JPH11130824A - ゴム変性熱可塑性樹脂、およびその組成物 - Google Patents

ゴム変性熱可塑性樹脂、およびその組成物

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JPH11130824A
JPH11130824A JP9311078A JP31107897A JPH11130824A JP H11130824 A JPH11130824 A JP H11130824A JP 9311078 A JP9311078 A JP 9311078A JP 31107897 A JP31107897 A JP 31107897A JP H11130824 A JPH11130824 A JP H11130824A
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博成 村木
Kazutada Yamawaki
一公 山脇
Masaaki Motai
政明 馬渡
Fusamitsu Kitada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色性、衝撃強度、耐候性に優れたゴム変性
熱可塑性樹脂、およびその組成物を提供すること。 【解決手段】 芳香族ビニル化合物および共役ジエン系
化合物からなるブロック共重合体の不飽和結合部分を9
5モル%以上水素添加した、ゴム質重合体(イ)(A−
B)nAm(式中、Aは芳香族ビニル化合物重合体ブロ
ック、Bは共役ジエン系化合物の水添重合体ブロックを
示し、n≧2、mは0または1である)10〜100重
量%およびゴム質重合体(ロ)A−B−Am(式中、
A,B,mは上記に同じ)90〜0重量%の存在下に、
芳香族ビニル化合物、および必要に応じてこれと共重合
可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分をグラフ
ト重合してなり、グラフト率が45%未満、アセトン可
溶分の固有粘度〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中
で測定)が0.2〜0.7dl/gであるゴム変性熱可
塑性樹脂、ならびにこのゴム変性熱可塑性樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂および他のゴム変性熱可塑性樹脂を主成
分とする熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ビニル−共
役ジエンブロック共重合体の水素添加ゴム質重合体の存
在下に、芳香族ビニル化合物を主とした単量体成分をグ
ラフト重合して得られる、着色性に優れ、かつフローマ
ークなどの不良現象が著しく改良され、そして耐候性、
耐衝撃性、および成形加工性に優れたゴム変性熱可塑性
樹脂、およびその組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】主鎖に実質的に不飽和結合を含まないE
PMやEPDMをゴム成分として用い、スチレン、アク
リロニトリルなどをグラフト重合して得られるグラフト
共重合体(AES樹脂)は、共役ジエン系ゴムを用いた
ABS樹脂に比べ、紫外線、酸素およびオゾンに対する
抵抗性が大きく、格段に耐候性が良いことが知られてい
る。しかしながら、AES樹脂は、耐薬品性に劣るた
め、ゴム量を低減するなどの対策が必要であり、その結
果、強度が低下し、使用部位や使用方法などに制約を受
ける場合がある。そこで、この耐薬品性を改良するため
に、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィ
ン系樹脂をブレンドすることが行われているが、AES
樹脂は、これらのポリオレフィン系樹脂と相溶性が良い
とはいえず、これらの樹脂とブレンドすることにより、
耐衝撃性の低下や成形外観の低下などの問題が生じてい
る。また、SEBSなどのトリブロック型の水添ゴム質
重合体をゴム成分としたグラフト共重合体をポリオレフ
ィン系樹脂とブレンドする方法も知られているが、SE
BSなどの硬質なブロックを両末端に持つブロック共重
合体を使用すると、ゴムが拘束されやすく、ポリオレフ
ィン系樹脂との相溶性が充分とはいえない。このため、
これらのブレンド樹脂組成物は、耐衝撃性が発現され
ず、使用方法などに制約を受ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題を背景になされたもので、着色性、衝撃強度、
耐候性に優れたゴム変性熱可塑性樹脂、およびその組成
物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ビニル
化合物および共役ジエン系化合物からなるブロック共重
合体の不飽和結合部分を95モル%以上水素添加した、
下記ゴム質重合体(イ)10〜100重量%および下記
ゴム質重合体(ロ)90〜0重量%〔ただし、(イ)+
(ロ)=100重量%〕の存在下に、芳香族ビニル化合
物、および必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル
系単量体からなる単量体成分をグラフト重合してなり、
グラフト率が45%未満、アセトン可溶分の固有粘度
〔η〕(30℃、メチルエチルケトン中で測定)が0.
