JPH0769547B2 - 光学変調素子 - Google Patents

光学変調素子

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JPH0769547B2
JPH0769547B2 JP61063456A JP6345686A JPH0769547B2 JP H0769547 B2 JPH0769547 B2 JP H0769547B2 JP 61063456 A JP61063456 A JP 61063456A JP 6345686 A JP6345686 A JP 6345686A JP H0769547 B2 JPH0769547 B2 JP H0769547B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、表示パネルのための光学変調素子に関し、詳
しくは少なくとも2つの安定状態を示す液晶物質、特に
強誘電性液晶を用いた表示パネル、とくに階調表示に適
した液晶光学素子に関する。
〔従来の技術〕
従来のアクテイブマトリクス駆動方式を用いた液晶テレ
ビジヨンパネルでは、薄膜トランジスタ(TFT)を画素
毎にマトリクス配置し、TETにゲートオンパルスを印加
してソースとドレイン間を導通状態とし、このとき映像
画像信号がソースから印加され、キヤパシタに蓄積さ
れ、この蓄積された画像信号に対応して液晶(例えばツ
イステツド・ネマチツク;TN−液晶)が駆動し、同時に
映像信号の電圧を変調することによって階調表示が行な
われている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、この様なTN液晶を用いたアクテイブマトリクス
駆動方式のテレビジヨンパネルでは、使用するTFTが複
雑な構造を有しているため、製造工程数が多く、高い製
造コストがネツクとなっているうえに、TFTを構成して
いる薄膜半導体(例えば、ポリシリコン,アモルフアス
シリコン)を広い面積に亘って被膜形成することが難し
いなどの問題点がある。
一方、低い製造コストで製造できるものとしてTN液晶を
用いたパツシブマトリツクス駆動方式の表示パネルが知
られているが、この表示パネルでは走査線(N)が増大
するに従って、1画面(1フレーム)を走査する間に1
つの選択的に有効な電界が印加されている時間(デユー
テイー比)が1/Nの割合で減少し、このためクロストー
クが発生し、しかも高コントラストの画像とならないな
どの欠点を有している上、デユーテイー比が低くなると
各画素の階調を電圧変調により制御することが難しくな
るなど、高密度配線数の表示パネル、特に液晶テレビジ
ヨンパネルには適していない。
〔問題点と解決するための手段〕及び〔作用〕本発明の
目的は、前述の欠点を解消したもので、詳しくは広い面
積に亘って高密度画素をもつ階調表示パネルのための光
学変調素子を提供することにある。
すなわち、本発明は、対向する一対の導電膜の間に光学
変調物質が配された画素を行列状に複数配列し、行毎に
複数の画素を共通に接続した走査線と、列毎に複数の画
素を共通に接続した情報線とを有する光学変調素子にお
いて、 該画素の一対の導電膜の少なくとも一方は、互いに離間
した2つの伝送電極を備えるとともに、そのシート抵抗
が該伝送電極のシート抵抗より高い103Ω/□以上の膜
であり、 該走査線を順次走査することによって走査選択した走査
線上の画素の導電膜間に、該2つの伝送電極への異なる
電圧の印加によって生じる電位勾配に基いた電位差勾配
が生じる様に、走査線に走査信号を印加するとともに該
走査信号と同期して情報線に情報信号を印加する第1の
手段と、該情報信号の印加に先立って、該走査選択した
走査線上の画素に、該画素の光学状態を一様な状態に消
去するのに十分な電圧を印加する第2の手段と、を有す
る電圧印加手段が付設されていることを特徴とするもの
である。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に従って説明する。本発明で用いる
光学変調物質としては、加えられる電界に応じて第1の
光学的安定状態(例えば明状態を形成するものとする)
と第2の光学的安定状態(例えば暗状態を形成するもの
とする)を有する、すなわち電界に対する少なくとも2
つの安定状態を有する物質、特にこのような性質を有す
る液晶が用いられる。
本発明の光学変調素子で用いることができる少なくとも
2つの安定状態特に双安定性を示す液晶としては、強誘
