JP2544233B2 - 陽極酸化処理後の色調が青灰色のアルミニウム合金およびその製造方法 - Google Patents

陽極酸化処理後の色調が青灰色のアルミニウム合金およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は陽極酸化処理を施して使用される用途のア
ルミニウム合金材料、特にビルのカーテンウォールや内
装材などの建材、あるいは器物、容器、電気計測器筺
体、装飾品等に使用されるアルミニウム合金材料の製造
方法に関するものである。
従来の技術 一般にカーテンウォールや内装材などの建材、あるい
は器物、容器、電気計測機器筺体などに使用されるアル
ミニウム合金は、耐食性の観点から陽極酸化処理を施し
て用いられることが多い。これらの用途の陽極酸化処理
用アルミニウム合金としては、陽極酸化処理後の色調が
淡灰色系からシルバー系のものが多く、このような合金
としては一般にJIS 1050合金、1100合金、5005合金等が
使用されることが多く、また灰色系のものとしてはAl−
1〜4%Si合金が一般的である。このほか、陽極酸化処
理後の色調が灰色のアルミニウム合金としては、Al−Fe
系合金や、Al−Fe−Mg−Mn系の合金が提案されている。
なお陽極酸化処理法としては、経済性および耐食性の点
から従来一般に硫酸電解浴を用いた陽極酸化処理が多用
されている。
ところで前述のような用途では、美観のために陽極酸
化処理後の表面に対して種々の色調を有することが要求
される場合がある。陽極酸化処理板に所要の色調を与え
るための方法としては、塗装、染色、二次電解着色、合
金発色、陽極酸化処理液による発色等があるが、経済的
観点および耐食性の観点からは、陽極酸化処理のまま、
特に硫酸浴による陽極酸化処理のままでの発色が望まれ
ている。
発明が解決しようとする課題 各種の色調のうちでも、灰色系の色調は落ち着いた質
感を与えるところから、建材等の用途においても灰色系
の色調が要求されることが多い。
しかしながら、Al−Si系のアルミニウム合金は、デス
マット性が悪く、陽極酸化処理後の表面が粉吹きざみと
なる問題があり、また陽極酸化処理後の色調も、灰色系
とは言えども黄色味もしくは赤味が強く、もう少しあっ
さりした青味がかった灰色、すなわち青灰色の色調が望
まれることが多い。
一方Al−Fe系の合金やAl−Fe−Mg−Mn系の合金の場合
は、前述のようなAl−Si系合金の欠点を補うことができ
るが、発色の原理を凝固時のFe系の金属間化合物である
Al6Fe(Mn)相によっているため、鋳造時もしくは鋳塊
加熱時に生成されるAl3Fe(Mn)相の影響で色調が安定
しにくく、またそのためストリークス等の外観不良も発
生しやすいという問題があった。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、
陽極酸化処理後の色調として、青味を帯びた灰色、すな
わち青灰色系の色調を安定した得ることができるアルミ
ニウム合金およびその製造方法を提供することを目的と
するものである。
課題を解決するための手段 本発明者等は前述の課題を解決する手段について種々
実験・検討を重ねた結果、合金中におけるMn系析出物の
サイズと種類が本質的に陽極酸化皮膜の青灰色の発色に
寄与することを見出し、この発明をなすに至った。
具体的には、請求項1の発明のアルミニウム合金は、
Mn 0.5〜1.5wt%、Mg 0.5〜2.0wt%を含有し、かつ結晶
粒微細化剤としてTi 0.003〜0.15wt%を単独でもしくは
B 1〜1000ppmと組合わされて含有し、さらに不純物とし
てFeが0.3wt%以下に規制されるとともにSiが0.2wt%以
下に規制され、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなり、Mn系の析出物のサイズが0.01μm以上であり
かつ総析出物中のSiの量が合金全重量の0.1wt%以下で
あることを特徴とするものである。
また請求項2の発明のアルミニウム合金製造方法は、
Mn 0.5〜1.5wt%、Mg 0.5〜2.0wt%を含有し、かつ結晶
粒微細化剤としてTi 0.003〜0.15wt%を単独でもしくは
B 1〜100ppmと組合わされて含有し、さらに不純物とし
てFeが0.3wt%以下に規制されるとともにSiが0.2wt%以
下に規制され、残部がAlおよびその他の不可避的不純物
よりなる合金をDC鋳造法により鋳造した後、鋳塊に対し
て450〜620℃の範囲内の温度で0.5〜24時間加熱する処
理を施し、その後熱間加工もしくは熱間加工および冷間
加工を施し、これによってMn系の析出物のサイズが0.01
μm以上でありかつ総析出物中のSiの量が全合金重量の
0.1wt%以下であるアルミニウム合金を得ることを特徴
とするものである。
作用 本発明者等は、前述のように合金中におけるMn系析出
物のサイズと種類が陽極酸化処理によって青灰色の色調
を発色させるに寄与することを見出した。
すなわち、Mn系析出物としては、Al6Mn、Al6(MnF
e)、αAlMn(Fe)Si、およびそれらにCr,Ti等が微量固
溶されたものなどがあるが、これらのうち、Al6Mn析出
物およびAl6(MnFe)析出物、特に0.01μm以上のサイ
ズのこれらの析出物が青味を帯びた灰色の発色に寄与
し、これに対しαAlMn(Fe)Si析出物は黄色味を強くす
ることから青灰色の発色には好ましくないことを見出し
た。そこでこの発明では、Mn系析出物のうちでも特に0.