2〜0.7dl/gであるゴム変性熱可塑性樹脂を提供
するものである。 ゴム質重合体(イ); (A−B)nAm (式中、Aは芳香族ビニル化合物重合体ブロック、Bは
共役ジエン系化合物の水添重合体ブロックを示し、n≧
2、mは0または1である。) ゴム質重合体(ロ); A−B−Am (式中、A,B,mは上記に同じ。) ここで、単量体成分は、芳香族ビニル化合物8〜85重
量%、共重合可能な他のビニル系単量体92〜15重量
%〔ただし、芳香族ビニル化合物+共重合可能な他のビ
ニル系単量体=100重量%〕からなるものが好まし
い。また、上記共重合可能な他のビニル系単量体は、シ
アン化ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸
アルキルエステルであるものが好ましい。次に、本発明
は、(I)上記ゴム変性熱可塑性樹脂2〜60重量部、
(II) ポリオレフィン系樹脂1〜40重量部、および(I
II) 上記(I)成分以外の他の(ゴム変性)熱可塑性樹
脂5〜50重量部〔ただし、(I)+(II) +(III) =
100重量部〕を主成分とする熱可塑性樹脂組成物を提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、特定な水添ゴム(水添
ブロック共重合体)の存在下に、芳香族ビニル化合物を
主体とする単量体成分をグラフト重合させることによ
り、着色性、衝撃強度、耐候性に著しく優れたゴム変性
熱可塑性樹脂を得るものである。本発明のゴム変性熱可
塑性樹脂は、上記ゴム質重合体(イ)およびこれと必要
に応じて用いられるゴム質重合体(ロ)の存在下に、芳
香族ビニル化合物、または芳香族ビニル化合物およびこ
れと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成
分をグラフト重合して得られる。
【0006】本発明に使用されるゴム質重合体(イ)、
(ロ)は、芳香族ビニル化合物重合体ブロックAと、共
役ジエン系化合物重合体ブロックの不飽和結合部分を9
5モル%以上水素添加して得られるブロックBからなる
ブロック共重合体である。ゴム質重合体(イ)における
nは、2以上、好ましくは2〜3であり、2以上となす
ことにより、耐衝撃性、耐候性、成形加工性に優れたゴ
ム変性熱可塑性樹脂が得られる。なお、nが1の場合に
は、ゴム質重合体(ロ)と同一のブロック構造となり、
上記の効果が発現せず好ましくない。
【0007】ゴム質重合体(イ)〜(ロ)における芳香
族ビニル化合物重合体ブロックAの割合は、ブロック共
重合体中に10〜50重量%が好ましく、さらに好まし
くは、13〜40重量%である。10重量%未満では、
樹脂の表面外観が低下し好ましくなく、一方、50重量
%を超えると、耐衝撃性が発現されず、好ましくない。
また、ゴム質重合体(イ)〜(ロ)におけるブロックB
は、共役ジエン系化合物重合体ブロックの水添部分から
なり、その水素添加率は、95モル%以上、好ましくは
96モル%以上である。水素添加率が95モル%未満で
は、グラフト重合中にゲルの発生を招来し、安定的な重
合ができず好ましくない。なお、ブロックBの1,2−
ビニル結合含量は、10〜90モル%が好ましく、30
〜80モル%がさらに好ましい。1,2−ビニル結合含
量が10モル%未満では、ゴム的性質が失われ、耐衝撃
性の低下を招き好ましくなく、一方、90モル%を超え
ると、耐薬品性が発現されず好ましくない。
【0008】ゴム質重合体(イ)〜(ロ)に用いられる
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジ
ビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N
−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエ
チル−p−アミノメチルスチレン、ビニルピリジン、ビ
ニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロ
スチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどが挙
げられ、特にスチレン、α−メチルスチレンが好まし
い。これらの芳香族ビニル化合物は、単独であるいは2
種以上混合して用いられる。
【0009】また、ゴム質重合体(イ)〜(ロ)に用い
られる共役ジエン系化合物としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン
などが挙げられるが、工業的に利用でき、物性の優れた
水添ジエン系ゴム質重合体を得るには、1,3−ブタジ
エン、イソプレンが好ましい。
【0010】ゴム質重合体(イ)〜(ロ)のポリスチレ
ン換算の重量平均分子量(Mw)(以下「分子量」とも
いう)は、6万〜30万が好ましく、さらに好ましく
は、7万〜25万である。6万未満では、耐衝撃性が発
現せず、一方、30万を超える高分子量のものである
と、成形時にフローマークなどの成形外観の悪化を招き
好ましくない。
【0011】ゴム質重合体(イ)〜(ロ)の使用割合
