JPH0692468B2 - 耐衝撃性スチレン系樹脂 - Google Patents

耐衝撃性スチレン系樹脂

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JPH0692468B2
JPH0692468B2 JP60107847A JP10784785A JPH0692468B2 JP H0692468 B2 JPH0692468 B2 JP H0692468B2 JP 60107847 A JP60107847 A JP 60107847A JP 10784785 A JP10784785 A JP 10784785A JP H0692468 B2 JPH0692468 B2 JP H0692468B2
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貞信 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、強度、光沢、剛性、及び着色性に優れた耐衝
撃性スチレン系樹脂に関するものである。さらに詳しく
は、強靱化剤として使用するポリブタジエンが特殊な構
造を持つものを併用することにより、実用的な耐衝撃強
度と光沢、剛性、さらに色剤による着色性に優れた耐衝
撃性スチレン系樹脂に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、耐衝撃性スチレン系樹脂は、未加硫ゴムをス
チレン系単量体に溶解し、この溶液を塊状、溶液または
塊状−懸濁重合するか、あるいは、単純に未加硫ゴムを
機械的に混合するかによつて、製造されたものである。
この場合、強靱化剤として通常用いられる未加硫ゴム
は、ポリブタジエンゴムや、スチレン−ブタジエンゴム
がある。ポリブタジエンゴムは得られる耐衝撃性スチレ
ン系樹脂の低温耐衝撃性の点で、スチレン−ブタジエン
ゴムよりも、優れることから最も多く使用されている。
しかしながら、かかるポリブタジエンゴムを強靱化剤と
した耐衝撃性スチレン系樹脂の持つ欠点は、剛性と色剤
による着色性とがスチレン−ブタジエンゴムよりも悪い
ことが挙げられる。
ポリスチレン等、強靱化剤を含有しないスチレン系樹脂
は本来、ポリエチレン等の他の樹脂に比らべ、剛性と着
色性の良好な樹脂であるが、耐衝撃性を改善する目的
で、ゴム状の強靱化剤が添加されると、その剛性と着色
性が著しく損なわれる。この傾向は、ポリブタジエンゴ
ムを強靱化剤とする方が、スチレン−ブタジエンゴムの
場合よりも著しく、さらに、ポリブタジエンゴムでも、
リチウム系触媒によつて溶液重合して得られるシス1,4
結合構造が25〜45%である様ないわゆる低シスポリブタ
ジエンゴムよりも、チーグラー系触媒によつて溶液重合
して得られるシス1,4結合構造が90%以上であるような
いわゆる高シスポリブタジエンゴムの方がさらに着色性
が劣る。
一般に耐衝撃性スチレン系樹脂は、ゴム相とポリスチレ
ン相とから成る二相構造をとつているが、耐衝撃性スチ
レン系樹脂の着色性減退の一因は、この二相構造にある
と推察されている。つまり、ゴム相が存在することによ
り透明性が低下し、且つ、分散したゴム相は内部にスチ
レン系重合戴置を包含したいわゆるサラミ構造をもつも
ののポリブタジエン部分が着色性が悪く、ひいては総体
としての耐衝撃性スチレン系樹脂の着色性を低下させて
いると考えられてきた。
一方、耐衝撃性スチレン系樹脂は、テレビ、ラジカセ、
ビデオデツキのハウジング、掃除機のハウジング等、い
わゆる家電製品分野で、射出成形により成形し、使用さ
れることが多いが、その場合、樹脂に要求される物性
は、実用的な耐衝撃性に優れることはもちろんである
が、その商品価値を高める為に、成形品表面の光沢に優
れ、剛性が強くさらに着色性が良いことが望まれる。
一般に、耐衝撃性スチレン系樹脂の二相構造をなす樹脂
中に分散したゴム相の大きさが耐衝撃性スチレン系樹脂
の諸物性に大きく関係することは知られているところで
ある。すなわち、ゴム相の大きさを小さくすれば剛性と
光沢は良くなるが、耐衝撃性が劣り、逆に大きくすれ
ば、耐衝撃性は強くなるが剛性は低下して軟弱な樹脂と
なり、又、光沢が低下する。
現在までのところ、耐衝撃性スチレン系樹脂の実用的な
