JP3116101B2 - 表裏両面に色違いの陽極酸化皮膜を生成するアルミニウム合金クラッド材 - Google Patents

表裏両面に色違いの陽極酸化皮膜を生成するアルミニウム合金クラッド材

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JP3116101B2
JP3116101B2 JP03092096A JP9209691A JP3116101B2 JP 3116101 B2 JP3116101 B2 JP 3116101B2 JP 03092096 A JP03092096 A JP 03092096A JP 9209691 A JP9209691 A JP 9209691A JP 3116101 B2 JP3116101 B2 JP 3116101B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば鍋等の器物
を形成するのに用いられる表裏両面に色違いの陽極酸化
皮膜を生成するアルミニウム合金クラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】たとえば
器物において、美観を向上させるために、内外両面のう
ちいずれか一方の面をクリーム色等の白系統の色とし、
同他方の面を黒系統の色とすることが考えられている。
通常、器物の内外両面の色を違ったものとするには、染
料を用いて塗装することによって行われている。
【0003】しかしながら、白系統の色の染料および黒
系統の色の染料は、食品衛生法上鍋等の器物に使用する
ことは認められていないので、上記のような器物は存在
していないのが実情である。
【0004】この発明は上記実情に鑑みてなされたもの
であって、一方の面に白系統の色、他方の面に黒系統の
色の陽極酸化皮膜を生成するアルミニウム合金クラッド
材を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明の表裏両面に
色違いの陽極酸化皮膜を生成するアルミニウム合金クラ
ッド材は、鉄0.5〜3.0wt%を含有し、残部不可避
不純物およびアルミニウムからなる熱処理アルミニウム
合金材と、これと同一組成である非熱処理アルミニウム
合金材とよりなるものである。
【0006】上記第1の発明において、鉄を含有したア
ルミニウム合金中にはAl−Fe系金属間化合物である
Al6 Feが晶出し、これは表面にも表れる。そして、
この非熱処理材に通常の硫酸陽極酸化処理、たとえば硫
酸6〜20vol %を含みかつ液温5〜25℃の処理液中
において、電流密度0.7〜3A/dm2 の直流電流を
通じて30〜90分間処理を施すと、黒系統の色の陽極
酸化皮膜が生成する。また、上記アルミニウム合金に、
通常の均質化熱処理、たとえば580〜650℃×1〜
20時間を施すと、Al6 FeがAl3 Feに変態す
る。そして、この熱処理材に上記と同様の硫酸陽極酸化
処理を施すと、クリーム色等の白系統の色の陽極酸化皮
膜が生成する。
【0007】鉄の含有量を上記のように限定した理由
は、0.5wt%未満ではAl6 Feが少なくなって非熱
処理アルミニウム合金材に上記のような陽極酸化処理を
施しても黒系統の色の陽極酸化皮膜が生成せず、しかも
これに上記のような熱処理を施した場合のAl3 Feが
少なくなって熱処理アルミニウム合金材に上記のような
陽極酸化処理を施しても白系統の色の陽極酸化皮膜が生
成せず、3.0wt%を越えると、光沢が消失するととも
に陽極酸化皮膜の耐食性が劣化するからである。
【0008】アルミニウム合金材は、さらにカルシウム
0.0005〜0.03wt%を含有していてもよい。カ
ルシウムは、鉄を含有したアルミニウム合金に上記のよ
うな熱処理を施したさいにその全領域にわたってAl3
Feを均一に晶出させる性質を有するからである。とこ
ろが、その含有量が0.0005〜0.03wt%の範囲
外であるとこのような効果が得られないので、カルシウ
ムを含有させるさいの含有量は、上記範囲内とするのが
好ましい。
【0009】第2の発明の表裏両面に色違いの陽極酸化
皮膜を生成するアルミニウム合金クラッド材は、鉄0.
