JPH069301A - 水田用農薬組成物及びその散布方法 - Google Patents

水田用農薬組成物及びその散布方法

Info

Publication number
JPH069301A
JPH069301A JP33785491A JP33785491A JPH069301A JP H069301 A JPH069301 A JP H069301A JP 33785491 A JP33785491 A JP 33785491A JP 33785491 A JP33785491 A JP 33785491A JP H069301 A JPH069301 A JP H069301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
paddy field
active ingredient
agricultural chemical
organic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33785491A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3630241B2 (ja
Inventor
Susumu Kato
進 加藤
Yoshiko Suzuki
芸子 鈴木
Kanji Nakamura
完治 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kumiai Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kumiai Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP33785491A priority Critical patent/JP3630241B2/ja
Publication of JPH069301A publication Critical patent/JPH069301A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3630241B2 publication Critical patent/JP3630241B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】水田への農薬施用時に散布者が水田に入ること
なく、畦畔から水田に投げ入れる等、省力的で且つ安全
な農薬施用を可能とし、長期間保存した場合でも水田の
処理した箇所に組成物の残存がなく、農薬活性成分の拡
散が極めて良好な水田用農薬組成物及びその散布方法を
提供する。 【構成】農薬活性成分と疎水性有機溶媒を含有し、比重
が水田の水よりも小さな水面を拡散する液状物を水溶性
フィルムに密封して成る農薬組成物及びその散布方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安全且つ省力的に散布
できる水田用農薬組成物及びその散布方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】水田用農薬組成物としては、農薬製剤を
水で希釈して散布するもの、粒剤のように水に希釈しな
いでそのまま散布するものとがある。前者は、散布する
薬液を調製するための多量の水や薬液を溜めておく大型
の容器及び薬液を散布するための装置が必要であり、更
に薬液を均一に散布するには人間が散布装置の一端を持
って水田に入らなければならない。又、後者は、広大な
水田に処理するために専用の散布装置が必要であり、更
に場合によっては水田に入って散布しなければならな
い。粒剤は、散布装置を用いないで手でまくことも可能
ではあるが、長時間水田に入って作業する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様に水田への農薬
施用は、農業従事者にとって非常に重労働であり、又、
散布時に農薬成分の皮膚や衣類等への付着の恐れもあ
り、これまで、水田に入らないで、省力的に且つ安全に
農薬を処理する方法が検討されている。例えば、水に浮
遊する製剤を畦畔から投げ込む方法があるが(特開昭5
3−99327号)、水面上を拡がる性質がなく、風に
よって製剤が稲の株元に吹き寄せられて薬害を生じた
り、水に不溶性の担体を用いているため、農薬活性成分
が水中に溶出した後も担体が水面を浮遊し、落水時には
河川に流出し、水田や河川を汚す等の問題点がある。
又、水田に入水する際、水の取り込み口にフロアブル剤
