JP2524844B2 - 陽極酸化処理後の色調がベ―ジュ色のアルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

陽極酸化処理後の色調がベ―ジュ色のアルミニウム合金板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は陽極酸化処理を施して使用される用途のア
ルミニウム合金材料、特にビルのカーテンウォールや内
装材などの建材、あるいは器物、容器、電気計測機器筐
体、装飾品等に使用されるアルミニウム合金板材の製造
方法に関するものである。
従来の技術 一般にカーテンウォールや内装材などの建材、あるい
は器物、容器、電気計測機器筐体などに使用されるアル
ミニウム合金は、耐食性の観点から陽極酸化処理を施し
て用いられることが多い。これらの用途の陽極酸化処理
用アルミニウム合金としては、淡灰色系からシルバー系
のものが多く、このような合金としては一般にJIS 1050
合金、1100合金、5005合金等が使用されることが多く、
また灰色系のものとしてはAl−1〜4%Si合金が一般的
である。また陽極酸化処理としては、経済性および耐食
性の点から硫酸電解浴が多用されている。
ところで前述のような用途では、美観のために陽極酸
化処理後の表面に対して種々の色調を有することが要求
される場合がある。陽極酸化処理板に所要の色調を与え
るための方法としては、塗装、染色、二次電解着色、合
金発色、陽極酸化処理液による発色等があるが、経済的
観点および耐食性の観点からは、陽極酸化処理のまま、
特に硫酸浴による陽極酸化処理のままでの発色が望まれ
ている。
発明が解決しようとする課題 各種の色調のうちでも、金属光沢の少ないベージュ色
の色調はしっとりと落ち着いた質感を与え、また心理的
に暖かさや安心感を与えるところから、建材等の用途に
おいても金属光沢の少ないベージュ色の色調が要求され
ることが多くなっている。しかしながら、従来は陽極酸
化処理のまま、特に硫酸浴による陽極酸化処理のままで
金属光沢の少ないベージュ色の色調を有する陽極酸化処
理板を得ることは極めて困難とされていた。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、
硫酸浴を用いた陽極酸化処理のままで金属光沢の少ない
ベージュ色の色調を得ることができるアルミニウム合金
板と、そのアルミニウム合金板を製造する方法、さらに
そのアルミニウム合金板を用いて実際に陽極酸化処理に
より金属光沢の少ないベージュ色の色調を達成するため
の方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 前述のような目的を達成するべく、本発明者等が鋭意
実験・検討を重ねた結果、合金元素の成分量、特にFe量
とMn量を適切な量に調整して、金属間化合物の種類と量
を適切に定めることにより、硫酸浴による陽極酸化処理
後の色調として金属光沢の少ないベージュ色が得られる
ことを見出し、この発明をなすに至った。
具体的には、請求項1の発明は陽極酸化処理後に金属
光沢の少ないベージュ色の色調を得ることができるアル
ミニウム合金板を提供するものであって、Fe0.8〜2.0wt
%、Mn0.05〜0.4wt%を含有し、かつSiが0.2wt%以下に
規制され、残部が実質的にAlよりなり、かつ全金属間化
合物量(重量)に対してFeAl3相およびFeMnAl3相の合計
量の占める割合が90%以上であり、しかも全金属間化合
物量が2.5〜7.0wt%の範囲内にあることを特徴とするも
のである。
また請求項2の発明は、そのアルミニウム合金板を製
造する方法を提供するものであって、Fe0.8〜2.0wt%、
Mn0.05〜0.4wt%を含有し、かつSiが0.2wt%以下に規制
され、残部が実質的にAlよりなるアルミニウム合金を素
材とし、その合金をDC鋳造した後、鋳塊に対し580〜630
℃の範囲内の温度で0.5〜24時間加熱処理を施し、その
後圧延して最終板厚とし、これにより全金属間化合物量
(重量)に対してFeAl3相およびFeMnAl3相の合計量の占
める割合が90%以上であり、しかも全金属間化合物量が
2.5〜7.0wt%の範囲内にある圧延板を得ることを特徴と
するものである。
さらに請求項3の発明は、実際に陽極酸化処理を施し
て金属光沢の少ないベージュ色を有するアルミニウム合
金を製造する方法を提供するものであって、Fe0.8〜2.0
wt%、Mn0.05〜0.4wt%を含有し、かつSiが0.2wt%以下
に規制され、残部が実質的にAlよりなるアルミニウム合
金を素材とし、その合金をDC鋳造した後、鋳塊に対し58
0〜630℃の範囲内の温度で0.5〜24時間加熱処理を施
し、その後圧延して最終板厚とし、これにより全金属間
化合物量(重量)に対してFeAl3相およびFeMnAl3相の合
計量の占める割合が90%以上でありしかも全金属間化合
物量が2.5〜7.0wt%の範囲内にある圧延板を得、その後
その圧延板に対し、H2SO4濃度が10〜25vol%の硫酸電解
浴を用いて浴温度10〜30℃、電流密度1.5A/dm2以上、2.
