決定されるためには、液晶と配向膜界面付
近等に蓄積した電荷をキャンセルする必要があることを
見出した。
【0024】本発明によれば、上述のように電極と液晶
との間を導電的に構成したため、FLC中間調表示にお
いて問題となっていたイオンの偏在および電荷の蓄積を
キャンセルすることが可能となり、従来のポリイミドラ
ビング等の絶縁性配向膜のみを用いたものと比較してヒ
ステリシスや不安定性を大幅に減少させた良好な光学変
調素子を提供することができる。
との間を導電的に構成したため、FLC中間調表示にお
いて問題となっていたイオンの偏在および電荷の蓄積を
キャンセルすることが可能となり、従来のポリイミドラ
ビング等の絶縁性配向膜のみを用いたものと比較してヒ
ステリシスや不安定性を大幅に減少させた良好な光学変
調素子を提供することができる。
【0025】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
する。
【0026】実施例1 図1は本発明の一実施例に係る光学変調素子の構成図を
示す。図1において、11はガラス基板、12は透明電
極、14は斜方蒸着膜、15は金属被膜である白金被
膜、16はFLCである。
示す。図1において、11はガラス基板、12は透明電
極、14は斜方蒸着膜、15は金属被膜である白金被
膜、16はFLCである。
【0027】透明電極12は、ガラス上に導電性インジ
ウムスズ酸化物(ITO電極)をスパッタ成膜したもの
である。斜方蒸着膜14は、この透明電極12上にSi
Oを斜方蒸着したものである。
ウムスズ酸化物(ITO電極)をスパッタ成膜したもの
である。斜方蒸着膜14は、この透明電極12上にSi
Oを斜方蒸着したものである。
【0028】実際に行なった斜方蒸着の方法を図2に示
す。図2において、21は電極つきの基板、22はベル
ジャー、23は蒸着方向、24は蒸着源を示す。蒸着物
質としては一酸化ケイ素(SiO)を用い、蒸着にはチ
ムニーるつぼによる抵抗加熱法を用いた。
す。図2において、21は電極つきの基板、22はベル
ジャー、23は蒸着方向、24は蒸着源を示す。蒸着物
質としては一酸化ケイ素(SiO)を用い、蒸着にはチ
ムニーるつぼによる抵抗加熱法を用いた。
【0029】蒸着角度θは85度、蒸着速度は約5Å/
sec、膜厚は2000Åとした。
sec、膜厚は2000Åとした。
【0030】このように作成したSiOカラム表面に、
さらにイオンビームスパッタ(IBS)により白金被膜
を作製した。実際に行なったIBSの方法を図3に示
す。図3において、31は基板、32はベルジャー、3
3はイオンビーム源、34はイオンビーム、35はター
ゲットである。
さらにイオンビームスパッタ(IBS)により白金被膜
を作製した。実際に行なったIBSの方法を図3に示
す。図3において、31は基板、32はベルジャー、3
3はイオンビーム源、34はイオンビーム、35はター
ゲットである。
【0031】スパッタ速度は2Å/min、膜厚は10
〜20Åとした。
〜20Åとした。
【0032】以上のように形成した基板を2枚用意し、
一方の基板にギャップ剤として、1.5μmφシリカビ
ーズを分散し、2枚の基板(上下基板)をその上に形成
されたSiO斜方蒸着膜の蒸着方向が反平行になるよう
に貼り合わせてセルを作成した。
一方の基板にギャップ剤として、1.5μmφシリカビ
ーズを分散し、2枚の基板(上下基板)をその上に形成
されたSiO斜方蒸着膜の蒸着方向が反平行になるよう
に貼り合わせてセルを作成した。
【0033】このようなセルに加熱して粘度を下げたF
LCを真空中で注入し、徐冷することにより良好な配向
をしたFLC素子が得られた。この素子が双安定性およ
びメモリ効果をともに有することを確認した。さらに、
印加電圧−透過率特性を測定した。その結果を図4に従
来例の特性とともに示す。図4において、実線41が本
実施例によるFLC素子の電圧−透過率特性であり、破
線42で示す従来のポリイミド・ラビングセルと比較す
ると、明らかにヒステリシスが減少していることがわか
る。
LCを真空中で注入し、徐冷することにより良好な配向
をしたFLC素子が得られた。この素子が双安定性およ
びメモリ効果をともに有することを確認した。さらに、
印加電圧−透過率特性を測定した。その結果を図4に従
来例の特性とともに示す。図4において、実線41が本
実施例によるFLC素子の電圧−透過率特性であり、破