は、(イ)+(ロ)=100重量%に対して、(イ)の
使用量が10重量%以上、好ましくは30重量%以上、
さらに好ましくは40重量%以上である。ゴム質重合体
(イ)の使用量が10重量%未満では、耐衝撃性と外観
のバランスが悪く、また、組成物とした場合、ポリオレ
フィン系樹脂との相溶性が悪く好ましくない。
【0012】なお、ゴム質重合体(イ)あるいは(ロ)
を得るには、アニオンリビング重合で製造した芳香族ビ
ニル化合物−共役ジエンブロック共重合体を水素添加す
る方法が一般的に用いられる。このブロック共重合体を
得るために、ケイ素や亜鉛などの化合物によるカップリ
ング反応を用いてもよい。
【0013】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、上記特
定の水添ジエン系ブロック共重合体であるゴム質重合体
(イ)および必要に応じて用いられる(ロ)の存在下
に、芳香族ビニル化合物、および必要に応じてこれと共
重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成分をグ
ラフト重合して得られる。ここで、単量体成分を構成す
る芳香族ビニル化合物としては、ゴム質重合体(イ)〜
(ロ)を構成する芳香族ビニル化合物と同様であるが、
好ましくはスチレンまたは芳香族ビニル化合物中のスチ
レンを50重量%以上含むものである。
【0014】また、芳香族ビニル化合物と共重合可能な
他のビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メチルメ
タクリレート、ブチルアクリレートなどの(メタ)アク
リル酸アルキルエステルが挙げられる。これらの他のビ
ニル系単量体は、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。
【0015】単量体成分の使用割合は、芳香族ビニル化
合物が、好ましくは8〜85重量%、さらに好ましくは
10〜80重量%、他のビニル系単量体が、好ましくは
92〜15重量%、さらに好ましくは90〜20重量%
である。芳香族ビニル化合物が、8重量%未満では、樹
脂の熱安定性が低下し好ましくなく、一方、85重量%
を超えると、樹脂の靱性が低下し好ましくない。
【0016】なお、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂中の
ゴム量、すなわち上記ゴム質重合体(イ)〜(ロ)の合
計の使用量は、好ましくは5〜40重量%、特に好まし
くは10〜35重量%である。5重量%未満では、耐衝
撃性が発現できず、一方、40重量%を超えると、表面
光沢が低下し好ましくない。
【0017】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂のグラフト
率は、45%未満、好ましくは30〜43%、さらに好
ましくは22〜40%である。グラフト率が45%以上
では、外観と耐衝撃性のバランスが悪くなり好ましくな
い。グラフト率は、重合開始剤、連鎖移動剤、溶媒の量
などにより調整することができる。例えば、グラフト率
を大きくするためには、重合開始剤の使用量を増やし、
使用する溶媒の量を減らすことが効果的である。逆に、
グラフト率を小さくするためには、重合開始剤の量を減
らすほかに、連鎖移動剤の量を増やすことや、溶媒の量
を増やすことが挙げられる。
【0018】また、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂のマ
トリックス成分であるアセトン可溶分の固有粘度〔η〕
(30℃、メチルエチルケトン中で測定)は、0.2〜
0.7dl/g、好ましくは0.22〜0.65dl/
g、さらに好ましくは0.23〜0.6dl/gであ
る。この固有粘度〔η〕が0.2dl/g未満である
と、ゴム変性熱可塑性樹脂の耐衝撃性が低下し好ましく
ない。一方、0.7dl/gを超えると、成形加工性が
低下し好ましくない。上記固有粘度〔η〕は、重合開始
剤、連鎖移動剤、乳化剤、溶剤などの種類や量、さらに
重合時間、重合温度などを変えることにより、容易に制
御することができる。
【0019】なお、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、
その全光線透過率が、好ましくは20%以上、さらに好
ましくは25%以上である。20%未満では、着色性が
低下し、外観も悪くなるので好ましくない。ここで、全
光線透過率を上げるためには、ゴム質重合体中の芳香族
ビニル化合物重合体ブロックの量を増やすことにより、
ゴム質重合体の屈折率を高くし、マトリックスの屈折率
に近づけることにより達成できる。このためには、ゴム
質重合体中の芳香族ビニル化合物重合体ブロックは、好
ましくは13〜50重量%、さらに好ましくは13〜4
0重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。1
3重量%未満では、ゴム質重合体の屈折率を上げる効果
が充分でないため、全光線透過率を上げることができず