5A/dm2未満で陽極酸化処理を施して膜厚10〜30μmの陽
極酸化皮膜を形成することを特徴とするものである。
作用 先ずアルミニウム合金の成分組成の限定理由について
説明する。
Fe: Feは金属間化合物量を増加させて陽極酸化処理後の金
属光沢を少なくするに重要な元素である。すなわち、Fe
量を増加させて、鋳塊均質化熱処理条件との組合せてに
より金属間化合物量を増すことによって、陽極酸化処理
後の金属光沢を抑制し、しっとり落ち着いた質感を与え
ることができる。Fe量が0.8%未満では金属間化合物の
絶対数が少なく、全体に色が浅くなってシルバー系とな
り、金属光沢が著しくなってしまう。一方Fe量が2.0%
を越えれば粗大金属間化合物が生成されてしまう。した
がってFe量は0.8〜2.0%の範囲内とした。
Si: Siは鋳塊中に樅の木組織と称される異常組織を生成さ
せやすい。鋳塊に樅の木組織が発生すれば、圧延板を陽
極酸化処理した際に表面にストリークスと称される帯状
の模様が生じ、外観を損なう。この樅の木組織の発生を
防ぐためには、Si量を0.2wt%以下に規制する必要があ
る。
Mn: Mnは陽極酸化処理後の色調に赤味を増す元素であっ
て、ベージュ色の色調を得るに必須の元素である。Mn量
が0.05%未満では陽極酸化処理後の色調として赤味がか
った色調を与える効果が少なく、ベージュ色が得られな
くなる。一方Mn量が0.4%を越えればグレー色が強くな
り、ベージュ色から外れてしまう。したがってMn量は0.
05〜0.4%の範囲内とした。
以上のFe,Si,Mnのほかは基本的にはAlおよびその他の
不可避的不純物とすれば良い。
また一般のアルミニウム合金においては、鋳塊の結晶
粒微細化のために微量のTi、もしくはTiおよびBを添加
することがあるが、この発明の場合も微量のTiもしくは
TiおよびBが添加されても良く、これらの添加による結
晶粒微細化効果によって圧延板のキメ、ストリークスを
防止する効果が得られる。その場合、Tiが0.003wt%未
満では上記の効果が得られず、一方Tiが0.15wt%を越え
ればTiAl3の粗大金属間化合物が生成されるおそれがあ
るから、Tiは0.003〜0.15wt%の範囲内とすることが好
ましい。またBはTiとの共存により結晶粒微細化効果を
発揮するが、Bが1ppm未満ではその効果が得られず、10
0ppmを越えれば粗大TiB2粒子による線状欠陥が発生する
から、Bは1〜100ppmの範囲内とすることが望ましい。
さらにこの発明のアルミニウム合金板では、陽極酸化
処理後に金属光沢の少ないベージュ色の色調を達成する
ために、圧延板の状態で金属間化合物の総量が2.5〜7.0
wt%の範囲内にありしかも金属間化合物量(重量)の90
%以上をFeAl3相およびFeMnAl3相で占めている必要があ
る。これらの金属間化合物条件の限定理由は次の通りで
ある。
金属間化合物の総量が2.5wt%未満では陽極酸化処理
後の色調が浅くなって金属光沢が強くなる。一方金属間
化合物の総量が7.0wt%を越えれば陽極酸化処理後の色
調にグレー色が強くなり、ベージュ色が達成できなくな
る。また全金属間化合物に占めるFeAl3相とFeMnAl3相の
合計量が90%未満では、陽極酸化処理後の色調が灰色が
かり、ベージュ色の色調が達成されなくなる。
次に製造条件について説明する。
先ず前述のような成分組成範囲内のアルミニウム合金
の溶湯を常法にしたがって溶製し、DC鋳造(半連続鋳
造)によって鋳塊とする。ここで、鋳造速度は鋳塊にお
ける樅の木組織発生に影響し、鋳造速度が速過ぎれば樅
の木組織が発生しやすくなる。鋳造速度が35mm/min未満