線42で示す従来のポリイミド・ラビングセルと比較す
ると、明らかにヒステリシスが減少していることがわか
る。
【0034】図5は黒リセット後の放置時間を変化させ
た時の“全白”書込み応答時間の相関を示す。図5にお
いて、51はSiO配向膜および白金被膜を用いた本実
施例の光学変調素子(FLC素子)の応答特性(図4の
41に対応)、52はポリイミドラビング膜を用いた従
来の光学変調素子(図4の42に対応)である。本実施
例によれば、明らかに不安定性が解消していることがわ
かる。
た時の“全白”書込み応答時間の相関を示す。図5にお
いて、51はSiO配向膜および白金被膜を用いた本実
施例の光学変調素子(FLC素子)の応答特性(図4の
41に対応)、52はポリイミドラビング膜を用いた従
来の光学変調素子(図4の42に対応)である。本実施
例によれば、明らかに不安定性が解消していることがわ
かる。
【0035】実施例2 配向膜の材料として酸化亜鉛(ZnO)を用いた他は実
施例1と同様の方法でFLC素子を形成し、評価を行な
った。
施例1と同様の方法でFLC素子を形成し、評価を行な
った。
【0036】その結果、良好なユニフォーム配向が得ら
れ、双安定性、メモリ性があることが確認できた。さら
にヒステリシス、不安定性ともに、ポリイミドラビング
膜を用いた金属被膜の無い従来例と比較して大幅に改善
されていることがわかった。
れ、双安定性、メモリ性があることが確認できた。さら
にヒステリシス、不安定性ともに、ポリイミドラビング
膜を用いた金属被膜の無い従来例と比較して大幅に改善
されていることがわかった。
【0037】実施例3 金属被膜として金(Au)膜を直流スパッタ法により作
製した他は実施例1と同様の方法でFLC素子を形成
し、評価を行なった。
製した他は実施例1と同様の方法でFLC素子を形成
し、評価を行なった。
【0038】実際に用いた作製方法を図6に示す。図6
において、61は基板、62はベルジャー、63は陰極
をかねたターゲット、64は陽極、65は直流電源であ
る。
において、61は基板、62はベルジャー、63は陰極
をかねたターゲット、64は陽極、65は直流電源であ
る。
【0039】スパッタ速度2Å/min、膜厚20Åと
し、素子を形成したところ、均一ユニフォーム配向が得
られた。また、双安定性、メモリ性も確認され、不安定
性、ヒステリシスも大幅に減少していることがわかっ
た。
し、素子を形成したところ、均一ユニフォーム配向が得
られた。また、双安定性、メモリ性も確認され、不安定
性、ヒステリシスも大幅に減少していることがわかっ
た。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電極−液
晶間を導電的にすることにより、FLC中間調表示にお
いて問題となっていたイオンの偏在、電荷の蓄積をキャ
ンセルすることが可能となり、従来のポリイミドラビン
グ配向膜と比較して、ヒステリシス、不安定性が大幅に
減少することできる。
晶間を導電的にすることにより、FLC中間調表示にお
いて問題となっていたイオンの偏在、電荷の蓄積をキャ
ンセルすることが可能となり、従来のポリイミドラビン
グ配向膜と比較して、ヒステリシス、不安定性が大幅に
減少することできる。
【0041】したがって、本発明の光学変調素子を用い
ることにより、高速応答性で高精細のフラットディスプ
レイが形成できるようになる。さらに本発明の光学変調
素子をカラーフィルタと組み合わせることによって、ま
たは本発明の光学変調素子を複数個使用することによっ
て、高精細カラーテレビを構成することができる。
ることにより、高速応答性で高精細のフラットディスプ
レイが形成できるようになる。さらに本発明の光学変調
素子をカラーフィルタと組み合わせることによって、ま
たは本発明の光学変調素子を複数個使用することによっ
て、高精細カラーテレビを構成することができる。
【図1】 本発明の一実施例に係る光学変調素子の構成
図である。
図である。
【図2】 図1における配向膜を作製するための装置の
構成図である。
構成図である。
【図3】 図1における金属被膜を作製するための装置
の構成図である。
の構成図である。
【図4】 図1の光学変調素子と従来の素子の印加電圧
−透過率曲線を示すグラフである。
−透過率曲線を示すグラフである。
【図5】 図1の光学変調素子と従来の素子の黒放置時
間に対する白書込み時間の関係を示すグラフである。
間に対する白書込み時間の関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の金属被膜を作製する他の装置の構成
図である。
図である。
【図7〜13】 それぞれ従来技術の説明図である。
11,21,31,61:基板、12:透明電極、1
4:斜方蒸着膜(配向層)、15:白金被膜(金属被
膜)、16:FLC、22,32,62:ベルジャー、
23:蒸着方向、24:蒸着源、33:イオンビーム
源、34:イオンビーム、35:ターゲット、63:陰
極をかねたターゲット、64:陽極、65:直流電源。
4:斜方蒸着膜(配向層)、15:白金被膜(金属被
膜)、16:FLC、22,32,62:ベルジャー、
23:蒸着方向、24:蒸着源、33:イオンビーム
源、34:イオンビーム、35:ターゲット、63:陰
極をかねたターゲット、64:陽極、65:直流電源。
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 光学変調素子
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子の素子構成
に関する。
に関する。
【従来の技術】強誘電性液晶(FLC)は、自発分極を
有する液晶として、その応答性、メモリ性等の利点が注
目され、表示素子、ライトバルブ等の用途のために積極
的に開発されている。上記利点を生かしたターゲットと
しては、光シャッタアレイ、単純マトリクス駆動による
高精細表示装置、光導電体と組み合わせた高密度記録の
ライトバルブ等が挙げられる。またさらに薄膜トランジ
スタ(TFT)等を用いたアクティブマトリクス駆動に
よる動画表示にも期待されている。液晶アクティブマト
リクス駆動とは、画素毎にマトリクス配置したTFTに
ゲートオンパルスを印加してソースとドレイン間を導通
状態としたとき、映像画像信号をソースから印加するこ
とにより信号はキャパシタに蓄積され、この蓄積された
画像信号に対応して液晶(例えばツイストネマチック
(TN)液晶)を駆動するものである。この特性を用い
て映像信号の電圧を変調することによって階調表示を行
なっている。
有する液晶として、その応答性、メモリ性等の利点が注
目され、表示素子、ライトバルブ等の用途のために積極
的に開発されている。上記利点を生かしたターゲットと
しては、光シャッタアレイ、単純マトリクス駆動による
高精細表示装置、光導電体と組み合わせた高密度記録の
ライトバルブ等が挙げられる。またさらに薄膜トランジ
スタ(TFT)等を用いたアクティブマトリクス駆動に
よる動画表示にも期待されている。液晶アクティブマト
リクス駆動とは、画素毎にマトリクス配置したTFTに
ゲートオンパルスを印加してソースとドレイン間を導通
状態としたとき、映像画像信号をソースから印加するこ
とにより信号はキャパシタに蓄積され、この蓄積された
画像信号に対応して液晶(例えばツイストネマチック
(TN)液晶)を駆動するものである。この特性を用い
て映像信号の電圧を変調することによって階調表示を行
なっている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、TN液
晶あるいはSTN(スーパーツイステッド・ネマチッ
ク)液晶を用いたアクティブマトリクス駆動方式のテレ
ビジョンパネルでは応答速度が数百ミリ秒と遅く、今後
期待されるEDさらにはHD対応のテレビ駆動に用いた
場合、残像が残る等の欠点が生じるという問題点があ
る。一方、双安定性を有する強誘電性液晶(FLC)
は、数百μ秒と応答が速いので、このようなFLCをテ
レビの階調駆動に用いる試みが最近なされはじめてい
る。その方式の一例としてFLCの電荷制御駆動があ
る。これはFLCのドメイン反転面積(a)と注入電荷
量(Q)との間に
晶あるいはSTN(スーパーツイステッド・ネマチッ
ク)液晶を用いたアクティブマトリクス駆動方式のテレ
ビジョンパネルでは応答速度が数百ミリ秒と遅く、今後
期待されるEDさらにはHD対応のテレビ駆動に用いた
場合、残像が残る等の欠点が生じるという問題点があ
る。一方、双安定性を有する強誘電性液晶(FLC)
は、数百μ秒と応答が速いので、このようなFLCをテ
レビの階調駆動に用いる試みが最近なされはじめてい
る。その方式の一例としてFLCの電荷制御駆動があ
る。これはFLCのドメイン反転面積(a)と注入電荷
量(Q)との間に
【数1】 なる相関があることを利用したもので、FLCの各画素