01μm以上の析出物サイズのAl6Mn、Al6(MnFe)を析出
させることによって、陽極酸化処理後に青灰色系の色調
を得ようとしているのである。
次にこの発明の合金における成分組成限定理由を説明
する。
Mn: MnはAl−Mn系の金属間化合物を生成し、陽極酸化処理
後の色調を決定するのち重要な元素であり、Mgと共存す
ることによって所定のサイズのMn系析出物が達成された
陽極酸化皮膜が灰色の色調となる。Mn量が0.5wt%未満
では充分な灰色化が達成されず、一方Mn量が1.5wt%を
越えれば灰色化は可能であるが、DC鋳造時に初晶の金属
化合物が生成されてしまう。そこでMn量は0.5〜1.5wt%
の範囲内に限定した。
Mg: MgはMnの析出を促進し、所定のサイズのMn系析出物を
生成させるに必要な元素である。特にDC鋳造のように薄
板連続鋳造と比較して鋳造時の冷却速度が遅く、Mnの強
制固溶量が少ない場合には、ある程度のMgを含有させな
ければMn系析出物のサイズが陽極酸化処理後に青灰色の
色調を得るに適した状態とはならない。またMgの添加は
Mnの析出を促進するが、析出物の形態は変えないため、
陽極酸化処理後の色調が黄色味を帯びることを回避し、
青灰色の色調を得るに最適である。さらにMgは熱間圧延
中における再結晶を促進する。すなわち、この発明の合
金のようにFe量が少量に規制された合金では、熱間圧延
中の再結晶が抑制されて巨大な結晶粒となってしまい、
その結果最終板に筋目状の模様が生じてしまうおそれが
あるが、Mgを添加することにより前述のように再結晶が
促進されて熱間圧延中に微細な再結晶粒が生成され、最
終板においても表面のキメが緻密となるのである。ここ
で、Mg量が0.5wt%未満ではMnの析出を促進して陽極酸
化処理後に青灰色の色調を得る効果が充分に得られず、
かつ熱間圧延中の再結晶を促進させて筋目状の模様の生
成を防止する効果が得られない。一方Mg量が1.5wt%を
越えれば、陽極酸化処理後の色調が濃色化しすぎて、む
しろ黒色となってしまう。そこでMg量は0.5〜1.5wt%の
範囲内とした。
Ti,B: これらは結晶粒を微細化して、圧延板のキメ、ストリ
ークスを防止する効果があり、Tiを単独で、あるいはTi
とBを組合わせて添加する。Tiが0.003wt%未満では上
記効果が得られず、一方Tiが0.15wt%を越えればTiAl3
の粗大金属化合物が生成されるおそれがあるから、Tiは
0.003〜0.15wt%の範囲内とする。BはTiと共存して微
細化効果を発揮する。Tiと組合されて添加する場合のB
の添加量が1ppm未満では上記の効果が得られず、一方10
0ppmを越えれば粗大TiB2粒子による線状欠陥が発生する
から、B量は1〜100ppmの範囲内とする。
Fe: Feは不純物としてその量が少ないことが好ましい。Fe
が存在すればAl6Fe系の晶出物とAl3Fe系の晶出物とが共
存し、このうちAl6Fe系の晶出物は青味を帯びた灰色
(青灰色)の発色に効果を有するが、Al3Fe系の晶出物
は黄色味の強い薄い色調をもたらしてしまう。したがっ
てAl6Fe系の晶出物の集団とAl3Fe系の晶出物の集団とが
共存すれば、ストリークス等の模様が生じてしまう。ま
た鋳塊加熱時にAl6Fe系の晶出物からAl3Fe系の晶出物へ
の変態が生じ、その結果陽極酸化処理後の色調そのもの
も黄色味が強くなってしまうおそれがある。そこでFeは
0.3wt%以下に制限することとした。
Si: Siも不純物としてその量が少ないことが好ましい。Si
