JPH0651768B2 - 耐衝撃性スチレン系樹脂 - Google Patents

耐衝撃性スチレン系樹脂

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JPH0651768B2
JPH0651768B2 JP5747285A JP5747285A JPH0651768B2 JP H0651768 B2 JPH0651768 B2 JP H0651768B2 JP 5747285 A JP5747285 A JP 5747285A JP 5747285 A JP5747285 A JP 5747285A JP H0651768 B2 JPH0651768 B2 JP H0651768B2
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polybutadiene
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polybutadiene rubber
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貞信 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、強度、光沢、及び着色性に優れた耐衝撃性ス
チレン系樹脂に関するものである。さらに詳しくは、強
靭化剤として使用するポリブタジエンが特殊な構造を持
つものを併用することにより、実用的な耐衝撃強度と光
沢、さらに色剤による着色性に優れた耐衝撃性スチレン
系樹脂に関するものである。
(従来の技術) 従来より、耐衝撃性スチレン系樹脂は、未加硫ゴムをス
チレン系単量体に溶解し、この溶液に塊状、溶液または
塊状−懸濁重合するか、あるいは、単純に未加硫ゴムを
機械的に混合するかによつて、製造されたものである。
この場合、強靭化剤として通常用いられる未加硫ゴム
は、ポリブタジエンゴムや、スチレン−ブタジエンゴム
がある。ポリブタジエンゴムは得られる耐衝撃性スチレ
ン系樹脂の低温耐衝撃性の点で、スチレン−ブタジエン
ゴムよりも、優れることから最も多く使用されている。
しかしながら、かかるポリブタジエンゴムを強靭化剤と
した耐衝撃性スチレン系樹脂の持つ欠点のひとつに色剤
による着色性の悪いことが挙げられる。
ポリスチレン等、強靭化剤を含有しないスチレン系樹脂
は本来、ポリエチレン等の他の樹脂に比らべ、着色性の
良好な樹脂であるが、耐衝撃性を改善する目的で、ゴム
状の強靭化剤が添加されると、その着色性が著しく損な
われる。この傾向は、ポリブタジエンゴムを強靭化剤と
する方が、スチレン−ブタジエンゴムの場合よりも著し
く、さらに、ポリブタジエンゴムでも、リチウム系触媒
によつて溶液重合して得られるシス1,4結合構造が25〜4
5%である様ないわゆる低シスポリブタジエンゴムより
も、チ−グラ−系触媒によつて溶液重合して得られるシ
ス1,4結合構造が90%以上であるようないわゆる高シス
ポリブタジエンゴムの方がさらに着色性が劣る。
一般に耐衝撃性スチレン系樹脂は、ゴム相とポリスチレ
ン相とから成る二相構造をとつているが、耐衝撃性スチ
レン系樹脂の着色性減退の一因は、この二相構造にある
と推察されている。つまり、ゴム相が存在することによ
り透明性が低下し、且つ、分散したゴム相は内部にスチ
レン系重合体を包含したいわゆるサラミ構造をもつもの
のポリブタジエン部分が着色性が悪く、ひいては総体と
しての耐衝撃性スチレン系樹脂の着色性を低下させてい
ると考えられてきた。
一方、耐衝撃性スチレン系樹脂は、テレビ、ラジカセ、
ビデオデツキのハウジング、掃除機のハウジング等、い
わゆる家電製品分野で、射出成形により成形し、使用さ
れることが多いが、その場合、樹脂に要求される物性
は、実用的な耐衝撃性に優れることはもちろんである
が、その商品価値を高める為に、成形品表面の光沢に優
れ、さらに着色性が良いことが望まれる。
一般に、耐衝撃性スチレン系樹脂の二相構造をなす樹脂
中に分散したゴム相の大きさが、光沢に大きく関係する
ことは知られているところである。すなわち、ゴム相の
大きさを小さくすれば、光沢は良くなるが、耐衝撃性が
劣り、逆に大きくすれば、耐衝撃性は強くなるが、光沢
が低下する。
現在までのところ、耐衝撃性スチレン系樹脂の実用的な
耐衝撃性と着色性、さらに光沢について優れたもので満
