JP2566149B2 - 光学変調素子 - Google Patents

光学変調素子

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JP2566149B2 JP62225160A JP22516087A JP2566149B2 JP 2566149 B2 JP2566149 B2 JP 2566149B2 JP 62225160 A JP62225160 A JP 62225160A JP 22516087 A JP22516087 A JP 22516087A JP 2566149 B2 JP2566149 B2 JP 2566149B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は表示パネルのための光学変調素子に関し、詳
しくは強誘電性液晶を用いたディスプレイ、シャッタア
レイ等の表示パネルのための階調表示に適した液晶光学
素子に関するものである。
[開示の概要] 本明細書及び図面は、強誘導性の液晶を用いたディス
プレイ,シャッタアレイ等の表示パネルのための階調表
示に適した液晶光学素子において、電極部を設けた一対
の基板間に光学変調質を挟持し、電極部の少なくとも一
方を、高抵抗導電膜と、該高抵抗導電膜上に配列された
ストライプ状の低抵抗電送電極と、前記高抵抗導電膜の
エッジ部分と低抵抗電送電極との間に配設された絶縁体
とで構成することにより、セル全面にわたって均一な電
位勾配を付与することができ、表示特性のばらつきが解
消され、さらに安定した階調表示が可能となる技術を開
示するものである。
[従来の技術] 従来より、走査電極群と信号電極群をマトリクス状に
構成し、その電極間に液晶化合物を充填し多数の画素を
形成して、画像或いは情報の表示を行う液晶表示素子は
よく知られている。このような表示素子の駆動法として
は、走査電極群に順次周期的にアドレス信号を選択印加
し、信号電極群には所定の情報信号をアドレス信号と周
期させて並列的に選択印加する時分割駆動が採用されて
いる。
これらの実用に供されたのは、殆どが、例えば“アプ
ライド・フィジックス・レターズ”(“Applied Physic
s Letters")1971年,18(4)号127〜128頁に記載のM.
シャット(M.Schadt)及びW.ヘルフリヒ(W.Helfrich)
共著になる“ボルテージ・ディペンダント・オプティカ
ル・アクティビティー・オブ・ア・ツイステッド・ネマ
チック・リキッド・クリスタル”(“Voltage Dependen
t Optical Activity of a Twisted Nematic Liquid Cry
stal")に示されたTN(twistednematic)型液晶であっ
た。
近年は、在来の液晶素子の改善型として、双安定性を
有する液晶素子の使用がクラーク(Clark)およびラガ
ーウォール(Lagerwall)の両者により特開昭56−10721
6号公報、米国特許第4,367,924号明細書等で提案されて
いる。双安定性液晶としては、一般に、カイラルスメク
チックC相(SmC)又はH相(SmH)を有する強誘電
性液晶が用いられ、これらの状態において、印加された
電界に応答して第1の光学的安定状態と第2の光学的安
定状態とのいずれかをとり、かつ電界が印加されないと
きはその状態を維持する性質、即ち安定性を有し、また
電界の変化に対する応答がすみやかで、高速かつ記憶型
の表示装置等の分野における広い利用が期待されてい
る。
第15図は、強誘電性液晶セルの例を模式的に描いたも
のである。101と101′は、In2O3,SnO2やITO(インジウ
ム−ティン−オキサイド)等の透明電極がコートされた
基板(ガラス板)であり、その間に液晶分子層102がガ
ラス面に垂直になるよう配向したSmC相の液晶が封入
されている。太線で示した線103が液晶分子を表わして
おり、この液晶分子103は、その分子に直交した方向に
双極子モーメント(P)104を有している。基板101と
101′上の電極間に一定の閾値以上の電圧を印加する
と、液晶分子103のらせん構造がほどけ、双極子モーメ
ント(P)104はすべて電界方向に向くよう、液晶分
子103の配向方向を変えることができる。液晶分子103は
