JPH08227077A - 液晶表示素子及びそれを用いた情報伝達装置 - Google Patents

液晶表示素子及びそれを用いた情報伝達装置

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JPH08227077A
JPH08227077A JP3411595A JP3411595A JPH08227077A JP H08227077 A JPH08227077 A JP H08227077A JP 3411595 A JP3411595 A JP 3411595A JP 3411595 A JP3411595 A JP 3411595A JP H08227077 A JPH08227077 A JP H08227077A
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fine particles
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insulating film
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JP3411595A
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English (en)
Inventor
Tomoko Maruyama
朋子 丸山
Masanobu Asaoka
正信 朝岡
Hideaki Takao
英昭 高尾
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】液晶分子の移動を抑制し、セル厚変化に伴う欠
陥の発生を防止する。 【構成】液晶表示素子の絶縁膜3a,3b中には、大き
さの異なる微粒子9a,…と微粒子9b,…とを混入す
る。これらの微粒子9a,…,9b,…は絶縁膜3a,
3bの表面に露呈し、さらに、配向制御膜5a,5bの
表面に多数の凹凸を形成する。したがって、液晶表示素
子の駆動に伴って液晶分子が移動しようとしても該移動
はこれらの凹凸によって抑制される。その結果、セル厚
の変化に伴う配向欠陥を防止できる。また、これらの凹
凸は、大きさの異なる微粒子9a,…と微粒子9b,…
との高低差によって形成されるものであるため、単一の
大きさの微粒子による場合に比べて凹凸の分布が均一と
なり、液晶分子移動の抑制の効果や、配向欠陥の防止の
効果が顕著になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的には、強誘電性
液晶を注入した液晶表示素子に係り、詳しくは液晶分子
の移動を抑制する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御する
型の表示素子がクラーク(Clark)及びラガーウォ
ル(Lagerwall)により提案されている(特開
昭56−107216号公報、米国特許第436792
4号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特定の温
度域において、非らせん構造のカイラルスメクチックC
相(SmC* )又はH相(SmH* )を有し、この状態
において、加えられる電界に応答して第1の光学的安定
状態と第2の光学的安定状態のいずれかを取り、且つ電
界の印加のないときはその状態を維持する性質、すなわ
ち双安定性を有し、また電界の変化に対する応答も速や
かであり、高速ならびに記憶型の表示素子用としての広
い利用が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の強誘
電性液晶表示素子を長時間駆動し続けると、液晶分子が
移動してセル端部のセル厚が増加していき、黄色に色付
いて見えてくるという現象(以下、“黄変”とする)が
認められる。そして、セル厚が不均一になることに伴い
液晶表示素子の表示状態も均一でなくなるという問題が
あった。以下、この黄変について説明する。
【0004】本発明者は、このように液晶分子が移動す
る原因を、駆動パルスによる交流的な電界で液晶分子の
双極子モーメントが揺らぐことにより発生する電気力学
的効果によるものと推察している。そして、液晶分子が