足しうるものは未だ明らかにされていない。
これらの改良技術の開示として特開昭53−130791号公報
がある。これは強靭化剤として用いるポリブタジエンゴ
ムのポリマー構造を特定化したものである。すなわち、
特開昭53−130791号公報では、ポリブタジエンのポリマ
ー構造としては、1,2ビニル結合構造は7〜35%、シス
1,4結合構造が20〜80%、重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2.6以上、ウイリアム
スの回復値が2.6mm以上であるポリブタジエンゴムをス
チレンに溶解しかかる溶液を塊状重合または、塊状−懸
濁重合することにより、低温耐衝撃性と着色性の両特性
が改良された耐衝撃性ポリスチレンを得られるとしてい
る。
しかしながら特開昭53−130791号公報記載の方法につい
て詳細に検討してみると、たしかに、従来のポリブタジ
エンゴムに比較して、着色性と低温耐衝撃性についてあ
る程度の改良効果が認められるが、実用上さらに必要な
物性である光沢については満足するものは得られない。
さらに光沢を改良した技術の開示としては特開昭59−20
334号公報がある。これも又、強靭化剤として用いるポ
リブタジエンゴムのポリマー構造を特定化したものであ
る。すなわち、特開昭59−20334号公報では、ポリブタ
ジエンのポリマー構造としては、有機リチウム系触媒を
用いて重合させて得られるリビングポリマーとハロゲン
化スズ化合物とのカツプリング反応により得られる分岐
構造を有するゴム状重合体であつて、カツプリング度が
20〜80重量%、1,2ビニル結合含有量が30〜90%である
ポリブタジエンを用いて得られるゴム変性熱可塑性樹脂
組成物とすることにより光沢の良い耐衝撃性ポリスチレ
ンが得られるとしている。
しかしながら、特開昭59−20334号公報記載の方法につ
いて詳細に検討してみると、たしかに従来のポリブタジ
エンに比較して光沢の改良効果は認められるものの実用
的な耐衝撃性については満足のいくものは得られていな
い。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者は、かかる問題を解決し、実用上重要な上記3
点の物性上のバランスが優れた耐衝撃性スチレン系樹脂
を得るべく、鋭意研究の結果、2種の特定なゴム状重合
体を用いることにより、実用強度、光沢、着色性に優れ
た耐衝撃性スチレン系樹脂が得られることを見出し、本
発明を完成するに至つた。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、ポリブタジエン含量が5〜15重量
%であり、樹脂中に分散しているゴム粒子相の体積平均
粒径が0.5〜1.5μである耐衝撃性スチレン系樹脂であつ
て、ポリブタジエンゴムが、(A)1,2ビニル結合構造
が20〜40%、シス1,4結合構造が15〜35%であり、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/M
n)が1.2以上1.8未満、且つカツプリング度が50%以上
であるポリブタジエンゴムと、(B)シス1,4結合構造
が90%以上であり、上記Mw/Mnが3.5以上5.0以下で、且
つ、25℃で測定した5重量%トルエン溶液粘度(S.V)
が50〜250cpsの範囲内にあるポリブタジエンゴムとを
(B)/(A)=5/95〜50/50(重量比)の範囲で併
用したものであることを特徴とする耐衝撃性スチレン系
樹脂である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
まず、本発明の強靭化剤として用いるポリブタジエンゴ
ムについて述べる。本発明で用いられる特定のポリブタ
ジエンゴムは(A)群は有機リチウム化合物例えばn−
ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリ
チウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウ
ム、ベンジルリチウム、トリメチレンリチウム等を触媒
として溶液重合されたものである。(B)群のポリブタ
ジエンゴムは、コバルト化合物、ハロゲン含有の有機ア
ルミニウム化合物、および多価アルコールから得られる
触媒を用いて溶液重合されたものである。