細長い形状を有しており、その長軸方向と短軸方向で屈
折率異方性を示し、従って例えばガラス面の上下に互い
にクロスニコルの位置関係に配置した偏光子を置けば、
電圧印加極性によって光学特性が変わる液晶光学変調素
子となることは、容易に理解される。さらに液晶セルの
厚さを充分に薄くした場合(例えば1μ)には、第16図
に示すように電界を印加していない状態でも液晶分子の
らせん構造はほどけ(非らせん構造)、その双極子モー
メントP又はP′は上向き(114)又は下向き(114′)
のどちらかの配向状態をとる。このようなセルに第16図
に示す如く一定の閾値以上の極性の異なる電界E又は
E′を付与すると、双極子モーメント電界EまたはE′
の電界ベクトルに対応して上向き114又は下向き114′と
向きを変え、それに応じて液晶分子は第1の安定状態11
3(明状態)か或いは第2の安定状態113′(暗状態)の
いずれか一方に配向する。
この様な強誘電性液晶を光学変調素子として用いるこ
との利点は2つある。第1に応答速度が極めて速いこ
と、第2に液晶分子の配向が双安定性を有することであ
る。第2の点を例えば第16図によって説明すると、電界
Eを印加すると液晶分子は第1の安定状態113に配向す
るが、この状態は電界を切ってもこの第1の安定状態11
3が維持され、又、逆向きの電界E′を印加すると、液
晶分子は第2の安定状態113′に配向してその分子の向
きを変えるが、やはり電界を切ってもこの状態に保ち、
それぞれの安定状態でメモリー機能を有している。この
ような応答速度の速さと、双安定性が有効に実現される
には、セルとしては出来るだけ薄い方が好ましく、一般
的には、0.5μm〜20μm、特に1μm〜5μmが適し
ている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記強誘電性液晶において、双安定状
態を利用して表示素子を駆動する場合、第1の光学的安
定状態と第2の光学的安定状態との間は、スィッチング
時に高速で遷移するがために、2つの安定状態の中間レ
ベルを制御することが難しく、中間調を表現することが
困難であった。これに対して、強誘電性液晶等のメモリ
ー性を有する光学変調物質を用いることにより上記の難
点を解決する新規な光学変調素子が特願昭61−132745号
公報等において提案され、それらの光学変調素子によれ
ば、高い画素容量でかつ階調表示が可能になる。しか
し、これを実際に製作するとなると、高抵抗膜に抵抗ム
ラが発生し、その抵抗ムラのためのセルに均一な電位勾
配を付与することが困難になり、階調の安定した表示を
大きく妨げていた。
本発明は、このような問題点を鑑み、創案されたもの
で、セル全面にわたって均一な電位勾配を付与すること
ができ、表示特性のばらつきが解消され、さらに安定し
た階調子表示が可能となる光学変調素子を提供すること
を目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明において、上記の問題点を解決するための手段
は、第1の電極部と第2の電極部とを設けた一対の基板
間に光学変調物質を挟持して成るセル構造の光学変調素
子において、前記第1の電極部及び第2の電極部の少な
くとも一方が、高抵抗導電膜と、該高抵抗導電膜上に配
列されたストライプ状の低抵抗電送電極と、前記高抵抗
導電膜のエッジ部分と低抵抗電送電極との間に配設され
た絶縁体とで構成される光学変調素子であり、かつ光学
変調物質が強誘電性液晶であることを好適とする光学変
調素子とするものである。
本発明で使用される光学変調物質としては、加えられ
る電界に応じて第1の光学的安定状態(例えば明状態を
形成するものとする)と第2の光学的安定状態(例えば
暗状態を形成するものとする)を有する、すなわち電界
に対する少なくとも2つの安定状態を有する物質、特に
このような性質を有する液晶が最適である。
本発明の光学変調素子で用いることができる双安定性
を有する液晶としては、強誘電性を有するカイラルスメ
クチックC相(SmC相)、H相(SmH相)、I相(Sm
I相)、F相(SmF相)やG相(SmG相)の液晶が
適している。この強誘電性液晶については、“ル・ジュ
ルナール・ド・フィジイク・レットル”(“LE JOURNAL
DE PHYSIQUE LETTERS")第36巻(L−69)1975年の