移動する方向22は、図1(a) に示す一軸性配向処理方
向(ラビング方向)Aと液晶分子の平均分子軸方向2
1、21´とにより決まることが、本発明者の実験によ
って確認されている。また、このように液晶分子の移動
方向が一軸性配向処理の方向に依存することから、この
現象は基板界面でのプレチルトの状態に依存しているこ
とが推測される。ここで、図中の平均分子軸方向21、
21′は強誘電性液晶分子の双安定状態に於ける平均的
な分子位置を示している。そしていま、平均分子軸方向
が符号21に示す方向である場合に液晶がスイッチング
しない程度の適当な交流電界を印加すると、液晶分子は
矢印22の方向に移動し、図1(b) に示すセル端部23
にて黄変が発生することとなる。また、平均分子軸方向
が符号21′に示す状態であると、交流電界下で移動方
向は逆になるが、いずれの状態21,21′にせよ液晶
分子の移動方向はラビング方向Aに対して垂直な方向と
なり、スメクチック層内において液晶の移動が生じる。
但し、ここでは自発分極の向きが負である液晶材料を用
いた場合について述べている。
【0005】ところで、上述した液晶分子の移動現象は
セルの配向状態に依存しており、後述するC2配向では
極めて起こりにくく、C1配向で旦つユニフォーム配向
の場合には顕著に観測される。
【0006】ここで、C1およびC2の2種類の配向状
態について、図2に示すようなスメクチック層のシェブ
ロン構造の違いで説明する。
【0007】図2中の符号31はスメクチック層を、符
号32はC1配向領域を、符号38はC2配向領域を、
それぞれ示している。スメクチック液晶は、一般に層構
造を持つが、SmA相からSmC相またはSm* C相に
転移すると層間隔が縮むので、図2に示すように、層が
上下基板(5a,5b)の中央付近で折れ曲がった構造
(シェブロン構造)をとる。ここで、折れ曲がる方向
(配向状態)は、図2に示すように、C1とC2の2つ
有り得るが、良く知られているように一軸性配向(ラビ
ング)によって基板界面の液晶分子は基板に対して角度
をなし(プレチルト)、その方向はラビング方向Aに向
かって液晶分子が頭をもたげる(先端が浮いた格好にな
る)向きである。このプレチルトのためにC1配向とC
2配向とは弾性エネルギー的に等価でなく、ある温度で
転移が起こることがある。また、機械的な歪みで転移が
起こることもある。図2の層構造を平面的に見ると、ラ
ビング方向Aに向かってC1配向からC2配向に移ると
きの境界34はジグザグの稲妻状でライトニング欠陥と
呼ばれ、C2配向からC1配向に移るときの境界35は
幅の広いゆるやかな曲線状で、ヘアピン欠陥と呼ばれ
る。
【0008】ここで、強誘電性液晶を配向するために一
軸性配向処理が施された一対の基板を備え、該一対の基
板を、一軸性配向方向が相互にほぼ平行で同一方向にな
るように対向配置した液晶表示素子において、強誘電性
液晶のプレチルト角をαとし、チルト角(コーン角の1
/2)をΘとし、Sm* C層の傾斜角をδとし、強誘電
性液晶は、次式で表される配向状態を有するようにする
と、C1配向状態に於いてシェブロン構造を有する4つ
の状態が存在する。
【0009】
【数1】Θ<α+δ この4つのC1配向状態は、従来のC1配向状態とは異
なっており、なかでも4つのC1配向状態のうちの2つ
の状態は、双安定状態(ユニフォーム状態)を形成して
いる。ここで、無電界時の“みかけのチルト角(前記双
安定状態の光学軸のなす角度の1/2)”をθaとすれ
ば、C1配向状態における4つの状態のうち、次式の関
係を示す状態をユニフォーム状態という。
【0010】
【数2】Θ>θa>Θ/2 ユニフォーム状態においては、その光学的性質からみて
液晶分子(ダイレクタ)が上下基板間でねじれていない
と考えられる。図3(a) はC1配向の各状態における基
板間の各位置でのダイレクタの配置を示す模式図であ
る。図中51〜54は各状態においてダイレクタをコー
ンの底面に投影し、これを底面方向から見た様子を示し
ており、Cダイレクタといわれる。この図で、符号51
および52がスプレイ状態、符号53および54がユニ
フォーム状態と考えられるCダイレクタの配置である。
同図から分かる通り、ユニフォームの2状態53と54
においては、上下いずれかの基板界面の液晶分子の位置
