JPH0372049A - フッ素樹脂塗装、陽極酸化処理用アルミニウム合金板とその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、内面をエツチングして粗面化した後、フッ素
樹脂塗装を行い、外面を陽極酸化処理して実用に供する
各種器物用のアルミニウム合金板とその製造方法に関す
る。

（従来の技術） フッ素樹脂は耐薬品性、耐水性、耐熱性に優れるため、
各種器物の内面塗装用として使用されており、アルミニ
ウム合金板をエツチングにより表面に微細な凹凸を有す
る粗面とし、密着性を高めた後、塗布されている。この
場合、アルミニウム合金板としては、エツチング後に十
分な粗面を得るために、Ａｌ−Ｍｎ−Ｍｇ系合金が用い
られている。

一方、硫酸浴で陽極酸化処理後、乳白色に近い色調を呈
するアルミニウム合金としては、素材中にＦｅＡｌ□を
分散させる方法が知られており、特公昭５７−２０４０
０号などでＦｅ、Ｍｇ含有アルミニウム合金が知られて
いる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、フッ素樹脂塗装用のアルミニウム合金と
して用いられている一般的なＡｌ−Ｍｎ−Ｍｇ系合金は
、硫酸浴で陽極酸化処理した場合、シルバー色、或いは
赤味がかったシルバー色となり、乳白色の皮膜は得られ
ない。

一方、特公昭５７−２０４００号などで知られている前
記アルミニウム合金は、エツチングにより十分な粗面が
得られず、フッ素樹脂との密着性が悪い。

すなわち、これまでのアルミニウム合金では、エツチン
グ後、フッ素樹脂塗装した場合の密着性が良好で、しか
もを硫酸浴で陽極酸化処理した場合に乳白色を呈するも
のは得られていなかった。

しかし、各種器物用として、内面側に耐熱性が優れ、こ
げつきにくいフッ素樹脂を塗装し、外面側は陽極酸化処
理後、外観のよい乳白色の皮膜が得られる材料のニーズ
が強く、このようなアルミニウム合金材料の開発が望ま
れていた。

本発明は、上記の実情に鑑みてなされたもので、内面を
エツチングし粗面化した場合、十分粗面化され、フッ素
樹脂との密着性が良好で、且つ外面を硫酸浴で陽極酸化
処理した場合、乳白色の皮膜が得られるアルミニウム合
金板並びにその製造方法を提供することを目的とするも
のである。

（課題を解決するための手段） 前記目的を遠戚すべく、本発明者は、アルミニウム合金
の成分組成並びに製造条件について鋭意研究を重ねた結
果、Ｆｅ、Ｍｎ、Ｔｉの適量を必須成分とするように成
分調整し、且つ特に均質化条件を併せて規制することに
より、可能であることを見い出し、ここに本発明をなし
たものである。

すなわち、本発明は、Ｆｅ：０．５〜３％、Ｍｎ：０．
１−０．４％及びＴｉ：０．１０％以下を含み、必要に
応じて更にＭｇ：０．１〜１．５％を含み、残部がＡｌ
及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金であって
、ＦｅとＡｌとの金属間化合物が９５％以上がＦ　ａ　
Ａ　Ｑ　ａであることを特徴とする内面のエツチング面
がフッ素樹脂との密着性に優れ。

外面の陽極酸化処理面が乳白色を呈するアルミニウム合
金板を要旨とするものである。

また、その製造方法は、Ｆｅ：０．５〜３％、Ｍｎ：０
．１〜０．４％及びＴｉ：０．１０％以下を含み、必要
に応じて更にＭｇ：　０　、１〜１．５％を含み、残部
がＡｌ及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金鋳
塊を５１０℃以上の温度に加熱した後、熱間圧延し、焼
鈍、冷間圧延することを特徴とする内面のエツチング面
がフッ素樹脂との密着性に優れ、外面の陽極酸化処理面
が乳白色を呈するアルミニウム合金板の製造方法を要旨
とするものである。

以下に本発明を更に詳述する。

（作用） まず、上記の如く特性の成分組成を有するアルミニウム
合金板を用いる理由並びに製造条件の限定理由は次の通
りである。

Ｆｅは金属間化合物ＦｅＡｌ３として存在することによ
り、外面側の陽極酸化皮膜を乳白色とする効果を有する
。陽極酸化皮膜を乳白色とするにはＦｅは０．５％以上
が必要である。しかし、３％を超えると巨大化合物が発
生するので好ましくない。

したがって、Ｆｅ量は０．５〜３％とした。

ＦｅＡｌ３は内面側の化学的若しくは電気化学的エツチ
ングにおけるカソードとして働き、表面を粗面化する効
果もあるが、Ｆｅの含有のみでは粗面化の効果は不十分
であり、Ｍｎを０．１〜０．４％添加することが必要で
ある。これによりエツチングにより十分な粗面化がなさ
れ、フッ素樹脂との密着性が良好となる。なお、Ｍｎが
０．１％未満では内面側の粗面化効果が十分でなく、ま
た０゜４％を超えると外面側の乳白色陽極酸化皮膜が黒
味若しくは赤味を帯びてくるので好ましくない。