耐衝撃性と着色性、剛性さらに光沢について優れたもの
で満足しうるものは未だ明らかにされていない。
これらの改良技術の開示として特開昭53−130791号公報
がある。これは強靱化剤として用いるポリブタジエンゴ
ムのポリマー構造を特定化したものである。すなわち、
特開昭53−130791号公報では、ポリブタジエンのポリマ
ー構造としては、1,2ビニル結合構造は7〜35モル%、
シス1,4結合構造が20〜80モル%、重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.6以上ウイ
リアムスの回復値が2.6mm以上であるポリブタジエンゴ
ムをスチレンに溶解しかかる溶液を塊状重合または、塊
状−懸濁重合することにより、低温耐衝撃性と着色性の
両特性が改良された耐衝撃性ポリスチレンを得られると
している。
しかしながら特開昭53−130791号公報記載の方法につい
て詳細に検討してみると、たしかに、従来のポリブタジ
エンゴムに比較して、着色性と低温耐衝撃性についてあ
る程度の改良効果が認められるが、実用上さらに必要な
物性である剛性と光沢については満足するものは得られ
ない。
さらに光沢を改良した技術の開示としては特開昭59−20
334号公報がある。これも又、強靱化剤として用いるポ
リブタジエンゴムのポリマー構造を特定化したものであ
る。すなわち、特開昭59−20334号公報では、ポリブタ
ジエンのポリマー構造としては、有機リチウム系触媒を
用いて重合させて得られるリビングポリマーとハロゲン
化スズ化合物とのカツプリング反応により得られる分岐
構造を有するゴム状重合体であつて、カツプリング度が
20〜80重量%、1,2ビニル結合含有量が30〜90モル%で
あるポリブタジエンを用いて得られるゴム変性熱可塑性
樹脂組成物とすることにより光沢の良い耐衝撃性ポリス
チレンが得られるとしている。
しかしながら、特開昭59−20334号公報記載の方法につ
いて詳細に検討してみると、たしかに従来のポリブタジ
エンに比較して光沢の改良効果が認められるもののカツ
プリング剤としてハロゲン化スズ化合物を使用している
為に分岐は4本のみであり実用的な耐衝撃性については
満足のいくものは得られていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者は、かかる問題を解決し、実用上重要な上記4
点の物性上のバランスが優れた耐衝撃性スチレン系樹脂
を得るべく、鋭意研究の結果、2種の特定なゴム状重合
体を用いることにより、実用強度、光沢、剛性、着色性
に優れた耐衝撃性スチレン系樹脂が得られることを見出
し、本発明を完成するに至つた。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、ポリブタジエン含量が5〜15重量
%であり、樹脂中に分散しているゴム粒子相の体積平均
粒径が0.5〜1.5μである耐衝撃性スチレン系樹脂であつ
て、ポリブタジエンゴムが、(A)1,2ビニル結合構造
が20〜40モル%、シス1,4結合構造15〜35モル%であ
り、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)が1.2以上1.8未満、且つ3官能性あるいは4
官能性の結合剤でカップリングされカップリング度が50
%以上であるポリブタジエンゴムと、(B)1,2ビニル
結合構造が10〜40モル%、シス1,4結合構造が15〜45モ
ル%であり、少なくとも50重量%の高分子鎖が5本以上
結合された星状の形状を有するポリブタジエンゴムとを
(B)/(A)=5/95〜50/50(重量比)の範囲で併用
したものであることを特徴とする耐衝撃性スチレン系樹
脂である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
まず、本発明の強靱化剤として用いるポリブタジエンゴ
ムについて述べる。本発明で用いられる特定のポリブタ
ジエンゴムは有機リチウム化合物例えばn−ブチルリチ
ウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、n
−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、ベンジル