がスプレイ状態の位置と入れ替わっている。図3(b) は
C2配向を示しており、界面のスイッチングはなく内部
のスイッチングで2状態55と56がある。このC1配
向のユニフォーム状態は、従来用いていたC2配向にお
ける双安定状態より大きなチルト角θaを生じ、輝度大
きくしかもコントラストが高い。
【0011】そこで、本発明は、液晶分子の移動を抑え
ることにより、上述のような黄変の発生を抑制する液晶
表示素子を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、透明電極と絶縁膜と配向制御
膜とがそれぞれ順に形成された一対の基板を備え、これ
ら一対の基板を対向配置し、かつ前記一対の基板間に強
誘電性液晶を注入した液晶表示素子に関し、特に、少な
くとも一方の絶縁膜中に、第1の微粒子と、該第1の微
粒子とは大きさの異なる第2の微粒子とが、それぞれ多
数混入され、これらの第1及び第2の微粒子が前記絶縁
膜の表面に露呈し、かつ、前記配向制御膜の表面に多数
の凹凸が形成されてなる、ことを特徴とする。この場
合、前記絶縁膜が、第1の絶縁層と第2の絶縁層とが積
層されて構成され、かつ、前記第1の絶縁層に前記第1
の微粒子が混入されると共に、前記第2の絶縁層に前記
第2の微粒子が混入されてなる、ようにしてもよい。ま
た、前記強誘電性液晶が、少なくとも2つの安定状態を
示し、それらの光学軸のなす角度の1/2であるθaと
強誘電性液晶のチルト角Θとが、 Θ>θa>Θ/2 で表される配向状態を有する、ようにすると好ましい。
さらに、前記絶縁膜が塗布型絶縁膜である、ようにする
と好ましい。また、前記第1の微粒子及び前記第2の微
粒子が無機酸化物微粒子である、ようにすると好まし
い。
【0013】一方、本発明に係る情報伝達装置は、デー
タ信号及び走査方式信号を出力するグラフィックコント
ローラと、走査線アドレスデータ及び走査方式信号を出
力する走査信号制御回路と、表示データ及び走査方式信
号を出力する情報信号制御回路と、上述したいずれかの
液晶表示素子と、を備える、ことを特徴とする。
【0014】
【作用】以上構成に基づき、液晶表示素子を駆動したと
きに液晶分子が移動しようとしても、該液晶分子の移動
は、配向制御膜の表面に形成された凹凸によって抑制さ
れる。
【0015】
【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例につい
て説明する。
【0016】本実施例に係る液晶表示素子Pは、図4に
示すように、2枚のガラス基板1a,1bを備えてお
り、これらの基板1a,1b上には、透明電極2a,2
bと、透明電極2a,2bを被覆する絶縁膜3a,3b
と、絶縁膜3a,3bを被覆する配向制御膜5a,5b
と、がそれぞれ順に形成されている。そして、ガラス基
板1a,1bの間にはスぺーサ7,…や接着微粒子8,
…が配置されており、両基板1a,1bが、所定の間隙
を有すると共に平行に配置されるように構成されてい
る。また、両基板1a,1bの端部はシール部材10に
よって接着されており、両基板1a,1bの間隙には、
強誘電性液晶6、少なくとも2つの安定状態を持つ非ら
せん構造の強誘電性スメクチック液晶が注入されてい
る。
【0017】ここで、透明電極2a,2bの厚さは約4
000〜3000Åであり、絶縁膜3a,3bの厚さは
100〜3000Åである。また、配向制御膜5a,5
bの厚さは5〜100nmである。さらに、強誘電性液
晶6としては、カイラルスメクチック層状態のものを用
いることができ、例えば次のような相転移温度及び物性
値を示すピリミジン系混合液晶を用いることができる。
【0018】
【化1】 チルト角 Θ =14°(30℃) 層の傾料角 δ =11°(30℃) 見かけのチルト角 θa=11°(30℃) なお、本実施例においては、配向制御膜5a,5bに
は、前記ピリミジン系液晶Aのプレチルト角αが例えば
17°となるようにラビング処理が施されており、前記
数1式及び数2式を満たし、上述したC1ユニフォーム
配向を得ている。
【0019】ところで、上述した絶縁膜3a,3b中に
は、図5(a) 及び(b) に詳示するように、所定の粒径の
微粒子(第1の微粒子)9a,…と、該微粒子9,…よ
りも大きい粒径の微粒子(第2の微粒子)9b,…と