「フェロエレクトリック・リキッド・クリスタルス」
(「Ferroelectric Liquid Crystals」);“アプライ
ド・フィジックス・レターズ”(“Applied physics Le
tters")第36巻,第11号,1980年の「サブミクロ・セカ
ンド・バイステイブル・エレクトロオプチック・スイッ
チング・イン・リキッド・クリスタルス(「Submicro S
econd Bistable Electrooptic Switching in Liquid Cr
ystals」);“固体物理"1981年,16(141)号「液晶」
等に記載されており、本発明ではこれらに開示された強
誘電性液晶を用いることができる。
より具体的には、本発明法に用いられる強誘電性液晶
化合物の例としては、デシロキシベンジリデン−p′−
アミノ−2−メチルブチレシンナメート(DOBAMBC)、
ヘキシルオキシベンジリデン−p′−アミノ−2−クロ
ロプロピルシンナメート(HOBACPC)および4−o−
(2−メチル)−ベチルレゾルシリデン−4′−オクチ
ルアニリン(MBRA 8)等が挙げられる。
これらの材料を用いて、素子を構成する場合、液晶化
合物が、SmC、SmHSmI、SmF、SmGとなるよう
な温度状態に保持する為、必要に応じて素子をヒーター
が埋め込まれた銅ブロック等により支持することができ
る。
[作 用] 従来の高抵抗膜の抵抗ムラを調べると、第17図に示す
ように、導電膜のエッジの部分が低抵抗になっている。
本発明ではこれに着目し、その抵抗ムラが起きるエッジ
部分と電送電極とを絶縁することにより、セル全面にわ
たって均一な電位勾配を付与し、安定した階調表示を実
現するものである。
[実施例] 以下、図面と共に、本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明による光学変調素子の一実施例を示
し、図(a)は液晶光学素子の基板の平面図であり、図
(b)はその縦断面図である。両図において、1は一対
の基板の一方で、2は該基板1上に積層された導電膜、
3は低抵抗の金属薄膜で成る電送電極、4は前記導電膜
2のエッジ部分を覆う絶縁膜である。絶縁膜4は本発明
の絶縁体であり、この絶縁膜4及び前記導電膜2の上に
電送電極3が等間隔かつ平行に並列積層されている。第
2図は、この基板の中央部分を示す斜視図で、基板1に
対向して他方の基板(図示せず)が配設され、その他方
の基板に図中点線で示される対向導電膜(又は対向電
極)5が前記電送電極3と交差配置され、その交差部分
に画素領域Aが形成されている。導電膜2と対向導電膜
5との間には、前記光学変調物質がサンドイッチされて
いる。
上記のように構成された液晶光学素子では、電送電極
3に印加された信号電圧により導電膜2の面内に電位勾
配を付与することによって、対向電極5との間の電界に
電位差勾配を生じさせる。
この際、電送電極3a及び3cを基準電位点VE(例えば0
ボルト)に接続し、別な電送電極3bに所定の信号電圧Va
を印加すると、第3図(a)に示すように、電送電極3a
及び3b間、3b及び3c間の導電膜2の面内の長さ方向L1
L2とにVaの電位勾配を付与することができる。このとき
強誘電性液晶の反転閾値電圧VthをVaとして、対向電極
5に−Vbを印加すると、第3図(b)に示すように導電
膜2の面内の長さ方向m1,m2に対応する強誘電性液晶に
反転閾値電圧Vth以上の電位差Va+Vbが印加されること
になり、かかるm1,m2に対応した領域が例えば明状態か
ら暗状態に反転することができる。
従って、本発明では、画素毎に階調に応じた値でVbを
印加することにより階調性を表現することができる。こ
の際に、対向電極5に印加する電圧信号−Vbを階調情報
に応じてその電圧値を変調させてもよく、又は階調情報
に応じてそのパルス幅を変調させてもよい、もしくはそ
のパルス数を変調することによっても階調性を制御する
ことができる。
次に上記液晶光学素子の具体的構成例を第1図を用い
て説明する。
図においてガラス板より成る基板1上に、スパッタリ
ング法によって約2000Å厚の透明導電膜であるSnO2(酸
化錫)膜を形成し、導電膜2とする。
次いで、前記SnO2膜上にマスクをかけて、SnO2膜のエ
ッジ部分を覆うようにSiO2を約1000Å厚で真空蒸着す
