JP3004800B2 - 粉末冶金用鉄基粉末混合物及びその製造方法 - Google Patents

粉末冶金用鉄基粉末混合物及びその製造方法

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JP3004800B2
JP3004800B2 JP4064871A JP6487192A JP3004800B2 JP 3004800 B2 JP3004800 B2 JP 3004800B2 JP 4064871 A JP4064871 A JP 4064871A JP 6487192 A JP6487192 A JP 6487192A JP 3004800 B2 JP3004800 B2 JP 3004800B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、見掛密度が安定し、添
加物の偏析が少なく、ホッパからの流出性に優れ、成形
時の金型からの抜出力が低く、かつ亜鉛を含有しないか
含有が少ないい粉末冶金用鉄基粉末混合物及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金用鉄基粉末混合物は、鉄粉に、
銅粉、黒鉛粉、燐化鉄粉等の合金粉末とステアリン酸亜
鉛等の潤滑剤とを混合し、さらに必要に応じて切削性改
善用粉末を加えて製造するのが一般的である。しかし、
このような混合物は以下のような欠点を持っている。
【0003】先ず、その欠点はこのような混合物が偏析
を生ずることである。偏析について述べると、混合物は
大きさ、形状及び密度の異なる粉末を含んでいるため、
混合後の輸送、ホッパへの装入、払出し、又は成形処理
等の際に容易に偏析が生じてしまう。例えば、鉄系粉末
と黒鉛粉との混合物は、トラック輸送中の振動によって
輸送容器内に偏析が起こり、黒鉛粉が浮かび上がること
は良く知られている。また、ホッパに装入された黒鉛は
ホッパ内偏析のためホッパより排出する際、排出の初
期、中期、終期でそれぞれ黒鉛粉の濃度が異なることも
知られている。
【0004】これらの偏析によって製品は組成にばらつ
きを生じ、寸法変化及び強度のばらつきが大きくなって
不良品の原因となる。また、黒鉛粉などはいずれも微粉
末であるため混合物の比表面積を増大させ、その結果、
流動性が低下する。このような流動性の低下は成形用金
型への充填速度を低下させるため、圧粉体の生産速度を
低下させてしまうという欠点もある。
【0005】このような混合物の偏析を防止する技術と
して、特開平1−219101号公報にステアリン酸亜
鉛を結合材にして鉄基粉末表面に黒鉛を付着させた粉末
が開示されている。また、本発明者らは、先に特開平3
−162502号において金属石鹸と脂肪酸とを結合材
として用いる方法を提案した。しかし、これらはいずれ
も結合材に亜鉛やその他の金属元素を含んでおり、焼結
時に結合材中の金属元素が酸化物として炉内を汚染した
り、焼結体組成を変化させる問題点を有する。
【0006】このような問題点を解決する方法として特
公表昭60−502158号公報や特開平2−2174
03号公報に開示されるように、金属元素を含まない結
合材を用いたものがあるが、これらの結合材自体は潤滑
作用を持たないので、最終的にはステアリン酸亜鉛を潤
滑剤として添加して用いられており、上述の問題点を解
決していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の粉体
特性及び圧粉体特性を維持しながら、見掛密度が安定
し、偏析が少なく、ホッパからの流出性に優れ、かつ亜
鉛を含有しないか含有量が少ない粉末冶金用鉄基粉末混
合物及びその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、 (1)ステアリン酸、オレイン酸モノアミド、ステアリ
ン酸モノアミドから選ばれた1種以上と、エチレンビス
ステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド
から選ばれた1種以上との溶融混合物を結合材として、
鉄基粉末表面に合金用粉末及び/又は切削性改善用粉末
が固着されていることを特徴とする粉末冶金用鉄基粉末
混合物。
【0009】(2)ステアリン酸、オレイン酸アミド、
ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビ
スステアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスス
テアリン酸アミドから選ばれた1種以上の加熱溶融物
0.1重量%以上1.0重量%以下を結合材として合金
用粉末及び/又は切削性改善用粉末が表面に固着されて
いる鉄基粉末と、ステアリン酸、オレイン酸アミド、ス
テアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビス
ステアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスステ
アリン酸アミドから選ばれた1種以上の遊離粉末0.1
重量%以上0.5重量%以下と、ステアリン酸亜鉛の遊
離粉末0.01重量%以上0.2重量%以下との混合物
であることを特徴とする粉末冶金用鉄基粉末混合物、及
びこの結合材にオレイン酸、スピンドル油、タービン油
から選ばれた1種以上の有機質液体潤滑剤0.01重量
%以上0.3重量%以下を加えたことを特徴とする粉末
冶金用鉄基粉末混合物。
【0010】(3)ステアリン酸、オレイン酸アミド、
ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビ
スステアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスス
テアリン酸アミドから選ばれた1種以上の加熱溶融物で
ある結合材0.1重量%以上1.0重量%以下と、合金
用粉末及び/又は切削性改善用粉末と、鉄基粉末とを混
合後、この結合材が1種の場合はその融点プラス10〜
100℃に、この結合材が2種以上の場合はその最低の
融点プラス10℃以上、最高融点以下に加熱冷却した
後、これに、ステアリン酸、オレイン酸アミド、ステア
リン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビスステ
アリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスステアリ
ン酸アミドから選ばれた1種以上の粉末0.1重量%以
上0.5重量%以下と、ステアリン酸亜鉛の粉末0.0
1重量%以上0.2重量%以下とを添加混合することを
特徴とする粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法、及び
この結合材にオレイン酸、スピンドル油、タービン油か
ら選ばれた1種以上の有機質液体潤滑剤0.01重量%
以上0.3重量%以下を加えて、合金粉末及び/又は切
削性改善粉末と鉄基粉末とを混合することを特徴とする
粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法。
【0011】(4)高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ワ
ックスから選ばれた1種以上の加熱溶融物0.1重量%
以上1.0重量%以下を結合剤として、合金用粉末及び
/又は切削性改善用粉末が表面に固着されている鉄基粉
末と、高級脂肪酸リチウムの遊離粉末0.1重量%以上
1.0重量%以下との混合物であることを特徴とする粉
末冶金用鉄基粉末混合物、及びこの遊離粉末に、高級脂
肪酸、高級脂肪酸アミド、ワックスから選ばれた1種以
上の粉末0.5重量%以下(0は含まず)を加えたこと
を特徴とする粉末冶金用鉄基粉末混合物。
【0012】(5)高級脂肪酸アミド、ワックスから選
ばれた1種以上0.3重量%以上2.0重量%以下と、
ステアリン酸亜鉛0.01重量%以上0.1重量%以下
との溶融混合物を結合材として、合金粉末及び/又は切
削性改善用粉末が表面に固着されていることを特徴とす
る粉末冶金用鉄基粉末混合物、及びこの粉末冶金用鉄基
粉末混合物と、高級脂肪酸リチウム、高級脂肪酸アミ
ド、ワックスから選ばれた1種以上の遊離粉末1.0重
量%以下(0は含まず)との混合物であることを特徴と
する粉末冶金用鉄基粉末混合物。を提供するものであ
る。
【0013】
【作用】本発明者らは、従来の粉体特性及び圧粉体特性
を維持しながら、見掛密度が安定し、偏析が少なく、ホ
ッパからの流出性に優れ、かつ亜鉛を含有しないか含有
量が少ない粉末冶金用鉄基粉末混合物について鋭意研究
を重ねた結果、以下に示す知見を得て本発明に至った。
【0014】本発明においては、合金用粉末及び/又は
切削性改善用粉末が、鉄基粉末表面に結合材によって固
着されているので偏析を防止することができる。鉄基粉
末としては、粉砕又はアトマイズ等による純鉄粉及び/
又は合金鉄粉が用いられ、合金用粉末としては黒鉛粉
末、合金粉末等が、焼結体の被切削性を改善する切削性
改善用粉末としては、タルク、金属硫化物等が、製品に
要求される特性を考慮して選定され必要量用いられる。
【0015】請求項1に記載の発明においては、ステア
リン酸、オレイン酸モノアミド及びステアリン酸モノア
ミドは、これ等のうちの1種以上を溶融して用いること
により、合金用粉末及び/又は切削性改善用粉末を鉄基
粉末の表面に固着することができると共に、鉄基粉末の
加圧成形体の金型からの抜出力を低下することができ、
また、エチレンビスステアリン酸アミド,メチレンビス
ステアリン酸アミドの1種以上を溶融して用いることに
より鉄基粉末の流動性を向上させることができ、したが
って、上記特定の脂肪酸及び脂肪酸アミドを共用するこ
とにより、鉄基粉末表面に合金用粉末及び/又は切削性
改善用粉末を固着し、しかも、鉄基粉末の金型からの抜
出力を低下すると共に流動性を向上させることができ
る。
【0016】さらに、上記特定の有機化合物は、共に金
属成分を含有していないので、この発明の鉄基粉末混合
物による加圧成形体は、焼結に際し金属成分の離散によ
る炉内汚染や焼結体組成の金属成分の変化がない。上記
特定の有機化合物の種類の選択並びに添加量は、鉄基粉
末の種類、形状、粒度構成、合金用粉末及び/又は切削
性改善用粉末の種類、形状、添加量等を勘案し適宜決定
される。
【0017】この発明の鉄基粉末混合物は、鉄基粉末、
合金用粉末及び/又は切削改善用粉末及び上記特定の有
機化合物を混合して加熱し、少くともステアリン酸、オ
レイン酸モノアミド及びステアリン酸モノアミドのうち
の1種を溶融することにより得ることができる。加熱温
度は、ステアリン酸、オレイン酸アミド及びステアリン
酸モノアミドのうちの用いた1種の融点、又は用いた2
種以上のうちの最も融点の低い成分の融点より10℃高
い温度以上で、エチレンビスステアリン酸アミド、メチ
レンビスステアリン酸アミドのうちの用いた1種の融
点、又は用いた2種のうち最も融点の高い成分の融点以
下の温度で行うことが好ましい。この温度未満では合金
用粉末及び/又は切削性改善用粉末の鉄基粉末表面への
固着が不十分で、一方、この温度を越えると鉄基粉末混
合物の流動性が低下するばかりでなく、低融点の成分の
変質を招くと共に、いたずらに処理設備、作業費用の上
昇を招くだけである。
【0018】この発明の鉄基粉末混合物は、少量のステ
アリン酸亜鉛粉末を添加することにより、さらに優れた
流動性を得ることができる。請求項2〜5に記載の発明
について次の実験を行った。すなわち、平均粒径78μ
mの水アトマイズ鉄粉に、0.9重量%の黒鉛と、表1
に示すように黒鉛と鉄粉との結合材として0.0重量%
から0.4重量%のステアリン酸亜鉛とを130℃で1
0分間加熱溶融混合した後、0.0重量%から0.4重
量%のステアリン酸亜鉛を常温で粉末状態で混合した。
【0019】この混合物を圧粉密度6.80g/cm3
に金型中で加圧成形した後、プロパン変成ガス雰囲気中
1130℃で20分間焼結した。その結果を表1に示し
た。加熱溶融混合したステアリン酸亜鉛量と常温粉末混
合したステアリン酸亜鉛量との和が0.3重量%以上の
場合は焼結体表面に黒色の汚れが生じた。一方、ステア
リン酸亜鉛を加熱溶融混合せずかつ常温粉末混合したス
テアリン酸亜鉛量が0.3重量%未満の場合は汚れが生
じなかった。
【0020】
【表1】 ─────────────────────────────────── 黒鉛 ステアリン酸亜鉛(重量%) 焼結体表面の (重量%) 加熱溶融混合 常温粉末混合 煤発生状況 0.9 0.4 0 あり 0.9 0.3 0 あり 0.9 0.2 0 あり 0.9 0 0.4 あり 0.9 0 0.3 あり 0.9 0.2 0.2 あり 0.9 0.15 0.15 あり 0.9 0 0.2 なし 0.9 0 0.1 なし ─────────────────────────────────── しかし、ステアリン酸亜鉛を加熱溶融混合せずかつ常温
