JPH0692876A - 高純度1−ブテン及び2−ブテンの取得方法 - Google Patents

高純度1−ブテン及び2−ブテンの取得方法

Info

Publication number
JPH0692876A
JPH0692876A JP26930292A JP26930292A JPH0692876A JP H0692876 A JPH0692876 A JP H0692876A JP 26930292 A JP26930292 A JP 26930292A JP 26930292 A JP26930292 A JP 26930292A JP H0692876 A JPH0692876 A JP H0692876A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
butene
solvent
tower
extractive distillation
column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26930292A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2842091B2 (ja
Inventor
Akio Hayama
明男 葉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP4269302A priority Critical patent/JP2842091B2/ja
Publication of JPH0692876A publication Critical patent/JPH0692876A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2842091B2 publication Critical patent/JP2842091B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 C4炭化水素混合物から高純度の1−ブテン
及び2−ブテンを取得する方法を提供する。 【構成】 (1)C4炭化水素留分より1,3−ブタジ
エン及びイソブテンを除去して得られるイソブタン、n
−ブタン、1−ブテン及び2−ブテンを含有するC4
化水素混合物を、極性溶剤を用いる抽出蒸留に付して、
抽出蒸留塔の塔頂からはイソブタン及びn−ブタンをラ
フィネートとして除去し、一方、抽出蒸留塔の塔底から
は1−ブテン及び2−ブテンを含有する溶剤溶液をエク
ストラクトとして取り出して放散塔に導く工程、(2)
放散塔において、塔頂からは少量の溶剤を含む1−ブテ
ン及び2−ブテンを取り出して溶剤回収塔に導き、一
方、塔底からは溶剤を取り出して抽出蒸留塔の頂部帯域
に還流する工程、及び(3)溶剤回収塔において、塔頂
から溶剤を含まない高純度1−ブテン及び2−ブテンを
取得する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、C4炭化水素留分より
1−ブテン及び2−ブテンを高純度で分離して取得する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1−ブテン及び2−ブテン(トランス−
2ブテンとシス−2−ブテン)などのn−ブテンは、ブ
タジエン、メチルエチルケトン(MEK)、2−ブタノ
ール、1−ペンタノール、無水マレイン酸の合成など石
油化学工業原料として広く用いられている。1−ブテン
のポリマーは、パイプ成形に適している。また、1−ブ
テンは、高密度ポリエチレンや鎖状低密度ポリエチレン
の合成において、エチレンのコモノマーとして使用され
ている。
【0003】1−ブテン及び2−ブテンは、工業的に
は、主として石油精製における分解ガスやナフサ分解ガ
スのC4炭化水素留分から分離することにより得てい
る。より具体的には、高沸点石油留分をガソリン留分に
改質するための接触または熱分解精製の際、あるいは天
然ガスや原油から得られる飽和炭化水素の熱分解(スチ
ームクラッキング)によって軽質油を製造する際などに
得られるC4炭化水素留分から、蒸留や抽出蒸留等によ
り分離する。
【0004】C4炭化水素留分には、ブタン類(n−ブ
タン、イソブタン)、ブテン類(イソブイテン、1−ブ
テン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン)、ジ
エン系炭化水素(1,3−ブタジエン)、アセチレン系
炭化水素(メチルアセチレン、ビニルアセチレン、エチ
ルアセチレン)、アレン系炭化水素(1,2−ブタジエ
ン)、C3炭化水素(プロパン、プロピレン)、C5炭化
水素など多くの化合物を含む混合物である。
【0005】従来、C4炭化水素留分から1−ブテン及
び2−ブテンを得るために、各種蒸留手段を組み合わせ