が、それぞれ多数混入されており、これらの微粒子9
a,…,9b,…は絶縁膜3a,3bの表面に露呈され
ている。そして、これらの絶縁膜3a,3bの上に形成
される配向制御膜5a,5bの表面には、微粒子9a,
…,9b,…によって多数の凹凸が形成されている。ま
た、該絶縁膜の形成は、所定の溶液(以下、“絶縁膜形
成溶液”とする)を塗布・焼成することにより行うが、
該溶液には、所定の有機溶媒にTi,Si,Zr,A
l,Ta等の無機酸化物(例えば、SiOX )の微粒子
を分散させたもの(例えば、主溶媒ヘキシレングリコー
ル)を用いる。
【0020】なお、上述した絶縁膜は塗布・焼成タイプ
のものを一層形成するだけでもよく、スパッタ膜との複
層構造でもよい。また、上述実施例においては、絶縁膜
3a,3bを各基板1a,1b上に一層ずつ形成し、か
つ大きさの異なる微粒子9a,…,9b,…を混入して
いるが、もちろんこれに限る必要はなく、後述する“実
験2”のように、絶縁膜3a,3bを2層(第1の絶縁
層、第2の絶縁層)ずつ形成し、第1の絶縁層に第1の
微粒子9a,…を混入し、第2の絶縁層に第2の微粒子
9b,…を混入するようにしてもよい。
【0021】ついで、本実施例の効果について説明す
る。
【0022】本実施例においては、配向制御膜5a,5
bの表面には凹凸が多数形成されているため、液晶表示
素子Pが駆動されたときに液晶分子が移動しようとして
も、その液晶分子の移動はその凹凸によって抑制され
る。したがって、上記従来例にて述べたような黄変の発
生が低減されて、均一な表示状態を維持できる。
【0023】また、仮に、絶縁膜中に含有させる微粒子
を単一サイズとした場合には、粒子サイズのバラツキ
や、粒子どうしの凝集が誘因されて、それに伴い配向欠
陥が発生するが、本実施例においては凹凸は大きさの異
なる2種類の微粒子9a,…,9b,…によって形成す
るため、該配向欠陥の発生も低減される。
【0024】さらに、本実施例によれば安定なC1ユニ
フォーム配向が得られるため、従来用いられていたC2
配向における双安定状態よりも輝度が高く、しかもコン
トラストが高い画像表示が可能となる。
【0025】また、本実施例によれば、配向制御膜5
a,5b表面への凹凸の形成は、絶縁膜中に微粒子9
a,…,9b,…を混合することにより行うものである
ため、配向制御膜5a,5bの表面を何ら加工・処理す
る必要はない。したがって、液晶6の配向性に悪影響を
与えることもなく、安定な配向性を保持したままで上述
のように液晶の移動を低減できる。
【0026】本出願人は、上述実施例の効果を確かめる
ために以下のような実験を行った。 <実験1>本実験に用いたガラス基板1a,1bの厚さ
は1.1mmであり、透明電極2a,2bとしては約1
000Å厚のIT0膜を用いた。また、絶縁膜形成溶液
には、塗布型絶縁膜用溶液RTZ−6(触媒化成製)に
平均粒径450ÅのSiO2 微粒子(第1の微粒子)を
15wt%、平均粒径800ÅのSiO2 微粒子(第2
の微粒子)を5wt%だけそれぞれ分散させた溶液を用
いた。さらに、絶縁膜形成溶液を展色板を用いて印刷法
によって塗布し、80°で3分間程度乾燥させ、その後
300℃で60分本焼成することにより、厚さ約200
Åの絶縁膜を形成した。なお、この絶縁膜の表面をSE
M(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、微粒子が膜
表面に露呈し凹凸が形成されていた。また、大きい微粒
子と小さい微粒子の露呈高さの差は200〜500Å程
度であった。
【0027】一方、配向制御膜5a,5bの形成のため
の溶液(以下、“配向制御膜形成溶液”とする)として
は、日立化成社製のポリアミド酸LQ1802の1%N
MP溶液を用い、該溶液をスピナーで塗布し、その後2
70℃で約1時間加熱焼成処理を施して膜厚が約200
Åの配向制御膜5a,5bを形成した。また、この配向
制御膜5a,5bには、ナイロン植毛布によるラビング
処理を行った。なお、この状態で配向制御膜5a,5b
の表面には凹凸が形成されており、その形状はSEM
(走査型電子顕微鏡)で観察される。
【0028】さらに、ラビング処理を施した一方のガラ
ス基板1a又は1b上に、スぺーサ7,…として平均粒
径1.2μmのシリカビーズを散布し、それぞれのラビ