リチウム、トリメチレンリチウム、ブタジエンオリゴマ
ージリチウム等を触媒として溶液重合されたものであ
る。
本発明で用いるポリブタジエンゴムは(A)群と(B)
群の併用でなければ、その目的とする実用的な耐衝撃
性、光沢剛性および色剤による着色性に優れた耐衝撃性
スチレン系樹脂は得ることはできない。
各群のポリブタジエンゴムをさらに詳しく説明する。
本発明で用いるポリブタジエンゴム(A)は1,2ビニル
結合構造が20〜40モル%、好ましくは23〜35モル%であ
り、シス1,4結合構造が15〜35モル%好ましくは18〜27
モル%でなければならない。この範囲外のミクロ構造を
有するポリブタジエンを使用した場合は、得られた耐衝
撃性スチレン系樹脂は着色性が著しく劣り、実用的価値
が劣る。さらに1,2ビニル結合構造が40モル%を越える
とゴムの強靱化剤としての特性が劣る。さらに、ポリブ
タジエンゴムの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(Mw/Mn)が1.2以上1.8未満であることが必
要である。1.2未満であると得られた耐衝撃性スチレン
系樹脂の光沢は優れるが実用強度が弱く、1.8以上であ
ると実用強度はすぐれるが光沢が出ない。又剛性と着色
性も劣る。
さらに、又、ポリブタジエン(A)は該重合体の高分子
鎖が枝分れした形状を持つていることが必要である。す
なわち、3官能性あるいは4官能性の結合剤例えば、四
塩化ケイ素、モノメチル三塩化ケイソ、四塩化スズ等に
よつて、カツプリングされた形状を有し、カツプリング
されたポリブタジエンの全体に対する割合(カツプリン
グ度)が50%以上であることが必要である。カツプリン
グ度が50%未満であると得られた耐衝撃性スチレン系樹
脂の着色性が劣り、特にカツプリング度が30%以下では
著しく着色性が劣り、実用に耐えない。本発明の方法に
あつてはカツプリング度は50%以上、好ましくは65%以
上であることが必要である。
この様なポリブタジエンを製造する方法は従来公知のい
かなる方法でもよいが、たとえばジメチルエーテル、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類な
どのビニル化剤を添加してn−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム等の有機リチウム化合物を触媒とし、ブ
タジエンを溶液重合を行ない前記の様に四塩化ケイ素、
四塩化スズ、四塩化炭素等のハロゲン化合物類、アジビ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル等のジエステル類等
の多官能性結合剤で、カツプリング反応させること〔J.
Polym.Sci.Part A Vol,13p.93〜103(;65)〕によつて
行なう方法も有用であるが、本発明の特許請求の範囲に
記載の範囲を満足するならばこれ以外の従来公知のいか
なる方法を用いてもよい。
ポリブタジエン(B)は該重合体の内、少なくとも50重
量%の高分子鎖が、5本以上結合された星状の形状を持
つていることが必要である。これらの高分子鎖は架橋等
により、網目構造を持つことは好ましくなく、結合され
た点から、放射状に高分子鎖を伸ばした形状でなければ
ならない。架橋等、網目構造を持つと、得られたゴム、
変性スチレン系樹脂は、強度、剛性の発現はあつても、
射出成形等によつて得る成形品のゲート付近にゲル状フ
ラツシユを発生し、表面光沢が劣り好ましくない。
又、本発明で用いるポリブタジエンゴムは少なくとも50
重量%の高分子鎖が結合されていることが必要である。
50重量%未満では強度の発現が十分でない。
又、その高分子鎖は5本以上が結合されたものであるこ
とが必要である。4本以下では剛性の発現が十分でな
い。本発明のポリブタジエンゴムはゴム中の1,2ビニル
結合構造が10〜40モル%であることが好ましい。10モル
%未満では剛性が十分でなく、40モル%を越えると強度
が十分でない。
この様なポリブタジエンゴムを製造する方法は、従来公