るなどしているが、C4炭化水素留分中に含まれる各化
合物は、沸点が近接しているものが多いため、通常の蒸
留のみによって各化合物を分離することはできない。
【0006】例えば、1−ブテンとイソブテンは、近接
した沸点を持つため、通常の蒸留や抽出蒸留によって両
者を分離することはできない。そこで、C4炭化水素留
分からイソブテンを分離するには、硫酸により抽出する
方法、酸性イオン交換樹脂を触媒とする水和反応によっ
てターシャリブチルアルコールとして分離する方法、脂
肪族アルコールによるエーテル化法でターシャリブチル
エーテルとして分離する方法、あるいは固体酸触媒によ
ってイソブテンのみを選択的に重合させて除去する方
法、等が採用されている(特公昭62−17977
号)。
【0007】また、1,3−ブタジエンは、一般に、C
AA法(酢酸銅アンモニウム法)による抽出、あるいは
極性溶剤を用いた抽出蒸留により分離している。
【0008】表1に、石油の接触分解装置及びナフサの
スチーム分解装置からそれぞれ副生するC4炭化水素留
分から、1,3−ブタジエン及びイソブテンを除去した
4炭化水素混合物の代表的な組成について示す。ま
た、表1には、C4炭化水素混合物中の各化合物につい
て、沸点及びジメチルホルムアミドに対する溶解度につ
いても示す。
【0009】
【表1】
【0010】表1から明らかなように、C4炭化水素留
分から1,3−ブタジエン及びイソブテンを除去して得
られるC4炭化水素混合物は、1−ブテン、トランス−
2−ブテン及びシス−2−ブテンなどのn−ブテン以外
に、イソブタンやn−ブタンなどを含有している。
【0011】一方、1−ブテン及び2−ブテンを原料と
する製品、例えば、メチルエチルケトンは、高分子化合
物、塗料、接着剤、印刷インキなどの溶剤として使用さ
れているが、近年、磁気テープバインダー用溶剤などの
高性能溶剤としての用途が増大している。したがって、
その原料として、高純度の1−ブテン及び2−ブテンが
求められている。また、1−ブテンをモノマーとするポ
リブテンやエチレン系ポリマーでは、ジエン系炭化水素
やアセチレン系炭化水素などの微量の不純物が触媒の被
毒物質となるため、高純度の1−ブテンが求められてい
る。
【0012】n−ブテン(1−ブテン及び2−ブテン)
の製品規格としては、イソブタン及びn−ブタン含有量
が各1.0重量%以下であることが要求されるが、例え
ば、n−ブタンとトランス−2−ブテンの沸点が近接し
ているため、通常の蒸留法によって前記C4炭化水素混
合物からn−ブタンを除去することは困難であることに
みられるように、高純度n−ブテンを経済的に得ること
は難しい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、C4
炭化水素混合物から高純度の1−ブテン及び2−ブテン
を取得する方法を提供することにある。本発明者らは、
鋭意研究した結果、C4炭化水素留分より1,3−ブタ
ジエン及びイソブテンを除去して得られるイソブタン、
n−ブタン、1−ブテン及び2−ブテンを含有するC4
炭化水素混合物を出発原料として使用し、該C4炭化水
素混合物を極性溶剤を用いる抽出蒸留に付することによ
り、イソブタン及びn−ブタンの殆どをラフィネートと
して分離し除去できることを見いだした。
【0014】また、1−ブテン及び2−ブテンを主成分
とするエクストラクトを溶剤回収工程に付すると共に、
溶剤回収塔の塔底から1−ブテン及び2−ブテンを含有
する溶剤溶液を抽出蒸留塔の底部帯域に還流することに
より、抽出蒸留塔の底部の温度制御が容易にでき、しか
も該溶剤溶液の還流により高沸点物が除去され、溶剤回
収塔の塔頂から高純度の1−ブテン及び2−ブテンの得
られることを見いだした。本発明は、これらの知見に基
づいて完成するに至ったものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、C4炭化水素留分から高純度1−ブテン及び2−ブ
テンを取得する方法であって、(1)C4炭化水素留分
より1,3−ブタジエン及びイソブテンを除去して得ら
れるイソブタン、n−ブタン、1−ブテン及び2−ブテ
ンを含有するC4炭化水素混合物を、極性溶剤を用いる
抽出蒸留に付して、抽出蒸留塔の塔頂からはイソブタン
及びn−ブタンをラフィネートとして除去し、一方、抽
出蒸留塔の塔底からは1−ブテン及び2−ブテンを含有
する溶剤溶液をエクストラクトとして取り出して放散塔
に導く工程、(2)放散塔において、塔頂からは少量の
溶剤を含む1−ブテン及び2−ブテンを取り出して溶剤
回収塔に導き、一方、塔底からは溶剤を取り出して抽出
蒸留塔の頂部帯域に還流する工程、及び(3)溶剤回収
塔において、塔頂からは溶剤を含まない1−ブテン及び
2−ブテンを取り出し、一方、塔底からは溶剤、1−ブ
テン及び2−ブテンを含む混合液を取り出して抽出蒸留
塔の底部帯域に還流する工程、を経ることを特徴とする
