JPH0689364B2 - 粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法 - Google Patents

粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法

Info

Publication number
JPH0689364B2
JPH0689364B2 JP1299675A JP29967589A JPH0689364B2 JP H0689364 B2 JPH0689364 B2 JP H0689364B2 JP 1299675 A JP1299675 A JP 1299675A JP 29967589 A JP29967589 A JP 29967589A JP H0689364 B2 JPH0689364 B2 JP H0689364B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
mixing
iron
mixture
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1299675A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03162502A (ja
Inventor
邦明 小倉
重彰 高城
一男 桜田
義昭 前田
裕 杉原
Original Assignee
川崎製鉄株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 川崎製鉄株式会社 filed Critical 川崎製鉄株式会社
Priority to JP1299675A priority Critical patent/JPH0689364B2/ja
Publication of JPH03162502A publication Critical patent/JPH03162502A/ja
Publication of JPH0689364B2 publication Critical patent/JPH0689364B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C33/00Making ferrous alloys
    • C22C33/02Making ferrous alloys by powder metallurgy
    • C22C33/0207Using a mixture of prealloyed powders or a master alloy
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • B22F1/14Treatment of metallic powder
    • B22F1/148Agglomerating

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原料鉄系粉末との見掛け密度の差が小さく、
かつ添加物の偏析が少なく、流動性とその製造後の経時
による変化が少ない、粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造
方法に関する。
〔従来の技術〕
粉末冶金用鉄基粉末混合物は、鉄粉に銅粉、黒鉛粉、燐
化鉄粉などの合金粉末と、さらに必要に応じて切削性改
善用粉末に加えて、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ア
ルミニウム、ステアリン酸鉛などの潤滑剤を混合して製
造するのが一般的である。このような潤滑剤は金属粉末
との混合性や焼結時の逸散性などから選択されている。
しかし、このような混合方法は以下のような欠点を持っ
ている。先ず、混合法の大きな欠点は原料混合物が偏析
を生ずることである。偏析について述べると、粉末混合
物は大きさ、形状および密度の異なる粉末を含んでいる
ため、混合後の輸送、ホッパへの装入、払い出し、また
は成形処理などの際に、容易に偏析が生じてしまう。例
えば、鉄系粉末と黒鉛粉との混合物は、トラック輸送中
の振動によって、輸送容器内において偏析が起こり、黒
鉛粉が浮かび上がることは良く知られている。また、ホ
ッパに装入された黒鉛はホッパ内偏析のため、ホッパよ
り排出する際、排出の初期、中期、終期でそれぞれ黒鉛
粉の濃度が異なることも知られている。
これらの偏析によって製品は組成にばらつきを生じ、寸
法変化および強度のばらつきが大きくなって、不良品の
原因となる。