では生産性が低過ぎて経済的ではなく、一方150mm/min
を越えれば樅の木組織が発生して圧延板にストリークス
が生じ、外観を損なう。したがって鋳造速度は35〜150m
m/minの範囲内とすることが好ましい。
次いで、鋳塊に対し580〜630℃の範囲内の温度で0.5
〜24時間の加熱を施す。この鋳塊加熱は、一般的な鋳塊
組織均質化のために必要であるばかりでなく、陽極酸化
処理後の色調に大きな影響を及ぼす。すなわちこの鋳塊
加熱によって鋳塊中の金属間化合物FeAl6やFeMnAl6がFe
Al3もしくはFeMnAl3に変態し、最終板厚の板においてFe
Al3相とFeMnAl3相の合計量が全金属間化合物量の90%以
上を占めるようになり、圧延板の陽極酸化処理後にベー
ジュ色の色調を得ることが可能となる。鋳塊加熱温度が
580℃未満では、最終板厚の板におけるFeAl3相およびFe
MnAl3相の割合が90%未満となり、陽極酸化処理後の色
調として灰色が強くなり、ベージュ色とは言えなくな
る。一方鋳塊加熱温度が630℃を越えれば、結晶粒の粗
大化が生じて陽極酸化処理後にストリークスが生じ、ま
た場合によっては局部溶融が生じることもある。したが
って鋳塊加熱温度は580℃〜630℃の範囲内とする必要が
ある。また鋳塊加熱時間が0.5時間未満では上述の効果
が充分に得られず、一方24時間を越えても効果は飽和
し、コスト上昇を招くだけであるから、0.5〜24時間に
限定した。
上述のような鋳塊加熱の後、熱間圧延および冷間圧延
を行なって最終板厚とする。ここで、熱間圧延は常法に
したがって行なえば良いが、鋳塊の加熱温度以下で行な
うのが一般的である。熱間圧延の直後、あるいは冷間圧
延の間には、中間焼鈍を行なっても良い。中間焼鈍は、
250〜450℃で0.5〜12時間行なうのが一般的である。
以上のようにして得られた最終板圧の圧延板において
は、既に述べたように金属間化合物の総量が2.5〜7.0wt
%の範囲内にありしかもFeAl3相とFeMnAl3相の合計量が
全金属間化合物量の90%以上を占めていることが必要で
あり、このように金属間化合物を規制することによって
陽極坂処理後に金属光沢の少ないベージュ色の色調を得
ることができる。
次に以上のような圧延板に対して、陽極酸化処理を施
して実際にベージュ色の色調を得るためのプロセスを説
明する。
陽極酸化処理にあたっては、予め表面の汚れおよび表
面の欠陥を除去しておくため、脱脂およびエッチングを
行なうのが一般的である。エッチングは、苛性ソーダ系
のアルカリエッチングを行なうのが通常である。そして
陽極酸化処理自体は、H2SO4濃度が10〜250vol%の硫酸
浴を用い、浴温度10〜30℃、電流密度1.5A/dm2以上2.5A
/dm2未満で行ない、膜厚10〜30μmの陽極酸化皮膜を生
成させる。
ここで、硫酸浴のH2SO4濃度が10vol%未満では生成さ
れる陽極酸化皮膜の多孔度が減少して浴電圧が高くな
る。一方H2SO4濃度が25vol%を越えれば、表面が荒れて
陽極酸化皮膜が柔かくなる。また浴温度が10℃未満では
所要の膜厚を得るために長時間の処理を要して不経済と
なり、一方30℃を越えれば陽極酸化処理後の耐食性が低
下してしまう。さらに電流密度は、2.5A/dm2以上では処
理に多大な電力を要し、実用的でなく、一方1.5A/dm2
満では、陽極酸化処理後の色調が薄くなってベージュ色
が得られなくなる。また生成される陽極酸化皮膜の膜厚
が10μm未満では充分な耐食性が得られず、一方30μm
を越えるまで厚くすることは経済的でない。
以上のような硫酸浴による陽極酸化処理によって、金
属光沢の少ないベージュ色の色調を得ることができる。
