JPH0690297A - エレベータの直話機能点検システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エレベータかごの直話機能を遠隔の保守セン
ターから直接点検できるようにする。 【構成】 この発明のエレベータの直話機能点検システ
ムは、外部通話装置の直話機能を点検するに際しては、
保守センターの発信装置から遠隔のビルに設置されてい
るエレベータかご内の音発生装置に起動信号を送信し、
これを受けて音発生装置が発生する所定の音圧レベルの
音を外部通話装置に拾わせて保守センターまで伝送さ
せ、その音の信号レベルに基づいて外部通話装置の直話
機能が正常か、異常か判定する。そして異常があれば、
保守員を直接現地に派遣させて異常の原因究明、異常箇
所の修理を行なわせるようにする。こうして、エレベー
タかご内に設置されている外部通話装置の直話機能の状
態を保守センターから直接点検する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エレベータの遠隔監
視保守サービスを行なうエレベータ遠隔監視システムに
おいて、エレベータかご内と遠隔の保守センターとの間
の直話機能を保守センター側から遠隔で自動点検できる
ようにしたエレベータの直話機能点検システムに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】エレベータの設置台数が増大し、エレベ
ータを設置するビル数も増大し続ける現代では、エレベ
ータの設置されたビルごとに保守員を配置することがで
きず、一定の地域ごとに保守センターを設け、その保守
センターとその受け持ちのテリトリーに属する多数のエ
レベータ設置ビルの遠隔保守端末装置との間を電話回線
で結び、エレベータの異常を遠隔監視し、エレベータに
異常が発生したならば遠隔保守端末装置から保守センタ
ーに自動的に通報するようにして、保守センターに詰め
ている保守員が異常の発生したビルに赴いて現地点検、
保守を行なうようにしたエレベータの遠隔監視システム
が広く採用されるようになっている。

【０００３】そしてこのようなエレベータの遠隔監視シ
ステムでは、エレベータかご内には、乗客の安全確保の
ために外部と通話することができるインターホンのよう
な通話装置が設置されていて、エレベータに何らかの異
常や閉じ込めが発生した場合に、管理人室などに設置さ
れている通話装置と通話できるようにされているが、夜
間などで管理人室に人がだれもいないような場合には、
かご内と保守センターとが直話機能によって直接通話で
きるようにしてある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の直話機能を備えたエレベータの遠隔監視システム
では、外部通話装置の機能点検を行なうには、直接エレ
ベータの設置場所に点検員が赴いて保守センターにいる
別の保守員との間で実際に通話してみなければならず、
保守センターにいながら点検することができないため
に、直話機能の点検に時間と労力がかかる問題点があっ
た。

【０００５】この発明はこのような従来の問題点に鑑み
なされたもので、保守センターにいながらにして直話機
能を点検することができるエレベータの直話機能点検シ
ステムを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明のエレベータの
直話機能点検システムは、エレベータかご内に、外部と
通話するための外部通話装置と、外部からの信号によっ
て起動されて所定の音圧レベルの音を発生する音発生装
置とを設け、遠隔の保守センターに、前記音発生装置に
起動信号を送信する発信装置と、前記外部通話装置が音
発生装置から出る音を拾った信号のレベルを測定し、前
記外部通話装置の機能判定を行なう信号レベル測定装置
とを設け、前記エレベータかご内の各装置と接続され、
前記保守センターと電話回線で結ばれ、保守センターか
らの信号をエレベータかご内の該当する装置に転送し、
エレベータかご内の各装置からの信号を保守センターに
転送する遠隔保守端末装置を各エレベータ設置ビルに設
置したものである。

【０００７】

【作用】この発明のエレベータの直話機能点検システム
では、外部通話装置の直話機能を点検するに際しては、
保守センターの発信装置により、遠隔のビルに設置され
ているエレベータかご内の音発生装置に起動信号を送信
し、これを受けて音発生装置が発生する所定の音圧レベ
ルの音を外部通話装置に拾わせて保守センターまで伝送
させ、その音の信号レベルに基づいて外部通話装置の直
話機能が正常か、異常か判定する。そして異常があれ
ば、保守員を直接現地に派遣させて異常の原因究明、異
常箇所の修理を行なわせるようにする。

【０００８】こうして、エレベータかご内に設置されて
いる外部通話装置の直話機能の状態を保守センターから
直接点検するのである。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。

【００１０】図１はこの発明の一実施例の回路ブロック
図であり、この実施例のエレベータの直話機能点検シス
テムは、あらかじめ定められている１つの地域に存在す
る多数のビルそれぞれに設置されているエレベータのか
ご１内の各装置とエレベータ機械室などに設置されてい
る遠隔保守端末装置２との間を電線３で接続し、エレベ
ータ機能を監視するようになっている。

【００１１】また各ビルの遠隔保守端末装置２と保守セ
ンター４との間を電話回線５によって接続している。

【００１２】そして各エレベータかご１内には、この発
明と関連する装置として外部と通話するためのインター
ホンのような外部通話装置６が設置されていて、電線３
を介して管理人室通話装置１６と会話できるようになっ
ている。また、この管理人室に人が不在であれば、遠隔
保守端末装置２によって保守センター４と電話回線５を
介して直接接続し、保守センター４にいる人と通話でき
るようになっている。

【００１３】エレベータかご１内にはまた、電線３を通
して外部から入力される起動信号に応答して自動的に所
定の音圧レベルの音を発生する音発生装置７が設置され
ている。

【００１４】遠隔保守端末装置２は、エレベータかご１
内の各装置と電線３を介して信号のやりとりを行なうた
めの信号入出力装置８と、エレベータ制御部の各装置の
異常監視、データ演算処理、保守センター４との信号の
変換処理、その他の必要な各種処理を行なう制御装置９
と、保守センター４との間で電話回線５を介して信号の
やりとりを行なうための信号伝送装置１０とを備えてい
る。

【００１５】さらに保守センター４は、遠隔保守端末装
置２との間で信号のやりとりを行なうための信号伝送装
置１１と、エレベータかご１や遠隔保守端末装置２の動
作監視、データ演算処理、信号の生成処理、その他各種
の演算制御処理を行なう制御装置１２と、かご１内の外
部通話装置６との間で通話を行なうための通話装置１３
と、エレベータかご１に設置された後述する音発生装置
７に起動信号を送信する発信装置１４と、前記音発生装
置７が起動されたときに発する音を外部通話装置６が拾
って送ってくる信号レベルの正常／異常を判定するため
の信号レベル測定装置１５とを備えている。

【００１６】次に、上記構成のエレベータの直話機能点
検システムの動作について説明する。

【００１７】通常状態では、エレベータかご１内に乗っ
ている乗客が閉じこめられたり、その他の何らかの異常
の発生のために外部の人と連絡を取りたい場合には、外
部通話装置６を手に取ることにより、エレベータかご１
内の乗客と管理人通話装置１６とで通話することができ
る。そして、乗客がエレベータかご１内に閉じこめられ
たために外部と連絡を取ろうとして外部通話装置６を手
に取っても、管理人室に管理人が不在の場合には、遠隔
保守端末装置２の制御装置９が自動的に保守センター４
の電話回線５に外部通話装置６を接続し、エレベータか
ご１内の人が保守センター４に詰めている監視員と直接
通話することができるようになり、異常発生時にはエレ
ベータかご１内の乗客がいつでも外部通話装置６を用い
て外部と通話することができるようになっている。

【００１８】ところで、このような直話機能が正常に動
作するかどうかを点検する必要があるが、その場合に
は、保守センター４の通話装置１３がエレベータかご１
内の外部通話装置６と通話できるように起動し、続い
て、発信装置１４が電話回線５を介してエレベータかご
１内の音発生装置７に起動信号を送信する。

【００１９】これを受けて音発生装置７が所定の一定の
音圧レベルの音を発生すると、その音が外部通話装置６
によって拾われ、その音信号が遠隔保守端末装置２を介
して遠隔の保守センター４に伝送される。

【００２０】そこで、保守センター４では、通話装置１
３がその音信号を変換し、信号レベル測定装置１５に与
え、信号レベル測定装置１５は信号レベルが所定値以上
に大きいかどうかにより、外部通話装置６と通話装置１
３の直話機能が正常であるかどうか判定する。

【００２１】こうして、信号レベル測定装置１５が直話
機能を介して入力されてくる音発生装置７からの音の信
号レベルが低いと判定すれば、直話機能に何らかの障害
が発生しているものと判断し、保守員を現地に赴かせて
外部通話装置６その他の装置の点検を実際に行なわせる
ようにして、直話機能が常に正常に働くように保守管理
する。

【００２２】このようにすれば、１つの保守センター４
に接続されている多数のビルのエレベータの外部通話装
置の直話機能を保守センター４にいながらにして自動的
に点検することができ、何らかの障害が発生しているエ
レベータについてのみ、現地に赴いて直話機能を点検す
ればよくなり、直話機能の保守点検作業が保守センター
４にいながらにして短時間で、労力も少なくして行なう
ことができるようになる。

【００２３】なお、上記実施例では音発生装置として外
部通話装置と別個に設けているが、外部通話装置として
利用されるインターホンに備わっている保留音発生機能
を外部からの信号で起動できるようにして、その保留音
を保守センターに伝送するようにし、その信号レベルの
高低によって直話機能の正常、異常を点検するようにす
ることもできる。

【００２４】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、外部通
話装置の直話機能を点検するに際しては、保守センター
の発信装置から遠隔のビルに設置されているエレベータ
かご内の音発生装置に起動信号を送信し、これを受けて
音発生装置が発生する所定の音圧レベルの音を外部通話
装置に拾わせて保守センターまで伝送させ、その音の信
号レベルに基づいて外部通話装置の直話機能が正常か、
異常か判定するようにしているため、エレベータかごに
設置されている外部通話装置の直話機能の状態を保守セ
ンターから直接点検することができ、直話機能に異常が
ある場合にだけ、保守員を直接現地に派遣させて異常の
原因究明、異常箇所の修理を行なわせれば済むようにな
り、直話機能の保守点検の時間と労力を格段に減少させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の回路ブロック図。

【符号の説明】

１ かご ２ 遠隔保守端末装置 ３ 電線 ４ 保守センター ５ 電話回線 ６ 外部通話装置 ７ 音発生装置 ８ 信号入出力装置 ９ 制御装置 １０ 信号伝送装置 １１ 信号伝送装置 １２ 制御装置 １３ 通話装置 １４ 発信装置 １５ 信号レベル測定装置 １６ 管理人室通話装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータかご内に、外部と通話するた
   めの外部通話装置と、外部からの信号によって起動され
   て所定の音圧レベルの音を発生する音発生装置とを設
   け、 遠隔の保守センターに、前記音発生装置に起動信号を送
   信する発信装置と、前記外部通話装置が音発生装置から
   出る音を拾った信号のレベルを測定し、前記外部通話装
   置の機能判定を行なう信号レベル測定装置とを設け、 前記エレベータかご内の各装置と接続され、前記保守セ
   ンターと電話回線で結ばれ、保守センターからの信号を
   エレベータかご内の該当する装置に転送し、エレベータ
   かご内の各装置からの信号を保守センターに転送する遠
   隔保守端末装置を各エレベータ設置ビルに設置して成る
   エレベータの直話機能点検システム。