JPH0488142A - 陽極酸化処理後の色調が黒色のアルミニウム合金およびその製造方法 - Google Patents

陽極酸化処理後の色調が黒色のアルミニウム合金およびその製造方法

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JPH0488142A
JPH0488142A JP20164290A JP20164290A JPH0488142A JP H0488142 A JPH0488142 A JP H0488142A JP 20164290 A JP20164290 A JP 20164290A JP 20164290 A JP20164290 A JP 20164290A JP H0488142 A JPH0488142 A JP H0488142A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は陽極酸化処理を施して使用される用途のアル
ミニウム合金材料、例えばビルのカーテンウオールや内
装材などの建材、あるいは器物、容器、電気計測機器筐
体、銘板、さらには遠赤外線放射用部材や太陽熱吸収用
部材等に使用されるアルミニウム合金およびその製造方
法に関するものである。
従来の技術 一般にカーテンウオールや内装材などの建材、あるいは
器物、容器、電気計測機器筐体などに使用されるアルミ
ニウム合金は、耐食性の観点から陽極酸化処理を施して
用いられることが多い。これらの用途の陽極酸化処理用
アルミニウム合金としては、淡灰色系からシルバー系の
ものが多く、このような合金としては一般に11510
50050合金00合金、5005005合金用される
ことが多く、また灰色系のものとしてはAl−]〜4%
81合金が一般的である。また陽極酸化処理には、経済
性および耐食性の点から硫酸電解浴が従来から多用され
ている。
ところでビルの外装材や内装材などの建材の用途におい
ては、色調の多様化が進んであり、デザイン上の要請な
どから黒色の色調を有するアルミニウム合金材料が求め
られることがある。一方器物、容器、電気計測器筐体や
銘板などの用途でもデザイン上の観点から黒色の色調を
有することが求められる場合があり、またこれらのうち
でも調理用容器、器物などでは熱効率上の要請から黒色
の色調が望まれることがある。さらに、黒色の色調は、
遠赤外放射に有効であるとともに、太陽熱吸収にも有効
であることから、これらの部材には黒色の色調が求めら
れる。
一般に陽極酸化処理板に所要の色調を与えるための方法
としては、塗装、染色、二次電解着色、陽極酸化処理液
による発色等があるが、経済性や耐食性、退色性等の点
からは、陽極酸化処理のまま、特に低廉な硫酸浴による
陽極酸化処理のままでの発色が望まれている。しかしな
がら前述のような黒色の色調を有するアルミニウム合金
陽極酸化処理材を得る方法としては、従来は二次電解法
や染色法あるいは塗装などに依らざるを得ず、陽極酸化
処理のままで、特に経済性や耐食性の優れた通常の硫酸
電解浴による陽極酸化処理のままで黒色の色調を得るこ
とは困難とされていたのが実情である。
そこで本願発明者等は既に特願平2−54175号、特
願平2−54177号において、鋳造速度5℃/sec
以上の主に薄板連続鋳造法を適用することにより、硫酸
浴による陽極酸化処理のままで黒色の色調が得られるよ
うにしたAl−MgMn系合金を提案している。また同
しく本願発明者等は既に特願平2−5176号において
、鋳造速度にかかわらず、硫酸浴による陽極酸化処理の
ままで黒色の色調が得られるようにした、Mg量が2.