を滴下する方法が報告されているが(日本雑草学会第2
7回講演要旨「フロアブル剤による水田雑草防除」、同
第28回講演要旨「フロアブル剤による水田雑草防除
(2)」)、水田中への農薬活性成分の均一化に問題が
あり、安定した除草効果を得ることが困難である。
【0004】一方、水溶性フィルムにて粉末状の水和性
組成物を密封することにより、水に投入した時の粉立ち
を防ぐ組成物が提案されているが(特開昭60−615
04号)、これは、一旦水に希釈したものを散布するも
のである。この組成物を直接湛水下の水田に散布した場
合には、水溶性フィルムの厚さをいかに均一にしても、
先ず外側の水溶性フィルムの一部が溶解して水和性組成
物の内部に水が侵入し、いわゆるままこ状態となる。そ
して、農薬活性成分は、濃厚な状態で水底に沈むため、
薬剤が水田に均一に拡散することが困難となり、処理し
た個所に薬害を生じさせたり、充分な効果を得ることが
できないことがある。本発明は、これら従来技術の問題
点を解決するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水田用農薬組成
物は、農薬活性成分に疎水性有機溶媒を加え、又は疎水
性有機溶媒と界面活性剤を加え、比重を1よりも小さく
なるよう調整し、水面を拡散する液状物を特定の温度で
水に分散ないし溶解する水溶性フィルムで密封してな
る。又農薬活性成分が疎水性有機溶媒に溶解しない場合
は、少量の親水性有機溶媒を混合する。更には、比重の
大きな不活性担体を加え、農薬組成物の比重を1以上と
してなる。
【0006】本発明に使用できる疎水性有機溶剤として
は、例えば、イソステアリルアルコール等のアルコール
類、大豆油、ナタネ油、アマニ油、コーン油、ヒマシ
油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、ベニバナ油、落花生
油等の植物油、鯨油、スクワラン等の動物油、ケロシ
ン、ナフサ、キシレン、メチルナフタレン、スピンドル
油、マシン油、流動パラフィン、塩化パラフィン等の鉱
物油、オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸、リン
酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、フタ
ル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2
−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジ
オクチルデシル、フタル酸ジイソデシル、オレイン酸ブ
チル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシ
ル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸
ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチル、セバシ
ン酸ジ−2−エチルヘキシル、アセチルリノール酸メチ
ル、アセチルリノール酸ブチル、ミリスチン酸イソトリ
デシル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸
ジブチル、フタル酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソノ
ニル、アジピン酸ジイソデシル等のエステル類、ジメチ
ルシリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイ
ル、エポキシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイ
ル類が挙げられる。その他にも疎水性のある有機溶媒で
あれば使用できる。又、疎水性有機溶媒は、その1種又
は2種以上を混合して用いることもできる。
【0007】本発明に使用する水溶性フィルムとは、水
溶解性のフィルム状シートを指し、その組成は、様々で
ある。例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロー
ス類、ポリアクリル酸ナトリウム、澱粉、アルギン酸ナ
トリウム、アラビアガム等からなる。これらは、原料等
によって水溶解性等の性質が異なるが、本発明に使用で
きる水溶性フィルムには、特に限定されない。より農薬
散布の省力化を図るためには、0℃から水田の水温範囲
内で水に分散ないし溶解する水溶性フィルムが好まし