高純度1−ブテン及び2−ブテンの取得方法が提供され
る。
【0016】以下、本発明について詳述する。本発明で
使用するC4炭化水素混合物としては、例えば、ナフサ
のスチーム分解の際に副生するC4炭化水素留分から
1,3−ブタジエン及びイソブテンを除去したもの、あ
るいは石油の接触分解の際に副生するC4炭化水素留分
からイソブテンを除去したものなどが使用できるが、こ
れらに限定されない。C4炭化水素混合物の組成として
は、表1に示されるものがあるが、原料のナフサや石油
の組成、スチーム分解や接触分解の条件、1,3−ブタ
ジエン及びイソブテンの分離条件等により各成分の割合
は変動する。
【0017】本発明の方法では、先ず、C4炭化水素留
分より1,3−ブタジエン及びイソブテンを除去して得
られるイソブタン、n−ブタン、1−ブテン及び2−ブ
テンを含有するC4炭化水素混合物を出発原料(仕込み
物)として用い、該C4炭化水素混合物を極性溶剤を用
いる抽出蒸留に付して、抽出蒸留塔の塔頂からイソブタ
ン及びn−ブタンをラフィネートとして除去する。
【0018】n−ブタンとトランス−2−ブテンは、表
1に示した通り、両者の沸点が近接しているので、C4
炭化水素混合物から通常の蒸留法によって両者を分離す
るのは困難であり、経済的にも不利である。これに対し
て、極性溶剤を用いる抽出蒸留によれば、C4炭化水素
混合物からn−ブタン及びイソブタンの殆どをラフィネ
ートとして抽出蒸留塔の塔頂から分離し除去できる。
【0019】極性溶剤としては、ジメチルホルムアミ
ド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、フルフラ
ール、N−メチルピロリドンなどが挙げられるが、これ
らの中でも特に無水のジメチルホルムアミドが好まし
い。表2に、各種極性溶剤について、1−ブテンに対す
るn−ブタンの比揮発度(50℃、濃度80%)を示
す。
【0020】
【表2】
【0021】表2から明らかなように、ジメチルホルム
アミドは、無水で充分優れた比揮発度を示すので、水と
の混合で使用されることが多い他の溶剤と異なって、無
水の状態で使用可能である。一般的に、極性溶剤に水を
混合した場合、比揮発度は増大するが、C4炭化水素化
合物の溶解度が減少するため、所定のC4炭化水素化合
物を溶解させるために、より多量の極性溶剤を要するこ
とになり、抽出蒸留に使用する設備を大きくすることが
必要になる。
【0022】表3に、シス−2−ブテンのジメチルホル
ムアミド及びN−メチルピロリドンに対する溶解度(ブ
ンゼン係数:50℃)を示す。
【0023】
【表3】
【0024】ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロ
リドンは、共に水を10%含有する場合には、シス−2
−ブテンの溶解度が著しく低下することがわかる。ジメ
チルホルムアミドは、無水で比揮発度が大きく、かつ、
無水で充分な溶解度を有しているため、経済的である。
しかも、ジメチルホルムアミドは、適度な沸点を持って
いるので、極性溶剤の中でも特に好ましい。
【0025】極性溶剤を用いる抽出蒸留に付することに
より、C4炭化水素混合物からn−ブタン及びイソブタ
ンの殆どをラフィネートとして除去することができ、最
終製品の1−ブテン及び2−ブテンからなるn−ブテン
中での含有量を各1.0重量%以下とすることができ
る。また、プロパンなどの低沸点成分も除去される。
【0026】図1を参照しながら、さらに本発明の方法
について説明する。原料のC4炭化水素混合物を管1か
ら抽出蒸留塔A−1の中段に供給し、極性溶剤を用いた
抽出蒸留に付して、抽出蒸留塔A−1の塔頂からはイソ
ブタン及びn−ブタンを管3を経てラフィネートとして
除去し、一方、抽出蒸留塔の塔底からは1−ブテン及び
2−ブテンを含有する溶剤溶液をエクストラクトとして
管4から取り出して放散塔A−2に導く。
【0027】抽出蒸留塔A−1としては、例えば、10
0段の蒸留塔を使用し、極性溶剤を塔頂より数段下に管
2を経て供給する。抽出蒸留塔A−1の塔内は、通常、
1〜15気圧とし、塔底温度100〜180℃で操作す
る。
【0028】抽出蒸留塔A−1の塔底からのエクストラ
クトは、管4を経て放散塔A−2の頂部に供給され、こ
こで極性溶剤とn−ブテンを主成分とするC4炭化水素
混合物を分離する。放散塔内は、通常、1〜2気圧と
し、塔底温度はその圧力における溶剤の沸点で操作でき
る。
【0029】放散塔A−2の塔頂から管5を経てn−ブ
テンを主成分とするC4炭化水素混合物が取り出され、
圧縮機6で昇圧後、管7から溶剤回収塔Bに供給され
る。放散塔A−2の塔底からは、管8から極性溶剤が取
り出され、管8の先に接続された管2を経て抽出蒸留塔
A−1に還流して循環させる。
【0030】管7を経て溶剤回収塔Bに供給される1−