好ましくない。一方、50重量%を超えると、ゴム質重
合体として耐衝撃性の向上に寄与せず好ましくない。
【0020】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂は、ゴム質
重合体(イ)〜(ロ)の存在下に、芳香族ビニル化合物
を主成分とする上記単量体成分を乳化重合、懸濁重合、
溶液重合、塊状重合などでラジカルグラフト重合を行
い、製造することができる。溶液重合では、溶媒、重合
開始剤、連鎖移動剤(分子量調節剤)などが用いられ
る。溶液重合で用いられる溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、エチルベンゼン、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ンなどが挙げられる。これらの中で、好ましくはトルエ
ン、n−ヘキサンである。なお、ゴム変性熱可塑性樹脂
を製造するのに用いるゴム質重合体および単量体成分
は、ゴム質重合体全量の存在下に、単量体成分を一括添
加して重合してもよく、分割もしくは連続添加して重合
してもよい。また、これらを組み合わせた方法で、重合
してもよい。さらに、ゴム質重合体の全量または一部
を、重合途中で添加して重合してもよい。
【0021】重合開始剤としては、クメンヒドロキシパ
ーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイドなどで
代表される有機ハイドロパーオキサイド類と含糖ピロリ
ン酸処方、スルホキシレート処方などで代表される還元
剤との組み合わせによるレドックス系、あるいは過硫酸
塩、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキ
サイドなどの過酸化物が使用される。好ましくは、油溶
性開始剤であり、クメンハイドロパーオキサイド、ジイ
ソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメン
タンハイドロパーオキサイドと含糖ピロリン酸処方、ス
ルホキシレート処方などで代表される還元剤との組み合
わせによるレドックス系がよい。また、上記油溶性開始
剤と水溶性開始剤とを組み合わせてもよい。組み合わせ
る場合の水溶性開始剤の添加比率は、全添加量の好まし
く50重量%以下、さらに好ましく25重量%以下であ
る。さらに、重合開始剤は、重合系に一括または連続的
に添加することができる。重合開始剤の使用量は、単量
体成分に対し、通常、0.1〜1.5重量%、好ましく
は0.2〜0.7重量%である。
【0022】また、連鎖移動剤としては、オクチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テト
ラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタン
などのメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィ
ド、四塩化炭素、臭化エチレンおよびペンタフェニルエ
タンなどの炭化水素類、またはアクロレイン、メタクロ
レイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグ
リコレート、α−メチルスチレンのダイマーなどが挙げ
られる。これらの連鎖移動剤は、単独でまたは2種以上
を組み合わせて使用することができる。連鎖移動剤の使
用方法は、一括添加、分割添加、または連続添加のいず
れの方法でも差し支えない。連鎖移動剤の使用量は、単
量体成分に対し、通常、0.05〜2.0重量%程度で
ある。
【0023】乳化剤を用いる場合、乳化剤としては、ア
ニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両
性界面活性剤が挙げられる。このうち、アニオン性界面
活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステ
ル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸スルホン酸
塩、リン酸系、脂肪酸塩などが挙げられる。また、ノニ
オン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコ
ールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アル
キルフェニルエーテル型などが用いられる。さらに、両
性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸
塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩
を、カチオン部分としてアミン塩、第4級アンモニウム
塩などを持つものが挙げられる。乳化剤の使用量は、単
量体成分に対し、通常、0.3〜5.0重量%程度であ
る。なお、ゴム変性熱可塑性樹脂は、重合温度30〜1
40℃、好ましくは40〜130℃の条件下で重合する
ことが望ましい。