く、特に分散ないし溶解する温度の範囲が5℃以上の水
溶性フィルムが良く、更には10℃以上のものが最も好
ましい。
【0008】農薬活性成分が疎水性有機溶媒だけでは溶
解しない場合、少量の親水性有機溶媒を混合することも
できる。使用できる親水性有機溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール等のアルコール類、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール等のグリコール類、その他にN−メチル−2−ピロ
リドン、アセトン、アセトニトリル等が挙げられ、疎水
性有機溶媒を溶解し得る溶媒が好ましい。
【0009】液状物は、農薬活性成分が懸濁した状態又
は溶解した状態であってもよく、農薬活性成分が液体で
且つ疎水性有機溶媒に溶解しない場合には、界面活性剤
等の補助剤を用いて懸濁させる。更に農薬活性成分を含
有する液状物が水面でより拡散する様に界面活性剤を用
いることもできる。
【0010】界面活性剤は、農業薬剤製造上一般に繁用
されているものが使用可能である。例えば、アルキルサ
ルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリルス
ルホネート、アルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテル、ポリアルキレングリコール等のアニオン
性又はノニオン性の界面活性剤等が挙げられる。界面活
性剤の液状物に対する配合割合は、通常0.1〜20重
であるが、液状物が水面で拡散可能ならばこれらの割合
に限定されない。
【0011】農薬活性成分を含有する液状物中の疎水性
有機溶媒の配合割合は、農薬活性成分の種類により異な
るが、通常5〜80重量%である。又、親水性有機溶媒
の配合割合は、農薬活性成分の種類及び用いる疎水性有
機溶媒の種類により異なるが、通常1〜30重量%であ
る。液状物の比重が1より小さくなる様に疎水性有機溶
媒の種類及び配合割合を変更することが必要である。
【0012】本発明の農薬組成物の大きさは、特に限定
されるものではなく、例えば、水田の広さ、液状物が水
面を拡がる面積等によって変更することができ、投入し
やすい大きさが好ましい。一個当りの重さが10g〜2
00g程度が適当であり、又、水田10アール当り1〜
20個程度を投入するのが適当である。
【0013】尚、本発明に使用できる農薬活性成分を次
に挙げるが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。なお括弧内は、一般名又は種類名を示す。
【0014】2−(4−エトキシフェニル)−2−メチ
ルプロピル 3−フェノキシベンジルエーテル(エトフ
ェンプロックス)、O,O−ジメチル O−4−メチル
チオ−m−トリル ホスホロチオエート(MPP)、O
−クメニル メチルカルバメート(MIPC)、4−
(メチルチオ)フェニル ジプロピル ホスフェート
(プロパホス)、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル
ベンゾフラン−7−イル(ジブチルアミノチオ)メチル
カーバメート(カルボスルファン)
【0015】S−ベンジル O,O−ジーイソプロピル
ホスホロチオエート(IBP)、1,2,5,6−テ
トラヒドロピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−
オン(ピロキロン)、α,α,α−トリフルオロ−3’
−イソプロポキシ−O−トルアニリド(フルトラニ
ル)、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−
b]ベンゾチアゾール(トリシクラゾール)
【0016】4−ニトロフェニル 2′,4′,6′−
トリクロロフェニル エーテル(CNP)、4−(2,
4−ジクロロベンゾイル)1,3−ジメチルピラゾール
−5−トルエン−4−スルフォネート(ピラゾレー
ト)、S−4−クロロベンジルジエチルチオカルバメー
ト(チオベンカルブ)、2−クロロ−2’,6’−ジエ
チル−N−(2−プロポキシエチル)アセタニリド(プ
レチラクロール)、2−ベンゾチアゾール−2−イルオ
キシ−N−メチルアセトアニリド(メフェナセット)、
メチル α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イ
ルカルバモイルスルファモイル)−O−トルアート(ベ
ンスルフロンメチル)、2,4−ビス(エチルアミノ)
