JP2606469B2 - 自然発色用アルミニウム合金及びその製造方法 - Google Patents

自然発色用アルミニウム合金及びその製造方法

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JP2606469B2
JP2606469B2 JP3077160A JP7716091A JP2606469B2 JP 2606469 B2 JP2606469 B2 JP 2606469B2 JP 3077160 A JP3077160 A JP 3077160A JP 7716091 A JP7716091 A JP 7716091A JP 2606469 B2 JP2606469 B2 JP 2606469B2
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張弓 小菅
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陽極酸化処理によって
青味を帯びたグレー色の皮膜が形成され、器物,建材パ
ネル,その他装飾品等の材料として使用されるアルミニ
ウム合金及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陽極酸化処理によってアルミニウム合金
の表面に種々の色調をもつ皮膜を形成させることは、自
然発色処理として知られている。また。この処理に使用
するアルミニウム合金としても、種々の材料が開発され
ている。
【0003】硫酸浴中でグレー色の陽極酸化皮膜を形成
するアルミニウム合金として、Al−Si系合金,Al
−Fe系合金等が従来から使用されている。たとえば、
特開昭53−43016号公報,特開昭62−2020
42号公報で、Mn及び/又はNiを添加したAl−F
e系合金が紹介されている。また、特開平1−2159
46号公報で、Cuを添加したAl−Fe系合金が紹介
されている。
【0004】Al−Si系合金では、やや赤味或いは黄
味を帯びたグレー色を呈した陽極酸化皮膜が形成され
る。他方、金属間化合物Al6 Feを第2相粒子として
含有するAl−Fe系合金では、無彩色に近い又はやや
青味を帯びたグレー色を呈する陽極酸化皮膜が形成され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】Mn及び/又はNiを
添加したAl−Fe系合金を陽極酸化したときに形成さ
れる皮膜は、やや赤味を帯びた色調となり、高級感が得
られない。他方、Cuを添加したAl−Fe系合金で
は、青味を帯びたグレー色の色調になるが、濃いグレー
色を得るためには皮膜を厚くする必要がある。皮膜厚さ
を増すためには、それだけ陽極酸化処理時間が長くな
り、電力消費量が増大するばかりでなく、生産性を低下
させる原因となる。
【0006】また、最近の傾向として、種々の色調をも
った材料が要求されている。特にグレー色でも、赤味や
黄味を帯びたものより、青味を帯びたものの方が落ち着
いた雰囲気に調和するものとして望まれている。
【0007】本発明は、このような要望に応えるべく案
出されたものであり、青味を帯びたグレー色の色調が比
較的薄い皮膜厚さで得られるアルミニウム合金を提供す
ることを目的とする。
【0008】本発明のアルミニウム合金は、その目的を
達成するため、Fe:0.6〜1.8重量%及びZn:
0.05〜0.5重量%を含有し、Znが固溶したマト
リックスにAlFeが分散しており、硫酸含有浴中で
の陽極酸化処理によって青味を帯びたグレー色に発色す
る。
【0009】
【0010】本発明のアルミニウム合金は、Fe:0.
6〜1.8重量%及びZn:0.05〜0.5重量%を
含有するアルミニウム合金の鋳塊を均熱処理する際、4
00〜450℃の温度に達した時点で直ちに熱間圧延を
開始し、次いで冷間圧延及び硫酸含有浴中で陽極酸化を
施すことにより製造される。これにより、準安定相Al
6 Feが平衡相Al3 Feに変化することが阻止され
る。
【0011】
【作用】本発明者等は、従来の硫酸浴を使用した陽極酸
化処理条件を変更することなく比較的薄い皮膜厚さで青
味を帯びた陽極酸化皮膜を形成するため、アルミニウム
に種々の合金元素を添加し、その発色状態及び皮膜形成
速度を調査した。その結果、青味を帯びた陽極酸化皮膜
を比較的短時間で形成するためには、Fe及びZnの複
合添加が有効であることを解明した。
【0012】Feは、金属間化合物Al6 Feとしてア
ルミニウム合金中に存在する。そして、Fe含有量に応
じて、硫酸含有浴中での陽極酸化によって形成された皮
膜の色調が変わる。Fe含有量が0.6重量%未満で
は、十分なグレー色が得られない。逆にFe含有量が
1.8重量%を超えるとき、鋳造時にAl3 Fe相が晶
出し、グレー色の発色が妨げられる。このことから、F
e含有量を0.6〜1.8重量%の範囲に維持すること
が必要である。
【0013】Znは、Al6 Feの生成に影響を与える
ことなく、陽極酸化皮膜の色調に安定した青味を帯びさ
せる作用を呈する。また、硫酸含有浴中での陽極酸化皮
膜の生成量を増加させる上でも、有効な合金元素であ
る。このような効果を発揮させるため、Zn含有量を
0.05重量%以上にすることが必要である。しかし、
0.5重量%を超えるZn含有量は、皮膜の色調を茶色
系に変化させる原因となりやすい。そこで、Zn含有量
は、0.05〜0.5重量%の範囲に規定した。
【0014】本発明のアルミニウム合金は、陽極酸化皮
膜の色調に悪影響を与えない限り、Fe及びZn以外の
種々の合金元素を含むことができる。このような合金元
素としては、0.1重量%以下のSi,0.3重量%以
下のCu,0.2重量%以下のMn,0.15重量%以
下のCr,0.15重量%以下のCo,0.15重量%
以下のニッケル等がある。これら合金元素は、材質の機
械的性質をコントロールするため単独で或いは複合して
アルミニウム合金に添加することができる。
【0015】このアルミニウム合金を450℃を超える
高い温度に長時間保持するとき、Al6 FeのAl3
eへの変化が生じ易い。その結果、得られた材料を陽極
酸化すると、目標とする色調とは異なった乳白色の皮膜
が形成される。そこで、Znを固溶状態に保持し、且つ
Al6 Feの分解を抑制するため、鋳造時に可能な限り
急速に冷却して凝固させ、均熱処理も450℃を超える
高い温度に長時間保持することなく、しかも均熱後直ち
に薄板に圧延することが重要である。
【0016】鋳造時の冷却速度としては、通常のDC鋳
造で得られる冷却速度、具体的には0.5℃/秒以上が
好ましい。冷却速度が0.5℃/秒未満であると、Al
3 Feが晶出するため、色調が安定しない。
【0017】均熱処理は、Al6 Fe→Al3 Feの反
応を抑えるため、450℃以下の温度で行われる。しか
し、この温度が400℃未満になると、その後の熱間圧
延性が劣化する。更に、熱間圧延時に十分再結晶が進行
せず、最終板の表面がストリーク状になる。また、均熱
処理されたアルミニウム合金を直ちに熱間圧延すること
によって、Al3 Feの生成が防止される。なお、用途
によっては、中間焼鈍した材料が要求されることがあ
る。このような場合、Al6 Fe→Al3 Feの反応を
防止するため、300〜400℃の温度範囲で短時間の
中間焼鈍を行うことが好ましい。更に、最終板として軟
質材が要求される場合には、300〜400℃の温度範
囲で最終焼鈍することが好ましい。
【0018】陽極酸化処理は、厚み10〜30μmの陽
極酸化皮膜が形成される条件下で行うことが好ましい。
このとき使用される硫酸浴としては、たとえば10〜2
0%の硫酸を含有する硫酸系浴を電解液として使用する
とき、浴温を15〜25℃に維持し、電流密度0.5〜
3A/dm2 で20〜80分の電解を行う。これによ
り、青味がかったグレー色の色調をもつ陽極酸化皮膜が
形成される。
【0019】
【実施例】実施例1:表1に示した組成をもつアルミニ
ウム合金No.1〜7を、厚さ70mmの鋳塊に連続鋳造
し、450℃に加熱した後、直ちに板厚6mmまでに熱
間圧延した。次いで、熱延板を板厚3.5mmまで冷間
圧延し、350℃で1時間の中間焼鈍を施し、最後に板
厚2.0mmまで冷間圧延した。ただし、表1における
合金No.1〜4は比較のための供試材であり、合金No.
5〜7が本発明に従ったアルミニウム合金である。
【0020】
【表1】
【0021】得られた冷延板を、温度20℃に保持した
17.5%硫酸浴を使用し、電流密度1.2A/dm2
で60分間陽極酸化した。陽極酸化処理後のL値,a
値,b値を色差計によっって測定した。また、色調を官
能検査で評価した。陽極酸化皮膜の厚さを、同様に測定
した。これら測定結果を、表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2から明らかなように、本発明に従って
Fe及びZnを含有する合金No.5〜7は、青味を帯び
たグレーの色調を示すだけでなく、皮膜厚さが合金No.
1〜4に比較して同一陽極処理時間で約10%以上厚く
なっている。したがって、陽極処理時間を短くしても、
同じ膜厚の陽極酸化皮膜が形成されることが判る。
【0024】実施例2:表1に示したアルミニウム合金
No.1〜5を厚さ70mmの鋳塊に連続鋳造し、450
℃に加熱した後、板厚6mmまで熱間圧延した。次い
で、板厚3.5mmに冷間圧延し、350℃で1時間の
中間焼鈍を施し、最終的に2.0mmの板厚まで冷間圧
延した。
【0025】得られた冷延板を、20℃に保持した1
7.5%硫酸浴を使用して、電流密度1.2A/dm2
で陽極酸化した。形成された陽極酸化皮膜の厚みを測定
した。皮膜厚みは、図1に示すように陽極処理時間の経
過と共に変化した。
【0026】図1から明らかなように、Znを添加した
本発明の合金No.5は、Znを含有しない合金No.1〜
4に比較して、同じ陽極酸化処理時間で厚く皮膜が生成
していることが判る。このことは、同じ皮膜厚さを得る
ために必要な陽極酸化処理時間を短縮できることを意味
する。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のアルミ
ニウム合金は、Fe及びZnを含有しているので、短時
間の陽極酸化によって青みがかったグレー色の色調に発
色させることができる。陽極酸化処理されたアルミニウ
ム合金は、この色調が雰囲気に調和し高級感を呈するた
め、商品価値の高い調度品,建材等の広範な分野で使用
される材料となる
【図面の簡単な説明】
【図1】 陽極酸化処理の時間と形成された皮膜の厚み
との関係を示すグラフ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe:0.6〜1.8重量%及びZn:
    0.05〜0.5重量%を含有し、Znが固溶したマト
    リックスにAl Feが分散しており、硫酸含有浴中で
    の陽極酸化処理によって青味を帯びたグレー色に発色す
    る自然発色用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 Fe:0.6〜1.8重量%及びZn:
    0.05〜0.5重量%を含有するアルミニウム合金の
    鋳塊を均熱処理する際、400〜450℃の温度に達し
    た時点で直ちに熱間圧延を開始し、次いで冷間圧延する
    ことを特徴とする自然発色用アルミニウム合金の製造方
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JPH02122047A (ja) * 1988-10-27 1990-05-09 Intevep Sa 耐食性アルミ合金と均一灰色非褪色性表面を有するその製品、並びにその製造方法

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