【0024】次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上
記(I)ゴム変性熱可塑性樹脂と(II) ポリオレフィン
系樹脂と、(III) 上記(I)成分以外の他の(ゴム変
性)熱可塑性樹脂を主成分とする組成物である。ここ
で、(II) ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、
プロピレン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、3−
メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1などのα
−オレフィン単独重合体やこれらの共重合体などが挙げ
られる。代表例としては、高密度、中密度、低密度ポリ
エチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリ
エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、プロ
ピレン単独重合体、プロピレン−エチレン−ジエン共重
合体などのポリプロピレン類、ポリブテン−1、ポリ−
4−メチルペンテン−1などが挙げられる。これらのう
ちでも、結晶性のポリエチレン、結晶性ポリプロピレン
が好ましい。
【0025】ここで、結晶性のポリプロピレンとして
は、例えば結晶性を有するアイソタクチックポリプロピ
レン単独重合体や、エチレン単位の含有量が少ないエチ
レン−プロピレン共重合体からなる共重合部とから構成
された、いわゆるプロピレンブロック共重合体として市
販されている、事実上、結晶性のプロピレンとエチレン
とのブロック共重合体、あるいはこのブロック共重合体
における各ホモ重合部または共重合部が、さらにブテン
−1などのα−オレフィンを共重合したものからなる、
事実上、結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィ
ン共重合体などが好ましく挙げられる。
【0026】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に用い
られる(III) 上記(I)成分以外の他の(ゴム変性)熱
可塑性樹脂としては、ハイインパクトポリスチレン(H
IPS)、ABS樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、アク
リルゴム強化AS樹脂、AS樹脂など挙げられる。ま
た、これらの樹脂を少量の官能基で変性した変性(ゴム
変性)熱可塑性樹脂であってもよい。これらのなかで
は、ABS樹脂、AES樹脂、アクリルゴム強化AS樹
脂、AS樹脂が好ましい。
【0027】本発明の熱可塑性樹脂組成物における、本
発明の(I)ゴム変性熱可塑性樹脂の配合量は、(I)
〜(III) 成分の合計量100重量部中、2〜60重量
部、好ましくは5〜55重量部、さらに好ましくは10
〜50重量部である。2重量部未満では、耐衝撃性が劣
り好ましくない。一方、60重量部を超えると、成形加
工性が低下し好ましくない。また、本発明の熱可塑性樹
脂組成物における、(II) ポリオレフィン系樹脂の配合
量は、(I)〜(III) 成分の合計量100重量部中、1
〜40重量部、好ましくは2〜35重量部、さらに好ま
しくは5〜30重量部である。1重量部未満では、ポリ
オレフィン系樹脂を配合したときの利点である耐薬品性
の向上効果が認められず、一方、40重量部を超える
と、耐衝撃性の低下を招き好ましくない。さらに、本発
明の熱可塑性樹脂組成物における、(III) 他の(ゴム変
性)熱可塑性樹脂の配合量は、(I)〜(III) 成分の合
計量100重量部中、5〜50重量部、好ましくは10
〜45重量部、さらに好ましくは12〜40重量部であ
る。5重量部未満では、耐衝撃性と成形加工性のバラン
スをとることが難しく、一方、50重量部を超えると、
外観と耐衝撃性のバランスが悪化し好ましくない。
【0028】なお、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂や熱
可塑性樹脂組成物には、目的に応じて上記以外の他の重
合体をブレンドすることができる。この他の重合体とし
ては、例えばポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリア
ミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン
−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
これらの他の重合体は、1種単独で、あるいは2種以上
を併用することができる。
【0029】また、本発明のゴム変性熱可塑性樹脂や熱
可塑性樹脂組成物には、ヒンダードフェノール系、リン
系、イオウ系などの酸化防止剤や、光安定剤、紫外線吸
収剤、滑剤、着色剤、増強剤など、通常使用される添加
剤を配合することができる。
【0030】本発明のゴム変性熱可塑性樹脂に上記添加