はMnの析出を助長するが、Siの含有により析出物の種類
がαAlMn(Fe)Siとなりやすく、そのため灰色の色調が
薄くなり、黄色味が強くなる。特に総析出物中のSiが、
合金全重量の0.1wt%を越えればαAlMn(Fe)Siが多く
なって陽極酸化処理後の色調に黄色味が強くなり、この
発明で目的とする青灰色から外れてしまう。そしてSi量
が0.2wt%を越えれば総析出物中のSiが0.1%を越えてし
まうから、Si量は0.2wt%以下に制限した。
このほか不可避的不純物としては、Cr,Cu,Zn,Zrなど
があるが、このうちCr,Cuは陽極酸化処理後の色調にあ
る程度の影響を与えるから、少量に規制することが好ま
しい。すなわちCrが0.05wt%を越えれば陽極酸化処理後
の色調に青味が消えてやや黄色味がかるから、不純物と
してのCr量は0.05wt%以下に規制することが好ましい。
またCuも陽極酸化処理後の色調に変化を与え、Cu量が0.
1wt%を越えれば黄色味が強くなるから、不純物として
のCu量は0.1wt%以下に規制することが好ましい。一方Z
n,Zrはいずれも陽極酸化処理後の色調に本質的な影響を
与えないが、Zn量が1.0wt%を越えれば耐食性が低下
し、またZr量が0.3wt%を越えれば粗大化合物が生成さ
れるおそれがあるから、不純物としてZnは1.0wt%以
下、Zrは0.3wt%以下とすることが好ましい。
また一般にMgを含有する系のアルミニウム合金におい
ては、溶湯の酸化防止のために微量のBeを添加すること
が多いが、この発明の合金の場合もBeを添加することは
特に支障はない。この場合のBe添加量は500ppm以下が一
般的である。
以上のような成分組成とすることによって、最終板に
おける析出物中のSi量は合金全重量の0.1wt%以下とな
り、そしてMn系析出物はその大部分がAl6MnもしくはAl6
(MnFe)となるが、さらに陽極酸化処理後の色調として
青灰色の色調を確保するためには、最終板におけるMn系
の析出物のサイズを0.01μm以上とする必要がある。す
なわち、析出物が0.01μm未満の微細なものである場合
には、陽極酸化処理後の色調が赤味を帯びてしまって、
青灰色の色調が得られなくなってしまう。したがってMn
系析出物のサイズとしては0.01μm以上であることが必
要である。なおここで、Mn系析出物のサイズが0.01μm
以上であるとは、要は全Mn系析出物のうちの大半を0.01
μm以上のものが占めていれば良く、具体的には、Mn系
析出物の全個数のうち90%以上が0.01μm以上のもので
あれば良い。
次に請求項2に記載の発明の方法、すなわち製造方法
について述べる。
先ず前述のような成分組成の合金の溶湯を常法に従っ
て溶製し、DC鋳造法(半連続鋳造法)によって鋳塊とす
る。次いでその鋳塊に対し、450〜620℃の範囲内の温度
で0.5〜24時間の加熱を施す。この鋳塊加熱は、一般的
な鋳塊組織均質化のために必要であるばかりでなく、陽
極酸化処理後の色調として青灰色の色調を与えるために
必要な工程である。すなわちこの鋳塊加熱によって、Mn
系析出物であるAl6Mn,Al6(MnFe)の析出を促進させ
て、これらの析出物による陽極酸化処理後の青味を帯び
た灰色の発色に寄与する。鋳塊加熱温度が450℃未満で
はMn系析出物の析出が少なく、陽極酸化処理後の色調と
して赤味を帯びた色調となってしまい、一方620℃を越
えれば共晶融解のおそれがある。また鋳塊加熱時間が0.
5時間未満では前述の効果が充分に得られず、一方24時
間を越える長時間の加熱は経済性の低下を招くだけであ
る。したがって鋳塊加熱の条件は、450〜620℃の範囲内
の温度で0.5〜24時間とした。
上述のような鋳塊加熱の後熱間加工として例えば熱間
圧延を行なって最終板厚とするか、あるいは熱間加工と
しての熱間圧延および冷間加工としての冷間圧延を行な
って最終板厚とする。ここで、熱間圧延は常法にしたが
って行なえば良いが、鋳塊の加熱温度以下で行うのが一
般的である。熱間圧延の直後、あるいは冷間圧延の間に
は、中間焼鈍を行なっても良い。中間焼鈍は、300〜500
℃の範囲内の温度で0.5〜24時間行なうのが好ましい。
中間焼鈍温度が300℃未満では再結晶せず、一方500℃を
越えれば表面に酸化が生じて変色してしまうおそれがあ
る。また中間焼鈍時間が0.5時間未満では再結晶が充分
に達成されず、一方24時間を越えても経済性が低下する
だけである。
以上のようにして得られた最終板厚の圧延板において
は、既に述べたように全析出物中のSi量が合金全重量に
対し0.1wt%以下となり、かつMn系析出物が主として0.0
1μm以上のサイズのAl6Mn、Al6(MnFe)となり、この
ような圧延板に対して陽極酸化処理を施すことによっ
て、青味を帯びた灰色、すなわち青灰色の色調を安定し
て得ることができる。
次に以上のような圧延板に対して、陽極酸化処理を施
して実際に青灰色の色調を得るためのプロセスを説明す
る。
陽極酸化処理にあたっては、予め表面の汚れおよび表
面の欠陥を除去しておくため、脱脂およびエッチングを
行なうのが一般的である。エッチングは、苛性ソーダ系
のアルカリエッチングを行なうのが通常である。そして
陽極酸化処理自体は、H2SO4濃度が10〜25vol%の硫酸浴
を用い、浴温度10〜30℃、電流密度1.5A/dm2以上2.5A/d
m2未満で行ない、膜厚10〜30μmの陽極酸化皮膜を生成
させる。
ここで、硫酸浴のH2SO4濃度が10vol%未満では生成さ
れる陽極酸化皮膜の多孔度が減少して浴電圧が高くな
る。一方H2SO4濃度が25vol%を越えれば、表面が荒れて
陽極酸化皮膜が柔かくなる。また浴温度が10℃未満では
所要の膜厚を得るために長時間の処理を要して不経済と
なり、一方30℃を越えれば陽極酸化処理後の耐食性が低
下してしまう。さらに電流密度は、2.5A/dm2以上では処
理に多大な電力を要し、実用的でなく、一方1.5A/dm2
満では、陽極酸化処理後の色調が薄くなって青灰色が得
られなくなる。また生成される陽極酸化皮膜の膜厚が10
μm未満では充分な耐食性が得られず、一方30μmを越
えるまで厚くすることは経済的でない。
以上のような硫酸浴により陽極酸化処理によって、青
灰色の色調を得ることができる。なおここで陽極酸化処
理後の色調については、ハンターの色差式(JIS Z8730
参照)による明度指数Lとクロマティクネス指数a,bの
値によって評価することができる。すなわち、明度指数
のL値は高いほど白く、一方クロマティクスネス指数は
着色度についてのものであってそのa値が高いほど赤味
が強く、b値は高いほど黄味が強いことをあらわす。そ
してこの発明で目的とする青灰色の色調とは、L値、a
値、b値が、 45<L<65、−2<a<+1.5、−2<b<+1.5 を満たす色調と定義することがてきる。
また、全析出物中のSiが合金全重量に占める割合の測
定は、種々の方法で可能であるが、例えば第1図にフロ
ーチャートを示す方法で測定することが望ましい。
また前述の説明では熱間加工を熱間圧延によって行な
うこととしたが、場合によっては熱間押出を適用するこ
ともできる。この場合は押出前のピレットの加熱条件を
前述の450〜620℃×0.5〜24時間とすれば良い。
実 施 例 第1表に示し合金No.1〜5の溶湯を常法にしたがって
溶製し、半連続鋳造法(DC鋳造法)によって450mm×120
0mm×4000mmのスラブを鋳造した。得られた各スラブに
ついて面削後、第2表の条件No.1〜6に示すような種々
の条件で鋳塊加熱を行ない、400℃で熱間圧延を施して