ごとに反転面積に相当する電荷量を注入することで階調
表示を行なうというものである。上記電荷制御駆動は、
双安定性を持つFLCを用いた階調表示には非常に有効
な手段であるが、同時にいくつかの欠点を有する。その
一つに、電圧−透過率特性におけるヒステリシス現象が
ある。以下その現象を図を用いて説明する。図7は、一
般に用いられるFLC素子の構成図である。図7におい
て、11は基板、12は透明導電層、13は絶縁層、1
4は配向層、16はFLC層である。図8は、FLCを
用いてアクティブマトリクス電荷制御駆動で階調表示を
行なう時の等価回路である。図中、T11,T12,T
21,T22はアクティブマトリクス駆動のスイッチン
グ素子に用いる薄膜トランジスタ(TFT)を示してい
る。LC11,LC12,LC21,LC22はそれぞ
れ薄膜トランジスタT11,T12,T21,T22の
ドレイン電極D11,D12,D21,D22と対向電
極8とによって挟持されたFLCからなる画素である。
C11,C12,C21,C22はゲート線1a,1
a’とドレイン電極D11,D12,D21,D22と
によって形成される駆動信号電荷蓄積用のコンデンサを
示している。3は情報信号線である。上記回路を用いて
各画素に図9(a)のような駆動波形で1周期16.7
mS(60Hz)のリセットパルス91と各階調に応じ
た書き込みパルス92を印加すると、図9(b)に示す
ような透過率(T)を生ずる。このときの93で示す透
過率がほぼ92の書き込みパルスに対応する透過率であ
る。このような駆動波形で書き込みパルス92に対する
透過率93をプロットしたものが上述した電圧−透過率
特性である。その一例を図10に示す。図から明らかな
ように、電圧昇圧時104と降圧時105との間で透過
率の異なるいわゆるヒステリシス現象が認められる。上
記ヒステリシス現象を定性的に説明したのが図11であ
る。図11(a)は図10の104に相当している。す
なわち、黒ドメインを減少させる方向に駆動する場合で
あり、“黒”のくせのついている部分を“白”に反転さ
せなければならない。同様に、図11(b)は図10の
105に相当し、黒ドメインを増加させる方向で、
“白”のくせのついている部分を“黒”に反転させなけ
ればならない。以上に述べたように、図9(a)のよう
な駆動法で電荷制御方式により階調表示を行なう場合、
必然的に電圧−透過率特性にヒステリシス現象が生じ
る。さらに加えて、上記のようなアクティブマトリクス
駆動を行なった場合、駆動時の長時間にわたる直流電圧
成分の連続印加により、液晶の応答が阻害されるという
問題も生じる。この原因としては、上記直流成分によ
り、またFLC自身の自発分極により、液晶内部にイオ
ンの偏在が誘起され、これが電界を形成するためと考え
られる。図9(a)に示す駆動波形を印加した場合に生
ずる現象を図12に示す。図12より、くり返しパルス
印加により透過率が次第に減少する様子が明確にわか
る。図12を用いてこの現象を説明する。図9(a)に
示す波形では液晶から見て幾何学的にはプラスの直流成
分が過剰に印加される。図13は、この直流成分がどの
ように液晶に作用するかを示している。図13におい
て、プラスの直流成分の印加により、絶縁層部13と液
晶部分16との間に電荷の蓄積が起こり、この電荷蓄積
成分による液晶分圧がマイナス方向となり、この結果、
次第に“白”書込みがされ難くなる。以上のようなヒス
テリシス現象や直流成分による不安定性はアクティブマ
トリクス方式で階調表示を行なう場合、画素表示電圧が
一義的に決められないため、非常に大きな問題となって
いる。本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもの
で、強誘電性液晶を用いた光学変調素子において、中間
調表示を行なう際の表示の不安定性やヒステリシスを排
除することを目的とする。
ごとに反転面積に相当する電荷量を注入することで階調
表示を行なうというものである。上記電荷制御駆動は、
双安定性を持つFLCを用いた階調表示には非常に有効
な手段であるが、同時にいくつかの欠点を有する。その
一つに、電圧−透過率特性におけるヒステリシス現象が
ある。以下その現象を図を用いて説明する。図7は、一
般に用いられるFLC素子の構成図である。図7におい
て、11は基板、12は透明導電層、13は絶縁層、1
4は配向層、16はFLC層である。図8は、FLCを