−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(シメトリ
ン)、1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−
p−トリルウレア(ダイムロン)、S−エチル ペルヒ
ドロアゼピン−1−カルボチオエート(モリネート)、
エチル 5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イ
ルカルバモイルスルファモイル)−1−メトキシピラゾ
ール−4−カルボキシレート(ピラゾスルフロンエチ
ル)、2−ブロモ−N−(α,α−ジメチルベンジル)
3,3−ジメチルブチラミド(ブロモブチド)、S−ベ
ンジル 1,2−ジメチルプロピル(エチル)チオカル
バメート(エスプロカルブ)、S−1−メチル−1−フ
ェニルエチルピペリジン−1−カルボチオエート(ジメ
ピペレート)、2−(1,2−ジメチルプロピルアミ
ノ)−4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5
−トリアジン(ジメタメトリン)、2−[4−(2,4
−ジクロロ−m−トルオイル)−1,3−ジメチルピラ
ゾール−5−イロキシ]−4’−メチルアセトフェノン
(ベンゾフェナップ)、5−tert−ブチル−3−
(2,4−ジクロロ−5−イソプロポキシフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(オ
キサジアゾン)、メチル 5−(2,4−ジクロロフェ
ノキシ)−2−ニトロベンゾエート(ビフェノック
ス)、S−2−ベンゼンスルホナミドエチル O,O−
ジ−イソプロピル ホスホロジチオエート(ベンスライ
ド)、エチル 4−(4−クロロ−O−トリロキシ)ブ
チレート(MCPBエチル)、N−ブトキシメチル−2
−クロロ−2’,6’−ジエチルアセタニリド(ブタク
ロール)、(E)−(RS)−1−(4−クロロフェニ
ル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−ト
リアゾール−1−イル)ペンタ−1−エン−3−オール
(ウニコナゾール)、(2RS,3RS)−1−(4−
クロロフェニル)4,4−ジメチル−2−(1H−1,
2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オー
ル(パクロブトラゾール)
【0017】農薬活性成分は、1種類又は2種類以上を
混合してもよい。農薬活性成分の配合割合は、その種類
により異なるが、通常0.1〜90重量%程度である。
又、農薬活性成分と疎水性有機溶媒を含有してなる液状
物には、必要に応じて増粘剤、凍結防止剤等の物理性調
節剤、成分安定剤等の補助剤を添加することができる。
【0018】本発明で使用する農薬活性成分を含んだ液
状物の比重は、1より小さく、水溶性フィルムにて密封
し水田に投入すると水面に浮くが、比重が1より大きな
不活性担体を液状物に添加し密封し、農薬組成物の比重
を比重1以上とし、水底に沈めることができる。農薬組
成物を水底に沈めた場合には、水溶性フィルムが水に溶
解して、密封された液状物が放出するまでの間に風に吹
き寄せられたり、水流等により投入した個所から移動す
ることを防止できる。
【0019】比重の大きな不活性担体としては、液状物
に溶解しないで、且つ農薬活性成分を吸着しない物質が
使用できる。例えば、クレー、タルク、硅砂等の鉱物
質、その他に炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙
げられる。
【0020】次に、本発明の農薬組成物の製造方法につ
いて説明する。農薬活性成分と疎水性有機溶媒を含有し
た液状物を得るには、次の方法がある。 1)農薬活性成分を疎水性有機溶媒に溶解させる方法、
この場合、必要に応じて界面活性剤等の補助剤を添加す
る。又、疎水性有機溶媒だけでは農薬活性成分を溶解で
きない場合には、少量の親水性有機溶媒を加える。これ
らを攪拌機で混合、撹拌して液状物を得る。 2)農薬活性成分を液状物中に懸濁させる方法、予め乾
式の粉砕機で固体の農薬活性成分を微粒子に粉砕し、疎
水性有機溶媒、界面活性剤等の補助剤と混合するか、又
は固体の農薬活性成分と疎水性有機溶媒、界面活性剤等
の補助剤を混合し、ガラスビーズを粉砕メディアとして
湿式粉砕して液状物を得る。更に農薬活性成分が液体で
且つ疎水性有機溶媒に溶解しない場合には、農薬活性成
分と疎水性有機溶媒、界面活性剤等の補助剤を高速で混