板厚4mmの熱延板とした。次いで板厚2mmまで冷間圧延し
た後、400℃×2hrの中間焼鈍を行ない、さらに板厚1.5m
mまで冷間圧延した。
その後、各板について10%NaOH水溶液でエッチング
し、水洗後硝酸でデスマット処理を行なった。次いでH2
SO4濃度15vol%の硫酸浴を用いて、浴温20℃、電流密度
1.5A/dm2で陽極酸化処理を行ない、それぞれ膜厚20μm
の陽極酸化皮膜を生成させた。
各板の陽極酸化皮膜の表面色調について、スガ試験機
製カラーメーターSM−3−MCHを用いて調べた。色調
は、ハンターの色差式による明度指数Lおよびクロマテ
ィクネス指数a,bを用いて評価した。その結果を第3表
に示す。
さらに、条件No1,2,4により得られた各圧延板につい
て、析出物中のSi量を分析したところ、圧延板全重量に
対する重量%は、第4表に示す通り、No.1、No.2ではこ
の発明で規定する0.1wt%以下の条件を満たしているこ
とが判明した。なおこのSi量の分析は、第1図に示す方
法に従って行なった。
また条件No.1,2により得られた各圧延板について析出
物のサイズを通過型電子顕微鏡により調べたところ、N
o.1は0.08μm以上、No.2は0.12μm以上であり、いず
れもこの発明で規定する0.01μm以上の条件を満たして
いることが判明した。
以上のように、析出物条件および合金成分組成がこの
発明で規定する条件、組成を満たしている条件がNo.1、
NO.2の圧延板は、第3表に示したように陽極酸化処理後
の色調として青灰色の色調を安定して得ることができ
た。
発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、請求項1の発明
のアルミニウム合金は、陽極酸化処理によって青味を帯
びた灰色、すなわち青灰色の色調を安定して得ることが
できる。また請求項2の方法によれば、前述のように陽
極酸化処理後に青灰色の色調を呈するアルミニウム合金
材料を実際に量産的規模で容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は全析出物中のSi量が占める割合を測定するため
の代表的な方法を示すフローチャート図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mn 0.5〜1.5wt%、Mg 0.5〜2.0wt%を含有
    し、かつ結晶粒微細化剤としてTi 0.003〜0.15wt%を単
    独でもしくはB 1〜100ppmと組合わされて含有し、さら
    に不純物としてFeが0.3wt%以下に規制されるとともにS
    iが0.2wt%以下に規制され、残部がAlおよびその他の不
    可避的不純物よりなり、Mn系の析出物のサイズが0.01μ
    m以上でありかつ総析出物中のSiの量が合金全重量の0.
    1wt%以下であることを特徴とする陽極酸化処理後の色
    調が青灰色のアルミニウム合金。
  2. 【請求項2】Mn 0.5〜1.5wt%、Mg 0.5〜2.0wt%を含有
    し、かつ結晶粒微細化剤としてTi 0.003〜0.15wt%を単
    独でもしくはB 1〜100ppmと組合わされて含有し、さら
    に不純物としてFeが0.3wt%以下に規制されるとともにS
    iが0.2wt%以下に規制され、残部がAlおよびその他の不
    可避的不純物よりなる合金をDC鋳造法により鋳造した
    後、鋳塊に対して450〜620℃の範囲内の温度で0.5〜24
    時間加熱する処理を施し、その後熱間加工もしくは熱間
    加工および冷間加工を施し、これによってMn系の析出物
    のサイズが0.01μm以上でありかつ総析出物中のSiの量
    が全合金重量の0.1wt%以下であるアルミニウム合金を
    得ることを特徴とする、陽極酸化処理後の色調が青灰色
    のアルミニウム合金の製造方法。
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