ング処理軸が互いに平行でかつ同一方向となるように2
枚のガラス基板1a,1bを重ね合わせてセルを作製し
た。またさらに、このセルに強誘電性液晶6としてのピ
リミジン系混合液晶Aを100℃の温度下で注入した。
【0029】以上のようにして作製した液晶表示素子P
を観察したところ、C1ユニフォーム配向が観察され、
輝度及びコントラストの高い画像表示が得られた。ま
た、セル全体の配向を、図1(a) における平均分子軸方
向21に揃え、パルス幅Δ=25μS、電圧振幅VPP
40V、1/2デューティの矩形波を約12時間印加し
た後に、図1(b) の領域23におけるセル厚を測定した
ところ、該セル厚は初期に比較して約10%しか増加し
なかった。さらに、このセルをクロスニコルの偏光板に
挟み目視で色付きを観察したところ、黄変は認識できな
かった。 <実験2>本実験においては、絶縁膜3aを、図7に示
すように第1の絶縁層30a及び第2の絶縁層31aに
よって二層に形成し、他方の絶縁膜3bも同様に、第1
の絶縁層30b及び第2の絶縁層31bによって二層に
形成している。そして、第1の絶縁層30a及び30b
には第1の微粒子9a,…を多数混入し、第2の絶縁層
31a及び31bには第2の微粒子9b,…を多数混入
している。
【0030】そして、第1の絶縁層30a及び30bを
形成する溶液としては、塗布型絶縁膜用溶液セラメート
RTZ−6(触媒化成製)に平均粒径450ÅのSiO
2 微粒子(第1の微粒子9a,…)を13wt%だけ分
散させた溶液を、主溶媒ヘキシレングリコールで1%に
希釈したものを用いた。また、第1の絶縁層30a及び
30bは、上述の溶液を2000rpm、20秒でスピ
ンコートし、80℃で3分間程度乾燥させた後、300
℃で60分本焼成することにより、厚さ約230Åに形
成した。なお、ガラス基板1a,1bや透明電極2a,
2bの厚さは、上記実験1の場合と同様にした。また、
この絶縁膜の表面をSTM(走査型トンネル顕微鏡)で
観察したところ、微粒子が膜表面に露呈し、高低差15
0〜320Åの凹凸が形成されていた。
【0031】また、第2の絶縁層31a及び31bを形
成する溶液としては、上述の塗布型絶縁膜用溶液に平均
粒径200ÅのSiO2 微粒子(第2の微粒子9b,
…)を8wt%だけ分散させた溶液を、主溶媒ヘキシレ
ングリコールで1%に希釈したものを用いた。そして、
第2の絶縁層31a及び31bは、上述の溶液を400
0rpm、20秒でスピンコートし、80℃で3分間程
度乾燥させた後、300℃で60分本焼成することによ
り、厚さ約150Åに形成した。なお、この絶縁膜の表
面をSTMで観察したところ、下層の絶縁膜で形成され
ていた凹凸に加えて20〜120Å程度の凹凸が観察さ
れた。そして、上記実験1と同様の条件で、配向制御膜
5a,5bを形成し、ラビング処理を行い、さらにシリ
カビーズを散布してセルを作製した。また、このセルに
強誘電性液晶6としてのピリミジン系混合液晶Aを10
0℃の温度下で注入した。
【0032】以上のようにして作製した液晶表示素子P
を観察したところ、C1ユニフォーム配向が観察され、
輝度及びコントラストの高い画像表示が得られた。ま
た、上述と同様の方法により液晶表示素子Pを駆動し、
その後にセル厚を測定したが、約5%の増加しかなかっ
た。さらに、目視によっても黄変は確認されなかった。 <実験3>本実験においては、絶縁膜形成溶液としての
塗布型絶縁膜用溶液(Ti−Si)(東京応化製)を1
500rpm、20秒でスピンコートし、100℃で3
分間程度乾燥させた後、300℃で60分本焼成するこ
とにより、厚さ約1500Åの絶縁膜を形成した。な
お、ガラス基板1a,1bや透明電極2a,2bの厚さ
は、上記実験1の場合と同様にした。また、この絶縁膜
の表面をSTM(走査型トンネル顕微鏡)で観察したと
ころ、約50Åの不規則な凹凸が形成されていた。そし
て、上記実験1と同様の条件で、配向制御膜5a,5b
を形成し、ラビング処理を行い、さらにシリカビーズを
散布してセルを作製した。また、このセルに強誘電性液
晶6としてのピリミジン系混合液晶Aを100℃の温度
下で注入した。
【0033】以上のようにして作製した液晶表示素子P
を観察したところ、C1ユニフォーム配向が観察され、