本発明で用いるポリブタジエンゴムは(A)群と(B)
群の併用でなければ、その目的とする実用的な耐衝撃
性、光沢および色剤による着色性に優れた耐衝撃性スチ
レン系樹脂は得ることはできない。
各群のポリブタジエンゴムをさらに詳しく説明する。
本発明で用いるポリブタジエンゴム(A)は1,2ビニル
結合構造が20〜40%、好ましくは23〜35%であり、シス
1,4結合構造が15〜35%好ましくは18〜27%でなければ
ならない。この範囲外のミクロ構造を有するポリブタジ
エンを使用した場合は、得られた耐衝撃性スチレン系樹
脂は着色性が著しく劣り、実用的価値が劣る。さらに1,
2ビニル結合構造が40%を超えるとゴムの強靭化剤とし
ての特性が劣る。さらに、ポリブタジエンゴムの重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が
1.2以上1.8未満であることが必要である。1.2未満であ
ると得られた耐衝撃性スチレン系樹脂の光沢は優れるが
実用強度が弱く、1.8以上であると実用強度はすぐれる
が光沢が出ない。又着色性も劣る。
さらに、又、ポリブタジエン(A)は該重合体の高分子
鎖が枝分れした形状を持つていることが必要である。す
なわち、3官能性あるいは4官能性の結合剤例えば、四
塩化ケイ素、モノメチル三塩化ケイソ、四塩化スズ等に
よつて、カツプリングされた形状を有し、カツプリング
されたポリブタジエンの全体に対する割合(カツプリン
グ度)が50%以上であることが必要である。カツプリン
グ度が50%未満であると得られた耐衝撃性スチレン系樹
脂の着色性が劣り、特にカツプリング度が30%以下では
著しく着色性が劣り、実用に耐えない。本発明の方法に
あつてはカツプリング度は50%以上、好ましくは65%以
上であることが必要である。
この様なポリブタジエンを製造する方法は従来公知のい
かなる方法でもよいが、たとえばジメチルエーテル、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類な
どのビニル化剤を添加してn−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム等の有機リチウム化合物を触媒とし、溶
液重合を行ない前記の様に四塩化ケイ素、四塩化スズ、
四塩化炭素等のハロゲン化合物類、アジピン酸ジエチ
ル、マレイン酸ジメチル等のジエステル類等の多官能性
結合剤で、カツプリング反応させること〔J.Polym.Sci.
Part A Vol.13p.93〜103('65)〕によつて行なう方法
も有用であるが、本発明の特許請求の範囲に記載の範囲
を満足するならばこれ以外の従来公知のいかなる方法を
用いてもよい。
ポリブタジエン(B)は、シス1,4結合構造が90%以上
であるいわゆる高シスポリブタジエンでなければならな
い。シス1,4結合構造が90%未満であるいわゆる低シス
ポリブタジエンゴムの場合には、衝撃強度の発現が十分
ではない。さらに、上記Mw/Mn比が3.5〜5.0であること
が必要である。3.5未満では色剤による着色性が劣り、
5.0を超えると実用強度はすぐれるが光沢がでない。さ
らに又、ポリブタジエン(B)は、25℃で測定した5重
量%トルエン溶液粘度(S.V)が50〜250cpsであるこ
と、好ましくは100〜200cpsであることが必要である。5
0cps未満では衝撃強度の発現が十分でなく、250cpsを超
えると、重合中の溶液粘度が高くなり、ゴム粒径を所定
の範囲とする為には、撹拌動力を大きくしなければなら
ず、光沢を十分なものとするのが難しい。
この様なポリブタジエンゴム(B)を製造する方法は、
好ましくは、コバルト化合物、ハロゲン含有の有機アル
ミニウム化合物および多価アルコールから得られる触媒
を用い、1,3ブタジエンを重合する方法があり、以下に
詳しく例を挙げるが、本発明の特許請求の範囲に記載の
範囲を満足するならば、従来公知のいかなる方法を用い
てもよい。
前記コバルト化合物としては、コバルトオクトエート、
コバルトナフトエート、コバルトベンゾエート等の炭素
数6以上の有機カルボン酸のコバルト塩、塩化コバルト
ピリジン錯体、塩化コバルトエチルアルコール錯体等の
ハロゲン化コバルト錯体、コバルトアセト酢酸エチルエ
ステル錯体のようなコバルトのβ−ケト酸エステル錯体
等を挙げることができる。