用いてアクティブマトリクス電荷制御駆動で階調表示を
行なう時の等価回路である。図中、T11,T12,T
21,T22はアクティブマトリクス駆動のスイッチン
グ素子に用いる薄膜トランジスタ(TFT)を示してい
る。LC11,LC12,LC21,LC22はそれぞ
れ薄膜トランジスタT11,T12,T21,T22の
ドレイン電極D11,D12,D21,D22と対向電
極8とによって挟持されたFLCからなる画素である。
C11,C12,C21,C22はゲート線1a,1
a’とドレイン電極D11,D12,D21,D22と
によって形成される駆動信号電荷蓄積用のコンデンサを
示している。3は情報信号線である。上記回路を用いて
各画素に図9(a)のような駆動波形で1周期16.7
mS(60Hz)のリセットパルス91と各階調に応じ
た書き込みパルス92を印加すると、図9(b)に示す
ような透過率(T)を生ずる。このときの93で示す透
過率がほぼ92の書き込みパルスに対応する透過率であ
る。このような駆動波形で書き込みパルス92に対する
透過率93をプロットしたものが上述した電圧−透過率
特性である。その一例を図10に示す。図から明らかな
ように、電圧昇圧時104と降圧時105との間で透過
率の異なるいわゆるヒステリシス現象が認められる。上
記ヒステリシス現象を定性的に説明したのが図11であ
る。図11(a)は図10の104に相当している。す
なわち、黒ドメインを減少させる方向に駆動する場合で
あり、“黒”のくせのついている部分を“白”に反転さ
せなければならない。同様に、図11(b)は図10の
105に相当し、黒ドメインを増加させる方向で、
“白”のくせのついている部分を“黒”に反転させなけ
ればならない。以上に述べたように、図9(a)のよう
な駆動法で電荷制御方式により階調表示を行なう場合、
必然的に電圧−透過率特性にヒステリシス現象が生じ
る。さらに加えて、上記のようなアクティブマトリクス
駆動を行なった場合、駆動時の長時間にわたる直流電圧
成分の連続印加により、液晶の応答が阻害されるという
問題も生じる。この原因としては、上記直流成分によ
り、またFLC自身の自発分極により、液晶内部にイオ
ンの偏在が誘起され、これが電界を形成するためと考え
られる。図9(a)に示す駆動波形を印加した場合に生
ずる現象を図12に示す。図12より、くり返しパルス
印加により透過率が次第に減少する様子が明確にわか
る。図12を用いてこの現象を説明する。図9(a)に
示す波形では液晶から見て幾何学的にはプラスの直流成
分が過剰に印加される。図13は、この直流成分がどの
ように液晶に作用するかを示している。図13におい
て、プラスの直流成分の印加により、絶縁層部13と液
晶部分16との間に電荷の蓄積が起こり、この電荷蓄積
成分による液晶分圧がマイナス方向となり、この結果、
次第に“白”書込みがされ難くなる。以上のようなヒス
テリシス現象や直流成分による不安定性はアクティブマ
トリクス方式で階調表示を行なう場合、画素表示電圧が
一義的に決められないため、非常に大きな問題となって
いる。本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもの
で、強誘電性液晶を用いた光学変調素子において、中間
調表示を行なう際の表示の不安定性やヒステリシスを排
除することを目的とする。
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、強誘電液晶と、該液晶を挟持する一対
の電極基板と、少なくとも一方の該電極と前記液晶との
間に該液晶を配向させるための配向膜とを有する光学変
調素子であって、前記配向膜の表面が、少なくとも一点
は該電極と接する金属被膜で覆われていることを特徴と
する。本発明の好ましい実施例において、前記配向膜
は、斜方蒸着で作製される。
め、本発明では、強誘電液晶と、該液晶を挟持する一対
の電極基板と、少なくとも一方の該電極と前記液晶との
間に該液晶を配向させるための配向膜とを有する光学変
調素子であって、前記配向膜の表面が、少なくとも一点
は該電極と接する金属被膜で覆われていることを特徴と
する。本発明の好ましい実施例において、前記配向膜
は、斜方蒸着で作製される。
【作用】本発明者らは、FLCの中間調表示において、
不安定性やヒステリシスが排除され、外部印加電圧に対
し再現性良く決定されるためには、液晶と配向膜界面付
近等に蓄積した電荷をキャンセルする必要があることを
見出した。本発明によれば、上述のように電極と液晶と
の間を導電的に構成したため、FLC中間調表示におい
て問題となっていたイオンの偏在および電荷の蓄積をキ
ャンセルすることが可能となり、従来のポリイミドラビ
ング等の絶縁性配向膜のみを用いたものと比較してヒス
テリシスや不安定性を大幅に減少させた良好な光学変調
素子を提供することができる。
不安定性やヒステリシスが排除され、外部印加電圧に対
し再現性良く決定されるためには、液晶と配向膜界面付
近等に蓄積した電荷をキャンセルする必要があることを
見出した。本発明によれば、上述のように電極と液晶と
の間を導電的に構成したため、FLC中間調表示におい
て問題となっていたイオンの偏在および電荷の蓄積をキ
ャンセルすることが可能となり、従来のポリイミドラビ
ング等の絶縁性配向膜のみを用いたものと比較してヒス
テリシスや不安定性を大幅に減少させた良好な光学変調
素子を提供することができる。
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。実施例1 図1は本発明の一実施例に係る光学変調素子の構成図を
示す。図1において、11はガラス基板、12は透明電
極、14は斜方蒸着膜、15は金属被膜である白金被
膜、16はFLCである。透明電極12は、ガラス上に
導電性インジウムスズ酸化物(ITO電極)をスパッタ
成膜したものである。斜方蒸着膜14は、この透明電極
12上にSiOを斜方蒸着したものである。実際に行な
った斜方蒸着の方法を図2に示す。図2において、21
は電極つきの基板、22はベルジャー、23は蒸着方
向、24は蒸着源を示す。蒸着物質としては一酸化ケイ
素(SiO)を用い、蒸着にはチムニーるつぼによる抵
抗加熱法を用いた。蒸着角度θは85度、蒸着速度は約
5Å/sec、膜厚は2000Åとした。このように作
成したSiOカラム表面に、さらにイオンビームスパッ
タ(IBS)により白金被膜を作製した。実際に行なっ
たIBSの方法を図3に示す。図3において、31は基
板、32はベルジャー、33はイオンビーム源、34は
イオンビーム、35はターゲットである。スパッタ速度
は2Å/min、膜厚は10〜20Åとした。以上のよ
うに形成した基板を2枚用意し、一方の基板にギャップ
剤として、1.5μmφシリカビーズを分散し、2枚の
基板(上下基板)をその上に形成されたSiO斜方蒸着
膜の蒸着方向が反平行になるように貼り合わせてセルを
作成した。このようなセルに加熱して粘度を下げたFL
Cを真空中で注入し、徐冷することにより良好な配向を
したFLC素子が得られた。この素子が双安定性および
メモリ効果をともに有することを確認した。さらに、印
加電圧−透過率特性を測定した。その結果を図4に従来
例の特性とともに示す。図4において、実線41が本実
施例によるFLC素子の電圧−透過率特性であり、破線
42で示す従来のポリイミド・ラビングセルと比較する
と、明らかにヒステリシスが減少していることがわか
る。図5は黒リセット後の放置時間を変化させた時の
“全白”書込み応答時間の相関を示す。図5において、
51はSiO配向膜および白金被膜を用いた本実施例の
光学変調素子(FLC素子)の応答特性(図4の41に
対応)、52はポリイミドラビング膜を用いた従来の光
学変調素子(図4の42に対応)である。本実施例によ
れば、明らかに不安定性が解消していることがわかる。実施例2 配向膜の材料として酸化亜鉛(ZnO)を用いた他は実
施例1と同様の方法でFLC素子を形成し、評価を行な
った。その結果、良好なユニフォーム配向が得られ、双
安定性、メモリ性があることが確認できた。さらにヒス
テリシス、不安定性ともに、ポリイミドラビング膜を用
いた金属被膜の無い従来例と比較して大幅に改善されて
いることがわかった。実施例3 金属被膜として金(Au)膜を直流スパッタ法により作
製した他は実施例1と同様の方法でFLC素子を形成
し、評価を行なった。実際に用いた作製方法を図6に示
す。図6において、61は基板、62はベルジャー、6
3は陰極をかねたターゲット、64は陽極、65は直流
電源である。スパッタ速度2Å/min、膜厚20Åと
し、素子を形成したところ、均一ユニフォーム配向が得
られた。また、双安定性、メモリ性も確認され、不安定
性、ヒステリシスも大幅に減少していることがわかっ
た。
する。実施例1 図1は本発明の一実施例に係る光学変調素子の構成図を
示す。図1において、11はガラス基板、12は透明電
極、14は斜方蒸着膜、15は金属被膜である白金被
膜、16はFLCである。透明電極12は、ガラス上に
導電性インジウムスズ酸化物(ITO電極)をスパッタ
成膜したものである。斜方蒸着膜14は、この透明電極
12上にSiOを斜方蒸着したものである。実際に行な
った斜方蒸着の方法を図2に示す。図2において、21
は電極つきの基板、22はベルジャー、23は蒸着方
向、24は蒸着源を示す。蒸着物質としては一酸化ケイ
素(SiO)を用い、蒸着にはチムニーるつぼによる抵
抗加熱法を用いた。蒸着角度θは85度、蒸着速度は約
5Å/sec、膜厚は2000Åとした。このように作
成したSiOカラム表面に、さらにイオンビームスパッ
タ(IBS)により白金被膜を作製した。実際に行なっ
たIBSの方法を図3に示す。図3において、31は基
板、32はベルジャー、33はイオンビーム源、34は
イオンビーム、35はターゲットである。スパッタ速度
は2Å/min、膜厚は10〜20Åとした。以上のよ
うに形成した基板を2枚用意し、一方の基板にギャップ
剤として、1.5μmφシリカビーズを分散し、2枚の
基板(上下基板)をその上に形成されたSiO斜方蒸着
膜の蒸着方向が反平行になるように貼り合わせてセルを
作成した。このようなセルに加熱して粘度を下げたFL
Cを真空中で注入し、徐冷することにより良好な配向を
したFLC素子が得られた。この素子が双安定性および
メモリ効果をともに有することを確認した。さらに、印
加電圧−透過率特性を測定した。その結果を図4に従来
例の特性とともに示す。図4において、実線41が本実
施例によるFLC素子の電圧−透過率特性であり、破線
42で示す従来のポリイミド・ラビングセルと比較する
と、明らかにヒステリシスが減少していることがわか
る。図5は黒リセット後の放置時間を変化させた時の
“全白”書込み応答時間の相関を示す。図5において、
51はSiO配向膜および白金被膜を用いた本実施例の
光学変調素子(FLC素子)の応答特性(図4の41に
対応)、52はポリイミドラビング膜を用いた従来の光
学変調素子(図4の42に対応)である。本実施例によ
れば、明らかに不安定性が解消していることがわかる。実施例2 配向膜の材料として酸化亜鉛(ZnO)を用いた他は実
施例1と同様の方法でFLC素子を形成し、評価を行な
った。その結果、良好なユニフォーム配向が得られ、双
安定性、メモリ性があることが確認できた。さらにヒス
テリシス、不安定性ともに、ポリイミドラビング膜を用
いた金属被膜の無い従来例と比較して大幅に改善されて
いることがわかった。実施例3 金属被膜として金(Au)膜を直流スパッタ法により作
製した他は実施例1と同様の方法でFLC素子を形成
し、評価を行なった。実際に用いた作製方法を図6に示
す。図6において、61は基板、62はベルジャー、6
3は陰極をかねたターゲット、64は陽極、65は直流
電源である。スパッタ速度2Å/min、膜厚20Åと
し、素子を形成したところ、均一ユニフォーム配向が得
られた。また、双安定性、メモリ性も確認され、不安定
性、ヒステリシスも大幅に減少していることがわかっ
た。
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電極−液
晶間を導電的にすることにより、FLC中間調表示にお
いて問題となっていたイオンの偏在、電荷の蓄積をキャ
ンセルすることが可能となり、従来のポリイミドラビン
グ配向膜と比較して、ヒステリシス、不安定性が大幅に
減少することできる。したがって、本発明の光学変調素
子を用いることにより、高速応答性で高精細のフラット
ディスプレイが形成できるようになる。さらに本発明の
光学変調素子をカラーフィルタと組み合わせることによ
って、または本発明の光学変調素子を複数個使用するこ
とによって、高精細カラーテレビを構成することができ
る。
晶間を導電的にすることにより、FLC中間調表示にお
いて問題となっていたイオンの偏在、電荷の蓄積をキャ
ンセルすることが可能となり、従来のポリイミドラビン
グ配向膜と比較して、ヒステリシス、不安定性が大幅に
減少することできる。したがって、本発明の光学変調素
子を用いることにより、高速応答性で高精細のフラット
ディスプレイが形成できるようになる。さらに本発明の
光学変調素子をカラーフィルタと組み合わせることによ
って、または本発明の光学変調素子を複数個使用するこ
とによって、高精細カラーテレビを構成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る光学変調素子の構成
図である。
図である。
【図2】 図1における配向膜を作製するための装置の
構成図である。
構成図である。
【図3】 図1における金属被膜を作製するための装置
の構成図である。
の構成図である。
【図4】 図1の光学変調素子と従来の素子の印加電圧
−透過率曲線を示すグラフである。
−透過率曲線を示すグラフである。
【図5】 図1の光学変調素子と従来の素子の黒放置時
間に対する白書込み時間の関係を示すグラフである。
間に対する白書込み時間の関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の金属被膜を作製する他の装置の構成
図である。
図である。
【図7〜13】 それぞれ従来技術の説明図である。
【符号の説明】 11,21,31,61:基板、12:透明電極、1
4:斜方蒸着膜(配向層)、15 :白金被膜(金属被
膜)、16: FLC、22,32,62:ベルジャ
ー、23:蒸着方向、24:蒸着源、33:イオンビー
ム源、34:イオンビーム、35:ターゲット、63:
陰極をかねたターゲット、64:陽極、65:直流電
源。
4:斜方蒸着膜(配向層)、15 :白金被膜(金属被
膜)、16: FLC、22,32,62:ベルジャ
ー、23:蒸着方向、24:蒸着源、33:イオンビー
ム源、34:イオンビーム、35:ターゲット、63:
陰極をかねたターゲット、64:陽極、65:直流電
源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 修三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 強誘電液晶と、該液晶を挟持する一対の
電極基板と、少なくとも一方の該電極と前記液晶との間
に該液晶を配向させるための配向膜とを有する光学変調
素子であって、 前記配向膜の表面が、少なくとも一点は該電極と接する
金属被膜で覆われていることを特徴とする光学変調素
子。 - 【請求項2】 前記配向膜が斜方蒸着で作製されたもの
であることを特徴とする請求項1記載の光学変調素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2333592A JPH06102526A (ja) | 1992-01-14 | 1992-01-14 | 光学変調素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2333592A JPH06102526A (ja) | 1992-01-14 | 1992-01-14 | 光学変調素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06102526A true JPH06102526A (ja) | 1994-04-15 |
Family
ID=12107717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2333592A Pending JPH06102526A (ja) | 1992-01-14 | 1992-01-14 | 光学変調素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06102526A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008170667A (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-24 | Ulvac Japan Ltd | 液晶表示装置及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-01-14 JP JP2333592A patent/JPH06102526A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008170667A (ja) * | 2007-01-11 | 2008-07-24 | Ulvac Japan Ltd | 液晶表示装置及びその製造方法 |
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