5〜3.0wt%を含有し、残部不可避不純物およびアル
ミニウムからなる非熱処理アルミニウム合金材と、マグ
ネシウム0.1〜1.0wt%を含有し、残部不可避不純
物およびアルミニウムからなる非熱処理アルミニウム合
金材とよりなるものである。
【0010】上記第2の発明において、鉄を含有したア
ルミニウム合金中にはAl−Fe系金属間化合物である
Al6 Feが晶出し、これは表面にも表れる。そして、
この非熱処理材に通常の硫酸陽極酸化処理、たとえば硫
酸6〜20vol %を含みかつ液温5〜25℃の処理液中
において、電流密度0.7〜3A/dm2 の直流電流を
通じて30〜90分間処理を施すと、黒系統の色の陽極
酸化皮膜が生成する。
【0011】鉄の含有量を上記のように限定した理由
は、0.5wt%未満ではAl6 Feが少なくなって非熱
処理アルミニウム合金材に上記のような陽極酸化処理を
施しても黒系統の色の陽極酸化皮膜が生成せず、3.0
wt%を越えると、光沢が消失するとともに陽極酸化皮膜
の耐食性が劣化するからである。
【0012】また、マグネシウムを含有したアルミニウ
ム合金の非熱処理材に通常の硫酸陽極酸化処理、たとえ
ば硫酸6〜20vol %を含みかつ液温5〜25℃の処理
液中において、電流密度0.7〜3A/dm2 の直流電
流を通じて30〜90分間処理を施すと、クリーム色等
の白系統の色の陽極酸化皮膜が生成する。
【0013】マグネシウムの含有量を上記のように限定
した理由は、上記範囲外であれば、成形性が低下するか
らである。
【0014】このアルミニウム合金材には、不可避不純
物が含まれるが、その中で鉄の含有量は0.01〜0.
3wt%の範囲内にあるのがよい。その理由は、不純物と
しての鉄の含有量が多すぎると、耐食性が低下するから
である。
【0015】
【作用】第1の発明のアルミニウム合金クラッド材に同
一条件で陽極酸化処理を施すと、熱処理材の表面には白
系統の色の陽極酸化皮膜が生成し、非熱処理材の表面に
は黒系統の色の陽極酸化皮膜が生成する。
【0016】第2の発明のアルミニウム合金クラッド材
に同一条件で陽極酸化処理を施すと、鉄を含有する非熱
処理アルミニウム合金材の表面には黒系統の色の陽極酸
化皮膜が生成し、マグネシウムを含有する非熱処理アル
ミニウム合金材の表面には白系統の色の陽極酸化皮膜が
生成する。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。
【0018】実施例1 鉄1.3wt%、カルシウム0.01wt%を含有し、残部
不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム
合金材に、610℃×10時間の熱処理を施して熱処理
アルミニウム合金材をつくった。また、これと同一組成
である非熱処理アルミニウム合金材を用意した。つい
で、両合金材をクラッドしてアルミニウム合金クラッド
材を得た。その後、このクラッド材に、熱処理アルミニ
ウム合金材が内側にくるように深絞り加工を施し、断面
略U字形の有底筒状容器を成形した。そして、この容器
に、硫酸10vol %を含みかつ液温20℃の処理液中に
おいて、電流密度1.5A/dm2 の直流電流を通じて
60分間陽極酸化処理を施した。その結果、容器の外面
には黒色の陽極酸化皮膜が生成し、内面にはクリーム色
の陽極酸化皮膜が生成した。
【0019】実施例2 鉄0.15wt%を含有し、残部不可避不純物およびアル
ミニウムからなる非熱処理アルミニウム合金材と、マグ
ネシウム0.4wt%を含有し、残部不可避不純物および
アルミニウムからなる非熱処理アルミニウム合金材とを
用意し、両合金材をクラッドしてアルミニウム合金クラ
ッド材を得た。その後、このクラッド材に、マグネシウ
ムを含有するアルミニウム合金材が内側にくるように深
絞り加工を施し、断面略U字形の有底筒状容器を成形し
た。そして、この容器に、硫酸10vol %を含みかつ液
温20℃の処理液中において、電流密度1.5A/dm
2 の直流電流を通じて60分間陽極酸化処理を施した。
その結果、容器の外面には黒色の陽極酸化皮膜が生成
し、内面にはクリーム色の陽極酸化皮膜が生成した。
【0020】
【発明の効果】第1および第2の発明によれば、上述の
ように、このアルミニウム合金クラッド材に陽極酸化処
理を施すと、両面に生成する陽極酸化皮膜の色が異なっ
たものとなる。したがって、染料を使用することなく、
内面と外面とで色の異なった器物を簡単につくることが
できる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄0.5〜3.0wt%を含有し、残部不
    可避不純物およびアルミニウムからなる熱処理アルミニ
    ウム合金材と、これと同一組成である非熱処理アルミニ
    ウム合金材とよりなる表裏両面に色違いの陽極酸化皮膜
    を生成するアルミニウム合金クラッド材。
  2. 【請求項2】 鉄0.5〜3.0wt%を含有し、残部不
    可避不純物およびアルミニウムからなる非熱処理アルミ
    ニウム合金材と、マグネシウム0.1〜1.0wt%を含
    有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなる非
    熱処理アルミニウム合金材とよりなる表裏両面に色違い
    の陽極酸化皮膜を生成するアルミニウム合金クラッド
    材。
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