JPH07113138A - 色違い面形成用発色アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents

色違い面形成用発色アルミニウム合金クラッド材

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JPH07113138A
JPH07113138A JP26016193A JP26016193A JPH07113138A JP H07113138 A JPH07113138 A JP H07113138A JP 26016193 A JP26016193 A JP 26016193A JP 26016193 A JP26016193 A JP 26016193A JP H07113138 A JPH07113138 A JP H07113138A
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JP
Japan
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alloy material
clad
aluminum alloy
aluminum
alloy
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JP26016193A
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English (en)
Inventor
Yuji Yamada
裕司 山田
Kiyouhei Taguchi
教平 田口
Hideo Shiraki
日出夫 白木
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Showa Aluminum Can Corp
Original Assignee
Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Fe:0.5〜3.0wt%を含有し、あるい
はさらにCa:0.008〜0.025wt%を含有し、
残部アルミニウム及び不可避不純物からなるアルミニウ
ム合金材(Al−Fe系合金材)と、Fe:0.5〜
3.0wt%、Cr:0.2〜0.7wt%を含有し、ある
いはさらにCa:0.008〜0.025wt%を含有
し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなるアルミ
ニウム合金材(Al−Fe−Cr系合金材)とがクラッ
ドされてなる。 【効果】 Al−Fe系合金材側の面を、灰色ないし黒
色等に発色させることができ、Al−Fe−Cr系合金
材側の面を緑黄色に発色させることができ、両面を色違
い面に形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鍋等の器物の素材と
して好適な発色アルミニウム合金クラッド材に関し、特
に内外あるいは表裏両面で異なった色を発現できる色違
い面形成用の発色アルミニウム合金クラッド材に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び課題】鍋等の器物においては、美観や
外観品質の向上のため、内外両面あるいは表裏両面のう
ちいずれか一方の面を例えば灰色ないし黒色系統の色付
き面とし、他方の面を緑黄色系統の色付き面とすること
が要望されることがある。
【0003】このような両面で彩色の異なる色付き面の
形成方法としては、灰色ないし黒色系、緑黄色系の染料
や塗料を用いて染色し、あるいは塗装する方法が極く一
般的なものとして想到されるところである。
【0004】しかし、鍋等の器物にあっては、食品衛生
上、上記のような染料や塗料の使用には問題があり、内
外両面あるいは表裏両面を色違いに形成した器物の実現
は実際上容易でなかった。
【0005】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、陽極酸化処理を用いた発色法によ
り両面を色違いに形成できる発色アルミニウム材料の提
供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明は、Fe:0.5〜3.0wt%を含有し、あるいは
さらにCa:0.008〜0.025wt%を含有し、残
部アルミニウム及び不可避不純物からなるアルミニウム
合金材(「Al−Fe系合金材」と記す)と、Fe:
0.5〜3.0wt%、Cr:0.2〜0.7wt%を含有
し、あるいはさらにCa:0.008〜0.025wt%
を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなる
アルミニウム合金材(「Al−Fe−Cr系合金材」と
記す)とがクラッドされてなることを特徴とする色違い
面形成用発色アルミニウム合金クラッド材を要旨とする
ものである。
【0007】上記のAl−Fe系合金材において、Fe
は該合金中にAl−Fe系金属間化合物として晶出する
ことにより、陽極酸化処理後にクラッド材の片面を発色
させる役割を果たす。例えば、Al6 Feとして晶出す
ることにより、灰色ないし黒色系発色を現出する。しか
し、0.5wt%未満では合金中のAl−Fe系金属間化
合物が不足し、陽極酸化処理を施したとしても発色効果
に乏しいものとなる。一方、3.0wt%を越えると表面
光沢が消失するとともに、陽極酸化皮膜の耐食性が劣化
する。従って、Fe含有量は0.5〜3.0wt%に規定
されなければならない。特に好ましいFeの含有量は
1.0〜2.0wt%である。
【0008】一方、Al−Fe−Cr系合金材におい
て、FeとCrは陽極酸化処理後にクラッド材の片面を
緑黄色に発色させる役割を果たす。即ち、Feが合金中
にAl−Fe系金属間化合物であるAl3 Feとして晶
出し、このAl3 Feと固溶Crとの共存下において、
陽極酸化処理後にクラッド材の片面が緑黄色に発色する
ものとなる。しかし、Feが0.5wt%未満、Crが
0.2wt%未満では、合金中のAl3 Fe及び固溶Cr
量が不足し、陽極酸化処理を施したとしても発色効果に
乏しいものとなる。一方、Fe量が3.0wt%を越え、
Crが0.7wt%を越えると表面光沢が消失するととも
に、陽極酸化皮膜の耐食性が劣化する。従って、Fe含
有量は0.5〜3.0wt%、Crの含有量は0.2〜
0.7wt%に規定されなければならない。特に好ましい
含有量はFe:1.0〜2.0wt%、Cr:0.3〜
0.5wt%である。
【0009】Al−Fe系合金材及びAl−Fe−Cr
系合金材にそれぞれ任意的に添加されるCaは、Al6
FeやAl3 Feの生成の促進、安定化に寄与し、色む
らのない陽極酸化皮膜を生成させるのに有効に作用する
が、0.008wt%未満あるいは0.025wt%を越え
る場合は上記の効果が得られない。望ましいCaの含有
範囲は0.01〜0.02wt%である。
【0010】上記のAl−Fe系合金材とAl−Fe−
Cr系合金材とのクラッドは常法に従う圧延等により行
えば良いが、クラッド材の色調を均一化するため、Al
−Fe系合金材の厚さを厚くしてこれを芯材とし、Al
−Fe−Cr系合金材を皮材とするのが良い。具体的に
は、クラッド材の肉厚に占めるAl−Fe系合金材の厚
さを95〜80%、Al−Fe−Cr系合金材の厚さを
5〜20%に設定するのが良い。そして、本発明に係る
クラッド材を鍋等に適用する場合には、Al−Fe系合
金材が外側、Al−Fe−Cr系合金材が内側となるよ
うに成形するのが良い。
【0011】なお、クラッド前の各Al−Fe系合金材
やAl−Fe−Cr系合金材の製造方法は特に限定され
るものではないが、Al−Fe系合金材については、合
金鋳塊に均熱処理を施すと、Al6 FeがAl3 Feに
変態して、美麗な灰色ないし黒色系に発色させることが
できない恐れがあるため、灰色ないし黒色系に発色させ
る場合には、かかる均熱処理を行わないのが望ましい。
一方、Al−Fe−Cr系合金材については、色むらの
発生を抑え、均一な発色状態を得るために、例えば55
0〜65O℃×1時間以上の均熱処理を施すのが良い。
これにより、Al6 FeがAl3 Feに変態して均一に
分散し、クラッド材の片面を確実に緑黄色に発色させる
ことができる。
【0012】上記クラッド材は、通常、所要の成形を施
されて鍋等の器物に製作された後、内外両面あるいは表
裏両面を発色させるための陽極酸処理を実施されるが、
かかる陽極酸化処理も、硫酸法等による通常の処理を行
えば良い。処理の一例を示すと、硫酸6〜20vol%
を含み、かつ液温5〜25℃の硫酸浴を用い、電流密度
0.7〜3A/dm2 の直流電流を通じて30〜90分
間処理する場合を挙げ得る。
【0013】
【作用】陽極酸化処理により、クラッド材のうちのAl
−Fe系合金材については、その表面に灰色ないし黒色
系等の陽極酸化皮膜が生成される。また、Al−Fe−
Cr系合金材については、緑黄色の陽極酸化皮膜が生成
され、クラッド材の両面が色違いとなる。
【0014】
【実施例】表1に示す組成のAl−Fe系合金材とAl
−Fe−Cr系合金材とを常法に従い圧延によりクラッ
ドした。クラッド材全体の肉厚は1.0mmとし、その
うちAl−Fe系合金材とAl−Fe−Cr系合金材の
占める厚さはそれぞれ85%、15%とした。なお、A
l−Fe−Cr系合金材については、鋳塊に600℃×
10時間の均熱処理を実施したが、Al−Fe系合金材