なおここで陽極酸化処理後の色調については、ハンター
の色差式(JIS Z8730参照)による明度指数Lとクロマ
ティクネス指数a,bの値によって評価することができ
る。すなわち、明度指数のL値は高いほど白く、一方ク
ロマティクネス指数は着色度についてのものであってそ
のa値は高いほど赤味が強く、b値は高いほど黄味が強
いことをあらわす。そしてこの発明で目的とするベージ
ュ色の色調とは、L値、a値、b値が、 L>65、1<a<4、2<b<6 を満たす色調と定義することがてきる。また金属光沢の
少ない状態とは、光沢度20%以下と定義することができ
る。
実 施 例 [実施例1] 第1表に示す合金No.1〜6の溶湯を常法にしたがって
溶製し、鋳造速度65mm/minにて半連続鋳造法(DC鋳造
法)によって断面寸法400mm×1000mmの鋳塊を鋳造し
た。得られた各鋳塊について面削後、第2表中に示すよ
うな条件で鋳塊加熱(主に600℃×10hr、一部は530℃×
10hr)を行ない、400℃で熱間圧延を施して板厚6mmの熱
延板とした。次いで板厚4mmまで冷間圧延した後、350℃
×5hrの中間焼鈍を行ない、さらに板厚2.5mmまで冷間圧
延した。但し合金No.4については、鋳塊段階で組織を確
認したところ樅の木組織が発生したため、その後の圧延
は行なわなかった。
その後、各板について5%NaOH水溶液でエッチング
し、水洗後硝酸でデスマット処理を行なった。次いでH2
SO4濃度15vol%の硫酸浴を用いて、浴温20℃、電流密度
2.0A/dm2で陽極酸化処理を行ない、それぞれ膜厚20μm
の陽極酸化皮膜を生成させた。
各板の陽極酸化皮膜の表面色調について、スガ試験機
製カラーメーターSM−3−MCHを用いて調べるととも
に、表面光沢度を調べた。色調は、ハンターの色差式に
よる明度指数Lおよびクロマティクネス指数a,bを用い
て評価した。その結果を第2表中に示す。なおここで L値>65、1<a値<4、2<b値<6 を満たし、かつ光沢度20%以下の場合に金属光沢の少な
いベージュ色の色調と判定できる。
また一方、各板について、金属間化合物の総量、およ
びFeAl3相とFeMnAl3相の合計量が全金属間化合物量に占
める割合を調べた。その結果を第2表中に併せて示す。
なお、金属間化合物の量の判定は、次のようにして行
なった。すなわち、先ず試料を約0.5〜1g採取し、フェ
ノール溶液100ml中において170〜180℃で30分溶解し、
さらにフェノール溶液の凝固を防ぐためベンジルアルコ
ールを140℃で50ml添加した後、濾過して、残渣をアル
コールで洗浄し、さらにその残渣を重量分析した。
また金属間化合物の相の同定は次のようにして行なっ
た。すなわち、先ず試料を約0.5〜1g採取し、フェノー
ル溶液100ml中において170〜180℃で30分溶解し、フェ
ノール溶液の凝固を防ぐためにベンジルアルコールを14
0℃で50ml添加した後、濾過し、残渣をアルコールで洗
浄した後、その残渣をX線回折により同定した。
第2表に示す結果から、この発明の実施例によるアル
ミニウム合金板は、硫酸浴にる陽極酸化処理後の色調と
して、金属光沢の少ないしっとりとした質感を有するベ
ージュ色が得られることが明らかである。
[実施例2] 実施例1に記載したと同様にして得られた合金No.1の
圧延板について、第3表中に示すように陽極酸化処理条
件を種々変化させ、膜厚20μmの陽極酸化皮膜を生成さ
せた。
各条件で陽極酸化処理を施した後の色調および光沢
と、陽極酸化皮膜の耐食性を調べた結果を第3表中に併
せて示す。なお耐食性は、JIS H8681に規定される陽極
酸化皮膜の耐食性試験法のうち、起電力法を用いて評価
し、100SEC以上を合格とした。
第3表に示す結果から、請求項3で規定している陽極
酸化処理条件を満たした場合に、硫酸浴による陽極酸化
処理で耐食性が優れかつ金属光沢の少ないベージュ色の
色調を有する陽極酸化皮膜が得られることが明らかであ
る。
発明の効果 以上の実施例から明らかなように、請求項1の発明の
アルミニウム合金板は、経済的な硫酸浴による陽極酸化
処理によって、従来は達成困難とされていた金属光沢の
少ないしっとりとした質感のあるベージュ色の色調を得
ることができる。また請求項2の発明の方法によれば、
鋳塊加熱条件を適切に規制したことにより、上述のよう
な色調を陽極酸化処理後に呈するアルミニウム合金板を
実際的に製造することができる。さらに請求項3の発明
の方法によれば、陽極酸化処理が施されたアルミニウム
合金板として、金属光沢が少ないベージュ色の色調を有
しかつ耐食性も優れた陽極酸化処理板を低コストで確実
に得ることができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe0.8〜2.0wt%、Mn0.05〜0.4wt%を含有
    し、かつSiが0.2wt%以下に規制され、残部が実質的にA
    lよりなり、かつ全金属間化合物量(重量)に対してFeA
    l3相およびFeMnAl3相の合計量の占める割合が90%以上
    であり、しかも全金属間化合物量が2.5〜7.0wt%の範囲
    内にあることを特徴とする、陽極酸化処理後の色調がベ
    ージュ色でかつ金属光沢の少ないアルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】Fe0.8〜2.0wt%、Mn0.05〜0.4wt%を含有
    し、かつSiが0.2wt%以下に規制され、残部が実質的にA
    lよりなるアルミニウム合金を素材とし、その合金をDC
    鋳造した後、鋳塊に対し580〜630℃の範囲内の温度で0.
    5〜24時間加熱処理を施し、その後圧延して最終板厚と
    し、これにより全金属間化合物量(重量)に対してFeAl
    3相およびFeMnAl3相の合計量の占める割合が90%以上で
    あり、しかも全金属間化合物量が2.5〜7.0wt%の範囲内
    にある圧延板を得ることを特徴とする、陽極酸化処理後
    の色調がベージュ色でかつ金属光沢の少ないアルミニウ
    ム合金板の製造方法。
  3. 【請求項3】Fe0.8〜2.0wt%、Mn0.05〜0.4wt%を含有
    し、かつSiが0.2wt%以下に規制され、残部が実質的にA
    lよりなるアルミニウム合金を素材とし、その合金をDC
    鋳造した後、鋳塊に対し580〜630℃の範囲内の温度で0.
    5〜24時間加熱処理を施し、その後圧延して最終板厚と
    し、これにより全金属間化合物量(重量)に対してFeAl
    3相およびFeMnAl3相の合計量の占める割合が90%以上で
    ありしかも全金属間化合物量が2.5〜7.0wt%の範囲内に
    ある圧延板を得、その後その圧延板に対し、H2SO4濃度
    が10〜25vol%の硫酸電解浴を用いて浴温度10〜30℃、
    電流密度1.5A/dm2以上、2.5A/dm2未満で陽極酸化処理を
    施して膜厚10〜30μmの陽極酸化皮膜を形成することを
    特徴とする、陽極酸化処理後の色調がベージュ色でかつ
    金属光沢の少ないアルミニウム合金板の製造方法。
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