知のいかなる方法でもよいが、例えば、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルエーテル、ヘキサメチルフエニル等のビ
ニル化剤を所要量添加して、n−ヘキサン、シクロヘキ
サン、ベンゼン等を溶剤として、n−ブチルリチウム、
sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ブタジエ
ンオリゴマージリチウム等の有機リチウム化合物を触媒
としブタジエンを溶液重合し、塩化モリブデン、塩化ア
ンチモン等のハロゲン化合物類や、ジビニルベンゼン等
の多官能性結合剤でカツプリング反応させることによつ
て行なう方法も有用であるが、本発明の特許請求の範囲
に記載の範囲を満足するならば、これ以外のいかなる方
法を用いてもよい。
本発明に用いるポリブタジエンゴム(A)(B)には通
常用いられる老化防止剤、例えば、2,6−ジタ−シヤリ
ーブチル、4−メチルフエノール(BHT)、トリ(ノニ
ル化フエニル)ホスフアイト(TNP)、2,2′メチレンビ
ス(4−メチル−6−ターシヤリーブチルフエノー
ル)、オクタデシル3−(3′,5′ジターシヤリーブチ
ル4′ヒドロキシフエニル)プロピオネート、テトラキ
ス−〔メチレン−(3,5ジターシヤリーブチル−4−ヒ
ドロキシハイドロシンナメート)〕メタン、トリス(2,
4−ジタ−シヤリ−ブチルフエニル)フオスフアイトな
どを単独あるいは2種以上組合せて配合されていること
が好ましい。
本発明ではポリブタジエンゴム(A)と(B)とを併用
することが必要であり、その併用割合(重量比)は
(B)/(A)=5/95〜50/50であることが必要であ
る。5/95より小さければ、衝撃強度の発現が乏しく、50
/50より大きければ、光沢が十分でない。
本発明のポリブタジエンゴム含量は5〜15重量%であ
る。
5重量%未満では、得られる耐衝撃性スチレン系樹脂の
耐衝撃性が不足し、ゴム含量が15重量%を超えると、耐
衝撃性スチレン系樹脂製造時、溶液粘度が高くなり、ゴ
ム粒子径のコントロールが困難となる。
本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂中に分散しているゴム
粒子相の体積平均粒径は0.5〜1.5μの範囲にあり、好ま
しくは0.7〜1.2μである。ゴム粒子径が0.5μでは、衝
撃強度の発現が乏しく、1.5μを超えると、光沢が不十
分である。
本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法としては、
塊状、溶液または塊状−懸濁重合法が有利に用いられ
る。
たとえば、塊状−懸濁重合法による場合は本発明のポリ
ブタジエンゴムをスチレン系単量体に溶解し、かかる溶
液を、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘ
キサンカーボニトリル等のアゾ化合物や、過酸化ベンゾ
イル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化
物などの触媒の存在下、もしくは、不存在下にこの溶液
を攪拌下に加熱してラジカル重合させ、重合率20〜40%
に達した時点で重合溶液を、水中に懸濁させて重合を続
け、重合を完成させる。この際メルカプタンなどの分子
量調整剤、白色鉱油等の可塑剤を必要に応じ適宜使用す
ることもできる。又、触媒、分子量調整剤を重合途中で
別途加えることも可能である。
本発明においてスチレン系単量体とは、スチレン、パラ
メチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチ
レン、クロルスチレン等であり、これらの単独あるいは
混合したものである。又、これらとラジカル共重合しう
る単量体、たとえば、アクリロニトリル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸メチル等の単量体でスチレン系単量
体の一部を置き換えてもよい。
この様にして得られる耐衝撃性スチレン系樹脂は従来の
ものに比較して実用的な耐衝撃性と光沢さらに色剤によ
る着色性に優れている。
本発明による耐衝撃性スチレン系樹脂は、他の熱可塑性
樹脂例えば、ポリフエニレンエーテル樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合樹脂等、相溶性のあるものとブレンド
することも可能である。
又、加工の際に、色剤以外にも必要に応じ、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、充填剤等を予め添加
し、一般の射出成形や押出シート成形等の用途に供する
ことができる。
以下に実施例、比較例により、本発明を具体的に説明す
る。本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
〔実施例〕
実施例1 ポリブタジエンゴム(A)の製造 内容積100lのオートクレープに脱水精製したベンゼン50
l、n−ブチルリチウム10ミリモル及び、ビニル化剤と
してTHF(テトラヒドロフラン)0.9gを仕込んだ。ブタ
ジエン7000gを添加し60℃で2時間重合した。得られた
ポリマーにカツプリング剤として四塩化スズを加えて、
さらに1時間反応させた後メタノール70gを添加して重
合反応を終結させたのち、老化防止剤として、4−メチ
ル−2,6−ジタ−シヤリ−ブチルフエノール及びトリノ
ニルフエニルフオスフアイトをそれぞれ50gずつ添加
し、スチームストリツピング法によつてポリマーを析出
させた。通常の乾燥法により乾燥して得られたポリブタ
ジエンゴムの諸物性を第1表に示す。
ポリブタジエンゴム(B)の製造 内容積100lのオートクレーブにTHF(テトラヒドロフラ
ン)2000ppmを含んだ脱水精製したシクロヘキサン60lを
仕込んだ。ブタジエン10Kgを仕込んで、内温40℃とした
後、n−ブチルリチウム10ミリモルを添加し昇温し、内
温70℃で2時間重合した。得られたプレポリマーにカツ
プリング剤としてジビニルベンゼン0.1モルを加え、さ
らに1時間反応させた後、メタノール1.0モルを添加し
て重合反応を終結させたのち、老化防止剤として4−メ
チル−2,6−ジターシヤリーブチルフエノール及びトリ
ス(2,4−ジターシヤリーブチルフエニル)フオスフア
イトをそれぞれ70g添加しスチームストリツピング法に
よつてポリマーを析出させた。通常の乾燥法により、最
終ポリマーを得た。得られたポリブタジエンゴムの諸物
性を第1表に示す。
耐衝撃性スチレン系樹脂の製造 内容積50lの重合缶に上記で得られたポリブタジエンゴ
ム(A)と(B)とを併用比率(B)/(A)=25/75
とし、合せて8.5重量部をスチレン91.5重量部に溶解し
たゴム溶液を仕込み、ジクミルパーオキサイド0.03重量
部、ターシヤリードデシルメルカプタン0.03重量部、ノ
ルマルドデシルメルカプタン0.01重量部を加え250rpmで
攪拌した。オートクレーブ中を窒素ガスで置換してか
ら、密閉し、昇温した。115℃で4時間30分予備重合し
た後、冷却し、次いで容量100lの重合缶内に純水50Kg、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3g、第三リン
酸カルシウム450gを加え、150rpmで攪拌しているところ
に、2,2ビス(ターシヤリーブチルパーオキシ)ブタン4
0gとジクミルパーオキサイド16gを加えた前記予備重合
液40Kgを入れ、窒素置換後、密閉、昇温し温度105℃で
2時間、117℃で4時間、135℃で2時間重合して冷却し
た。常法にしたがい中和、脱水、乾燥した後、重合物を
押出機により通常のペレツト形状として耐衝撃性スチレ
ン系樹脂を得た。
この耐衝撃性スチレン系樹脂を米国コールターエレクト
ロニクス社のコールターカウンターにより細孔通過法で
測定したゴム粒子相の体積平均粒径は0.9μであつた。
この樹脂の物性測定結果を第1表に示す。
実施例2〜6 ポリブタジエンゴム(A)と(B)の種類、使用量、ス
チレン量、ポリブタジエンゴム(A)/(B)併用比率
を変更した以外は実施例1と同様に操作して、耐衝撃性
スチレン系樹脂を得た。
なお、ポリブタジエンゴムの種類、使用量、併用比率の
変化に応じて、予備重合工程での攪拌回転数は樹脂内で
分散したゴム粒子相の体積平均粒径を目標値に合せるべ
く変更した。
比較例1 実施例1で得られたポリブタジエン(A)のみを用いた
以外は実施例1と同様に操作して、耐衝撃性スチレン系