0〜4.5wt%の比較的高MgのAl−Mg−Mn系
合金を提案している。
発明が解決しようとする課題 前述のような本願発明者等による提案のうち、特願平2
−54175号、特願平2−54177号の提案による
Al−Mn−Mg系合金では、薄板連続鋳造で代表され
る鋳造速度の速い鋳造を適用した場合に陽極酸化処理後
の色調として黒色が得られるが、この場合は表面模様が
生じやすく、そのため均一な黒色が要求される建材等の
用途では未だ不充分と言わざるを得なかった。また特願
平2−5176号による提案のAl−Mn−Mg系合金
ではMgを20〜45W(%と比較的多量に含有させる
ことによって陽極酸化処理後の色調として黒色を得るこ
とが可能となっているか、このように比較的Mgを多量
に含有する合金では、材料が硬くて加工性が悪く、成形
加工によってリューダースマークが発生しやすく、また
圧延に困難を伴なう等の問題がある。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、鋳
造速度の比較的遅いDC鋳造法を適用して、通常の硫酸
電解浴を用いた陽極酸化処理のままで黒色の色調を得る
ことができ、かつ加工性も優れたアルミニウム合金およ
びその製造方法を提供することを目的とするものである
課題を解決するための手段 前述のような課題を解決するべく本発明者等が鋭意実験
・検討を重ねた結果、合金中におけるMn系析出物のサ
イズと種類が、本質的に陽極酸化皮膜の黒色化に寄与す
ること、そして合金成分量と合金中におけるMn系析出
物のサイズと種類を適切に調整することによって、加工
性を損なうことなく、硫酸電解浴による陽極酸化処理後
の色調が黒色となるアルミニウム合金をDC鋳造によっ
て得られることを見出し、この発明をなすに至った。
具体的には、請求項1の発明のアルミニウム合金は、M
 n  0.6W[%−2.Qwt%、M g 0.5
W1%以下、Fe0.3vt%以下、Si0.1wt%
以下を含有し、かつ結晶粒微細化剤としてTi11.0
03〜0.156%を単独でもしくはB1〜100pn
以下と組合せて含有し、残部がAlおよび不可避的不純
物よりなり、しかもMn系の析出物のサイズが0.01
1Lm以上でかつ総析出物中のSiの量が合金全重量の
0、07wt%以下であることを特徴とするものである
また請求項2の発明のアルミニウム合金は、Mn  Q
、6vt%〜2.0wt%、M g  0.5wt%以
下、Cr 0.05〜0.3wt%、FeOJwt%以
下、SiQ、lwt%以下を含有し、かつ結晶粒微細化
剤としてTi0.003〜!]、l5wt%を単独でも
しくはB1〜10G四以下と組合せて含有し、残部がA
lおよび不可避的不純物よりなり、しかもMn系の析出
物のサイズが001μs以上でかつ総析出物中のSiの
量が合金全重量の107wt%以下であることを特徴と
するものである。
一方請求項3、請求項4の発明の製造方法は、それぞれ
請求項1、請求項2に記載の成分組成の合金の溶湯をD
C鋳造法により鋳造した後、その鋳塊に対し 350℃
〜550℃で05時間以上加熱する処理を施し、その後
熱間加工、または熱間加工および冷間加工を施して、M
n系析出物のサイズが0.014un以下でかつ総析出
物中のSiの量が全合金重量の0.07wt%以下であ
ることを特徴とするものである。
なおこの発明において陽極酸化処理後の色調の黒色につ
いては、ハンターの色差式(Its z8730参照)
による明度指数りとクロマティクネス指数a、bの値に
よって定義することができる。すなわち、明度指数のL
値は高いほど白く、一方りロマティクネス指数は着色度
についてのものであってそのa値は高いほど赤味が強く
、b値は高いほど黄味が強いことをあられす。そしてこ
の発明で目的とする黒色の色調とは、L値、a値、b値
が、L〈50、−2<a< 2、−2<b< 2を満た
す色調と定義することができる。
作   用 本発明者等は、前述のように合金中におけるMn系析出
物のサイズと種類が陽極酸化処理によって黒色の色調を
発色させるに寄与することを見出した。
すなわち、Mn系析出物としては、Al6Mn。
Al6  (MnFe) 、aA/Mn (Fe)S 
i、およびそれらにCr、Ti等が微量固溶されたもの
などがあるが、これらのうち、Al6Mn析出物および
A16(MnFe)析出物、特に0.01um以上のサ
イズのこれらの析出物が黒色の発色に寄与し、これに対
しSiを含有するMn系析出物、例えばαA/Mn (
