JPH0687185U - 折畳自転車の締結装置の安全機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行中、衣服等のひっかかりが少なく、且つ
小さな力で確実に固定出来る、折畳自転車の締結装置の
安全機構を提供する。 【構成】 締付軸６の上端をサドル固定の立パイプ後部
まで伸ばし、蝶番体５の締付時、この位置に収容させる
構造とすることによって走行中、衣服等がからみにくく
なり、締付軸６を長く出来る為、小さな操作力で大きな
蝶番体締結力を得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フレームのほぼ中央で２つ折りにする折畳自転車の締結装置の安全 機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のフレームの折畳構造は、例えば実公昭５０−３８１２６に示すような、 ドア等に使用される蝶番構造を応用したものが一般的で、フレームパイプの中間 切断部に蝶番を片側ずつ溶着し一端を互いに嵌合軸支させ、他端を蝶番体前部と 係合するナットを螺合した締付ボルトを偏心軸と自由嵌させ、蝶番体後部に偏心 軸を嵌合、上端を締付軸とし、回転させ固定し、走行状態とするものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら従来の蝶番構造を有する折畳自転車ではフレームパイプの中途に 締付軸が位置するため、回転の途中位置はもとより、正規の位置でも走行時衣服 等が締付軸にからみ易く、それを防止するため、締付軸の長さを短くすると、蝶 番体前後の結合力が弱くなり、走行時安全性に支障を来たしたり、締付に過大な 力を使用者に要求する場合が多く、実用性に難が多かった。

【０００４】 本考案は上記課題を解決するものであり、走行中、衣服等のひっかかりが少な く、且つ小さな力で確実に固定出来る、折畳自転車の締結装置の安全機構を提供 することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するために、締付軸の上端をサドル固定の立パイプ後 部迄伸ばし、蝶番体締付時、この位置に収容させる構造とする。

【０００６】

【作用】 この構成によって走行中、衣服等がからみにくくなる上、締付軸を長く出来る 為、小さな操作力で大きな蝶番体締結力を得られる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面を参照しながら説明する。図１において１は折畳 自転車のフレームで、ヘッドパイプ２を有する前部と立パイプ３を有する後部を 連結するフレームパイプ４が中間で分割されている。自転車の折畳み方向は地面 と略平行で、前部蝶番体５ａは前部フレームパイプ４ａ、後部蝶番体５ｂは後部 フレームパイプ４ｂと各々一体である。後部蝶番体５ｂの右側には、締付軸６が 回動自在に嵌合されており、締付ボルト７との自由嵌部は偏心軸６ａとなり下端 にねじ込突起８、止メ輪９（図５）を装着している。上部はＬ曲げされ、立パイ プ３後部迄伸び、後部に曲り込んで、更に立パイプ３に平行に上方へ屈曲し端面 はキャップを被った操作部６ｂを形成している。平行時は略Ｌ型のフック１０に より位置決めされている。１１は、締付ボルト７と螺合し、前部蝶番体５ａを後 部蝶番体５ｂに圧着させるナット１２を覆い、且つ蝶番体の収納空間５ｃに収容 された部分を外に取り出す指掛部１１ａを有している蓋である。図２に於いて、 締付ボルト７先端の突起７ａはビス１３にて、収納空間５ｃ内に装着された弾性 体１４と凹凸嵌合し、締付ボルト７の外移動を防いでいる。１５は、折畳時、フ レームの回転中心となる回転軸で、前後蝶番体５ａ，５ｂの左側、且つ地面に直 角に設けられている。

【０００８】 図３に締付軸６を回転させ、偏心軸６ａをゆるみ方向にし、締付ボルト７を外 す状態を示す。突起８（図５）は締付軸６の回転角度を規制し、前側回転時は蝶 番体５ｂの側面に突起８は当接し、締付軸６は１９０°以上回転しない。上死点 を乗り越し、前上りのフレームパイプに締付軸は略平行のため、この状態で安定 する。この時、指掛部１１ａに指をかけ、弾性体１４と突起７ａとの嵌合を外し 、図の状態迄回転させ、前後蝶番体５ａ，５ｂの締結を解除してフレームを折畳 む。

【０００９】 組立時は前後フレームパイプ４ａと４ｂを一直線状態とし、図２に示す状態に 、蓋１１を収納空間５ｃ内に押し込む。次に締付軸６の操作部６ｂを持ち、矢印 Ａ方向（図２，図４）に回転させる。図４に示すように、立パイプ３に回動自在 にフック１０は取付けられており、締付軸６はフック１０の鉤１０ａ内側にセッ トされる。１６はフック１０取付ビス、１７は、一端１６ａをフック１０、他端 １６ｂを固定金具１８に係止され、フック１０を付勢しているバネである。