前記のハロゲン含有の有機アルミニウム化合物として
は、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルア
ルミニウムモノブロマイド、ジイソブチルアルミニウム
モノクロライドなどのジアルキルアルミニウムハライド
や、エチルアルミニウムセスキクロライドのようなアル
キルアルミニウムセスキハライドなどを挙げることがで
きる。
前記の多価アルコールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、α−ブチレングリコール、テト
ラメチレングリコールなどの2価アルコール、あるいは
グリセリンのような3価アルコール等を挙げることがで
きる。
本発明の様にMw/Mnが3.5以上と大きく、すなわち、分
子量分布を広くするには公知の分子量調節剤、例えば、
エチレン、プロピレン、スチレン、ブテン−1等のα−
オレフイン類やシクロオクタジエン、アレン等の非共役
ジエン類を重合段階で使用したり、使用しないことによ
り、分子量分布の内、高分子量側を増したり、あるいは
低分子量側を増したりすることが可能である。
この様なポリブタジエンゴムの分子量を変更することに
よつてS.V.を変更することも可能となる。
本発明に用いるポリブタジエンゴム(A)(B)には通
常用いられる老化防止剤、例えば、2,6−ジターシヤリ
ーブチル、4−メチルフエノール(BHT)、トリ(ノニ
ル化フエニル)ホスフアイト(TNP)、2,2′メチレンビ
ス(4−メチル−6−ターシヤリ−ブチルフエノー
ル)、オクタデシル3−(3′,5′ジターシヤリーブチ
ル4′ヒドロキシフエニル)プロピオネート、テトラキ
ス−〔メチレン−(3,5ジターシヤリーブチル−4−ヒ
ドロキシハイドロシンナメート)〕メタン、トリス(2,
4−ジターシヤリーブチルフエニル)フオスフアイトな
どを単独あるいは2種以上組合せて配合されていること
が好ましい。
本発明ではポリブタジエンゴム(A)と(B)とを併用
することが必要であり、その併用割合(重量比)は
(B)/(A)=5/95〜50/50であることが必要であ
る。5/95より小さければ、衝撃強度の発現が乏しく、
50/50より大きければ、光沢が十分でない。
本発明のポリブタジエンゴム含量は5〜15重量%であ
る。
5重量%未満では、得られる耐衝撃性スチレン系樹脂の
耐衝撃性が不足し、ゴム含量が15重量%を超えると、耐
衝撃性スチレン系樹脂製造時、溶液粘度が高くなり、ゴ
ム粒子径のコントロールが困難となる。
本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂中に分散しているゴム
粒子相の体積平均粒径は0.5〜1.5μの範囲にあり、好ま
しくは0.7〜1.2μである。ゴム粒子径が0.5μでは、衝
撃強度の発現が乏しく、1.5μを超えると、光沢が不十
分である。
本発明の耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法としては、
塊状、溶液または塊状−懸濁重合法が有利に用いられ
る。
たとえば、塊状−懸濁重合法による場合は本発明のポリ
ブタジエンゴムをスチレン系単量体に溶解し、かかる溶
液を、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘ
キサンカーボニトリル等のアゾ化合物や、過酸化ベンゾ
イル、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチ
ルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の過酸化
物などの触媒の存在下、もしくは、不存在下にこの溶液
を撹拌下に加熱してラジカル重合させ、重合率20〜40%
に達した時点で重合溶液を、水中に懸濁させて重合を続
け、重合を完結させる。この際メルカプタンなどの分子
量調整剤、白色鉱油等の可塑剤を必要に応じ適宜使用す
ることもできる。又、触媒、分子量調整剤を重合途中で
別途加えることも可能である。
本発明においてスチレン系単量体とは、スチレン、パラ
メチルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチ
レン、クロルスチレン等であり、これらの単独あるいは
混合したものである。又、これらとラジカル共重合しう
