JPH0691809A - 透明樹脂を表面に施したプレ−ト及びその成形法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 材料として純木を使用せずに美しい木目調の
パタ−ンあるいは他の種々のパタ−ンを有し表面に透明
樹脂層を施した板材を安価に提供する。 【構成】 種々のパタ−ン印刷を施した樹脂プレ−トの
表面に、表面張力を利用して透明樹脂層を施す。そして
樹脂シ−ト上に木目等のパタ−ンを印刷し乾燥させたの
ち、シ−ト表面に透明樹脂加工を施し、これを乾燥さ
せ、再加熱したのち真空成形により所定の部品形状に成
形する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は主として自動車部品、家
電製品、建材その他室内装飾等に利用できる透明樹脂を
表面に施したプレ−ト及びその成形法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】例えば現在日本や海外で生産されている
高級車には純木を材料とした部品が使われている。純木
を材料とした部品は読んで字の如く、本物の木材を使用
し、製造工程として約３４〜３５の加工工程を経て造ら
れている。しかしこのように純木の大量の使用は自然破
壊の問題はもとより、上述のごとく、工程的にも複雑な
ため、価格的に極めて高くなり問題がある。又製品の厚
みも８〜１０mmと可成り厚くなり、自動車部品の設計上
に於ても好ましくなかった。さらに厚みが厚い分これを
使用する完成品の形状にも無理が生じてくる。以上のよ
うな問題から、グレ−ドの低い車への使用はなかった。
例えば図１(ａ)の如き製品を作る場合、板材ａと端縁部
のブロックｂとｃを木ねじｄで固定して組立てるのであ
るが、３つの部材ａ，ｂ，ｃの木目を合せ、全体として
木目の整った製品にするのは容易でなく、たとえ出来た
としても極めて高価にならざるを得なかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】材料として純木を使用
せずに美しい木目調のパタ−ンあるいは他の種々のパタ
−ンを有し表面に透明樹脂層を施した板材を安価に提供
することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】種々のパタ−ン印刷を施
した樹脂プレ−トの表面に、表面張力を利用して透明樹
脂層を施した。そして樹脂シ−ト上に木目等のパタ−ン
を印刷し乾燥させたのち、シ−ト表面に透明樹脂加工を
施し、これを乾燥させ、再加熱したのち真空成形等によ
り所定の部品形状に成形するようにした。

【０００５】

【実施例】図２に基いて説明する。図２は本発明の木目
調パタ−ンを有する板材及びこれを使用した製品の成形
法の説明図である。(ａ)〜（ｎ)と順を追って説明す
る。 工程ａ）；まず一般市販品である樹脂シ−ト１を用意す
る。 工程ｂ）パタ−ン印刷；工程ａ）で用意した樹脂シ−ト
１に木目（又は大理石，コルク，或いは和紙調等の様々
な模様（図では木目調パタ−ン）を印刷する。 工程ｃ）乾燥；工程ｂ）で印刷したものを乾燥する。 工程ｄ）表面の透明樹脂加工；Ａ液（主剤）とＢ液（硬
化剤）を混合した硬化性透明樹脂を工程ｃ）の乾燥工程
で乾燥させた樹脂シ−ト１上へ透明樹脂加工を施す。

【０００６】なおこの表面透明樹脂加工については、本
出願人が先に出願した特願平３−１４９１６１号の技術
を使用する。以下この技術について図３と図４を参照し
て概略説明する。これは硬化性プラスチック粘稠液をキ
ャスティング又はポッティングすることによって透明樹
脂エンブレムや電子部品のブラックボックスを製造する
方法で、図３に示す如く硬化性プラスチックのＡ液（主
剤）とＢ液（硬化剤）を鋳込みヘッドＣで混合し、粘稠
液とする。この鋳込みヘッドＣの下には、基層体が置か
れており、予め定められた量の粘稠液がこの上に鋳込ま
れる。

【０００７】さて、図４は鋳込ヘッドＣで混合された粘
稠液をノズル分配器２から複数の分配ノズル（図では４
つ）に分配している。このように硬化性プラスチックの
Ａ液（主剤）とＢ液（硬化剤）を鋳込みヘッドＣで混合
して出来た粘稠液を４つに分配し、分配された粘稠液
は、４本の分配ノズル３に供給される。分配ノズル３は
図４に示すようにノズル立て４に一列に並べて立てられ
ており、ノズル立て４の下をコンベア５が図の矢印の方
向に流れている。コンベア５上には、コンベアの進行方
向に垂直に基層体６が４個ずつ並べられており、１回の
吐出で同時に４個の基層体６が鋳込まれることになる。
このようなプラスチック粘稠液鋳込み装置用ノズル分配
器を既存の鋳込み装置に配管することにより、鋳込み装
置の生産性を格段に向上させることができるというもの
である。本発明はこのようなノズル分配器を使って多数
のノズルから前記樹脂シ−ト１上に透明樹脂を注ぎ、連
続的に一様な透明樹脂層を形成させる。

【０００８】工程ｅ）及び工程ｆ）；１次乾燥と２次乾
燥 自然乾燥でもＡ液とＢ液の反応で硬化するが、これら２
段の工程により迅速に乾燥し、硬化が促進され生産性が
向上される。 工程ｇ）；加熱工程 透明樹脂を表面に施し、完全に硬化した材料を再び加熱
し一時的に軟化させる。 工程ｈ）；真空成形 軟化したところで型７（図２）を使用し真空成形する。 工程ｉ）；冷却 真空成形品を冷却する。 工程ｊ）；離型 かくして、一枚のシ−トが製品の形状に変る。 工程ｋ）；形状カット 不必要な部分８をカットして除く。このとき製品に必要
な穴（図示しない）等の加工も行い最終製品となる。 工程ｌ）；粘着剤塗付 製品の裏面に粘着剤又は両面テ−プ等をつける。 工程ｍ）；組付け 化粧しようとしている部位に組付けを行なう。

【０００９】

【効果】木目等種々のパタ−ン印刷を施した樹脂プレ−
トの表面に表面張力を利用して透明樹脂層を施したの
で、例えば木目調の美しい板材が安価に得られる。表面
に透明樹脂が施されているので、きわめて美しく、しか
もこれが表面の保護材ともなり、長くその美しさを維持
できる。又樹脂シ−ト上にパタ−ンを印刷し、乾燥させ
たのち、シ−ト表面に透明樹脂加工を施し、これを乾燥
させ、再加熱したのち真空成形により所定の部品形状に
成形することができるので、材料とりに気を遣う必要が
なく、簡単に好きなパタ−ンをもった製品が得られる。
従って低グレ−ドの自動車等の部品としても適用するこ
とができ、その効用は大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の純木を使った部品及びその製法を示す。

【図２】本発明成形方法の工程図。

【図３】公知の硬化性プラスチック粘稠液を使って透明
樹脂製品をつくる方法の説明図。

【図４】本発明の基礎となる透明樹脂製品をつくる方法
の説明図。

【符号の説明】

１ 樹脂シ−ト ２ ノズル分配器 ３ 分配ノズル ４ ノズル立て ５ コンベア ６ 基層体 ７ 型 ８ 成形品の不必要
な部分

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 種々のパタ−ン印刷を施した樹脂プレ−
   トの表面に表面張力を利用して透明樹脂層を施したこと
   を特徴とする樹脂プレ−ト。
2. 【請求項２】 樹脂シ−ト上にパタ−ンを印刷し乾燥さ
   せたのち、シ−ト表面に透明樹脂加工を施し、これを乾
   燥させ、再加熱したのち真空成形等により所定の部品形
   状に成形する透明樹脂を表面に施したプレ−トの成形
   法。