粉末混合したステアリン酸亜鉛量が0.3重量%未満の
場合は、金型からの抜出力が高く成形体の表面に傷が生
じ正常な成形ができなかったが、いずれの場合も混合物
のホッパからの流出性は良好であった。
【0021】一方、脂肪酸もしくは脂肪酸アミドをステ
アリン酸亜鉛の代わりに用いると、汚れは生じず、金型
からの抜出力も低く成形体の表面に傷は生じなかった
が、その混合物はホッパからの流出性が著しく劣った。
そこで、さらに鋭意検討の結果、特定の脂肪酸もしくは
脂肪酸アミドを結合材として合金用粉末及び/又は切削
性改善用粉末を鉄基粉末表面に加熱溶融により固着さ
せ、さらに、上記の脂肪酸及び/又は脂肪酸アミドに加
えて少量のステアリン酸亜鉛粉末を常温で混合し、鉄基
粉末表面に溶融固着させず、遊離粉末状態で加えること
により、従来の欠点を克服した粉末冶金用鉄基粉末混合
物を提供することが可能であるとの結論を得るに至っ
た。
【0022】この発明において使用される脂肪酸及び/
又は脂肪酸アミドは、融点が従来の粉末冶金用潤滑剤で
あるステアリン酸亜鉛(融点120℃)に近いもので、
ステアリン酸(融点69℃)、オレイン酸アミド(融点
76℃)、ステアリン酸アミド(融点103℃)、ステ
アリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの
溶融混合物(融点125℃)、エチレンビスステアリン
酸アミド(融点147℃)から選ばれる1種以上であ
る。
【0023】従来の粉末冶金用潤滑剤であるステアリン
酸亜鉛に近い融点のものを用いるのは、粉末混合物を金
型中で加圧成形する際、摩擦熱で溶融・軟化し潤滑剤の
働きをさせるためである。この発明においては、上記有
機化合物を加熱溶融混合及び常温粉末混合とに分けて混
合する。加熱溶融混合により合金用粉末及び/又は切削
性改善用粉末の付着度が向上し、常温粉末混合により金
型からの抜出力を低減する効果を同時にあげることがで
きる。
【0024】上記有機化合物を加熱溶融混合により結合
材として用いる量は、0.1〜1.0重量%とする。
0.1重量%未満では加熱混合した混合物全体に含まれ
る黒鉛量に対する、該混合物中の100〜200メッシ
ュの粉末に含まれる黒鉛量の比率(以下これを黒鉛付着
度と称する)が50%以下に低下するとともに成形後の
金型からの抜出力が劣化するからである。1.0重量%
より多い場合は、後にステアリン酸亜鉛を添加しても、
混合物のホッパからの流出性が低下するためである。結
合材として亜鉛を含まないものを用いるのは、上に述べ
たように、焼結時に焼結体表面の汚染を生じる原因を極
力避けるためである。
【0025】鉄粉表面に固着させないで常温粉末混合添
加される潤滑剤は、0.01重量%以上0.2重量%以
下のステアリン酸亜鉛と、0.1重量%以上0.5重量
%以下のステアリン酸、オレイン酸アミド、ステアリン
酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビスステアリ
ン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスステアリン酸
アミドから選ばれる1種以上とを併せて用いる。
【0026】ステアリン酸亜鉛を必ず用いるのは、ステ
アリン酸亜鉛を加えないとこの混合物がホッパから流出
しないからである。ステアリン酸、オレイン酸アミド、
ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビ
スステアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスス
テアリン酸アミドの1種以上を用いるのは、混合物を金
型中で加圧成形する際、摩擦熱で溶融、軟化し潤滑剤の
働きをさせるためである。
【0027】ステアリン酸亜鉛の添加量を0.01重量
%以上0.2重量%以下とした。0.01重量%未満で
は混合物のホッパからの流出性が得られないからであ
り、0.2重量%以下としたのは、0.2重量%を越え
ると焼結体表面に汚れが発生するからである。ステアリ
ン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ステア
リン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの溶
融混合物、エチレンビスステアリン酸アミドの1種以上
の添加量を0.1重量%以上0.5重量%以下とした。
0.1重量%未満では金型で成形後に金型からの抜出力
が急激に高くなるからである。一方、0.5重量%より
多いと混合物がホッパから流出しないからである。
【0028】次に、表2に示すように平均粒径78μm
の水アトマイズ鉄粉に、0.9重量%の黒鉛と、0.0
重量%から0.4重量%のオレイン酸に加えて黒鉛と鉄
粉との結合材として0.5重量%のステアリン酸アミド
とを常温で撹拌混合後130℃で10分間加熱撹拌混合
した後、0.1重量%のステアリン酸亜鉛を常温で混合
した。
【0029】この混合物を各々20個作製し、その見掛
密度を測定すると共にホッパからの流出性を評価した。
その結果を表2に示した。表2中で見掛密度の変動幅と
は20個の試料の見掛密度値の最大値と最小値との差を
示したものである。オレイン酸を添加しなかったものは
見掛密度の変動幅が0.18g/cm3 と大きいのに比
べ、オレイン酸を0.01重量%以上添加したものは
0.04g/cm3 以下と格段に小さくなった。また、
オレイン酸添加量が0.3重量%以下のものはホッパ容
器を加振しなくてもホッパから流出したが、0.4重量
%添加したものは容器を加振することによってはじめて
流出し、ホッパからの流出性が劣った。
【0030】
【表2】 ─────────────────────────────────── 試料 オレイン酸添加量 見掛密度の変動幅 流出性 (重量%) (g/cm3 ) (イ) 0 0.18 ホッパ容器加振なしで流出 (ロ) 0.01 0.04 〃 (ハ) 0.03 0.03 〃 (ニ) 0.05 0.02 〃 (ホ) 0.1 0.02 〃 (ヘ) 0.2 0.02 〃 (ト) 0.3 0.02 〃 (チ) 0.4 0.02 ホッパ容器加振で流出 ─────────────────────────────────── この混合物を圧粉密度6.80g/cm3 に金型中で加