る。さらに、前記SiO2膜及びSnO2膜上にマスクをかけ
て、Al(アルミニウム)を1000Å厚で真空蒸着する。
尚、SnO2膜及びSiO2膜上にAlを真空蒸着し、Alをパター
ニングするだけでも簡単に前記複数の電送電極を得るこ
とができる。このとき、例えば前記電送電極の間隔を23
0μm電極巾を20μmとすることも可能である。
一方、対向基板には、スパッタリング法によりITO膜
を対向電極5として設ける。
このようにして作製された2つの基板のそれぞれの表
面に、液晶配向膜として約500Åのポリビニルアルコー
ル層又はポリイミド層を形成し、ラビング処理を施す。
第4図は、本発明の別な一実施例の電極構成を示す縦
断面図であって、基板1上に前記のAlを500〜1000Å厚
でマスクをかけて、ストライプ状に真空蒸着するか、あ
るいはAlを真空蒸着した後にパターニングする。その上
にSnO2膜のエッジと対接する部分に予めSiO2膜を約1000
Å真空蒸着する。次いで、スパッタリング法により、基
板1上での厚みが約3000Åとなるように、全面にSnO2
を形成する方法も用いることができる。
本発明の好ましい具体例としては、導電膜2のシート
抵抗を好ましくは104Ω/□〜107Ω/□台、許容範囲と
して103Ω/□〜109Ω/□台とすることである。このよ
うな抵抗を形成するものとしては前記のSnO2を酸素気流
を含んだアルゴン気中でスパッタしたもの等が用いられ
る。かかるアルゴン気中でスパッタする方法は、例えば
ディー・ビー・フラシャー(D.B.Fraser)とエッチ・デ
ィー・クック(H.D.Cook)共著“ジャーナル・オブ・ザ
・エレクトロケミカル・ソサイエティー・ソリッド−ス
テート・サイエンス・アンド・テクノロジー”(“Jour
nal of the Electrochemical Society Solid−State Sc
ience and Technology")第119巻,第10号(1972年発
行)の“ハイリー・コンダクティブ・トランスペアレン
ト・フィルムズ・オブ・スパッタード・In2−xSnxO
3y"(“Highly Conductive Transparent Films of Sp
uttered In2−xSnxO3-y")に記載されている。
上記した様に前記導電膜2の抵抗を調整することによ
り、階調性の表現が極めて広範の光学変調物質に適用可
能となる他、上記の方法で電位勾配をつける場合におい
ての電力消費を少なくすることが出来る。
上記条件はまず第1に階調表現を行なうための電位勾
配形成時において、上記表示用電極において、流れる電
流による発熱を制限する。すなわちガラス基板等への放
熱を無視した場合の前記電極の上昇温度は単純な理論計
算で次の様になる。
V:前記Va−前記VE (電送電極間の電位差) R:電送電極間の抵抗 t:前記Vの印加時間 C:導電膜(電送電極間)の熱容量 v:電送電極間の電極体積 ここで1画素に注目し、Vとして例えば10V、tとし
て100μsec、Cとして2〜3J/cm3・K、またvとして前
記例示した230μm×230μm×3000Åを代入した場合、
ΔT=250000/R(K)程度となる。ここで上記のガラス
基板等への放熱を考慮しても、たとえばR(ここではシ
ート抵抗がそのまま使える)が数Ω〜数十Ωであった場
合、温度上昇は相当大きなものとなり、この温度上昇が
隣接する光学変調物質の性質によっては光学的あるいは
物性的特性に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、電圧
が大きくなったり、画素の書き込み時間が長くなった
り、あるいは書き込み時間が短くなったとしても、逆画
素の面積がより小さくなったりした場合には影響は更に
大きくなる。更に前記Vが10Vの場合、一例としてRが1
00Ωであれば1画素当り1Wの消費電力となり、たとえば
後述する様にこのような画素をマトリクスに多数構成し
た場合、たとえば1000画素分の階調を1度与える場合、
1kwという大きなものとなってしまう。この場合、上記
を考慮し、特に表示用電極のシート抵抗を103Ω/□以
上とすることで、問題点を解決することができる。さら
にこのような温度による影響を軽減し、光学変調物質の
選択を広範にし、また書き込み時間、画素面積の小型化