電性を有するカイラルスメクチツク液晶が最も好まし
く、そのうちカイラルスメクチツクC相(SmC*)、H
相(SmH*)、I相(SmI*)、F相(SmF*)やG相(S
mG*)の液晶が適している。この強誘電性液晶について
は、“ル・ジユルナール・ド・フイジイク・レツトル”
(“LEJOURNAL DE PHYSIQUE LETTRE")第36巻(L−6
9)1975年の「フエロエレクトリツク・リキツド・クリ
スタルス」(「Ferroelectric Liquid Crystals」);
“アプライド・フイジイツクス・レターズ”(“Applie
d Physics Letters")第36巻、第11号、1980年の「サブ
ミクロ・セカンド・バイステイブル・エレクトロオプテ
イツク・スイツチング・イン・リキツド・クリスタル
ス」(「Submicro Second Bistable Electrooptic Swit
ching in Liquid Crystels」);“固体物理”16(14
1)1981「液晶」等が記載されており、本発明ではこれ
らに開示された強誘電性液晶を用いることができる。
より具体的には、本発明法に用いられる強誘電性液晶化
合物の例としては、デシロキシベンジリデン−p′−ア
ミノ−2−メルブチルシンナメート(DOBAMBC)、ヘキ
シルオキシベンジリデン−p′−アミノ−2−クロロプ
ロピルシンナメート(HOBACPC)および4−o−(2−
メチル)−ブチルレゾルシリデン−4′−オクチルアニ
リン(MBRA8)等が挙げられる。
これらの材料を用いて、素子を構成する場合、液晶化合
物が、SmC*、SmH*、SmI*、SmF*、SmG*となるよう
な温度状態に保持する為、必要に応じて素子をヒーター
が埋め込まれた銅ブロツク等により支持することができ
る。
第1図は、強誘電性液晶セルの例を模式的に描いたもの
である。11と11′は、1n2O3,SnO2やITO(インジウム−
テイン−オキサイド)等の透明電極がコートされた基板
(ガラス板)であり、その間に液晶分子層12がガラス面
に垂直になるよう配向したSmC*相の液晶が封入されて
いる。太線で示した線13が液晶分子を表わしており、こ
の液晶分子13は、その分子に直交した方向に双極子モー
メント(P⊥)14を有している。基板11と11′上の電極
間に一定の閾値以上の電圧を印加すると、液晶分子13の
らせん構造がほどけ、双極子モーメント(P⊥)14はす
べて電界方向に向くよう、液晶分子13の配向方向を変え
ることができる。液晶分子13は細長い形状を有してお
り、その長軸方向と短軸方向で屈折率異方性を示し、従
って例えばガラス面の上下に互いにクロスニコルの位置
関係に配置した偏光子を置けば、電圧印加極性によって
光学特性が変わる液晶光学変調素子となることは、容易
に理解される。さらに液晶セルの厚さ(強誘電性液晶の
膜厚)を充分に薄くした場合(例えば1μ)には、第2
図に示すように電界を印加していない状態でも液晶分子
のらせん構造は解除され(非らせん構造)、その双極子
モーメントP又はP′は上向き(24)又は下向き(2
4′)のどちらかの配向状態をとる。このようなセルに
第2図に示す如く一定の閾値以上の極性の異なる電界E
はE′を付与すると、双極子モーメント電界E又はE′
の電界ベクトルに対応して上向き24又は下向き24′と向
きを変え、それに応じて液晶分子は第1の安定状態23
(明状態)か或いは第2の安定状態23′(暗状態)の何
れか一方に配向する。
この様な強誘電性液晶を光学変調素子として用いること
の利点は2つある。第1に応答速度が極めて速いこと、
第2に液晶分子の配向が双安定性を有することである。
第2の点を例えば第2図によって説明すると、電界Eを
印加すると液晶分子は第1の安定状態23に配向するが、
この状態は電界を切ってもこの第1の安定状態23が維持
され、又、逆向きの電界E′を印加すると、液晶分子は
第2の安定状態23′に配向してその分子の向きを変える
が、やはり電界を切ってもこの状態に保ち、それぞれの
安定状態でメモリー機能を有している。このような応答
速度の速さと、双安定性が有効に実現されるには、セル
としては出来るだけ薄い方が好ましく、一般的には0.5
μ〜20μ、特に1μ〜5μが適している。この種の強誘
電性液晶を用いたマトリクス電極構造を有する液晶−電
気光学装置は、例えばクラークとラガバルにより、米国
特許第4,367,924号明細書で提案されている。
次に、本発明で用いる液晶光学素子の詳細を第3図を参
照して説明する。