Fe)S i析出物は黄色味を強くすることから黒色の
発色には好ましくないことを見出した。そこでこの発明
では、Mn系析出物のうちでも特に0.01um以上の
析出物サイズのAl6 Mn、Al6  (MnFe)
を析出させる−方、Siを含有するMn系析出物はでき
るたけ析出させないようにすることによって、陽極酸化
処理後に黒色系の色調を得ようとしているのである。
したがってこの発明における合金成分も、主として加工
性を損なうことなく上述のような析出物条件を満たせる
観点から定められる。
次にこの発明におけるアルミニウム合金の成分組成の限
定理由を説明する。
Mn Mnは前述のようにAj!−Mn系の金属間化合物を生
成し、陽極酸化処理後の色調を決定する重要な元素であ
り、Al−Mn系金属間化合物析出物、特にSiを含有
しない系の0.01μs以上のAlMn系金属間化合物
析出物を析出させることが陽極酸化皮膜の黒色化のため
に必要である。またこれらの析出物の析出密度としては
、析出物サイズ0.01〜以上1μmまでのものが1X
107個/−以上存在することが黒色化のために望まし
い。このような析出状態を達成するための代表的な要件
としては、金属間化合物生成元素が所定量歯まれること
、および析出のための加熱温度が適切であることがある
。そしてMnはAl−Mn系金属間化合物生成のための
主要元素であって、陽極酸化皮膜の黒色化に寄与するが
、Mn量か0.6wt%未満ては充分な陽極酸化皮膜の
黒色化が困難となり、一方2.Owt%を越えた場合に
は、鋳造時、特に通常のDC鋳造(半連続鋳造)時に初
晶として粗大金属間化合物が生成されるため好ましくな
い。したがってMn量はQ、 5wt%以上、2. 0
wt%以下とした。
Mg: Mg量が多過ぎれば、強度が高くなり過ぎて、加工性を
損なったり、あるいはりューダースマークが発生したり
して、この発明の目的に沿わなくなる。すなわち、一般
にカーテンウオール等の陽極酸化処理建材では、平坦度
が良好なことが要求されるため、Hlnテンパー材すな
わち中間焼鈍後に冷間加工を施して製造されることが多
いが、Mg量が多ければ硬くなり過ぎて曲げ性等の加工
性が低下する。一方冷間加工を行なわずに焼鈍で仕上げ
れば、平坦度を得るためのストレッチャー等の歪矯正工
程でリュータースマークが発生し、好ましくなくなる。
特にMg量がfJ、 5wt%を越えると上述の問題が
発生するから、Mg量は05W1%以下に規制すること
とした。
Cr・ 請求項2のアルミニウム合金の場合はCrが添加される
。Crは陽極酸化皮膜の黒色化を一層促進させるに有効
であり、またCrの添加は黒色の色調を若干変化させる
効果がある。すなわち、Cr添加なしの場合はやや青み
がかった黒色となっているが、Crを添加することによ
って青みが消えてやや黄みがかる。Cr量が0.05w
t%未満では上記の効果が得られず、一方0.3wt%
を越える場合には粗大な化合物が生成されてしまうから
、Crを添加する場合のCr添加量は0.05〜0. 
3wt%の範囲内とした。
Fe: FeはAl−Mn系金属間化合物の析出に影響を与える
が、陽極酸化皮膜の黒色の色調には本質的な影響は与え
ない。但しFe量が多ければ陽極酸化皮膜が濁った感じ
となり、また粗大なMn化合物の晶出を促進してしまう
問題が生じる。このような問題の発生を防ぐためには、
Fe量は0311%以下とする必要がある。
Si: SiもAl−Mn系金属間化合物の析出に影響を与え、
Siが存在すれば αA1Mn(Fe)Si相が生じる。この相は陽極酸化
処理後の色調に黄味を増して黒色化を阻害する。このよ
うにSiは黒色化を妨げる大きな原因となるため、その
含有量を少量に規制する必要がある。Si量がQ、1w
t%を越えれば陽極酸化処理後の色調に黄味が強くなる
から、Si量は0.01W1%以下に規制することとし
た。さらに総析出物中のSi量(合金全重量に対する析
出物中のSi重量%)が0.07wt%を越える場合も
陽極酸化処理後の色調の黄味が強くなるから、その量も
0.07wt%以下に規制することとした。
Ti、B: Tiは鋳塊の結晶粒を微細化して、圧延板のストリーク
ス、キメを防止する効果があるが、Ti0、003wt
%未満ではその効果が得られず、一方Tiが0−15w
+%を越えればTiAla系粗大金属間化合物が生成さ
れてしまうらか、Tiは0003〜0.15wt%の範
囲内とした。またBはTiと共存して結晶粒微細化を促
進する元素であり、Tiと組合されて添加されることが
ある。但しB量が1四未満ではその効果が得られず、一