圧成形した後、プロパン変成ガス雰囲気中1130℃で
20分間焼結した。その結果、圧粉体抜出力は充分低
く、かつ焼結体表面に黒色の汚れも生じなかった。
【0031】さらに、試料(ニ)と同一組成・同一混合
撹拌条件で、ただしオレイン酸の添加時期を撹拌混合昇
温中、昇温後加熱撹拌中、加熱撹拌冷却終了後の3水準
に変えた。その結果、表3に示すように撹拌混合前に添
加したものが大幅な見掛密度の安定性と良好なホッパ流
出性が得られた。
【0032】
【表3】 ─────────────────────────────────── 記号 オレイン酸添加時期 見掛密度変動幅 ホッパ流出性 (g/cm3 ) (ニ) 撹拌混合前、昇温前 0.02 ホッパ容器加振 なしで流出 (リ) 撹拌混合昇温中 0.10 ホッパ容器加振 で流出 (ヌ) 撹拌後加熱撹拌混合中 0.17 ホッパ容器加振 で流出 (ル) 加熱撹拌冷却終了後 0.20 ホッパ容器加振 しても流出せず ─────────────────────────────────── このように加熱溶融混合前にオレイン酸を少量添加する
ことによりさらに改善された粉末冶金用鉄基粉末混合物
を提供することが可能であるとの結論を得た。
【0033】この発明において使用される液体潤滑剤は
オレイン酸、スピンドル油、タービン油から選ばれる1
種以上である。液体潤滑剤の添加量は0.01重量%以
上0.3重量%以下である。0.01重量%未満では見
掛密度を安定させる作用がなく、0.3重量%を超える
と流出性が低下するからである。液体潤滑剤の添加時期
は鉄粉と他の添加物とを混合する前である。混合中では
見掛密度の安定化作用が小さく流出性も低下し、さらに
混合後では見掛密度安定作用、流出性ともに低下するか
らである。すなわち液体潤滑剤は鉄粉と他の添加物との
撹拌混合時にすみやかに鉄粉表面を覆い、撹拌による鉄
粉粒子の表面摩擦、衝突による変形を抑制し、変形によ
る流出性の低下を抑制するものである。また鉄粉表面へ
の添加物の均一付着を容易にする作用も副次的に有す
る。
【0034】液体潤滑剤以外の他の結合材すなわち、加
熱溶融混合によって結合材として用いる前記有機化合物
の添加量は、液体潤滑剤を用いない場合の前述の添加量
と同等でよい。またステアリン酸亜鉛の選択添加量も前
述と同様でよい。加熱温度は用いられる結合材構成物
(液体潤滑剤及び有機化合物)が1種の場合はその融点
プラス10℃以上100℃以下に、2種以上の場合は、
最低融点の構成物の融点プラス10℃以上、最高融点の
構成物の融点以下とする。結合材構成物が1種の場合は
融点プラス10℃以上の加熱で結合機能を発揮させ、融
点プラス100℃以下とすることにより結合剤の熱分解
による結合機能の低下を防止する。結合材構成物が2種
以上の場合はそのうちの最低融点の構成物の融点プラス
10℃以上で結合機能を発揮させ、最高融点の構成物の
融点以下とすることにより熱分解による機能低下を防止
するとともに、流出性能を向上させる。
【0035】請求項6及び7に記載した説明について、
先ず金属石鹸の種類(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
リチウム、ベヘン酸リチウム)の焼結体汚れに及ぼす影
響を調べた。すなわち、平均粒径78μmの水アトマイ
ズ鉄粉に表4に示すように、0.0重量%から1.2重
量%以下のベヘン酸リチウム粉末を常温で混合した。こ
の混合物を圧粉密度6.80g/cm3 に金型中で加圧
成形した後、プロパン変成ガス雰囲気中1130℃で2
0分間焼結した。その結果、前記表1に示したように常
温粉末混合でステアリン酸亜鉛量は0.2重量%以下の
場合に汚れが生じなかったが、ベヘン酸リチウムでは表
4に示すように、常温での混合量が1%以下であれば煤
の発生がおさえられることがわかった。ただし、加熱溶
融混合は、融点が高い(210℃)ため鉄粉の酸化が発
生するので実施しなかった。同じ実験をステアリン酸リ
チウムについても実施した。その結果、常温での混合量
が1%以下であれば煤の発生がおさえられることがわか
った。
【0036】
【表4】 ─────────────────────────────────── 黒鉛 ベヘン酸リチウム(重量%) 焼結体表面の (重量%) 加熱溶融混合 常温粉末混合 煤発生状況 0.9 0 1.2 あり 0.9 0 1.0 なし 0.9 0 0.4 なし 0.9 0 0.2 なし 0.9 0 0.1 なし ─────────────────────────────────── このように、ステアリン酸リチウム、ベヘン酸リチウム
はステアリン酸亜鉛に比べ、焼結時の煤の発生が押さえ
ることができることがわかった。
【0037】さらに、流動性について調べた。まず、ス
テアリン酸亜鉛0.3重量%以下の場合、混合物のホッ
パからの流出性は良好であったが、金型からの抜出力が
高く成形体の表面に傷が生じ、正常な成形ができなかっ
た。一方、脂肪酸、脂肪酸アミドもしくは低分子ポリエ
チレンワックスをステアリン酸亜鉛の変わりに用いると
汚れは生じず、金型からの抜出力も低く成形体の表面に
傷は生じなかったが、その混合物はホッパからの流出性
が著しく劣った。
【0038】そこで、さらに鋭意検討の結果、種々の高
級脂肪酸、高級脂肪酸アミドもしくはワックス(分子量
5000以下の低分子ポリエチレンワックス)を結合剤
として合金用粉末及び/又は切削性改善用粉末を鉄基粉
末表面に加熱溶融により固着させ、さらに高級脂肪酸リ
チウム粉末単独、もしくは、高級脂肪酸リチウム粉末
と、必要量の高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ワックス
の1種以上とを、遊離粉末状態で混合することにより、
従来の欠点を克服した粉末冶金用鉄基粉末混合物を提供
することが可能であるとの結論を得るに至った。
【0039】この発明において使用される高級脂肪酸も
しくは高級脂肪酸アミドは、融点が従来の粉末冶金用潤
滑材であるステアリン酸亜鉛に近いもので、ステアリン
酸(融点69℃)、オレイン酸アミド(融点76℃)、