合攪拌して液状物を得る。これら液状物を水溶性フィル
ムでできた袋に入れ、入り口を加熱密着させて本発明の
農薬組成物を得る。又、比重の大きな不活性担体を加
え、水溶性フィルムでできた袋に入れ、入り口を加熱密
着させて本発明の農薬組成物を得る。
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて説明する。なお、%は重
量%を示す。
【0022】(実施例1)チオベンカルブ50%、アル
コール変性シリコーンオイル15%及びケロシン35%
を、撹拌混合して液状物を得た。得られた液状物の比重
は0.94であった。本液状物50gを0℃以上で分散
ないし溶解するポリビニルアルコールフィルム(日合フ
ィルム株式会社製、商品名ハイセロンCタイプ、)で作
った縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口をヒ
ートシーラー(富士インパルス株式会社製、PS−31
0型)で加熱密着し、本発明の農薬組成物を得た。
【0023】(実施例2)チオベンカルブ50%、ポリ
オキシアルキレンアリールフェニルエーテル2.5%、
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩0.5%及び
ケロシン47%を、撹拌混合して液状物を得た。得られ
た液状物の比重は0.96であった。本液状物50g
を、0℃以上で分散ないし溶解するポリビニルアルコー
ルフィルム(前出、商品名ハイセロンCタイプ、)で作
った縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口をヒ
ートシーラー(前出)で加熱密着し、本発明の農薬組成
物を得た。
【0024】(実施例3)実施例2の液状物50g及び
クレー50gを、分散ないし溶解温度が10〜20℃の
ポリビニルアルコールフィルム(日合フィルム株式会社
製、商品名ハイセロンMFタイプ)で作った縦10c
m、横10cmの袋に封入し、入り口をヒートシーラー
(前出)で加熱密着し、本発明の農薬組成物を得た。組
成物全体の比重は1.08であった。
【0025】(実施例4)実施例2の液状物50gを、
分散ないし溶解温度が10〜20℃のポリビニルアルコ
ールフィルム(前出、商品名ハイセロンMFタイプ)で
作った縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口を
ヒートシーラー(前出)で加熱密着し、本発明の農薬組
成物を得た。
【0026】(実施例5)ベンスルフロンメチル1%、
チオベンカルブ30%、メフェナセット6%、ホワイト
カーボン(日本アエロジル株式会社製、商品名アエロジ
ル#200)4%、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル10%、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシ
ウム塩2%、植物油(豊年製油株式会社製、商品名大豆
白絞油)27%及び鉱物油(日本石油株式会社製、商品
名0号ソルベントL)20%を、ダイノミル(シンマル
エンタープライズ製、KDL型)で混合粉砕して液状物
を得た。得られた液状物の比重は0.96であった。本
液状物50gを、0℃以上で分散ないし溶解するポリビ
ニルアルコールフィルム(前出、商品名ハイセロンCタ
イプ、)で作った縦10cm、横10cmの袋に封入
し、入り口をヒートシーラー(前出)で加熱密着し、本
発明の農薬組成物を得た。
【0027】(実施例6)実施例5の液状物50gを、
分散ないし溶解温度が10〜20℃のポリビニルアルコ
ールフィルム(前出、商品名ハイセロンMFタイプ)で
作った縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口を
ヒートシーラー(前出)で加熱密着し、本発明の農薬組
成物を得た。
【0028】(実施例7)実施例5の液状物50g及び
硅砂50gを、分散ないし溶解温度が10〜20℃のポ
リビニルアルコールフィルム(前出、商品名ハイセロン
MFタイプ)で作った縦10cm、横10cmの袋に封
入し、入り口をヒートシーラー(前出)で加熱密着し、
本発明の農薬組成物を得た。組成物全体の比重は、1.
09であった。
【0029】(実施例8)IBP51%、シリコーンオ
イル(東芝シリコン株式会社製、商品名東芝シリコーン
TSF451−50)1%及び脂肪酸エステル(花王株
式会社製、商品名エキセパールO−OL)48%を、混
合溶解して液状物を得た。得られた液状物の比重は0.
96であった。本液状物50gを、0℃以上で分散ない
し溶解するポリビニルアルコールフィルム(前出、商品
名ハイセロンCタイプ、)で作った縦10cm、横10
cmの袋に封入し、入り口をヒートシーラー(前出)で
加熱密着し、本発明の農薬組成物を得た。
【0030】(実施例9)実施例8の液状物50gを、
分散ないし溶解温度が10〜20℃のポリビニルアルコ
ールフィルム(前出、商品名ハイセロンMFタイプ)で
作った縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口を
ヒートシーラー(前出、PS−310型)で加熱密着
し、本発明の農薬組成物を得た。
【0031】次に試験に用いた比較例を説明する。 (比較例1)チオベンカルブ)50%、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル8%、及びキシレン42
%を、撹拌混合して液状物を得た。得られた液状物の比
重は1.03であった。
【0032】(比較例2)実施例2の液状物50gを、
0℃以上で分散ないし溶解するポリビニルアルコールフ
ィルム(前出、商品名ハイセロンCタイプ、)で作った
縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口をヒート
シーラー(前出)で加熱密着し、比較薬剤を得た。
【0033】(比較例3)実施例2の液状物50gを、
分散ないし溶解温度が10〜20℃のポリビニルアルコ
ールフィルム(前出、商品名ハイセロンMFタイプ)で
作った縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口を
ヒートシーラー(前出)で加熱密着し、比較薬剤を得
た。
【0034】(比較例4)ホワイトカーボン(塩野義製
薬株式会社社製、商品名カープレックス#80)10%
にチオベンカルブ10%を混合吸着して粉末とし、ベン
スルフロンメチル0.33%、メフェナセット2.0
%、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩2%、ポ
リオキシエチレンスチリルフェニルエーテル3%及びク
レー92.67%を、混合粉砕して水和剤を得る。得ら
れた水和剤50gを、0℃以上で分散ないし溶解するポ
リビニルアルコールフィルム(前出、商品名ハイセロン
Cタイプ)で作った縦10cm、横10cmの袋に封入
し、入り口をヒートシーラー(前出)で加熱密着し比較
薬剤を得た。
【0035】(比較例5)比較例3の水和剤50gを、
分散、溶解温度が10〜20℃のポリビニルアルコール
フィルム(前出、商品名ハイセロンMFタイプ)で作っ
た縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口をヒー
トシーラー(前出)で加熱密着し比較薬剤を得た。
【0036】(比較例6)ベンスルフロンメチル1%、
チオベンカルブ30%、メフェナセット6%、ホワイト
カーボン(前出、商品名アエロジル#200)2%、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル10%、ド
デシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩2%及び植物油
(前出、商品名大豆白絞油)49%、を秤量して全体を
100%とし、ダイノミル(シンマルエンタープライズ
製、KDL型)で混合粉砕して液状物を得た。得られた
液状物の比重は1.05であった。本液状物50gを、
0℃以上で分散、溶解するポリビニルアルコールフィル
ム(前出、商品名ハイセロンCタイプ、)で作った縦1
0cm、横10cmの袋に封入し、入り口をヒートシー
ラー(前出、PS−310型)で加熱密着し、比較薬剤
を得た。
【0037】(比較例7)比較例5の液状物50gを、
分散ないし溶解温度が10〜20℃のポリビニルアルコ
ールフィルム(前出、商品名ハイセロンMFタイプ)で
作った縦10cm、横10cmの袋に封入し、入り口を
ヒートシーラー(前出)で加熱密着し、比較薬剤を得
た。
【0038】(比較例8)IBP51%、シリコーンオ
イル(前出、商品名東芝シリコーンTSF451−5
0)1%及び脂肪酸エステル(花王株式会社製、商品名
ビニサイザー40)48%を、混合溶解して液状物を得
た。本液状物50gを、0℃以上で分散、溶解するポリ
ビニルアルコールフィルム(前出、商品名ハイセロンC
タイプ、)で作った縦10cm、横10cmの袋に封入
し、入り口をヒートシーラー(前出、PS−310型)
で加熱密着し、比較薬剤を得た。
【0039】(試験例1)ノビエ及びホタルイに対する
除草効果試験 1アールの水田に入水して代掻きを行い、施肥後にノビ
エとホタルイの種子を播種し、2葉期の水稲(品種名:
金南風)を移植した。移植深度は3cmとし、水深は4
cmに維持した。水稲を移植した直後又は7日後に、実
施例1〜2及び4〜6、比較例2〜7の組成物50g、
実施例3及び7の組成物100gを2個ずつ水田に投げ
入れた。比較例1の液状物は、ポリエチレンボトルに入
れ穴を開けた蓋をし、水田に入ってボトルを振ることに
よって、50gの薬剤を均一に散布した。移植7日時の
葉齢は水稲が4葉期、ノビエが1〜1.5葉期、ホタル
イは1葉期であった。薬剤処理30日後に水稲及びノビ
エ、ホタルイに対する薬剤の影響を観察した。更に、残
効性を試験する目的で、薬剤処理30日後にノビエとホ
タルイの種子を播種し、15日後即ち薬剤処理45日後
に、再び水稲及びノビエ、ホタルイに対する薬剤の影響
を観察した。結果は植物に対する影響の程度を指数で表
した。指数0は無処理の場合と同程度の状態、指数10
は植物が枯死状態を表す。得られた結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】(試験例2)稲いもち病防除試験 1アールの水田に入水して代掻きを行い、施肥後に2葉
期の水稲(品種名:金南風)を移植した。移植深度は3
cmとし、水深は4cmに維持した。水稲を移植した直
後に、実施例8〜9、比較例8の組成物50gを2個ず
つ水田に投げ入れた。薬剤を処理してから15日後に、
薬剤の水稲への薬害を調べた。又、薬剤を処理して30
日後及び60日後に水田の4隅と中央部より水稲5株を
抜き取り、ポットに移植後、稲いもち病の菌胞子懸濁液
を噴霧接種して温室内で生育させた。菌を接種して10
日後に病班を観察した。防除率は以下の数1より求め、
試験結果を表2に示した。
【0042】
【数1】
【0043】式中、aは節いもち病及び首いもち病罹病
穂数を、bは枝梗の3分の2以上の罹病穂数を、cは枝
梗の3分の1乃至3分の2の罹病穂数を、dは枝梗の3
分の1以下の罹病穂数を、Nは調査総葉数を示す。
【0044】又表中の薬害の評価は次の規準で行った。
−は健全葉(薬害なし)を、±は葉の約10%以下に薬
害が認められる場合を、+は葉の約10〜30%程度に
薬害が認められる場合を、++は葉の約30%以上に薬
害が認められる場合を意味する。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明の農薬組成物は、散布者が水田に
立ち入ることなく容易に農薬を散布することができるも
のであり、且つ散布した個所に農薬活性成分が濃厚な状
態で沈降することがなく、一箇所に処理するだけで水田
の広い面積に農薬処理することができる非常に省力的で
安全なものである。特に、水に分散ないし溶解する温度
が5℃以上の水溶性フィルムを用いると、より安全であ
る。即ち、田植直後の水温が低い間は農薬活性成分がフ
ィルムに包まれた状態にあるが、水温が上昇して特定の
温度に達した時点で薬剤がフィルムより放出され、田植
え直後の稲が土中に根を張っていない時期に散布しても
薬害が生じることがなく、田植後の任意の時期に薬剤処
理をすることができる。更に、病害虫又は雑草の発生に
合わせて薬剤が溶出するため、効率的な薬剤防除が可能
である。農薬組成物の比重を大きくし水底に沈むように
する場合には、水溶性フィルムが水に溶解して密封した
液状物が放出するまでの間に風により1個所に吹き寄せ
られたり、水流等により投入した個所から流失すること
がなくなる。薬剤を水面に浮かした場合に比べて、一層
薬剤が水田に均一に拡散し、処理した個所に薬害が生じ
ることがなく、充分な効果が得られるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】農薬活性成分及び疎水性有機溶媒又は農薬
    活性成分、疎水性有機溶媒及び界面活性剤を含有し比重
    が1よりも小さく水面を拡散する液状物を、特定の温度
    で水に分散ないし溶解する水溶性フィルムにて密封して
    なることを特徴とする農薬組成物。
  2. 【請求項2】水溶性フィルムが、5℃から水田の水温の
    範囲内で水に分散ないし溶解する請求項1記載の農薬組
    成物。
  3. 【請求項3】農薬活性成分と疎水性有機溶媒を含有し比
    重が1よりも小さく水面を拡散する液状物と不活性体
    を、水溶性フィルムにて密封してなることを特徴とする
    比重が1よりも大きな農薬組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の農薬組成
    物を、畦畔から湛水下の水田にそのまま投げ入れて処理
    することを特徴とする農薬散布方法。
JP33785491A 1991-11-28 1991-11-28 水田用農業組成物及びその散布方法 Expired - Lifetime JP3630241B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33785491A JP3630241B2 (ja) 1991-11-28 1991-11-28 水田用農業組成物及びその散布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33785491A JP3630241B2 (ja) 1991-11-28 1991-11-28 水田用農業組成物及びその散布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH069301A true JPH069301A (ja) 1994-01-18