方100四を越えればその効果が飽和し、また粗大Ti
B2粒子が生成されて線状欠陥が発生するから、T1と
組合されて添加するBは 1〜100−の範囲内とした
このほか、Al−Mg系合金においては、溶湯の酸化を
防止するために微量のBeを添加することが従来から行
なわれているが、この発明のアルミニウム合金の場合に
も 500四程度以下のBeを添加することは特に支障
ない。
さらにこの発明のアルミニウム合金においては、Ni、
Zr、V、Cu、Zn等が含まれることがある。これら
のうちNi、Zr、Vは陽極酸化皮膜の色調に本質的に
影響しないが、Ni1.Owt%以上、Zr0.3wt
%以上、V 0.3vI%以上では鋳造が困難となるか
ら、NiはI、 0wt5未満、ZrはQ、 3wt%
未満、VはQ、3wt96未満に抑制することが望まし
い。またCu、Znは陽極酸化皮膜の色調に若干の変化
を与えるものの、Cu  0.3wt96未滴、Zn2
,9wt%未満では黒色化に本質的な影響は与えない。
以上のように成分組成を定めかつ最終板における総析出
物中のSi量を合金全重量の0.07wt%以下ととす
ることによって系析出物はその大部分がA/6Mnもし
くはAla(MnFe)となるが、さらに陽極酸化処理
後の色調として黒色の色調を確保するためには、最終板
におけるMn系析出物のサイズを0.01um以上とす
る必要がある。すなわち、析出物が0.011Lff1
未満の微細なものである場合には、陽極酸化処理後の色
調が薄くなって黒色の色調が得ら、れなくなってしまう
。したがってMn系析出物のサイズとしてはLO1un
以上であることが必要である。なおここで、Mn系析出
物のサイズが0.01μs以上であるとは、要は全Mn
系析出物のうちの大半を001μm以上のものが占めて
いれば良く、具体的には、Mn系析出物の全個数のうち
90%以上が0.01um以上のものであれば良い。
次に請求項3、請求項4に記載の発明の方法、すなわち
製造方法について述べる。
先ず前述のような成分組成の合金の溶湯を常法に従って
溶製し、DC鋳造法(半連続鋳造法)によって鋳塊とす
る。前述のような成分範囲内の合金であれば、鋳造速度
の影響はほとんど受けず、比較的鋳造速度の遅いDC鋳
造法でも陽極酸化処理後の色調として充分に黒色の色調
を得ることができるのである。なお薄板連続鋳造のよう
な凝固速度の速い鋳造法でももちろん黒色化は達成でき
るが、この点については改めて後述する。
次いでその鋳塊に対し、35(1〜5St1℃の範囲内
の温度で05時間以上の加熱を施す。この鋳塊加熱は、
−船釣な鋳塊組織均質化のために必要であるばかりでな
く、陽極酸化処理後の色調として黒色の色調を与えるた
めに必要な工程である。すなわちこの鋳塊加熱によって
、Mn系析出物であるA l a M n 、  A 
l a  (M n F e )の析出を促進させて、
これらの析出物による陽極酸化処理後の黒色の発色に寄
与する。鋳塊加熱温度が350℃未滴では析出物が小さ
過ぎて、陽極酸化処理後の色調として黒色が得られず、
一方550℃を越えれば陽極酸化処理後の色調が薄くな
ってしまう。また鋳塊加熱時間は、昇温過程から保持、
冷却を通じて350〜550℃の範囲内となっている時
間が0.5時間以上であれば良く、その時間が05時間
未満では前述の効果が充分に得られない。なお24時間
を越える長時間の加熱は経済性の低下を招くだけである
から、加熱時間は24時間以内とすることが好ましい。
上述のような鋳塊加熱の後熱間加工として例えば熱間圧
延を行なって最終板厚とするか、あるいは熱間加工とし
ての熱間圧延および冷間加工としての冷間圧延を行なっ
て最終板厚とする。ここで、熱間圧延は常法にしたがっ
て行なえば良いが、鋳塊の加熱温度以下で行なうのが一
般的である。熱間圧延の直後、あるいは冷間圧延の間に
は、中間焼鈍を行なっても良い。中間焼鈍は、300〜
500℃の範囲内の温度で0.5〜24時間行なうのか
好ましい。中間焼鈍温度が300℃未満では再結晶せず
、一方500℃を越えれば表面に酸化が生じて変色して
しまうおそれがある。また中間焼鈍時間が05時間未満
では再結晶が充分に達成されず、一方24時間を越えて
も経済性が低下するだけである。
なお熱間加工としては、熱間圧延のほか、熱間押出や熱
間鍛造を行なっても良く、この場合はその後に冷間加工
を行なわないのが通常である。
以上のようにして加工された最終材においては、既に述
べたように全析出物中のSi量が合金全重量に対し0.
