JP2965219B2 - 遠赤外線放射体 - Google Patents

遠赤外線放射体

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JP2965219B2 JP3155229A JP15522991A JP2965219B2 JP 2965219 B2 JP2965219 B2 JP 2965219B2 JP 3155229 A JP3155229 A JP 3155229A JP 15522991 A JP15522991 A JP 15522991A JP 2965219 B2 JP2965219 B2 JP 2965219B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、暖房、調理、その他
各種の加熱のために遠赤外線を放射する部材に関するも
のであり、特に基材としてアルミニウム合金を用いて陽
極酸化皮膜を形成した遠赤外線放射体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に遠赤外線を利用したヒーター類に
おいては、放射体の遠赤外線放射率が高く、しかも10
0℃以上の比較的低い表面温度で可視領域の放射が少な
い反面、遠赤外線領域の放射の多いものが要求される。
このような要求を満たす放射体としては、従来はアルミ
ナ、グラファイト、ジルコニア等の各種セラミック材料
で構成したものが実用化されている。そしてこれらの材
料のうちでも、遠赤外線放射特性の面ではアルミナが他
のセラミック材料と比較して優れた性能を有することが
知られている。
【0003】しかしながら従来のセラミック材料からな
る遠赤外線放射体は、その重量が大きく、また割れ易
く、さらには薄いものを作成することが困難であり、ま
た熱伝導性が劣るため放射体の加熱効率が悪い等の問題
があった。
【0004】そこで金属基材の表面にセラミックを溶射
した放射体も実用化されているが、この場合は製造に高
コストを要し、また薄板や複雑形状の放射体を得ること
は困難である等の問題がある。
【0005】ところでセラミック材料のうちでもアルミ
ナについては、アルミニウムの表面を陽極酸化処理して
アルマイト皮膜(陽極酸化皮膜)を生成することによ
り、アルミニウム基材表面にアルミナからなる層を容易
に生成することができる。この場合は、基材がアルミニ
ウムであるため熱伝導性が良好となり、しかも表面の陽
極酸化皮膜はアルミナであるため遠赤外線放射特性も良
好であり、したがって熱伝導性と遠赤外線放射特性との
両者を満たすことができる。そこで最近では上述のよう
にアルミニウム基材の表面を陽極酸化処理した遠赤外線
放射体が試みられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
アルミニウム基材の表面に陽極酸化処理を施した放射体
は、次の(1)〜(3)に示すような欠点を有するため
に、限られた用途にしか適用できないという問題があっ
た。 (1)200℃以上ではアルマイト皮膜にクラックが生
じやすく、そのため放射率が不安定になるとともに耐食
性も悪くなる。 (2)3〜7μmの波長域における放射率が低い。 (3)鋳造や各種塑性加工などによって複雑な形状の部
材を得ることが困難である。
【0007】以上のような問題のうち(1)について
は、200℃以上の高温でもクラックが生じにくい陽極
酸化皮膜を生成し得るアルミニウム合金を用いれば、問
題は解決することができるが、このようなアルミニウム
合金は遠赤外線放射体としては現在のところ知られてい
ない。
【0008】また前記(2)に記載の問題については、
赤外線放射体におけるアルミニウム基材表面の陽極酸化
皮膜を染料で着色することにより、前記波長域における
放射率を改善できることが知られている。ところがこれ
らの方法では、着色工程が増えて高コスト化を招き、さ
らには200℃以上の高温では染料等が分解したり皮膜
にクラックが生じたりして、その波長帯における放射率
が不安定となり、放射特性が低下してしまう問題があ
る。
【0009】さらに前記(3)の問題については鋳造や
各種塑性加工が可能なアルミニウム合金を用いれば問題
を解決できるが、鋳造や押出し、鍛造等の塑性加工が可
能でしかも陽極酸化処理によって安定して黒色となって
良好な遠赤外線放射特性を得ることができるアルミニウ
ム合金は、現在までのところ知られていなかったのが実
情である。
【0010】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、200℃以上の高温においても熱歪によるク
ラックが陽極酸化皮膜に生じにくいとともに、遠赤外線
放射特性に優れ、しかも鋳造や鍛造、押出し等の種々の
加工法での製造を可能にして複雑な形状の部材が得られ
るようにした、アルミニウム合金を基材とする遠赤外線
放射体を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前述の課題
を解決するべく鋭意実験・検討を重ねた結果、基材のア
ルミニウム合金を、相当量のSiを含有する成分系と
し、さらには基材表面における金属Si粒子の分散状態
を適切に調整することによって、前述の課題を解決し得
ることを見出し、この発明をなすに至った。
【0012】 具体的には、請求項1に記載の発明の遠
赤外線放射体は、Si3〜25wt%を含有し、残部が
Alおよび不可避的不純物よりなる合金が基材とされ、
かつその基材の表面における初晶Si、共晶Siもしく
は析出Siからなる金属Si粒子のうち粒径0.05μ
m以上の金属Si粒子が存在しない領域に描ける円の最
大直径が50μm以下であり、かつ粒径0.05μm以
上の金属Si粒子が存在しない領域のうち、直径15μ
mの円を描ける領域の合計面積が、全体の面積に対し面
積率30%以下であり、さらに基材の表面に膜厚10μ
m以上の黒色の陽極酸化皮膜が形成されていることを特
徴とするものである。
【0013】また請求項2に記載の発明の遠赤外線放射
体は、Si3〜25wt%を含有し、かつFe0.05
〜2.0wt%、Mg0.05〜2.0wt%、Cu
0.05〜6.0wt%、Mn0.05〜2.0wt
%、Ni0.05〜3.0wt%、Cr0.05〜0.
5wt%、V0.05〜0.5wt%、Zr0.05〜
0.5wt%、Zn1.0%を越え7.0wt%以下の
うちの1種または2種以上を含有し、残部がAlおよび
不可避的不純物よりなる合金が基材とされ、その基材の
表面における初晶Si、共晶Siもしくは析出Siから
なる金属Si粒子のうち粒径0.05μm以上の金属S
i粒子が存在しない領域に描ける円の最大直径が50μ
m以下であり、かつ粒径0.05μm以上の金属Si粒
子が存在しない領域のうち、直径15μmの円を描ける
領域の合計面積が、全体の面積に対し面積率30%以下
であり、さらに基材の表面に膜厚10μm以上の黒色の
陽極酸化皮膜が形成されていることを特徴とするもので
ある。
【0014】さらに請求項3に記載の発明の遠赤外線放
射体は、基材の合金成分として、請求項1もしくは請求
項2に記載の合金元素のほか、さらにTi0.005〜
0.2wt%を含有するとともに、P0.005〜0.1
wt%、Na0.005〜0.1wt%、Sb0.005〜
0.3wt%、Sr0.005〜0.1wt%のうちの1種
または2種以上を含有することを特徴とするものであ
る。
【0015】
【0016】
【作用】この発明の遠赤外線放射体は、基本的には相当
量(3〜25wt%)のSiを含有するAl−Si系の
アルミニウム合金を基材とし、かつその表面の金属Si
粒子の分散状態を適切に制御して、表面に黒色の陽極酸
化皮膜を生成したものである。
【0017】このように相当量のSiを含有するアルミ
ニウム合金では、後に改めて説明するように金属Si粒
子がその組織中に分散しており、その基材表面を陽極酸
化処理させれば、陽極酸化皮膜中にも金属Si粒子とし
て取込まれる。そして陽極酸化皮膜中に金属Si粒子が
分散しているため、入射光が散乱吸収されて、遠赤外線
の放射特性が向上する。また可視光線も吸収されるた
め、目視の色調も黒くなる。さらに、陽極酸化処理時に
おいて陽極酸化皮膜(多孔質層)が成長する過程では、
ポアは金属Si粒子を避けるようにして成長することか
ら、皮膜中のポアは枝分かれした構造となり、このよう
な枝分かれポア構造によって入射光に対する陽極酸化皮
膜内での散乱吸収が良好となり、遠赤外線の放射特性が
一層向上する。
【0018】さらに、陽極酸化皮膜中に分散して存在す
る金属Si粒子は応力の緩和点としても機能し、また前
述のようなポアの枝分かれ構造は歪の吸収能力が高く、
そのためクラックが生じにくいとともに、仮にクラック
が発生してもその伝播が阻止される。
【0019】ここで、この発明の遠赤外線放射体の基材
アルミニウム合金における成分組成の限定理由について
述べる。
【0020】Si:Siはこの発明において基本的に重
要な合金成分である。Siは鋳造時にその添加量に応じ
て初晶Si、共晶Siとして晶出し、またこれらの晶出
Siは必要に応じて行なわれる熱処理や塑性加工によっ
てその形状が変化する。また必要に応じて熱処理された
場合、Alマトリックス中からも金属Siが析出する。
これらの初晶Si、共晶Si、析出Siは、前述のよう
に陽極酸化処理時に金属Si粒子として陽極酸化皮膜中
に取込まれ、入射光に対する散乱、吸収を通じて遠赤外
線放射特性の向上に寄与するとともに、クラックの発生
防止に寄与する。さらに金属Si粒子は、前述のように
皮膜内のポアを枝分かれ構造とすることに寄与し、これ
によっても遠赤外線放射特性の向上とクラック発生防止
に寄与する。基材アルミニウム合金のSi量が3wt%未
満では、金属Si粒子の数が少なく、遠赤外線の放射が
不充分となる。一方Si量が25wt%を越えれれば、陽
極酸化皮膜中の金属Si粒子の体積率が大き過ぎて陽極
酸化皮膜の強度、耐食性が低下してしまう。したがって
Si量は3〜25wt%の範囲内とした。なお基材の製造
にダイカスト鋳造を適用する場合は、Si量が15wt%
を越える場合には鋳造性が低下するから、15wt%以下
とすることが好ましい。またDC鋳造法(半連続鋳造
法)を適用しかつ圧延に供する場合も、Si量が15wt
%を越えれば圧延割れが生じやすくなって製造が困難と
なるから、15wt%以下とすることが好ましい。一般的
には、Si量が15wt%を越える場合は粉末冶金法を適
用することが好ましい。
【0021】基材のアルミニウム合金の成分元素として
は、上記のSiのほかは、基本的にはAlおよび不可避
的不純物とすれば良い。すなわち、Al,Si以外の元
素は不可避的不純物扱いとして、請求項2、請求項3で
規定する下限値未満としても、この発明の所期の目的は
達成することができる。
【0022】但し、請求項2で規定しているように、強
度向上のためにFe,Mg,Cu,Mn,Ni,Cr,
V,Zr,Znのうちの1種または2種以上を含有して
いても良い。これらの添加理由は次の通りである。
【0023】Fe:Feは強度向上および結晶粒微細化
のために有効である。Fe量が0.05wt%未満ではそ
の効果が得られず、2.0wt%を越えれば陽極酸化皮膜
の強度と耐食性が低下する。またFe量が2.0wt%を
越えれば、SiがFeと化合してAl−Fe−Si系の
金属間化合物の量が増加し、遠赤外線放射特性が低下す
る。したがってFeを添加する場合のFe量は0.05
〜2.0wt%の範囲とする。なおダイカスト鋳造を適用
する場合は、Fe量が0.2wt%以上であることが好ま
しい。すなわちFe量が0.2wt%未満では焼付きが生
じやすくなってダイカスト鋳造が困難となることがある
からである。
【0024】Mg:Mgも強度向上に寄与する。Mg量
が0.05wt%未満ではその効果が得られず、一方2.
0wt%を越えればMgとSiとが結合してMg2 Siの
生成量が増加し、遠赤外線放射特性が低下する。またM
g量が2.0wt%を越えれば鋳造性、塑性加工性も低下
する。したがってMgを添加する場合のMg量は0.0
5〜2.0wt%の範囲内とする。
【0025】Cu:Cuの添加も強度向上に寄与する。
Cu量が0.05wt%未満ではその効果が得られず、一
方6.0wt%を越えれば鋳造性、塑性加工性、耐食性が
低下する。したがってCuを添加する場合のCu量は
0.05〜6.0wt%の範囲内とした。
【0026】Mn:Mnは強度向上に寄与するととも
に、結晶粒微細化、耐熱性向上に寄与する。Mn量が
0.05wt%未満ではこれらの効果が得られず、一方
2.0wt%を越えればMnがSiと結合してAl−Mn
−Si系の金属間化合物の生成量が増加し、遠赤外線放
射特性が低下する。またMn量が2.0wt%を越えれば
鋳造も困難となる。したがってMnを添加する場合のM
n量は0.05〜2.0wt%の範囲内とした。
【0027】Ni:Niも強度向上に寄与するととも
に、耐熱性向上に寄与する。Ni量が0.05wt%未満
ではこれらの効果が得られず、一方3.0wt%を越えれ
ば鋳造が困難となる。したがってNiを添加する場合の
Ni量は0.05〜3.0wt%の範囲内とした。
【0028】Cr,Zr,V:これらの元素は、強度向
上に寄与するとともに、結晶粒微細化に寄与する。いず
れも0.05wt%未満ではその効果が得られず、一方
0.5wt%を越えれば粗大な金属間化合物が生成されて
かえって強度を低下させる。したがってCr,Zr,V
の1種または2種以上を添加する場合の添加量は、いず
れも単独量で0.05〜0.5wt%の範囲内とする。な
おスラブ、ビレットなどの圧延や押出、あるいは鍛造を
適用する場合は、これらの元素の単独添加量が0.3wt
%を越えれば塑性加工性が低下して製造が困難となるか
ら、単独添加量で0.3wt%以下とすることが好まし
い。
【0029】Zn:Znは溶解原材料にスクラップを使
用した場合に必然的に混入する元素であるが、1wt%を
越えて積極的に含有させた場合、強度向上に寄与する。
Znが1.0wt%以下ではその効果が得られず、一方
7.0wt%を越えれば鋳造性が低下する。したがってZ
nを積極的に含有させる場合のZn量は1.0wt%を越
え7.0wt%以下とした。
【0030】さらに、この発明の放射体の基材アルミニ
ウム合金としては、組織微細化のために、請求項3で規
定しているように、Tiと、P,Na,Sb,Srのう
ちの1種または2種以上を含有していても良い。これら
の成分限定理由は次の通りである。
【0031】Ti:Tiは鋳塊結晶粒の微細化を通じて
組織の微細化に寄与する。Ti量が0.005wt%未満
ではその効果が得られず、一方0.2wt%を越えれば粗
大な金属間化合物が生成されて好ましくない。したがっ
てTiを添加する場合のTi量は0.005〜0.2wt
%の範囲内とした。なお鋳塊結晶粒微細化のためには、
TiとともにBを共存させることが効果的である。この
場合B量が1ppm 未満ではその効果が得られず、一方1
00ppm を越えればその効果が飽和するから、Tiと併
せてBを添加する場合のB量は1〜100ppm の範囲内
とすることが好ましい。
【0032】P:Pは初晶Siの微細化に寄与する。し
たがってPの添加は初晶Siが晶出するような約10wt
%以上のSiを含有する合金の場合に効果的である。P
量が0.005wt%未満では初晶Siの微細化の効果が
得られず、一方P量が0.1wt%を越えればその効果が
飽和する。したがってPを添加する場合のP量は0.0
05〜0.1wt%の範囲内とした。
【0033】Na,Sb,Sr:これらの元素は共晶S
iの微細化に寄与する。いずれも0.005wt%未満で
はその効果が得られず、一方Na,Srは0.1wt%を
越えればその効果が飽和し、またSbは0.3wt%を越
えればその効果が飽和する。したがってNaを添加する
場合のNa量は0.005〜0.1wt%、Sbを添加す
る場合のSb量は0.005〜0.3wt%、Srを添加
する場合のSr量は0.005〜0.1wt%の範囲内と
した。なおNb,Sb,SrがPと共存した場合には、
Pによる初晶Siの微細化効果が失われてしまうから、
Pとは共存させないことが望ましい。
【0034】以上の各元素のほか、溶解時の酸化防止の
ためにBeを1〜100ppm 程度添加することは特に支
障はない。またその他の元素も、合計で1wt%以下程度
の微量であれば特に遠赤外線放射特性に悪影響を及ぼす
ことはない。
【0035】次にこの発明の遠赤外線放射体の基材アル
ミニウム合金の組織状態、特に金属Si粒子の分散状態
について説明する。
【0036】既に述べたように、相当量のSiを含有す
る系のアルミニウム合金では、鋳造時にその添加量に応
じて初晶Si、共晶Siとして晶出する。そして鋳造後
に熱処理された場合には、Alマトリックス中からも金
属Siが析出する。これらの晶出Si(初晶Si、共晶
Si)や析出Siは、陽極酸化処理後においてもそのま
ま金属Si粒子として皮膜中に残存する。そしてこの陽
極酸化皮膜中の金属Si粒子は、赤外線放射特性や陽極
酸化皮膜の耐クラック性に大きな影響を与える。
【0037】すなわち、陽極酸化皮膜中に金属Si粒子
が分散するため、入射光が散乱、吸収されて、遠赤外線
の放射特性が向上し、また可視光線も吸収されるため、
目視の色調も黒くなる。さらに陽極酸化処理時における
ポアの成長過程で、ポアが金属Si粒子を避けるように
して成長するため、ポアが枝分かれ構造となり、そのた
め入射光に対する陽極酸化皮膜中での散乱、吸収が助長
され、遠赤外線放射特性が一層向上する。
【0038】一方、陽極酸化皮膜中の金属Si粒子は応
力の緩和点として機能し、またポアの枝分かれ構造は歪
の吸収能が高く、したがってクラックが生じにくくなる
とともに、仮にクラックが発生してもその伝播が阻止さ
れる。
【0039】ここで、良好な遠赤外線の放射特性を得る
ためには、金属Si粒子のサイズ(粒径)と分布が重要
である。すなわち、先ず金属Si粒子の径が0.05μ
m未満の場合には、可視光線、遠赤外線の散乱吸収が不
充分であって、良好な放射特性が得られず、また目視的
にも黄味が強くなって黒色とは言えなくなる。したがっ
てこの発明の所期の目的を達成するためには、粒径が
0.05μm以上の金属Si粒子が存在することが必須
であり、その0.05μm以上の金属Si粒子の分布状
態を適切に制御する必要がある。
【0040】金属Si粒子が全く存在しないか、または
存在しても粒径が0.05μm未満の金属Si粒子しか
存在しない領域は、可視光線、遠赤外線の吸収が劣る領
域である。したがってそのような領域がある程度以上存
在すれば、全体に黒色とならず、かつ遠赤外線放射特性
が悪くなる。またこのような領域は、応力を緩和するポ
イントが皆無であるかまたは少ないため、その領域の陽
極酸化皮膜はクラックが生じやすくなる。そこでこの発
明では、金属Si粒子が存在しないかまたは存在しても
0.05μm未満の粒子のみであるような領域(以下こ
れを便宜上、「無粒子領域」と記す)を、次の2条件に
よって規制する。 (A)無粒子領域に描ける円の最大直径が50μm以下
であること。 (B)無粒子領域のうち、直径15μmの円を描ける領
域の合計面積が、全体に対し面積率で30%以下である
こと。
【0041】ここで(A)の条件は、個々の無粒子領域
の広さが小さいことを意味し、また(B)の条件はある
程度以上の広さの無粒子領域の合計面積が少ないことを
意味するが、さらに(A),(B)の条件を図面を参照
して具体的に説明する。
【0042】アルミニウム合金の鋳塊組織は、一般に図
1に示すようにデンドライト構造となっており、デンド
ライト部分(樹枝状部分)はα固溶体(1)となってい
る。そしてα固溶体(1)からなるデンドライト部分の
周囲は、共晶領域(2)、すなわちα相と金属Siとが
交互に共存する領域となっている。したがってこの場合
は、デンドライトのα固溶体(1)の領域が、無粒子領
域であると言える。
【0043】また一般に過共晶のAl−Si合金では、
初晶Siが晶出し、鋳塊組織では、図2に示すように初
晶Si(3)の周辺がα固溶体(1)となることが多
い。この場合は初晶Si(3)の周辺のα固溶体(1)
の部分が無粒子領域と言うことができる。
【0044】さらに、鋳造時の冷却速度が遅い徐冷組織
の場合には、図3に示すように共晶組織中のSi(4)
が粗大で不規則針状となり、デンドライトの境界が不鮮
明となることがある。この場合には共晶組織中のSi
(4)の相互間の部分すべてを無粒子領域と見なければ
ならないこともある。
【0045】一方、鋳造後に熱処理を行なう場合には、
例えば図4に示すようにデンドライトのα固溶体中に金
属Si粒子が析出し、したがってもとのデンドライトの
部分(1′)も無粒子領域ではなくなることが多い。
【0046】また、鋳塊に対して押出しや鍛造、圧延等
の塑性加工を行なった場合には、例えば図5に示すよう
に、鋳塊段階でデンドライトの無粒子領域であった部分
(1)の形状、寸法が変化する。
【0047】この発明では、以上のようなすべての場合
に共通して無粒子領域の広さや面積率を規定できるよう
に前記(A),(B)の条件を適用している。
【0048】ここで、前記(A)の条件に関して、図
1、図3、図5(但し図5の右側)の各組織に対し、そ
の無粒子領域に最も大径の円(5)を描いてみた様子
を、図6,図7、図8に示す。(A)の条件は、要はこ
れらの最大円(5)が50μm以下であれば良いことを
意味する。
【0049】また前記(B)の条件に関して、同じく図
1、図3、図5(但し図5の右側)の各組織に対し、そ
の無粒子領域に直径15μmの円(6)を描ける限りに
描いた様子を、図9、図10、図11に示す。これらの
図において、太い実線(7)は直径15μmの円が描け
る領域の外周線を示す。前記(B)の条件は、この外周
線(7)に囲まれる領域の面積が、全体の面積の30%
以下であれば良いことを意味する。
【0050】前記(A)の条件を満たさない場合、すな
わち直径50μmより大きい無粒子領域がある場合に
は、陽極酸化皮膜にクラックが生じやすくなり、遠赤外
線放射特性も悪くなる。一方、前記(B)の条件を満た
さない場合、すなわち直径15μm以上の無粒子領域の
総和が全面積に対し30%を越える場合には、皮膜中の
遠赤外線吸収領域が減少し、遠赤外線放射特性が悪くな
り、また目視でも黒色とならない。なお直径15μm未
満の小さな円しか描けないような領域であれば、その面
積の総和が全体の30%を越えても陽極酸化皮膜の耐ク
ラック性は特に阻害されず、また目視の色調が黒色で、
良好な遠赤外線放射特性が得られる。
【0051】なお前記(A)の条件では、無粒子領域に
描ける円の最大径を50μm以下と規定しているが、よ
り一層優れた遠赤外線放射特性を確実に得るためには、
無粒子領域に描ける円の最大径を30μm以下とするこ
とが好ましい。
【0052】以上のような前記(A),(B)の条件に
ついて、合金の製造工程と関連してさらに詳細に述べ
る。
【0053】この発明で規定する成分範囲の合金を鋳造
すれば、鋳造のままでは一般に共晶のSi(および初晶
のSi)が、初晶のAl−αデンドライトとともに晶出
する。このデンドライトの枝は、鋳造のままでは固溶体
になっており、この部分には金属Siは存在しない。そ
の例を図12の写真に示す。なお図12の写真の組織
は、Al−10wt%Si合金について、鋳造のままでの
断面をバーカー氏液によりエッチングしたもの(倍率3
40倍)である。
【0054】 αデンドライトの太さは、鋳造時の冷却
速度に影響され、冷却速度が遅ければ、枝と枝の間隔が
拡大し、枝の太さも太くなる。冷却速度が速ければデン
ドライトの間隔は狭くなり、枝の太さも小さくなる。し
たがって砂型鋳造のように比較的鋳造速度が遅い場合に
は、デンドライトの幹の太さが50μm以上になりやす
く、また直径15μm以上の円の描ける領域の面積も増
加するため、鋳造のままでは、金属Siの分布が前記
(A),(B)の条件を満たさない場合が多い。逆にダ
イカスト鋳造やロールキャスターの如く冷却速度の速い
鋳造の場合には、デンドライト間隔も密となり、デンド
ライトの幹の太さも小さくなる。このため、前述の
(A),(B)の条件を鋳造のままで満たすことが多
く、この場合には、鋳造のままで良好な遠赤外線放射特
性を得ることできる。
【0055】前述のように鋳造段階ではデンドライトが
粗く、(A),(B)の条件を満たす組織が得られない
場合には、鋳塊を加熱して、デンドライト中に金属Si
を析出させればよい。析出Si粒子は、鋳造の際の晶出
Si粒子のサイズと比べれば小さいのが一般的である
が、温度条件を適切に選択すれば、0.05μm以上の
Si粒子がデンドライトのα相中に析出する。その一例
として、図13の写真に、共晶Siとデンドライト組織
からなり、かつ金属Siがα相のデンドライト中に析出
した組織を示す。なお図13の写真の組織は、Al−1
0wt%Si合金について、鋳造後に450℃×2hrの熱
処理を施したものの断面をバーカー氏液によりエッチン
グしたもの(倍率340倍)である。このように、鋳造
段階ではデンドライト組織が粗く、無粒子領域が広い場
合であっても、析出処理を施すことにより前記(A),
(B)の条件を満たす組織とし、それによって遠赤外線
放射特性を向上させることが可能である。なおこの場合
の析出処理の温度は、合金の成分によっても異なるが、
300℃から550℃程度が通常であり、時間も0.5
時間から24時間程度が通常である。300℃未満で
は、析出Si粒子のサイズが小さく、0.05μm未満
になりやすい。また550℃を越えれば、局部溶融が生
じたり、Siの析出量が少なくなって、鋳塊の組織によ
っては直径15μm以上の円の描ける領域の面積の比率
が30%を越えてしまうことがある。析出処理の時間は
0.5時間未満では効果がなく、24時間を越えること
は経済的に無駄である。
【0056】図14、図15、図16に、陽極酸化処理
を施した後、陽極酸化皮膜の表面を研磨して観察した組
織の写真を示す。図14はAl−10wt%Si合金につ
いて、鋳造のままの材料に陽極酸化皮膜を生成させた組
織の写真(倍率340倍)であり、図15は図14の組
織の一部を拡大して示す写真(倍率860倍)であり、
さらに図16はAl−10wt%Si合金について鋳造後
350℃×2hrの加熱(析出処理)を施し、その材料に
陽極酸化皮膜を生成させた組織を示す写真(倍率340
倍)である。図14、図15の写真から判るように、鋳
造のままではαデンドライト相は皮膜が透明であって、
しかもその透明皮膜部分にクラックが生じている。これ
に対し鋳造後析出処理を施した図16に示す材料では、
デンドライトの部分の皮膜中にも微細な析出物が存在
し、黒色化に寄与していることが判る。またこのように
デンドライト内に金属Si粒子が析出していれば、鋳造
のままの材料の場合に認められたデンドライト部分のク
ラックが生じていないことが判る。
【0057】熱間鍛造、熱間押出、熱間圧延等の熱間加
工を行なう場合には、デンドライトの組織の如何にかか
わらず、熱間加工前に鋳塊の加熱を行なう必要があり、
そこでこの熱間加工前の加熱処理を前述の析出処理と兼
ねさせることができる。もちろん熱間加工前の加熱処理
の前、あるいは熱間加工後、さらにはその後の冷間加工
の中途あるいは熱間加工後などのいずれの時点において
も、前述のようなサイズのSiが析出されるような加熱
処理を、単独で、あるいは焼鈍と兼ねて施すことができ
る。なお熱間圧延を行なう場合は、熱間圧延中に割れが
発生しないように注意する必要がある。Si量が15wt
%を越える場合には熱間圧延時に割れが生じやすくな
る。これに対し、熱間押出、熱間鍛造、あるいは粉末冶
金の場合には、よりSi量が多いAl−Si合金の加工
も可能となるが、この場合も割れが生じないようになる
べく初晶Siを微細にすることが望ましい。
【0058】鋳造材に対しては冷間鍛造や冷間圧延など
を直接行なうこともある。一般に連続鋳造圧延板は、冷
却ロール間で連続的に5〜20mmの薄板が鋳造されて引
続きそのまま冷間圧延もしくは熱間圧延に供されるが、
通常は直接冷間圧延に供することが多い。このような連
続鋳造圧延の場合は、冷却速度が著しく高いため、組織
が微細となるから、そのままで前記(A),(B)の条
件を満たすことが多い。すなわち連続鋳造圧延のまま、
もしくは冷間圧延のままで優れた遠赤外線放射特性を示
す。図17にAl−14%Si合金を板厚7mmに連続鋳
造圧延し、その後板厚1mmまで冷間圧延した材料のバー
カー氏エッチング後の組織(倍率860倍)を示す。図
17から判るように、デンドライトが微細でしかも圧延
されているために組織の微細均一化が進み、無粒子領域
が前記(A),(B)の条件を充分に満たしている。但
し、このように冷間圧延を行なう場合は、冷間圧延性の
観点から、Si量を15wt%以下とすることが好まし
い。Si量が15wt%を越えれば鋳造性が悪くなるに加
え、冷間圧延性も悪くなり、冷間加工も困難となる。
【0059】一方半径100mm以下のビレットに鋳造さ
れた鋳造材は、直接冷間鍛造に供されることもある。冷
間鍛造でも割れが発生しやすいから、鋳造組織を微細化
しておくこと、特に初晶Si及びDAS(デンドライト
アーム間隔)を微細にしておく必要がある。そのために
は鋳造時の冷却速度が高いことが必要であり、通常はD
ASにして30μm以下が必要である。このようにDA
Sが30μm以下の場合には、デンドライトの幹の太さ
は最大50μmの円を描くことは困難であり、したがっ
て鋳造のままで前記(A),(B)の条件を満たすのが
通常である。
【0060】但し、前述のような冷間圧延あるいは冷間
鍛造などの冷間加工を行なう場合であっても、鋳造段階
では組織条件として前記(A),(B)の条件を満たし
ていなければ、必要に応じて加熱析出処理を施し、0.
05μm以上の金属Si粒子を無粒子領域に析出させて
前記(A),(B)の条件を満足させるようにすれば良
い。
【0061】 さらに、熱間加工や冷間加工などの鍛練
工程が施された場合は、デンドライトなどの無粒子領域
はその加工により均一化される。総加工率が70%を越
えれば、もとのデンドライトの痕跡はほとんど消滅し、
金属Si粒子の分布が均一化される。図18は、鋳造の
ままの段階ではデンドライトが粗くて前記(A),
(B)の条件を満たしていなかったAl−14wt%S
i合金のDC鋳造材について、500℃に加熱して熱間
圧延を行ない、引続いて冷間圧延を行なって、総圧延率
99.5%で加工した材料の組織を示す写真(倍率34
0倍)であるが、この場合にはデンドライトが全く識別
できない程度に均一化が進み、しかも熱間圧延時の加熱
により微細な金属Si粒子が析出しているため、直径1
5μm以上の円を描けるような無粒子領域が完全に消滅
していることが判る。このように、鍛練加工を施す場合
には、鋳造段階では前記(A),(B)の条件を満たし
ていなくてもその後の加工により容易にその条件を満た
すようにすることができる。
【0062】以上をまとめれば、 (イ)鋳物材やダイカスト材を鋳造のままで遠赤外線放
射体として使用する場合において、表面酸化や組織劣化
などの理由により熱処理を施すことができない場合に
は、化学成分や鋳造条件を適切に設定することによって
鋳造のままで必要な組織条件(A),(B)を達成させ
る。 (ロ)鋳物材やダイカスト材を鋳造のままで遠赤外線放
射体として使用する場合において、鋳造状態のままでは
必要な組織条件(A),(B)が達成できない場合に
は、その後の熱処理により金属Si粒子を析出させて条
件を満たさせてやれば良い。 (ハ)鋳造後に押出、鍛造、圧延等の鍛練加工を施すと
きは、良好な加工性を確保する観点から鋳造組織を微細
化しておく必要があるのが通常であり、そのため鋳造の
ままでも前記条件(A),(B)を満たすことが多い
が、鍛練加工による組織の均一化と加工のために必要に
応じて施される加熱によって金属Si粒子が析出し、そ
の結果より前記条件を満たしやすくなる。但し、それで
も前記組織条件が満たされない場合には析出のための加
熱処理をいずれかの段階で施せば良い。
【0063】なお鋳造組織を微細化して前記(A),
(B)の条件を満たさせれば、鋳造のままで良好な遠赤
外線放射特性を得られるということは、とりもなおさず
部材の溶接部分においても良好な遠赤外線放射特性が容
易に得られることを意味する。すなわち溶接部は一般に
溶接時の凝固冷却速度が著しく高いのが通常であり、し
たがって溶接部は溶接のままで容易に前記(A),
(B)の条件を満たさせることができる。もちろん必要
に応じて溶接後に加熱処理を施して金属Si粒子を析出
させ、これにより確実に前記(A),(B)の条件を満
たさせても良いことはもちろんである。
【0064】いずれにしてもこの発明で規定している成
分組成範囲内のアルミニウム合金においては、鋳造のま
ま遠赤外線放射体として使用する場合には鋳造条件を、
また鋳造後に熱処理を施しても良い場合には鋳造条件と
熱処理条件を、さらに圧延等の鍛練工程を行なって用い
る場合には鋳造条件と鍛練度および熱処理条件を適切に
組合せ、これらによって前記(A),(B)で規定する
条件を満足させれば、目視でも黒色の陽極酸化皮膜が得
られ、かつ優れた遠赤外線放射特性が得られる。
【0065】次にアルミニウム合金基材に施す陽極酸化
処理について説明する。
【0066】前述のような化学成分と金属組織を有する
アルミニウム合金基材に陽極酸化処理を施せば、黒色の
陽極酸化皮膜が生成され、優れた遠赤外線放射特性を示
す。すなわち陽極酸化処理時には、金属Si粒子が皮膜
中にそのまま残存した状態で陽極酸化皮膜が成長する。
そのため皮膜中のポアの成長が金属Si粒子により妨げ
られ、枝分れした微細なポアを有する多孔質の皮膜が生
成される。さらに陽極酸化皮膜中にそのまま存在する金
属Si粒子と前述の枝分れした微細なポアが入射光を散
乱吸収し、その結果目視での色調が黒色となり、かつ遠
赤外線の放射特性も良好となる。そしてまた前述の枝分
れした微細なポア構造と皮膜中の金属Si粒子が熱応力
の緩和点として機能し、そのため皮膜にクラックが生じ
にくくなり、500℃程度の高温に至るまでクラックが
生じることがなく使用可能である。
【0067】ここで陽極酸化皮膜の膜厚は10μm以上
が必要である。すなわちマンセル値で明度4.5以下の
黒色度を示すためには膜厚を10μm以上とする必要が
ある。またこのように膜厚が10μm以上であれば、安
定した高い黒色度が得られるから、広い波長域で安定し
た遠赤外線放射特性が得られる。
【0068】なお陽極酸化処理の条件は特に限定される
ものではなく、硫酸、シュウ酸などの無機酸、あるいは
有機酸、さらにはこれらの混合酸などの電解浴を用い、
直流、交流、あるいは交直併用、交直重畳波形など、任
意の波形を用いて陽極酸化処理を行なえば良い。但し、
経済性や作業効率の観点からは、硫酸浴で直流電流を用
いることが好ましい。また陽極酸化処理の前には脱脂、
苛性エッチング等の前処理を行なうのが一般的であり、
苛性エッチングを行なった場合には引続いて硝酸等の酸
でデスマット処理を施すのが一般的である。そのほか必
要に応じて、切削加工、酸洗浄、化学研磨処理、ヘアラ
イン加工、シヨットブラスト等の機械的前処理などを実
施しても良いことはもちろんである。
【0069】
【実施例】
実施例1 表1の合金番号1,2に示す成分組成の合金について2
0mm×200mm×200mmの形状に砂型鋳造した。なお
鋳造に先立って、脱ガス処理を施した後、金属Naで改
良処理を施し、共晶Siを微細化させた。得られた鋳物
のうち、一部は鋳造のままの材料とし、残りのものにつ
いては400℃もしくは250℃で5時間の加熱処理を
施した後10℃/hrの冷却速度で徐冷した。
【0070】各材料について表面を機械的に切削した
後、10%苛性ソーダで60℃×5分間エッチングし、
水洗後30%硝酸を用いてデスマット処理した。その
後、15%濃度の硫酸浴を用い、電流密度1.5A/dm
2 、電解温度20℃で陽極酸化処理を施した。
【0071】陽極酸化処理後の各材料についてマンセル
明度を測定するとともに、300℃での分光放射率を測
定した。ここで、従来の一般的な陽極酸化皮膜の遠赤外
線放射特性としては、通常3〜7μmの波長での分光放
射率が劣っているところから、その範囲内の代表的な波
長6μmでの分光放射率を測定した。また各材料の金属
組織を50〜1000倍の顕微鏡で観察し、0.05μ
m以上の析出物が存在しない領域を調べた。但し光学顕
微鏡では判定し難い0.05μmに近い析出物が析出し
ていると思われる場合には、透過電子顕微鏡を用いて判
別した。これらの結果を表2に示す。なお表2において
径Aは0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない領
域における円の最大径を表わす。したがって径Aの値が
50μm以下である場合に前記(A)の条件を満たして
いることになる。また面積率Bは、0.05μm以上の
金属Si粒子が存在しない領域のうち直径15μmの円
を描ける領域の合計面積の、全面積に対する面積率を表
わす。したがって面積率Bが30%以下である場合に前
記(B)の条件が満たされることになる。さらにマンセ
ル明度としてはその値が4.5以下である場合に充分な
黒色を有していると判定できる。また波長6μmでの分
光放射率が0.7以上の値となっている場合に良好な遠
赤外線放射特性を有していると判定できる。
【0072】表2の実施例1について示される結果か
ら、実施例1において組織条件(A),(B)を満たす
材料は、マンセル明度、分光放射率が所定の値を満たす
こと、すなわち目視の色調が充分に黒色でかつ遠赤外線
放射特性が優れていることが判る。また、合金番号1,
2の400℃加熱材は、陽極酸化処理後500℃に加熱
した後表面を目視で観察しても、クラックは観察されな
かった。しかしながら、合金番号1,2の鋳造のままの
材料は、陽極酸化処理後に500℃に加熱した後表面を
観察すれば、目視でも多数のクラックが認められた。な
お合金番号2の250℃加熱材は、陽極酸化処理後の目
視では、鋳造のままの材料に比べて、色調がやや濃色化
しているが、光学顕微鏡で観察する限りでは、デンドラ
イトの部分に金属Siの微細な析出は認められなかっ
た。そこで、電子顕微鏡によりこの部分の観察を行なっ
たところ、0.01〜0.04μmの微細な析出Siの
存在が認められた。これらの微細な析出Siは、たとえ
析出していても、遠赤外線の吸収点として働かないた
め、遠赤外線放射特性は向上していない。よって、これ
らの領域は無粒子領域とした。
【0073】実施例2 表1の合金番号3,4に示される成分組成の合金を、1
0mm×50mm×50mmのサンプルにダイカストで鋳造し
た。この鋳造のままの材料について、表面切削後、15
%硫酸浴での陽極酸化処理を施した。その他の陽極酸化
処理条件は実施例1の場合と同じとした。
【0074】陽極酸化処理後の各材料について、実施例
1と同様にマンセル明度、分光放射率を測定するととも
に、金属組織を観察した。その結果を表2中に示す。
【0075】表2に示すように、実施例2のダイカスト
鋳造の場合、冷却速度が非常に速いため、鋳造だけで所
定の金属組織条件(A),(B)が満たされ、合金番号
3,4のいずれの場合も、陽極酸化処理後に500℃に
加熱した後、表面を目視で観察しても、クラックは観察
されなかった。
【0076】実施例3 表1の合金番号5,6に示される成分組成の合金につい
て、400mm×1000mm×3500mmの圧延用鋳塊
(スラブ)をDC鋳造した。各スラブを面削した後、5
00℃に2時間加熱してから熱間圧延した。熱間圧延を
4mm厚まで行なった後、冷間圧延にて1mm厚まで圧延
し、これを350℃×2時間焼鈍した。各材料につい
て、実施例1と同様にして陽極酸化処理を施した。
【0077】陽極酸化処理後の各材料について、実施例
1と同様な測定、組織観察を行なった。その結果を表2
中に示す。
【0078】表2に示すように、実施例3の場合は熱間
圧延を経た圧延板であるため、組織が比較的微細化され
ており、しかも熱間圧延、焼鈍等の加熱工程を経ている
ため金属Siの析出が不可避的に生じており、そのため
合金番号5のように化学成分が所定の範囲内であれば、
組織条件(A),(B)を満たす金属Si粒子の分布を
容易に得ることができた。一方合金番号6の合金はJI
S A1050組成の合金であるが、この場合は成分組
成がこの発明で規定する範囲外であるため、所定の性能
は得られなかった。
【0079】なお合金番号5の場合、陽極酸化処理後に
500℃に加熱した後、表面を目視で観察してもクラッ
クは観察されなかった。これに対し合金番号6の場合
は、500℃加熱後に多数のクラックが認められた。
【0080】実施例4 表1の合金番号7,8に示される成分組成の合金を水冷
ロール間に給湯し、厚さ7mm×幅900mmの薄板連続鋳
造圧延コイルを鋳造した。このコイルを引続き2mm厚ま
で冷間圧延した。各材料について実施例1と同様にして
陽極酸化処理を施した。陽極酸化処理後の各材料につい
て、実施例1と同様にして測定、組織観察を行なった。
その結果を表2中に示す。
【0081】この実施例4のように薄板連続鋳造の場合
には、凝固時の冷却速度が著しく速いため、DASは小
さく、無晶出帯も極めて微細であるため、鋳造のままの
状態で充分に所定の性能を得る組織状態となっている。
そして特にこの実施例4の場合、鋳造段階で良好な組織
が得られているに加え、冷間加工による組織鍛練の効果
があるため、表2中に示すように極めて微細で均一な組
織と、良好な遠赤外線放射特性が得られた。また、合金
番号7,8のいずれの場合も、陽極酸化処理後に500
℃に加熱した後、表面を目視で観察しても、クラックは
観察されなかった。なお合金番号7の材料については、
図19に3〜25μmまでの波長の分光放射率曲線も示
す。図19から明らかなように、全波長域にわた良好な
分光放射率が得られており、通常の陽極酸化皮膜に特有
の3〜7μmの波長域での放射率の低下が認められなか
った。
【0082】実施例5 表1の合金番号9に示す成分組成の合金について、12
0mmφのビレットに連続鋳造した。ビレットを450℃
×5時間加熱処理した後、500℃で10mm厚×50mm
幅の平板に押出した。その押出材について、実施例1と
同様にして陽極酸化処理を施した。さらに陽極酸化処理
後の材料について、実施例1と同様な測定、組織観察を
行なった。その結果を表2中に示す。
【0083】ビレットの連続鋳造の場合、比較的冷却速
度が速いが、特にこの実施例5のようにビレット径が比
較的小さく、しかもP添加による初晶Siの微細化処理
が行なわれている場合には、組織が比較的微細で無粒子
領域が狭くなり、さらにこの実施例5では熱間押出のた
めの加熱工程が加わっているために金属Siの析出が付
加されており、したがって表2中に示すような優れた組
織が得られた。またこの実施例5による材料は、陽極酸
化処理後に500℃に加熱した後、表面を目視で観察し
てもクラックは観察されなかった。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】以上のような各実施例から、この発明で規
定している成分組成範囲内の合金について、前記
(A),(B)の金属組織条件を満たしていれば、優れ
た遠赤外線放射特性を示すばかりでなく、500℃に加
熱しても陽極酸化皮膜にクラックが生じず、したがって
500℃程度までの高温での遠赤外線放射体として有効
であることが明らかである。そしてまた、鋳造、鍛造、
圧延、押出し等の任意の製造手段で、優れた遠赤外線放
射特性を有する材料の製造が可能であることも明らかで
ある。
【0087】
【発明の効果】この発明の遠赤外線放射体によれば、優
れた遠赤外線放射特性が得られ、特に従来のアルミニウ
ムの陽極酸化皮膜では劣るとされていた3〜7μmの波
長域における放射特性も優れており、しかも500℃程
度の高温まで熱歪によるクラックが陽極酸化皮膜に生じ
ることがなく、そのため耐熱性が良好であって500℃
程度までの高温での遠赤外線放射体として有効であり、
さらには陽極酸化皮膜中の金属Si粒子の分散状態によ
って優れた遠赤外線放射特性を与えているため、経時的
に遠赤外線放射特性が低下するおそれもない。そしてま
たこの発明の遠赤外線放射体は、鋳造、鍛造、圧延、押
出し等の任意の製造手段で製造することができ、したが
って用途や使用箇所に応じて任意の形状の遠赤外線放射
体を得ることができるとともに、複雑な形状の放射体も
容易に得ることができる。以上のようにこの発明の遠赤
外線放射体は、各種の優れた長所を有しており、したが
って基材アルミニウム合金が軽量であることによる軽量
性の利点と合せて、極めて広範囲で遠赤外線放射体を実
用に供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム合金の鋳塊組織の第1の例を示す
模式図である。
【図2】アルミニウム合金の鋳塊組織の第2の例を示す
模式図である。
【図3】アルミニウム合金の鋳塊組織の第3の例を示す
模式図である。
【図4】アルミニウム合金の鋳塊に熱処理を施した場合
の組織変化の一例を示す模式図である。
【図5】アルミニウム合金の鋳塊に圧延加工を施した場
合の組織変化の一例を示す模式図である。
【図6】この発明の請求項4で規定する組織条件のう
ち、粒径0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない
領域に描ける円の最大径について説明するための図で、
図1に示される組織に対応して示す模式図である。
【図7】同じく最大径について説明するための図で、図
3に示される組織に対応して示す模式図である。
【図8】同じく最大径について説明するための図で、図
5の右側に示される組織に対応して示す模式図である。
【図9】この発明の請求項4で規定する組織条件のう
ち、粒径0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない
領域における直径15μmの円を描くことができる領域
をについて説明するための図で、図1に示される組織に
対応して示す模式図である。
【図10】同じく直径15μmの円を描くことができる
領域を説明するための図で、図3に示される組織に対応
して示す模式図である。
【図11】同じく直径15μmの円を描くことができる
領域を説明するための図で、図5の右側に示される組織
に対応して示す模式図である。
【図12】この発明の遠赤外線放射体の基材として用い
られるアルミニウム合金の鋳造組織の一例を示す金属組
織写真である。
【図13】同じくアルミニウム合金の鋳造後に熱処理を
加えた組織の一例を示す金属組織写真である。
【図14】同じくアルミニウム合金鋳塊に陽極酸化処理
を施した状態の一例を示す金属組織写真である。
【図15】図14の組織の一部を拡大して示す金属組織
写真である。
【図16】アルミニウム合金鋳塊に熱処理を施した後に
陽極酸化処理を施した状態の一例を示す金属組織写真で
ある。
【図17】アルミニウム合金の連続鋳造板について冷間
圧延を施した状態の組織の一例を示すための金属組織写
真である。
【図18】アルミニウム合金のDC鋳造材について熱間
圧延、冷間圧延を施した状態の一例を示すための金属組
織写真である。
【図19】実施例4の合金番号7の材料についての分光
放射率曲線を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 繁雄 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内 (72)発明者 古屋 雅美 東京都中央区日本橋室町4丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内 (72)発明者 前島 正受 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 猿渡 光一 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−56559(JP,A) 特開 昭54−24330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 21/00 - 21/02 H05B 3/00 - 3/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si3〜25wt%を含有し、残部がA
    lおよび不可避的不純物よりなる合金が基材とされ、か
    つその基材の表面における初晶Si、共晶Siもしくは
    析出Siからなる金属Si粒子のうち粒径0.05μm
    以上の金属Si粒子が存在しない領域に描ける円の最大
    直径が50μm以下であり、かつ粒径0.05μm以上
    の金属Si粒子が存在しない領域のうち、直径15μm
    の円を描ける領域の合計面積が、全体の面積に対し面積
    率30%以下であり、さらに基材の表面に膜厚10μm
    以上の黒色の陽極酸化皮膜が形成されていることを特徴
    とする遠赤外線放射体。
  2. 【請求項2】 Si3〜25wt%を含有し、かつFe
    0.05〜2.0wt%、Mg0.05〜2.0wt
    %、Cu0.05〜6.0wt%、Mn0.05〜2.
    0wt%、Ni0.05〜3.0wt%、Cr0.05
    〜0.5wt%、V0.05〜0.5wt%、Zr0.
    05〜0.5wt%、Zn1.0%を越え7.0wt%
    以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部がAl
    および不可避的不純物よりなる合金が基材とされ、その
    基材の表面における初晶Si、共晶Siもしくは析出S
    iからなる金属Si粒子のうち粒径0.05μm以上の
    金属Si粒子が存在しない領域に描ける円の最大直径が
    50μm以下であり、かつ粒径0.05μm以上の金属
    Si粒子が存在しない領域のうち、直径15μmの円を
    描ける領域の合計面積が、全体の面積に対し面積率30
    %以下であり、さらに基材の表面に膜厚10μm以上の
    黒色の陽極酸化皮膜が形成されていることを特徴とする
    遠赤外線放射体。
  3. 【請求項3】 前記基材の合金成分として、さらにTi
    0.005〜0.2wt%を含有するとともに、P0.
    005〜0.1wt%、Na0.005〜0.1wt
    %、Sb0.005〜0.3wt%、Sr0.005〜
    0.1wt%のうちの1種または2種以上を含有する、
    請求項1もしくは請求項2記載の遠赤外線放射体。
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