JPH0688158A - グレー発色用アルミニウム合金 - Google Patents

グレー発色用アルミニウム合金

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JPH0688158A
JPH0688158A JP26079292A JP26079292A JPH0688158A JP H0688158 A JPH0688158 A JP H0688158A JP 26079292 A JP26079292 A JP 26079292A JP 26079292 A JP26079292 A JP 26079292A JP H0688158 A JPH0688158 A JP H0688158A
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JP
Japan
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gray
aluminum alloy
color
alloy
color development
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Pending
Application number
JP26079292A
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English (en)
Inventor
Shinobu Kamata
忍 鎌田
Satotoki Aiba
里時 相場
Shigenori Asami
重則 浅見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Aluminum Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 陽極酸化処理により、黄色味のあるグレーに
発色するグレー発色用アルミニウム合金を提供する。 【構成】 1)重量%で、Si0.50〜2.50%、
Fe0.20〜1.0%、Ti0.06〜0.20%を
含有しTi残部Alと不可避的不純物とからなることを
特徴とするグレー発色用アルミニウム合金。 2)重量%で、Si:0.50〜2.50%、Fe0.
20〜1.0%、Ti0.06〜0.20%を含有し、
更にMn0.05〜0.3%、Cr0.05〜0.3%
のうちの1種または2種を含有し、残部Alと不可避的
不純物とからなることを特徴とするグレー発色用アルミ
ニウム合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si及びFeを発色の
主成分とするグレー発色用アルミニウム合金であって、
さらに詳しくは硫酸浴による陽極酸化処理の段階で、黄
色味のあるグレーに発色するアルミニウム合金に関する
ものであり、特に建築用材料・器物など加工性、成形性
と装飾効果を必要とする製品に利用出来るものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】サッシ材・パネル材・器物等
に使用するアルミニウム材料は陽極酸化処理によってい
ろいろな色調の発色が得られることは周知の事実であ
る。硫酸浴による陽極酸化処理後の色調は、純Al系
(1000系)・Al−Mn系(3000系)・Al−
Mg系(5000系)などの既存合金では、銀白色であ
るが、建築用材料・器物などの装飾効果を必要とするア
ルミニウム製品では、銀白色以外の種々色調を有する合
金の需要が多い。一般にアルミニウム合金の中で、Al
−Si系合金及びAl−Fe系合金展伸材は、硫酸浴に
よる陽極酸化処理で皮膜がグレー色となりやすく、建築
用材料では、この種の合金を多く使用している。ところ
が一般に市場の要求としては青味の強いものや色の濃い
ものが特に希望されており従来のグレー発色の開発は、
青味や色の濃淡をコントロールする方法であり、近年装
飾効果の点から求められている黄色味のあるグレー発色
の開発は、殆どされていなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような状況
に鑑み鋭意検討の結果、硫酸浴による陽極酸化処理によ
って、得られる陽極酸化皮膜の色調が、濃い黄色味を帯
びたグレー色であり、かつ加工性、成形性に優れたグレ
ー発色用アルミニウム合金を開発したものである。
【0004】即ち第1発明は重量%でSi0.50〜
2.50%、Fe0.20〜1.0%、Ti0.06〜