また、黒鉛粉などはいずれも微粉末であるため、混合物
の比表面積を増大させ、その結果、流動性が低下する。
このような流動性の低下は、成形用金型への充填速度を
低下させるため、圧粉体の生産速度を低下させてしまう
という欠点もある。
このような粉末混合物の偏析を防止する技術として特開
昭56−136901号公報や特開昭58−28321号公報に開示さ
れたような結合剤を用いて技術があるが、粉末混合物の
偏析を充分に改善するように結合剤の添加量を増加させ
ると、粉末混合物の流動性が低下する問題点がある。
また本発明者らは先に特開平1−165701号公報、特開平
2−47201号公報において、金属石鹸又はワックスとオ
イルとの共溶融物を結合剤として用いる方法を提案し
た。これらは粉末混合物の偏析と発塵を格段に低減する
ことができると共に、流動性を改善することができるも
のである。しかし、これらの方法では上述の偏析を防止
する手段に起因して、粉末混合物の流動性が経時的に変
化する問題があった。そこで、さらに本発明者らは特開
平2−57602号公報において提案したような、高融点オ
イルと金属石鹸の共溶融物を結合剤に用いる方法を開発
した。その技術は、共溶融物の経時変化が少なく、粉末
混合物の流動性の経時的な変化が低減されるものであ
る。しかし、その技術では常温では固体の高融点の飽和
脂肪酸と金属石鹸とを鉄系粉末と混合するので、粉末混
合物の見掛け密度が変化するという別の問題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来の粉体特性、圧粉体特性を維持しなが
ら、偏析が少なく、かつ流動性の経時的変化を積極的に
改善した粉末冶金用鉄基粉末混合物を安定的に、安価、
大量に製造する方法を提供するものである。
〔課題を提供するための手段〕
本発明者らは、従来の混粉法で得られる見掛け密度、圧
縮性、成形性を維持しながら、偏析が少なく、かつ流動
性とその経時的変化を改善した粉末冶金用鉄基粉末混合
物の製造方法について、鋭意研究を重ねた結果、鉄系粉
末表面を脂肪酸で被覆した後、鉄系粉末表面に添加物を
脂肪酸と金属石鹸との共溶融物で付着させ、さらにその
外表面に金属石鹸を添加することにより従来の欠点を克
服した粉末冶金用鉄基粉末混合物を、大量にしかも安価
に提供することが可能であるとの結論を得るに至った。
すなわち、本発明はこのような混合物の製造方法を提供
するものであり、製造方法としては次の工程からなるこ
とを特徴とする。
(1)鉄系粉末に常温で液体の脂肪酸を加え1次混合す
る。
(2)次いで、1種以上の合金用粉末に金属石鹸を加え
て添加し2次混合する。
(3)上記(2)の2次混合工程中又は2次混合後に昇
温して脂肪酸と金属石鹸の共溶融物を生成させる。
(4)次いで、3次混合しながら冷却し、前記共溶融物
を冷却固着させ、この共溶融物の結合力により鉄系粉末
粒子の表面に合金用粉末を固着させる。
(5)さらに、冷却時に金属石鹸を加え、4次混合を行
う。
このようにして得られた粉末混合物は、偏析がなく、か
つ流動性とその経時的安定性に優れ、しかも原料鉄系粉
末との見掛け密度の差が少ない粉末冶金用鉄基粉末混合
物となる。
上記(2)の工程において、合金用粉末と切削性改善剤
に金属石鹸を加えて添加し、(4)の工程において鉄系
粉末粒子の表面に合金用粉末と切削性改善剤とを固着さ
せると、切削性が改善されさらに好ましい。
ここで、共溶融物とは脂肪酸と金属石鹸とが加熱溶融さ
れて一体化したものを指称している。
〔作用〕
以下に本発明の構成について作用と共に具体的に説明す
る。
本発明の特徴は、一連の偏析防止処理に先立ち原料鉄系
粉末に脂肪酸を添加し、初期混合時の原料鉄系粉末の混
合による見掛け密度の上昇を抑制すること、撹拌翼をも
つ混合槽内で、撹拌翼を高速回転させて、混合粉末を槽
内空間に浮遊させた流動状態で原料鉄系粉末、脂肪酸、
金属石鹸及びその他の添加物粉末を加熱・撹拌混合しそ
の他の添加物を鉄系粉末表面に脂肪酸と金属石鹸の共溶
融物で付着させること、冷却後にも金属石鹸を添加・混
合し鉄基粉末混合物表面に共溶融物中の脂肪酸が染み出
し流動性を経時的に低下させるのを抑制する金属石鹸層
を形成させることである。
本発明による粉末混合物の製造方法において最初に鉄系
粉末と脂肪酸を混合する操作、及び金属石鹸を加熱時と
冷却時に分けて添加する操作は大きな意味を持つ。
本発明によると、常温で液体である脂肪酸を添加した後
混合することにより、脂肪酸の潤滑効果によって、原料
鉄系粉末の有する形状を殆ど変化させることなく、合金
用粉末又は合金用粉末と切削性改善剤を鉄系粉末粒子表