剤を配合したり、または本発明の熱可塑性樹脂組成物を
得たり、もしくはこの組成物に上記添加剤をさらに配合
するには、各種押し出し機、バンバリーミキサー、ニー
ダー、ロール、フィーダールーダーなどを用い、各成分
を混練りすることにより得られる。好ましい製造方法
は、押し出し機、バンバリーミキサーを用いる方法であ
る。混練り温度は、好ましくは160〜250℃、さら
に好ましくは180〜230℃である。また、各成分を
混練りするに際しては、各成分を一括して混練りしても
よく、数回に分けて添加混練りしてもよい。混練りは、
押し出し機で多段添加式で混練りしてもよく、またバン
バリーミキサー、ニーダーなどで混練りし、その後、押
し出し機でペレット化することもできる。
【0031】このようにして得られる本発明のゴム変性
熱可塑性樹脂や熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、シー
ト押し出し、真空成形、異形成形、発泡成形、インジェ
クションプレス、プレス成形、ブロー成形などによっ
て、各種成形品に成形することができる。本発明のゴム
変性熱可塑性樹脂や熱可塑性樹脂組成物は、成形外観、
耐候性、耐衝撃性、成形加工性が優れており、これらの
特性を生かして、OA・家電分野、電気・電子分野、雑
貨分野、サニタリー分野、自動車分野などの各種パー
ツ、ハウジング、シャーシー、トレーなどに使用するこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に何等制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らない限り重量基準である。ま
た、実施例中の各種評価は、次のようにして測定したも
のである。
【0033】水添率 ヨウ素価の測定により、吸収されるヨウ素量より、不飽
和度を算出した。分子量 試料を、濃度0.1%になるようにテトラヒドロフラン
に溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GP
C)にかけて、GPCパターンより、分子量を換算し
た。あらかじめ、分子量既知の単分散ポリスチレンを使
用し、分子量とそのGPCカウントの関係から検量線を
作製した。スチレンブロック含有率 試料を、重水素化クロロホルムに溶解し、13C−NMR
の測定により、スチレンブロック含量を測定した。
【0034】グラフト率 試料をアセトン中に入れ、2時間振とうし、分散させた
ことを確認のうえ、遠心分離器で15,000rpmで
遠心分離を行い、ゲル分(アセトン不溶分)とゾル分
(アセトン可溶分)に分け、ゲル分を乾燥し、重量を測
定し(x)、下記式でグラフト率を算出した。 グラフト率(%)=〔(x−y)×100〕/y (ここで、yは、ゴム量である。)固有粘度 上記方法により得られたゾル分(アセトン可溶分)を、
メチルエチルケトンに濃度0.5%になるように溶解
し、ウベローデ型粘度管を用いて、30℃でその溶液の
流下時間を測定し、固有粘度を求めた。
【0035】アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準拠して測定した(断面1/4×
1/2インチ、ノッチ付き)。落錘衝撃強度 デュポンインパクトテスターを用い、打撃棒先端R=1
/2″で、厚み1.6mmの成形品の落錘衝撃強度を測
定した。耐候性 カーボンアークを光源とするサンシャインウェザオメー
ター〔スガ試験機(株)製、WEL−6XS−DC〕に
1,000時間曝露し、アイゾット衝撃強度を測定し、
保持率を算出した。 試験条件; ブラックパネル温度 63±3℃ 槽内湿度 60±5%RH 降雨サイクル 2時間毎に18分 カーボン交換サイクル 60時間 アイゾット衝撃強度 ASTM D256
【0036】着色性 熱可塑性樹脂を下記配合処方で配合し、押し出し機を通
して着色ペレットを得た。これをさらに成形して、色調
評価プレートを得た。なお、黒色配合物の着色性につい
ては、色差計により明度を測定し、マンセル色数値(値
が大きいほど、着色性が悪い)で表した。他の着色配合
については、彩度を目視で判定した。 黒色配合; 樹脂 100部 カーボンブラック 0.5部 ステアリン酸カルシウム 0.3部 赤色配合; 樹脂 100部 ベンガラ 1.0部 ステアリン酸カルシウム 0.3部 判定基準; ◎;非常に鮮明である。 ○;鮮明である。 △;○と×の間 ×;鮮明さが不足 ××;鮮明さがない。
【0037】フローマーク 型締め圧力120トンの射出成形機を用い、肉厚2.5
mm、縦横の長さがそれぞれ150×150mmの平板
を成形し(成形温度210℃)、フローマークの発生状
況を目視で判定した。 ○;外観に艶ムラがない。 ×;外観に艶ムラがある。全光線透過率(曇価) ASTM D1003(3.2mm厚)の方法により測
定した。光沢 ASTM D523(450)の方法に準拠して測定し
た。
【0038】表面外観 表4〜5に示す組成で配合した熱可塑性樹脂組成物を、
NVC50mmφ押し出し機によりペレット化を行い、
NN−30B成形機により、80mm×50mm×2.
4mmの試験片を作製し、この試験片の表面を目視によ
り観察し、表面の艶ムラ、肌荒れなどにより、3段階で
評価した。 ○;艶ムラ、肌荒れなし △;艶ムラなし、肌荒れあり ×;艶ムラ、肌荒れあり
【0039】参考例1(水添ブロック共重合体b−1の
製造) オートクレーブ中に、シクロヘキサン400部、1,3
−ブタジエン15部、テトラヒドロフラン0.05部、
n−ブチルリチウム0.04部を加え、60℃で4時間
重合したのち、スチレンを10部加え、60℃で4時間
重合し、さらに1,3−ブタジエンを65部加え、60
℃で4時間重合し、最後にスチレンを10部加え、60
℃で4時間重合した。得られた活性重合体を、メタノー
ルで失活させ、重合体溶液をジャケット付きの反応器に
移し、水添触媒として、ジ−p−トリルビス(1−シク
ロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘキサン溶液
(濃度1mmol/l)250mlと、n−ブチルリチ
ウム溶液(濃度5mmol/l)50mlとを、0℃、
2.0kg/cm2 の水素圧下で混合したものを添加
し、水素分圧3.0kg/cm2 にて30分間、トルエ
ンを重合体あたり0.2部添加して、溶剤を除去した。
この方法により得られた水添ブロック共重合体をb−1
とする。
【0040】参考例2(水添ブロック共重合体b−2の
製造) 参考例1で使用した方法により、1,3−ブタジエンを
イソプレンに変更し、これに水素添加を行い、水添ブロ
ック共重合体b−2を得た。
【0041】参考例3(水添ブロック共重合体b−3の
製造) オートクレーブ中に、シクロヘキサン400部、スチレ
ン15部、テトラヒドロフラン0.05部、n−ブチル
リチウム0.04部を加え、60℃で4時間重合し、
1,3−ブタジエンを70部加え、60℃で4時間重合
し、最後にスチレンを15部加えて、60℃で4時間重
合した。この重合体溶液を、参考例1と同様にして水素
添加を行い、水添ブロック共重合体b−3を得た。
【0042】参考例4〜9(水添ブロック共重合体b−
4〜9の製造) 参考例1と同様の方法により、スチレン含有量、水素添
加率、分子量、ブロック構造が異なる、水添ブロック共
重合体b−4〜9を得た。これらの水添ブロック共重合
体の詳細を、表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】*)Sはスチレン重合体ブロック、Bはブ
タジエン重合体ブロック、Iはイソプレン重合体ブロッ
クを示す。
【0045】実施例1(ゴム変性熱可塑性樹脂の製造) リボン型攪拌翼を備えた内容積10リットルのステンレ
ス製オートクレーブに、水添ブロック共重合体b−1を
26部、スチレンを52部、アクリロニトリルを22
部、トルエンを120部およびt−ドデシルメルカプタ
ン0.1部を仕込み、攪拌し、75℃で均一溶液にし
て、水添ブロック共重合体などの固形分が溶解したこと
を確認後、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ートを添加し、さらに昇温し、95℃に一定に制御しな
がら、攪拌回転数200rpmにて重合反応を行った。
反応開始後、6時間目から1時間を要して120℃まで
昇温し、さらに2時間反応を行って終了した。重合転化
率は97%であった。100℃まで冷却後、2,2−メ
チレンビス−4−メチル−6−ブチルフェノール0.2
部を添加したのち、反応混合物をオートクレーブより抜
き出し、水蒸気蒸留により、未反応物と溶媒を留去し、
細かく粉砕したのち、40mmφのベント付き押し出し
機(220℃、700mmHg真空)にて、実質的に揮
発分を留去するとともに、重合体をペレット化した。こ
れを、樹脂A1とする。結果を表2に示す。
【0046】実施例2〜7、比較例1〜11(ゴム変性
熱可塑性樹脂の製造) 使用する水添ブロック共重合体の種類、量、使用する単
量体成分の組成比率を変更して、実施例の樹脂A2〜A
7、比較例の樹脂A8〜A18を得た。結果を表2〜3
に示す。
【0047】表2から、実施例1〜7のゴム変性熱可塑
性樹脂A1〜A7は、耐衝撃性、耐候性、フローマーク
などの物性を満たしている。これに対し、表3から明ら
かなように、比較例1(樹脂A8)は、水添ブロック共
重合体の水添率が低いため、耐候性が悪いものになって
いる。比較例2(樹脂A9)は、水添ゴム(水添ブロッ
ク共重合体)の使用比率が低すぎるため、本発明の特徴
とする耐衝撃性が発現されない。比較例3(樹脂A1
0)は、〔η〕が本発明の範囲外のものであり、耐衝撃
性が劣るものとなっている。比較例4(樹脂A11)
は、グラフト率が本発明の範囲外であり、耐衝撃性、外
観などが良好でない。比較例5〜6(樹脂A12〜1
3)は、水添ゴム(水添ブロック共重合体)の芳香族ビ
ニルブロックが本発明の範囲外であり、外観、耐衝撃性
などの物性を満足しない。比較例7(樹脂A14)は、
実質的にゴム質重合体(ロ)のみを使用したものであ
り、耐衝撃性と外観のバランスが低い。比較例8〜9
(樹脂A15〜16)は、単量体成分の組成が本発明の
範囲を外れるため、本発明の特徴とする物性を満たして
いない。比較例10〜11(樹脂A17〜18)は、水
添ゴムの分子量が、本発明の好ましい分子量の範囲を外
れるため、良好な耐衝撃性、外観のバランスを有する樹
脂が得られない。
【0048】実施例8〜14、比較例12〜18(熱可
塑性樹脂組成物の製造) 上記実施例および比較例により得られたゴム変性熱可塑
性樹脂を、ポリプロピレン〔三菱化学(株)製、MC0
1C〕、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン(重量
比)=25/75、〔η〕=0.7dl/g、メチルエ
チルケトン、30℃で測定)、およびABS樹脂(アク
リロニトリル/ポリブタジエン/スチレン(重量比)=
15/40/45、グラフト率=55%、〔η〕=0.
5dl/g、メチルエチルケトン、30℃で測定)と混
合し、50mmφ、NVC型押し出し機により、220
℃で混練りし、ペレットを得た。これを、射出成形機
〔新潟鉄工(株)製、NN30B成形機〕にて、平板を
成形し、成形外観を目視で判定した。また、落錘衝撃強
度は、上記の方法と同様の方法により測定した。結果を
表4〜5に示す。表4から明らかなように、実施例8〜
14(組成物P1〜7)の本発明の組成物は、落錘衝撃
強度、表面外観、光沢のバランスに優れている。これに
対し、表5から明らかなように、比較例12〜18(組
成物P8〜P14)は、本発明の組成物の範囲を外れた
ものであり、落錘衝撃強度、表面外観、光沢のバランス
が悪い。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、着色性、衝撃強度、耐
候性に優れたゴム変性熱可塑性樹脂、およびその組成物
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬渡 政明 東京都中央区京橋一丁目18番1号 テクノ ポリマー株式会社内 (72)発明者 北田 房充 東京都中央区京橋一丁目18番1号 テクノ ポリマー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル化合物および共役ジエン系
    化合物からなるブロック共重合体の不飽和結合部分を9
    5モル%以上水素添加した、下記ゴム質重合体(イ)1
    0〜100重量%および下記ゴム質重合体(ロ)90〜
    0重量%〔ただし、(イ)+(ロ)=100重量%〕の
    存在下に、芳香族ビニル化合物、および必要に応じてこ
    れと共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体成
    分をグラフト重合してなり、グラフト率が45%未満、
    アセトン可溶分の固有粘度〔η〕(30℃、メチルエチ
    ルケトン中で測定)が0.2〜0.7dl/gであるゴ
    ム変性熱可塑性樹脂。 ゴム質重合体(イ); (A−B)nAm (式中、Aは芳香族ビニル化合物重合体ブロック、Bは
    共役ジエン系化合物の水添重合体ブロックを示し、n≧
    2、mは0または1である。) ゴム質重合体(ロ); A−B−Am (式中、A,B,mは上記に同じ。)
  2. 【請求項2】 単量体成分が、芳香族ビニル化合物8〜
    85重量%、共重合可能な他のビニル系単量体92〜1
    5重量%(ただし、芳香族ビニル化合物+共重合可能な
    他のビニル系単量体=100重量%)からなる請求項1
    記載のゴム変性熱可塑性樹脂。
  3. 【請求項3】 共重合可能な他のビニル系単量体が、シ
    アン化ビニル化合物および/または(メタ)アクリル酸
    アルキルエステルである請求項1または2記載のゴム変
    性熱可塑性樹脂。
  4. 【請求項4】 (I)請求項1〜3いずれか1項記載の
    ゴム変性熱可塑性樹脂2〜60重量部、(II) ポリオレ
    フィン系樹脂1〜40重量部、および(III)上記(I)
    成分以外の他の(ゴム変性)熱可塑性樹脂5〜50重量
    部〔ただし、(I)+(II) +(III) =100重量部〕
    を主成分とする熱可塑性樹脂組成物。
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