ステアリン酸アミド(融点103℃)、ステアリン酸ア
ミドとエチレンビスステアリン酸アミドとの加熱溶融混
合物(融点125℃)、エチレンビスステアリン酸アミ
ド(融点147℃)等が挙げられる。
【0040】ワックスも同様にステアリン酸亜鉛の融点
に近いもので、融点が100〜150℃、分子量100
0〜5000の低分子ポリエチレンワックス等が挙げら
れ、これから選ばれる1種以上を用いる。高級脂肪酸リ
チウムとしては、ステアリン酸リチウム、ベヘン酸リチ
ウム等が挙げられる。
【0041】従来の粉末冶金用潤滑材であるステアリン
酸亜鉛に近い融点のものを用いるのは、この混合物を金
型中で加圧成形する際、摩擦熱で溶融、軟化し潤滑材の
働きをさせるためである。この発明においては、上記物
質を加熱溶融混合と常温粉末混合とに分けて混合するこ
とにより、加熱溶融混合による合金用粉末及び/又は切
削性改善用粉末の付着の効果と、常温粉末混合による金
型からの抜出力低減の効果を同時にあげることができ
る。
【0042】合金用粉末及び/又は切削性改善用粉末を
鉄粉表面に固着させるための結合剤として用いる量は
0.1重量%以上1.0重量%以下とする。いずれの場
合も後述の比較例に示すように、0.1重量%未満では
混合物全体に含まれるC量に対する該混合物中の100
メッシュ以下、200メッシュ以上の粉末に含まれるC
量の比率が50%以下に低下するからである。1.0重
量%より多い場合は、後に高級脂肪酸リチウムを添加し
ても、混合物のホッパからの流出性が低下するためであ
る。亜鉛を含まないものを用いるのは、上述したよう
に、合金用粉末及び/又は切削性改善用粉末を鉄粉表面
に固着させるために加熱溶融混合されたステアリン酸亜
鉛は、焼結時に焼結体表面の汚染を生じる原因となるか
らである。
【0043】遊離粉末状態で常温粉末混合される潤滑材
は、高級脂肪酸リチウムの粉末単独の場合0.1重量%
以上1.0重量%以下としたのは、0.1重量%未満で
は混合物がホッパから流出しないからであり、1.0重
量%以下としたのは、1.0重量%を越えると焼結体表
面に汚れが発生するからである。高級脂肪酸リチウム
に、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ワックスから選ば
れる1種以上の粉末を併せて用いる場合、高級脂肪酸リ
チウムを0.1重量%以上としたのは0.1重量%未満
では混合物がホッパから流出しないからであり、1.0
重量%以下としたのは1.0重量%を越えると焼結体表
面に汚れが発生するからである。高級脂肪酸、高級脂肪
酸アミド、ワックスから選ばれる1種以上の粉末を併用
するのは、さらに、金型で成形後に金型からの抜出力を
低下させるためであるが、必要に応じて添加すればよ
い。ただし、高級脂肪酸リチウム粉末と、高級脂肪酸、
高級脂肪酸アミド、ワックスから選ばれる1種以上の粉
末との合計を1.5重量%以下とするのは、これを越え
ると流動性の低下と圧粉体密度の低下を生ずるからであ
る。
【0044】請求項8及び9に記載した発明について、
ステアリン酸亜鉛の焼結体汚れに及ぼす影響を調べた。
すなわち、平均粒径78μmの水アトマイズ鉄粉に表5
に示すように0.9重量%の黒鉛と0.4重量%以下の
ステアリン酸亜鉛を130℃で10分間加熱混合した
後、0.4重量%以下のステアリン酸亜鉛を常温で混合
した。この混合物を圧粉密度6.80g/cm3 に金型
中で加圧成形した後、プロパン変成ガス雰囲気中113
0℃で20分間焼結した。その結果、表5に示すように
常温粉末混合でステアリン酸亜鉛量が0.2重量%以
下、加熱溶融混合の場合は0.1重量%以下の場合は汚
れが生じなかった。
【0045】
【表5】 ─────────────────────────────────── 黒鉛 ステアリン酸亜鉛(重量%) 焼結体表面に (重量%) 加熱溶融混合 常温粉末混合 煤の発生状況 0.9 0.4 0 あり 0.9 0.3 0 あり 0.9 0.2 0 あり 0.9 0.1 0 なし 0.9 0 0.4 あり 0.9 0 0.3 あり 0.9 0.2 0.2 あり 0.9 0.15 0.15 あり 0.9 0 0.2 なし 0.9 0 0.1 なし ─────────────────────────────────── しかし、ステアリン酸亜鉛0.3重量%以下の場合、混
合物のホッパからの流出性は良好であったが、金型から
の抜出力が高く成形体の表面に傷が生じ、正常な成形が
できなかった。
【0046】一方、高級脂肪酸アミドもしくは低分子ポ
リエチレンワックスをステアリン酸亜鉛の代わりに用い
ると汚れは生じず、金型からの抜出力も低く成形体の表
面に傷は生じなかったが、その混合物はホッパからの流
出性が著しく劣った。そこで、さらに鋭意検討の結果、
種々の高級脂肪酸アミドもしくはワックス(分子量50
00以下の低分子ポリエチレンワックス)と微量のステ
アリン酸亜鉛を結合材として合金用粉末及び/又は切削
性改善用粉末を鉄基粉末表面に加熱溶融により固着させ
ることにより、従来の欠点を克服した粉末冶金用鉄基粉
末混合物を提供することが可能であるとの結論を得るに
至った。
【0047】さらにこの混合物に高級脂肪酸リチウム、
高級脂肪酸アミド、ワックスを遊離粉末として加えるこ
とにより、さらに改善された粉末冶金用鉄基粉末混合物
を提供することが可能であるとの結論を得るに至った。
この発明において使用されるステアリン酸及び高級脂肪
酸アミドは、融点が従来の粉末冶金用潤滑材であるステ
アリン酸亜鉛に近いもので、ステアリン酸(融点69
℃)、オレイン酸アミド(融点76℃)、ステアリン酸
アミド(融点103℃)、ステアリン酸アミドとエチレ
ンビスステアリン酸アミドとの溶融混合物(融点125
0℃)、エチレンビスステアリン酸アミド(融点147
℃)等が挙げられ、これから選ばれる1種以上を用い
る。
【0048】従来の粉末冶金用潤滑材であるステアリン
酸亜鉛に近い融点のものを用いるのは、この混合物を金
型中で加圧成形する際、摩擦熱で溶融、軟化し潤滑材の
働きをさせるためである。この発明においては、上記物
質を加熱溶融混合と常温粉末混合とに分けて添加するこ
とにより、加熱溶融混合による合金用粉末の付着の効果
と、常温粉末混合による金型からの抜出力低減の効果を
同時にあげることができる。
【0049】合金用粉末及び/又は切削性改善用粉末を