0.20%を含有し、残部Alと不可避的不純物とから
なることを特徴とするグレー発色用アルミニウム合金で
あり、第2発明は重量%でSi0.50〜2.50%、
Fe0.20〜1.0%、Ti0.06〜0.20%を
含有し、更にMn0.05〜0.3%、Cr0.05〜
0.3%のうちの1種または2種を含有し、残部Alと
不可避的不純物とからなることを特徴とするグレー発色
用アルミニウム合金である。
【0005】
【作用】以下本発明の合金元素の添加理由と添加量の限
定理由について説明する。SiとFeはアルミニウム合
金の組織中に金属間化合物(Al−Si−Fe)を形成
させるもので、これらは硫酸浴による陽極酸化処理によ
り、グレー発色するための基本的な添加元素である。S
i量を0.50〜2.5%とするのは0.50%未満で
は淡い黄色味のグレー色となり、濃い黄色味のグレー色
が得られず、また2.5%を超えるとアルミニウム合金
の組織中に巨大なSi晶が晶出および析出するため、陽
極酸化皮膜の色調が濃灰黒色となり、かつ耐食性が著し
く悪化するためである。Fe量を0.2〜1.0%とす
るのはSiと化合し微細な金属間化合物(Al−Fe−
Si)を形成させ発色を安定させる効果を得るためであ
る。Feが0.2%未満ではグレー発色が濃い黄色味を
帯びないのと、Fe/Si比が小さくなるため、器物な
どの成形性を必要とする用途において限界絞り比が低下
し、耳率も大きくなるため実用的でない。また1.0%
を超えるとSiと同様に粗大晶を形成するため発色に色
調ムラが発生すると共に、曲げ加工性が劣化してしま
う。
【0006】Ti量を0.06〜0.20%とするの
は、アルミニウム合金の組織を微細化することおよび微
細なAl−Tiの金属間化合物をAl−Si−Fe化合
物間に分散させることで均一な発色を得るためである。
Tiが0.06%未満では、充分な組織の微細化が進ま
なく結晶粒径が大きくなりすぎ加工性の劣化がおきてし
まう。またTiが0.20%を超えるとAl−Tiの金
属間化合物の粗大粒が形成されFeと同様に加工性の劣
化が起きる。
【0007】第2発明において、上記元素の他にMn
0.05〜0.3%、Cr0.05〜0.3%のうちの
1種または2種を添加するのはAl−Mnの金属間化合
物および/またはAl−Crの金属間化合物を形成させ
ることにより黄色味をさらに濃くするためである。Mn
量が0.05%未満ではAl−Mnの金属間化合物が充
分に生成しないため、黄色味を増す効果がなく、0.3
%を超えるとAl−Mnの金属間化合物が大きく成長し
て製造工程中に結晶粒が粗大化して加工性が劣化する。
Cr量が0.05%未満ではAl−Crの金属間化合物
が充分に生成しないため黄色味を増す効果がなく、0.
3%を超えるとAl−Crの金属間化合物が粗大化し、
発色のバラツキが生じると共に耐食性が劣化する。
【0008】本発明合金を用いてアルミニウム合金板を
製造する方法としては、半連続式鋳造方式により、鋳塊
を製造し、まず均熱処理を施すがその温度は400℃以
上、600℃以下とし、1時間以上、24時間以下の加
熱を行うのが望ましい。即ち、400℃未満では熱間圧
延板の表層部の結晶粒の不均一(以下グレーンストリー
ク)が起きて発色の色調ムラが起きやすい。600℃を
超える温度では各添加元素の多くが固溶体として溶け込
むため特にAl6 FeがAl3 Feに相変態を起こすた
めグレー発色は起きなくなってしまう。さらに均熱時間
が1時間未満では鋳塊の均一加熱が充分に進まずグレー
ンストリークの原因となり、24時間を超えると各溶出
原子が固溶体として溶け込むためグレー発色が起きなく
なる。このようにして均熱処理を行い、その後に熱間圧
延によってコイルに仕上げる。この後は冷間圧延によっ
て所定の製品板厚にするが、その際の途中に焼鈍を入れ
てはならない。即ち中間焼鈍はその焼鈍前に形成された
金属間化合物が再び加熱されることにより、析出物とし
てアルミニウム合金組織内に粗大に成長してしまう。こ
の粗大金属間化合物は、不均一な発色ムラになったり加
工性や成形性を劣化させてしまうからである。更に、器
物などの成形性、加工性を必要とする用途については、
冷間圧延終了後、最終焼鈍を入れる。その際の焼鈍温度
は、250℃以上、400℃以下とする必要がある。焼
鈍温度が250℃未満では、再結晶されないため成形
性、加工性が著しく落ちる。また400℃を超えると、
金属間化合物が変化し、所望する色調が得られないから
である。以上のようにして製造したアルミニウム合金板
を脱脂、湯洗浄した後、硫酸浴による一般的な陽極酸化
処理を施す。尚、陽極酸化処理の処理条件の中では皮膜
の膜厚を5〜30μmにする必要がある。即ち、5μm
未満では皮膜が不安定のため色調がばらつきやすく、3
0μmを超える皮膜では濃い黒いグレー発色と成ってし
まう。その他の陽極酸化皮膜の特別な限定はない。
【0009】
【実施例】次に本発明を実施例により、更に詳細に説明
する。表1に示す、各組成のアルミニウム合金を520
℃×3Hrで均質化処理してから、450℃で熱間圧延を
して上がりの板厚を5mmとし、冷間圧延で1.5mmとし
た。この厚さで、350℃×4時間の最終焼鈍を行い、
15%の硫酸浴中で1.5A/dm2 ×30分の陽極酸化
処理を施し約15μの厚さの皮膜を形成させて、その色
調をスガ試験機色差計でそれぞれL値、a値、b値をJ
IS Z8729の規定に基づき測定をおこない、その
結果を表1に示した。ここでL値は明度を表わすもので
L値の数値が大きいほど明度が高く、a値は(+)側で
数値が大きいほど赤の度合が大きく、(−)側では線の
度合が増える。またb値は(+)側の数値が大きいほど
黄が、(−)側は青の度合が増えることを表わしてい
る。また成形性を1100合金である比較合金No.9と
比較して同等のものを○、それ以下であれば△、×とし
て評価し、表1に併記した。
【0010】
【表1】
【0011】表1から明らかなように、本発明合金No.
1〜8は黄色味のあるグレーに発色し、色調b値は3%
を超えている。これに対しSiとTiが本発明の範囲よ
り少い比較合金No.9は黄色味が劣り、Siが本発明の
範囲より多い比較合金No.10は粗大結晶粒となって、
表面に色ムラを生じ、Feが本発明の範囲より多い比較
合金No.11はNo.10と同様に粗大結晶粒となって色
ムラを生じ、成形時に肌荒れを生じた。Siの少い比較
合金No.12、Feの少い比較合金No.13は色調のb
値が低くグレー発色の程度が低くなった。Tiの少い比
較合金No.14は結晶組織の微細化が不完全となり、色
ムラが生じ成形時に若干の肌荒れを生じた。Mnの多い
比較合金No.15、Crの多い比較合金No.16、M
n、Crの両者が多い比較合金No.17はいずれも粗大
結晶粒となって色ムラ、成形時の肌荒れを生じた。
【0012】
【発明の効果】以上述べたように本発明合金は硫酸浴に
よる陽極酸化処理により、黄色味のあるグレーに発色す
るものであり、成形性と装飾性を要求される器物等に好
適な合金で、工業上顕著な効果を奏するものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Si0.50〜2.50%、
    Fe0.20〜1.0%、Ti0.06〜0.20%を
    含有し、残部Alと不可避的不純物とからなることを特
    徴とするグレー発色用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 重量%で、Si:0.50〜2.50
    %、Fe0.20〜1.0%、Ti0.06〜0.20
    %を含有し、更にMn0.05〜0.3%、Cr0.0
    5〜0.3%のうちの1種または2種を含有し、残部A
    lと不可避的不純物とからなることを特徴とするグレー
    発色用アルミニウム合金。
JP26079292A 1992-09-03 1992-09-03 グレー発色用アルミニウム合金 Pending JPH0688158A (ja)

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JPH0688158A true JPH0688158A (ja) 1994-03-29

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011179094A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Nippon Light Metal Co Ltd アルミニウム合金板およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011179094A (ja) * 2010-03-03 2011-09-15 Nippon Light Metal Co Ltd アルミニウム合金板およびその製造方法

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