第3図中の31は、一方の基板である。32は表示導電膜で
あり31は基板上に積層されている。33は、低抵抗の金属
フイルムからなる伝送電極であり、表示導電膜32上に等
間隔に平行に並んで積層されている。又基板31に対して
図示されていない他方の基板が対向しており該他方の基
板上の図中画素Aの領域に対応する領域には対向導電膜
(対向電極)34が配置されている。表示用導電膜32と対
向電極34との間には、前述した光学的変調物質がサンド
イツチされている。
前記により構成される液晶光学素子では、伝送電極33に
印加された走査電圧により、表示用導電膜32の面内に電
位勾配を付与することによって、対向電極34との間の電
界に電位差勾配を生じさせる。
この際、たとえば伝送電極33bを第1の基準電位点Vaに
接続し、これと隣り合う伝送電極33aおよび33cに第2の
基準電位点VE(例えば0ボルト)を印加すると第4図
(a)の如く、伝送電極間33bと33aあるいは33bと33cの
導電膜32の面内の長さ方向l1とl2にVaの電位勾配を付与
する、 この時、強誘電性液晶の反転閾値電圧VthをVaとした
時、対向電極34に情報信号として−Vbを印加すると、第
13図(b)に示す様に導電膜32の面内の長さ方向m1とm2
に対応する強誘電性液晶に反転閾値電圧Vth以上の電位
差Va+Vbが印加されることになり、かかるm1とm2に対応
した領域が例えば明状態から暗状態に反転することがで
きる。従って、画素毎に階調に応じた値でVbの値を選択
して印加することによって階調性を表現することができ
る。この際、前記の様に対向電極34に印加する電圧信号
−Vbを階調情報に応じてその電圧値を変調してもよく、
又は階調情報に応じてそのパルス幅を変調してもよく若
しくはそのパルス数を変調することによって階調性を制
御することができる。
次に上記階調性を出すために最も好ましい光学変調素子
具体的構成例を第3図を用いて説明する。
図においてガラス基板31上にスパツタリング法によって
約3000Å厚の透明導電膜であるSnO2(酸化錫)膜を形成
し、表示用導電膜32とする。次いで1000Å厚でAlを前述
のSnO2膜上に真空蒸着し、再びパターニングすることに
より伝送電極33を複数本形成する。ここで、たとえば前
記伝送電極の間隔を230μm,該電極巾を20μmとするこ
とが出来る。
一方対向基板には、スパツタリング法によりITO(イン
ジウム、テイン、オキサイド)膜を対向電極34として設
ける。
このようにして作製された2つの基板のそれぞれの表面
に液晶配向膜として約500Åのポリビニルアルコール層
を形成し、ラビング処理を施した。
本発明の好ましい具体例としては、表示用導電膜32のシ
ート抵抗を好ましくは104Ω/□〜107Ω/□台、許容範
囲として103Ω/□〜109Ω/□台とすることである。こ
のような抵抗を形成するものとしては前記のSnO2をアル
ゴン気中でスパツターしたもの等が用いうる。かかるア
ルゴン気中でスパツターする方法は、例えばデイー・ビ
ー・フラシヤ(D.B.Fraser)とエツチ・デイー・クツク
(H.D.Cook)の共著“ジヤーナル・オブ・ザ・エレクト
ロケミカル・ソサイエテイー・ソリツド−ステート・サ
イエンス・アンド・テクノロジー”(“Journal of the
Electrochemical Society Solid−State Science and
Technology")第119巻、第10号(1972年発行)の“ハイ
リイー・コンダツクテイブ・トランスペアレント・フイ
ルムズ・オブ・スパツタード・In2−xSnxO3−y"(“Hig
hly Conductive Transparent Films of Sputtered In2
−xSnxO3−y")に記載されている。
上記した様に前記表示用導電膜32の抵抗を調整すること
により、前記階調性の表現が極めて広範の光学変調物質
に適用可能となる他、上記の方法で電位勾配をつける場
合においての電力消費を少なくすることが出来る。
上記条件はまず第1に階調表現を行なうための電位勾配
形成時において、上記表示用電極において流れる電流に
よる発熱を制限する。
すなわち、ガラス基板等への放熱を無視した場合の前記
電極の上昇温度は単純な論理計算で次の様になる。
V:前記Va−前記VE (伝送電極間の電位差) R:伝送電極間の抵抗 t:前記Vの印加時間 C:表示用電極(伝送電極間)の熱容量 v:伝送電極間の電極体積 ここでI画素に注目し、Vとして例えば10V、tとして1