鉄粉表面に固着させるための結合材として用いる高級脂
肪酸アミド、ワックスの1種の量は0.3重量%以上
2.0重量%以下とする。いずれの場合も、0.3重量
%未満では金型で成形後に金型からの抜出力が急激に高
くなり、2.0重量%より多い場合は圧粉体密度の低下
を生ずるからである。
【0050】ステアリン酸亜鉛を0.1重量%以下とす
るのは、上述したようにそれを越えれば焼結体汚れが発
生するためで、0.01重量%未満では効果が得られな
い。遊離粉末の状態で添加混合される潤滑剤は、高級脂
肪酸リチウム、高級脂肪酸アミド、ワックスから選ばれ
る1種以上の粉末の1.0重量%以下(0は含まず)を
用いる。1.0重量%を越えれば流動性の低下と圧粉体
密度の低下を招くためである。
【0051】
【実施例】
〔実施例1〕 No.1:平均粒径78μmの粉末冶金用アトマイズ鉄
粉に、結合剤としてステアリン酸モノアミドとエチレン
ビスステアリン酸アミドとを各々0.2重量%と、平均
粒径16μmの黒鉛粉末0.8重量%とを加え、120
℃で20分間加熱溶融混合した後、冷却した。
【0052】No.2:ステアリン酸モノアミドに替え
てステアリン酸を用いた他は実施例No.1と同様とし
た。 No.3:ステアリン酸モノアミドに替えてオレイン酸
モノアミドを用いた他は実施例No.1と同様とした。 No.4:エチレンビスステアリン酸アミドに替えてメ
チレンビスステアリン酸アミドを用いた他は実施例N
o.1と同様とした。
【0053】No.5:結合材として、ステアリン酸
0.15重量%、ステアリン酸モノアミド0.15重量
%及びエチレンビスステアリン酸アミド0.1重量%を
用いた他は、実施例No.1同様とした。 No.6:結合材として、ステアリン酸0.15重量
%、オレイン酸モノアミド0.15重量%及びエチレン
ビスステアリン酸アミド0.1重量%を用いた他は、実
施例No.1と同様とした。
【0054】No.7:結合材として、ステアリン酸
0.15重量%、ステアリン酸モノアミド0.15重量
%及びメチレンビスステアリン酸アミドを0.1重量%
を用いた他は、実施例No.1と同様とした。 No.8:結合材として、オレイン酸アミド0.15重
量%、ステアリン酸モノアミド0.15重量%及びエチ
レンビスステアリン酸アミドを0.1重量%を用いた他
は、実施例No.1と同様とした。
【0055】No.9:結合材として、ステアリン酸
0.1重量%、オレイン酸モノアミド0.1重量%、ス
テアリン酸モノアミド0.1重量%、エチレンビスステ
アリン酸アミド0.05重量%及びメチレンビスステア
リン酸アミド0.05重量%を用いた他は、実施例N
o.1と同様とした。 No.10:合金用粉末として銅粉1.5重量%を加え
た他は、実施例No.1と同様とした。
【0056】No.11:切削性改善用粉末として粒径
44μm以下のタルクを加えた他は、実施例No.1と
同様とした。 比較例No.1:結合材としてステアリン酸のみ0.4
重量%用いた他は、実施例No.1と同様とした。 比較例No.2:結合材としてステアリン酸モノアミド
のみ0.4重量%用いた他は、実施例No.1と同様と
した。
【0057】比較例No.3:結合材としてオレイン酸
モノアミドのみ0.4重量%用いた他は、実施例No.
1と同様とした。 比較例No.4:結合材としてエチレンビスステアリン
酸アミドのみ0.4重量%用いた他は、実施例No.1
と同様とした。 比較例No.5:結合材としてメチレンビスステアリン
酸アミドのみ0.4重量%用いた他は、実施例No.1
と同様とした。
【0058】比較例No.6:結合材を用いずステアリ
ン酸亜鉛粉末0.4重量%を混合し、加熱を行わなかっ
た他は、実施例No.1と同様とした。実施例及び比較
例によって得られた粉末の、直径25mm高さ20mm
のタブレットを5t/cm2 で成形したのち金型から抜
出すときの押圧力(抜出力)と、100〜200メッシ
ュの間の粉末中の黒鉛又はタルク含有量の、粉末全体の
黒鉛又はタルク含有量に対する割合で表わされる黒鉛又
はタルク付着度と、流動度を表6に示す。
【0059】前記特定の有機化合物を溶融して用いたこ
の発明においては、従来例である比較例No.6に比
し、黒鉛付着度が高い、すなわち偏析が少く、しかも、
抜出力が小さく、流動性が大きい。
【0060】
【表6】
【0061】〔実施例2〕以下に示す条件で実施例の混
合物を作製した。比較例も同様とした。鉄粉は平均粒径
78μmのアトマイズ鉄粉もしくは還元鉄粉を用いた。
合金用粉末としての電解銅粉は平均粒径28μm、黒鉛
粉は平均粒径16μmのものを用いた。切削性改善用粉
末にはMgO,SiO2 を主成分とする−44μmのタ
ルクを用いた。
【0062】結合材にはステアリン酸、オレイン酸アミ
ド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレ
ンビスステアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビ
スステアリン酸アミドから選ばれた1種以上のものを用
いた。鉄粉と結合材と合金用粉末及び/又は切削性改善
用粉末とは110℃で10分間加熱溶融混合後冷却し
た。
【0063】さらに、冷却後に上述の結合材と同じ物質
の中から選ばれた1種以上の粉末及びステアリン酸亜鉛
を常温で10分間混合した。粉末中の黒鉛(C)付着度
は、加熱溶融混合後の混合物中のC量に対するこの混合
物中の100〜200メッシュ粒度の粉末中のC量の比 C付着度={(100〜200メッシュ中のC量)/(全体中のC量)} ×100(%) …(1) で示した。
【0064】粉末の流出性は内径100mm高さ200
mmの容器に常温粉末混合後の混合物を1kg入れ、容
器の底部中央に設けた直径3.0mmのオリフィスから
混合物を流出させ、容器に振動を加えることなく流出し
たのものを可(〇印)、容器に振動を加えたとき流出し
たか、もしくはそれでも流出しなかったものを否(×
印)とした。
【0065】抜出力は実施例1と同様に測定した。表7
〜表13に実施例を示す。いずれも50%以上のC付着
度と良好な流出性及び130kgf/cm2 以下の低い
抜出力を示した。また、表14〜表17に比較例を示
す。なお、比較例No.20,24,28,32,36
は焼結体表面に汚れを生じていた。いずれも、C付着
度、流出性、抜出力の何れか又は複数の特性が劣るか、