を円滑に行なうためシート抵抗を104Ω/□以上とする
ことが好ましい。
さらに上記の抵抗値に上限を与えるとすれば、好まし
くは109Ω/□台以下、特に好ましくは107Ω/□台以下
とすることである。この理由は以下の様に考える。すな
わち使用する光学変調物質の誘電率を前記強誘電液晶の
典型として5程度、または層厚を1μm、画素面積を23
0μmの平方とした場合、上記液晶層の1画素当りの容
量は2.5pF(2.5×10-12F)程度となる。ここで上記液晶
を例として100μsecの駆動を必要とする場合、前記階調
を出す電位差を充分液晶層を作用するためには、前記導
電膜の抵抗Rと液晶層のCからなるCRの大きさが前記10
0μsecより充分小さい方が良いからである。すなわち前
記数値を典型として利用すれば、R=107Ω/□の場合
2.5×10-5(25μ)sec程度となり、これ以下であれば最
適とすることが出来る。しかしながら、駆動をもっと遅
くする場合(たとえば1msec〜10msec)、あるいは液晶
層厚を厚くすることによりこの容量が小さくなった場合
には109Ω/□台程度、あるいはこれ以上であってもよ
い。
一方、導電膜に第17図で前記したような抵抗分布が存
在する場合、導電膜のエッジ部分で隣接した電極間が短
絡に近い状態になるが、本発明によると、隣接した電極
に電位差を印加した場合に導電膜のエッジ部分での異常
電流を無くすので、無用な電圧降下を防ぎ、電極間にわ
たって均一な電位勾配を持たせることができる。また、
異常電流による発熱を無くし、温度ムラによる階調性の
劣化を防ぐことができる。
上記説明により前記階調を付与するにあたり、最適な
条件を提供したが、前記した電送電極は充分に電源接続
端部からの電圧を前記表示用電極に伝え得るものであれ
ば良く、充分低抵抗、一例として1Ω/□前後またはこ
れ以下のものが使用される。また、前記対向電極4とし
ては一例として、約20Ω/□のITO等が前記した様に用
いられる。
以上において示した2つの基板を対向させ間隔が約1
μmとなるよう調節し、強誘電性液晶(p−η−オクチ
ルオキシ安息香酸−p′−(2−メチルブチルオキシ)
フェニルエステルとp−η−ノニルオキシ安息香酸−
p′−(2−メチルブチルオキシ)フェニルエステルを
主成分とした液晶組成物)を注入した。表示用導電膜2
と対向電極5が重なる画素部分の形状は230μm×230μ
mとした。但しここで画素Aの幅は とした。
このようにして形成した液晶セルの両側に、偏光板を
クロスニコルにして配設して液晶光学素子を得た。
第5図は電気信号の印加方法を模式的に示した説明図
であって、基板1上に導電膜2が形成され、更にその上
に電送電極3(3a,3b,3c)が配置されていて、対向基板
6に対向導電膜5が形成され、2つの基板間に強誘電性
液晶7を挟持している。対向導電膜5は第1の駆動回路
8に接続され、電送電極3(3a,3b,3c)は第2の駆動回
路9に接続されている。
第6図は第5図の駆動回路9で発生するシグナル
(b)の波形を表わし、第7図は第5図の駆動回路8で
発生するシグナル(a)の波形を表わしている。
さてシグナル(b)として、電送電極3a,3b,3cに−12
Vの200μsecパルスを、またシグナル(a)として対向
電極に8Vの200μsecパルスをあらかじめ同期して与える
(これを消去パルスと呼ぶ)消去ステップを設けると、
液晶は第1の安定状態にスイッチングされ、第2図に示
した画素A全体が明状態となる(このようにクロス偏光
板を配置した)。
なお、ここで使用する液晶の反転閾値を説明の便宜上
±15V〜±16Vとする。
この状態により、シグナル(b)として電送電極3bに
印加した第6図のパルスに同期させて、第7図(a)〜
(e)に示される様な種々なパルスを対向電極5に与え
たときの画素Aの光学的状態を第8図に示す。
このとき電送電極3aおよび3cは基準電位(ここでは
0)とする。パルス印加電圧−2V(第7図(a)参照)
では明状態81からの変化は全く生じない(第8図(a)
参照)が、パルス電圧−4V(第7図(b)参照)では電
送電極3bの極く近傍の液晶がその閾値を越える電界のた
めに暗状態82へスイッチングする(第8図(b)参
照)。さらに印加電圧を−6V(第7図(c))、−8V
(第7図(d))と大きくした場合には、反転の閾値を
越える範囲が広がるため、暗状態82の領域は図示の如く
広くなり(第8図(c)として代表例示)、印加電圧−
10V(第7図(e))で画素A全体が暗状態にスイッチ
ングされる(第8図(d)参照)。このようにして階調
性のある画像を形成することができる。
また、第9図(a)〜(e)に示されるような種々の
パルス幅の異なるシグナル(a)と、第10図に示される
ような三角波であるシグナル(b)を同期して与えたと
きでも、前記に第8図に図示した光学的状態変化を示す
ことができる。この際、第10図に示すシグナルを電送電
極3bに印加し、このシグナルと同期して第9図(a)〜
(e)に示すパルスを階調に応じて対向電極5に印加す
ることによって階調性を表現することができる。
また上記は第11図(a)〜(e)に示される様な種々
のタイミングの異なるシグナル(a)と、第10図に示さ
れるような三角波であるシグナル(b)を同期して与え
たときでも同様であることが容易に理解できるであろ
う。
又、本発明では前述の例で使用したアルミニウム(A
l)の電送電極3の他に銀、銅、金、クロムなどの金
属、または低抵抗ITO等の透明電極を電送電極3として
使用することができ、好ましくはそのシート抵抗を102
Ω/□以下とすることができる。かかる電極のシート抵
抗は導電膜の膜厚を調節することによって適当な値に設
計することができる。
上記実施例においては階調をもたせる方法を示した
が、たとえば信号のレベルを特に2値だけ選ぶことによ
って当然階調を出さない2値の表現も行うことができ
る。
このような場合の信号としては第7図(e)と、第9
図(e)に示す信号を反転させる信号とすることができ
る。
第12図は、本発明による光学変調素子をマトリクス駆
動に適用した際の具体例を表わしている。
第12図に示す表示パネルは、ガラス基板21の上に導電
膜22が配置され、さらに導電膜22の上には低抵抗の電送
電極23(23a,23b,23c,23d)が配線されている。基板21
と対向する対向基板(図示せず)には、ストライプ状の
導電膜からなる対向電極24(24a,24b)が配置され、前
述の導電膜22と対向電極24との間に強誘電性液晶が配置
される。
上記素子の駆動法としては、書込みに先立って、たと
えば全ての電送電極23を同電位にしてストライプ状導電
膜との間に一様な電界を印加することにより導電膜22と
ストライプ状対向電極24との交差部で形成される画素の
全部又は所定部を一時に明状態か暗状態のうちの何れか
一方の状態とするか、または書込みライン毎に書込みに
先立ってライン上の画素の全部又は所定部を明状態か暗
状態のうちの何れか一方の状態とした後に、電送電極23
(23a,23b,23c,23d)毎に第6図または第10図に示すパ
ルスを走査信号として順次印加する。
また走査信号の印加されていない電送電極は基準電位
点(例えば0ボルト)に接続することによって、導電膜
に順次隣りの電送電極23との間での電位勾配を付与する
ことができる。この際、走査選択信号は、強誘電性液晶
の反転閾値電圧と等しいか、これより若干小さめの電圧
のパルスとすることが好ましい。
一方、複数のストライプ状対向電極には、各電極毎に
電送電極23に印加した走査選択信号と同期させて、第7
図(a)〜(e)または第9図(a)〜(e)に示す様
な階調情報に応じた電圧信号を印加することによって、
走査線上の画素を階調に応じて書込みを行なうことがで
きる。従って、上記の書込みを線順次書込みを行なうこ
とによって、第13図に示すように階調性をもつ一画面を
形成することができる。
ここで、前記の走査信号は、たとえば最初に端子の奇
数番目S1,S3,S5,…S2n-1に順次印加し、次に端子の偶数
番目S2,S4,S6,…S2nに順次印加するようにしてもよい。
さらに、以上までの説明においては前記基準電位点を
主に0電位としたが、基準電位点の電位をもち上げてや
ってもよい。この時、Va−VEの値が小さくなるため階調
のための電位勾配は緩かになるが、情報信号に印加する
電位点の絶対値を小さくすることができる。また、逆に
基準電位点の電位を下げてやることでVa−VEの値を大き
くして階調の幅を広げることもできる。
本発明による光学変調素子においては、前述のストラ
イプ状の対向電極24に順次走査信号を印加し、この走査