樹脂を得た。結果を第2表に示す。
比較例2 実施例1で使用したポリブタジエンゴム(B)のみを用
いた以外は実施例1と同様に操作して耐衝撃性スチレン
系樹脂を得た。
比較例3 実施例1で使用したポリブタジエン(A)のかわりに旭
化成(株)商品名アサプレン730Aを使用した以外は実施
例1と同様に操作して耐衝撃性ポリスチレン樹脂を得
た。
比較例4 実施例4で使用したポリブタジエン(B)のかわりに旭
化成(株)商品名ジエン55Aを用いた以外は実施例4と
同様にして耐衝撃性ポリスチレン樹脂を得た。
ポリブタジエンゴムのミクロ組成は、赤外分光光度計
(日本分光製A−302型)を用い、二硫化炭素を溶媒と
して赤外スペクトルを測定し、モレロ法〔D.Morero等、
Chim.6Ind.,41、758(1959)〕によつて計算した。
ポリブタジエンのMw/Mn、カップリング度及び高分子鎖
数は、GPC〔東洋曹達製HLC−802A〕を用いて、以下の条
件で測定した。
溶媒:テトラヒドロフラン(THF) カラム:東洋曹達製 GMH−6 2Feet 2本 カラム恒温槽温度:38℃ 溶媒流量:1.5ml/min 試料濃度:0.1重量% 試料注入量:0.5ml 検出器:示差屈折計 データ処理装置:東洋曹達製cp−8000 カツプリング度は上記GPC測定条件で得られたGPCデータ
の中で、未カツプリングゴムの分子量及びカツプリング
ゴムの分子量に各々相当するGPCチヤート上のピーク面
積比を求めてカツプリング%とする。
また、高分子鎖数はGPCデータの中で未カップリングゴ
ムの分子量とカップリングゴムの分子量の比を求めて高
分子鎖の数とする。
耐衝撃製スチレン系樹脂の物性は次の方法で測定した。
(1)アイゾツト衝撃強さ:JIS−K−6871による。
(2)落錘強度:射出成形による2mm厚の12cm×12cmの
正方形角板の中心に、錘先端5R、錘径14mmφ1Kgの錘を
落下させ、割れの発生しない高さ(cm)と錘重量の積で
強度をあらわす。
成形機は(株)新潟鉄工所製2オンスインラインスクリ
ユー射出成形機SN−51Bにて、成形温度230℃で成形し
た。尚、射出成形による成形品は方向性を受け易く、外
部からの力によつて割れる際も成形流れの方向に割れ易
い。この点、落錘強度は最も方向性を見出し易いので、
本発明では実際の状況に合つた表わし方として落錘強度
を採用した。
(3)曲げ強度:ASTM D790による (4)光沢:JIS Z−8741による (5)着色性:樹脂100重量部に対し、大日精化工業社
赤色顔料PS−D−22D−360を0.5部添加し、射出成形に
より3段ステツププレートを成形し、濃い赤色を呈し、
顔料自体の色に最も近く、着色性が最もすぐれるものを
Aとし、赤色が薄く、白つぽい赤色を呈し、着色性が最
も劣るものをEとし、その中間を順にB、C、Dと評価
した。
〔発明の効果〕
本発明により、実用強度、光沢、剛性、着色性に優れた
耐衝撃性スチレン系樹脂が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリブタジエンゴム含量が5〜15重量%で
    あり、樹脂中に分散しているゴム粒子相の体積平均粒径
    が0.5〜1.5μである耐衝撃性スチレン系樹脂であて、ポ
    リブタジエンゴムが (A)1,2ビニル結合構造が20〜40モル%、シス1,4結合
    構造が15〜35モル%であり、重量平均分子量(Mw)と数
    平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.2以上1.8未満、
    且つ3官能性あるいは4官能性の結合剤でカップリング
    されカップリング度が50%以上であるポリブタジエンゴ
    ムと、 (B)1,2ビニル結合構造が10〜40モル%、シス1,4結合
    構造が15〜35モル%であり、少なくとも50重量%の高分
    子鎖が5本以上結合された星状の形状を有するポリブタ
    ジエンゴム との併用であり、且つ(B)/(A)=5/95〜50/50
    (重量比)であることを特徴とする耐衝撃性スチレン系
    樹脂。
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