ブテン及び2−ブテンを主成分とするC4炭化水素混合
物は、少量(組成割合で5〜20%程度)の極性溶剤を
随伴する。溶剤回収塔Bにおいて、塔頂からは溶剤を含
まない1−ブテン及び2−ブテンを管9を経て取り出
し、一方、塔底からは極性溶剤、1−ブテン及び2−ブ
テンを含む混合液を管10を経て取り出して、抽出蒸留
塔A−1の底部帯域に還流する。溶剤回収塔Bの塔内
は、通常、1〜15気圧とし、塔内温度10〜150℃
で操作する。
【0031】溶剤回収塔Bの塔底から取り出した混合液
は、管10を経て抽出蒸留塔A−1の底部帯域に還流す
ることにより、抽出蒸留塔A−1の塔底温度をコントロ
ールする。また、溶剤回収塔Bの塔底から取り出した混
合液には、溶剤と1−ブテンと2−ブテンの他に、C5
炭化水素などの高沸点物が含有されるため、溶剤回収塔
Bの塔頂から取り出される留分中の高沸点物の含有量が
小さくなり、その結果、より高純度の1−ブテン及び2
−ブテンを取得することができる。
【0032】溶剤回収塔Bの塔底から取り出した混合液
中の1−ブテン及び2−ブテンの合計濃度は10重量%
以上とし、かつ、該混合液の還流量を抽出蒸留塔A−1
の底部帯域に存在する液量の0.1〜30重量%の範囲
内とすることが好ましい。該混合液中の1−ブテン及び
2−ブテンの合計濃度が10重量%未満であると、溶剤
回収塔Bの塔頂から取り出される1−ブテン及び2−ブ
テンの純度が低下し、高沸点物の含有量が多くなる。ま
た、該混合液の還流量が抽出蒸留塔A−1の底部帯域に
存在する液量の0.1〜30重量%の範囲外であると、
抽出蒸留塔A−1の塔底温度を所定の温度に充分コント
ロールすることが困難となり、安定した操作が阻害され
る。
【0033】溶剤回収塔Bの塔底から取り出した混合液
を抽出蒸留塔A−1の底部帯域に還流することにより、
具体的には、抽出蒸留塔A−1の塔底温度を100〜1
50℃程度の温度範囲に設定することが可能となる。そ
れによって、抽出蒸留塔A−1の温度を通常使用される
スチーム(例えば、中圧スチーム:10kg/cm
2G、180℃)を使用して制御することができる。ま
た、このような還流を行わない場合には、抽出蒸留塔A
−1の塔底温度は、190〜200℃程度の高温となっ
て、通常のスチームによる制御ができなくなり、不経済
である。しかも、このような高温になると、原料C4
化水素中に含まれるブタジエンやカルボニル化合物等の
不純物が重合を起こして系内を汚染するため、好ましく
ない。
【0034】C5炭化水素などの高沸点物は、溶剤中に
ある程度蓄積されていくるが、最終的には、放散塔A−
2にて放散された溶剤の一部が溶剤精製部(図示せず)
に送られ、そこで高沸点物が除去される。
【0035】本発明の方法により取得されるn−ブテン
(1−ブテン及び2−ブテン)は、高純度であり、製品
規格において、以下の値を達成している。 イソブタン含有量:1.0重量%以下 n−ブタン含有量:1.0重量%以下 溶剤含有量 :1重量ppm以下
【0036】本発明の方法で得られた1−ブテン及び2
−ブテンは、混合物のままで各種石油化学製品の原料と
して使用できる。また、蒸留により1−ブテンと2−ブ
テンを分離して使用してもよい。さらに、別個の抽出蒸
留や選択的水素添加などにより、1,3−ブタジエンな
どの微量の不純物を除去すれば、触媒被毒の問題がな
く、モノマーとして好適な高純度1−ブテンを得ること
ができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明について、実施例を挙げて具体
的に説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるも
のではない。
【0038】[実施例1]図1に記載した装置を使用し
て、以下の実験を行った。100段の抽出蒸留塔A−1
の中段に、表4に掲げる組成の原料C4炭化水素混合物
を管1を経て50kg/H(H=時間)で供給し、極性
溶剤600kg、抽出蒸留塔A−1の還流液60kg/
Hで抽出蒸留を行った。極性溶剤としては、無水のジメ
チルホルムアミドに、ニトロベンゼン0.1重量%、亜
鉛酸ソーダ0.05重量%を混合したものを使用した。
【0039】抽出蒸留塔の塔頂圧力2.5kg/cm2
ゲージ、塔頂温度35℃、塔底温度125℃で操作した
結果、放散塔A−2の塔頂より33kg/Hのガスを得
た。放散塔の塔頂から取り出されたガス中のブタン類
(イソブタン及びn−ブタン)は、組成割合0.5重量
%にまで低下していた。このガスを溶剤回収塔Bの中段
に供給し、還流比1、塔頂圧力2.0kg/cm2ゲー
ジ、塔頂温度30℃で蒸留を行った。また、溶剤回収塔
Bの塔底からは、極性溶剤23.3重量%と、1−ブテ
ン及び2−ブテンを合計で66重量%含有する混合液を
17kg/Hで抽出蒸留塔A−1の底部帯域に還流し
た。その結果、溶剤回収塔Bの塔頂から高純度の1−ブ