00μsec、Cとして2〜3J/cm3・KまたVとして前記例
示した230μm×230μm×3000Åを代入した場合、ΔT
=250000/R(K)程度となる。ここで上記のガラス基板
等への放熱を考慮しても、たとえばR(ここではシート
抵抗がそのまま使える)が数Ω〜数十Ωであった場合、
温度上昇は相当大きなものとなり、この温度上昇が隣接
する光学変調物質の性質によっては光学的あるいは物性
的特性に悪影響を及ぼす可能性がある。特に、電圧が大
きくなったり、画素の書き込み時間が長くなったりある
いは、書込み時間が短くなったとしても逆に画素の面積
がより小さくなったりした場合に、該影響は更に大きく
なる。更に、前記Vが10Vの場合、1例としてRが100Ω
であれば1画素当り1Wの消費電力となり、たとえば後述
する様にこのような画素をマトリクスに多数構成した場
合、たとえば1000画素分の階調を1度与える場合1KWと
いう大きなものとなってしまう。したがって、本発明者
らは、上記を考慮し、特に上記表示用電極のシート抵抗
を103Ω/□以上とすることで、上記問題点を解決する
に至った。更に前記温度による影響を軽減し、光学変調
物質の選択を広範にし、また、書き込む時間、画素面積
の小型化を円滑に行なうためにさらに好ましくは104Ω
/□以上を選ぶことが出きる。
更に上記の抵抗値に上限を与えるとすれば、好ましくは
109Ω/□台以下、更に好ましくは107Ω/□台以下とす
ることである。この理由は以下の様に考える。すなわち
使用する光学変調物質の誘電率を前記強誘電液晶の典型
として5程度、また層厚を1μm、画素面積を230μm
の平方とした場合、上記液晶層の1画素当りの容量は2.
5pF(2.5×10-12F)程度となる。ここで上記液晶を例と
して100μsecの駆動を必要とする場合、前記階調を出す
電位差が充分液晶層に作用するためには前記表示用電極
の抵抗Rと液晶層のCから成るCRの大きさが前記100μs
ecより充分小さい方が良いからである。すなわち前記数
値を典型として利用すればR=107Ω/□の場合、2.5×
10-5(25μ)secとなり、これ以下であれば最適とする
ことが出来る。しかしながら、駆動をもっと遅くする場
合(たとえば1msec〜10msec)、あるいは液晶層厚を厚
くすることによりこの容量が小さくなった場合には、10
9Ω/□台程度であってもよい。
上記説明により、前記階調を付与するにあたり、最適な
条件を提供したが、前記した伝送電極は充分に電源接続
端部からの電圧を前記表示用電極に伝え得るものであれ
ば良く、充分低抵抗、1例として1Ω/□前後またはこ
れ以下のものが使用される。また、前記対向電極として
は1例として約20Ω/□のITO等が前記した様に用いら
れる。
以上において示した2つの基板を対向させ、間隙が約1
μmとなるよう調節し、強誘電性液晶(p−η−オクチ
ルオキシ安息香酸−P′−(2−メチルブチルオキシ)
フエニルエステルとp−η−ノニルオキシ安息香酸−
p′−(2−メチルブチルオキシ)フエニルエステルを
主成分とした液晶組成物)を注入した。表示用導電膜32
と対向電極34が重なる部分画素Aの形状は、230μm×2
30μmとした。但し、ここで画素Aの幅は とした。
このようにして形成した液晶セルの両側に、偏光板をク
ロスニコルにして配設し、光学特性を観測した。
第5図は電気信号の印加方法を模式的に示したものであ
り、第6図及び第7図は与える電気信号である。第6図
は第5図の駆動回路44で発生するシグナル(b)の波形
を、第7図(i)〜(v)は第5図の駆動回路43で発生
するシグナル(a)の波形を表わしている。
さてシグナル(b)として、全伝送電極33a,b,cに−12V
の200μsecパルスを、又シグナル(a)として対向電極
に8Vの200μsecパルスをあらかじめ同期して与える(こ
れを消去パルスと呼ぶ)消去ステツプを設ける。する
と、液晶は第1の安定状態にスイツチングされ、画素A
全体が明状態となる(このようにクロス偏光板を配置し
た)。なお、ここで使用する液晶の反転閾値を説明の便
宜上±15V〜±16Vとす。
この状態より、シグナル(b)として伝送電極33bに印
加した第6図のパルスに同期させて、第7図(a)〜
(e)に示される様な種々のパルスを対向電極34に与え
たときの画素Aの光学的状態を第8図に示す。
このとき、伝送電極33aおよび33cは基準電位(ここでは
0)とする。パルス印加電圧−2V(第7図(a)に対
応)では全く明状態71からの変化は生じない(第8図
(a)に対応)が、パルス電圧−4V(第7図(b)に対
応)では伝送電極33bの極く近傍の液晶がその閾値を越
える電界のために暗状態72へスイツチングする(第8図
(b)に対応)。さらに印加電圧を−6V(第7図
(c))、−8V(第7図(d))と大きくした場合に
は、反転の閾値を越える範囲が広がるため暗状態72の領
域は図示の如く広くなり(第8図(c)として代表例
示)印加電圧−10V(第7図(e))で画素A全体が暗
状態にスイツチングされる(第8図(d)に対応)。こ
のようにして階調性のある画像を形成することができ
る。
又、第10図A(a)〜(e)に示されるような種々のパ
ルス幅の異なるシグナル(a)と第9図に示されるよう
な、三角波であるシグナル(b)を同期して与えたとき
でも、前記に第8図に図示した光学的状態変化を示すこ
とができる。この際、第9図に示すシグナルを伝送電極
33bに印加し、このシグナルと同期して第10図(a)〜
(e)に示すパルスを階調に応じて対向電極34が印加す
ることによって階調性を表現することができる。
また上記は第10図B(a)〜(e)に示される様な種々
のタイミングの異なるシグナル(a)と第9図に示され
るような、三角波であるシグナル(b)を同期して与え
たときでも同様であることが容易に理解できるであろ
う。
尚、第5図中、41は強誘電性液晶、好ましくは双安定状
態下のカイラルスメクチツク液晶、42は対向基板を表わ
している。
又、本発明では前述の例で使用したアルミニウム(Al)
の伝送電極33の他に銀、銅、金、クロムなどの金属また
は低抵抗ITO等の透明電極を伝送電極33として使用する
ことができ、好ましくはそのシート抵抗を102Ω/□以
下とすることができる。
かかる電極のシート抵抗はたとえば膜厚を調節すること
によって適当な値に設計することができる。
上記において、階調をもたせる方法を示したが、たとえ
ば信号のレベルを特に2値だけ選ぶことによって当然階
調を出さない2値の表現も行うことができる。
上記例の場合信号としては上記第7図(e)と第10図
(e)に示す信号を反転させる信号とすることができ
る。
第11図は、本発明による階調表現方式をマトリクス駆動
に適用した際の具体例を表わしている。
第11図に示す表示パネルは、ガラス基板31の上にストラ
イプ状導電膜101(101a,101b,101c)が複数配列され、
さらにそれぞれのストイライプ状導電膜101の長手方向
における両端部には低抵抗の伝送電極102(102a,102b,1
02c)と103(103a,103b,103c)が配線されている。基板
31と対向する対向基板(図示せず)に設けたストライプ
状の導電膜からなる対向電極104(104a,104b)が配置さ
れ、前述のストライプ状導電膜101と対向電極104との間
に強誘電性液晶が配置される。
本発明では、書込みライン毎に、書込みに先立って、ラ
イン上の画素の全部又は所定部を明状態か暗状態かのい
ずれか一方の状態に消去する。その後に、一方の伝送電
極102(102a,102b.102c)毎に第6図又は第9図に示す
パルスを走査信号とし順次印加するとともに、他方の伝
送電極103(103a,103b,103c)を基準電位点(例えば0
ボルト)に接続することによって、ストライプ状導電膜
101に順次伝送電極102と103間での電位勾配は付与する
ことができる。この際、走査選択信号は、強誘電性液晶
の反転閾値電圧と等しいか、これにより若干小さめの電
圧のパルスとすることが好ましい。
一方、複数のストライプ状対向電極には、各電極毎に伝
送電極102に印加し走査選択信号と同期させて、第7図
(a)〜(e)又は第10図(a)〜(e)に示す様な階
調情報に応じた電圧信号を印加することによって、走査
線上の画素を階調に応じて書込みを行なうことができ
る。従って、上述の書込みを線順次書込みを行なうこと
によって、階調性を持つ1画面を形成することができ
る。
この場合は、前記の画素Aは、ストライプ電極101と104
の交差部になり、また、液晶の反転領域は102,103いず
れか所定の伝送電極側から階調に従って広がっていく。
また、本発明では、前述のストライプ状電極104毎に第
6図又は第9図に示すパルス信号を走査信号として順次
印加し、この走査信号と同期させて前述の一方の伝送電
極102に第7図又は第10図に示す様な階調情報に応じた
電圧信号を印加するとともに、他方の伝送電極103を基
準電位点に接続することによっても階調性をもつ画面を
形成することができる。
第12図は、本発明による別の具体例を表わしている。第
12図で示す液晶光学素子は、複数のストライプ状導電膜
111が一方の基板上に設けられ、このストライプ状導電
膜111と交差させて対向配置した複数のストライプ状導
電膜112が強誘電性液晶を介して他方の基板上に設けら
れている。さらに、前述のストライプ状導電膜111と112
のそれぞれの両端部には低抵抗の伝送電極113,114,115
と116が配線されている。
本発明の別の具体例では、伝送電極113のそれぞれの端
子S1,S2……S7が走査信号発生回路(図示せず)に接続
され、一方の伝送電極115のそれぞれの端子I1,I2……I
6が情報信号発生回路(図示せず)に接続されている。
又、端子G11,G12……G16とG21,G22……G27は基準電位
点(例えば0ボルト)に接続されている。
従って、本発明では消去ステツプを経た各画素が走査信
号側導電膜の面内で電位勾配を発生し、さらに情報信号
側導電膜の面内でも電位勾配を発生し、両側の電位勾配
で発生する電位差勾配が画素内の強誘電性液晶に印加さ
れることになり、多階調の表示画面の形成が可能とな
る。
この際、すなわち、伝送電極側に情報信号をもたせた場
合、たとえば1000画素×1000画素の画面を駆動するとし
たら、この伝送電極間の表示用電極で消費する電力は10
00画素分×選択画素数となるため、上記表示用電極に適
切な抵抗条件を与えることが必要となる。従って、最も
好ましくは、前記伝送電極側に走査信号を与える第11
図、あるいは後述する第13図に示す光学変調素子とする
のが適している。
ここで第11図および第12図に示した構成においては、ス
トライプ導電膜101は、各ライン毎に分離している。こ
のストライプ導電膜は本発明によれば通常低抵抗のITO
よりも103Ω/□以上の高抵抗が得られるSnO2膜等の方
が良い。ここでSnO2膜の効率的な微細エツチング方法に
ついて簡単に述べる。
すなわち、SnO2膜のエツチング法としては亜鉛粉末に水
を加えてペースト状にしたもの、あるいは場合によって
は希塩酸を加えたものよりSnO2膜をエツチングする方法
が知られているが、好ましくは微細なエツチングを行う
方法としてBF3(三ふっ化ほう素)プラズマをSnO2と反
応させることにより、SnO2を分離し、これでSnO2膜のエ
ツチングを行なうことができる。第13図は、本発明の別
の具体例を表わしている。第13図に示す液晶光学素子
は、一方の一枚の導電膜121には平行な複数の伝送電極1
22が配線され、それぞれが走査信号発生回路(図示せ
ず)に接続したS1,S2……S7に接続されている。これら
伝送電極122と交差させて複数のストライプ状導電膜か
らなる電極123が対向配置され、前述の導電膜121とスト
ライプ状電極123との間には強誘電性液晶が配置されて
いる。このストライプ状電極123の端子I1,I2……I5
それぞれ情報信号発生回路(図示せず)に接続されてい
る。
従って、本例では消去ステツプを経た後、液晶光学素子
の端子S1,S2……S7に順次走査信号を印加し、かかる走
査信号が印加されていない端子は基準電位点に接続する
ことによって電位勾配を形成する。一方、ストライプ状
電極123には走査信号と同期させて階調信号を印加する
ことによって階調性の画面を形成することができる。
ここで、前記の走査信号は、たとえば最初に端子の奇数
番目S1,S3,S5……S2n-1順次印加し、次に端子の偶数
番目S2,S4,S6……S2nに順次印加するようにしてもい
い。
さらに、以上までの説明においては、前記基準電位点を
主に0電位としたが、基準電位点の電位をもち上げてや
ってもよい。この時、Va−VEの値が小さくなるため階調
のための電位勾配は緩やかになるが、情報信号に印加す
る電位点の絶対値を小さくすることができる。
又、逆に基準電位点の電位を下げてやることでVa−VE
値を大きくして階調の幅を広げることもできる。
又、本発明によれば前述のストライプ状電極123に順次
走査信号を印加し、この走査信号と同期させて奇数番目
(又は偶数番目)伝送電極に階調信号を印加し、偶数番
目(又は奇数番目)の伝送電極を基準電位点に接続する
ことによっても階調駆動が行なえる。
又、本発明では前述の強誘電性液晶の他にツイステツド
ネマチツク液晶、ゲストホスト液晶などを用いることが
できるが、最も好ましくは強誘電性液晶、特に少なくと
も2つの安定状態をもつ強誘電性液晶が適している。
〈発明の効果〉 画素を構成する少なくとも一方の導電膜面内に電位勾配
を形成し、入力信号として電圧値、あるいはパルス幅あ
るいはパルス数等によって変調された階調信号を印加す
ることにより階調表示を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明で用いる強誘電性液晶素子
を模式的に示す斜視図である。第3図は本発明で用いる
一方の基板を表わす斜視図である。 第4図(a)及び(b)は、本発明で用いる電位勾配を
模式的に表わす説明図である。 第5図は、本発明で用いる液晶光学素子の断面図であ
る。第6図及び第7図(a)〜(e)は、本発明で用い
るパルス波形を表わす説明図である。第8図(a)〜
(d)は画素の階調性を表わす模式図である。第9図、
第10図(A)(a)〜(e)及び第10図(B)(a)〜
(e)は、本発明で用いる別のパルスの波形を表わす説
明図である。第11図は、本発明で用いる別の液晶光学素
子を表わす斜視図である。第12図及び第13図は、本発明
で用いる別の液晶光学素子を表わす平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 通 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−100735(JP,A) 特開 昭60−43632(JP,A) 特開 昭60−14219(JP,A) 特開 昭52−122098(JP,A) 米国特許4367924(US,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する一対の導電膜の間に光学変調物質
    が配された画素を行列状に複数配列し、行毎に複数の画
    素を共通に接続した走査線と、列毎に複数の画素を共通
    に接続した情報線とを有する光学変調素子において、 該画素の一対の導電膜の少なくとも一方は、互いに離間
    した2つの伝送電極を備えるとともに、そのシート抵抗
    が該伝送電極のシート抵抗より高い103Ω/□以上の膜
    であり、 該走査線を順次走査することによって走査選択した走査
    線上の画素の導電膜間に、該2つの伝送電極への異なる
    電圧の印加によって生じる電位勾配に基いた電位差勾配
    が生じる様に、走査線に走査信号を印加するとともに該
    走査信号と同期して情報線に情報信号を印加する第1の
    手段と、該情報信号の印加に先立って、該走査選択した
    走査線上の画素に、該画素の光学状態を一様な状態に消
    去するのに十分な電圧を印加する第2の手段と、を有す
    る電圧印加手段が付設されていることを特徴とする光学
    変調素子。
  2. 【請求項2】前記情報信号が階調情報をもつ情報信号で
    ある特許請求の範囲第1項記載の光学変調素子。
  3. 【請求項3】前記光学変調物質が液晶である特許請求の
    範囲第1項記載の光学変調素子。
  4. 【請求項4】前記液晶がカイラルスメクチック液晶であ
    る特許請求の範囲第3項記載の光学変調素子。
  5. 【請求項5】前記カイラルスメクチック液晶が印加電圧
    の極性に応じてそれぞれ第1及び第2の安定状態を生じ
    る液晶である特許請求の範囲第4項記載の光学変調素
    子。
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ES198686116359T ES2033674T3 (es) 1985-11-26 1986-11-25 Aparato de modulacion optica para un tablero senalizador.
US06/934,920 US4818078A (en) 1985-11-26 1986-11-25 Ferroelectric liquid crystal optical modulation device and driving method therefor for gray scale display
DE8686116359T DE3685632T2 (de) 1985-11-26 1986-11-25 Optische modulationsvorrichtung und verfahren zu deren ansteuerung.

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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