面に付着させることができる。すなわち、常温で液体脂
肪酸を添加しないか、常温で固体の脂肪酸を添加する
か、又は常温で固体の金属石鹸のみを混合したりする
と、混合時の潤滑作用が不十分なため、撹拌翼もしくは
混合槽壁等に鉄系粉末粒子が叩きつけられ、混合中にそ
の形状が変化してしまう。具体的には見掛け密度が上昇
したり、成形性が低下し鉄系粉末冶金用鉄基粉末混合物
としての特性が劣化する。
このことは、特に原料鉄系粉末に還元鉄粉のような見掛
け密度の低い粉末を使用し、低見掛け密度、高成形性の
鉄基粉末混合物を製造するときに重要である。脂肪酸と
固体の金属石鹸を同時添加した場合は、脂肪酸と金属石
鹸が一部凝集し、偏析し、鉄系粉末粒子表面に均一に付
着せず、流動性が長期間では経時的に劣化したり、合金
用粉末及び/又は切削性改善剤の付着性が低下する。
また、脂肪酸を添加した後、鉄系粉末を混合することに
より、鉄系粉末粒子表面に均一な脂肪酸層が形成され、
その後、金属石鹸を混合し、加熱することにより、鉄系
粉末粒子表面に脂肪酸の偏析なしに均一な共溶融物の層
が形成され、最終的に得られる鉄系粉末冶金用鉄基粉末
混合物の流動性の経時的変化を低減することができる。
すなわち、鉄系粉末冶金用鉄基粉末混合物において、偏
析した脂肪酸は製造後に粉末混合物粒子表面に染み出
し、流動性を経時に劣化させるからである。
金属石鹸を冷却時にも添加する理由は、加熱時に形成さ
れた共溶融物の表面に流動性のよい金属石鹸の層を形成
させると共に共溶融物の脂肪酸の染み出しによる再流動
性及び流動性の経時的な低下を防止するためである。す
なわち、加熱時に全量を添加すると全ての金属石鹸が脂
肪酸と共溶融物を生成し、粉末製造後、共溶融物中の脂
肪酸の染み出しにより流動度が経時的に徐々に劣化する
のである。一方、全ての金属石鹸を冷却時に添加すると
脂肪酸との共溶融物が生成されず、合金用粉末又は合金
用粉末と切削性改善剤の鉄系粉末粒子表面への付着が低
下し偏析が大きくなるからである。冷却時の金属石鹸の
添加温度は85℃以下とする。85℃より高温では流動度の
経時的劣化の抑制効果が少なくなるからである。
2次混合時の潤滑剤の添加量は全添加量の20〜80重量%
が適切である。20重量%未満では共溶融物の組成が不適
切となり、80重量%より多い場合は、共溶融物の組成が
不適切になる。いずれも合金成分付着度、流動度とその
経時的安定性が劣ることとなる。
2次混合時の加熱温度は、90〜150℃が適切である。こ
れは90℃未満では共溶融物の生成が不十分となり、150
℃より高い場合は潤滑剤の分解が一部起こるため合金成
分付着度、流動度及びその経時的変化が劣るからであ
る。
本発明において混合時の適切な撹拌翼の先端の速度は2
〜10m/秒の範囲である。この速度が2m/秒未満では比重
の大きい鉄系粉末と、比重の小さい黒鉛粉やステアリン
酸亜鉛等との均一な分散混合に長時間を要し好ましくな
い。先端の速度が10m/秒を越える強力な撹拌翼は、粉末
と撹拌翼及び粉末粒子と混合槽壁との間で激しい衝突を
生じ、粒子が丸みを帯びた形状となるため、圧粉体成形
性(ラトラー値)が低下して好ましくない。また冷却時
の適切な撹拌翼の先端の速度は2〜5m/秒の範囲であ
る。速度が2m/秒未満では混合物表面の金属石鹸付着が
不十分で流動度の経時的安定性が劣るからである。5m/
秒を越えると付着させた添加物が分離し付着度が低下す
るので好ましくない。
〔実施例〕
以下、実施例に従って本発明を詳細に説明する。
実施例1、2、比較例1、2、3 実施例1として次の鉄基粉末混合物を製造した。平均粒
径78μmの粉末冶金用アトマイズ鉄粉(Fe)485kgにオ
レイン酸1kgをスプレー噴霧し、速度7.5m/秒で3分間均
一に混合した(1次混合)。
その後、平均粒径16μmで全量が20メッシュ以下の天然
黒鉛粉(Gr)7.5kgと、平均粒径28μmで200メッシュ以
下が93重量%の電解銅粉7.5kgと、さらにステアリン酸
亜鉛2kgを添加して、撹拌翼をもつ混合機を用いて、周
速度7.5m/秒で3分間予備混合した後、速度6m/秒で3分
間均質化混合を行い、さらに速度を3.5m/秒に低下させ
て、蒸気加熱により110℃で10分間混合加熱した(2次
混合)。
その後、蒸気を水に置換し、85℃まで混合しながら冷却
した(3次混合)。さらにステアリン酸亜鉛を2kg添加
後、速度3.5m/秒で2分間均一混合後、混合物を混合機
から排出した(4次混合)。
第1図は上記工程を示すタイムチャートである。第1図
において横軸は時間を示し、太い実線は撹拌翼先端速度
の推移を示し、鎖線は混合物の温度変化を示す。また図
中丸印は各添加物の添加時を示す。1次混合〜4次混合
は時間軸に示したようになる。
実施例2は原料鉄粉に平均粒度78μmのミルスケール還
元鉄粉を使用した以外は実施例1と同一の条件で製造し
た。
比較例1は実施例1と同一の原料を、比較例2は実施例
2と同一の原料を使用してオレイン酸を2次混合時に添
加した以外は上記実施例1と同一の条件で製造した。比
較例3は実施例1で2次混合時に添加したステアリン酸
亜鉛を1次混合時に添加した以外は実施例1と同一の条
件で製造した。
第1表に実施例1、2と比較例1、2、3で得た混合物
のC付着度、見掛け密度、流動度及びその経時変化を示
す。C偏析テスト結果のC付着度は混合粉の100〜200メ
ッシュ中のC量の混合粉全体のC量に対する比であり、
次式で定義した。
ただし、 [C]:混合物中の100〜200メッシュ留分中のC分析値
(重量%) [C′]:混合物中の全体のC分析値(重量%) [St]:混合物中に添加したステアリン酸亜鉛の重量% [O]:混合物中に添加したオレイン酸の重量% [Gr]:混合物中に添加した黒鉛粉の重量% すなわち、鉄系粉末表面に付着しない黒鉛粉は200メッ
シュの網目を通り抜けることから、混合粉をロータップ
で100〜200メッシュに篩分け、その粉末中のC分析値と
全体のC分析値との比をC付着度とした。
第1表から次のことが言える。実施例1、2に比べ比較
例1、2は1次混合時にオレイン酸を添加しないため、
2次混合時にステアリン酸亜鉛や黒鉛粉末が鉄粉表面で
オレイン酸と均一に混合せず、加熱後の共溶融物の均一
性が劣る。このため、C付着度及び製造後2160時間後の
流動度で表わされる流動度の経時的安定性が実施例と比
較して劣り、原料鉄粉との見掛密度の差が大きい。特に
還元鉄粉を用いた場合の比較例2では見掛密度の差が大
きく、還元鉄粉の特徴を損なっている。比較例3は1次
混合時にオレイン酸とステアリン酸亜鉛を混合するた
め、やはりオレイン酸とステアリン酸亜鉛が鉄粉表面に
均一に付着せず、共溶融物の均一性が劣り、C付着度や
流動性の経時的安定性が劣る。
実施例3、4、5、比較例4、5 実施例3、4、5は各々1次混合時のオレイン酸添加量
を0.05、0.10、0.30重量%とした以外は実施例1と同一
の条件で製造した。比較例4、5は各々1次混合時のオ
レイン酸添加量を0.01、0.40重量%とした以外は実施例
1と同一の条件で製造した。そのC付着度、見掛密度、
流動度及びその経時的変化を第2表に示す。
実施例3、4、5では実施例1と同等のC付着度、見掛
密度、流動度及びその経時的変化が得られたが、1次混
合時のオレイン酸の量が少ない比較例4では1次混合時
の潤滑が不十分なため、鉄粉の見掛密度が上昇し、最終
的な粉末混合物の見掛密度が原料鉄粉より大幅に変化し
ている。また、共溶融物のオレイン酸量も不足するた
め、C付着度も低い。また、1次混合時のオレイン酸の
量が過剰な比較例5では共溶融物中のオレイン酸が過剰
になるため、流動度の経時的安定性が劣る。
実施例6、7、8、9、比較例6、7 実施例6、7、8、9はそれぞれ共溶融物生成のための
加熱温度を90、100、140、150℃とし、比較例6、7は
加熱温度を80、160℃とした以外は実施例1と同一の条
件で製造した。
C付着度、見掛密度、流動度及びその経時的安定性を第
3表に示す。実施例6、7、8、9はいずれも加熱温度
が適正なため実施例1と同等な特性が得られるが、比較
例6は加熱温度が低いため共溶融物の生成が不十分とな
りC付着度と共に流動度及びその経時的安定性が劣る。
比較例7は加熱温度が高すぎるため、ステアリン酸亜鉛
の分解が起こり、やはりC付着度とともに流動度及びそ
の経時的安定性が劣る。
実施例10、11、12、比較例8、9 実施例10、11、12はステアリン酸亜鉛の2次混合時と4
次混合時の添加の割合を各々80重量%:20重量%、65重
量%:35重量%、20重量%:80重量%とした以外は実施例
1と同一の条件で製造した。比較例8、9はステアリン
酸亜鉛の2次混合時と4次混合時の添加の割合を各々90
重量%:10重量%、10重量%:90重量%とした以外は実施
例1と同一の条件で製造した。
C付着度、見掛密度、流動度及びその経時的安定性を第
4表に示す。実施例10、11、12はいずれもステアリン酸
亜鉛の2次混合時と4次混合時の添加量の割合が適正な
ため実施例1とほぼ同等の特性が得られる。しかし比較
例8、9はステアリン酸亜鉛の2次混合時と4次混合時
の添加量の割合が不適切なため、いずれもC付着度、流
動度とその経時的安定性が劣る。
実施例13、14、比較例10、11 実施例13は4次混合時のステアリン酸亜鉛添加温度を80
℃、実施例14は同じく添加温度を60℃とした以外は実施
例1と同一の条件で製造した。比較例10は4次混合時の
ステアリン酸亜鉛添加温度を100℃、比較例11は同じく9
0℃とした以外は実施例1と同一の条件で製造した。
そのC付着度、見掛密度、流動度及びその経時的変化を
第5表に示す。いずれも1次混合時にオイレン酸、2次
混合時にステアリン酸亜鉛を添加しているため、C付着
度は実施例1とほぼ同等であるが、4次混合時のステア
リン酸亜鉛添加温度が85℃以下の実施例13、14が4次混
合時添加ステアリン酸亜鉛が軟化せず、鉄粉粒子表面に
付着しているため、実施例1とほぼ同等の見掛密度が得
られるが、4次混合時のステアリン酸亜鉛添加温度が85
℃超えの比較例10、11は4次混合時添加ステアリン酸亜
鉛が軟化し鉄粉粒子表面の共溶融物との一体化が進み始
めるため、4次混合時添加ステアリン酸亜鉛によるオレ
イン酸の染み出し抑制効果が弱くなり、流動度の経時的
安定性が劣る。
実施例15、16、比較例12、13 実施例15、16、比較例12、13は混合時の回転翼の速度を
次のように変化させた以外は実施例1と同一の条件で製
造した。すなわち、実施例15は1次混合〜4次混合まで
2m/秒で混合した。実施例16は1次混合〜3次混合まで1
0m/秒で、4次混合は5m/秒で混合した。また、比較例12
は1次混合〜4次混合まで1m/秒で混合した。比較例13
は1次混合〜3次混合まで11m/秒で、4次混合は6m/秒
で混合した。
第6表にC付着度、見掛密度、流動度及びその経時的安
定性を示す。実施例15、16はいずれも、混合速度が適切
で流動度の経時変化及びC付着度が優れている。一方、
比較例12は混合速度が2m/秒未満で遅すぎるため、合金
用粉末の混合が不十分となりC付着度が低下して好まし
くない。4次混合時の混合速度も2m/秒未満のため混合
物表面の金属石鹸による被覆が不十分で流動度の経時的
安定性が劣る。比較例13は混合速度が11m/秒と速すぎる
ため、混合時に撹拌翼及び粉末粒子と混合槽壁との間で
激しい衝突を生じ、丸みを帯びた粒子形状となるため見
掛密度が大きく変化し、成形性も低下して好ましくな
い。4次混合時の混合速度も5m/秒超えのため、添加物
が分離しC付着度が劣る。
実施例17、18、19、20、比較例14、15、16、17 実施例17、18、19、20は実施例1のオレイン酸の代りに
融点30℃以下の脂肪酸であるカプロン酸(融点3℃)、
ウンデシル酸(融点28.6℃)、リノール酸(融点−5
℃)、ウンデシレン酸(融点24.5℃)を用い、比較例1
4、15、16、17は融点30℃以上の脂肪酸であるカプリン
酸(融点31.5℃)、ラウリン酸(融点44.0℃)、セトレ
イン酸(融点33.7℃)、ブラシジン酸(融点61.5℃)を
用いた以外は実施例1と同一の条件で製造した。
第7表にC付着度、見掛密度、流動度及びその経時的安
定性を示す。実施例17、18、19、20は各々の融点が適正
な脂肪酸を用いたため実施例1とほぼ同等の特性が得ら
れる。しかし、比較例14、15、16、17は不適切な脂肪酸
を用いたため、C付着度、見掛密度の上昇が大きい。
実施例21、22 実施例21、22は金属石鹸にステアリン酸アルミニウム、
ステアリン酸亜鉛を用いた以外は実施例1と同一の条件
で製造した。
C付着度、見掛密度、流動度及びその経時的安定性を第
8表に示す。いずれも、実施例1とほぼ同一の特性が得
られた。
実施例23、24、25、26 実施例23は実施例1の天然黒鉛粉に代えて、実施例24は
実施例1の電解銅粉にかえて、実施例25は実施例1に加
えて、実施例26は実施例1の天然黒鉛粉、電解銅粉に代
えて各々5kgの粒径44μm以下のタルク粉末、フェロリ
ン粉末、フォルステライト+ソーダガラス、タルク粉末
を加えた以外は実施例1と同一の条件で製造した。ま
た、実施例1と同様の方法でSi又はP付着度を求め、見
掛密度、実施例1と同様な優れた特性が得られた。
比較例18、19、20 比較例18は実施例1のオレイン酸に代えてポリエチレン
グルコールを用い、1次混合時にステアリン酸亜鉛を加
え、比較例19は実施例1のオレイン酸に代えて水化ポリ
ブデン誘導体を2次混合時に加えた以外は実施例1と同
一の条件で製造した。実施例20は実施例と同一の鉄粉に
実施例1と同一の添加物を加え、熱混合を行わず、ダブ
ルコーン混合機で混合した。
C付着度、見掛密度、流動度及びその経時的安定性を第
10表に示す。いずれも実施例1と比較して流動度が劣
り、比較例20はC付着度も著しく劣る。
実施例27、28、比較例21、22 実施例27はアトマイズ鉄粉を490kg、添加天然黒鉛粉末
量を5kg、添加電解銅粉を5kg、実施例28はアトマイズ鉄
粉を480kg、添加天然黒鉛粉末量を10kg、添加電解銅粉
を10kgとした以外は実施例1と同一の条件で製造した。
比較例21はアトマイズ鉄粉を490kg、添加天然黒鉛粉末
量を5kg、添加電解銅粉を5kg、比較例21はアトマイズ鉄
粉を480kg、添加天然黒鉛粉末量を10kg、添加電解銅粉
を10kgとし、いずれもステアリン酸亜鉛は実施例1と同
一の量全量を2次混合時に添加した以外は実施例1と同
一の条件で製造した。
第1表に示すように、実施例27、28はステアリン酸亜鉛
が4次混合時にも添加されているので流動度の経時的安
定性が優れる。
比較例21、22はステアリン酸亜鉛が4次混合時にも添加
されていないので流動度の経時的安定性が劣る。
〔発明の効果〕 本発明によれば、鉄系粉末と合金用粉末又は合金用粉末
と切削性改良添加剤又は切削性改良剤とがきわめて効果
的に付着した偏析のない、流動性とその経時的安定性に
優れた粉末冶金用鉄基粉末混合物を安定的に安価に提供
することができる。
本発明による粉末冶金用鉄基粉末混合物は合金用粉末の
偏析をなくすると共に、流動性のその経時的劣化を大き
く改善することができるため、焼結機械部品の不良品の
発生を低減し、成形速度を速め、かつ安定化するため生
産性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1のタイムチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 義昭 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 杉原 裕 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄系粉末に常温で液体の脂肪酸を加えて1
    次混合し、次いで、1種以上の合金用粉末に金属石鹸を
    加えて添加して2次混合し、該2次混合工程中又は2次
    混合後に昇温して脂肪酸と金属石鹸の共溶融物を生成さ
    せ、次いで、3次混合しながら冷却し、前記共溶融物を
    冷却固着させ、該共溶融物の結合力により鉄系粉末粒子
    の表面に合金用粉末を固着させ、さらに、冷却時に金属
    石鹸を加え、4次混合を行うことを特徴とする粉末冶金
    用鉄基粉末混合物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記合金用粉末と切削性改善剤に金属石鹸
    を加えて添加して2次混合し、3次混合時に鉄系粉末粒
    子の表面に合金用粉末と切削性改善剤とを固着させる請
    求項1記載の粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法。
JP1299675A 1989-11-20 1989-11-20 粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法 Expired - Fee Related JPH0689364B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1299675A JPH0689364B2 (ja) 1989-11-20 1989-11-20 粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1299675A JPH0689364B2 (ja) 1989-11-20 1989-11-20 粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03162502A JPH03162502A (ja) 1991-07-12
JPH0689364B2 true JPH0689364B2 (ja) 1994-11-09

Family

ID=17875615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1299675A Expired - Fee Related JPH0689364B2 (ja) 1989-11-20 1989-11-20 粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0689364B2 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0853994B1 (en) * 1996-08-05 2004-10-06 JFE Steel Corporation Iron-base powder mixture for powder metallurgy having excellent fluidity and moldability and process for preparing the same
US6235076B1 (en) 1997-03-19 2001-05-22 Kawasaki Steel Corporation Iron base powder mixture for powder metallurgy excellent in fluidity and moldability, method of production thereof, and method of production of molded article by using the iron base powder mixture
US5976215A (en) * 1997-08-29 1999-11-02 Kawasaki Steel Corporation Iron-based powder mixture for powder metallurgy and process for preparing the same
JP4010098B2 (ja) 2000-01-07 2007-11-21 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用鉄基粉末混合物、その製造方法および成形体の製造方法
JP2002020801A (ja) 2000-07-07 2002-01-23 Kawasaki Steel Corp 粉末冶金用鉄基混合粉
US6464751B2 (en) 2000-10-06 2002-10-15 Kawasaki Steel Corporation Iron-based powders for powder metallurgy
JP5141136B2 (ja) * 2007-08-20 2013-02-13 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用原料粉末の混合方法
WO2009035119A1 (ja) 2007-09-14 2009-03-19 Jfe Steel Corporation 粉末冶金用鉄基粉末
US8747516B2 (en) 2007-12-13 2014-06-10 Jfe Steel Corporation Iron-based powder for powder metallurgy
BRPI0803956B1 (pt) * 2008-09-12 2018-11-21 Whirlpool S.A. composição metalúrgica de materiais particulados e processo de obtenção de produtos sinterizados autolubrificantes
JP5696512B2 (ja) * 2010-02-18 2015-04-08 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用混合粉およびその製造方法ならびに切削性に優れた鉄基粉末製焼結体およびその製造方法
JP2012167302A (ja) * 2011-02-10 2012-09-06 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 粉末冶金用粉末混合物およびその製造方法
SE538041E (en) 2012-12-28 2018-09-11 Jfe Steel Corp Iron-based powder for powder metallurgy
JP6171390B2 (ja) * 2013-02-18 2017-08-02 日立化成株式会社 粉末混合物
JP6007928B2 (ja) * 2014-02-21 2016-10-19 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用混合粉およびその製造方法ならびに鉄基粉末製焼結体
JP5962691B2 (ja) * 2014-02-21 2016-08-03 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用混合粉およびその製造方法ならびに鉄基粉末製焼結体
JP5962787B2 (ja) * 2014-02-21 2016-08-03 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用混合粉およびその製造方法ならびに鉄基粉末製焼結体
JP6561962B2 (ja) * 2016-10-24 2019-08-21 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用混合粉末の製造方法および粉末冶金用混合粉末の製造設備

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03162502A (ja) 1991-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0689364B2 (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法
TW199908B (ja)
JP2004232079A (ja) 粉末冶金用副原料粉末および粉末冶金用鉄基粉末混合物ならびにそれらの製造方法
JPH05148505A (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物及びその製造方法
JP3509540B2 (ja) 流動性と成形性に優れた粉末冶金用鉄基粉末混合物、その製造方法および成形体の製造方法
JPH06145701A (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物及びその製造方法
JP2012167302A (ja) 粉末冶金用粉末混合物およびその製造方法
JP2004190051A (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物およびその製造方法
JP6874905B2 (ja) 粉末冶金用混合粉
JP3326072B2 (ja) 粉末冶金用鉄基混合物およびその製造方法
JPH10280005A (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物及びその製造方法
JP2007002340A (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物及びその製造方法
JPH0689362B2 (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法
JP3682678B2 (ja) 流動性に優れ見掛け密度の安定な粉末冶金用鉄基粉末混合物
JPH0257602A (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物およびその製造方法
KR960006047B1 (ko) 분말야금용 철기 분말 혼합물 및 그 제조방법
JPH09263802A (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物及びその製造方法
JP6680422B1 (ja) 粉末冶金用混合粉および粉末冶金用潤滑剤
JP3707490B2 (ja) 流動性に優れ見掛け密度の安定な粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法
JP3873547B2 (ja) 粉末冶金用鉄基混合粉
JP2004115925A (ja) 流動性に優れ見掛け密度の安定な粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法
JP2022090488A (ja) 粉末冶金用混合粉
JP2024017984A (ja) 粉末冶金用鉄基混合粉、鉄基焼結体、および焼結機械部品
KR100222161B1 (ko) 분말혼합물과 이를 생산하기 위한 방법
JP5181688B2 (ja) 粉末冶金用鉄基粉末混合物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071109

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081109

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091109

Year of fee payment: 15

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees