JP2002020801A - 粉末冶金用鉄基混合粉 - Google Patents

粉末冶金用鉄基混合粉

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JP2002020801A JP2000206373A JP2000206373A JP2002020801A JP 2002020801 A JP2002020801 A JP 2002020801A JP 2000206373 A JP2000206373 A JP 2000206373A JP 2000206373 A JP2000206373 A JP 2000206373A JP 2002020801 A JP2002020801 A JP 2002020801A
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聡 上ノ薗
Yukiko Ozaki
由紀子 尾崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮性に優れ、かつ充填性に優れた鉄基混合
粉を提供する。 【解決手段】 表面に合金用粉末あるいはさらに切削性
改善粉末が結合材により固着された鉄基粉末と、さらに
遊離潤滑剤とからなる鉄基混合粉とし、鉄基粉末を、60
〜90質量%のアトマイズ鉄粉と、40〜10質量%の還元鉄
粉とする。結合材は、ステアリン酸、オレイン酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレ
ンビスステアリン酸アミドとの溶融混合物およびエチレ
ンビスステアリン酸アミドのうちから選ばれた1種また
は2種以上、あるいはオレイン酸、スピンドル油および
タービン油のうちから選ばれた1種または2種以上とス
テアリン酸亜鉛とからなる結合材としてもよい。遊離潤
滑剤は、熱可塑性樹脂粉、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸リチウムのうちから選ばれた1種または2種以上を
用いるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末冶金用鉄基混
合粉に係り、とくに薄肉キャビテイを有する金型への充
填性に優れた粉末冶金用鉄基混合粉に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金用鉄基混合粉(以下、単に鉄基
混合粉ともいう)は、ベースになる鉄基粉末としての鉄
粉に、銅粉、黒鉛粉、燐化鉄粉等の合金用粉末と、さら
にステアリン酸亜鉛等の潤滑剤とを混合し、さらに必要
に応じて切削性改善用粉末を加えて製造するのが一般的
である。しかしながら、このような鉄基混合粉では、合
金用粉末などの原料粉末が偏析を生じやすいという問題
がある。これは、鉄基混合粉が、粒子径、形状及び密度
の異なる複数種の粉末を含んでいるためであり、混合後
の輸送、ホッパへの装入、払出し、又は金型に充填して
加圧成形処理等を行う際に、鉄基混合粉中で原料粉末が
均一に分布しなくなる。
【0003】例えば、鉄粉と黒鉛粉との混合粉は、トラ
ック輸送中の振動によって輸送容器内で鉄粉と黒鉛粉が
それぞれ勝手に運動、移動し、特に、比重の小さい黒鉛
粉が表面に浮かび上がって偏析を生じ、混合粉内で均一
に分布しなくなることが良く知られている。また、ホッ
パに装入された鉄粉と黒鉛粉との混合粉は、ホッパ内の
移動で偏析を生じ、ホッパからの排出時期により、混合
粉中の黒鉛粉濃度が異なってしまうことも良く知られて
いる。
【0004】このような偏析を起こした鉄基混合粉を、
金型に装入し加圧(圧縮)成形して成形体とし、その成
形体を焼結して最終製品とすると、製品毎に組成が変動
する。その組成変動の結果、製品の寸法および強度が大
きくばらつき、不良品が生じることになる。このような
鉄基混合粉に生じる偏析の問題に対して、例えば、特開
平1-219101号公報には、潤滑剤0.3 〜1.3 %、合金化元
素粉0.1 〜10%および残部鉄粉よりなり、鉄粉表面に合
金化元素粉が固着した粉末冶金用鉄粉が提案されてい
る。この粉末冶金用鉄粉によれば、取扱時に成分偏析を
生ぜず、均質な焼結品を得ることができるとしている。
【0005】また、特開平3-162502号公報には、添加物
の偏析が少なく、流動性の経時的変化の少ない、粉末冶
金用鉄基粉末混合物の製造方法が開示されている。特開
平3-162502号公報に記載された方法は、鉄系粉末に脂肪
酸を加えて混合し、ついで合金用粉末に金属石鹸を加え
て混合したのち、あるいは混合中に昇温して、ついで混
合しながら冷却して、脂肪酸と金属石鹸との共溶融物の
結合力で鉄系粉末表面に合金用粉末を固着させるという
ものである。
【0006】また、特許第3004800 号公報には、合金用
粉末の鉄系粉末表面への結合材として、金属元素を含ま
ない結合材を用いた鉄基混合粉が提案されている。金属
元素を含まない結合材とすることにより、焼結炉への汚
染が少ないという利点があるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術により偏析防止処理を施された鉄基混合粉
は、たとえばギア形状の金型へ充填されたとき、歯先の
幅の狭い部位では、他の部位に比べ、充填密度が小さく
なるという問題があった。さらに、このような成形体を
焼結した場合には、部位により収縮量が異なり、部品の
寸法精度が低下する。一般に、充填密度が異なり成形密
度が異なると、焼結時の寸法変化率が異なり、さらに焼
結密度が異なるのである。したがって、充填密度が低い
ギア歯先の部位は、焼結密度が低くなりやすく、ひいて
は強度も低くなる。通常、ギヤにおいては歯先の部位に
最大の応力が生じるため、歯先の部位は強度が高いこと
が要求され、充填密度が高いことが望ましいのである。
【0008】このように、上記した従来技術により偏析
防止処理を施された鉄基混合粉は、金型への充填性に問
題があり、とくに金型の幅の狭い部位への充填量が小さ
くなる傾向を有していた。そこで、本発明者らは、上記
した従来技術により偏析防止処理を施された鉄基混合粉
の充填性について、実験で確認した。まず、この実験結
果について説明する。
【0009】鉄粉としてのアトマイズ鉄粉に、合金用粉
末として2質量%の銅粉、0.8 質量%の黒鉛粉と、鉄粉
と合金用粉末の合計量100 重量部に対し、結合材として
0.4重量部のステアリン酸亜鉛と0.2 重量部のマシン油
との加熱溶融物とを混合して鉄粉表面に合金用粉末を固
着させ、ついで遊離潤滑剤として0.3 重量部のステアリ
ン酸亜鉛を、混合して、鉄粉表面に合金用粉末を固着さ
せた鉄粉と遊離潤滑剤との混合物である鉄基混合粉(従
来品)とした。これら鉄基混合粉150gを20×60×100mm
の大きさの粉箱に装入した(図1参照)。この粉箱を、
図1に示すような配置で、200mm/s の速度で金型方向に
移動させ、金型の真上で1s間停止したのち後退させ
た。これにより、金型に鉄基混合粉が充填された。使用
した金型は、キャビティの厚み:tmm、長さ:60mm、深
さ:60mmの金型とした。なお、厚みtmmは1、2、5mm
に変化した。
【0010】充填後、488MPaの圧力で成形し、得られた
成形体の重量を測定し、充填密度(成形体重量/金型体
積)を算出して、鉄基混合粉の金型への充填性を評価し
た。これら鉄基混合粉(従来品)についての結果を、図
2に示す。図2から、上記した鉄基混合粉である従来品
では、金型のキャビティ厚みtが小さくなるとともに、
充填密度が減少することがわかる。例えば、金型のキャ
ビティ厚みtが、1mmとなると、鉄基混合粉は見かけ密
度の半分も充填されていないことがわかる。このよう
に、金型のキャビテイ厚みが薄い場合には、アトマイズ
鉄粉を用い従来の技術で偏析処理した鉄基混合粉は、低
い充填性しか有していないことが多い。
【0011】また、混合する銅粉、黒鉛粉、燐化鉄粉等
の合金用粉末は、いずれも鉄粉より微粉末であるため、
合金用粉末の混合により鉄基混合粉の比表面積が増大
し、鉄基混合粉の流動性が低下する。このような鉄基混
合粉の流動性の低下は、鉄基混合粉の成形用金型への充
填性を低下させ、そのため成形体(圧粉体ともいう)の
生産速度を低下させる原因ともなる。
【0012】このような問題に対し、例えば、特開平9-
267195号公報には、粉箱内に表面にガス放出用孔を設け
たパイプを設け、該ガス放出用孔から流出するガスによ
り粉末を浮動化させてのち、重力によりキャビティ内に
粉末を充填する粉末充填方法が開示されている。しかし
ながら、特開平9-267195号公報に記載された技術では、
特殊な装置を必要とするため、設備費が増大し、製造コ
ストが増加するという問題があった。
【0013】さらに近年、自動車車体の軽量化の要求に
伴い、自動車用焼結部品も小型化が指向されている。し
かし、部品の小型化とともに、部品にかかる応力は高ま
る傾向にある。このため、同一成分の部品であれば、よ
り強度の高い部品、すなわちより密度の高い部品が望ま
れている。(同一成分の焼結体であれば、一般に密度が
高いほど強度が高いのである。) このようなことから、小型化した、密度の高い焼結部品
を得るためには、偏析防止処理を施され、圧縮性に優
れ、かつ金型の幅の狭い部分への充填性に優れた鉄基混
合粉が要求されている。
【0014】本発明は、従来技術の問題を有利に解決
し、密度の高い焼結部品を安定してかつ特性のばらつき
少なく製造できる、圧縮性に優れ、かつ充填性に優れた
鉄基混合粉を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するために、圧縮性、充填性に及ぼす各種要
因について鋭意研究した。まず、高い密度の焼結部品を
得るためには、鉄基混合粉の鉄基粉末として、圧縮性に
優れる鉄粉を使用する必要がある。圧縮性に優れる鉄粉
としては、アトマイズ鉄粉が挙げられるが、本発明者ら
の検討によれば、アトマイズ鉄粉を使用した鉄基混合粉
は、還元鉄粉を使用した鉄基混合粉より、狭いキャビテ
ィを有する金型への充填性に劣ることを見いだした。
【0016】そこで、本発明者らは、アトマイズ鉄粉を
使用した鉄基混合粉の充填性改善について検討した。そ
の結果、本発明者らは、鉄粉として、アトマイズ鉄粉に
加えて適正量の還元鉄粉を混合することにより、大きな
圧縮性低下を伴うことなく、図2に本発明品として示す
ように、鉄基混合粉の充填性を顕著に向上することがで
きることを見いだした。本発明の鉄基混合粉(本発明
品)は、1mmのキャビティ厚みでも十分に充填でき従来
品に比べ充填性が顕著に向上することが図2からわか
る。また、本発明者らは、結合材、潤滑剤を適正なもの
とすることにより、さらに充填性が改善されることも見
いだした。
【0017】本発明は、上記した知見に基づいて、さら
に検討を加え完成されたものである。すなわち、本発明
は、鉄基粉末と、合金用粉末と、結合材と、潤滑剤と、
あるいはさらに切削性改善用粉末とを含む鉄基混合粉で
あって、前記鉄基粉末が鉄基粉末全量に対し質量%で60
〜90%のアトマイズ鉄粉と、残余の40〜10%の還元鉄粉
とからなり、該鉄基粉末の表面には合金用粉末あるいは
さらに切削性改善用粉末が結合材により固着され、かつ
前記潤滑剤の全部または一部が遊離潤滑剤として存在す
ることを特徴とする充填性に優れた粉末冶金用鉄基混合
粉であり、また、本発明では、前記還元鉄粉のうち、鉄
基粉末全量に対し質量%で10〜30%が、表面に合金用粉
末、あるいはさらに切削性改善用粉末の固着のない、遊
離鉄基粉末として存在することが好ましい。
【0018】また、本発明では、前記結合材の含有量が
鉄基粉末、鉄基粉末、合金用粉末および切削性改善用粉
末の合計量100 重量部に対し、0.1 〜1.0 重量部である
ことが好ましく、また、本発明では、前記結合材を、ス
テアリン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、
ステアリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミド
との溶融混合物およびエチレンビスステアリン酸アミド
のうちから選ばれた1種または2種以上とするのが好ま
しい。
【0019】また、本発明では、前記結合材を、オレイ
ン酸、スピンドル油およびタービン油のうちから選ばれ
た1種または2種以上とステアリン酸亜鉛とからなる結
合材としてもよい。また、本発明では、前記遊離潤滑剤
の含有量が、鉄基粉末、合金用粉末および切削性改善用
粉末の合計量100 重量部に対し、0.1 〜0.5 重量部であ
ることが好ましく、また、本発明では、前記遊離潤滑剤
が、熱可塑性樹脂粉、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
リチウムのうちから選ばれた1種または2種以上を含
み、あるいはさらにステアリン酸、オレイン酸アミド、
ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビ
スステアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスス
テアリン酸アミド、分子量1万以下のポリエチレン、エ
チレンビスステアリン酸アミドと分子量1万以下のポリ
エチレンとの溶融混合物のうちから選ばれた1種または
2種以上を含むことが好ましい。
【0020】また、本発明では、前記熱可塑性樹脂粉
を、単量体であるアクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステルおよび芳香族ビニル化合物のうちから選ばれた少
なくとも1種を前記熱可塑性樹脂に対し50質量%以上含
有し重合したものとし、かつ1次平均粒径が0.03〜5.0
μm 、凝集平均粒径が5〜50μm 、溶液比粘度法で測定
した平均分子量が3万〜500 万の熱可塑性樹脂粉とする
のがよい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の粉末冶金用鉄基混合粉
は、鉄基粉末と、合金用粉末と、結合材と、潤滑剤と、
あるいはさらに切削性改善粉末とを含む鉄基混合粉であ
り、偏析防止処理として、鉄基粉末の表面には合金用粉
末、あるいは切削性改善粉末、あるいは合金用粉末およ
び切削性改善粉末が結合材により固着されている。
【0022】さらに、本発明では、鉄基粉末は、アトマ
イズ鉄粉を主として、さらに、鉄基粉末全量に対し質量
%で40〜10%の還元鉄粉を含有することを特徴とする。
すなわち、鉄基粉末は、鉄基粉末全量に対し質量%で60
〜90%のアトマイズ鉄粉と、残余の40〜10%の還元鉄粉
とからなるものとする。これにより、圧縮性が大きく低
下することなく充填性が顕著に向上する。還元鉄粉の含
有量が40質量%を超えると、鉄基混合粉の充填性は向上
するが、圧縮性が低下する。また、還元鉄粉の含有量が
10質量%未満では充填性の改善効果が認められない。な
お、還元鉄粉の含有量は、15〜30質量%とするのが好ま
しい。なお、本発明の鉄基混合粉おいては、アトマイズ
鉄粉と還元鉄粉は、単に混合しているだけでよく冶金的
結合を有する必要はない。
【0023】また、含有する還元鉄粉の一部を、すなわ
ち鉄基粉末全量に対し質量%で、10〜30%の還元鉄粉
を、表面に合金用粉末も切削性改善粉も固着されていな
い鉄粉(以下、遊離鉄基粉末という)とすることが、鉄
基混合粉の充填性向上の観点からはさらに好適である.
遊離鉄基粉末となる還元鉄粉の含有量が10質量%未満で
は充填性の改善効果が少なく、一方、30質量%を超える
と充填性は向上するが、圧縮性が低下する。なお、遊離
鉄基粉末となる還元鉄粉の含有量は15〜30質量%の範囲
とするのがより好ましい。
【0024】なお、本発明において、鉄基粉末として主
に使用するアトマイズ鉄粉は、溶湯からアトマイズ法に
より製造された純鉄粉あるいは合金鋼粉、あるいはそれ
らの混合としてもよい。また、使用するアトマイズ鉄粉
は、アトマイズ法により製造された純鉄粉あるいは合金
鋼粉の表面に合金粉が部分合金化されて固着した部分合
金化鋼粉としてもよい。
【0025】また、鉄基粉末として、アトマイズ鉄粉に
加えて使用される還元鉄粉は、鋼材の製造時に生成する
ミルスケールや鉄鉱石を還元して得られた還元鉄粉を用
いるのが好ましい。また、鉄基混合粉には合金用粉末が
混合されるが、合金用粉末は、黒鉛粉、銅粉、Ni粉等の
各種合金粉等を用いるのが好ましい。なお、合金用粉末
の含有量は、鉄基粉末、合金用粉末および必要に応じ混
合される場合は切削性改善用粉末を含めた合計量に対
し、5.0 質量%以下とするのが好ましい。
【0026】また、鉄基混合粉には、必要に応じ、焼結
体の切削性を改善する切削性改善用粉末が混合される
が、切削性改善用粉末は、製品焼結体に要求される特性
を考慮して、タルク粉、金属硫化物粉等が選定される。
なお、切削性改善用粉末の含有量は、鉄基粉末、合金用
粉末および切削性改善用粉末の合計量に対し、5.0 質量
%以下とするのが好ましい。
【0027】また、鉄基混合粉には、合金用粉末、ある
いはさらに切削性改善用粉末を鉄基粉末表面に固着し、
偏析を防止するため、結合材が混合される。本発明で
は、結合材の含有量は、鉄基粉末、合金用粉末および切
削性改善用粉末の合計量100 重量部に対し、0.1 〜1.0
重量部とすることが好ましい。結合材の含有量が、0.1
重量部未満では合金用粉末の偏析防止効果がなく、一
方、1.0 重量部を超えると、鉄基混合粉の充填性が低下
する。
【0028】結合材として、本発明では、ステアリン
酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ステアリ
ン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの溶融
混合物およびエチレンビスステアリン酸アミドのうちか
ら選ばれた1種または2種以上(結合材A)とするのが
好ましい。また、本発明では、結合材は、オレイン酸、
スピンドル油およびタービン油のうちから選ばれた1種
または2種以上とステアリン酸亜鉛とからなる結合材
(結合材B)としてもよい。
【0029】また、鉄基混合粉には、鉄基混合粉の流動
性を高め、金型への充填性を改善するとともに鉄基混合
粉を金型中で加圧成形する際に摩擦熱で溶融ないし軟化
して成形体の抜き出し力を低下させるために潤滑剤が混
合される。潤滑剤がこのような作用を発揮するには、潤
滑剤は遊離潤滑剤として存在する必要がある。本発明で
いう、遊離潤滑剤とは、鉄基混合粉中で、鉄基粉末(鉄
粉)、合金用粉末と結合せず、遊離して存在する潤滑剤
を意味する。遊離潤滑剤の含有量は、鉄基粉末、合金用
粉末および切削性改善用粉末の合計量100 重量部に対
し、0.1 〜0.5 重量部とすることが好ましい。遊離潤滑
剤の含有量が0.1 重量部未満では鉄基混合粉の充填性が
低下し、一方、0.5 重量部を超えて含有すると充填性が
低下するとともに成形体密度が低下する。
【0030】本発明では、遊離潤滑剤を、熱可塑性樹脂
粉、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムのうちか
ら選ばれた1種または2種以上とするか、あるいは熱可
塑性樹脂粉、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム
のうちから選ばれた1種または2種以上に、さらにステ
アリン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ス
テアリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドと
の溶融混合物、エチレンビスステアリン酸アミド、分子
量1万以下のポリエチレン、エチレンビスステアリン酸
アミドと分子量1万以下のポリエチレンとの溶融混合物
のうちから選ばれた1種または2種以上を添加したもの
とするのが好ましい。
【0031】遊離潤滑剤として、熱可塑性樹脂、ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムのうちから選ばれた
1種または2種以上を含有することにより、鉄基混合粉
の充填性が顕著に向上する。なお、熱可塑性樹脂、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムのうちから選ばれ
た1種または2種以上の含有量は、鉄基粉末、合金用粉
末および切削性改善用粉末の合計量100 重量部に対し0.
05重量部以上とするのが、鉄基混合粉の流動性、金型へ
の充填性向上の観点から好ましい。
【0032】また、熱可塑性樹脂粉は、単量体であるア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび芳香族
ビニル化合物のうちから選ばれた少なくとも1種を熱可
塑性樹脂粉に対し50質量%以上含有し重合したものとす
るのが好ましい。単量体である、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル及び芳香族ビニル化合物の中から
選ばれた少なくとも1種の含有量が、熱可塑性樹脂粉全
量に対し、50質量%未満の場合には、鉄基混合粉の流動
性改善が充分とならない恐れがある。なお、単量体は、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび芳香
族ビニル化合物のうちの1種を単独としても、あるいは
2種以上を組合わせても、いずれでもよい。
【0033】アクリル酸エステルとしては、例えば、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチ
ルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート
等が例示される。
【0034】また、メタクリル酸エステルとしては、例
えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
n−オクチルメタクリレート等が例示される。これらの
単量体の中で、特にメチルメタクリレートを好適に使用
することができる。
【0035】また、芳香族ビニル化合物としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン
及びこれらの単量体のベンゼン核に、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等が置換された単量体、例え
ばビニルトルエンやイソブチルスチレン等を挙げること
ができる。また、上記したアクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルおよび芳香族ビニル化合物のうちの少な
くとも1種の単量体に、共重合可能な他の単量体を、単
量体全量に対し好ましくは0〜45質量%添加して、熱可
塑性樹脂としたものを遊離潤滑剤として使用してもよ
い。
【0036】上記した3種の単量体と共重合可能な他の
単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
2−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不
飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル
酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸等の不飽和ジカル
ボン酸やその無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン
酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチ
ル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イ
タコン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸のモノエス
テルやその誘導体、グリシジルメタクリレート、グリシ
ジルアクリレート、グリシジル−p−ビニルベンゾエー
ト、メチルグリシジルイタコネート、エチルグリシジル
マレエート、グリシジルビニルスルホネート、グリシジ
ルエーテル類、ブタジエンモノオキシド、ビニルシクロ
ヘキセンモノオキシド、5.6−エポキシヘキセン、2
−メチル−5.6−エポキシヘキセン等のエポキシドオ
レフィン類、アクリロニトリルやメタクリロニトリルな
どのシアン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ミリスチン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸
ビニル等のビニルエステル類、ブタジエン、イソプレ
ン、1、3−ペンタジエン、シクロペンタジエン等の共
役ジエン系化合物 1、4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリ
デンノルボルネン等の非共役ジエン系化合物、を挙げる
ことができる。
【0037】また、共重合可能な単量体として、反応性
が実質上等しい2個以上の二重結合を有する架橋性単量
体を、単量体合計量に対し質量%で0.1 〜2%添加して
もよい。架橋性単量体は、エチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレ
ングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレー
ト、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリ
レート、ヘキサンジオールジメタクリレート、オリゴキ
シエチレンジアクリレート、オリゴキシエチレンジメタ
クリレート、さらにはジビニルベンゼン等の芳香族ジビ
ニル単量体、トリメリット酸トリアリル、トリアリルイ
ソシアヌレート等が例示できる。
【0038】そして、これら熱可塑性樹脂粉は、1次平
均粒径が0.03〜5.0 μm 、凝集平均粒径が5〜50μm 、
溶液比粘度法で測定した平均分子量が3万〜500 万の熱
可塑性樹脂粉とするのがよい。本発明でいう、一次平均
粒径とは図3に示すように、熱可塑性樹脂粉の個々の粒
子(一次粒子1)の粒径3の平均値を意味する。また、
凝集平均粒径とは、一次粒子1が凝集して形成する凝集
粒子2の粒径4の平均値を意味する。一次平均粒径は、
走査型電子顕微鏡で凝集粒子を観察し、撮像した写真か
ら、凝集粒子を形成している一次粒子50個程度の径(一
次粒径)を実測し、平均したものである。また、凝集平
均粒径は、同様に走査型電子顕微鏡で凝集粒子を観察し
撮像した写真から凝集粒子50個程度について粒径を測定
し、平均したものである。
【0039】また、本発明では、平均分子量は、溶液比
粘度法で測定するものとする。溶液比粘度法とは、試料
樹脂0.2gをテトラヒドロフラン50mlに溶解した溶液の35
℃における粘度Aを、同じ温度の溶媒(テトラヒドロフ
ラン)の粘度Bに対する比、A/B(比粘度)として求
め、平均分子量既知の各種標準ポリスチレンで予め定め
ていた比粘度−平均分子量の関係から、試料樹脂の平均
分子量を求める方法である。
【0040】熱可塑性樹脂粉の一次平均粒径は0.03〜5.
0 μm とするのが好ましい。一次平均粒径が0.03μm 未
満では、鉄基混合粉の製造コストが高くなり、工業製品
として高価となる。一方、5.0 μm を超えると、成形体
の密度(以下、単に圧縮性ともいう)が低下する。な
お、一次平均粒径は、0.05〜3.0 μm とするのがより好
ましい。
【0041】また、熱可塑性樹脂粉の凝集平均粒径は、
5〜50μm の範囲とするのが好ましい。凝集平均粒径が
5μm 未満では、鉄基混合粉の流動性やホッパ排出性が
低下する。一方、50μm を超えると、焼結体の引張強さ
が従来品より低下する。なお、凝集平均粒径は、10〜40
μm とするのがより好ましい。さらに、熱可塑性樹脂粉
としては、一次平均粒径の異なる2種以上の熱可塑性樹
脂粉を混合することができるが、その場合、混合した熱
可塑性樹脂粉の一次平均粒径としては、混合した粉末の
平均値が0.03〜5.0 μm になるように、混合比率を調整
するのが好ましい。
【0042】また、熱可塑性樹脂粉の溶液比粘度法で測
定した平均分子量は3万〜500 万の範囲とするのが好ま
しい。平均分子量が3万未満では、鉄基混合粉の製造コ
ストが高くなり過ぎ、製品が高価となる。一方、平均分
子量が500 万超えでは、鉄基混合物の流動性とホッパ排
出性が従来品より低下する。上記した熱可塑性樹脂粉の
製造方法については、本発明では特に限定されないが、
従来よりポリメチルメタクリレート等の微細樹脂粉末の
製造に用いられている方法がいずれも好適である。これ
らの方法の中でも、特に、粒径が極微細とならず、且つ
球形粒子が得られる重合法、例えば、微細懸濁重合法、
乳化重合法、播種乳化重合法などが好適である。
【0043】微細懸濁重合法としては、ラジカル重合開
始剤として油溶性開始剤を用い、重合開始前に単量体油
滴の粒径を均質化処理して予め調節し、均質分散重合さ
せる方法が好適である。油溶性のラジカル重合開始剤と
しては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジラ
ウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド
類、ジイソプロピルパーオキシジカ−ボネート、ジーs
ec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジ
カーボネート類、t−ブチルパーオキシピバレート、t
−ブチルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシエ
ステル類、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキ
サイド、ジサクシニックアッシドパーオキサイド等の有
機過酸化物、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,
2'−アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物
などを使用することができる。
【0044】また、これらのラジカル重合開始剤は、1
種を単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。その使用量は、単量体の種類と量及び仕
込方式などによって適宜選択することができるが、通
常、使用単量体100 重量部当り、0.001 〜5.0 重量部の
範囲で使用することが好ましい。なお、微細懸濁重合法
の実施に際しては、通常、界面活性剤や分散剤が用いら
れる。
【0045】界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫
酸エステルナトリウム、ミリスチル硫酸エステルナトリ
ウム等のアルキル硫酸エステル塩類、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カ
リウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類、ジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク
酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類、ラウリ
ン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウム等の脂肪酸塩
類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類、
ドデシルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム
等のアニオン性界面活性剤類、ソルビタンモノオレエー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等
のソルビタンエステル類、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル類等のノニオン性界面活性剤類、セチルピリジニウ
ムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド等のカチオン性界面活性剤、などを挙げることができ
る。
【0046】また、分散剤としては、ポリビニルアルコ
ール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等を挙
げることができる。これらの界面活性剤や分散剤は、1
種を単独でも、あるいは2種以上を組み合わせて用いて
も良い。その使用量は、通常、使用単量体100 重量部当
り、0.05〜5重量部、好ましくは0.2 〜4重量部の範囲
で適宜選択することができる。
【0047】また、微細懸濁重合法では、まず水性媒体
中に、油溶性開始剤、単量体、界面活性剤及び必要に応
じて用いられる高級脂肪酸類や高級アルコール類などの
重合助剤、その他の添加剤を加えて予め混合し、ホモジ
ナイザーにより均質化処理して、油滴の粒径調節を行な
う。ホモジナイザーには、例えば、コロイドミル、振動
撹拌機、二段式高圧ポンプ、ノズルやオリフィス等から
の高圧噴出、超音波撹拌等が利用できる。加えて、油滴
粒径の調節は、均質化処理時の剪断力の制御、重合中の
撹拌条件、反応装置の形式、界面活性剤や添加剤の量等
に影響されるが、これらは、簡単な予備実験により適当
な条件を選択することができる。そして、全単量体の均
質化処理液を重合缶に送り、ゆっくりと撹拌しながら昇
温し、通常30〜80℃の範囲の温度において重合を行な
う。
【0048】このようにして、一次平均粒径が0.03〜5.
0 μm の熱可塑性樹脂粉粒子が均質に分散した乳化液ま
たは懸濁液を得ることができる。この乳化液又は懸濁液
を噴霧乾燥したり、あるいは、熱可塑性樹脂粒子を凝集
した後に、ろ過して液漿を分離し、乾燥、粉砕すること
で熱可塑性樹脂粉末を得ることができる。その熱可塑性
樹脂の重量平均分子量は、反応温度や重合度調節剤で所
望の値に調節すれば良い。
【0049】つぎに、本発明の鉄基混合粉の好ましい製
造方法の一例について説明する。まず、鉄基粉末として
鉄基粉末全量に対し質量%で60〜90%のアトマイズ鉄粉
と、残余の40〜10%の還元鉄粉と、合金用粉末と、ある
いはさらに切削性改善用粉末と、結合材とを混合し、混
合物とする。なお、結合材は鉄基粉末、合金用粉末およ
び切削性改善用粉末の合計量100 重量部に対し、0.1 〜
1.0 重量部混合するのが好ましい。結合材としては、ス
テアリン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、
ステアリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミド
との溶融混合物、エチレンビスステアリン酸アミドのう
ちから選ばれた1種または2種以上とするのが好まし
い。
【0050】この混合物を加熱しながら混合(ここまで
を一次混合とする)する。なお、一次混合の加熱温度
は、結合材が1種の場合は、その結合材の融点より10〜
100 ℃高い温度で、結合材が2種以上の場合は、それら
結合材の融点のうちの最低値より10℃以上、それら結合
材の融点のうちの最高値以下の温度とするのが好まし
い。この加熱により、少なくとも1種の結合材が溶融さ
れる。上記した下限温度未満では、結合材の結合機能が
発揮されず、また上記した上限温度を超えると、熱分解
等により結合機能が低下するとともに、ホッパ排出性能
が低下する。
【0051】ついで、この一次混合粉を冷却することに
より、鉄基粉末の表面に合金用粉末あるいはさらに切削
性改善用粉末を固着される。鉄基粉末の表面に合金用粉
末あるいはさらに切削性改善用粉末を固着した一次混合
粉に、さらに潤滑剤を添加し、混合(これを二次混合と
する)して、鉄基混合粉とする。二次混合の温度は、添
加する潤滑剤の融点のうちの最低値未満とするのが好ま
しい。なお、より好ましくは室温である。また、添加す
る潤滑剤の量は、鉄基粉末、合金用粉末および切削性改
善用粉末の合計量100 重量部に対し、0.1 〜0.5 重量部
とするのが好ましい。二次混合で添加した潤滑剤は、遊
離潤滑剤となり、鉄基粉末等とは結合せず遊離状態で混
合粉中に存在する。
【0052】遊離潤滑剤となる、二次混合時に添加され
る潤滑剤としては、上記した熱可塑性樹脂粉、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムのうちから選ばれた1
種または2種以上を必ず含み、必要に応じて、ステアリ
ン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ステア
リン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの溶
融混合物、エチレンビスステアリン酸アミド、分子量1
万以下のポリエチレン、エチレンビスステアリン酸アミ
ドと分子量1万以下のポリエチレンとの溶融混合物の1
種または2種以上を含む潤滑剤とするのが好ましい。な
お、熱可塑性樹脂粉は、単量体であるアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル及び芳香族ビニル化合物の中
から選ばれた少なくとも1種を熱可塑性樹脂粉に対し50
質量%以上含有して重合されたものとするのが好まし
い。
【0053】なお、本発明では、鉄基粉末として添加さ
れる還元鉄粉の一部、好ましくは鉄基粉末全量に対し10
〜30質量%を、二次混合時に添加してもよい。これによ
り、還元鉄粉は、表面に合金粉末または切削性改善用粉
末の固着のない、遊離鉄基粉末とすることができる。還
元鉄粉を遊離鉄基粉末とすることにより、鉄基混合粉の
充填性はさらに顕著に改善される。
【0054】また、本発明の鉄基混合粉は次のような
(1)〜(4)の工程により製造してもよい。 (1)90〜60質量%のアトマイズ鉄粉と10〜40質量%の
還元鉄粉とからなる鉄基粉末に、合金用粉末あるいはさ
らに切削性改善用粉末を加え、さらに液状の結合材をス
プレー噴霧したのち、混合する。液状の結合材として
は、オレイン酸、スピンドル油、タービン油のうちの1
種または2種以上を用いるのが好ましい。 (2)これら混合物に、さらにステアリン酸亜鉛を添加
し、混合して、一次混合物とする。なお、ステアリン酸
亜鉛の添加量は、オレイン酸、スピンドル油、タービン
油のうちの1種または2種以上との合計量で鉄基粉末、
合金用粉末および切削性改善用粉末の合計量100 重量部
に対し、0.1 〜1.0 重量部とするのが好ましい。 (3)一次混合粉を、110 〜150 ℃に加熱しながら二次
混合する。この加熱により、少なくともステアリン酸亜
鉛とオレイン酸、スピンドル油、タービン油のうちの1
種以上との加熱溶融物が生成する。なお、二次混合の加
熱温度が、110 ℃未満では、合金用粉末の偏析が大きく
なるという問題がある。また、150 ℃を超えると、鉄基
粉末が酸化する可能性があり、酸化すると鉄粉が硬質化
して圧縮性が低下するという問題がある。
【0055】ついで、この二次混合粉を冷却することに
より、鉄基粉末の表面に合金用粉末あるいはさらに切削
性改善用粉末が強固に固着する。 (4)鉄基粉末の表面に合金用粉末あるいはさらに切削
性改善用粉末を固着した二次混合粉に、さらに潤滑剤を
添加し、三次混合して、鉄基混合粉とする。三次混合の
温度は、添加する潤滑剤の融点のうちの最低値未満とす
るのが好ましい。なお、より好ましくは室温である。ま
た、添加する潤滑剤の量は、鉄基粉末、合金用鉄粉およ
び切削性改善用粉末の合計量100 重量部に対し、0.1 〜
0.5 重量部とするのが好ましい。三次混合で添加した潤
滑剤は、遊離潤滑剤となり、鉄基粉末等とは結合せず遊
離状態で混合粉中に存在する。
【0056】3次混合で添加する潤滑剤の種類は、上記
した遊離潤滑剤と同じでなんら問題はない。なお、本発
明では製造方法の工程(1)で混合される還元鉄粉の一
部、好ましくは鉄基粉末全量に対し10〜30質量%を、
(4)の三次混合時に添加してもよい。これにより、還
元鉄粉は、表面に合金粉末または切削性改善用粉末の固
着のない、遊離鉄基粉末とすることができる。還元鉄粉
を遊離鉄基粉末とすることにより、鉄基混合粉の充填性
はさらに顕著に改善される。
【0057】また、本発明の鉄基混合粉の製造方法は、
上記した2例の製造方法に限定されるものではないこと
はいうまでもない。上記した製造方法以外の方法の一例
として、例えば、有機溶剤に溶解あるいは分散させた結
合材と、鉄基粉末、合金用粉末、あるいはさらに切削性
改善用粉末とを混合したのち、有機溶媒を蒸発させ、鉄
基粉末表面に合金粉末、切削性改善用粉末を固着させ、
しかるのちに潤滑剤を添加混合して遊離潤滑剤の存在す
る鉄基混合粉としてもよい。
【0058】なお、本発明の鉄基混合粉は、一般の粉末
冶金における製造プロセスのいずれもが適用可能であ
る。すなわち、成形後焼結のままで、あるいは成形し焼
結した後に、浸漬焼入れ、光輝焼入れ、高周波焼入れ等
の熱処理を施すことも可能である。
【0059】
【実施例】(実施例1)まず、鉄基粉末974gと、表1に
示す量の合金用粉末と、表1に示す量の結合材とを、加
熱混合機に装入して十分に混合して、混合物とした。鉄
基粉末としては、表1に示す比率のアトマイズ鉄粉(川
崎製鉄製:KIP301A)と還元鉄粉(川崎製鉄製:255 M)を
使用した。また、合金用粉末としては、平均粒径23μm
の黒鉛粉末6gと、平均粒径25μm の電解銅粉20g を添加
した。また、結合材としては、表1に示す種類と量の結
合材を予備混合して用いた。なお、表1に示す含有量
は、鉄基粉末および合金用粉末あるいはさらに切削性改
善用粉末の合計量100 重量部に対する重量部で表示し
た。
【0060】そして、これら混合物を、表1に示す温度
に混合(ここまでをここでは一次混合とする)を続けな
がら加熱し、一次混合物とした。引き続き、一次混合物
を、混合しながら、85℃以下に冷却した。さらに、40℃
まで冷却した後、表1に示す種類と量の遊離潤滑剤を添
加し、均一になるよう混合(ここまでをここでは二次混
合とする)したのち、加熱混合機から排出し、鉄基混合
粉とした。なお、二次混合時に添加した熱可塑性樹脂
粉、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム以外の潤
滑剤の記号と種類の関係を表2に示す。また、二次混合
時に使用した熱可塑性樹脂粉の記号と種類の関係と、そ
れらの組成、重合方法、一次粒径、凝集粒径および分子
量を表3に示す。
【0061】なお、一部(鉄基混合粉 No.1-17)では、
二次混合時に潤滑剤とともに還元鉄粉(15質量%)を添
加した。得られた鉄基混合粉について、充填性、圧縮
性、偏析性を評価した。 (1)充填性試験 図1にその配置を模式的に示す装置を用いて、鉄基混合
粉の充填性試験を実施した。鉄基混合粉(供試混合粉)
150gを充填した粉箱(100 ×60×20mm)を、200 mm/sの
速度で金型方向に移動させ、t=1mmのキャビテイを有
する金型の真上で停止させ、1s間保持し鉄基混合粉を
金型に充填したのち後退させた。充填後、488MPa の圧
力で成形し成形体とした。
【0062】これら成形体の重量を測定し、充填密度
{=(成形体重量)/(キャビテイの体積)}を求め
た。この充填密度を粉箱中の鉄基混合粉の見かけ密度で
割った値を充填値とし、充填性を評価した。充填値が大
きいほど、充填性がよいことを示す。 (2)圧縮性試験 鉄基混合粉(供試混合粉)を、直径25mmφ×20mm高さの
タブレットに圧力5ton/cm2 (490MPa)で成形し成形体
とした。これら成形体の密度(圧粉密度)を測定し圧縮
性を評価した。 (3)偏析性試験 鉄基混合粉中に含まれる黒鉛粉(合金用粉末)の偏析を
調査し、偏析性を評価した。鉄基混合粉(供試混合粉)
を篩分けし、100 メッシュ(150 μm )の篩を通過し、
200 メッシュ(75μm )を通過しない粉について、炭素
の定量分析を行った。また、鉄基混合粉(供試混合粉)
全体の炭素の定量分析も行った。これらの結果から、下
記に定義される炭素の付着度を用い偏析性を評価した。
【0063】炭素付着度={100 メッシュ(150 μm )
を通過したものから200 メッシュ(75μm )を通過しな
い範囲の粒度までの鉄基混合粉のC分析値}/(鉄基混
合粉のC分析値)×100 (質量%) 炭素付着度が大きいほど、鉄基混合粉の黒鉛粉の偏析が
小さいことを意味する。
【0064】これらの結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】本発明例(鉄基混合粉No.1-1〜No.1-18 )
はいずれも、成形密度が6.83Mg/m3以上、炭素付着度が8
0%以上、かつ充填値が0.8 以上と、充填性、圧縮性に
優れかつ黒鉛粉の偏析が少ない鉄基混合粉であることが
わかる。本発明範囲から還元鉄粉量が外れる鉄基混合粉
(No.1-19 、No.1-20 )では、充填性が低下する。ま
た、結合材量が本発明の好適範囲から低く外れる鉄基混
合粉(No.1-21 )では、偏析が若干大きくなる傾向を示
し、また、結合材量が本発明の好適範囲から高く外れる
鉄基混合粉(No.1-22 )では、充填性が若干低下する傾
向を示している。また、遊離潤滑剤量が、本発明の好適
範囲から低く外れる鉄基混合粉(No.1-23 )では、充填
性が若干低下する傾向を示している。また、遊離潤滑剤
量が、本発明の好適範囲から高く外れる鉄基混合粉(N
o.1-24 )では、圧縮性が若干低下する傾向を示してい
る。 (実施例2)まず、鉄基粉末974gと、合金用粉末として
黒鉛粉6g 、銅粉20g とに、結合材として表4に示すオ
レイン酸、スピンドル油、タービン油のうちから選ばれ
た1種または2種以上をスプレー噴霧したのち、混合す
る一次混合を行った。なお、結合材の添加量は、鉄基粉
末、合金用粉末、あるいはさらに切削性改善用粉末の合
計量100 重量部に対する重量部で表示した。鉄基粉末と
しては、表4に示す比率のアトマイズ鉄粉(川崎製鉄
製:KIP301A)と還元鉄粉(川崎製鉄製:270MS)を使用し
た。また、合金用粉末としては、平均粒径23μm の黒鉛
粉末と、平均粒径25μm の電解銅粉を用いた。なお、鉄
基混合粉No.2-9では、銅粉にかえて、切削性改善用粉末
として平均粒径20μm のMnS 粉末を添加した。
【0070】ついで、一次混合した混合粉に、結合材と
して、さらに表4に示す量のステアリン酸亜鉛を添加し
て、加熱混合機に装入して十分に混合して、混合物とし
た。そして、この混合物を140 ℃で混合しながら加熱
し、二次混合物とした。引き続き、二次混合物を、混合
しながら、85℃以下に冷却した。さらに、40℃まで冷却
した後、表4に示す種類と量の遊離潤滑剤を添加し、均
一になるよう三次混合したのち、加熱混合機から排出
し、鉄基混合粉とした。なお、三次混合時に添加した熱
可塑性樹脂粉、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウ
ム以外の潤滑剤の記号と種類の関係は、実施例2と同様
に表2に示す。また、三次混合時に使用した熱可塑性樹
脂粉の記号と種類の関係と、それらの組成、重合方法、
一次粒径、凝集粒径および分子量は、実施例1と同様に
表3に示す。
【0071】なお、一部(鉄基混合粉 No.2-17)では、
三次混合時に潤滑剤とともに還元鉄粉(15質量%)を添
加した。得られた鉄基混合粉について、実施例1と同様
の試験方法で、充填性、圧縮性、偏析性を評価した。得
られた結果を表4に示す。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】本発明例(鉄基混合粉No.2-1〜No.2-18 )
はいずれも、成形密度が6.83Mg/m3以上、炭素付着度が8
0%以上、かつ充填値が0.8 以上と、優れた充填性、圧
縮性および耐偏析性に優れた鉄基混合粉であることがわ
かる。一方、本発明範囲から還元鉄粉量が外れる鉄基混
合粉(No.2-19 、No.2-20 )では、充填性が低下する。
また、結合材量が本発明の好適範囲から低く外れる鉄基
混合粉(No.2-21 )では、偏析が若干大きくなる傾向を
示し、また、結合材量が本発明の好適範囲から高く外れ
る鉄基混合粉(No.2-22 )では、充填性が若干低下する
傾向を示している。また、遊離潤滑剤が、熱可塑性樹
脂、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムのうちの
1種も含まない、本発明の好適範囲から外れる鉄基混合
粉(No.2-23 )では、充填性が若干低下する傾向を示し
ている。また、遊離潤滑剤量が、本発明の好適範囲から
低く外れる鉄基混合粉(No.2-24 )では、充填性が若干
低下する傾向を示している。また、遊離潤滑剤量が、本
発明の好適範囲から高く外れる鉄基混合粉(No.2-25 )
では、圧縮性が若干低下する傾向を示している。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、偏析が少なく、圧縮性
に優れ、かつ充填性に優れた鉄基混合粉を安価に製造で
き、焼結部品の小型化に対応でき、幅の狭いキャビティ
を有する金型を使用して成形体を製造しても、密度の高
い焼結部品を安定してかつ特性のばらつきを少なく製造
できるという、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】充填性試験に好適に使用できる試験装置の概略
を模式的に示す概略説明図である。
【図2】従来の鉄基混合粉の充填密度と金型のキャビテ
ィ厚さとの関係を示すグラフである。
【図3】一次平均粒径、凝集平均粒径の定義を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 一次粒子 2 凝集粒子 3 一次粒子の粒径 4 凝集粒子の粒径

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄基粉末と、合金用粉末と、結合材と、
    潤滑剤と、あるいはさらに切削性改善用粉末とを含む鉄
    基混合粉であって、前記鉄基粉末が鉄基粉末全量に対し
    質量%で60〜90%のアトマイズ鉄粉と、残余の40〜10%
    の還元鉄粉とからなり、該鉄基粉末の表面には合金用粉
    末あるいはさらに切削性改善用粉末が結合材により固着
    され、かつ前記潤滑剤の全部または一部が遊離潤滑剤と
    して存在することを特徴とする充填性に優れた粉末冶金
    用鉄基混合粉。
  2. 【請求項2】 前記還元鉄粉のうち、鉄基粉末全量に対
    し質量%で10〜30%が遊離鉄基粉末として存在すること
    を特徴とする請求項1に記載の粉末冶金用鉄基混合粉。
  3. 【請求項3】 前記結合材の含有量が、鉄基粉末、合金
    用粉末および切削性改善用粉末の合計量100 重量部に対
    し、0.1 〜1.0 重量部であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の粉末冶金用鉄基混合粉。
  4. 【請求項4】 前記結合材が、ステアリン酸、オレイン
    酸アミド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドと
    エチレンビスステアリン酸アミドとの溶融混合物および
    エチレンビスステアリン酸アミドのうちから選ばれた1
    種または2種以上であることを特徴とする請求項3に記
    載の粉末冶金用鉄基混合粉。
  5. 【請求項5】 前記結合材が、オレイン酸、スピンド
    ル油およびタービン油のうちから選ばれた1種または2
    種以上とステアリン酸亜鉛とからなることを特徴とする
    請求項3に記載の粉末冶金用鉄基混合粉。
  6. 【請求項6】 前記遊離潤滑剤の含有量が、鉄基粉末、
    合金用粉末および切削性改善用粉末の合計量100 重量部
    に対し、0.1 〜0.5 重量部であることを特徴とする請求
    項1ないし5のいずれかに記載の粉末冶金用鉄基混合
    粉。
  7. 【請求項7】 前記遊離潤滑剤が、熱可塑性樹脂粉、ス
    テアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムのうちから選ば
    れた1種または2種以上を含み、あるいはさらにステア
    リン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ステ
    アリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの
    溶融混合物、エチレンビスステアリン酸アミド、分子量
    1万以下のポリエチレン、エチレンビスステアリン酸ア
    ミドと分子量1万以下のポリエチレンとの溶融混合物の
    うちから選ばれた1種または2種以上を含むことを特徴
    とする請求項6に記載の粉末冶金用鉄基混合粉。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂粉が、単量体であるア
    クリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび芳香族
    ビニル化合物のうちから選ばれた少なくとも1種を前記
    熱可塑性樹脂粉に対し50質量%以上含有し、かつ1次平
    均粒径が0.03〜5.0 μm 、凝集平均粒径が5〜50μm 、
    溶液比粘度法で測定した平均分子量が3万〜500 万の熱
    可塑性樹脂粉であることを特徴とする請求項7に記載の
    粉末冶金用鉄基混合粉。
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