信号と同期させて奇数番目(または偶数番目)の電送電
極に階調信号を印加し、偶数番目(または奇数番目)の
電送電極を基準電位点に接続した後、次に、偶数番目
(または奇数番目)の電送電極に階調信号を印加し、奇
数番目(または偶数番目)の電送電極を基準電位点に接
続することによって全画素にわたり階調駆動が行なえ
る。
この場合、電送電極側に情報信号を与え、たとえば10
00画素×1000画素の画面を駆動するとしたら、この電送
電極間の表示用電極で消費する電力は1000画素分×選択
画素数となるため、表示用電極に適切な抵抗条件を与え
ることが必要である。従って、最も好ましくは前記電送
電極側に走査信号を与える駆動法が適している。
第14図は、本発明の他の実施例を表わしたものであ
る。第14図で示す液晶光学素子は、導電膜31が一方の基
板上に設けられ、この導電膜31と交差させて配置した複
数の導電膜32が強誘電性液晶を介して他方の基板上に設
けられている。さらに、前述の導電膜31と32上には複数
の低抵抗の電送電極33と34とが配線されている。
この実施例では、電送電極33のそれぞれの端子S1,S2,
…S7が走査信号発生回路(図示せず)に接続され、一方
の電送電極34のそれぞれの端子I1,I2,…I6が情報信号発
生回路(図示せず)に接続されている。従って、消去ス
テップを経た各画素が走査信号側導電膜の面内で電位勾
配を発生し、さらに情報信号側導電膜の面内でも電位勾
配を発生し、両側の電位勾配で発生する電位勾配が画素
内の強誘電性液晶に印加されることになり、多階調の表
示画面の形成が可能となる。
以上の実施例においては、最も好ましい例として強誘
電性液晶、特に少なくとも2つの安定状態をもつ強誘電
性液晶を用いた場合について説明したが、本発明はこの
他、ツイステッドネマチック液晶、ゲストホスト液晶、
さらに液晶以外の素子にも適用しうる。
また、導電膜に用いる物質としては、前記SnO2に限定
されず、例えばTiO2その他の適当な抵抗値が得られるも
のであれば差支えない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、導電膜の抵抗
ムラの発生し易いエッジの部分と電送電極との間を絶縁
することにより、セル全面にわたって均一な電位勾配を
付与することができる。このため表示特性のばらつきが
解消され、更に安定した階調表示が可能な光学変調素子
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の平面図及び縦断面図、第2
図及び第12図は基板の構成を示す斜視図、第3図は電位
勾配を模式的に表わす説明図、第4図は電気信号の印加
方法の模式図、第5図及び第14図は本発明の別な構成を
示す縦断面図と平面図、第6図,第7図,第9図,第10
図及び第11図はパルス波形の説明図、第8図は画素の階
調性を示す模式図、第13図は画素の階調状態を表わす模
式図、第15図及び第16図は強誘電性液晶セルの模式図、
第17図は導電膜の抵抗値分布を示す図である。 1;基板、2;高抵抗導電膜、 3;低抵抗電送電極、4;絶縁膜、 5;対向電極、6;対向基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 修三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−125330(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電極部と第2の電極部とを設けた一
    対の基板間に光学変調物質を挟持してなるセル構造の光
    学変調素子において、前記第1の電極部及び第2の電極
    部の少なくとも一方が、高抵抗導電膜と、該高抵抗導電
    膜上に配列されたストライプ状の低抵抗電送電極と、前
    記高抵抗導電膜のエッジ部分と低抵抗電送電極との間に
    配設された絶縁体とで構成されることを特徴とする光学
    変調素子。
  2. 【請求項2】光学変調物質が強誘電性液晶であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の光学変調素子。
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