JP3630241B2 JP3630241B2 (ja) 2005-03-16

Family

ID=18312608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33785491A Expired - Lifetime JP3630241B2 (ja) 1991-11-28 1991-11-28 水田用農業組成物及びその散布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3630241B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05339103A (ja) * 1992-06-11 1993-12-21 Mitsui Toatsu Chem Inc 水田投げ込み用製剤
JPH0987077A (ja) * 1995-09-28 1997-03-31 Sumitomo Chem Co Ltd 農薬含有粒状肥料組成物およびその製造方法
WO2001035738A3 (en) * 1999-11-18 2001-11-01 Basf Corp Non-aqueous concentrated spreading oil composition

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05339103A (ja) * 1992-06-11 1993-12-21 Mitsui Toatsu Chem Inc 水田投げ込み用製剤
JPH0987077A (ja) * 1995-09-28 1997-03-31 Sumitomo Chem Co Ltd 農薬含有粒状肥料組成物およびその製造方法
WO2001035738A3 (en) * 1999-11-18 2001-11-01 Basf Corp Non-aqueous concentrated spreading oil composition
US6387848B1 (en) 1999-11-18 2002-05-14 Basf Aktiengesellschaft Non-aqueous concentrated spreading oil composition

Also Published As

Publication number Publication date
JP3630241B2 (ja) 2005-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2224101T3 (es) Composicion plaguicida o reguladora del crecimiento de plantas, de liberacion sostenible.
JP5059255B2 (ja) 農薬組成物並びにその製造方法および散布方法
JP2000351701A (ja) 水面浮遊性農薬固形製剤
JP2001233718A (ja) 除草剤組成物
JP2001302405A (ja) 水田用農薬製剤およびその散布方法
JP4824215B2 (ja) 農薬粒状組成物の散布方法および粒状農薬合剤
JPH09249504A (ja) 水面施用農薬組成物、製造方法及びその包装物並びにその使用方法
JPH069301A (ja) 水田用農薬組成物及びその散布方法
JP2003063908A (ja) 小川型農薬製剤
JP2766973B2 (ja) 浮遊性投げ込み製剤
JP2002234801A (ja) 固体農薬組成物、その製造方法およびその散布方法
JP2001240502A (ja) 水田用農薬組成物、その製造方法およびその散布方法
KR19990077488A (ko) 수면적용용농약제제
JPS63107901A (ja) 湛水下水田の除草剤組成物
JPH05221803A (ja) 水中易分散乳化性固型農薬又は防疫用薬剤用組成物とその使用方法
JPH07101805A (ja) 水面施用農薬組成物及びその製造方法
JP4065982B2 (ja) 水面施用懸濁状又は乳懸濁状農薬組成物
JPH0635362B2 (ja) 安定なペ−スト状農薬塗布剤
JP2004143081A (ja) 農薬カプセル及び施用方法
JPH08291001A (ja) 水面施用農薬組成物及びその包装物並びにその使用方法
JP2002293701A (ja) サスポエマルジョン形態の農園芸用農薬組成物
JPH05139904A (ja) 懸濁状農薬組成物
TW210948B (en) Solid composition of agricultural chemicals and method of making
JP6023510B2 (ja) 農薬粒状組成物、その製造方法およびこれを使用する農薬処理方法
JPH05306201A (ja) 水田用農薬組成物及びその製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041209

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

EXPY Cancellation because of completion of term