【００１０】 図６〜図９に、安全機構の詳細を示す。バネ１７の内側には、フック１０、固 定金具１８を取付ける軸金１９が立パイプ３より形成されている。軸金１９は、 段形状で、根本が円柱１９ａ、中央部が正四角の角柱１９ｂ、先が円柱１９ｃで 、先端にねじ穴１９Ｄを有している。各々対応する部品も同様の形状をしており 、従って固定金具１８だけが角穴１８ａにより回転しない。フック１０は固定金 具１８と当接する当接部１０ｂを有し、バネ１７により付勢されても、締付軸６ とフック１０の隙間ａは確保されている（図７）。従って、鉤１０ａ外辺の斜辺 １０ｃは常に定位置であり、一点鎖線で示す。締付軸６の斜辺１０を押上げる動 きにより、鉤１０ａは自動的にＢ方向に回転し、係止される。外す場合は、鉤１ ０ａの内辺は逆斜辺１０ｄとなっているので、締付軸６を動かしても外れない。 フック１０の上部の押部１０ｅを指で矢印方向に押し、係止を解除する。走行時 、締付軸６に外力が加わっても外れない。また固定金具１８は、対称形状をして おらず、角柱１９ｂへの入れ方により、当接部１０ｂと角穴１８ａ中心線迄の距 離は図７ではａであるが、ｂ．ｃ．ｄ．ｅと変化さす事が出来る。従って、生産 時の寸法バラツキにより、組立時、フック１０と締付軸６との隙間は変化するが 、固定金具１８の入れ方を変える事により調節可能である（例えば、点対称の入 替をすれば、当接部１０ｂと固定金具１８の中心線距離はｅとなる）。

【００１１】 図１０にて、６ｃは止め輪９嵌合溝、６ｄは突起８ねじ穴、６は鍔である。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように、本考案の折畳自転車の締結装置の安全機構は、フレームパイプ 中間に設けられた蝶番体に設けられている締付軸の上端を長く伸ばし、小さな入 力で確実に固定出来るようにすると共に、その端を立パイプと略平行に且つパイ プと後車輪の間に位置さす形状としたので、操作性が良く、また、ペダル回転等 においても衣服等がからまないという、安全性の高い特徴を有する。

【００１３】 また、締付解除時、締付軸下部の突起により、締付軸は最前方（上方）より更 に回転した位置で回転が規制されるため、締付軸はその位置で安定し、折畳操作 性が向上している。

【００１４】 更に、立パイプ後部に回転自在に鉤型フックを取付けているため、走行時邪魔 になることなく、また操作部近傍にフックの押部が位置しているので、係止解除 は一連の動作で可能である。また鉤部外側斜辺に締付軸が当接するため、係止時 はフックに触わる事なく締付軸の操作部のみの操作で自動係止出来、外れる事が ないという効果が得られる。

【００１５】 また、固定用に立パイプに設けられた軸金と固定金具は、四種類の組合わせ可 能な角穴嵌合であるため、フックの取付角度は４通りに調節可能であり、締付軸 と鉤部との位置関係を製造精度に影響されることなく適した位置に調節可能であ り、実用性の高い安全装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構を用いたフレーム側面図

【図２】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構の部分平面図

【図３】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構の部分斜視図

【図４】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構を示す斜視図

【図５】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構の部分右側面図

【図６】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構の図１でのＸ−Ｘ断面矢視図

【図７】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構の図１でのＹ矢視部分断面図

【図８】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構の図７でのフックを取外した状態の部分側面
図

【図９】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装置
の安全機構の軸金の斜視図

【図１０】本考案の一実施例による折畳自転車の締結装
置の安全機構の締付軸の斜視図

【符号の説明】

１ フレーム ４ フレームパイプ ４ａ 前部フレームパイプ ４ｂ 後部フレームパイプ ５ 蝶番体 ５ａ 前部蝶番体 ５ｂ 後部蝶番体 ６ 締付軸 ６ａ 偏心軸 ６ｂ 操作部 ７ 締付ボルト ７ｂ 突起 １２ ナット １５ 回転軸 １７ バネ １８ 固定金具 １８ａ 角穴 １９ 軸金 １９ａ 円柱 １９ｂ 角柱 １９ｃ 円柱 １０ フック １０ａ 鉤部 １０ｂ 当接部 １０ｃ 斜辺 １０ｅ 押部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレーム略中央のフレームパイプを２分
   割し、蝶番体を装着し、一側方に、開閉軸たる回転軸、
   他側方は、前部蝶番体と係合するナットを螺合した締付
   ボルトの基部と自由嵌する偏心軸部を有する偏心軸を有
   する折畳自転車の締結機構において、締付軸上端は、サ
   ドル固定の立パイプ後部に蝶番体締付時、略平行に位置
   する事を特徴とする折畳自転車の締結装置の安全機構。
2. 【請求項２】 締付軸下端は、抜け止めを兼ねた突起を
   有し、該突起は、締付軸が主パイプ中心線より更に回転
   した角度にて蝶番体に当接する事を特徴とした請求項１
   記載の折畳自転車の締結装置の安全機構。
3. 【請求項３】 立パイプ後部に回転自在に取付けられた
   鉤型フックは略Ｌ型で、バネにより付勢され、定位置
   で、鉤部外側斜辺が締付軸と、フック回転方向に接し、
   フック上端が操作押え部となっている事を特徴とした請
   求項１記載の折畳自転車の締結装置の安全機構。
4. 【請求項４】 フック固定用の立パイプに設けられた耳
   金は、段付き円筒形状をし、中間に四角柱部を有し、四
   角柱部と嵌合する固定金具は、フック回転時、当接する
   当接部寸法が４通り異なる事を特徴とする請求項２記載
   の折畳自転車の締結装置の安全機構。