JPH05295494A - 硫酸浴電解発色用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

硫酸浴電解発色用アルミニウム合金板の製造方法

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JPH05295494A
JPH05295494A JP12431392A JP12431392A JPH05295494A JP H05295494 A JPH05295494 A JP H05295494A JP 12431392 A JP12431392 A JP 12431392A JP 12431392 A JP12431392 A JP 12431392A JP H05295494 A JPH05295494 A JP H05295494A
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JP
Japan
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aluminum alloy
sulfuric acid
acid bath
color
plate
Prior art date
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Pending
Application number
JP12431392A
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English (en)
Inventor
Shuichi Furuya
修一 古谷
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Furukawa Aluminum Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 器物材等に用いられる、電解発色により高級
感のある渋味がかった黄金色を呈する硫酸浴電解発色用
アルミニウム合金板の製造方法を提供する。 【構成】 Si0.8〜2.0wt%、Fe0.1〜0.
5wt%,Ti0.01〜0.05wt%を含み、必要に応
じてさらにCr、Mnをそれぞれ0.03〜0.10wt
%を含み残部Alと不可避的不純物とからなる合金鋳塊
を530℃以上、溶融点以下の温度で均質化処理した
後、熱間圧延、冷間圧延を、中間焼鈍を入れることなく
施して板とした後、280〜350℃の温度で最終熱処
理を施すことを特徴とする硫酸浴電解発色用アルミニウ
ム合金板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として器物材に用いら
れる電解発色により渋味がかった黄金色を呈する硫酸浴
電解発色用アルミニウム合金板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来器物材用アルミニウム合
金板としては耐食性の良いことおよび深絞り加工が容易
なことから1000系あるいは3000系のアルミニウ
ム合金が使用され表面の色としてはアルミニウム特有の
銀白色のまま使用されることが多かった。しかしながら
最近高級感のある表面色が求められ、渋味がかった黄金
色が好まれて来ている。黄味のかかったアルミニウム合
金板としては、建材用に使用されている耐食性の良いA
l−Si−Fe系合金板が熱処理によって、黄味がかっ
た発色を呈することが知られているが、色調が安定しな
いという欠点を有する。また建材に使用されているAl
−Fe合金板も電解発色により黄味がかった色調を呈す
るが器物材用としては耐食性が悪いという欠点を有す
る。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる状況に鑑
み、鋭意検討の結果、耐食性が良好で高級感のある渋味
ががった黄金色を呈するアルミニウム合金板の製造方法
を開発したものであり、第1の発明は、Si0.8〜
2.0wt%、Fe0.1〜0.5wt%、Ti0.01〜
0.05wt%を含み、残部Alと不可避的不純物とから
なる合金鋳塊を530℃以上、溶融点以下の温度で均質
化処理した後、熱間圧延、冷間圧延を、中間焼鈍を入れ
ることなく施して板とした後、280〜350℃の温度
で最終熱処理を施すことを特徴とする硫酸浴電解発色用
アルミニウム合金板の製造方法であり、第2の発明は、
Si0.8〜2.0wt%、Fe0.1〜0.5wt%、T
i0.01〜0.05wt%、Cr0.03〜0.10wt
%、Mn0.03〜0.10wt%を含み、残部Alと不
可避的不純物とからなる合金鋳塊を530℃以上、溶融
点以下の温度で均質化処理した後、熱間圧延、冷間圧延
を、中間焼鈍を入れることなく施して板とした後、28
0〜350℃の温度で最終熱処理を施すことを特徴とす
る硫酸浴電解発色用アルミニウム合金板の製造方法であ
る。また、第1発明、第2発明ともに合金鋳塊と、純A
l板とを熱間圧延の際クラッドすることにより、複合板
として使用することが好ましい場合が多い。
【0004】
【作用】本発明はAl−Si−Fe合金の組成について
検討し、Si、Feを共に低く抑え上記のような製造方
法により製造することにより、硫酸浴における電解処理
により、渋味のある黄金色に発色することを見出したも
のである。
【0005】まず本発明の合金組成を上記のように限定
した理由について述べる。Siは熱処理により微細な析
出物として析出し、この析出物が電解処理により透明皮
膜中に分散することにより、黄金色を呈するものであ
る。そして、Si含有量が0.8wt%(以下単に%と略
記する)未満では発色せず2.0%を超えると耐食性が
悪くなるので0.8〜2.0%と限定したものである。
Feは熱処理によりAl−Fe化合物として析出し、こ
の析出物が電解処理により黄金色に発色するものである
が、その含有量が0.1%未満では発色せず、0.5%
を超えると耐食性が悪くなるので0.1〜0.5%と限
定したものである。Tiは結晶粒微細化剤として添加す
るものであるが、0.01%未満ではその効果がなく
0.05%を超えると結晶粒が粗大化し組織が悪くなる
ので、0.01〜0.05%と限定したものである。C
r、Mnは共に色調を安定させるために添加するが、そ
れぞれ0.03%未満では効果がみられず、0.10%
を超えると色調が黒ずんで来るためそれぞれ0.03〜
0.1%と限定したものである。
【0006】次に本発明の製造方法について説明する。
均質化処理は鋳塊中の成分を均一化しSi、FeとAl
との化合物を析出させるために行うものであるが、その
温度が530℃未満では最終熱処理においても黄味が薄
くなるため、530℃以上としたものである。均質化処
理温度を鋳塊溶融点以下とするのは、当然のことであ
る。
【0007】また本発明製造方法では、熱間圧延、冷間
圧延を中間処理を入れることなく、施すことが特徴の一
つであるが、これは中間焼鈍を行うと黄味が薄くなり色
調が灰色に近くなるためである。
【0008】熱間圧延、冷間圧延により板とした後最終
熱処理を施すのは、目的である渋味のある黄金色を後工
程である硫酸浴電解処理により発色させるためであり、
熱処理温度が280℃未満の場合、および350℃を超
える場合はいずれも黄味が低下してしまうため、280
〜350℃と限定したものである。
【0009】本発明においてAl−Si−Fe合金板は
純Al板とクラッドして使われる場合もあるがこれはナ
ベ、ヤカン等の器物の内面は特に耐食性を要求されるた
め、Al−Si−Fe合金よりも耐食性の良い1100
合金等の純Al板を内面となるようにクラッドするもの
である。
【0010】尚、本発明によるアルミニウム合金板は器
物材として開発されたものであるが、必要に応じて建
材、装飾材等に転用できることはいうまでもない。
【0011】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。 実施例1 表1に示す各種組成の合金鋳塊を560℃で3時間均質
化処理した後、熱間圧延、冷間圧延を中間焼鈍を入れず
に施し、厚さ2mmの板とした。これらの板に320℃で
2時間の最終熱処理を施したのち、硫酸浴中で陽極酸化
処理した板についてその色調を色差計で測定し、黄味の
大小を表す値であるb値で評価した。b値が大きい程黄
味は大きい。その結果を表1に併記した。尚陽極酸化処
理の工程は次の通りである。 前処理 : 50℃の5%NaOH溶液中に1分間浸漬後、室温の30%HN ↓ O3 溶液中に1分間浸漬して水洗 陽極酸化: 20℃の15%H2 SO4 溶液中で電流密度1.3A/dm2で50 ↓ 分電解し20μmの皮膜を形成する。 水洗 : 水道水で15分間 ↓ 封孔 : 沸騰した純水中に15分間浸漬 ↓ 乾燥 : 熱風乾燥
【0012】
【表1】
【0013】表1から明らかなように本発明例No.1〜
8はb値がいずれも5以上であり、渋味のある黄金色を
呈している。(b値が5以上であれば良好な黄金色を呈
し、5未満では黄味が薄く黄金色にはならない。)これ
に対しCr含有量が本発明の範囲より多い比較例No.
9、Mn含有量が本発明の範囲より多い比較例No.1
0、Fe含有量が本発明の範囲より少ない比較例No.1
1、Fe含有量が本発明の範囲より少ない比較例No.1
2はb値がいずれも5未満であり、黄味はほとんど出て
いない。
【0014】実施例2 実施例1におけるNo.5の組成の合金鋳塊を600℃で
均質化処理し、同じく600℃に加熱した1100合金
板と560℃で合せ熱間圧延し、さらに熱間圧延、冷間
圧延を中間焼鈍を入れることなく施して厚さ2mmの板と
した。1100合金のクラッド率は20%である。この
板に320℃で2時間の最終熱処理を施した後、このク
ラッド板を1100合金側が器物の内面になるように器
物に加工した後、実施例1と同様の陽極酸化処理し、耐
食性を酸性キャス試験により試験したところ、極めて良
好な耐食性を示した。
【0015】以上述べたように、本発明によれば電解発
色により器物材として高級感のある安定した渋い黄金色
を呈するアルミニウム合金板が得られるもので工業上顕
著な効果を奏するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si0.8〜2.0wt%、Fe0.1〜
    0.5wt%、Ti0.01〜0.05wt%を含み、残部
    Alと不可避的不純物とからなる合金鋳塊を530℃以
    上、溶融点以下の温度で均質化処理した後、熱間圧延、
    冷間圧延を、中間焼鈍を入れることなく施して板とした
    後、280〜350℃の温度で最終熱処理を施すことを
    特徴とする硫酸浴電解発色用アルミニウム合金板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 Si0.8〜2.0wt%、Fe0.1〜
    0.5wt%、Ti0.01〜0.05wt%、Cr0.0
    3〜0.10wt%、Mn0.03〜0.10wt%を含
    み、残部Alと不可避的不純物とからなる合金鋳塊を5
    30℃以上、溶融点以下の温度で均質化処理した後、熱
    間圧延、冷間圧延を、中間焼鈍を入れることなく施して
    板とした後、280〜350℃の温度で最終熱処理を施
    すことを特徴とする硫酸浴電解発色用アルミニウム合金
    板の製造方法。
  3. 【請求項3】 合金鋳塊と、純Al板とを熱間圧延の際
    クラッドすることを特徴とする請求項1および2記載の
    硫酸浴電解発色用アルミニウム合金板の製造方法。
JP12431392A 1992-04-16 1992-04-16 硫酸浴電解発色用アルミニウム合金板の製造方法 Pending JPH05295494A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101652262B1 (ko) * 2015-03-06 2016-09-09 순천대학교 산학협력단 금속 무늬를 가진 알루미늄 판재 및 그 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101652262B1 (ko) * 2015-03-06 2016-09-09 순천대학교 산학협력단 금속 무늬를 가진 알루미늄 판재 및 그 제조방법

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