JPH069334U - 電線付属品類の導体への取付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短絡電流に基づく導体溶損や断線の恐れを排
除したアーマグリップ型の電線付属品類の導体への取付
け構造を提供すること。 【構成】 電線付属品類の本体部６と接続状態にある金
属製心体１の表面を覆っている弾性被覆層２における内
面部２Ａと、その内面部２Ａの溝部に嵌合される導体Ｗ
との間に良導電金属製プロテクタ３を介在させた。相間
短絡時の短絡電流に基づき発生するアークは、金属製心
体１と良導電金属製プロテクタ３との間に固定され、直
接導体Ｗに飛ぶことはない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、スペーサやダンパ等の電線付属品類を送電線の導体に取付け固定 するための電線付属品類の導体への取付け構造、特にＡＧ（アーマグリップ）型 の取付け構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

スペーサやダンパ等の電線付属品類を導体に取付け固定する構造のひとつとし て、所謂ＡＧ型と呼ばれるボルトレスタイプのものが知られている。 このＡＧ型の取付け構造は周知のように、スペーサやダンパ等の電線付属品類 の本体部と接続状態にある断面略半円形状の金属製心体をゴムなどの弾性被覆層 で覆うと共に、該弾性被覆層の金属製心体に沿って湾曲する内面部の溝部を送電 線の導体に嵌合する一方、螺旋状の金属製ロッドを上記弾性被覆層の金属製心体 に沿って湾曲する外面部とその両側位置の導体の外周とにわたってスパイラル状 に巻き付けた構造を有するものであって、かかるＡＧ型の取付け構造によれば、 スペーサやダンパ等の電線付属品類をその取付け個所の導体部分に応力集中に基 づく損傷等を生じさせることなく機械的に良好な状態で取付け固定することがで きるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のＡＧ型の取付け構造には次のような問題が見られる 。 すなわち、上記ＡＧ型の取付け構造を採用してスペーサやダンパ等の電線付属 品類を取付け固定してなる送電線の導体にギャロッピングやスリートジャンプ等 の振動が生じて、上記電線付属品類の本体部（前記金属製心体と接続状態にある スペーサの本体ロッドやダンパの重錘など）が他相の送電線導体に接触して相間 短絡が生じたときに、上記他相の送電線導体の電流が電線付属品類の本体部→金 属製心体→弾性被覆層→これに嵌合している送電線の導体へと流れる場合があり 、そしてこのような場合には、上記金属製心体と導体との間でアークが飛び、こ れにより導体が溶損したり断線したりする恐れがある。

【０００４】 この考案は、上述の問題を解決した新規な電線付属品類の導体への取付け構造 を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案の電線付属品類の導体への取付け構造に おいては、電線付属品類の本体部と接続状態にある金属製心体の表面を覆ってい る弾性被覆層における内面部と、該内面部の溝部に嵌合される導体との間に良導 電金属製プロテクタを介在させた。

【０００６】

【作用】

相間短絡が生じたときの短絡電流は、電線付属品類の本体部を通して金属製心 体へと流れる。そして金属製心体へと流れた短絡電流は導体方向へ向かうが、金 属製心体と向き合う部分の導体表面には良導電金属製プロテクタが存在している ので、金属製心体と良導電金属製プロテクタとの間でアークが飛ぶ。このためも はや導体に直接アークが飛ぶことはない。

【０００７】

【実施例】

図１および図２はこの考案に係る電線付属品類の導体への取付け構造の一実施 例を示すものであって、基端部５側が電線付属品類の本体部６（例えばスペーサ の本体ロッドなど）と接続状態にある断面略半円形状の金属製心体１がゴムなど の弾性被覆層２で覆われている。 上記弾性被覆層２における金属製心体１に沿って湾曲する内面部２Ａの溝部に は、アルミまたはアルミ合金もしくは銅または銅合金などの板材を断面略半円形 状に湾曲成形してなる良導電金属製プロテクタ３を介して送電線の導体Ｗが嵌合 されている。そして図２に示すように、弾性被覆層２の金属製心体１に沿って湾 曲する外面部２Ｂの表面とその両側位置の導体Ｗの外周とにわたって螺旋状の金 属製ロッド４がスパイラル状に巻き付けられ、かくしてこの考案の電線付属品類 の導体への取付け構造が構成されている。

【０００８】 なおこの考案を実施する場合、良導電金属製プロテクタ３は、異種金属接触に 基づく電蝕防止等のために、導体Ｗと同材質のものを用いるのが好ましく、した がって例えば導体Ｗがアルミ合金であるならば、良導電金属製プロテクタ３もア ルミ合金製のものとするのが良い。

【０００９】

【考案の効果】

この考案に係る電線付属品類の導体への取付け構造によれば次の通りの効果が 得られる。 金属製心体１の表面を覆っている弾性被覆層２における内面部２Ａと、該内面 部２Ａの溝部に嵌合される導体Ｗとの間に良導電金属製プロテクタ３が介在して いるので、相間短絡時の短絡電流に基づき発生するアークは金属製心体１と良導 電金属製プロテクタ３との間に固定され、該アークが導体Ｗに飛ぶことが防止さ れる。 それ故、従来のようにアークが直接導体Ｗに飛んで該導体Ｗがアーク溶損した り断線したりする恐れを排除することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る電線付属品類の導体への取付け
構造の一実施例を示す縦断正面図である。

【図２】図１に示した取付け構造の平面図である。

【符号の説明】

１ 金属製心体 ２ 弾性被覆層 ２Ａ 弾性被覆層の内面部 ２Ｂ 弾性被覆層の外面部 ３ 良導電金属製プロテクタ ４ 螺旋状の金属製ロッド Ｗ 導体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面略半円形状の金属製心体（１）が弾
   性被覆層（２）で覆われ、該弾性被覆層（２）の金属製
   心体（１）に沿って湾曲する内面部（２Ａ）の溝部に良
   導電金属製プロテクタ（３）を介して導体（Ｗ）が嵌合
   され、また弾性被覆層（２）の金属製心体（１）に沿っ
   て湾曲する外面部（２Ｂ）の表面とその両側位置の導体
   （Ｗ）の外周とにわたって螺旋状の金属製ロッド（４）
   がスパイラル状に巻き付けられていることを特徴とする
   電線付属品類の導体への取付け構造。
2. 【請求項２】 良導電金属製プロテクタ（３）がアルミ
   またはアルミ合金もしくは銅または銅合金からなる請求
   項１記載の電線付属品類の導体への取付け構造。