焼結体表面に汚れが生じた。
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【表10】
【0070】
【表11】
【0071】
【表12】
【0072】
【表13】
【0073】
【表14】
【0074】
【表15】
【0075】
【表16】
【0076】
【表17】
【0077】〔実施例3〕実施例2と同様の鉄粉、合金
用粉末、切削性改善剤、及び結合材を用い、さらにオレ
イン酸、スピンドル油、タービン油から選ばれた有機質
液体潤滑剤を用いて、混合物を作製した。鉄粉と有機質
液体潤滑剤と結合材と合金用粉末及び/又は切削性改善
用粉末とを常温で5分間撹拌混合後、110℃で10分
間加熱混合後冷却した。
【0078】冷却後に上述の結合材(液体潤滑剤を除
く)と同じ物質の中から選ばれた1種以上の粉末及びス
テアリン酸亜鉛を常温で10分間混合した。粉末中の黒
鉛(C)付着度及び抜出力の測定方法は実施例2と同じ
である。混合物の見掛密度の変動幅は同一条件で20回
製造した時の最大最小値の差で示した。粉末の流出性は
内径100mm高さ200mmの容器に常温混合後の混
合物を1kg入れ、容器の底部中央に設けた直径3.0
mmのオリフィスから混合物を流出させ、容器に振動を
加えることなく流出したのものを可(〇印)、容器に振
動を加えて流出したものを否(△印)とした。
【0079】表18、表19に実施例を示す。いずれも
65%以上のC付着度と良好な流出性及び125kgf
/cm2 以下の低い抜出力を示した。実施例はいずれも
上記物質の混合加熱冷却終了後、ステアリン酸アミドと
エチレンビスステアリン酸アミドとの混合物0.3重量
%とステアリン酸亜鉛0.1重量%を常温粉末混合し
た。また、いずれも20回製造時の見掛密度の変動幅は
0.05g/cm3 以下で、C付着度は65%以上、流
出性は容器に加振なしで流出可能及び125kgf/c
2 以下の低い抜出力が得られた。またプロパン変成ガ
ス雰囲気中1130℃で20分間焼結した焼結体表面に
は黒色の汚れは発生しなかった。
【0080】表20、表21に比較例を示した。比較例
No.5,6,7はオレイン酸、スピンドル油、タービ
ン油をそれぞれ他の添加物と添加した後常温で10分撹
拌混合後添加した。またいずれも上記物質の混合・加熱
・冷却終了後ステアリン酸亜鉛0.1重量%とステアリ
ン酸アミドとエチレンビスステアリン酸アミドの混合物
を0.3重量%常温混合した。
【0081】比較例No.1は液体潤滑剤を添加しない
ため、20個製造時の見掛密度の変動幅は0.15g/
cm3 以上であり比較例No.2,3,4は添加量が過
多なためホッパ容器への加振なしでは流出しなかった。
比較例No.5,6,7は混合後に添加したため見掛け
密度の変動幅は0.15g/cm3 以上で同じく容器の
加振なしではホッパからは流出しなかった。
【0082】
【表18】
【0083】
【表19】
【0084】
【表20】
【0085】
【表21】
【0086】〔実施例4〕鉄粉は平均粒径78μmのア
トマイズ鉄粉もしくは還元鉄粉を用いた。合金用粉末と
しての電解銅粉、黒鉛粉は−16μmのものを用いた。
切削性改善用粉末にはMgO,SiO2 を主成分とする
タルクを用いた。鉄粉と結合材と合金用粉末及び/又は
切削性改善用粉末とを110℃で10分加熱溶融混合後
冷却した。さらに、冷却後にステアリン酸リチウムある
いはベヘン酸リチウム粉末をそれぞれ単独で、あるいは
ステアリン酸リチウムあるいはベヘン酸リチウム粉末
と、必要量の結合材と同じ物質の中から選ばれた1種類
以上の粉末を常温で混合した。
【0087】得られた混合物について、C付着度、流出
性、抜出力を実施例2と同様に測定した。なお、タルク
付着度はタルクについてCと同様に測定したものであ
る。表22〜27に実施例を示す。表22,23は遊離
粉末となっている潤滑剤が高級脂肪酸リチウム単独の場
合である。いずれも79%以上のC付着度と良好な流出
性および135kg/cm2 以下の低い抜出力を示し
た。
【0088】表24〜27は、遊離粉末となっている潤
滑剤が高級脂肪酸リチウムと、高級脂肪酸、高級脂肪酸
アミド、ワックスの1種以上の混合粉末の場合である。
いずれも75%以上のC又はタルク付着度と、良好な流
出性及び127kg/cm2以下の低い抜出力を示し
た。表28〜31に比較例を示す。いずれも、C付着
度、流出性、抜出力のいずれか又は複数の特性が劣る
か、焼結体表面に汚れが生じた。
【0089】
【表22】
【0090】
【表23】
【0091】
【表24】
【0092】
【表25】
【0093】
【表26】
【0094】
【表27】
【0095】
【表28】
【0096】
【表29】
【0097】
【表30】
【0098】
【表31】
【0099】〔実施例5〕鉄粉は平均粒径78μmのア
トマイズ鉄粉もしくは還元鉄粉を用いた。合金用の電解
銅粉末及び黒鉛粉末は−16μmのものを用いた。切削
性改善用粉末にはMgO,SiO2 を主成分とするタル
クを用いた。鉄粉と結合剤とを合金用粉末及び/又は切
削性改善用粉末とは110℃で10分加熱溶融混合後冷
却した。さらに、必要に応じて冷却後に潤滑剤粉末を常
温で混合した。
【0100】C付着度、流出性、抜出力を実施例2と同
様に測定した。なおタルク付着度はタルクについてCと
同様に測定したものである。表32〜36に実施例を示
す。表32,33は加熱溶融混合のみのもので、遊離粉
末状態の潤滑剤は含まない。いずれも84%以上のC又
はタルク付着度と良好な流出性及び148kg/cm2
以下の低い抜出力、6.76以上の圧粉体密度を示し、
焼結後の焼結体表面の煤汚れは認められなかった。
【0101】表34〜36は溶融後、遊離粉末状態の潤
滑剤を混合したものである。いずれも89%以上のC付
着度、良好な流出性、148kg/cm2 以下の低い抜
出力及び6.7以上の圧粉体密度を示し、焼結後の焼結
体表面の煤汚れは認められなかった。また表37〜39
に比較例を示す。表37,38は加熱溶融のみのもの
で、遊離粉末状態の潤滑剤は含まない。いずれも、流出
性、抜出力のいずれか又は複数の特性が劣るが、焼結体
表面に汚れが生じた。表39は、加熱溶融後、遊離粉末
状態の潤滑剤を混合したものである。いずれも、流出
性、抜出力のいずれか又は複数の特性が劣るか、改善さ
れていなかった。
【0102】
【表32】