テン及び2−ブテンを16kg/Hの割合で得た。各段
階での組成を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、C4炭化水素留分から
高純度の1−ブテン及び2−ブテンを分離精製し、取得
する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を示すフロー図である。
【符号の説明】
A−1:抽出蒸留塔 A−2:放散塔 B :溶剤回収塔 1〜5:管(ライン) 6 :圧縮機 7〜9:管(ライン)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C4炭化水素留分から高純度1−ブテン
    及び2−ブテンを取得する方法であって、 (1)C4炭化水素留分より1,3−ブタジエン及びイ
    ソブテンを除去して得られるイソブタン、n−ブタン、
    1−ブテン及び2−ブテンを含有するC4炭化水素混合
    物を、極性溶剤を用いる抽出蒸留に付して、抽出蒸留塔
    の塔頂からはイソブタン及びn−ブタンをラフィネート
    として除去し、一方、抽出蒸留塔の塔底からは1−ブテ
    ン及び2−ブテンを含有する溶剤溶液をエクストラクト
    として取り出して放散塔に導く工程、 (2)放散塔において、塔頂からは少量の溶剤を含む1
    −ブテン及び2−ブテンを取り出して溶剤回収塔に導
    き、一方、塔底からは溶剤を取り出して抽出蒸留塔の頂
    部帯域に還流する工程、及び (3)溶剤回収塔において、塔頂からは溶剤を含まない
    1−ブテン及び2−ブテンを取り出し、一方、塔底から
    は溶剤、1−ブテン及び2−ブテンを含む混合液を取り
    出して抽出蒸留塔の底部帯域に還流する工程、 を経ることを特徴とする高純度1−ブテン及び2−ブテ
    ンの取得方法。
  2. 【請求項2】 溶剤回収塔の塔底から取り出して抽出蒸
    留塔の底部帯域に還流する混合液中の1−ブテン及び2
    −ブテンの合計濃度を10重量%以上とし、かつ、該混
    合液の還流量を抽出蒸留塔の底部帯域に存在する液量の
    0.1〜30重量%の範囲内とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 抽出蒸留で使用する極性溶剤が無水のジ
    メチルホルムアミドである請求項1記載の方法。
JP4269302A 1992-09-11 1992-09-11 高純度1−ブテン及び2−ブテンの取得方法 Expired - Fee Related JP2842091B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4269302A JP2842091B2 (ja) 1992-09-11 1992-09-11 高純度1−ブテン及び2−ブテンの取得方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4269302A JP2842091B2 (ja) 1992-09-11 1992-09-11 高純度1−ブテン及び2−ブテンの取得方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0692876A true JPH0692876A (ja) 1994-04-05
JP2842091B2 JP2842091B2 (ja) 1998-12-24

Family

ID=17470455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4269302A Expired - Fee Related JP2842091B2 (ja) 1992-09-11 1992-09-11 高純度1−ブテン及び2−ブテンの取得方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2842091B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1310857C (zh) * 2002-09-16 2007-04-18 奥克森诺奥勒芬化学股份有限公司 用极性萃取剂通过萃取蒸馏分离丁烯和丁烷的方法
WO2014074261A1 (en) * 2012-11-07 2014-05-15 Lummus Technology Inc. Selective olefin extraction
CN105712820A (zh) * 2014-12-04 2016-06-29 中国石油化工股份有限公司 一种醚后碳四的提浓新工艺
CN105712828A (zh) * 2014-12-04 2016-06-29 中国石油化工股份有限公司 一种甲乙酮生产用c4原料的提纯方法
