JPH06315939A - 成形型の製造方法 - Google Patents

成形型の製造方法

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JPH06315939A
JPH06315939A JP10851493A JP10851493A JPH06315939A JP H06315939 A JPH06315939 A JP H06315939A JP 10851493 A JP10851493 A JP 10851493A JP 10851493 A JP10851493 A JP 10851493A JP H06315939 A JPH06315939 A JP H06315939A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 雌型と雄型とを容易に製造でき、マスタモデ
ルが製作されてから成形品を成形するまでの工数を著し
く低減できる成形型の製造方法の提供。 【構成】 雌型形成工程において、型枠2内に配置させ
たマスタモデル1の表面側に、耐熱性を有した成形型用
の樹脂材料23を注入し、硬化後、離型して、マスタモ
デル1の表面側を型面50に転写した雌型25を形成す
る。雄型形成工程において、雌型25の型面50に、成
形品Pの厚さ寸法t分、シート材7を貼着するととも
に、雌型25を型枠3内に配置させて、シート材7を貼
着した側に、耐熱性を有した成形用の樹脂材料23を注
入し、硬化後、離型して、シート材7の表面側を型面6
0に転写した雄型60を形成する。シート材処理工程に
おいて、雄型形成工程の離型後に、雌型26からシート
材7を剥し、雌型25と雄型26とからなる成形型24
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、合成樹脂からなる成
形品を射出成形等の型成形によって形成する際の、その
成形時に使用する雌型と雄型とを備えてなる成形型の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の成形型の製造では、図1
に示すように、成形型で成形しようとする成形品の外形
を有した木製のマスタモデル1を製作する。
【0003】そして、このマスタモデル1を型枠2内に
配置させて石膏4を注入し、石膏4の硬化後、石膏4を
離型させ、マスタモデル1の表面側を転写した型面5a
を有した雌石膏型5を形成する。
【0004】その後、雌石膏型5の型面5aに、成形品
の厚さ寸法分、シートワックス7を貼着するとともに、
雌石膏型5を型枠3内に配置させて、シートワックス7
を貼着した側に、石膏4を注入し、石膏4の硬化後、石
膏4を離型させ、シートワックス7の表面側を型面6a
に転写した雄石膏型6を形成する。
【0005】そして、シートワックス7を剥した雌石膏
型5や雄石膏型6を所定の型枠8・9内に配置させて、
砂10を注入して雄砂型11と雌砂型12を形成する。
【0006】その後、雄砂型11と雌砂型12とを反転
させて、各々、亜鉛合金等の溶融した金属材料13を注
湯し、硬化させて離型させ、所定の表面仕上げ等を施し
て、成形型14の雌型15と雄型16とを製造してい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の成形型
14の雌型15と雄型16を製造するまでには、マスタ
モデル1から石膏型5・6を形成し、さらに、石膏型5
・6から砂型11・12を形成し、その後に、それらの
砂型11・12から雌型15と雄型16とを製造するこ
ととなるため、成形型14の製造に工数がかかり、成形
品を出荷するまでの日数が著しく増大していた。
【0008】この発明は、上述の課題を解決するもので
あり、雌型と雄型とを容易に製造でき、マスタモデルが
製作されてから成形品を成形するまでの工数を著しく低
減できる成形型の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る製造方法
は、成形品を成形するための雌型と雄型とを備えてなる
成形型の製造方法であって、型枠内に配置させたマスタ
モデルの表面側に、耐熱性を有した成形型用の樹脂材料
を注入し、硬化後、離型して、前記マスタモデルの表面
側を型面に転写した前記雌型を形成する雌型形成工程、
前記雌型の型面に、前記成形品の厚さ寸法分、シート材
を貼着するとともに、前記雌型を型枠内に配置させて、
前記シート材を貼着した側に、耐熱性を有した成形用の
樹脂材料を注入し、硬化後、離型して、前記シート材の
表面側を型面に転写した前記雄型を形成する雄型形成工
程、前記雄型形成工程の離型後に、前記雌型から前記シ
ート材を剥すシート材処理工程、を経て製造することを
特徴とする。
【0010】
【発明の作用・効果】この発明に係る製造方法では、成
形型の雌型と雄型とを樹脂型として、雌型自体をマスタ
モデルから直接転写して形成し、雄型を、雌型の型面に
成形品の肉厚分の寸法でシート材を貼着したそのシート
材表面を転写して、形成している。
【0011】そのため、従来のように、石膏型や砂型に
転写しなくとも良いため、雌型と雄型とを容易に製造で
き、マスタモデルが製作されてから成形品を成形するま
での工数を著しく低減することができる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
【0013】実施例で製造する成形型24(図2参照)
は、図3に示すような、自動車のコンソールボックスの
パネルPを射出成形により形成するものであり、このパ
ネルPは、ABS樹脂から形成されている。
【0014】そして、この成形型24は、雌型25と雄
型26とを備えて構成され、雌型25と雄型26とは、
成形品Pの成形温度に十分耐久性を有したエポキシ系樹
脂等の成形型用熱硬化性樹脂から形成されている。
【0015】この成形型24の製造について述べると、
成形型24の製造工程は、雌型形成工程、雄型形成工
程、シート材処理工程、及び、仕上工程から構成され
る。
【0016】雌型形成工程では、図2に示すように、木
製のマスタモデル1を型枠2内に配置させ、マスタモデ
ル1の表面側に、耐熱性を有した成形型用の樹脂材料2
3を注入し、硬化後、離型して、マスタモデル1の表面
側を型面50に転写した雌型25を形成する。
【0017】なお、マスタモデル1には、予め、離型剤
を塗布しておく。また、離型(脱型)した雌型25は、
所定温度で段階的に加熱する熱処理を施して、完全に硬
化させておき、所定の耐熱性を奏するようにしておく。
【0018】ちなみに、実施例で使用する樹脂材料23
は、収縮率を抑えたエポシキ系樹脂材料であり、商品名
「MYX−04」(三菱油化(株)製)である。
【0019】そして、雄型形成工程では、図2に示すよ
うに、雌型25の型面50に、成形品Pの厚さ寸法t
分、シート材としてのシートワックス7を貼着するとと
もに、雌型25を型枠3内に配置させる。その後、シー
トワックス7を貼着した側に、樹脂材料23を注入し、
硬化後、離型して、シートワックス7の表面側を型面6
0に転写した雄型26を形成する。
【0020】なお、シートワックス7を貼着させる際、
成形品Pの裏面側に補強用リブLを設ける場合には、貼
着させたシートワックス7の外表面に、接着剤等を利用
して、リブ用板材30を固着させておく。
【0021】また、離型(脱型)した雄型26は、所定
温度で段階的に加熱する熱処理を施して、完全に硬化さ
せておき、所定の耐熱性を奏するようにしておく。
【0022】その後、シート材処理工程では、図2に示
すように、雌型25の型面50から、シートワックス7
とリブ用板材30とを剥しておく。
【0023】そして、仕上工程では、雌型25と雄型2
6との外表面25b・26bを平滑にするとともに、雌
型25と雄型26とを型締めして、型面50・60や分
割面25a・26aを調整しつつ仕上加工し、図示しな
いスプル・ゲートやエジェクタピン27等を配設させ
る。
【0024】なお、実施例の成形型24は、図2に示す
ように、射出成形機のモールドベース28・29内に配
設されることとなる。
【0025】そして、モールドベース28・29内に成
形型24を配設させ、成形機を作動させれば、成形品P
を成形することができる。
【0026】実施例の製造方法では、成形型24の雌型
25と雄型26とを樹脂型として、雌型25自体をマス
タモデル1から直接転写して形成し、雄型26を、雌型
25の型面50に成形品Pの肉厚t分の寸法で貼着した
そのシートワックス7の表面を転写して、形成してい
る。
【0027】そのため、従来のように、石膏型5・6や
砂型11・12に転写しなくとも良いため、雌型25と
雄型26とを容易に製造でき、マスタモデル1が製作さ
れてから成形品Pを成形するまでの工数を著しく低減す
ることができる。
【0028】ちなみに、実施例の場合には、マスタモデ
ル1が製作されてから、成形品Pを出荷するまで、従来
例では80日程度かかっていたものが、45日程度で済
むこととなった。
【0029】なお、実施例では、雄型26の形成時、雌
型25の型面50に貼着したシートワックス7に、単
に、リブ用板材30を配置させるだけで、雄型26の型
面60に、リブLの形成用の凹部60aを簡単に形成で
き、一層、成形型24の製造工数を低減することができ
る。ちなみに、従来の製造方法では、雄型16を雌砂型
12から離型させた後、別途、雄型16の型面に、放電
加工等により、リブ形成用凹部を設けていたため、製造
工数を増大させていた。
【0030】そして、成形品PにこのようなリブL等の
薄板状や針状の突起を設けるような場合、このように、
型面50に貼着したシートワックス7等のシート材に突
起を貼着させれば、容易に所定の型面60を形成でき、
成形型24の製造工数を低減させることに寄与できる。
【0031】また、成形品Pの表面にシボ模様等の細か
な凹凸を形成するような場合には、マスタモデル1の表
面に、シボ模様等の細かな凹凸を有したシート材を貼着
しておき、実施例のように、雌型25を樹脂材料23の
注型により形成すれば、雌型25に、シボ模様等の細か
い凹凸を成形可能な型面50を容易に形成でき、成形型
24の製造工数を低減させることに寄与できる。ちなみ
に、従来の製造方法では、雌型15を雄砂型11から離
型させた後、別途、雌型15の型面を腐食等させて、細
かい凹凸を設けていたため、製造工数を増大させてい
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の製造工程を示す概略図である。
【図2】この発明の一実施例の製造工程を示す概略図で
ある。
【図3】同実施例で製造する成形品の斜視図である。
【符号の説明】
1…マスタモデル、 2・3…型枠、 7…(シート材)シートワックス、 14・24…成形型、 15・25…雌型、 16・26…雄型、 23…樹脂材料、 50…型面、 60…型面、 P…(成形品)パネル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品を成形するための雌型と雄型とを
    備えてなる成形型の製造方法であって、 型枠内に配置させたマスタモデルの表面側に、耐熱性を
    有した成形型用の樹脂材料を注入し、硬化後、離型し
    て、前記マスタモデルの表面側を型面に転写した前記雌
    型を形成する雌型形成工程、 前記雌型の型面に、前記成形品の厚さ寸法分、シート材
    を貼着するとともに、前記雌型を型枠内に配置させて、
    前記シート材を貼着した側に、耐熱性を有した成形用の
    樹脂材料を注入し、硬化後、離型して、前記シート材の
    表面側を型面に転写した前記雄型を形成する雄型形成工
    程、 前記雄型形成工程の離型後に、前記雌型から前記シート
    材を剥すシート材処理工程、 を経て製造することを特徴とする成形型の製造方法。
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