る単量体、たとえば、アクリルニトリル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸メチル等の単量体でスチレン系単量
体の一部を置き換えてもよい。
この様にして得られる耐衝撃性スチレン系樹脂は従来の
ものに比較して実用的な耐衝撃性と光沢さらに色剤によ
る着色性に優れている。
本発明による耐衝撃性スチレン系樹脂は、他の熱可塑性
樹脂例えば、ポリフエニレンエーテル樹脂、スチレン−
ブタジエン共重合樹脂等、相溶性のあるものとブレンド
することも可能である。
又、加工の際に、色剤以外にも必要に応じ、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、充填剤等を予め添加
し、一般の射出成形や押出シート成形等の用途に供する
ことができる。
以下に実施例、比較例により、本発明を具体的に説明す
る。本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
第1表に実施例を、第2表に比較例を示すが、実施例に
示される耐衝撃性スチレン系樹脂は、各物性項目のいず
れも優れており、本発明によるものは、物性バランスが
良いことが判る。
実施例 1 〔ポリブタジエンゴム(A)の製造〕 内容積100のオートクレーブに脱水精製したベンゼン5
0、n−ブチルリチウム10ミリモル及び、ビニル化剤
としてTHF(テトラヒドロフラン)0.9gを仕込んだ。ブ
タジエン7000gを添加し60℃で2時間重合した。得られ
たポリマーにカツプリング剤として四塩化スズを加え
て、さらに1時間反応させた後メタノール70gを添加し
て重合反応を終結させたのち、老化防止剤として、4−
メチル−2,6−ジターシヤリーブチルフエノール及びト
リノニルフエニルフオスフアイトをそれぞれ50gずつ添
加し、スチームストリツピング法によつてポリマーを析
出させた。通常の乾燥法により乾燥して得られたポリプ
タジエンゴムの諸物性を第1表に示す。
〔耐衝撃性スチレン系樹脂の製造〕
内容積100の撹拌機付オートクレーブに、上記で得ら
れたポリブタジエンゴム(A)と、シス1,4結合構造が9
7.8%でMw/Mnが3.6、S.V.が153cpsであるポリブタジエ
ンゴム(B)(宇部興産(株)商品名ウベポールBR10
1)を併用比率(B)/(A)=30/70とし、合せて8
重量部をスチレン92重量部に溶解したゴム溶液を仕込
み、ジクミルパーオキサイド0.02重量部、ターシヤリー
ドデシルメルカプタン0.04重量部を加え、280rpmで撹拌
した。オートクレーブ中を窒素ガスで置換してから、密
閉し、昇温した。115℃で4時間、予備重合した後、冷
却し、次いで容量200のオートクレーブ中に純水100k
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5g、第三
リン酸カルシウム800gを加え、120rpmで撹拌していると
ころに、新たに2,2ビス(ターシヤリーブチルパーオキ
シ)ブタン77gと、ジクミルパーオキサイド14gを加えた
前記予備重合液70kgを入れ、窒素置換後、密閉、昇温
し、温度110℃で8時間、135℃で2時間重合し冷却し
た。常法にしたがい、中和、脱水、乾燥した後、重合物
を押出機により通常のペレツト形状として耐衝撃性スチ
レン系樹脂を得た。
この耐衝撃性スチレン系樹脂を米国コールターエレクト
ロニクス社のコールターカウンターにより細孔通過法で
測定したゴム粒子相の体積平均粒径は0.9μであつた。
この樹脂の物性測定結果を第1表に示す。
実施例 2〜6 ポリブタジエンゴム(A)と(B)の種類、使用量、ス
チレン量、ポリブタジエンゴム(A)/(B)併用比率
を変更した以外は実施例1と同様に操作して、耐衝撃性
スチレン系樹脂を得た。
なお、ポリブタジエンゴムの種類、使用量、併用比率の
変化に応じて、予備重合工程での撹拌回転数は樹脂内で
分散したゴム粒子相の体積平均粒径を目標値に合せるべ
く変更した。
比較例 1 実施例1で得られたポリブタジエン(A)のみを用いた
以外は実施例1と同様に操作して、耐衝撃性スチレン系
樹脂を得た。
比較例 2 実施例1で使用したポリブタジエンゴム(B)のみを用
いた以外は実施例1と同様に操作して耐衝撃性スチレン
系樹脂を得た。
比較例 3 実施例1で使用したポリブタジエン(A)のかわりに旭
化成(株)商品名アサプレン700Aを使用した以外は実施
例1と同様に操作して耐衝撃性ポリスチレン樹脂を得
た。
比較例 4 実施例4で使用したポリブタジエン(B)のかわりに宇
部興産(株)商品名ウベポール15HLを用いた以外は実施
例4と同様にして耐衝撃性ポリスチレン樹脂を得た。
ポリブタジエンゴムのミクロ組成は、赤外分光光度計
(日本分光製A−302型)を用い、二硫化炭素を溶媒と
して赤外スペクトルを測定し、モレロ法〔D.Morero等、
Chim.6 Ind.,41、758(1959)〕によつて計算した。
ポリブタジエンのMw/Mn、カツプリング度は、GPC〔東
洋曹達製HLC−802A〕を用いて、以下の条件で測定し
た。
溶媒:テトラヒドロフラン(THF) カラム:東洋曹達製 GMH−6 2Feet2本 カラム恒温槽温度:38℃ 溶媒流量:1.5ml/min 試料濃度:0.1重量% 試料注入量:0.5ml 検出器:示差屈折計 データ処理装置:東洋曹達製cp−8000 カツプリング度は上記GPC測定条件で得られたGPCデータ
の中で、未カツプリングゴムの分子量及びカツプリング
ゴムの分子量に各々相当するGPCチヤート上のピーク面
積比を求めてカツプリング%とする。
ポリブタジエンゴムの溶液粘度は次の方法で測定した。
ゴム5gを取り95gのトルエンに溶解する。あらかじめ25
±0.1℃にセツトした恒温水槽のキヤノンフエンスケ型
動粘度計に試料溶液を入れ、流下時間を測定し、次式に
より粘度(cp)を算出する。
粘度(cp)=Ts×Tc×Ss Ts:試料溶液の流下時間(秒) Tc:標準液を用いて求めた粘度計定数 Ss:25℃における試料溶液の密度 耐衝撃性スチレン系樹脂の物性は次の方法で測定した。
(1)アイゾツト衝撃強さ:JIS−K−6871による。
(2)落錘強度:射出成形による2mm厚の12cm×12cmの正
方形角板の中心に、錘先端5R、錘径14mmφ1kgの錘を落
下させ、割れの発生しない高さ(cm)と錘重量の積で強
度をあらわす。
成形機は(株)新潟鉄工所製2オンスインラインスクリ
ユー射出成形機SN−51Bにて、成形温度230℃で成形し
た。尚、射出成形による成形品は方向性を受け易く、外
部からの力によつて割れる際も成形流れの方向に割れ易
い。この点、落錘強度は最も方向性を見出し易いので、
本発明では実際の状況に合つた表わし方として落錘強度
を採用した。
(3)光沢:JIS Z−8741による (4)着色性:樹脂100重量部に対し、大日精化工業社赤
色顔料PS−D−22D−360を0.5部添加し、射出成形によ
り3段ステツププレートを成形し、濃い赤色を呈し、顔
料自体の色に最も近く、着色性が最もすぐれるものをA
とし、赤色が薄く、白つぽい赤色を呈し、着色性が最も
劣るものをEとし、その中間を順にB、C、Dと評価し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−20334(JP,A) 特開 昭57−40513(JP,A) 特開 昭60−203618(JP,A) 特開 昭61−42521(JP,A) 特公 昭49−17430(JP,B1)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリブタジエンゴム含量が5〜15重量%で
    あり、樹脂中に分散しているゴム粒子相の体積平均粒径
    が0.5〜1.5μである耐衝撃性スチレン系樹脂であつて、
    ポリブタジエンゴムが (A)1,2ビニル結合構造が20〜40%、シス1,4結合構造が
    15〜35%であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
    (Mn)との比(Mw/Mn)が1.2以上1.8未満、且つカツプ
    リング度が50%以上であるポリブタジエンゴムと、 (B)シス1,4結合構造が90%以上であり、上記Mw/Mnが
    3.5以上5.0以下で且つ、25℃で測定した5重量%トルエ
    ン溶液粘度(S.V)が50〜250cpsの範囲内にあるポリブ
    タジエンゴム との併用であり、且つ(B)/(A)=5/95〜50/50
    (重量比)であることを特徴とする耐衝撃性スチレン系
    樹脂。
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