輝度及びコントラストの高い画像表示が得られた。ま
た、上述と同様の方法により液晶表示素子Pを駆動し、
その後にセル厚を測定したが、約50%も増加し、黄変
の発生も確認された。 <実験4>本実験においては、塗布型絶縁膜用溶液セラ
メートRTZ−6(触媒化成製)に平均粒径450Åの
SiO2 微粒子を25wt%だけ分散させた溶液を、主
溶媒ヘキシレングリコールで1%に希釈したものを絶縁
膜形成溶液とした。そして、該溶液を2000rpm、
20秒でスピンコートし、80℃で3分間程度乾燥させ
た後、300℃で60分本焼成することにより、厚さ約
220Åの絶縁膜を形成した。なお、ガラス基板1a,
1bや透明電極2a,2bの厚さは、上記実験1の場合
と同様にした。また、この絶縁膜の表面をSTM(走査
型トンネル顕微鏡)で観察したところ、微粒子が膜表面
に露呈し、高低差150〜450Åの凹凸が形成されて
いた。そして、上記実験1と同様の条件で、配向制御膜
5a,5bを形成し、ラビング処理を行い、さらにシリ
カビーズを散布してセルを作製した。また、このセルに
強誘電性液晶6としてのピリミジン系混合液晶Aを10
0℃の温度下で注入した。
【0034】以上のようにして作製した液晶表示素子P
を観察したところ、C1ユニフォーム配向が観察された
ものの、該得られた配向は実験1及び2のものに比べて
非常にムラが多く、汚いものであった。なお、SEMに
よる表面観察によると、これはSiO2 微粒子が部分的
に凝集し、かたまりのまま凹凸を形成しているためと判
明した。
【0035】また、上述と同様の方法により液晶表示素
子Pを駆動し、その後にセル厚を測定したが、約20%
も増加し、黄変も若干ながら確認された。
【0036】最後に、上記液晶表示素子Pの周辺機器に
ついて、図7に沿って簡単に説明する。
【0037】本実施例に係る液晶表示素子Pには、図7
に示すように、走査信号印加回路402及び情報信号印
加回路403が接続されており、これらの回路402,
403には、走査信号制御回路404及び情報信号制御
回路406、駆動制御回路405、及びグラフィックコ
ントローラ407が順に接続されている。そして、駆動
制御回路405を介してグラフィックコントローラ40
7から走査信号制御回路404及び情報信号制御回路4
06へは、データと走査方式信号とが送信されるように
なっている。このうちのデータは、これらの回路40
4,406によってアドレスデータと表示データとに変
換され、また、他方の走査方式信号は、そのまま走査信
号印加回路402及び情報信号印加回路403に送られ
るようになっている。さらに、走査信号印加回路402
は、アドレスデータによって決まる走査電極に走査方式
信号によって決まる波形の走査信号を印加し、また情報
信号印加回路403は、表示データによって送られる白
又は黒の表示内容と走査方式信号の2つによって決まる
波形の情報信号を印加するように構成されている。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
配向制御膜の表面には凹凸が多数形成されているため、
液晶表示素子が駆動されたときに液晶分子が移動しよう
としても、その液晶分子の移動は抑制される。したがっ
て、上記従来例にて述べたような黄変の発生が低減され
て、均一な表示状態を可能にする。
【0039】また、仮に、絶縁膜中に含有させる微粒子
を単一サイズとした場合には、粒子サイズのバラツキ
や、粒子どうしの凝集が誘因されて、それに伴い配向欠
陥が発生するが、本発明においては凹凸は大きさの異な
る2種類の微粒子によって形成するため、該配向欠陥の
発生も低減される。
【0040】さらに、本発明によれば、角度θaとチル
ト角Θとの関係を所定のものにすることにより、安定な
C1ユニフォーム配向が得られる。したがって、従来用
いられていたC2配向における双安定状態よりも輝度が
高く、しかもコントラストが高い画像表示が可能とな
る。
【0041】また、本発明によれば、配向制御膜表面へ
の凹凸の形成は、絶縁膜中に微粒子を混合することによ
り行うものであるため、配向制御膜の表面を何ら加工・
処理する必要はない。したがって、液晶の配向性に悪影
響を与えることもなく、安定な配向性を保持したままで
上述のように液晶の移動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) はラビング方向と液晶の移動方向との関係
を説明するための図、(b) は液晶の移動に伴い黄変する
領域等を説明するための図。
【図2】スメクチック層の配向モデルを示した図。
【図3】(a) はC1配向の各状態における基板間の各位
置でのダイレクタの配置を示す模式図、(b) はC2配向
を示す模式図。
【図4】本発明に係る液晶表示素子の構造を示す断面
図。
【図5】本発明に係る液晶表示素子の詳細構造を示す断
面図であり、(a) は上側の基板の詳細断面図、(b) は下
側の基板の詳細断面図。
【図6】本発明に係る液晶表示素子の詳細構造を示す断
面図であり、(a) は上側の基板の詳細断面図、(b) は下
側の基板の詳細断面図。
【図7】本発明に係る情報伝達装置の構成を示すブロッ
ク図。
【符号の説明】
1a,1b 基板(ガラス基板) 2a,2b 電極(透明電極) 3a,3b 絶縁膜 5a,5b 配向制御膜 6 強誘電性液晶 7,… スペーサ 9,… 微粒子 400 情報伝達装置 404 走査信号制御回路 406 情報信号制御回路 407 グラフィックコントローラ P 液晶表示素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極と絶縁膜と配向制御膜とがそれ
    ぞれ順に形成された一対の基板を備え、これら一対の基
    板を対向配置し、かつ前記一対の基板間に強誘電性液晶
    を注入した液晶表示素子において、 少なくとも一方の絶縁膜中に、第1の微粒子と、該第1
    の微粒子とは大きさの異なる第2の微粒子とが、それぞ
    れ多数混入され、 これらの第1及び第2の微粒子が前記絶縁膜の表面に露
    呈し、かつ、 前記配向制御膜の表面に多数の凹凸が形成されてなる、
    液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記絶縁膜が、第1の絶縁層と第2の絶
    縁層とが積層されて構成され、かつ、 前記第1の絶縁層に前記第1の微粒子が混入されると共
    に、前記第2の絶縁層に前記第2の微粒子が混入されて
    なる、 請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記強誘電性液晶が、少なくとも2つの
    安定状態を示し、それらの光学軸のなす角度の1/2で
    あるθaと強誘電性液晶のチルト角Θとが、 Θ>θa>Θ/2 で表される配向状態を有する、 ことを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記絶縁膜が塗布型絶縁膜である、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の
    液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記第1の微粒子及び前記第2の微粒子
    が無機酸化物微粒子である、 ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の
    液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 データ信号及び走査方式信号を出力する
    グラフィックコントローラと、 走査線アドレスデータ及び走査方式信号を出力する走査
    信号制御回路と、 表示データ及び走査方式信号を出力する情報信号制御回
    路と、 請求項1乃至6のいずれか記載の液晶表示素子と、を備
    える、 ことを特徴とする情報伝達装置。
JP3411595A 1995-02-22 1995-02-22 液晶表示素子及びそれを用いた情報伝達装置 Pending JPH08227077A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100537878B1 (ko) * 1998-09-11 2006-03-20 삼성전자주식회사 강유전성 액정을 이용한 액정 표시 장치용 배향막 및 그 제조방법

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