07wt%以下となり、かつMn系析出物が主として0
.01μs以上のサイズのA l 6 M n 。
Aha(MnFe)となり、このような材料に対して陽
極酸化処理を施すことによって、黒色の色調を安定して
得ることができる。
なお以上の請求項3、請求項4の発明の方法に関しては
鋳造法としてDC鋳造法を適用するものとしたが、本来
請求項1、請求項2の発明の合金は、薄板連続鋳造法を
適用した場合でも陽極酸化処理後の色調として黒色を得
ることができる。この場合は、前述のようなMn系析出
物の析出のための 350〜b 圧延前あるいは冷間圧延の中途で必要に応して行なわれ
る中間焼鈍、あるいは冷間圧延後に必要に応じて施され
る最終焼鈍などと兼ねて行なうことができる。
以上のような材料に対しては、通常の硫酸電解浴を用い
た陽極酸化処理によって黒色の色調を得ることができる
が、その場合のプロセスについて次に説明する。
陽極酸化処理にあたっては、予め表面の汚れおよび表面
の欠陥を除去しておくため、脱脂およびエツチングを行
なうのが一般的である。エツチングは、苛性ソーダ系の
アルカリエツチングを行なうのが通常である。そして陽
極酸化処理自体は、H2SO4濃度が10〜25voJ
%の硫酸浴を用い、浴温度10〜30℃、電流密度1.
5A/dn(以上25A/−未滴で行ない、膜厚10〜
30urnの陽極酸化皮膜を生成させる。
ここで、硫酸浴のH2so4濃度がl Q vof%未
満では生成される陽極酸化皮膜の多孔度が減少して浴電
圧が高くなる。一方H2S0.21度が25 vo/ 
96を越えれば、表面が荒れて陽極酸化皮膜が柔かくな
る。また浴温度が10℃未満では所要の膜厚を得るため
に長時間の処理を要して不経済となり、方30℃を越え
れば陽極酸化処理後の耐食性が低下してしまう。さらに
電流密度は、2.5A/dn1以上では処理に多大な電
力を要し、実用的でなく、方1.5A/dff!未満で
は、陽極酸化処理後の色調が薄くなって黒色が得られな
くなる。また生成される陽極酸化皮膜の膜厚がlOμs
未満では充分な耐食性が得られず、一方30uj11を
越えるまで厚くすることは経済的でない。
実  施  例 第1表に示す合金面1〜4の溶湯を常法にしたがって溶
製し、半連続鋳造法(DC鋳造法)によッテ450m 
X 120[1m X 4000!l11(7) スラ
ブを鋳造した。
得られた各スラブについて面削後、第2表の条件Nα1
〜5に示すような種々の条件で鋳塊加熱を行ない、45
0℃で熱間圧延を施して板厚4帥の熱延板とした。次い
で板厚2mまで冷間圧延した後、4θQ’l::x2h
+の中間焼鈍を行ない、さらに板厚1.5mmまで冷間
圧延した。
その後、各板について10%N a OH水溶液でエツ
チングし、水洗後硝酸でデスマット処理を行なった。次
いでH2SO4濃度15 vo1%の硫酸浴を用いて、
浴温20℃、電流密度1.5A/dnlで陽極酸化処理
を行ない、それぞれ膜厚20ILmの陽極酸化皮膜を生
成させた。
各板の陽極酸化皮膜の表面色調について、スガ試験機製
カラーメーター SM−3−MCHを用いて調べた。色
調は、ハンターの色差式による明度指数りおよびクロマ
ティクネス指数a、bを用いて評価した。その結果を第
3表に示す。
また各板について、板全重量中に占める析出物中のSi
量の割合を分析した。その結果を第3表中に示す。なお
このSi量の分析は、第1図に示す方法によって行なっ
た。
第 表 また条件Nα1,3により得られた各圧延板について析
出物のサイズを透過型電子顕微鏡により調べたところ、
いずれも析出物サイズは0.02〜0.8μs、密度は
IX 109〜IQ11個/−であった。
以上のように、析出物条件および合金成分組成がこの発
明で規定する条件、組成を満たしている条件Nα1、N
a3の圧延板は、第3表に示したように陽極酸化処理後
の色調として黒色の色調を安定して得ることができた。
なお条件NQ1.14113の圧延板はいずれも良好な
成形加工性を有することが確認されている。
発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、請求項1、請求項
2の発明のアルミニウム合金は、比較的鋳造速度の遅い
DC鋳造法を適用した場合でも陽極酸化処理によって黒
色の色調を確実かつ安定して得ることができ、また加工
性も良好である。また請求項3、請求項4の方法によれ
ば、実際にDC鋳造法を適用して陽極酸化処理後に黒色
の色調を呈するアルミニウム合金材料を容易に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は全析出物中のSl量が占める割合を測定するた
めの代表的な方法を示すフローチャート図である。 第 図 出願人  スカイアルミニウム株式会社代理人  弁理
士  豊 1)武 久

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)Mn0.6wt%〜2.0wt%、Mg0.5w
    t%以下、Fe0.3wt%以下、Si0.1wt%以
    下を含有し、かつ結晶粒微細化剤としてTi0.003
    〜0.15wt%を単独でもしくはB1〜100ppm
    以下と組合せて含有し、残部がAlおよび不可避的不純
    物よりなり、しかもMn系の析出物のサイズが0.01
    μm以上でかつ総析出物中のSiの量が合金全重量の0
    .07wt%以下であることを特徴とする、陽極酸化処
    理後の色調が黒色のアルミニウム合金。
  2. (2)Mn0.6wt%〜2.0wt%、Mg0.5w
    t%以下、Cr0.05〜0.3wt%、Fe0.3w
    t%以下、Si0.1wt%以下を含有し、かつ結晶粒
    微細化剤としてTi0.003〜0.15wt%を単独
    でもしくはB1〜100ppm以下と組合せて含有し、
    残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、しかもMn
    系の析出物のサイズが0.01μm以上でかつ総析出物
    中のSiの量が合金全重量の0.07wt%以下である
    ことを特徴とする、陽極酸化処理後の色調が黒色のアル
    ミニウム合金。
  3. (3)Mn0.6wt%〜20wt%、Mg0.5wt
    %以下、Fe0.3wt%以下、Si0.1wt%以下
    を含有し、かつ結晶粒微細化剤としてTi0.003〜
    0.15wt%を単独でもしくはB1〜100ppm以
    下と組合せて含有し、残部がAlおよび不可避的不純物
    よりなる合金の溶湯をDC鋳造法により鋳造した後、そ
    の鋳塊に対して350〜550℃で0.5時間以上加熱
    する処理を施し、さらに熱間加工を施すかもしくは熱間
    加工と冷間加工を施し、これによってMn系の析出物の
    サイズが0.01μm以上でかつ総析出物中のSiの量
    が全合金重量の0.07wt%以下であるアルミニウム
    合金を得ることを特徴とする、陽極酸化処理後の色調が
    黒色のアルミニウム合金の製造方法。
  4. (4)Mn0.6wt%〜2.0wt%、Mg0.5w
    t%以下、Cr0.05〜0.3wt%、Fe0.3w
    t%以下、Si0.1wt%以下を含有し、かつ結晶粒
    微細化剤としてTi0.03〜0.05wt%を単独で
    もしくはB1〜100ppm以下と組合せて含有し、残
    部がAlおよび不可避的不純物よりなる合金の溶湯をD
    C鋳造法により鋳造した後、その鋳塊に対して350〜
    550℃で0.5時間以上加熱する処理を施し、さらに
    熱間加工を施すかもしくは熱間加工と冷間加工を施し、
    これによってMn系の析出物のサイズが0.01μm以
    上でかつ総析出物中のSiの量が全合金重量の0.07
    wt%以下であるアルミニウム合金を得ることを特徴と
    する、陽極酸化処理後の色調が黒色のアルミニウム合金
    の製造方法。
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