【0103】
【表33】
【0104】
【表34】
【0105】
【表35】
【0106】
【表36】
【0107】
【表37】
【0108】
【表38】
【0109】
【表39】
【0110】
【発明の効果】本発明により、従来の混合物に比して、
合金用粉末や切削性改善用粉末の偏析が少ないので粉末
冶金製品の品質が安定し切削性が改善され、ホッパから
の流出性に優れるので見掛密度が安定し、金型からの抜
出力が小さいので成形体の損傷がなく、さらに、結合材
・潤滑剤の金属成分が少ないので焼結体組成の変化や焼
結炉の汚染を生ずることが少ない、粉末冶金用鉄基粉末
混合物及びその製造方法を得ることができた。
フロントページの続き (72)発明者 園部 秋夫 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 前田 義昭 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 峰岸 俊幸 千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 3/02 B22F 1/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリン酸、オレイン酸モノアミド、
    ステアリン酸モノアミドから選ばれた1種以上と、エチ
    レンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン
    酸アミドから選ばれた1種以上との溶融混合物を結合材
    として、鉄基粉末表面に合金用粉末及び/又は切削性改
    善用粉末が固着されていることを特徴とする粉末冶金用
    鉄基粉末混合物。
  2. 【請求項2】 ステアリン酸、オレイン酸アミド、ステ
    アリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビスス
    テアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスステア
    リン酸アミドから選ばれた1種以上の加熱溶融物0.1
    重量%以上1.0重量%以下を結合材として合金用粉末
    及び/又は切削性改善用粉末が表面に固着されている鉄
    基粉末と、ステアリン酸、オレイン酸アミド、ステアリ
    ン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビスステア
    リン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスステアリン
    酸アミドから選ばれた1種以上の遊離粉末0.1重量%
    以上0.5重量%以下と、ステアリン酸亜鉛の遊離粉末
    0.01重量%以上0.2重量%以下との混合物である
    ことを特徴とする粉末冶金用鉄基粉末混合物。
  3. 【請求項3】 結合材にオレイン酸、スピンドル油、タ
    ービン油から選ばれた1種以上の有機質液体潤滑剤0.
    01重量%以上0.3重量%以下を加えたことを特徴と
    する請求項2記載の粉末冶金用鉄基粉末混合物。
  4. 【請求項4】 ステアリン酸、オレイン酸アミド、ステ
    アリン酸アミド、ステアリン酸アミドとエチレンビスス
    テアリン酸アミドとの溶融混合物、エチレンビスステア
    リン酸アミドから選ばれた1種以上の加熱溶融物である
    結合材0.1重量%以上1.0重量%以下と、合金用粉
    末及び/又は切削性改善用粉末と、鉄基粉末とを混合
    後、該結合材が1種の場合はその融点プラス10〜10
    0℃に、該結合材が2種以上の場合はその最低の融点プ
    ラス10℃以上、最高融点以下に加熱冷却した後、これ
    に、ステアリン酸、オレイン酸アミド、ステアリン酸ア
    ミド、ステアリン酸アミドとエチレンビスステアリン酸
    アミドとの溶融混合物、エチレンビスステアリン酸アミ
    ドから選ばれた1種以上の粉末0.1重量%以上0.5
    重量%以下と、ステアリン酸亜鉛の粉末0.01重量%
    以上0.2重量%以下とを添加混合することを特徴とす
    る粉末冶金用鉄基粉末混合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記結合材にオレイン酸、スピンドル
    油、タービン油から選ばれた1種以上の有機質液体潤滑
    剤0.01重量%以上0.3重量%以下を加えて、合金
    粉末及び/又は切削性改善用粉末と鉄基粉末とを混合す
    ることを特徴とする請求項4記載の粉末冶金用鉄基粉末
    混合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、ワック
    スから選ばれた1種以上の加熱溶融物0.1重量%以上
    1.0重量%以下を結合剤として、合金用粉末及び/又
    は切削性改善用粉末が表面に固着されている鉄基粉末
    と、高級脂肪酸リチウムの遊離粉末0.1重量%以上
    1.0重量%以下との混合物であることを特徴とする粉
    末冶金用鉄基粉末混合物。
  7. 【請求項7】 遊離粉末に、高級脂肪酸、高級脂肪酸ア
    ミド、ワックスから選ばれた1種以上の粉末0.5重量
    %以下(0は含まず)を加えたことを特徴とする請求項
    6記載の粉末冶金用鉄基粉末混合物。
  8. 【請求項8】 高級脂肪酸アミド、ワックスから選ばれ
    た1種以上0.3重量%以上2.0重量%以下と、ステ
    アリン酸亜鉛0.01重量%以上0.1重量%以下との
    溶融混合物を結合材として、合金粉末及び/又は切削性
    改善用粉末が表面に固着されていることを特徴とする粉
    末冶金用鉄基粉末混合物。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の粉末冶金用鉄基粉末混合
    物と、高級脂肪酸リチウム、高級脂肪酸アミド、ワック
    スから選ばれた1種以上の遊離粉末1.0重量%以下
    (0は含まず)との混合物であることを特徴とする粉末
    冶金用鉄基粉末混合物。
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