CN112358375A (zh) * 2020-09-23 2021-02-12 山东齐鲁石化工程有限公司 两塔双热泵集成的1-丁烯精制节能工艺及装置
US11230510B2 (en) 2018-10-09 2022-01-25 Sabic Global Technologies B.V. Process for maximizing 1-butene production from n-butane dehydrogenation
US11286220B2 (en) 2018-10-09 2022-03-29 Sabic Global Technologies B.V. Process for 1-butene production from n-butane dehydrogenation through efficient downstream separations

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56104824A (en) * 1980-01-23 1981-08-20 Inst Francais Du Petrole Production of butenee1 from c4 hydrocarbon fraction
JPS5920232A (ja) * 1982-07-26 1984-02-01 Japan Synthetic Rubber Co Ltd n−ブテンの製造方法
JPS60156623A (ja) * 1983-12-23 1985-08-16 バスフ アクチエン ゲゼルシヤフト 抽出蒸留によりc4−炭化水素混合物を分離する方法
JPS6217977A (ja) * 1985-07-17 1987-01-26 松下電器産業株式会社 電気カ−ペツト
JPS6261934A (ja) * 1985-09-11 1987-03-18 クルツプ−コツパ−ス・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング パラフイン系およびオレフイン系c↓4炭化水素の分離法
JPH04312536A (ja) * 1991-02-26 1992-11-04 Inst Fr Petrole 抽出蒸溜によるブタンとブテンとの分離方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56104824A (en) * 1980-01-23 1981-08-20 Inst Francais Du Petrole Production of butenee1 from c4 hydrocarbon fraction
JPS5920232A (ja) * 1982-07-26 1984-02-01 Japan Synthetic Rubber Co Ltd n−ブテンの製造方法
JPS60156623A (ja) * 1983-12-23 1985-08-16 バスフ アクチエン ゲゼルシヤフト 抽出蒸留によりc4−炭化水素混合物を分離する方法
JPS6217977A (ja) * 1985-07-17 1987-01-26 松下電器産業株式会社 電気カ−ペツト
JPS6261934A (ja) * 1985-09-11 1987-03-18 クルツプ−コツパ−ス・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング パラフイン系およびオレフイン系c↓4炭化水素の分離法
JPH04312536A (ja) * 1991-02-26 1992-11-04 Inst Fr Petrole 抽出蒸溜によるブタンとブテンとの分離方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1310857C (zh) * 2002-09-16 2007-04-18 奥克森诺奥勒芬化学股份有限公司 用极性萃取剂通过萃取蒸馏分离丁烯和丁烷的方法
WO2014074261A1 (en) * 2012-11-07 2014-05-15 Lummus Technology Inc. Selective olefin extraction
RU2617692C2 (ru) * 2012-11-07 2017-04-26 Ламмус Текнолоджи Инк. Избирательная экстракция олефинов
CN105712820A (zh) * 2014-12-04 2016-06-29 中国石油化工股份有限公司 一种醚后碳四的提浓新工艺
CN105712828A (zh) * 2014-12-04 2016-06-29 中国石油化工股份有限公司 一种甲乙酮生产用c4原料的提纯方法
US11230510B2 (en) 2018-10-09 2022-01-25 Sabic Global Technologies B.V. Process for maximizing 1-butene production from n-butane dehydrogenation