については均熱処理を実施しなかった。
【0015】
【表1】 次に、上記各クラッド材を、Al−Fe系合金材が外
側、Al−Fe−Cr系合金材が内側となるように絞り
加工して鍋を製作した。
【0016】次いで、得られた各鍋に対して、液温20
±2℃の10vol%硫酸水溶液中で電流密度1.1A
/dm2 の電流を通じ60分間の陽極酸化処理を施し
た。陽極酸化皮膜の厚さは18μmであった。
【0017】そして、得られた鍋の外観を目視観察した
ところ、本発明実施品はいずれも内面が緑黄色に発色す
る一方、外面は黒色系に発色して、外観品質に優れたも
のであった。特にAl−Fe系合金材、Al−Fe−C
r系合金材にCaを添加した実施品No5〜7は、Ca
添加側の面が色むらのほとんどない極めて美麗な外観を
呈していた。これに対し、Al−Fe系合金材において
Fe量が不足し、Al−Fe−Cr系合金材においてF
e量及びCr量が不足しているNo8の比較品は、黒色
系発色及び緑黄色発色がともに不十分であり、いずれも
外観品質に劣るものであった。
【0018】
【発明の効果】この発明は上述の次第であるから、内外
両面あるいは表裏両面のうちの一方の面を、灰色ないし
黒色系等に発色させることができ、他方の面を緑黄色に
発色させることができ、両面を色違い面に形成すること
ができる。このため、美観や外観品質を向上することが
でき、商品価値に優れたアルミニウム器物の提供が可能
となる。しかも、染料や塗料を使用して着色するもので
はないから、食品衛生上の問題も回避できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe:0.5〜3.0wt%を含有し、残
    部アルミニウム及び不可避不純物からなるアルミニウム
    合金材と、Fe:0.5〜3.0wt%、Cr:0.2〜
    0.7wt%を含有し、残部アルミニウム及び不可避不純
    物からなるアルミニウム合金材とがクラッドされてなる
    ことを特徴とする色違い面形成用発色アルミニウム合金
    クラッド材。
  2. 【請求項2】 Fe:0.5〜3.0wt%、Ca:0.
    008〜0.025wt%を含有し、残部アルミニウム及
    び不可避不純物からなるアルミニウム合金材と、Fe:
    0.5〜3.0wt%、Cr:0.2〜0.7wt%を含有
    し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなるアルミ
    ニウム合金材とがクラッドされてなることを特徴とする
    色違い面形成用発色アルミニウム合金クラッド材。
  3. 【請求項3】 Fe:0.5〜3.0wt%を含有し、残
    部アルミニウム及び不可避不純物からなるアルミニウム
    合金材と、Fe:0.5〜3.0wt%、Cr:0.2〜
    0.7wt%、Ca:0.008〜0.025wt%を含有
    し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなるアルミ
    ニウム合金材とがクラッドされてなることを特徴とする
    色違い面形成用発色アルミニウム合金クラッド材。
  4. 【請求項4】 Fe:0.5〜3.0wt%、Ca:0.
    008〜0.025wt%を含有し、残部アルミニウム及
    び不可避不純物からなるアルミニウム合金材と、Fe:
    0.5〜3.0wt%、Cr:0.2〜0.7wt%、C
    a:0.008〜0.025wt%を含有し、残部アルミ
    ニウム及び不可避不純物からなるアルミニウム合金材と
    がクラッドされてなることを特徴とする色違い面形成用
    発色アルミニウム合金クラッド材。
JP26016193A 1993-10-18 1993-10-18 色違い面形成用発色アルミニウム合金クラッド材 Pending JPH07113138A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5956561A (ja) * 1982-09-17 1984-04-02 Kobe Steel Ltd 自然発色用Al合金
JPS5956558A (ja) * 1982-09-17 1984-04-02 Kobe Steel Ltd 自然発色用Al合金
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JPH04323399A (ja) * 1991-04-23 1992-11-12 Showa Alum Corp 表裏両面に色違いの陽極酸化皮膜を生成するアルミニウム合金クラッド材

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