Ｔ１は結晶粒微細化効果があるが、０．１％より多いと
巨大化合物発生の恐れがあるので、０．１％以下で添加
する必要がある。

Ｍｇは強度向上効果があり、必要に応じて０．１０〜１
．５％の範囲で添加することが可能である。

１．５％より多く添加すると内面側エツチング面が不規
則となり、フッ素樹脂との密着性が低下するので好まし
くない。

なお、不純物としては、ＳＬｏ、１５％以下、Ｃｕ０．
１０％以下が許容される。

上記化学成分を有するアルミニウム合金であっても、通
常のＩＢ造条件では、陽極酸化処理面が乳白色にならな
い。すなわち、一般に鋳造後のアルミニウム合金鋳塊は
ＦｅＡｌ３とＦ　ｅ　Ａ　Ｑ　６の金属間化合物が混在
するが１本発明では、これを５１０℃以上で加熱するこ
とにより、９５％以上をＦｅＡｌ３に変態させることが
可能となり、したがって、陽極酸化処理面を乳白色にす
ることができる。

したがって、鋳塊加熱温度は５１０℃以上とした。

なお、加熱時間は、加熱温度にもよるが、概ね３時間以
上が望ましい。

アルミニウム合金鋳塊を所定温度に加熱した後は、通常
の条件にて熱間圧延、焼鈍、冷間圧延を行って、アルミ
ニウム合金板を得る。

このアルミニウム合金板は、内面側を化学的方法又は電
気化学的方法等の適宜手段によりエツチングし、フッ素
樹脂塗装し、外面側には硫酸浴による陽極酸化処理を行
い、必要に応じて成形加工し、使用される。この場合、
フッ素樹脂塗装並びに陽極酸化処理の他の条件は特に限
定されない。

次に本発明の実施例を示す。

（実施例） 第１表に示す化学成分を有する５００ｏｏａＸ１０００
＋ｍの断面寸法のアルミニウム合金鋳塊について、表皮
部１０ｍｍを面削後、第１表に示す温度に加熱し、熱延
、焼鈍、冷延して１ｍｍ厚とし、陽極酸化処理、フッ素
樹脂塗装を行った。

なお、陽極酸化処理は、苛性ソーダでエツチング後、２
０℃、１５％Ｈ，Ｓ　Ｏ４を用いて、電流密度１．５Ａ
／ｄ１にて行い、１５μ謙の陽極酸化皮膜を生成させた
。色調はＬ串、ａ喀、ｂ中糸のＬ値・と目視色調で評価
した。Ｌ値傘は７５以上が望ましい。

フッ素樹脂との密着性は、食塩水溶液中で直流エツチン
グし、フッ素樹脂とのピーリング強度を測定して評価し
た。

第■表から明らかなように、本発明例によるフッ素樹脂
塗装用アルミニウム合金板は、陽極酸化処理後、乳白色
を呈し、しかもフッ素樹脂との密着性が優れていること
がわかる。

一方、本発明範囲内の化学成分を有するものの、鋳塊温
度が低い比較例Ｎα６は、乳白色が得られていない。ま
た、Ｍｎが少ない比較例Ｎ（１５，Ｎ（１８は乳白色が
得られるものの、フッ素樹脂との密着性に劣り、Ｆｅが
少ない比較例ＮＣＬ７はシルバー色であり、乳白色が得
られていない。

【以下余白］ （発明の効果） 以上詳述したように、本発明によれば、アルミニウム合
金の成分を調整すると共に特に鋳塊加熱温度を規制する
ので、外側の陽極酸化処理面が乳白色を呈し、内側のエ
ツチング面がフッ素樹脂との密着性に優れるアルミニウ
ム合金板を提供することができる。したがって、内面に
フッ素樹脂塗装し、外面を乳白色とする各種器物用材料
として好適である。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量％で（以下、同じ）、Ｆｅ：０．５〜３％、
   Ｍｎ：０．１〜０．４％及びＴｉ：０．１０％以下を含
   み、残部がＡｌ及び不可避的不純物からなるアルミニウ
   ム合金であって、ＦｅとＡｌとの金属間化合物が９５％
   以上がＦｅＡｌ＿３であることを特徴とする内面のエッ
   チング面がフッ素樹脂との密着性に優れ、外面の陽極酸
   化処理面が乳白色を呈するアルミニウム合金板。
2. （２）前記アルミニウム合金が、更にＭｇ：０．１〜１
   ．５％を含んでいる請求項１に記載のアルミニウム合金
   板。
3. （３）Ｆｅ：０．５〜３％、Ｍｎ：０．１〜０．４％及
   びＴｉ：０．１０％以下を含み、残部がＡｌ及び不可避
   的不純物からなるアルミニウム合金鋳塊を５１０℃以上
   の温度に加熱した後、熱間圧延し、焼鈍、冷間圧延する
   ことを特徴とする内面のエッチング面がフッ素樹脂との
   密着性に優れ、外面の陽極酸化処理面が乳白色を呈する
   アルミニウム合金板の製造方法。
4. （４）前記アルミニウム合金が、更にＭｇ：０．１〜１
   ．５％を含んでいる請求項３に記載の方法。