US11286220B2 (en) 2018-10-09 2022-03-29 Sabic Global Technologies B.V. Process for 1-butene production from n-butane dehydrogenation through efficient downstream separations
CN112358375A (zh) * 2020-09-23 2021-02-12 山东齐鲁石化工程有限公司 两塔双热泵集成的1-丁烯精制节能工艺及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2842091B2 (ja) 1998-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5327485B2 (ja) アセチレン転換を用いた原油c4留分からの1,3−ブタジエン分離方法
US6124514A (en) Process for generating pure benzene from reformed gasoline
US3436438A (en) Process for the separation of conjugated diolefins
US4277313A (en) Recovery of 1,3-butadiene
JP2016519097A (ja) ブタジエンの製造を増加させるための統合方法
JP5780124B2 (ja) 共役ジエンの製造方法
KR101700986B1 (ko) 부타디엔의 분별 추출
US4049742A (en) Recovery of 1,3-butadiene from a C4 -hydrocarbon mixture
US3860496A (en) Process for the recovery of isoprene from mixtures containing the same
US4555312A (en) Process for separating highly pure butene-1 or butene-1/isobutene mixture from C4 hydrocarbon fraction
JPS58126820A (ja) C↓4炭化水素留分より高純度ブテン−1又はブテン−1/イソブテン混合物の分離方法
JP2842091B2 (ja) 高純度1−ブテン及び2−ブテンの取得方法
US4515661A (en) Process for separating highly pure butene-1 and butene-2
JP2020506184A (ja) 純粋な1,3−ブタジエンを得る方法
US4292141A (en) Isolation of butadiene from a C4 -hydrocarbon mixture
US4277314A (en) Isolation of 1,3-butadiene from a C4-hydrocarbon mixture
US4278504A (en) Isolation of a conjugated diolefin from a C4 - or C5 -hydrocarbon mixture
US4421607A (en) Process for extractive distillation of plural hydrocarbon mixtures
CN114478169A (zh) 从费托合成油中分离提纯1-己烯的方法及装置
JPH0641428B2 (ja) 抽出蒸留によりc4−炭化水素混合物を分離する方法
JPS6353977B2 (ja)
JPS6261005B2 (ja)
JPS6353975B2 (ja)
JPS6256844B2 (ja)
JPS6353976B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071023

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081023

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081023

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091023

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091023

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101023

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees